儘ならない彼 美しい彼 4

mamanaranai kare

儘ならない彼 美しい彼 4
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神97
  • 萌×214
  • 萌2
  • 中立2
  • しゅみじゃない5

2

レビュー数
23
得点
549
評価数
120
平均
4.6 / 5
神率
80.8%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
美しい彼
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199011450

あらすじ

初の個展を控え、撮影に準備にと忙しい日々を送っていた平良。
同居中の恋人で新進俳優の清居も、大きなドラマの仕事が舞い込み、さらなる飛躍の時を迎えていた。
そしてついに個展が開催? 平良の作品はメディアで絶賛されるけれど、師匠の野口からアシスタント卒業を言い渡され…!?

実写ドラマも大好評を博した凪良ゆうの大人気シリーズ、待望の最新刊!!

表題作儘ならない彼 美しい彼 4

大学生、将来有望なフォトグラファー
大学生、実力派若手俳優

その他の収録作品

  • プロローグ〈キングの受難〉
  • ミステイク
  • 儘ならない彼
  • 火花
  • エピローグ〈ジョーカーの帰還〉
  • 青は藍より

レビュー投稿数23

No Title

やっぱりこのシリーズは、葛西リカコ先生のイラストが好きだな~、葛西先生の新しいイラストを拝めて(少なかったけれども…)、もうなんだか胸がいっぱいになってて……(涙)、いや小説はもちろん面白かったです。(そこは、さすが!としか言いようがないくらいに。)

シリーズの前巻(”悩ましい彼”)はお仕事小説の印象だったと思い返して、過去の自分のレビューを見てみたら、熱量高めの(当社比)内容にちょっと自分で引くくらいw、5年経ってかなり鎮火した気がします。シリーズ読む熱量って、時間が経つと難しいんですよね。

が!予想通りスケベはないですけど、ふたりの関係性の進展が予想以上にBLBLしてて嬉しく思いました。そもそも、キモイ攻めはあんまり好きじゃないんですよね。とはいえ、なんだかここまでくると芸術的(というか、本当に芸術家だしね)、そんじょそこらのキモイ攻めとは別格、むしろ平良こそキング!って清居が少し不憫に見えました。まさに平良ターンっていう本巻、平良の抱える複雑で巨大な感情描写が個人的には過剰に思えて……”萌×1”に留まりました。

というわけで、なんだかんだ一般的なバカップルに近くなっているような印象をうけつつ、波乱はあったけれど彼らなりに順調に愛を育んでいる様子が読めてよかったです。最後の野口さんの掌編がかなり好みでした。ぜんぜんBLみないんですけどねw文章の美しさ、締めの一文はかなりグッときましたね。

2

待望の続巻!!

もう読めないのでは…と半ば諦めつつも待ち望んでいました!

美しい彼の続巻!先生お忙しい中ありがとうございますー!!!!

今巻は、平良のターンが多いですが、キングこと清居Sideの話も適度にあり、存分に新しい平清を摂取できました。
他の方もちょくちょくレビューにて書かれていますが平良の成長が著しく、今までの気持ち悪い平良をお求めの方はちょっと物足りなく感じるかもしれません。が、満足度は高いと思われます。

何だかんだ割れ鍋に綴じ蓋カップル平清が好きな方必見です!!



1

切磋琢磨しながら成長していく平清の生き方に感動

秀作の評判通り、心揺さぶられる素敵な作品でした。本当に読んで良かった‼️
とっかかりは、表紙絵の幸せが滲み出るような雰囲気に惹かれて、読んでみることにしました。結果、どハマりして、シリーズ一気に読破しました。

仕事や恋愛のことで悩みながら、互いを鼓舞しながら成長していく姿をみることができて、清々しく、読後感も最高でした。

2人とも仕事がとても忙しいけど、恋愛優先ではなく、仕事のことに軸を置いてるところから、信頼関係の深さがわかって、安心して読むことが出来ました。

平良に危険の迫る出来事や、写真の方向性で悩み迷うことがありましたが、
追い詰められた時に、清居に対する気持ちを再認識して、清居のことだけを考え、極限の状態から脱出することができたときは、涙が出ました。

清居の、自分に逃げ場を作らない、より高い方を目指し続ける生き方は、人として素晴らしく、カッコよいですが、個人的に平良の昔から変わらないキモウザな様子と、清居に対するブレない真っすぐさに惹きつけられ、応援したくなります。
平良と清居のあまりにも噛み合わないやり取りが、漫才みたいに愉快なテンポで進んでいくのが、どんどんクセになりました。

素敵な作品で、大満足でした。
番外編をまだ読んでいなかったので、これから読みます!

1

瑞々しい成長物語

「美しい彼」の4巻、シリーズでは5冊目、最新巻です。
3巻からは5年経ちました。その間に著者の凪良先生が文芸でご活躍になったり、「美しい彼」の映像化が当たりに当たったり、色々ありましたので、4巻をずっと待っていたけどもう出ないかな、と弱気になっていたものでした。
今年の夏に発売が大々的に宣伝されて、そして実際に書店で本を手に取ってみてようやくじわじわ実感したような次第です。4巻の発行がとても嬉しくて、書店での大量な入荷数にも驚きました。

前置きが長くなりましたが、4巻はこれまでの4冊の延長線上にあるものの、登場人物が大きく飛躍した作品になっていました。
瑞々しい、の一言に尽きます。
簡単にいえば3巻は清居が役者として一皮むけた作品。努力して階段を上がっていた清居が大きな壁にぶつかり、考えてもっと努力して体当たりで壁をぶち破った内容でした。
4巻は平良が写真の世界で認められ、自己評価と他己評価の乖離に悩み消化できないまま歩いていたら上下左右が分からなくなって、自分自身と向き合い切って道をみつけるお話。
3巻と対になっていますが、作中の時間も経っているので4巻では登場人物が少しずつ変わって行っています。
作中の時間においても人は生きて悩んで学んで、絶望したり乗り越えたり停滞したり歓喜したり、少しもじっとしていない。現実世界と同じです。
特に、平良も清居も22歳と若いので、日々発見と喪失を重ね、不器用に愚直に歩んでいます。4巻はとくに、二人の成長を感じ、瑞々しさに打たれ、周囲のおとなの眼差しの温かさにうるっと来てしまいました。周囲のおとなも数年前、数十年前には同じような時を過ごしてきたのだと分かるからです。
描かれているステージは、芸能界だったり写真芸術の世界だったりと、クリエイティブで華やかなものですが、すべて人間と社会とが凝縮されて顕現されているなと思いました。
よい作品でした。シリーズ中、それぞれの巻ごとに描かれているテーマがありますが、4巻が一番好きかもしれないです。

プロローグでのっけから驚いたのは、清居が平良の世界を、理解はしなくても受け入れていること。待ったり、聞こうとしたりすることに、「あれ?」と思いました。
でも清居の性格は依然としてよく知る清居のままだったので、時間の経過と成長をまずここで感じたものでした。
最後まで読んでわかったのは、ここでもうこのような描き方をしていたことが全てだったのだということ。
あちらこちらで「美しい彼」特有の面白さ(蝋燭で円を作って内的宇宙に潜り込んだり)を交えながら、無垢で直情的な二人の若さを描いているのが良かったです。

巻末の「青は藍より」を読めたことも良かったです。
ブラックボックスは言い過ぎかも知れないけど、明かされてこなかった野口さんの経緯。平良を見つけた時の思いも良く分かりました。
自分を見ているような親近と才能への脅威を感じる一方で、いまの自分だから出来てしまう見守りや手助け、クリエーターとして挑みたい思い、すべてがこの短いお話に詰まっているなと、ますます野口さんという人を魅力的に感じました。
だから平良のことを「嫌い」と言ったことの内実も分かるというか。言葉の表面と、内包されているものは違うというか。
奇しくも平良が清居に「きらい」という言葉を発していて、そのときに、野口さんの発した「嫌い」という発言を思い出しました。こういう仕掛けも良かったです。

7

絡みが…

絡みが!
ひらきよの甘くてエッチな絡みがとっても
少ないです…涙
新作を読むにあたり、既刊全部読み返して
このシリーズのおもしろさを再確認。
ヒラのきもうざ具合に清居のオレ様乙女っぷり。
凪良先生は天才か!と思ってしまう言葉選び。
凪良先生のエロ表現も秀逸なのでそこに期待をしすぎました…w
今回は平良のカメラマンとしての成長過程がメイン。
苦悩、葛藤、傲慢さ。
きっと誰もが経験したことのある若い時の経験で、読んでいるこちらもかなりきつかった…
平良がギリギリの状態で撮った写真、
挿絵はないんだけど文字だけで想像して…
すごくすごく印象的でした。

3

写真みたくなります

実際に平良がとった写真、すごく見たい…
と思いました。

平良メインの話で面白かったです。
初の個展、開催する会場さへもこだわり。
新しい人物平良のマネ立候補の登場、当て馬にもならない人だったので私は全然平気でしたが、当事者の清居はそら堪らなく嫌なものがあるだろうなぁ、と純粋に面白かったです。
生活スペースに他人がいるってストレスだよなぁ、と。

またもや別居しますが、別居するけど別れない!とか清居の確認がかわいすぎて、こんな人を行かせてしまう平良はめっちゃモテメンなのでは…と。
きもださきもださ言われていますが、きもださを極めるとモテメンになるんでしょうか。

長野へ撮影に出かけた平良が土砂崩れに巻き込まれてそれを清居も清居マネも平良の師匠である野口さんも探しにいく展開はドキドキしました。
野口さんの警察への意見がめちゃくちゃ面白かったです。それでも空振ってしまい、他の助けを引き連れてその場所にいくなんて、野口さんヒーローすぎました。

この2人の話は永遠に読めます。
平良が木村伊兵衛賞、とってもとらなくても読みたいです。

5

原作あってこその『美しい彼』

大大大好きで待ちに待った新作なので3日かけてじっくり読ませて頂きました。最近の凪良ゆう先生のご活躍は目を見張るばかりで、嬉しくもあり誇らしい反面、少し寂しくもあり複雑な心境でした。

でも、今作を読んでみれば優れた文章力と構成力は確かであり、BL界に限らず凪良ゆう先生の作品が認められるのは納得でした。
「美しい彼」はBLCD、ドラマ、映画、コミカライズと、どのコンテンツも成功していて作り手の作品に対するリスペクトと理解度が飛び抜けて素晴らしいのも特徴的でした。

私もどのコンテンツも好きなのですが、やはり原作が1番だと思っています。脇役含め登場人物たちの軽妙なやり取りにクスッとしつつ、主要キャラクターの成長に一喜一憂し、頭の中で物語が動いて行くという体験はなかなか出来るものではないと思います。

既読済みの冒頭の雑誌掲載作で一気に引き込まれ、表題作からの書き下ろしで彼等が新たなステージに登るさまをじっくりと堪能させて頂きました。同じ箇所を読みながらニヤついて転げ回りたかったのが何度あった事か!お話の面白さもそうですが文章の面白さに読み終わるのが嫌になるほどでした。

さてさて今作は平良のターンであり、彼の実力が世に認められるとともに1番苦手とする他者との交流が待っていたのです。清居の為に自分の味方でいてくれた人々の為に平良なりに頑張るだけれど、その姿にモヤっと来る清居の心情に共感して、彼がいつ物分かりの良い彼氏の仮面を外すのかとワクワクが止まりませんでした。

そして平良の精神的自立に暗雲が立ち込めた時に彼自身にも生命の危機が訪れて、清居の愛情を再確認して師匠である野口さんの偉大さを知る事になります。この辺の緊張感からの平良の清居への思いと執着などが暗闇の中のストロボという形で書かれてるのがとても印象的でした。

この作品では例の賞のノミネート前までしか書かれていません。役者の仕事も順調で忙しい日々を送る清居と、個展の成功で一躍時の人となった平良が周りの理解を得つつ、恋人同士として同棲しながらどう成長して行くのかとても楽しみです。

個展のお祝いに駆けつけた「清居会」の面々が羨ましく、パン姐さんの出番はもっと欲しいと思いつつ続巻を楽しみに待ちたいと思います。それまで健康でいなければ!

4

No Title

ひらきよ続刊出すよ!と最初に聞いてから結構経った気もしてるのですが、出してくれるだけ感謝です。全然待てます。刊行ペースはのんびりとはなるけど、まだまだ続くんですね?!本当にありがとうございます…
まさかのエロなしでないんかい…と正直落ち込んだ部分もありましたが、イチャイチャ程度はあるのと話に引き込まれて意外と平気でした。
それと今回は平良のキモさが控えめな気がしました。エロなしといい、ドラマなどから入った方でも楽しみやすくなってると思います。
評価は★★★ぐらいにしたい気持ちですが、続刊ありがとうの気持ちを込めて★★★★とさせていただきます。

4

素晴らしい平良ターン!またひらきよに再会できて幸せでした

大好きな作品です。5年ぶりの新刊ですね!
一般作で受賞されてもBLを書いてくださってありがたいなぁ。
前作「悩ましい彼」は清居ターンでしたが、本作は平良ターン。平良大好きなので嬉しい♪
今作も「ミステイク」「儘ならない彼」「火花」など数章に分かれていて、平良視点と清居視点を行き来します。

プロローグの初めの数ページで引き込まれました。序盤からコミカルで楽しい♪平良は蝋燭を灯して瞑想、気持ち悪さがパワーアップしてますね、さすが平良ww
そんなコミカルさとシリアスが混在しているのが本作の魅力ですね。

平良ターンということで、平良のカメラマンとしての苦悩、葛藤、成長などが描かれます。
とうとう個展が開かれて成功する様子には、親のような気持ちで嬉しくなってしまった。
でもそこから野口さんとの関係が変化したり、新キャラのマネージャー恩田さんが登場したり、平良の世界が変化して広がっていく…。
平良が悶々と悩みながらも、カメラマンとしての道を歩んでいく様子には、平良の成長を感じて嬉しくなります。

清居も相変わらず平良のきもうざにいらいらさせられながらも、平良を見守って時には叱咤して…。平良を大好きな気持ちが伝わってきて、その深い愛情に何度もキューンとさせられられました。
後半写真を撮れなくなった平良を叱るシーン、愛のある家出が素敵だなぁ。

終盤にはまさかのシリアス展開に。
清居の気持ちを優先してくれる菅さんとか、
「絶対に捜してやるから」と危険を顧みず必死に平良を捜す清居に泣けてしまった…。
そして死を覚悟してシャッターを押す平良のシーンは、もう圧巻で鳥肌が立ちました。何度読んでも泣いてしまいます。

今作も最初から最後まで、もう圧倒的に面白くて目が離せないストーリーでした!このシリーズに出会えてよかった…。幸せです。

ラストの野口さん視点のSS「青は藍より」もすごく素敵だったなぁ。読めて嬉しい。

キリのいい感じで雰囲気良く終わったので、ひょっとしてこれでシリーズ終わってしまうかも?!と思ったら、先生が後書きで、「刊行ペースはのんびりだけど、これからも見守っていただけたら」というようなお言葉が!まだ書き続けてくださるんですね!嬉しくてまた泣けてしまいました…。

いつかまた、新たな平良や清居たちに会えることを楽しみに、既刊を大切に読んで待っています。

本作はドラマCDも素晴らしいので、CD化も楽しみに待ってます♡(恩田さんのCV誰かな〜?♪)

(4巻はエロはなしでした。ちょっぴり残念だったけど、でも素晴らしいストーリーでひらきよに再会できて本当に幸せでした。)

6

待ったカイありな新刊でした

本シリーズはプロカメラマンを目指す大学生と
若手俳優として活躍する大学生のお話です。

舞台での好演で実力派と言われ始めた受様と
初個展に向け作品撮影に邁進する攻様の関わりを
描いた短編形式の1冊になります。

受様はモデル出身でTVを中心に活躍する
自他ともに認める折り紙付きのイケメン俳優ですが
実態は鬼メンタルで俺様な大学生です。

攻様は吃音で緊張するほど言葉に詰まる吃音症により
トロくて陰気なやつと扱われてきましたが
受様を至上のキングとして崇めるキモウザ大学生です。

受様にとっては不本意なとこころもあるものの
攻様は受様の彼氏であり、同居人でもあります。

受様は事務所の先輩女優とのスキャンダル報道から
拉致監禁事件にて俳優生命の危機に見舞われますが

海外公演も手掛ける有名な舞台演出家の目に留まり
今までにない役どころを演じたと事で顔だけではない
実力派の役者として新たな境地を切り開きます。

攻様は腕は確かながらも癖ありすぎなプロカメラマンに
才能を認められて弟子となり、業界で有名な賞獲得のため
初個展を開くことになりますが

受様ほどには自分の才能に自信のない攻様にとって
個展開催はなかなかに難解な課題です。

果たして攻様は納得のいく写真を撮れるのか!?

5年ぶりの発刊となるシリーズ最新刊は
雑誌掲載作2本とその続編を収録しての文庫化となります。

私は一般書籍もTLもBLも好き作家さん拘らず読みます。
どんな分野であっても描かれた作家さんの想いや思考は
作品に反映されるモノと考えますし

シリーズ刊行されている作品は
定期的な発刊をして頂ける嬉しいなと思うし
続刊が出ることを疑いませんでしたが

雑誌掲載作が鬼畜なところで以下続刊となっていたので
本作の発刊をとても楽しみにしていました♪

受様は自身を表現する役者を目指し
自分の目指すべき道を歩くためには人知れず努力して
生家を揚げるタイプですが

攻様は独特な思考で物事の本質を突き
それを表現できる天賦の才ら恵まれた本物の天才ですが
独特すぎる感覚故に認められにくいタイプです。

攻様にとって受様は至高の存在であり
その独特すぎる執着心は受様本人も引かせるほどなのですが
それほどに執着する事で受様をからめとったと
言っても過言ではないと思っています。

本作はそんな攻様の受様への執着心と
受様が役者として開花した前巻との対比として
攻様もまた才能の一端を見せ始める巻となっていて
大変楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

「エピローグ」にて攻様の無意識の傲慢な思考を
受様が読み解くシーンはゾクゾクさせられ
さすが凪良先生と思いましたね。

対局にあるような2人でいながらも
似た者でもある2人の今後をもっと読ませて欲しいです♡

2

それでもそばに

待望の美しい彼の4巻目、楽しみにしてました。

個人的、各項目5段階で
成長 3
きもうざ 2
恋愛 1
エロ 0
な感じだと思います。

前作に引き続き、平良くん×清居くんのカプです。

まず今作は本編内での挿絵が無く、それぞれのお話の扉絵としてイラストが描かれていますので、ちょっとだけ物足りなさがありました。

そして本編の方は「悩ましい彼」の時は清居くんがメンイのお話でしたので、今作は平良くんメンイのお話で、遂に平良くんの個展が開催されます。あらすじでは、個展の会場に廃墟を選ぶ、という異例づくしの個展が開催される、とありますが、そんな展開は中盤までに終わって、展開としてはまだまだ序の口でしたね。

個展が終わり、次なる一歩を踏み出す、とはなかなか上手くいかず、それには師匠である野口さんのある言動から、平良くんの心情は乱れてしまいます。それでもどうにか、周りの皆んなの為に頑張ろうとする平良くんの成長っぷりが凄いです。凄過ぎて、清居くんが言うように、平良くんの真骨頂のきもうざ要素は意外と少なめです。

他にも、写真へどう向き合うべきか、苦悩したり自問自答したりしている平良くんと、そんな平良くんへの接し方を考えあぐねている清居くんなので、2人の恋愛的なやり取りは今作は少なめかなと思いました。
更には、終盤での平良くんが清居くんへ言い放った一言が、物語りの展開、平良くんの心理描写、清居くんへの想いなどがあの一言に集約されているのだと思うと、衝撃的で辛いのに、ある種の感動もあって思わず涙が溢れてしまいました。

相変わらずの平良くんと清居くん、かと思いきや少しずつの成長と大きな苦悩をして、それでも一緒に進んでいく2人に胸を打たれること間違い無しなので、是非とも読んでほしいです。

4

野口さん

まさか書いていただけるとは思っていなかったシリーズ4冊目。平良は平良だし、清居は清居で、変わらずとても楽しかったです。私としては野口さんが全部持っていった印象。野口さん大好きと改めて感じた4冊目、雑誌掲載作140頁ほど+その他大小4作+あとがき。

++以下色々書き連ねてしまいました

まず序盤のプロローグで、平良の宇宙の彼方に飛び去っているのを思い出し。
清居が「あらまあ平良のことラブラブじゃん・・」と思い出して、なんだろう、肩慣らしを終わらせての、雑誌掲載作へという構成になってます。この構成が「やだ、上手いわ先生・・・」と勝手ながらツボりました。プロローグなんですけど、平良の類を見ないキャラクターを思い出す練習というか、気持ちの切り替えというか。それしないと、ちょっと入っていけないんですよねwww ほんと尋常じゃないです、この平良は。

まだ高校生のうちは可愛かったのかな。
大学生になって、写真の個展をやるようになって、彼の思いの深さというか、あれこれを消化するための行為が、独特を極めてきて、それをごっくんと全部受け止められる(いや、さらっと流しているのか?)清居はほんとすごいわ・・・と今回改めて思いました。

今回サブキャラに小山、パン姐さんが出てこられ、もちろん野口さん大活躍で。なんだかこれで終わりにしようと思ってますか???と不安に思い、あとがきチェックしました。そんなことはミリも書いてなかったので、多分、また続きを書いてくださると信じています。また5年ぐらいで書いていただけると嬉しいなあ・・・?10年とかだと自分が生きてないかもしれないので、是非5年でなんとかお願いしたいです(笑)

最後に野口さんについて。大好きなんです、このキャラクター。愛すべきやんちゃ大人。平良のことを完璧に理解していて最高。平良の事を説明するに「金色の王国の金色の川をおもちゃのアヒルと渡っている男なんだ!」←正解(大爆笑)
でもこの正確な理解と、実行力と金とが無ければ、平良は今頃三途の川の向こう。
野口さんがいてくれて本当に良かったです。感謝です。味噌汁何杯でも作れや平良。

もう一つ最後に大好きな葛西リカコ先生の挿絵について。
すごく好きなんです。今回のカラー口絵の清居なんて、さ、い、こ、う!なんだけど、あまり作品をお見掛けする機会が減って、寂しいです。先生、ご事情が許すようでしたら是非是非また絵を拝見させてください・・・

8

先生から古参ファンへの「信頼」を感じました。

好きなBL作家さまたちの、一般文芸でのご活躍ぶりがめざましい今日この頃。
喜ばしい反面、もうBLには戻ってきてくれないのでは…という不安がつきまとっていたので、新刊発表で本当に嬉しかったです!もう落ち着いたらポロっと書いていただければいい何十年待ってもいいと覚悟を決めていたところだったので、早すぎるくらいですありがたや(拝み)

SNSネタバレもこちらのレビューも封じておりましたが、
読み終えて一息ついたので、みなさまのレビューを拝読させていただき、
私も気持ちを記したくなったので、失礼いたします。

まず、
本作品のメディアミックスでの大反響や、一般文芸でのご成功を経て、
先生はいま、どんなひらきよを見せてくださるのだろうと思っていましたが、
・リビングに置きっぱなしにしてしまっても問題なし
・電車やカフェで読んでも安心安全
・ドラマから作品を知ったBLに慣れていない層でも読みやすい
これまでの既刊とは違う、1冊でした。

雰囲気の違いは、書影が出た時にも何となく感じたのですが
ただ、だからといってその変化がイヤだったかというと、そうでもなく。

無理に古参ファンへ媚びるようなものを見せられても、それはそれで違和感だったと思うので、
新規ファンの方へ向けた優しさ、配慮。
そして、
ずっと愛しつづけてくれているファンの方々への先生からの「信頼」「恩返し」「激励」みたいなものを感じたんですね(まったくもって個人の感想ですが)

ページを開けば、あっという間に「ああこれこれ」といったペースに飲み込まれていくのですが、確実に変わっているものはあって
(個人的には小山くんの描写がそれを強く感じてちょっぴり寂しいような、でもリアルだなあと思いました。)
平良も清居も、先生も、読者も、みんなが一緒に成長していく物語だなあとそんなことを感じました。

濡れ場がない件とイラストの少なさについては、
自分の中でも思うところがあったのですが(特に濡れ場がないBL小説!?と衝撃すら受けたのですが笑)
ただ、冷静になってみれば、
「くるかくるか!?」という期待感や
「まだか!?」という焦らされ感も特に感じなかったので、
それだけ、純粋に物語に引き込まれてしまったというところでしょうか。

あと、隙あらば惚気てるので(本人無自覚系)
文字では見えなくとも、合間合間にふたりのイチャイチャは容易に妄想できたので脳内補完で問題なかったです◎
でも、先生の文章でも楽しめたら尚至高ですので、
「完全版」としてもう1冊出してもらってもよろしいんですよ…!(いやほんとにお願いします何卒ペコペコ)))

⇒Ginger Records さまへ
本巻ドラマCD化の際は、濡れ場追加していただけますと幸いです。
(問題ないと言いながら台無し)
(ドラマCDは…ドラマCDはまた事情が違うんだよおおおおおおおおお…!!!)

とりとめなく失礼いたしました。
また既刊を大切に読み返しながら、新しい彼らにまた出会えるその日まで、
みなさん健やかに過ごしましょうね。
「エターナル!!!!!」

14

惑星からの1歩

数年前の小説キャラ本誌でミステイクを読んでいたものですから、終わりが終わりだっただけに続きを切望していました。
しかしながら、1年…2年…と時が経つにつれて、また彼らに会える日は来るのだろうかと淡い期待が次第に不安になり…かけたところで4巻刊行のお知らせを目にし、両手をあげて喜んだのはきっと私だけではないはず。うれしい。

そんな、期待値が非常に高くなった状態で読み終え、自然とこちらの評価になりました。
ただ、確かに読みたかった続きも、読みたかったひらきよもあったのだけれど、正直なことを言えばやはり数年前とは微妙に形が変化したひらきよだったかなと感じるところも。
濡れ場うんぬんではなくて、どこがどうだと上手く言葉にならないのですが、ミステイク以降の書き下ろしはなんだかほんの少し作品の雰囲気が変わった気がしましたね。
ちょっと不思議な感覚でした。

さて、久しぶりの続編となる今作。
これこれ!美しい彼といえばこれなんだよね!と、小気味の良いテンポでさり気なくユーモアのある言葉選びが光る、平良と清居それぞれの視点で交互に語られる構成がすごく良く効いていたと思うのです。
惑星ヒラでしっかりと笑わせてくれながら、まだ青さが残る2人の感情の揺れや成長が前作よりもやや生々しくリアルに描かれていて読み応えがありました。

なかでも特筆すべきは平良の脱皮でしょう。
自分にとってカメラとは?写真とは?今後どうしたいのか?
ひたすらに自分と向き合い続けた彼が、暗闇の中で光をつかみ取り、心をさらけ出して見つけた答え。
心の迷いと成長、清居との関係性と揺るぎない想いの再認識…と、怒涛のように押し寄せる後半の心理描写が素晴らしく良かった。
平良の答えの出し方がまたにくくてですね…
清居はもちろん、野口さんも平良の人生に強く影響を与えているのが分かる、非常に印象的なワンシーンでした。

そして、なんだかんだ言いながら平良のことが大好きで仕方がなく、無自覚傲慢な彼にぶんぶんと振りまわされているかわいらしい清居の図を読むのが毎巻のたのしみだったのですが、どちらかというと今巻は惑星から1歩降りてきた平良に一気に持っていかれました。
もう少しわかりやすくいちゃつく今までの2人の姿も見たかったな…と寂しく思っていたはずだったのだけれど、見事に後半でドンと全身にひらきよを浴びさせてくれるではないですか。
先述の心理描写の上手さと平良が見せるギャップがたまりませんでしたし、対平良となると涙腺がガバガバになる清居のぐしゃぐしゃ顔がかわいくて仕方がないったら…

側から見れば最高に奇妙な組み合わせで、よく見れば最高の破れ鍋に綴じ蓋で、どう見ても最高のバカップルな2人が好きです。
雰囲気は少しだけ変化をしていても、凪良先生のBL作品からしか得られない栄養素があるんですよね。
叶うのならば、またひとつ大人になった彼らの人生の続きを今後も追いかけられたらいいななんて。

12

平良の成長物語

美しい彼の続きのお話ずっと待ってました。
いつもの2人がそこにいてめちゃくちゃ幸せです。
今回は平良にスポットライトが当たっていて、初の個展の為に作品を撮りにいったり、平良と野口さんの師弟関係によりフォーカスされたお話でした。
俺様だと思っていた清居は平良の為に色々サポートしたり、とても献身的で立場逆転かとも思われましたが、平良は以前と変わらず清居のことを崇めていて一緒にいる時間が長いのでお互いのことかなり良く理解してる二人。
平良のこと清居が大好きすぎるところがもうかわいくて。態度と感情は若干ちぐはぐですが、こんなに愛されてる平良は幸せだな。
いちゃいちゃは沢山あるのですが、今回二人の濡れ場がなかったのがちょっとだけ寂しかったので、次があるのなら是非先生に書いてもらいたいなと思いました。
巻を重ねるごとに確実に二人の絆が強くなっているのでちょっと期待してました。

8

表紙のふたりが可愛い!!

今までの表紙は、平良が清居に遠慮がちでひれ伏してるような印象だった。前回で背中を預け、今回はふたり並んでしかも笑ってる。こんな幸せそうな雰囲気で、儘ならない彼なんて穏やかじゃない。
読みやすいのに重厚な内容で、きゃっきゃうふふのひらきよを期待してたが、物語に引き込まれただただ読み進めることしかできなかった。これはハードカバーの小説でもおかしくない。
それなのに、男前乙女清居はいるし、きもうざ平良が圧倒的にレベルアップしてる。なんじゃこりゃ。
ふたりの関係性が周りの人たちにやさしく見守られてて、そのために尽力してくれる姿に胸を打たれた。公認バカップル万歳!!
読んでる途中で濡れ場は要らないような気持ちに
なった。他の方がレビューにあげてらっしゃるよ
うに挿し絵が少ないことに気づかなかった。
そのくらい純粋に引き込まれてしまった。
読んでる時は!!

ただ色々期待してた分不完全燃焼だろうから、二次創作が捗った皆様の何かを拝めるんではないかというわくわく。
そして、続編はありそうな感じだから私はひらきよを見守る生き証人になる!!!!!!

8

ふたりの成長に親目線

「ミステイク」の掲載から5年、待ち望んでた美しい彼の4巻、「儘ならない彼」!

今回の内容はふたりの恋愛模様というより、ふたりの成長に焦点を当てた物語でした。

正直なところ、もっとひらきよのイチャイチャを見たかった…!(今作は惚気が多め)
今回はラブシーンが無い&挿絵が少ないということもあって、読む前から「物足りないかも」と思っていた自分をぶん殴りたいです…

個人的には、今までの美しい彼シリーズの中で1番内容が濃くて、読み応えがあったのが今作の「儘ならない彼」だと思います。

平良の個展、宇宙空間瞑想、師弟対決、2回目の別居、旧金流亭の土砂崩れ事件、野口の過去。
そして、今後の物語で関わりが増えそうな新キャラ達!
「美しい彼、まだまだ続くんだな」って思えるくらいの新キャラや、清居のドラマや舞台の伏線にワクワクが止まりません!

美しい彼の2巻である、「憎らしい彼」は拉致監禁された清居を平良が助けましたが、今作は旧金流亭の土砂崩れ事件で被害にあった平良を清居が助けるという、対比的な話で、持ちつ持たれつなふたりの関係性が凄く良かったです。

清居が被害に巻き込まれないようにと、平良が「清居のこと、大っ嫌いになる」と言い放つシーンは本当に泣けます。その後の、「嫌いになるって、二度と言うな」「黙れ、今度言ったら殺す」と清居が釘を刺す場面含めて大好きなシーンです。

平良が救出された後の、顔面ぐちゃぐちゃの清居のことを散々いじっていた野口さんですが、病院に運ばれた平良が目を覚まさない時には、菅さんと一緒に清居を慰めていたというギャップがたまらないです。本当に野口さんのそういう所好き…

凪良先生は2020年、2023年で2度も本屋大賞を受賞、ドラマ化やコミックス化などメディア展開が重なったりと、お忙しい中の儘ならない彼の執筆、本当にお疲れ様でした!そして、美しい彼という素晴らしい作品をありがとうございます!

13

No Title

すごくすごく良かったです。
待ちに待った「美しい彼」の続編。まだまだこれからも二人が大きく羽ばたき物語が紡がれて行くことを想像させられて胸がいっぱいになります。
冒頭から惑星ヒラと激しすぎる瞑想とに随所笑いがおこり、そして辛い気持ちの部分や後半の描写には涙が流れました。野口さんも入江さんも素敵だし、そういう大人がいる(自分もそんな大人側だから、しゃんとしようと思い)なんて、なんて頼もしく力強いことかと、清々しい気持ちでいっぱいになりました。
惜しむらくは、いちゃいちゃが少なかったこと。もうBLは書いてくださらないかもと思っていたら、先生がまだ書きます。と仰って下さってるので、まだ美しい彼は続くと願っているけれど、でも以前のような濃厚さは難しいのかなーと邪推したり。もうちょいいちゃいちゃして欲しい!表現の絵的には今作の触れ合い、美しく煌めいてそれも良いのですが。それと挿絵が、章の表紙しかないのも少し残念です。
葛西先生の美彼イラストももっと見たかったな。
兎にも角にも、続編が読めて大変幸せです。凪良先生ありがとうございます。

13

はじめに。語彙力ないレビューですみません!!(土下座)

久しぶりの新刊ということで、、、
何年ぶりでしょうか!!

先生が2024年に新刊が出ると仰ってから、いつかいつかとお待ち申しておりました10月25日に、発売日に書店へ駆け込ませていただきました。

で、即読み始めたわけですが!!(熱気で興奮!れ)

今回は平良のターンということで。

読み終えて、SNSのレビューなどを拝見してから気付いたのですが、そう言えばえちイチャシーンがなかったですね?!!

というか、なかったことに気が付かなかったほど、ストーリーにのめり込んでいました。


一般文芸でご活躍され、余分なものを削ぎ落とされ、確実に読者の心を掴む読みやすい文章。
あっという間にスラスラと読めてしまい、改めて「凪良ゆう」先生の凄さを再認識した次第です。

神よ!!(惑星ヒラ風に)

また、野口との子弟対決とか。
遭難からの奇跡の写真とか。
なにより、2人が通じあいすぎていて、唯一無二の関係がさらに際立っていて。
なにこの、長年連れ添った夫夫感は、、、と、読みながら顔がニヤけてしまったまりあげは。

それから今回、初めて平良から清居へ、今までだったら絶対に言わないセリフを言ったりしていて、確実に出逢った頃からの関係性が変化していて。
そして、それぞれがお互いに良き方向へ成長していて。

儘ならない彼の意味をまざまざと考えつつ、どのエピソードも躍動感溢れるメインストーリーで。


しかもえちがなくとも、こんなにも満足感ある読了感を覚えるとは、、、(上でも述べましたが、本当になかったことに気が付かないほど満足感でいっぱいでした)


またいつか、少しづつで良いのでひら×きよのお話が読めたら嬉しいです。
だって平良の可能性があんなふうに示唆されていたら、やっぱりその先が気になって仕方ないのです、、(半泣き)
もちろん、清居の未来だって。

いや、2人が2人でいることで拓けるだろう将来をずっと読み続けて、見届けていきたいです。
大好きです!(片田舎から愛を叫ぶ)

12

二人の未来へ向かう一作

美しい彼、待望の新刊。
番外短編集の方で続編の話をしていたこともあり、期待していた反面もう出ないのでは……と思っていたので新刊は本当に嬉しい限りです。
形式的には美しい彼4ですが、番外編での内容がかなり出てくるためそちらは必読ですね♪

前作は役者としての清居が中心だったのに対し、今作はカメラマンとしての平良にスポットが当てられていました。どんどん変わる平良を取り巻く環境、平良の感情。そんな中で常に変わらずに存在する清居の存在。初めのうちはどこか不安定だった二人の関係が今作ではとても強固になっていると感じます。清居の平良に対する好きの気持ちもとても明確になったように思いました。
両者ともに、どんなことがあっても二人でいることは前提として考えているようでとても愛おしかったです。3巻からの成長が凄まじい……!
二人は恋人として完全に結ばれ、平良もしっかり恋人として清居を見ているように思えます。ですので今作は二人の恋愛模様よりかは、キャラクターの成長の話でしょうか。二人でいることは前提になったからこそ、これから先どうやって二人で過ごしていくのかを意識させられました。

それと今作の清居、めちゃくちゃ可愛いです。以前から野口や杏奈に乙女だなんだと言われてはいましたが、今回はよりそれが際立っているというか……笑 とにかく清居が乙女で一途です。一巻のキングと大きく印象が変わりましたね笑 基本的に清居はずっと恋に悩める乙女でしかないんですけど、そんな中でもきちんとキングの強さがあって。平良の清居への愛や信仰心はもちろん絶対ですが、清居の惚れ込み方もなかなかでなるべくしてなった恋人なんだと思います。


一方で恋人としてのイチャイチャは少なめな印象です。濡れ場は今作一切ありませんでした。ただ凪良ゆう先生の方向性もあると思いますし、今作の話の重さ的にも色々あるのかなと。あとは挿絵の少なさにも驚きました。こちらも事情はあるのでしょうが、やはり美しい清居が見られないのは残念ですね。



私はBL作品でもキャラクターの成長を見るのが大好きなので、今作は大満足でした。以前より恋人らしくなった二人を読みたい方ももちろん満足できる一冊だと思います♪

10

とても良い作品でした

最初から惑星ヒラがとまらない。ああ、これぞひらきよ、、。と思わせてくれました。意味がわからなくて前半頭が痛かったです。(褒めてる)
話の内容も面白かったですし、最後のあの状況下でシャッターを切る平良の、怒涛のきよたんへの想いを馳せるシーンは涙でした。野口さんがその写真を見た時の、もっと詳しい情景を語られることでまたも号泣。。いいなあひらきょ。。。となりました。

が、もう少しまぐわってくれても良かったのでは?と思います。世間からの目ももちろんあると思います。だからそういうシーンはカットされたんじゃやいかと、思って理解しています。
でもちょっと!冒頭のきよたんの「イチャイチャ」は!!どうなったんですか!きよたん不憫じゃありませんか!!もっと出して欲しかったなあと、個人的には思っちゃいました、、、。

あと挿絵今回は圧倒的に少なくってびっくり。これはシンプルにどうしちゃったの?と気になりました。

正直な感想も述べてしまいましたが、読んだ人の中にこの感想の人いたんじゃないでしょうか。
でも中身の良さはピカイチでしたね。まだまだ続く予感がしておりますので、次も期待です!

23

もう読めないのではないかと思っていた二人に会えた奇跡

新刊出ます
と聞いた時、夢かな?と一瞬思ったのは私だけだったでしょうか?
先生の取り巻く環境が大いに変わったであろうことを思うと、果たしてまだBLを出して頂けるのか、さすがに厳しいのではないだろうかと危惧していましたから。
暗澹たる思いがするたびに、雑誌掲載の平良の暗闇瞑想状況を読んでは、私の知る二人はこのままなのか…こんなキモい平良のままなのかと思っておりました。
と言っても実写からの大きなムーブメントはすさまじく、さすがに出してくださるよね?と一縷の望みに縋り付いてもおりましたので、本当にうれしい一報で、一冊でした。
本が手元に来ただけで泣きたくなるくらいうれしく思う本はそうないと思います。
二人手を握った表紙は宣伝などで既出でしたがやはり手元で見ると胸がいっぱいになりました。
メディアミックス化され、どの分野でも大成功の作品ですけど、私にとっての清居と平良は小説の中の二人で、葛西先生の二人なんだと改めて思いました。

レヴューではないかと思いますが、読後の気持ちを記しておこうと思います。

美しい彼で結ばれた二人を、憎らしい彼、悩ましい彼と大きな岐路を通してより深まっていく二人の関係を見つめてきました。
今回は順番からもタイトルからも平良のターン。
先行していたお話などから予想していた通り、平良が写真とカメラとどう向き合っていくのかというお話だったと思います。
平良にとって清居は絶対者であるけれど、カメラはある意味自分であって、そのカメラを通して平良は世界を見つめて、見上げていました。
そして今作で平良はカメラ・写真=自分だと表現していく道に踏み出しました。
その中で平良はどう変わっていくのか、清居が演技と向き合ったように、写真と向き合う平良がどうなってしまうのか。
清居との関係はどう振動していくのか。
清居の言ではありませんが平良は成功すると信じて読んでおりました。そこの部分は正直まるっきり疑わなかったのですが、平良が普通(?)になってしまった時の「これじゃない…」感が半端なかったです。
キモウザの王様じゃないと黄金の玉座におわしめす清居には釣り合わない…これじゃない…誰だお前…。
頬っぺたぶった叩いて目覚めさせるという手段が通じない平良を前に清居も悩んでしまう。
普通になってくれていいはずなのに…平良が普通って逆に気持ち悪くない?とまで思わせるさすが平良。
清居もなんとか「キモくないとヒラじゃない…」て開き直ってくれて、というか、素直になってくれてよかったです。
清居も平良のいうままのキングでなくていいです。無理に丸くならなくて大人にならなくて、ノブレスオブリージュとか我慢し続けなくて、清居であってくれてよかったです。

もちろん二人はその間に少しずつ大人になり、今回は平良の成功により環境も周囲もまた変わっていきます。

本当の天才とは、才能とは平良の方が持っているんでしょう。
でも振り切れた努力をする人間も天才なのです。だから清居も秀才で天才です。
あら?私たちは天才カップルのお話を読んでるってことになってます???と今更ながらに気が付いたような、気が付かなくてもいいことに気が付いてしまったような気がします。
だって、天才だったり秀才だったり特別な二人という事よりも、キモウザで俺様な二人だけど、でも、二人は互いの前では互いの事しか見えていない、どうしようもない恋をしている二人、という事が一番大事でそれが読みたいのですから。
平良が最後だと思った瞬間に残そうと思った行動が本当に気持ち悪くて、でもとても美しく、尊くて、でもやっぱりキモかった。それがすごくうれしかった。キモすぎる平良に深く愛されすぎる清居も痛い位平良を愛してる、そんな二人をまた読めてよかった。



今作がBL小説レーベルで出版されたことを考えると、やはりこの作品にはエチシーンがないことをは明記しておかなければならないのかもしれません。
腐女子として二人のイチャイチャの実況中継は壁になってでも見ていたいです。ましてや平良と清居のイチャイチャです。30Pあってもおかわりします。
けど、一般小説でも成功され、実写版も大成功し、そこで先生のファンになった方々多くいるだろう現状で、そんな方々にも驚かずにBLを二人の関係を受け入れられる形で、でも二人の深くつながり愛し愛される関係を書いてくださったんだと思います。
以前凪良先生はBL小説のセオリーに苦しまれたと仰っていたと記憶しております。
今回はそのセオリーから解き放たれたようにも思います。



これからも二人はそれぞれの世界で悩んだり、苦しんだりしながらも、成功していくんだろうと思います。
でも、私はふたりの通い合ったようで、まるっきり分かり合えない片思いのままのような関係で、でも一瞬が深く互いに刺さる時間を二人が持つところをまた読みたい。

先生がまた二人のこれからを紡いでくださいますようにと願っております。
今作を読ませていただいた深い感謝をささげるその口で、また強欲を願う一読者ですみません。

清居と平良にまた会えて本当に本当にうれしかったです。
凪良先生、ありがとうございました。

30

この読み応え、キング級!

5年ぶりの新作とのこと。
超久しぶりの、この新作発売日をどれほど心待ちにしていたか……心踊る気持ちでページをめくる手が止まりませんでした!!( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

やっぱすごい作品ってすごいんだなー…と実感。最後まで圧倒されちゃいました。
文章の読み易さと深さはさすがの凪良先生ですね。コミカルな楽しさからシリアスな重みのあるシーンまで描き出す幅の広さは、天下一品の筆使いです。
言葉1つ1つの持つ意味や解釈を最大限に引き出す抽出力やそれを解放する表現力にただただ平伏……素晴らしい読み応えでした!!


今巻はひとことで言うと、平良が"平良"の殻を破る成長物語ってところでしょうか。野口と師匠と弟子の関係を離れて巣立つときがやってきます。
いつかは……と思ってましたが、そのときは意外と早くにきてしまってちょっと寂しいですね。でも、一人前だと認められた証拠でもあるので平良にとっては良いことなのは間違いない……けど、やっぱり寂しいのが本音です。

野口と離れる不安を抱えてネガティブ思考を発動させてしまうのが今巻の見どころ。自信なさげな平良の不安感情がめいっぱいなストーリー展開です。
新たな写真活動の幅を広げる平良の頭の中には、未来への希望というより明日への不安といった感じで、周囲の期待と評価はすごいのに、いまいち波に乗り切れてない姿がありありと描かれていました。
これまでは野口という絶大な指南役であり目標となる存在がいて守られてきたのですから、環境が一気に変わって戸惑うのは当然っちゃ当然。いつかは通る道ではあるわけで、平良があまりにも才能があるばっかりに超スピーディーに事が動いているってだけで、本来なら喜ばしいことなんですよね。

こうした変化に伴って、悩める平良を時に厳しく叱責し、新しい視点を導く恋人・清居の存在は、平良にとっていい奥さん的ポジションです。相変わらず平良のぶっ飛んだ発言にドン引きしたりしてますが、平良大好きが伝わるツンデレっぷりにはニヤニヤします( ´∀`)
平良の才能を一番信じている清居ですから、俺が養ってやる発言が飛び出す一幕も。清居のオトコマエな性格に惚れ惚れしました。

恋人らしい甘い時間やイチャイチャシーンは、実はあんまなくてですね、その辺りを期待していた方からすると、ちょっと物足りないと思うかも知れません。
ですが、恋人同士としての絆や愛の深さは、行動や言葉の端々から滲み出ていますので、エチなしでも十分に楽しめる要素はたくさんあると思います^ ^


平良が本当の意味での自立を果たしたという意味で、輝かしい未来を感じた4巻でした。改めてみると、平良は色んな人に好かれていて、幸せなヤツだなぁとしみじみ思います。
キモくても、うざくても、こわくても、変人でも、ヤバくても、ぶっ飛んでても、みんな温かく見守ってくれてる愛されキャラ。それがどれだけ恵まれていることか、金色の王国のキングを崇め奉る男は知っているでしょうか(笑)

今巻は平良メインだったけど、清居メインのお芝居系のお話もまた読んでみたいなと思いました。
久しぶりの「美しい彼」の世界の余韻にいつまでも包まれて幸せです^ ^

20

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う