NIGHTS BEFORE NIGHT

NIGHTS BEFORE NIGHT
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神343
  • 萌×283
  • 萌27
  • 中立8
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
35
得点
2136
評価数
466
平均
4.6 / 5
神率
73.6%
著者
ナツメカズキ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
シリーズ
MODS・NIGHTS BEFORE NIGHTシリーズ
発売日
価格
¥777(税抜)  
ISBN
9784864423373

あらすじ

『MODS』本当の完結。

元ヤクザでゲイ向けデリヘル「Rain」のオーナー・春は、一条組組長の息子である雪鷹を自宅で預かり、謹慎させることになる。
暴力沙汰を起こす問題児の雪鷹は、春の想い人で今は亡きヤクザ・一条時雨の腹違いの弟だった。
時雨の死に囚われながら不眠を患う春は、性格は真逆だが、時雨と似た相貌の雪鷹にしだいに翻弄されていき……。

眠れぬ夜の終わり、哀しき男たちの愛と救済を描く、ナツメカズキ最長編作!

表題作NIGHTS BEFORE NIGHT

26歳,一条組組長の本妻の息子
33歳,ゲイデリヘルオーナー,元ヤクザ

同時収録作品NIGHTS BEFORE NIGHT

33歳,雪鷹の異母兄,ヤクザ
22歳,ヤクザのイロ

その他の収録作品

  • あとがき
  • カバー下にキャラクター紹介とキャラクタープロット

レビュー投稿数35

救済

『MODS』がとても好きだったので、こちらも読みました。
『MODS』でも登場したデリヘル「Rain」のオーナー、春がメインの物語です。春の過去が明らかになっていく様子が、とてもおもしろくて、夢中になって読み進めることができました。シリアス系のお話で、読んでいて、痛く感じることもありましたが、こういう系統のお話が好きなので、はまりました。
『MODS』でも登場したシロが、少しだけ登場してくるのも、うれしかったです。

0

愛と救済

MODSのスピンオフ。Rainのオーナー春は一条組組長息子の雪鷹を謹慎中預かる事に。雪鷹は春の想い人で今は亡き時雨の腹違いの弟。時雨を失ってから不眠に悩む春、同じ顔でも時雨と全然違う雪鷹もまた孤独と苦しみを抱えていて…。
MODSのシロも登場し時雨との関係やこれまでの事が明らかになる展開が見事。2つを読んでやっと全てがわかる大きな流れに、あっという間に取り込まれて攫われた。こちらを読んでまたMODSを読むと更に感慨深い。春がやっと雪鷹へ本音を告げられたシーンでは思わず涙が…。極道に生きる男たちの愛と救済。春に安眠が訪れて良かった!

0

世界観にどっぷり浸る

苦しさと切なさ、そして光と闇が入り交じるボリューミーな一冊。
ナツメ先生作品の世界を濃厚に堪能できます。とにかく読み応えがすごい。

「MODS」を読んだらこちらのスピンオフを読まずにはいられない気持ちになるのは、時雨や春が強く印象に残る人たちだからなのでしょう。
前作ですでに時雨が亡くなる描写があるので悲しみは避けられない展開ですが、そういう部分があってこそ際立つ「愛」が描かれているのではないかなと思います。

春だけではなくて雪鷹も心の深いところに時雨は存在したままで、彼に対する行き場のない気持ちを抱えていることで過去から動き出せない様子には本当に胸が締め付けられます。
状況は理解していてもひとりでは抜け出せない悲しみの中で、何度も藻掻きながら生きてきたふたり。
シロのこともあるので、時雨はどこまでも罪な男だな…と思いながらも。
似たような傷を持ったふたりが出会い、そしてお互いに求めて前に進んでいけたのもやっぱり時雨の存在があったからで。
世話焼きな時雨が自身にとって大切な人たちを繋いでくれたのかなと思えました。

苦しいところもハラハラするところもたくさんありますが、最後にはとてもあたたかい気持ちにさせてくれる素敵なお話だなと改めて思いました。

0

なんで読んでいなかったのか、、、

先日先生の新刊を読むに当たりMODSの後の本作を未読だという事実に気付いた私、、、新刊を読んでからとかの順番はバラバラにはなりましたがやっと読む事が出来ました

なんでこの作品を読んでいなかったのか、、、後悔しか無いです
が、知らずに読まず終いにならずに良かった。。。

MODSは本作を読まずに完結は出来なかった作品ですね
そしてこの作品を読んでこそシロにも春さんにも未来が見える気がしました

過去があるから今があって、今があるから未来がある
脈々と刻は繋がり流れていく
囚われるのではなく刻まれていく事で起こる変化こそが救済
刻を進めなければ結果何ひとつ動けず変わらない…

それを刻みに来たのが雪鷹という存在
同時に雪鷹には春という存在が、、、

胸と涙腺が熱くなる1冊でした

新刊も本当に素敵で大好きでした!!!
ただ泣くって事はなかったのですが、、、
本作を読んで再読したら時雨さんが源慈と軽口を楽しんでる事に嬉しくなり、そして春の事を訊かれ「ああ 可愛いよ」とサラッと答えているそのコマに完全に涙腺崩壊でした…

完全に繋がった世界としては捉えらえなくてもこういう想いが拾えるっていうのはやはりグッと来ますね
そもそも冒頭は雪鷹始まり!(しかも一条組長…!)

やっぱり遅くなってしまってもこの「NIGHTS BEFORE NIGHT」は読んで良かった!!!
益々先生の作品の世界観で表現される深い深い愛のカタチに溺れます
素晴らしい男達の賛歌でありレクイエムでした

0

電子で購入なら、是非Rentaで

電子派なので、シーモアとRentaでアカウントを持ってますが、本作品購入をご検討でしたら是非Rentaを。と言うのも修正が全然違います。シーモアは白抜きです。Rentaは小さい短冊修正なので存分に物語に没頭できます。作品の内容は他の方々がもうご説明されているのであえて申すことはございません。傑作です。

1

よかったな~よかった!!

MODSを読んでいたので気になって購入しました。
よかった…!
男前受だな~と思いました。こちらもまたビジュがよい!
厚めなのでボリュームもありますが内容も深く素晴らしいので最後まで気が散ることなく読めました。

0

重かった…読み応えがすごい…

「MODS」を読んでからこちらへ。こちらの主人公も時雨に囚われている一人でした。時雨…なんて罪深い男。
春の前に時雨と同じ顔した雪鷹が現れて…?というお話。本当に時雨はいろんな男の心の中に生きすぎです。雪鷹にも深く根を張る記憶を残してて、ガタイの良い大人が背中丸めて辛そうなのはしんどい。こんなんでどうやって春と関係を築いていくのかと胃が痛みそうでした。
救いは雪鷹が少々あほのこムーブに走ってくれて、痛いシリアスみを和らげてくれたことかな。投げやりな子供っぽさが時雨との違いを強調してるようで良かったです。
時雨との過去編はやっぱり引き込まれますね。時雨は本当は何をしてたの?真実はどれなの?っていう謎は謎のままなのも、惹かれる理由かもしれません。この物語の中ではハッキリ描かれなくても良いですが、別で時雨の話は読んでみたいです。結末が辛すぎだけど、MODSとコレと2作品分の落とし前付けて欲しい!みたいな笑。
最後もゆっくりじっくり簡単にはくっつかず、時間をかけて整理してから。物語が綺麗に畳まれていく感じが心地良いです。セリフがちょっとクサイのも雰囲気出てて好き。描き下ろしのHシーンは必死さに萌えました。
秘かなお気に入りは月守。彼はかなりの萌えキャラだと思うんですが笑。腕まくりシャツにエプロン+無表情が最高でした!

3

これはいい話!

本作があっての「MODS」、「MODS」があっての本作というか。
うまく相互補完されていて、2作で1つの大きな傑作!という印象を持ちました。

最初、本を持った時、分厚い!と思いました。
その厚さに違わぬ読み応え。

前作での時雨が、少しくたびれた感ありつつ、やさしいいい男で。
本作では、タバコの銀紙で鶴を折り「かわいいだろ」なんて言っちゃう、若くて更にいい男で、そう言うあなたがかわいいやん!なんて萌えツッコみしてしまうほど、色気ある好みのタイプ。
隣で眠っていた春も若くて色っぽい。

この冒頭の、眠っている時に時雨に触れられて、自分も触れようとする場面を、春はずっと夢に見て起きてしまい眠れないんですね。
雪鷹の手を時雨と間違えた時も、この夢を見ていた。

雪鷹は時雨と似ているかな?と私は思ったけど(シロは全然似てねぇな、と言っていてさすがシロ!と思ったw)
春は雪鷹に時雨と重なる部分を見ていたんですね。

雪鷹はまさにでっかい子どもみたいでw かわいいっちゃあかわいい。子どもの時からさみしい辛い思いをしてきたのもわかる。
月守のお世話っぷり、何度も鷹と呼べと言われるのに雪さんと呼び続けるところがツボw

そんな雪鷹が、春をカタギに戻す時、男でしたね!
「誰かと幸せになれ」
なんてセリフ…泣かせるわ〜。

春はシロに自分を投影したり、時雨の忘れ形見のように感じて引き取ったのかなと。

若い春が花火を買って時雨のもとへ走る姿が健気でいじらしかった。

時雨は、雪鷹をかわいがったり、春をさりげなく助けたり、鶴を折ったり、線香花火を楽しんだり、シロを助けようとしたり…やさしく繊細なところがあるから(恐らく)殺しをさせられていたことに心が壊れかけていたのかなと思います。

時雨が亡くなったこと、自分のせいではないのに、春はそんな風に十字架を背負っていたんですね。

時雨が亡くなってから入れたという春のウナジの十字架の入れ墨が重いのか…若い頃は背筋伸びていたのに、現在の春は猫背気味なのが、そのせいかなと。

十字架が見えるように髪も切って。
ここぞの場面で、十字架が見えるのがきますね。
例えば、雪鷹が「昨日 抱いちまえばよかった……」と春を抱きしめる時も十字架が見えて、これがあるから簡単には雪鷹とはそうなれない、と言ってるようで。
と思ったら、刺されて倒れる雪鷹に「愛してる……」と春が言う時も十字架が目立つように描かれ、もう十字架の役目は終わったんだと語っているようで。
結ばれる場面でも、十字架に光が当たり、雪鷹がキスをする。
どの場面も、十字架がとても効果的に描かれているなと思いました。

時雨のことがあってから眠れなくなった春。
そんな春を好きになり、自分が眠らせてあげよう(もう苦しむのを見たくないから)とする雪鷹。
そんな雪鷹の腕の中で11年ぶりに眠れるようになった春。
そんな2人(と時雨とシロと)が出会い、救い合う、セリフや構成もとてもすばらしく良く出来たお話だと思いました。

ところで、時雨の事故は八神の差し金でしょうか。「時雨は知り過ぎてた」のセリフが気になりました。

あと、欲を言えば、虎も少しでいいから出てきてほしかった〜(涙)

2作合わせ技で、神に近い萌2です。
個人的な好みで恐縮ですが、雪鷹が時雨のようなタイプだったら神だったかも。
エロの時、春が待って(もう少し慣らさないと)と言っているのに我慢できず雪鷹がインしちゃったのが私的にマイナスポイントw 大人になったとは言え、子ども心が抜けない設定だからそうなるのかもしれませんが、春が大事ならそこは我慢してほしかったです〜。

2

最高すぎた

めちゃめちゃ良かった、、!!

2

開始4ページで号泣

こんなに早いスピードで心を持っていかれたのは、「ライオンキ◯グ」のオープニングで号泣したとき以来です。
いつもスピンオフを先に読んで「しまった!」となることが多いのですが、今回はちゃんと先に「MODS」を読んでおいて良かったと心から思いました。

「MODS」でシロと信虎が働いていたデリヘルのオーナー・春の話です。
愛していた時雨を失ってから11年。
あれ以来、眠れない夜を過ごしていた春に時雨の弟を預かれという命令が来て…。

シロを救おうとしていた時雨の最期の1日が明らかになります。
あちらだけではただ不幸な事故が起きただけかと思っていましたが、そういうことだったんですね…。
あれほどシロを大事にしようとしていたのも、シロが弟と同じ年というのと、「組織の犬」だった自分と「俺は犬だから」と言うシロが重なっていたからで。
「MODS」だけでは知り得なかったことがたくさん描かれています。
絶対に「MODS」を読んでから読むべしです。

時雨が死んだのは自分がシロを連れて行ったからだと、愛するひとを失った悲しみだけでなく、死なせてしまった自分を責め続ける苦しみがどんなに重いものか。想像しただけで息ができなくなりそうです。
11年という長い年月をひとりで耐えてきた春が、時雨にそっくりに育った雪鷹と生活することで自戒の念に駆られながらも、少しずつこころが寄り添っていっていただけに、その後の893の事情的展開が余計につらい。

こころに残るシーンがたくさんありすぎて、挙げるとキリがないのでひとつだけ。
星空が出てくるシーンは全部良いのですが、それを差し置いて一番こころにぎゅっと来たのが、雪鷹を戻すという話を春が雪鷹に伝えるシーンです。
前の日の夜からその日の朝にかけて、すごく意味のある時間を経てからの突然の別れに、
「昨日抱いちまえばよかった……」
と、春を抱きしめながら雪鷹が言うコマ。
このとき、雪鷹は春を包み込むように抱きしめているのですが、背中しか描かれていない春の方は直立したままなんです。
思いのまま抱きしめ返すことは簡単なのに、抱き締めない。
春の握られた両手に拒絶しなければいけない、という気持ちが表れていて、一方の雪鷹の絞り出すような言葉も痛くて、こころに焼き付いたシーンでした。

まとまりませんが。
思い出しただけで、まだ泣けそうです。
最近泣くほどこころが動いてないなという方には、ぜひとも読んでほしい!

4

素敵過ぎる

男同士の愛に悶絶しました。

初めは厄介者の如く雪鷹を扱っていた春ですが、雪鷹に時雨の面影を見出してハッとする表情に彼の損失感の根の深さを感じました。

雪鷹も初めは春の事をおっさん扱いしていたのに、時雨と間違えられてから不眠を治そうと必死なのが可愛かった。

時雨と春の出会いから、時雨が破門されるまで、そしてシロを保護して時雨が亡くなるまでをじっくりと読めたのが最高でした。

そして雪鷹が春を愛する様になって、ヤクザの世界に入ることを決意する…もう男達の生き様がカッコよくてカッコよくて悶えながら読みました。

最後にやっと組が落ち着いて春の元に現れた雪鷹とのセックスシーンは年齢制限無くて良いの?♡ってカバーを思わず確認してしまいました。

2

痺れる、、!

ナツメカズキ先生の作品初めて読ませて頂きました。本当は先にMODSを読んだ方が良いんだと思いますが、このお話だけ読んでも凄く楽しめました。
ヤクザ系に興味がなくて題名は知ってても、なかなか読もうと思いませんでした。でも評価がめっちゃ良かったんで読んでみたらホントに良かったです、、!

あらすじにもある通り春さんは今は亡き時雨さんを想い続けています。その時雨さんを思い出してる時の表情を見てると切なさで胸がえぐれます。
そういう春さんを見て雪鷹の心情も少しずつ変化していきます。雪鷹のたまに見せてくれる胸きゅんポイントがやばいです♡きゃー!!って感じですね、はい。

いやぁ〜もっと早く読んどきゃ良かったです。ここまでぐっ!と来たのは久しぶりです。読んでダメってことは基本ないと思いますよ。今すぐMODSも買いに行きたいです。

3

みんな幸せになったくれ…!

MODSを気に入ったので、スピンオフにあたるこちらも購入。
一言で言えば、まさしく神作品でしたね。
相変わらずクールでどこか廃れた雰囲気ながら、本筋は純愛。読んでいて胸が苦しくなる作品でした。


以下がっつりネタバレ含みます。



愛した人の死を自分のせいだと悔やみ、真っ暗な鳥籠の中に囚われていた春さん。


自分の存在意義、未来、何も見えず自暴自棄になって暴れる雪鷹。


その本質が優しい人であるがゆえ、自らが犯した罪に弱り苦しむ時雨さん。


MODSの時からシロにとってとっても大きな存在だった時雨さんが如何に周りを救ってきたのかを知ることができました……なのに(結果として)この人は救われなかった。切なすぎるキャラクターでした。


本カプではありませんが、時雨さんに思いを馳せてみようと思います。


時雨さんは本当に優しい人で、生まれが違えば、愛する人を一生一途に愛して共に笑いながら暮らせるような人だと思います。

ただヤクザの家系に生まれてきてしまったがゆえ、この世の暗部に囚われて抜け出せなくなってしまったのかと思うと、あまりにも切ない。

また、春さんもシロも雪鷹も時雨さんに助けられたけれど、そのお返しとして春さんは彼の弱さを受け止めることで束の間の安らぎを与え、シロは未来への希望を与えてくれたのかな。そう思うと少し救われたような気持ちになれます。

シロと逃げて新しい未来を…この願いが叶わなかったのも時雨さんという存在の悲しさを一段と深めているように思います。キャラは深まったと思うけど、思うけど!余りにも切ない…!

雪鷹にとっても唯一自分に優しく接してくれた時雨さんは大きな存在だったと思いますが、時雨さんが弱っているときに突き放されて絶望してしまいます。

ただ、時雨さんがいなかったら雪鷹はもっと荒んでいたと思うし、春さんにあれほど真っ直ぐにぶつかることはできなかったと思う…やっぱり大きすぎるよ時雨さん…

時雨さんのことを考えれば考えるほど苦しくなって泣きそうになります>_<


次はメインカプの二人について。


愛した人に11年間も囚われたままの春さんと、誰からも愛されない自分の存在意義を見失っている雪鷹が、まるで化学反応を起こしたかのように変化していき、現実に根を張って互いを愛そうとするその姿があまりにも愛おしい、そんなカプでした。

大きな時雨さんという存在を心の中に抱えている春さんが、不眠症の薬無しで眠れてしまうほど優しく包み込んでくれる雪鷹。

誰からも愛されない、きちんと向き合ってもらえない、そんな感情を抱いていた雪鷹にちゃんと向き合ってぶつかってきてくれる春さん。

二人の中で互いの存在が大きくなっていく描写がとても美しかったです。

特に、ヤクザとの繋がりを切りたい春さんを助けるために、雪鷹がなりたくもないヤクザになるという終盤の展開が一番暖かいのに切なかった。つい、それじゃあ二人はくっつかないじゃないか…!と叫んでしまいました。

雪鷹の誰かと一緒になって幸せに…なんていう願いは、優しいようで残酷に聞こえました。春さんは雪鷹と一緒に幸せになりたいと願っているのにぃい!と。

でも神様(作者様)の優しさで、最後にはくっついてくれたので良かった良かった。愛してると伝える春さんの背中があんまりにも寂しそうで泣きそうになりましたよ、もう。…生きてて良かった!



エロシーンも◎でした。かなり分厚いコミックスの割には少なめですが、一回一回のエロさはすごい。(笑)

切ないシーンも多幸感あふれるシーンもあり、最高でした^_^

2

ナツメカズキ先生3冊目

「I HATE」「MODS」でもやっとした点が払拭されてました。2作品は判子顔とかキャラの掘り下げとか説得力に、うーんって感じだったのですが、今作は綺麗にまとまっていて。絵と演出が相変わらずとても上手です。

「MODS」より断然こちらが好きなのですが、逆の感想の方も多いようで面白いですね。

「薬はご法度のヤクザ」ってテンプレの裏社会モノが食傷気味で神にはしなかったけれど、ナツメカズキ先生のアウトサイダーではない話が読みたい。次回作、発売延期になってしまいましたが楽しみ。

※電子書籍 ebook /白抜き カバー裏・裏表紙無し

1

久しぶりに切なさにぎゅんぎゅんしながら読みました(涙)

届かない想いとどうにもできない罪悪感。
十一年もの間、ずっとその想いと罪悪感に囚われている春。
切なくて苦しくてもどかしい。

そんな春が雪鷹に救われる様がまた切ない。
雪鷹に惹かれるのは忘れることなのかと葛藤し、
その葛藤ごと愛してしまった雪鷹は、
自分の総てで 春を守る。
それが別れに繋がったとしても。

男臭い世界なのに、愛と優しさに満ちている。
悲しさや苦しさを知ってこそのこの結末。
ぎゅんぎゅんしました!

久しぶりのぎゅんぎゅんに、評価は「神」で!

2

MODSスピンオフ

春さんと雪鷹のカップル。「MODS」からのスピンオフです。

なくなった時雨を愛していた春。汚れ仕事をさせられていた時雨を包みこんでいた春。しかし、シロを紹介したことで時雨が亡くなったという自責の念で、10年来不眠症に。
そんな春を、時雨にそっくりの弟、雪鷹が救う。やんちゃなだけかと思った雪鷹が、眠れない春に寄り添って、今度は自分が春を救おうとする。

雪鷹が春を好きになる課程がよく分からなかった。春にそういう人が必要だという状況はよく分かるし、春は魅力的なのだとも思うが、雪鷹にとって、というのが今ひとつ説得力がなかった。
やりたいことが見つからず、なげやりになっているヤクザの息子、雪鷹。

春を好きになって、春を救うためにヤクザになることを決める、っていう、恋愛で人生を決めるところがちょっと興ざめでした。

まあ、かっこいいテイストの恋バナを楽しむという限りではいいんですが。。

1

光明与漫长黑暗后的救赎

作为Mods的衍生篇,把人物和故事成功地串联接续起来。漫长仿佛没有尽头的雨天、黑夜,无法摆脱的沉重过去和内心纠葛,不在人世、却让所有角色都难以忘怀的魅力人物时雨,所有这一切构成了一个时间跨度大的漫长故事。让人跟着角色揪心。成熟世故、带有距离感的春,过去居然是个随波逐流的小混混,与时雨的相遇成为他过去人生中最珍贵的美好回忆,却因无法相守而最终没有表白,更因为时雨的死而成为永久的遗憾。雪鹰一出场冲动莽撞,却有着纯真细腻体贴的一面,他对异母兄长时雨抱有倾慕却也无法完全理解又永远天人相隔的遗憾怨念。两个人因为与一个人共同的交集而联系在一起,最终彼此救赎,迎来新生。时雨是个让人难忘的复杂角色,哪怕身处黑暗,依然不改光明温暖的一面。努力想要拯救白、春等人。一直希望他并没有死,只是因为种种缘故不得不与其他人分开,在某个不为人知的地方隐姓埋名生活。在最后却不得不接受现实。对于活着的人来说,逝者成为他们共同美好的回忆、永远的牵挂,然后带着这份感情继续生活,也是一个现实向的治愈系结局吧

1

優しい世界ではない ヤクザBL

前作「MODS」も持っていたので、今回スピンオフが出るということで迷わず購入しました。
ヤクザモノの良さが濁らずに表れています!正直、MODSのラストは優しい世界になりすぎていて、おとぎ話のようだと感じてしまいました。しかし!今作ではいい意味で期待を裏切られました!!囚われたまま逃れられない、大人の世界。これぞ求めていたヤクザBLです。所々涙さえ滲みました。
「MODSを読んだことがあって、全体は好きだけど幸せなラストだけはファンタジーのように感じて納得いかなかった」という方がもしいらっしゃいましたら、購入をおすすめしたいと思います。また、MODSは知らないけれどヤクザBLが好きという方も楽しめると思います!

1

大人っぽい絵と切ないストーリー

スピンオフですが元々の作品をうろ覚えだった私でも普通に楽しめました。
ヤクザものは言うほど暴力や本業の話が出てこないものが多いけれど、こちらはかなり書かれていますね。とは言え、親世代の抗争に若者が巻き込まれていくという感じなので主人公たち自身は優しいキャラが多いし、そうならざるを得ない環境と状況と言うのが切なくてグッと来ます。
時雨さん、思い出としてしか描かれていないけどミステリアスで本当に素敵!雪鷹が時雨さんに似ているのが顔立ちだけなら春も絆されなかったんでしょうけど、同じような環境にいたから性格も似ていて優しかったですね。誰かを守るために自分を犠牲にする精神は素晴らしいけれど、雪鷹は春を残して逝かないでほしいですね。

1

ヤクザ好きにはたまらん

めっっっっちゃ好き!!!!泣けるし萌えるし最高に良かったです。ナツメカヅキ先生の作品は全て購入しているので、今回ももちろん買いましたが…先生の作品の中で一番好きです!私はヤクザ大好きなのでめちゃくちゃどストライクでした。ヤクザさんってなんであんなに生き様がカッコイイんでしょう…惚れるしかない。タトゥーもエッチで素敵…受けも攻めも男前だし、ストーリーも大容量であっという間に引き込まれました。買って良かった…マジでありがとう…

3

♯時雨れる物語…

時雨という言葉には、晩秋から初冬頃に一時的に降ったりやんだりする雨…
という意味の他に、涙ぐむこと。涙を落とすこと。また、その涙…という意味があります。

時雨さんのために、涙を流した人が沢山います。
雨も物語の重要要素であり、時雨さん自身は登場こそ少ないものの、全ては時雨さんを中心に進んでいく物語…

ラストは、人それぞれの感じとり方なのでしょうが、私には希望のある終わり方だったように思いました。

この物語を読みどう感じるか、一読の価値ありです。

3

スピンオフとしてはちょっと物足りないかも

 『MODS』でシロが働いていたデリヘル店のオーナーの春が、メインの受けとして登場します。かつてはシロも惹かれた時雨と、そういう関係にあった春。唐突に時雨が亡くなり、それ以来ずっと不眠症を患っている春が、時雨の弟である雪鷹の不器用な愛にゆっくり絆されていく、そんなストーリーでした。

 雪鷹はがっつりヤクザの息子ですから、組同士の抗争や跡取りの話なんかも絡みながら、終始重厚感のある雰囲気は出ていたと思います。ただ、『MODS』を超える何かがあったかと問われれば、正直似たようなストーリーに感じたことは否めないかなぁと思いました。時雨に囚われたままの相手に真っ直ぐぶつかり続けた虎と雪鷹、新たな関係を築く上で時雨のことがずっと尾を引き続けていたシロと春。それだけ時雨が魅力的な人物だったということなんでしょうけれど、『MODS』から間を空けずに読んだせいもあってか、デジャヴ感を強く感じてしまいました。受けの境遇も似ていますしね。

 攻めの迫り方とかがもう少し違っていたら、もっと独立してこちらの世界観にハマれたような気がします。相手を海へ連れ出した虎と、星空の下に連れ出した雪鷹が、どうしても被ってしまうんですよね。どちらもとても素敵なシーンではあるんですが。この作品単独の評価としては、ストーリーもしっかりしていますし萌えも感じられてけっして悪くなかったんですが、『MODS』のスピンオフという視点から見ると、こう感じる人もいる、ということで。時雨は私も大好きなキャラですから、もっと春と時雨のシーンを読みたかったなぁという願望もあります。

2

Renta!で買えば良かった……

うわぁ……こういう終わりなのかぁ…というのが正直な私の感想です。

帯にでかでかと「十年の夜を解く 救済」とあったので、完全ハッピーの完全救済ストーリーだと思ってた。

だってあんなダークに染まりきってたシロだって今や文房具屋の空ちゃんとなって、昔の世界から完全に足を洗ってほんわかハッピーになってるのだから、この二人が目指すのもそういうところかなと思っていたんです。


店を畳んでヤクザの世界と完全に縁を切りたい春のために、半端もんだった雪鷹が極道の世界に入る。

そこは胸打つポイントだというのもわかるし、雪鷹の思いの深さみたいのは確かに感じるけど、ええーーーーっっって感じでして‥‥。

手放しでおめでとう!と言えないところが、私にとってはメリバだなぁと思いました。

893って一度足を踏みいれた人間に対しては寄生虫のように食らい付いて離さないんだなぁ…と思いながら読み進めていたので、結局は時雨も春も雪鷹も893には勝てなかった…みたいな読後感が残ってしまいました。

雪鷹は足、洗って欲しかったなぁ……。でも難しいよねぇ……。

私は893のイロですけど、完全にカタギですっていうのは通用しないでしょう??
893のイロの時点で、ズブズブのそっちの世界の人間だと思うわけで、結局春の望んでいた完全カタギとは違うわけで……。
まぁ「カタギになって誰かと幸せ」なんかよりも、カタギになれなくてもお前がいいというところなんでしょうが、結局893にはやっぱり敵わない……みたいなのが嫌だったなぁ。。。



つらつらと感想を

・思っていたよりも893色が強い。
893話って●●組とかごっちゃになるし、立ち位置とか把握するまで苦労するので、このお話も途中で五分兄弟って何?兄弟盃ってどういう効力があるの?みたいになるし、力関係がいまいちわからないんですよねぇ……。組長の実子の雪鷹と八神がどっちが立場が上なのかみたいなのが感覚的にわからないので、そもそも八神ってなんでこんなに偉そうなんだろう?と瑣末なところで中断されてしまう(そういうメンドくさいところが苦手)

・春の「愛してた」の破壊力!ズキューーーーーンと心が撃たれた。
・「俺が眠らせてやる」=「抱いてやる」くらいの勢いだと思ってたら、まさかの笑。
雪鷹って若いんだなぁと微笑ましく思えたひととき。かわいい、かわいいわ。
・まさかの一年後。
・MODSの春は、ヤリ手の風俗経営者で喰えない男って感じだったけど、こんなかわいくなっちゃうとは。描き下ろしの自分で解すシーンが絶品!!エロいよぉ。
・春って店を畳んだあとは何をやってるの?
・MODSは「夜明けの腐女子」向け作品入りしてたけど、こちらは「黄昏の腐女子」向きだと思う。

MODSをシーモアで購入してたので、これもシーモアで買ったのだけど、Renta!で買えば良かったと反省中です。
シーモアは真っ白白抜きなんだけど、どうやらRenta!は二本線修正みたい(東京漫画社だから)
そしてRenta!では独自のおまけがついてるみたいで、買い直すか検討中。


電子には残念ながら小冊子付きがないのですが、小冊子の中身はCab.46なので、読みたい方はCab.46の購入をおすすめ。
文房具屋の空ちゃんになるまでのシロと虎の番外編が収録されていて、MODS好きの方なら必読レベルだと思ってます。
これはRenta!で購入済みなのですが、修正が薄いRenta!での購入をオススメします。

6

『MODS』のスピンオフ作品。

『MODS』のスピンオフ作品です。
スピンオフ作品ではありますが、この作品から読んでも差し支えはないように感じます。

「……つらい 全部忘れて眠りたい…」と零す春さんに、ガサツで不器用に寄り添おうとする雪鷹が とても微笑ましく見えました。

大好きな作品『MODS』のスピンオフということで とても期待していた為、読み終えたときに「あれ……?? こんなものなのか……」と思ってしまったこと、時雨さんの登場が少ないと感じてしまったことから、この評価です。

3

泣けました…

前作『MODS』で亡くなった時雨さんが軸になり、数人の男が苦しんだり悲しんだり…その苦しみを乗り越えたりします。。

『MODS』が(私の中では)かなり印象深かったので、スピンオフはさほど期待してませんでしたが…期待はあっさり裏切られ…めちゃめちゃ泣けました。。

春さんにとっての時雨さん。。
想像以上に存在が大きく、またお互いに思う愛情の深さも想像以上でした。。

時雨さんに救われた人…一体何人いるのか…

シロをこの人なら救ってくれる…と時雨さんに託した春。その事でまさか時雨さんが死ぬなんて。。どれ程苦しんだのか。。とてつもなく長い間不眠症は春を苦しめました。

不眠症から徐々に解き放たれたのは時雨さんの腹違いの弟…雪鷹の存在。雪鷹は春を救いたいと頑張りますが、私には雪鷹も春に救われたようにも見えました。。

たくさんの傷を背負った男ばかり出てきますが(笑)

誰かのせいにせず、自分で何とかしようとする(だからそれぞれ苦しんでるんですが*><*)…基本的に優しい男の集まりです(笑)

次はCD発売を楽しみに待ちます!!

あと、時雨さんにスポットを当てたお話を読みたいなぁ~と願っています。



12

この世界が好き。

前作のMODSが大好きで、心待ちにしておりました。内容は、デリヘルオーナーの春さんの物語です。亡くなった恋人が忘れられない…というか、その死の原因は自分にあると考えていて、11年も不眠症という、言葉にまとめると陰鬱なのですが…暗いとか病んでるとか、そんな印象は受けず、春さんの心に寄り添いながら、幸せの芽を見つけられる、じんわり胸が温かくなるお話でした。
いや、しかし、34歳でじじい、おっさん、と…まあ、皆の距離感が近いからそう呼ぶんだとは思いますが…全編、春さん色気バリバリですよ。
個人的にイチオシな虎くんはほぼ出てこないのですが、特装版を購入したので、小冊子とCDを楽しみたいと思います。

9

やばい、メチャクチャおいしい(泣)

『MODS』のスピンオフなのでかなり期待していたのですが、期待以上(泣)なんなの〰️このおいしすぎる設定。

ベタベタした優しさじゃないけど、気づかいはできるし、さらには何か暗い過去がありそうなところが雰囲気があっていい男だなぁ~と思っていた春が今回の主人公。過去のしがらみから組長のドラ息子・雪鷹の謹慎のお守りを押し付けられて…なんて始まりだったら、もっとドタバタした笑いの要素が強い話になるのかと思いきや、すごいイイ話でメチャクチャはまりました…(泣)

雪鷹の腹違いの兄・時雨との過去の話は、大人の男の優しさと苦しみと弱さが溢れていてすごくぐっとくるのに対し、瓜二つの雪鷹の方はやんちゃでバカで時雨とは正反対。それでも時雨との過去に縛られ不眠に苦しんでいる春にあれこれ安眠グッズを試して寝かせようとするなど、とにかく一生懸命。そんな年下が必死に頑張る可愛さと急に男前なところを見せちゃうギャップにきゅんきゅんきてしまいました。時雨も雪鷹もどっちも私のドストライクでめちゃくちゃ楽しかったです。

極道という世界で、血生臭いことから逃れられず苦しみながら生きることや、しがらみから抜けることの難しさ、それでも誰かのために生き直そうとする強さなど、とてもドラマチックで内容自体もすごく読み応えがあって面白かった~。超オススメです!

8

スピンオフ

※小冊子+ドラマCD付き初回限定特装版での購入。

『MODS』に出てきた「Rain」のオーナー・春が主役の物語。
もう一ページ目からやられました。
時雨との出会い、シロとの出会い、時雨に預けるに至った経緯、そのことによる感情等が描かれていて前作のエピソードの隙間を埋めて春の輪郭が浮かび上がっていました。
『MODS』では、時雨との関係は裏設定な感じではっきり描かれていませんでしたが、こちらでしっかり描かれています。(特典漫画では少し関係ある描写がありました)
そして、春にこんな悩みがあったんだな・・・と改めて切なくなりました。

時雨の異母弟・雪鷹との関わりが、春の時雨への想いや現在の苦しみと共に浮き彫りにされてます。
雪鷹が抱いている異母兄・時雨への複雑な感情もあわさって、雪鷹と春の関係の変化、雪鷹の成長等読み応えたっぷしの一冊でした。

ぜひ、『MODS』と併せて!

9

読み応えたっぷり

夏のヤクザ祭り!
こう暑いと、モノトーンの殺伐としたお話が読みたくなるよね!
普通のコミックスの2冊分はありそうなボリューミーな本。
一応スピンオフ作品ですが、前作未読でも大丈夫。

元やくざで今はデリヘル店長の主人公が、今は亡き思い人の腹違いの弟を預かることになって、囚われ続けていた過去にようやくけりをつけるお話。
ヤクザ物に対するBLロマンがたっぷり詰まっています。
そして、やっぱり、この絵がいい。
つり目、細目、三白眼と三拍子そろったこの目つきの悪さ。
体を彩る彫り物たちは、せっかくのデザインなので、もうちょっとしっかり見たかったかも。
月守の背中のえぐい彫り物も見てみたかったな。

8

そして、春風に包まれる。

静かで冷たい雨はやみ、暖かな春風に包まれる。

前作『MODS』で、デリヘル「Rain」オーナー春が主人公の作品。

愛した人の夢で目覚めた春。
事務所に行くと、あの人と同じ顔をした男が居た。
時雨の異母弟 雪鷹だった。

忘れ形見のシロも去り、店を畳むつもりの春だったが、
最後の依頼として、雪鷹を預かることになる。

若く自由で豪快奔放な雪鷹の、時折見せる表情に時雨が重なり
春の心が乱される。

雪鷹の中の兄 時雨
雪鷹を可愛がり「やさしくなれ」と抱きしめた日もあった。
いつしか2人は疎遠となり、雪鷹の心はささくれて行く。
オレにとっては、アイツはいいやつでは、なかった。

自分を通して時雨を見る春が、兄のイロだと雪鷹は知る。
訪ねた雪鷹に、春は遠くを見てつぶやく「愛していた」と。

時雨が死んだ11年前から、春の心は雨の中に佇んだままだった。
眠れぬ夜を、何万時間繰返しても、その雨はやまない。

コレで良いと思う春に、雪鷹が救いの手を差し伸べる。

雪鷹は時雨との刹那な関係も
春の中に去来する、時雨への謝罪と思いも
忘れる必要はないと、春を抱きしめる。
春は「愛してた」と泣き、雪鷹の胸の中で、
11年ぶりに安寧で深い眠りにつけた。

組長死去後、組を継ぐ決意をした、雪鷹。
雪鷹の計らいで事務所を畳めたことを知る、春だに。
「誰かと、しあわせになれ」と雪鷹は残して行くが。
春はそんな言葉を望んではいなかった。

そんな折、雪鷹が春の目の前で刺されてしまう。
大切な人、失いたくない人は誰なのか?
もうこんな思いはしたくない、雪鷹を抱きしめ、春は「愛してる」と叫んだ。

春はめくり、冷たい雨はそこにはない。
時雨が注いだ愛は、時を重ね新たな愛を生み
春も、雪鷹も、シロも、穏やかにそこに存在する。

1年ぶりに再会した雪鷹と春は、久々の逢瀬、初めての密夜を交わす。


静かで、美しく、優しく、春風が吹き抜けるよな、お話でした。

雪鷹の道は、簡単には行かぬのでしょうが、
少なからず、安らぎの場所を互いに見つけた、春と雪鷹。
心が満たされゆくこれからに、幸多からんことを。

8

春さん大好きです。

春さん好きです。
作者さんの作り出すキャラがもう好き。全部好き。
その中でも春さん大好きです。髪が長いのも中ぐらいの時も今の短髪も。

CDは特に欲しかったわけじゃないんですけど小冊子の方が欲しくてそっち買いました。

春さんの「愛してた」「愛してる」にもうっ もうっ なんて言っていいかわかりません。
時雨さんもちゃんと春さんの事は愛してたんでしょうね。
きっとお互い互いの気持ちはわかってたのに・・・ せつない。

シロ改め空さんの幸せな日々が見られて良かったです。
この人本当に素直な人ですよね。無垢っていうか。純粋な人。

厚くて読み応えばっちりでした。読んで良かった。

11

未亡人萌え

 前作「MODS」読了後、ぐずぐずと胸の内にわだかまってたフラストレーションを思いっきり晴らしてくれる一冊でした。そう、私はこんなお話が読みたかったんです。大好きなこの絵で。春と、彼がこよなく愛した時雨と、あとひとり、時雨と同じ貌を持つ異母弟雪鷹の物語。

 施設育ちの男娼上がり、ヤクザのイロを経て本物の極道となるも、今は一応足を洗った格好でゲイ向けデリヘルのオーナーに収まってる春。11年前、事故を装った謀殺のような形で時雨を失ってから、ずっと不眠症を患う。眠れない夜は長く、苦しい。でも一方で春は、そのつらさを甘んじて受け入れてもいた。それが片時も忘れず時雨を想い続けている証しであるかのように。新しい恋に身を投じることもなく、時雨の残した「忘れ形見」のシロと身を寄せ合って、まるで未亡人のようにひっそりと日々をやり過ごしていた。

 でもそんな彼にも転機は訪れる。ひとつはシロの「巣立ち」。まだ危なっかしいとはいえ、新しい伴侶をみずから選んで裏社会と縁を切ったシロの姿に、春は自分の役割がひとつ終わったことを実感する。そして、忘れられない男と同じ貌をして突然、春の静かな生活に乱入してきた雪鷹。11年前、時雨の葬儀の時に見た彼はまだ15の子供で、とりたてて兄に似ているとも思わなかった。なのに時を経てすっかり大人に育ち切った姿は時雨そのもので、クールにあしらいつつも内心の動揺を抑えきれない春。もっともそっくりなのはあくまで見た目だけで、中身は真逆。穏やかで包み込むような温かさのあった時雨に対し、刹那の衝動に身を任せて暴力沙汰を繰り返す雪鷹には春もあきれるが、よんどころない筋からの押し付けで、謹慎中の彼の身を預かる羽目になってしまう。

 前作ではやり手の経営者の顔しか見せてなかった春だけど、こちらではもっといろんな顔が見られます。ある時は口うるさいオカン。時には喧嘩上等のやんちゃ坊主を一撃の下に黙らせる武闘派。そして時雨にだけ見せていた特別な顔も。時雨と出会った頃の春はたぶんまだ十代で、髪は長く線は細くて、はかなげな美少女とでもいった風情なんだけど、窮地をさりげなく救ってくれた時雨を一途に慕い、背中を追うように本格的に裏社会に足を踏み入れる。時雨の囚われていた闇は春の想像以上に深くどす黒く、「ただずっとそばにいたい」というささやかな望みさえあっけなく奪われてしまうのだけれど。

 謹慎という名の一か月の同居で、そんな春のいろんな顔を間近に見てしまった雪鷹。時雨を思って眠れない春にイラつくうちに、もっと別の感情が芽生える。初めて自分の腕の中で朝を迎えた春。安らかなその寝顔に心震わせる。もう春を苦しませたくない。彼を縛るしがらみを完全に断ち切ってやりたい。そして最後に雪鷹は、自分が今持つありったけを擲って、春の望みをかなえようとする。「いつかは誰かと幸せになれ」―別れ際、どんな思いで雪鷹がそうささやいたのか、痛いくらいに春には分かってて。でもある意味それは、11年前、時雨の死の直前に聞きそびれた言葉より残酷に、春の胸をえぐりもして。

 そこからラストまでの展開は、やや急すぎてバタバタの感もありますが、収まるところに収まります。「今夜はお前が眠らせてくれるんだろ」それが本編最後の春の台詞で、その直後、描き下ろしの怒涛のエッチシーンになだれ込むので、多分春はその晩ほとんど寝かせてもらってないです。にしても、これが二人の初夜なので、出会いからすると一年以上。周囲のみんなに、本能だけで突っ走るバカ犬認定されてたにしてはよく我慢したよね雪鷹。出会ったときは精神年齢15のままって感じだったけど、この恋で急速に成長したのは確か。でも、この先も裏社会で生きてゆく以上、もっともっとしぶとく、したたかになって、どんなことをしても生き延びるくらいの覚悟が欲しい。ストイックな春の未亡人姿にそそられはするけど、やっぱりもう見たくない。以前春が、シロを託すとき虎に言ってた言葉、今度はアンタにそっくり贈ります。「もしあいつがお前を選ぶなら、その時は手を離さないでやってくれ」

6

もう一度恋を始める時

「MODS」にて印象的だった大人組・春が主人公のスピンオフという事で購入。
本の厚さもかなりのボリュームで、シリアスな内容ということもあり読み応えは十分。
春の想い人・時雨(故人・素敵な名前だなぁ…)とよく似た彼の異母弟・雪鷹の面倒を1カ月見なくてはならなくなる、という冒頭。
ふとした表情、ふとした仕草にかつての時雨の面影を感じて、「あの日」以来の不眠症が悪化していく…
春の不眠を知った雪鷹は『俺が眠らせてやる』、と。
ここから雪鷹が取る行動は意外でした!春を抱くのかと思いきや、安眠グッズを試しまくるという。
あ〜雪鷹って若いんだ!っていうのがこれで凄く伝わってきた。
そんなわけで、2人はすぐに寝るわけじゃないんです。ここがいいですね。
その後、春の過去編へ。
11年前のまだ若い春と、組長の息子であるのに汚れ仕事をさせられてる微妙な立場の時雨の刹那的な関係。そこに「MODS」のシロがやってきてそして残酷な運命へ。
自分を責める春を、雪鷹が許してくれる。それなのに、ヤクザのしがらみが春を追い詰めて…
この辺りで1冊のかなり終盤。
つまりここからドドッと展開が詰まってきますね。ここを読み応えと取るかバタバタすると取るかで読後感も変わると思いますが、私はちょっとバタついたかなぁという感想。
雪鷹が本物のヤクザになり。
春とは距離を置き。
抗争で雪鷹が刺され。
「偶然」居合わせた春が、血まみれの雪鷹に告白。(実は軽傷)
そして1年後。(←エッ)
やっと素直に恋人になる2人。
そして描き下ろしの「THE NIGHT」がエロ補給というか、2人の本格的なセックスシーンとなります。修正は甘めではないかと思います。
自分でほぐす春や、いざ挿れる瞬間のアングル、結合のアップなど、見応えありですね。
ちらちらとシロも出てきます。なんか年相応っぽい若さ、少年ぽい雰囲気でした。虎の前で素の自分で過ごしていることが伺えます。
一点。
刺青の作画について。
扉絵などは春には龍、雪鷹には翼の図柄の刺青ですが、本編内ではうすらぼんやりした影みたいなお茶にごしになってた。
描くのが面倒なのはわかる。でも刺青好きとしてここにはガッカリでした。

5

春さんの素敵さに悶える

作家買い。作家買いですが、『MODS』のスピンオフでしかも春さんのお話、と聞いたら嬉し過ぎて、テンションMAXで発売を心待ちにしていました。

通常版に加え、小冊子+CDが添付された初回限定特装版も同時発売されました。もちろん特装版をお買い上げ。『MODS』を未読の方は人間関係等理解しづらい面があるので、まずそちらを読まれてから今作品を読まれることをお勧めします。

ということで、レビューを。すみません、ネタバレ含んでいます。






デルヘリ「Rain」のオーナー・春のもとに、一人の男が訪れるところから物語はスタートします。

「Rain」の事務所のカギを壊し、勝手に不法侵入していたのは一条組組長の息子・雪鷹。
春がかつて深く愛し、そして亡くした時雨の腹違いの弟。

不始末をしでかして謹慎を命じられ、現在はカタギの春のもとに勝手に送られることになったのだという。春が盃を交わした矢代組(一条組の傘下)組長に頼み込まれ、義理もあって仕方なく雪鷹を受け入れるが、時雨にそっくりな顔をした雪鷹の存在は春の表面上の平穏を揺るがす存在になり―。


『MODS』も分厚かったですが、『NIGHTS BEFORE NIGHT』も相当分厚いです。

この厚さを裏切らない、濃厚な内容でした。

時雨を失ったことで不眠症を患うことになった春。
時雨への忘れることのできない深い愛情と、断ち切ることのできない懺悔の想い。

春と時雨が出会うことになった出来事から、二人が身体を重ねるようになった経緯、そして、時雨がシロに少しずつ惹かれていくさまを横でじっと見ることしかできなかった春の哀しみ。

そういうものが、少しずつ、けれど圧倒的な世界観でもって描かれています。

『MODS』の時から、春という男性の魅力にドはまりしましたが、彼が『MODS』で見せた大人で余裕のある表情は彼の見せかけでしかなかったのだと。

彼の過酷な過去、時雨への想い、「愛されたい」と願う孤独な心。

これでもかと春の内面が描かれていて、萌えが滾って、とどまるところを知りません。

そして一方の雪鷹も。
極道の家に生まれ、周囲からは腫れもののように扱われ、父親からは愛された記憶がなく、唯一慕っていた兄にも見放された(と思い込んでいた)。

誰にも必要とされず、愛されず、そんな彼が、春という一人の男と出会い変わった。
春の心の叫びが聞こえたのもまた、雪鷹だけだった。

毛嫌いしていた「極道の世界」に、春を守るために自ら入っていった彼の深い愛情に、思わず落涙しました。

ナツメさんて、濡れ場の回数こそ少ないものの、とにかく濡れ場がエロい…!

体つきや表情がエロカッコいいというのもあるし、tnkの描き方がエロいんだよなあ…。
エロに特化しているわけではないのですが、とにかく相手のことが大切で、というのが透けて見えてくるので読んでいて温かい気持ちになります。

春の過去が痛々しく、読んでいて切なくなるのですが、そんな彼が雪鷹と出会い、そして幸せを手に入れた。極道とカタギということでまだまだ前途多難な二人ではあるのですが、最後に雪がつぶやいた、

おやすみ、雪鷹
また 明日

のセリフに、萌えと優しさが詰まっていて幸せな気持ちになりました。

『MODS』の完結編、とのことですが、トラ×シロ、そして雪鷹×春、の4人に、またいつかどこかで会えるといいな、と思います。

あ、そうそう。
お値段は2300円(税抜き)とちょいお高めではあるのですが、それでも初回限定特装版を激しくお勧めします。

付属してくる小冊子+CDが、最高に素晴らしいです。

13

時雨さんの存在が大きすぎる(;ω;)

特装版購入。
小冊子はCab vol.46に掲載された内容です。(表紙のみ描き下ろし)
CDはその小冊子を音声化したものとなってます。


時雨さんの存在が大きすぎる。春・シロ・雪鷹はもちろん、読者にとっても。
読みすすめるごとに存在感は増すばかりで時雨さんが居ない事実が重くてかなり堪えます。
でも時雨さんの残した優しさはみんなの中に息づいていて、寂しくて切なくて愛のあるお話でした。


お話は、時雨の腹違いの弟・雪鷹が春の前に現れることから展開します。
外見は時雨ソックリでも中身は大きな子供のような雪鷹。
素行の悪さから謹慎処分となり、お目付役にと春は押しつけられ一緒に暮らし始めます。

時雨さんが死んでから11年。それからずっと眠れない春。
最初のうちは反発してばかりの雪鷹でしたが、少しずつ春に興味を持つようになりーーー。
帯のキャッチコピーにあるように過去に捕らわれた春さん救済のお話です。


春さんと時雨さんが一緒に過ごした日々の回想も交えながら進みます。
春さんもシロ同様、時雨さんに救われた1人だったのですね…(;ω;)
ただ、シロと違うのは、時雨さんの苦悩や闇もずっと見てきた。傍で支えた。
時雨さんの性格をよく知っていた。

…だから時雨さんが亡くなるキッカケになったのは自分のせいだと責めています。時雨さんの性格ならシロの為に連れて逃げる可能性はあったけれど、足抜けしても尚ヤクザの世界から切り離してもらえない時雨さんの逃亡は許されるハズがなく。事故に見せかけて殺されたのだと読み取れました。そして春さんはシロと引き会わせなければこんなことにはならなかった、と。
失った悲しみと自責の念に11年も雁字搦めになっていて見てる方がツライ。。。

今回明らかになった時雨さんの最後の前、春さんに会いに行ってたのはもぅもぅ!言葉にならない!
不器用すぎる男は最後の最後まで大切な一言を濁したまま…(;ω;)
アカンです、これキッツイ。時雨さんのこと考えるだけで涙腺が死ぬ。

で、時雨さんにソックリな雪鷹。
外見は時雨さんそのままだから、見てるのがシンドイ。(萌え的にも精神的にも)
でも中身がね…高校生の子供に見えちゃったよ…。26か。そうか。(見えん)

最初は時雨さんに似すぎてて戸惑いが大きかったけれど、段々と可愛く見えてくるから不思議ですw「雪さん」と呼ばれるのが不満で「鷹と呼べ」といちいち言い返してたり、春が眠れるようにとヒーリンググッズをせっせと買ってみたり。年下攻めの可愛さをグイグイ出してくるヾ(*´∀`*)ノ冒頭はどうしようもないガキって感じだったのに、春さんの為にどんどん成長するのが胸熱でした!中身が少しづつ外見に追いついてきてキュンキュンが止まらない(∩´///`∩)

兄の時雨はヤクザの世界に囚われたまま命を落とし、
春もヤクザの世界から逃げられずにいて。
その事実を知った雪鷹が出た行動。
春さんは望まない結果でも雪鷹が春にしてあげられる精一杯に涙腺が緩みました。

「もう苦しませたくない」
「…それでいつかは 誰かと 幸せになれ」

雪鷹のセリフだけど時雨さんからのメッセージにも感じられます。
皆が皆、不器用で愛おしくて、このページはホント泣ける。

他、様子のおかしい春に気付いてシロが動くのもジンワリきます。11年間春さんの近くにいたのはシロで、春さんの深い傷を痛いほど理解してるのもシロで。時雨さんという大きな存在を失った者同士で通ずるものがあって、口にはしないけど互いが互いの幸せを願っていて、2人の後ろには時雨さんがいるなぁと感じました。

ただ、春さんが雪鷹に惹かれた理由が曖昧だったかな?でも、
・時雨さんソックリな面影に本人に言えなかった言葉を言えた。
・力強い言葉で自責の念を溶かしてくれた。
・あたたかな温もりで眠らせてくれた。
春さんにとっては充分すぎるキッカケかもしれません。性格が違いすぎるから雪鷹と時雨さんを重ねて惚れたのではないとわかるので、雪鷹のガキっぽさが逆に良かったかもです。

雪鷹の性格が捻くれたのは時雨さんのせいでもあるんだけれど、その辺りの救済は中途半端に終わってしまった印象で残念でした。兄弟の交流や、雪鷹が兄への反発心が解けた部分の描写が見たかったです。

雪鷹が完全にヤクザ者になってしまった以上、結局春さんはまだまだ切っても切れない世界になってしまい完全救済か?といったら夢半ばな気もしますが、それでも春さんの自責の念は消え、ただ時雨さんを愛してた気持ちだけを残したまま眠れるようになり。時雨さんには直接言えなかった「愛してた」「愛してる」の言葉が口に出来たのはとても良かったです。シロも春さんも雪鷹も、どうか幸せになってほしい。

(余談)
読み返していて時雨さんはシロと雪鷹を重ねてたのかなと感じました。弟にはしてやれなかった、あの家から救ってあげられなかった。だからこそ余計にシロに肩入れしてたのかな~と…。最後の言葉についてもアレコレ考えが止まらない;;

※特装版・通常版ではカバーイラスト・口絵カラー・封入特典も違います。
詳細は通常版封入特典カードにレビューしました。

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