Sakura0904さんのマイページ

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女性Sakura0904さん

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意外と独占欲強めな攻め

 この2人はこれからもキスに重きを置いて恋人としてやっていくのかな?と思っていましたが、当然透はそこから先の行為への欲求も強いし、普段も恋人らしい日常を送りたいと考えていて。キスは上手でもまともな恋愛経験のない真白は、いつでもキスに持ち込んだり、透以外ともキス上手の噂をきっかけに仲良くなったりする自分を客観的に見つめ直します。2人が出会ったきっかけでもあるし、真白の1つの個性でもあるから我慢する必要はない。けれど、恋人として対等な関係を築きたいなら、自分の欲求ばかり優先するわけにはいかない。真白のちょっとずれた思考にはあまり共感できませんでしたが、我慢するのではなく、透が喜ぶことをすれば自分も嬉しくなるという方程式に気付いてくれて良かったです。

先生が楽しんで描いたのが伝わる

 なかなか面白い攻め受けの組み合わせでした。イケメンで性欲も強いのに、キスが下手な透。大学で噂になるほどキスが上手いのに、そこから先に進みたい欲がまったくない真白。前半はキスをレクチャーする真白が押していましたが、相手に触りたいと思えないのは本気で好きになった相手とシていないからでは?と透が真白の歪な性欲の原因に気付いてからは、透の方が押すように。そういう所に気付けるのって、やはり人をよく見ているなぁと思いました。透が積極的になった途端真白が完全に受け身になるかというとそうはならず、気の強さや元来のキスに対しての積極性はまったく失われることなく、攻める気持ちが透と互角な所も受けとして好みでした。

見ていてもらえること、気付いてもらえることの喜び

 上司である佐倉が少し天然なようにも感じたのですが、彼の立場に立って考えてみると、相手が女性だったり歳上や同世代だったりならまだしも、歳は一回り下で世代も2つ3つ違う同性となったら、さすがに相手から恋愛的な好意を持たれているとは夢にも思わないよなぁと。勘違いだったら恥ずかしいし申し訳ないから、藍井のいろんな言動をZ世代ならではのものと納得するシーンがおかしくもあり、どちらの目線になってもちょっと切なくもあり。

 そうして佐倉が脳内で思い悩む一方で、一見無表情に見える部下・藍井から時々溢れ出てしまう好意は、とっても可愛らしく愛おしかったです。佐倉はやっぱり藍井の世代とは合わないところがあるけれど、常に部下との距離感を測り、かけるべき声をかけ、いつも自分の言動を振り返って相手を傷付けていないか考えている人。怒ったりせずとも、その人間性に部下がちゃんとついてくるタイプです。藍井が年齢も性別も関係なく、彼を好きになった過程がとても自然に思えました。鈍いというよりは防衛線を張っていた佐倉が、藍井の気持ちに正面から向き合い、考えて答えを出すところが誠実で素敵だなと思いましたし、そんな風に向き合ってもらった藍井はどんなに幸せだろうとこちらまで心から嬉しくなりました。

ただただ善良な子供2人

 題材、ストーリー展開はとても良かったです。誰かに理不尽に苦しめられた時、暴行や刃傷沙汰に遭った時、苦痛を受けている人を助けたい一心で犯す罪というのは、私はけっして軽くはないけれど、人間らしい感情を持つが故のごくごく誰にでも起こり得るものだと思っています。亮の行動も楓の行動も、十分に理解の余地があるものでした。

 一方で、2人の互いへの執着というか強い結び付きの基盤となる、事件が起こる前の関係性の描写は私には短く感じられ、相手のためにここまで行動できる理由にすんなり納得するには、もう少し時間をかけて辿ることが必要でした。また、濡れ場が多いのも刹那的な今を表現するには効果的でしたが、毎回とろとろにされる楓はエロ重視ではないこの作品の中では少し滑稽に見えたので、もう少し抑えめの方が良かったかなと。ただ、ちゃんと自首するのもそこに2人で向かうのも、この世界でこれからも長く相手と一緒にいるために下した決断であり、この若さでそれを選択できた2人に尊敬の念を抱きました。

INCITE withボディガード、推させてください

 ストーリー展開、攻め受けのビジュアルと性格、アイドルという特殊な仕事ならではの魅力と大変さの盛り込み、どれをとっても素晴らしい作品でした。序盤ではもさかった男子高校生がトップアイドルになれるものかしら、なんて思いましたが、実在する美形俳優でも、学生時代はぱっとしない隠キャだった方もいらっしゃいますもんね。やっぱり素材を活かす髪型や服装、努力を経た自信って大事なんだなぁ。一度は根暗なゲイで終わるだろうと決めかけた人生の天井を自身の力でここまで大きく突破してみせた智也の、せっかく得たチャンスを無駄にしないいつも素直で一生懸命な姿に感動しました。

 そして、攻めであるケイがまた途轍もなく魅力的なんですよね。まず見た目に大人の色気と深みが溢れていて、私も智也に負けず劣らず終始見惚れてしまっていました(笑)。大島先生の画力に大感謝です。ゲイバーで会った時も、再会してからも、恋人になってからも、過剰な甘さや優しさ、受けへの愛情表現がないところが逆に現実味があって、だからこそ彼が智也を可愛い、愛おしいと思う瞬間を表情から読み取れると、とても尊いものを見せてもらった気持ちになりました。分かりやすい言葉は少なくても、彼は態度や行動、案外豊かな表情で、智也を大切にしていることを十分伝えてくれます。安易な励ましや上辺の賞賛もせず、智也が弱音を溢した時にはそっと受け止めてくれる静かな寄り添い方にも好感が持てました。好きな人に愛される歓びを知った智也にはこれからもっともっと輝いていって欲しいですね。

この歳でこんな目をしているのは哀しいから

 今の鴫原が形成された背景が見えてくる3巻。彼が自分で語らないから、知り合ったばかりの第三者から情報を引き出そうとした陸の行動力はもちろん向こう見ずな勢い任せなものではあるけれど、北白河の言う通り特別な情がなければできることではないし、嫌いじゃないと思いました。流されたり萎縮し過ぎたりせずちゃんと自分で抜け出して、その足で鴫原の家へと向かう芯のぶれなさも受けとしてはとても好みです。

 鴫原は父親と同じ行動をすることで自分も彼と同類の人間なのか知りたかったのでしょうか。不快に感じるものにあえて突っ込んで、そこから見える世界を自分の目で確かめたかったのかもしれない、なんて思いました。大丈夫、あなたは人をまともに愛せる人。次巻以降は陸が光の方向へ導いてくれそうですね。その過程で、陸が受けた傷の深さにも鴫原がちゃんと向き合ってくれるといいな、と思います。

好みは人それぞれだから永田の愛を否定はしない

 今まで読んだnoji先生の作品は全部好みでしたし、今作も表紙の雰囲気からも好きになれそうな気がして、期待値を上げて読みました。結論から言うと、受けの百瀬にまったくハマれませんでした(笑)。永田の苦労人感も離島のスーパーという舞台ももちろん絵も好みなのに、百瀬の宇宙人感はまったくタイプではなかったです。

 初対面が酷かったからちょっと良いことをするとすごく良い人に見える、みたいな展開は現実でも創作でもあからさまだと苦手かも。本当に自然に上手くやってくれたら気になりませんが。借金で追われているかもしれないのに他人の家に勝手に入り浸ったら家主に危害が及ぶ可能性があるし、結局永田が保証人になるのも断らなかったし、その借金が賭け事が原因なのは百歩譲っていいとしても追われなければ踏み倒していたのでしょうか? ヤクザ相手でも自業自得の借金を返さない人は人間として好きになれません。受けは絶対精神的負債を背負っていて欲しいなどとは思っていませんし、のほほんとポジティヴにその日暮らしを楽しむキャラは見ていて爽快なのでけっして嫌いではありません。が、百瀬はそれ以前のところが私の倫理観に合いませんでした。

ミカイルの言動にも納得

 BL漫画でここまでの世界観を描けることは心底すごいなぁと感心するのですが、如何せんBLというジャンルであるが故に、風呂敷を広げれば広げるほどメイン2人の愛云々と言っている場合じゃなくなってくるので萌えが薄れてしまい、自分の中で評価が上がらないというジレンマに陥りました。新しく出てきた設定などにもまた某一般漫画の影がちらつき、これも純粋に2人の関係性に集中できない要因に。BL漫画で二番煎じな展開なんて多々ありますが、ファンタジーで特殊な設定だからこそ特別目立ってしまうし、大作と比較するとやはり5巻という長さでは、たとえば近世と現代が並行しているという驚きの展開にもなかなか馴染めません。未だにタブレットが登場すると混乱し、ちょっと萎えます(まったく先生があちらを意識していないなら、読者の勝手なデジャヴに付き合わせてしまい大変申し訳ないです)。

 覡が長い歴史の中で受けてきた仕打ちは本当に酷いもので、どうにか世界をひっくり返して欲しいですが、そこを頑張ろうとするとやっぱりBL要素は薄くなりそうですね。ただ、2人の愛が脆いものだと言っているわけではありません。どの要素をどこまで描くかが、各々のBL漫画読者の好みと合うかどうかということなんだと思います。自分はこのシリーズに何を求めるのか、次巻までにじっくり考えてみたいと思います。

案外前世のレオンも内心こんなテンションだったのかも

 前世の2人の関係性を知れば知るほど、現世で初の見た目がここまで変わってしまったのが残念だなぁと感じずにはいられませんでしたが、さすがに慣れて上巻を読んでいた時ほど気にはならなくなりました。でもやっぱり前世の2人が気になってしまいますね。レオンハルトの冷たい美貌の中に苛烈な執着を隠しているところ、ウィルの大らかで何ものをも恐れない性格、両方とても好みです。気持ちが通じ合う前に呆気ない死別を経験した2人が、やっとありふれた恋人らしい日常を過ごせるようになったことは嬉しいですね。ミアによって明かされた呪いの繰り返しには驚きました。シリアス調で読んでみたかった気もしますが、あんな別れ方をしたからこそ今度は笑って楽しく、という意味ではこれくらいのラブコメで良かったのかもしれません。

前世の見た目の方が好み

 久々に中川先生の作品を読んだのですが、こんなに中性的な画だったっけ……と初のビジュアルを受け入れるのに結構時間がかかりました。大きくいつも潤んだ目、ぷるぷるの唇、長い髪、極端にくびれた腰、小ぶりに盛り上がったお尻、と女性的な要素がてんこもりで、前世の雄々しい姿とのギャップを大きくしたかったにしても、正直もう少しちゃんと男の子な部分があったらなぁと思いました。連日痴漢に遭ったり、初対面からレオンにキスを迫られたり、ただでさえ前世がファンタジーなのに現世ではBLファンタジー要素が多すぎて、せっかくの転生という美味しい設定が霞んで見えました。その辺をラブコメだと割り切って楽しむには、せめて受けの見た目がもう少し男でないと私にはハードルが高かったです。下巻では前世と現世の2人をもっと楽しめたらなと思います。