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闘犬大型ワンコな義弟の執着愛が堪んない

ハイスペ義弟の揺るがない愛にシビれるストーリーでした〜( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
一途とも執着とも気が狂ってるともいえる、義兄へ捧げた忠誠愛を大いに堪能できる一冊です。

カテゴリー的には異世界転生もの。それに加えて義兄弟BL要素も混じってくるので、あっちもこっちも見どころだらけ。すんげー面白かったです。
ゲームの世界へ転生。しかも、そのゲーム内で悪役令息だった人物になってしまう第二の人生やり直し譚です。
このままゲーム通りに進めば死にフラグが立ってしまうので、それを回避すべく立ち回っていくのが主人公・サミュエル。転生後はもちろん人格がガラリと変わるので、悪役から一気に主役のスターダムにのし上がっていくことになります。

何が変わるかっていうと、義弟から激しく愛されること。王太子からも熱烈に求愛されるっていうこと。本来、ゲームの主人公だった人物がヒール役に成り替わるってことです。
サミュエルを取り合う楽しい三角関係から、急にきな臭さを増すシリアスな四角関係へと発展し、恋愛面ではそれぞれの思惑が入り乱れ動きが激しくなっていきます。

義兄弟とはいっても血の繋がりはありませんし、しかもαとΩなので結婚の受け入れ態勢はわりとすんなりといきます。それができたのは、義弟のセオドアの強引な駆け引きと義兄・サミュエルへの強い愛があったからで、それは国王も動かすレベルです。王太子との婚約が決まっていたサミュエルを取り戻すため、戦争を早々に集結させて帰還する剛直さには恐れ入りました。
この男のサミュエル愛は相当なもので、サミュエルと自分の幸せを脅かすものには徹底抗戦し、サミュエルを傷付ける者は、徹底的に叩き潰す勢いです。極端な話、サミュエルを守るためなら国を滅ぼすのも厭わない思想の持ち主。一途もここまでくるとマジでヤバい奴なんですけど(笑)、それくらい強く激しく義兄を愛する姿勢が全くブレず、そして迷いがないから見てて清々しいです。
弟特権で甘えたり、寝てる隙にエッチないたずらをけしかけたりと、やりたい放題のセオドアに絆されていくサミュエルのチョロさもご愛嬌。セオドアの暴発を許してるのはサミュエルが甘やかしてるからって感じもしなくないですが、それすらも計算してアプローチしてるセオドアの策士ぶりにニヤついてしまうのです♪

セオドアの曇りなき求愛の態度やセリフの数々に何度もハートが跳ねたか分かりません。カッコいいのにどこか可愛いところもあって、早くサミュエルに認めてもらいたくてウズウズしてる彼に、萌え心がくすぐられました^ ^


国の英雄として目立つ存在のセオドアだけど、実はサミュエルの方もなかなかの人物で、前の世界の農業の知識を生かした領地改革や治水事業に貢献していく手腕は見事なもの。作中でも地形を生かした灌漑事業に取り組むシーンが描かれており、読み応え抜群でした。
農業オタクで天真爛漫な性格が非常にキュート。セオドアや王太子に執着されるのも納得です。セオドアに守られてるばかりじゃなくて、自分もセオドアを守るんだっていう気概の強さにも非常に好感がもてました。
サミュエルを陥れようとする勢力の罠にヒヤヒヤさせられますが、その一方で、次第にセオドアを異性として意識していく気持ちの変化を見守っていくのがめちゃ楽しかったです^ ^


闘犬のような大型ワンコ弟の激しい執着愛に酔いしれた逸品作。読後感も文句なしです。

ポメりたい方必見のモコふわきゅるるん物語

伊達きよ先生とポメガバースが出会ってしまいましたか……。さささ…最高です!
出会うべくして出会ってしまった夢のようなコラボに胸が躍りました♪

優しげで柔らかい筆致と、ポメラニアンのキュートなビジュアルがベストマッチ。文章全体から溢れ出すほのぼのオーラが炸裂です。
特殊の中の特殊な設定であるポメガバースを調理する筆さばきは見事なもので、創り上げられた独自の設定や世界観を大いに楽しみました。
ポメ化設定の良さが最大限に生かされおり、だけど設定に頼りきってないバランスの良さもこの作品の魅力の1つかなと思います。

そして表紙!見てもらえると分かりますが、末広マチ先生のイラストが眩しく光るデザインは、中身の可愛さが保証されたも同然といわんばかりです。生き生きと文字の中で描かれたポメと、庇護欲をくすぐるポメの造形美がうまく融合し、可愛いさに拍車をかけているのは言うまでもありません^ ^
無数に散りばめられたオノマトペの威力も相当なもので、これは一例ですが…"ふすふす"、"ぷうぷう"、"あぐあぐ"などの萌えキュンワードに、自然と笑顔が綻んでしまいます。"可愛い"を巧妙に創り上げていくワードチョイスと言葉の表現力の力によって、"可愛い"がどんどん錬成されていくのです。

もちろん可愛いに奢らないストーリーにも注目で、推しと始まる恋愛模様に楽しくなったり切なくなったりと、喜怒哀楽の色んな感情を抱かせます。犬化症候群の主人公・碧がポメラニアンの"アオ"になって、推しのアイドル兼俳優の高遠と急接近していくところはめちゃくちゃ楽しかったです♪
普段ファンに見せる表情とは違う顔や態度といった素の高遠を知っていくドキドキが、いつしか"推し"とは違う熱い感情を感じるようになっていく碧の気持ちの変化は一番の見どころです。
ポメラニアンの"アオ"として、人間の"碧"として、それぞれの立場で高遠に関わっていく中で、アオじゃなく碧そのものを見て欲しくなっていく想いはとても切なかったです。

碧が一方的に高遠と距離を置く態度の裏で、碧を想い一途にひたすら探し続ける高遠の姿に、彼こそが犬(忠犬)そのものだと思ったのは私だけでしょうか^ ^
クールな高遠のがむしゃらさ、そして碧を好きすぎて碧の"推し化"していくところなどなど、高遠サイドにも随分と萌えどころがありました。
後編は高遠の視点が多く描かれていて、彼の心理がよく分かるお話になっています。彼の視点が入ることで物語の奥ゆきが広がっていくのでストーリーが俄然面白味を増していきます。
碧への熱くて重い愛をたっぷり含んだ高遠の溺愛は最高です!2人の恋人としての温度差にも触れる内容にもなっていますので、甘かったりしょっぱかったり、色んな味覚の恋愛フレーバーが楽しめるんじゃないでしょうか。
ポメの可愛さだけじゃない魅力的なストーリーに目いっぱい癒される幸せモフモフな一冊でした。


私個人として楽しめたのは、私自身が碧と同じ出身地だということ。懐かしい方言、多分あそこだろうなと思う見知った場所……少しだけ郷里に想いを馳せて胸がジンとなりました。
思わぬところから地元ネタが入ってきて驚きましたが、でも嬉しかったです。作品全体の読後感だけじゃなく、懐かしい地元の空気感にも癒されて幸せほわほわな気持ちになりました。

在りし日の日本を舞台に描かれた上質なメンズラブの世界

文明の成長と発展が著しい在りし日の日本の姿を背景に描き出されていく男たちの物語は、相変わらずの見応えある重厚な世界観でした。
絵柄の美しさ、しっとりと落ち着いた独特の空気感は、上質な作品であることの象徴。メンズラブ(Men’s Love)の言葉の方がストンと落ちる、大人の男の芳香にうっとりと溺れました。

作者さんのあとがきにて、前作の補完的な意味合いの続編だと仰っていましたが確かにその通りで、今作によって作品が完全な形を成したといえそうです。エドと亮二のことだけでなく、中原とその妻の夫婦関係にも焦点を当てており、正直BLの作品の中で描かれる内容としては多少の違和感がありました。しかし、夫婦の底知れぬ愛や絆を感じる演出が素晴らしく、胸が熱くなりました。
中原の存在がこの作品において重要であることを考えると、彼の人となりや人生について言及することもこの物語を語る上で必要なことなのかも知れませんね。

世が世なら…の時代に左右された複雑な人間模様の描きは秀逸で、群像劇のようなストーリー構成がより作品に深みを与えているのは間違いありません。漫画を読んでいるとは思えない映画のような物語展開に、始まりから終わりまで引き込まれます。
大衆文化の発展と、和洋折衷の文化住宅が普及していく日本の史実を感じとりながら、その世界観を思いっきり堪能しました。


そしてですねー…本命ともいえる、エドと亮二のラブラブシーン(笑)こちらはめちゃくちゃ満足頂けるレベルかと思います^ ^
亮二を抱くことに飢えたエドの焦った顔、それを察した周りの態度……笑っちゃうしかないです。事業に関するお堅い雰囲気と、ちょっとクスッとなるシーンとのバランスがとっても良いなと思いました。


終わりのシーンは、終わりにして始まりを予感させる演出が光っていました。彼らの希望や期待、そして未来といったものを強く感じることができるでしょう。これから先の彼らの功績は、今私たちが生きていく上で欠かせない電気の重要度を見れば一目瞭然です。
フィクションだと分かっていても、彼らの生きてきた物語と今の私の生活が繋がってると考えると何だか嬉しく感じました。

ドラマチックにドラマチックを重ねた演出にしびれました

後半以降の怒涛の回収劇は見事としかいいようがない…っっ!ここぞっていう見せ場をガンガン入れて、ストーリーに引き込ませるパワーが素晴らしいこと。とっても面白かったです!!!
点と点が線となって繋がっていく盛り上がりに大・興・奮です。まさかのアノ人があの人で、まさかのアノ人もこの人で……って。一体、どんだけのサプライズを仕込んでくるんでしょうか。おったまげました…((((;゚Д゚)))))))

このお話ね、すごいんですよ。作者さんのアイデア力の勝利というか、楽しさや面白さがいつまでも終わらなくて、読者はAlways Alltimeストーリーの虜です。当初の予想を遥かに超え、最上級に最高の結末の姿が見えたとき、魔法のように彩られた素晴らしい景色に身震いしました。鳥肌イボイボです。

不遇の境遇で生きてきたリュカが、花術師としての才能を開花させていく成功譚の一方で、想い人とのロマンスはドラマチック感満載の幸福譚。作者さんの魔法のような筆さばきに酔いしれました。
ここまで見事なシンデレラストーリーはそうお目にかかれるものじゃないです。始まりから終わりまでの、作品の総合プロデュース力が素晴らしいです。

花を操る花術師たちが創り上げていく世界観は、非常に美しくそして幻想的。彼らが花や木といった植物を通して国中の人々を魅了していく姿にワクワクしました。
作中では、国のナンバーワン花術師を決める大会にエントリーし、その技を競い合っていくことからストーリーが展開していきますが、勝負の勝ち負けは重要ではありません。リュカが立派な花術師に成長し、大好きな人への愛を自覚・開放していくその過程こそが大事だからです。花や木といった植物たちの生命力を拠り所に、自分の気持ちを植物に投影していくリュカのパワーが見どころではありすが、リュカの成長を見守る周囲の人たちの応援もまた見どころです。


柔らかくほんわかとした癒しの筆致は、清々しくとても爽やか。花を大事にする花術師の雰囲気によく合っています。
物語の中に登場する草木花は名称こそ伏せていますが、現実世界に登場する植物をモチーフにしているので、頭の中で想像しながら読む楽しさもありますよ。草や花や木で美しく色付けされていく物語の情景美を堪能して下さい。
そして。そんな植物たちに祝福されるエリオとリュカ恋の行方と、2人が辿り着くドラマチックなエンディングをぜひ最後まで楽しんで欲しいです。

一途に想い続けた恋心が可憐に花咲く物語。素晴らしい読後感と幸福感に包まれた最高のストーリーでした(*´︶`*)

楪の成長物語

前巻に引き続いて、楪の成長物語みたいになってきたなぁという印象。受験勉強も頑張りつつ、他人とうまく関わろうと悪戦苦闘する楪の姿が一生懸命で応援心が湧きますね。

勇気を出してクラスメイトに声かけしたり、堺の彼女ともうまくやろうと気を回したり。1巻の対池田戦のときの楪からは考えられません。顔のことを言われたらすぐに噛み付いてたのに、随分と大人になりました。個人的には嫌がらせ女子を蹴散らす楪が好きだったのですが…(笑)
常盤たち以外のクラスメイトとうまく会話できたときの楪の嬉しそうな顔。キュッとなってて可愛いだぁ〜…。なんかそっちの方が本来の素の楪って気がして良い感じです(*´︶`*)

相手が顔ネタ地雷を踏んでこなければ、楪だって普通の会話して普通のやりとりが出来る男子なんですよね。そう考えると、楪の可愛らしい顔は友だちに囲まれた彼の明るい青春を失わせていたのかなぁと思ったりします。
だけど、その顔面があったから常盤と知り合うキッカケになったわけで、悪いことばかりでもないことを楪は自信持って欲しいです。
努力の甲斐もあり、徐々に周りとも打ち解けてきてる今の状況では楪の味方も増えていきそうなので、今後の高校生活に注目していきたいなと思います。青春はこれからですね!


2人の周辺部にはまだ何か動きがありそうで気が抜けません。田名部のこともミユちゃんのことも気がかりのまま4巻が終わっちゃったので…。落ち着いたようで落ち着かない展開にやきもきしてしまいますが、焦らずゆっくり見守ることにします。

甘い2人も良いけど、楪のあのキツーいツンデレがたまに恋しくなるんですよね。あの掛け合いがあってこそのこの2人なんだよなぁ…というのが私の期待です。
あの頃のツンツン楪はもう見れないですが、また別の一面の楪や常盤の姿を見せてくれることを楽しみにしています♪

天塩にかけて育てた尻に注目

アナニスト堅物教師と、同僚の後輩教師のエッチな調教が際立つ一冊です^ ^
想像以上にコミカルでギャグっ気満載のストーリー。尻開発に精魂込める高杉の、アナニーへの執着が楽しいお話でした。

昼間は厳粛な教師として振る舞う一方で、プライベートはプロのアナニストの顔を覗かせるギャップが面白い!アナニストとして、快感を得られる玩具捜索に余念がない探究心はさすが教師です(笑)
プライベートを死守するため、お堅いイメージを崩さないようにしていた矢先、アナニーグッズ売り場で同僚・松本にばったりと会ってしまうことから、物語が大きく動いていくことになります。

高杉のプライベートの秘密を知ってしまい、次の展開は脅しか?ゆすりか?…なんて思っていたら、まさかのセックスのお誘いへ。松本は、実は高杉の昔の教え子でした。
高杉への好意をずっと抱いていたため、この機をチャンスとばかりに告白。共に高杉のお尻の開発に着手しながら仲を深めていくアナニーデートがすごーくエッチです(〃ω〃)

松本は、表の顔はのほほんとしていますが高杉には甘S対応。2人のエッチな尻開発は、松本主導の下、どんどん快楽を与えられていきます。
尻だけじゃなく乳首なんかもターゲットにされちゃいまして…敏感部位をどんどん調教して最高の尻に仕上げる2人の共同作業をご覧下さい。高校教師たちのこのエロさ…背徳感があって良いですね。しかも年下に主導権握られて、快楽堕ちしてる高杉のゆるんだトロ顔はなかなかの表情でキメてくれます。

すれ違いもあるし素直になれない不器用な高杉だけど、本気になるときは想像を超えた行動でその想いをアピール。グチャグチャになりながらも、校則を破りながらも、松本のためにがむしゃらに頑張る高杉の熱いハートが響く〜〜〜
こういう筋を通した高杉の真面目な性格は、教師として生徒たちに良い見本になってるなぁと思う。厳しいけど素敵な先生です♪


元教え子の年下攻めがキラリと光るお話でした。
主人公2人以外の脇キャラティーチャーズの存在も素晴らしく、その個性的なキャラ性もこの作品の魅力の一つですので注目して欲しいと思います。
エッチなプレイが目立つ内容だけど、ちゃんとストーリーとして魅せるところは魅せてくれる作品です。読後感もよく満足度大です♪

恋人に更に恋をしていく青春がまぶしい

月岡と時枝のラブラブぶりは向かうところ敵なしですね!
相思相愛のイチャラブを思いっきり楽しめました。
時枝可愛いなぁ〜…が溢れた月岡の想いが爆上がりの続編。月岡視点が多めなのも嬉しいです。

コミカル・ギャグ要素が多くて、元気になれちゃうビタミンBLです。なにも考えず、ストーリーに任せて読んじゃいましょう!
高校生の若さ弾ける勢いあるワチャワチャ感がすごくて、主役2人以外の友人やクラスメイト、後輩たちが生き生きと動き回る演出も良い。脇キャラたちの存在感が強くて、一部キャラ(神木とか 笑)に関していえば準主役です。超個性的なキャラクターたちのパラダイスなこの作品、ボーイズだけじゃなくガールズたちも素敵な立ち位置で、月岡と時枝を見守る姿勢が素晴らしいなと思いました♪( ´▽`)

そんな感じなので、少々主役2人の存在感が薄れ気味になっちゃったのがもったいなかったかなという感じです。
今回はエロネタ重視ではなく、改めて"好き"を堪能するストーリーだと思います。付き合って、恋人の良さを思い知っていくっていうのかな、日々アップデートしていく恋人の魅力に、更に恋をしていく姿が微笑ましいです^ ^
修学旅行や濃厚な学生生活をはさんだ青春ラブコメにいっぱい楽しませてもらいました♪

2人の原点となった運命の雨

この日常の空気感。二次元の世界なのに、そこに息づく匂いや音といったものが、五感に響いてくる描きに感嘆の思いです。

夕と凪の出会いを描いた番外編。1巻のときに2人の出会いのシーンが少しありましたが、そのシーンを深く掘り下げた内容になります。
夕から凪への自然な声かけから生まれた2人の出会いに浸ることができる一方、彼らの歴史がここから始まったんだなという感慨深さを感じることができました。
雨の降る音や雨の香りも作品のBGM。
しっとりとした2人の出会いを盛り上げる効果として抜群です。

日常BLが大好きな私には、この作品の世界観は堪りません。シリーズ全作総なめ読破しています^ ^
夕と凪の出会いは特別ななにかがあったわけじゃなく、ご近所さんの何気ないやりとりと会話から生まれたもの。この作品らしい雨の日の日常演出が心地良く感じました。


故郷を離れ大学に通うため上京する凪の心の寂しさや不安感。…場所は違うけど、私も全く同じ状況だったのですごく感情移入しちゃいました。家族のぬくもりを感じない単身アパートがやけに寂しいんですよね……
そんな中で出会った隣人の夕の優しさはどれだけ凪の心に沁みたことでしょう。意識するキッカケとしては十分だったと思います^ ^


今やおしどりカップルの2人にとっては、寂しさは無関係なので過去のよき思い出ですね。
引っ越したばかりでまだ馴染みのない街を見て、いつか懐かしさを感じるのだろうか…と思った凪の思いが、まさに現実になったことに嬉しくなりました。夕と出会い同じ時間を共に過ごした街ですから、きっとずっと心に残る思い出の街になることだと思います。

あの日が雨の日じゃなかったら意識しなかったかもしれない2人。あのときの雨に感謝して、夕と凪のこれからをずっと見守っていきたいです(*´︶`*)

この面白さの前では全面降伏するしかない

3巻、ヤバい!!!
あまりの面白さに暫く放心状態でした。

息をつかせぬ怒涛の展開。
衝撃の事実。
花城と謝憐のロマンス。
どれをとっても、どの角度からも最っっ高です!

なんという内容をブチ込んでくるんでしょうか。レベルが違うとはまさにこのこと。読めばきっと実感するはずです。
どこから手をつけてこの面白さを伝えて良いのか分かりません。支離滅裂な文章になってしまうかもですが、どうかご容赦ください。


相も変わらず、BLと言う枠組みを超えた壮大な世界観とスケール感は素晴らしく、この完成度と見事なストーリー構成の完遂度に身震いしました。
大きく分けて見どころは2つ。
事件パートとロマンスパートです。

事件パートは、前巻からの続きとなった人面疫による国難問題と、胎霊と神官の関連案件、師青玄こと風師に纏わりつく白話真仙の呪い…といった読み応え満載のラインナップ。事件そのものというよりも、複雑な人間模様を赤裸々に描いた内容が見もので、その緻密さはとにかくエグいです。
特に白話真仙のストーリーは絶句するほどの衝撃事実と結末です。読みながらカタカタ震え、苦しくて切なくて泣いてしまいました。

神官だからといって皆が完全無欠でも清廉潔白でもないし、鬼だからといって根っからの極悪非道なわけじゃない。各々が抱えている背景にはそれぞれの事情が渦巻いているし、どちらにも同情の余地があるんですよね。
何が善で何が悪なのか分からなくなってくる展開に、もう脳内がグチャグチャ。皆が幸せな方へ向かうような都合のいい落とし所をつけてくれない描きはある意味リアルです。
残酷なシーンはありますが、それがこの作品の醍醐味ともいえるでしょう。逆に丸く収まっていたら、この世界観が台無しになっていたかもしれません。だって相手は最強最悪の「絶」ですから。


私の好きなキャラの1人である風師と「絶」である黒水玄鬼との関係に戦々恐々となりながらも、その一方で得られる楽しみもありました。
それこそが花城と謝憐とのロマンスパートです♪

今巻、花城と謝憐とのニヤニヤシーンの多いこと!
キャーッてなって、ほわぁ〜ってなって、どっひゃーってなって、ズキューンてなります( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
なんていうのか……あからさまな触れ合いはキスに止まりなのに、この高揚感。エロエロいっぱいのBLを読み慣れた私でも、2人のこの爽やかな戯れと口付けの前では足がガクブルです。
別に想いが通い合ってる中でのキスではなく、人命救助的なあくまでも不可抗力なキスなんですけど、この2人のシチュエーションを想像するだけで、私の中の萌えどころが大暴れです。グイグイ積極的にいく花城と花城を意識しまくる謝憐に心臓射抜かれて、畳の上をゴロゴロ転がりまくって大変でした。

花城の半裸を見てドキッとしたり、花城の"大切な人"の話を聞いて羨ましく思ったりと、謝憐サイドの好意が濃くなっていくのを見届けるのが楽しく、そんな謝憐を無意識に煽っちゃう花城も悶絶最高です。彼の謝憐の全てを肯定してくれる包容力がいつもながら素敵でした^ ^

一気にBLの萌え香が強くなった今巻は、謝憐の花城への意識を強くしたという点で、1つのターニングポイントになったのかなと思います。謝憐のウブな意識がとても可愛くて、該当シーンは何度も大切に読み返しました。
スッとストーリーに入ってくる2人の甘みのあるロマンスを心ゆくまで堪能して下さいね。


テレビアニメで観た天官賜福の世界を頭の中に思い描くことで、登場人物たちの画を小説の世界に投影できたことは今巻を読むに当たっての嬉しいことでした。
ホントに見どころしかない神作品。この素晴らしい作品と同じ時代に生きることができて幸せです。

幸福感と読後感の破壊力

君の夜に触れる本編→小冊子20P→番外編読切(今作)……と、振り返りも兼ねながら、「君の夜に触れる」の旅をしてきました♪
一気読み再読、めちゃ最高〜
読み返しても初見のように食い入るように読んでしまいました。名作の為せる技に酔いしれました!

今作の読み切り番外編ですが、お値段の割にボリューミーです。読みながら、あれまだページある。あれ?まだ終わらないぞ。と、嬉しい不意打ちに狂喜乱舞しました。


ストーリーは、千夏の家族の墓参り。佳澄を家族に会わせたいと、2人で墓参りに出かけます。
この作品は本編のときからそうですが、家族の関わりや想いを大事にしていますよね。亡くなってもなお、心に生きる母と兄の残像を追い、想いを馳せる千夏の姿がこの読切番外編でも深く描かれています。
千夏父のやったことに対して許すことはできないけど、彼には彼なりの苦悩があったのかなとか考えてしまいますね。(でも許さないけど)
ちゃんと"家族"として過ごした普通の日々もあっただろうに、なんだかやるせない気持ちになってしまいました。

それもこれも、この作品の心理描写や情景描写が素晴らし過ぎるからなんですよ。作品全体の空気感とか間の取り方とか、絵の雰囲気も含め、上質な映画を見てるかのような錯覚を覚えます。
心臓の奥底がキュッと摘まれるような切なさも、ジンとくる2人を纏う甘い空気感も、この作品の醸し出す名作のオーラにただただ身を任せ、この世界観に浸るばかりです。


白黒の世界なのに色が見えるような儚げで繊細な描画は相変わらずのクオリティ。眺めるだけで飽きません^ ^
千夏と佳澄の過ごす"家族"のような何気ない日常のシーンを見てるだけで目頭が熱くなりました。この作品の幸福感と読後感の破壊力は絶品ですので、ぜひ心ゆくまで堪能して欲しいと思います。