鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?

kagamiyokagami, dokuringo wo tabetano wa dare?

鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神61
  • 萌×232
  • 萌9
  • 中立0
  • しゅみじゃない8

85

レビュー数
17
得点
460
評価数
110
平均
4.3 / 5
神率
55.5%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
¥640(税抜)  
ISBN
9784199010125

あらすじ

売れない元子役のアイドルが、
一夜にしてトップモデルへ転身!?
クビ寸前の永利(えいり) を抜擢したのは、
完璧主義の天才写真家・ 紹惟(しょうい)。
彼のモデルは代々『ミューズ』と呼ばれ、
撮影中は一心に紹惟の寵愛を受ける。
求めれば抱いてくれるけれど、
冷静な態度は崩さず、想いには応えてくれない。
深入りして、疎まれるのは嫌だ…。
そんな思いを抱えたまま、十年――。
恐れていた、新しいミューズが現われて…!?

表題作鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?

氏家紹惟,完璧主義の天才写真家
瀬戸永利,22歳~,元子役で元アイドルの俳優兼モデル

その他の収録作品

  • あとがき
  • 写真家 氏家紹惟は砕けない(描き下ろし)

レビュー投稿数17

鏡に問いかける理由とは?

タイトルからしてファンタジーなのかな?と思ったら、めちゃめちゃ現実的なお話でした。

人気写真家・紹惟にモデルとして抜擢された、崖っぷちアイドル・永利。
紹惟と同居して撮影を重ねるうち、永利は紹惟に恋心を抱くようになります。

必要ならば仕事相手とも平気で寝る紹惟。
自分もその中の一人だと自覚しながら、せめて身体だけでも──と、気持ちを隠して求める永利。
そして、別れを恐れながら紹惟のモデルを10年も続けてきた永利の前に、遂に次の被写体が現れてーー…

もうね、永利が不器用で焦れました。
紹惟のことが大好きで、他の誰にも抱かれたことがない。
紹惟に捨てられたら一生誰ともしないとさえ思っている。
それほどの気持ちがありながら、遊んでる振りをしてたりして。
紹惟だって、好きでもない男と10年も関係を続けないでしょ……と、何度思ったことか。

変化を恐れて前に進めずにいた二人ですが、新たなモデルが現れた事で関係を変化させていきます。

ずっと囲い込んで甘やかしてきた永利を、急に突き放す紹惟。
紹惟に捨てられたと思った永利は、今までどれだけ紹惟に依存してきたのかを思い知らされます。

知名度が上がるに比例して冷めていく仕事への情熱。
小さい頃は母親のために、今は紹惟のために……そして、心の支えを失った永利は……

皮肉にも、紹惟と別れたことで永利の仕事に対する姿勢が好転していきます。
後半の「二人のミューズ」の撮影は、永利の成長が素晴らしい。
誰かのためにだけに続けてきた仕事を、やっと自分の意思で続けたいと思えるようになるまでの過程がとても丁寧に描かれていて、永利を応援せずにはいられなかった。

紹惟が永利を好きなのは読んでいると分かるのですが、永利視点で進んでいくストーリーのため、紹惟の心理描写を薄く感じていました。
だけど、最後の最後に明かされる紹惟の強い想い──これにグッときた!
不器用なんだよねー、ホント。

毒りんごを食べたのは紹惟だったのかなあ。
永利は強い魔女になったと思う。
この作品は『白雪姫』の話じゃなくて、魔女の話なんですよね。

永利の友人・誠一もいい男だったし、脇役たちも素敵なので注目して下さい!
永利とのやり取りには、ほっこりさせられました^^

タイトルとは違ってリアルな大人の恋でした。
御伽噺のようにずっと綺麗でいられるわけじゃないんだよなあ。
年相応に変化していく見た目や関係がとても良かったです。
いくつになっても変化を恐れていたら何も始まらないんだな……なんて、ちょっと考えさせられました。

18

成長を見届けました(;つД`)

 小中先生のお話にみずかねりょう先生のイラストがつく、となったら、買わずにはいられません。


 受け様は、0才からモデルとして芸能界で生きてきた永利。
売れなくなり事務所をクビ寸前の時に、攻め様である天才写真家紹惟に見出だされ、一躍時の人に。
紹惟のモデルは、代々『ミューズ』と呼ばれ、紹惟のモデルをやめた後ものしあがって売れっ子になっているのだから。

 自分が納得する作品の為なら何でもする。
身体の関係だって厭わない、というスタンスの紹惟。

 自信がなく萎縮していた永利を、紹惟はとことん甘えさせ構いたおして花開かせていく。
そんな紹惟に導かれ、永利は殻を破って本来の美しさや魅力を引き出しされていくけれど、同時に紹惟に依存していく自分の気持ちにをとめられない。

 重いと思われないよう、好きだという気持ちを閉じ込めて、共に過ごしてきた10年。
いつ紹惟が次のミューズを見出だすか、自分がお払い箱になるのを怯え続けた10年でもあって。
苦しい歳月だよなぁ。
紹惟と出会った時22才だった永利も32才。
年齢と共に魅力が増すものももちろんあるけれど、若さや分かりやすい美しさってものは、確実に衰えていくわけで。

 そんな中、とうとう紹惟が次のミューズを抜擢。
今回は永利と『2人のミューズ』
抜擢された昴也は、ハツラツとしていて、根性もあり魅力的。

 もうなぁ、永利視点で進むから、この辺りから私としても苦しくて。
多分考えあっての事なんだろうな、と思っちゃいるけど、ぐわぁぁぁι(`ロ´)ノってなる!!
なので、永利が自分で更に殻を破って、周囲が息を飲むような演技を見せてくれたときは喝采ですよ!!♪ヽ(´▽`)/
紹惟のカメラ越しに、その新しい魅力を見せつけた時はめっちゃ気分よかったです。

 紹惟の目を気にして囚われていた永利が、それを解き放った美しい姿を切り取る事ができるのも、また紹惟なんだすよね。

 紹惟から家に誘われた時に、バッサリだった永利に気分爽快。
もっとさよなら感出してやればよかったのに。
これからは腕の中ではなく、隣にいたい、という永利の言葉がかっこよかった。
これからは、隣から羽ばたいていく永利に、ハラハラするがいいさ、紹惟。


 みずかねりょう先生イラストは、やはり最高でした。
口絵の2人とか、意匠を凝らした衣装がとても目を引きました。
永利の髪にドライヤーをかける紹惟のイラスト、ほんわりしてて好きだなぁ(*´∇`*)

13

こういう話は大好物です

小中大豆先生の作品は作家買いしてるんですが、こちらの作品は自分の中では久々に性癖に刺さる内容でした。

長い片想いをやはり長い年月を掛けて隠す事を覚えた受けの永利、そして天才で撮影の為ならどんな事でも平気でする美貌の攻めの紹惟。

新しい寵愛を受ける存在が現れてって、もうドキドキしながら夢中になって読みましたよ。

もう小中先生の心理描写の見事な事!永利の心が痛い時はこちらまでキリキリしたし、紹惟の本音の確信部分に触れ出すや否や今度はドキドキですよ。

でも最後まで読むとやっぱりねと先生の貼った伏線に気が付くわけです。

詳しい内容は知らずに読む事をお勧めします。
あー面白かった!

11

とても良かった!

小中さんの作品はBLを読んだ!という満足感を得られます。途中はちょっとドロドロするけど最後はハッピーエンド。主人公の受けは元売れないアイドルだったけど有名写真家の攻めのミューズとして見出されモデル・俳優として売れるようになります。華やかな芸能界の話なのでみずかねりょうさんのきらびやかで美しい挿絵がピッタリでした。表紙のアンティークっぽい鏡とかイバラのデザインも素敵で力入ってる感じです。

俳優さんって美しくてブレイクしてもすぐ新たな若手が控えているからシビアなお仕事です。今年は特に美しい俳優・女優さんが若くして命を絶った悲しいニュースも多かったので華やかに見えても大変な世界だろうな、と色々考えてしまいました。

攻めは写真家だけでなく映像プロデュースみたいなことにも手を出し、受けを愛しながらもその力を信じ、極限まで追い詰めて伸ばす…ちょっとやり方がイケズすぎた。出来る男だけど性格に難ありのドS攻め×一途で健気な純情受けという小中さんお得意パターンのカップルです。

最後に2人は恋愛倦怠期みたいなのを乗り越え、真のパートナーになるのですが、攻めのプロポーズ的な言葉もなあ…「ここ1年はお前としか寝てない。これからはお前だけだからお前も俺だけにしてくれ。」みたいなセリフがさあ、10年付き合ってパートナーとして覚悟決めるまでに9年かかったんかい!とツッコミたくなりますね。

まあいいの。受けはあんな男でも良くて幸せそうだったから。受けはとても攻めに愛されてる様子が伝わってくるのに自己評価が低い人で可哀想でした。一緒に料理してた所とか仲良し夫婦そのもので素敵なシーンだったのに。攻めはもう少し早く受けに好きと言ってあげてほしかった。今までつれなくした分これからは溺愛してほしいです。

9

片方ばかりが好きすぎる想いを重ねた10年後

攻めの紹惟は、海外でも名を知られた有名写真家です。
怜悧な整った顔で艶やかで華のあるアラフォーの傲慢で自信家。
男にも女にもモテるバツ3ですが、永利の評価ではヤリチンのクズ。
いい家の坊ちゃんが何の苦労もなく有名になった天才写真家という感じです。

受けの永利は、そこそこ売れている俳優です。
中性的な美人顔の32歳
紹惟に10年来の片思いで恋人になりたいけれどセフレにしかしてもらえない。
仕事にも情熱をなくしている現状をなんとかしたいと思って足掻いています。
同じ想いを返してくれない紹惟に対して気持ちを隠し、気ままに男と遊んでいる風を装っているのが切ないです。

後日談的な短編の紹惟視点のストーリーが良かったです。
2人で共同出資して家を買う時、紹惟は共有名義は面倒だけど2人の中がこじれた時共有資産の処分が面倒で別れるのをやめようと思いとどまるかもしれない可能性まで視野に入れていたことに彼の執着を思い知りました。

1

リンゴの毒は「惚薬」

白雪姫を連想するtitleから受ける印象と違う内容だ、と、暫く読んで気づいて驚いた。
厳しい業界の中で生き残る競争のような話が前半。老いて衰えたら、若い後進に追われてしまう。
巻末は、老いたなりの恋人の美しさを際立たせる為に仕掛けた、毒リンゴを食べてしまった人の述懐。
「目力が凄いんだ」「妖精のような美」など云々・・なーんだ・・・甘々だ。

売れない元子役のアイドル・永利(えいり)が、トップモデルへ転身する切っ掛けを作ってくれた、完璧主義の天才写真家・ 紹惟(しょうい)が、なんと仕事でコケ続き。スランプを切り抜ける起死回生の企画テーマは、「白雪姫と妃」
「鏡よ鏡、一番美しいのはだれ?」
主役二人は、美貌がやや衰えだした恋人の永利32才と、ピチピチの22歳の新進舞台俳優が抜擢。

写真家の 紹惟は、永利のやる気を焚きつける為に、相手役の資料を見せて、観劇に連れて行き、嫉妬させ、別居して、永利を限界まで追い詰める。
本気にさせるために、ここまでやるの??惨い。

昔絵を描くために自分の娘を焼き殺して描いた絵師が居た話が有るけれど、
紹惟のような芸の鬼とは、恋人になろうと思わない方が、幸せな人生を送れると思う。永利は、ちょうどよく鈍いから幸せなのね。
目的の為に手段を択ばない奴は、また壁にぶつかれば身を切る手段を繰り返すと思うな。

0

深いテーマを孕んだ作品。

作家買い。
小中作品は何となくファンタジーものが多い気がしていますが、今作品は現代もので舞台が日本。ちょっと珍しいなあ、と思いつつ手に取りました。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





主人公は芸能人の永利。
元子役、元アイドル、モデル、役者…、と彼を形容する言葉は多々あれど、32歳の彼は人気芸能人であることは間違いない。
が、彼はもともと知名度の高い芸能人ではなかった。少なくとも、今から10年前までは。

10年前、彼は人気写真家である紹惟のモデルとして抜擢され、以来、彼はトップスターにのぼりつめた。紹惟のモデルは代々「ミューズ」と呼ばれ、一気にスターダムを上り詰めていく。永利もしかり。だがしかし、ミューズをずっと続けられるわけではない。

いつ紹惟に捨てられるのか。
そんな思いを抱える永利だったが、ついに新しいミューズ候補が現われ―。

というお話。

小中さんはほのぼのだったり、コミカルだったり、そういったお話も書かれますが、今作品はどちらかというとシリアスベースなお話です。甘々とか、ほっこり、といった感じのお話ではありません。

小中さんて、すごく文章が読みやすいんですよね。読んでいて、情景がまざまざと目に浮かぶ感じ。その文章力で、永利という男性の中身が訥々と描かれていく。

彼の過去、その過去から作り上げられた永利の中身。
そして永利が愛してやまない、紹惟という男性像と、紹惟への想い。

永利視点で進むからでしょうか、自分が永利になったかのような錯覚を覚えます。なので、読んでいてすごくしんどい。自身に対する劣等感、紹惟に届くことの無い自分の想い。そんなものが一気に読者に押し寄せてくる。

紹惟だけを愛している自分と、そんな自分の想いと相反するように、紹惟の、自身への想いのアンバランスさに、ギューッと胸が痛くなるのです。

愛情、というか恋愛感情が軸、というよりは、どちらかというと人生観を描いた作品かなーと思いました。二人の想いが通じるのか、といった内容ではなく、永利の、人生の指針を描いた感じ。

最後の結末は、うん、まあ想定通り、というか。
もう一捻り欲しかったな、というのが正直な感想なのですが、でも納得のできる形です。

健気な永利視点で進むので、永利に感情移入しがちですが、さすが小中さん。永利の目を通して見えてくる紹惟という男性が、とにかく可愛いです。
大人ぶりたくて、余裕ぶりたくて。永利に無様な姿を見せたくないという、男の矜持を感じます。そこに、彼の想いが滲み出ていてなんとも萌える。

何より、永利のために。そこに尽きる彼の深い愛情と思慮深さにギュギュ―ンときました。

右往左往しつつ、時に無様な姿をさらしつつ、けれど自分の目標とか、仕事とか。そして愛情とか。
そういったものをつかみ取っていった男たちに心からのエールを送りたい。

特筆すべきはみずかねさんの挿絵。素晴らしかった…。
とにかく美しい。

で。
特に素晴らしいと思ったのはタイトル。
童話「白雪姫」が作中多く登場しますが、これがなんとも秀逸です。

人の顔色を伺うばかり、の殻を破って、見た目の美しさだけにこだわらず、「自分」を模索することの難しさと大切さと。それが「白雪姫」や、このタイトルに集約されている感じ。

恋愛というだけに非ず、壮大なお話でした。

22

没頭して読んだ

小中先生の現代ものが読めて嬉しい。
もう、すごく面白かった。
文章も読みやすいので、あっという間に一気読み。

今作は、主となる登場人物達がモデル兼俳優・写真家…と、どちらかというと華やかな職業設定なのですけれど、お話全体のトーンはあくまでもシリアスベース。
小中先生といえば心理描写が丁寧な作家様という印象があるのですが、今回も主人公・永利の10年に渡る心情が本当に人間臭くて、人の心の描き方が本当にお上手だなと。

心が綺麗な人って素敵ですよね。負の感情が少なくて読んでいてストレスがない。
でも、私はぐちゃぐちゃとした感情を抱えている人の方がもっともっと魅力的に見える。
「周囲の人々がただの石だと思っていたものを、1番美しく見えるように自らの手でカットして世に出したい」という紹惟の言葉がありましたが、紹惟によって美しくカットを施された永利という人は、決してどの面もキラキラと透明感のある同じ色で輝いているのではなくて…
喜びだったり、不安だったり、時には依存や焦燥だったり、名前が付けられない感情がそのまま色となって永利を輝かせている。
読みながらそんな印象を強く受けて、彼が見せる、角度によって異なる感情という名の複雑な色の数々にどうしようもなく惹きつけられてやみませんでした。
ドッと感情が押し寄せて来て、切なくて苦しくて美しい。

個人的に、埋もれていた才能や存在が花開くサクセスストーリーが大好きなんです。
こちらの作品も、鳴かず飛ばずなままの元子役でアイドルの永利が、天才写真家と呼ばれる紹惟と出逢って成功していく様が描かれています。
サクセスストーリーやシンデレラストーリーって、不遇だった主人公がみるみるうちに花開いて、世間に認められて幸せになって終わる…なんて、綺麗なお話が多いと思うんです。
もちろんこの王道さも好きです。ストンと綺麗に終わりますし、何より読後感が心地良くて爽快じゃないですか。
けれど、今作はその向こう側まで描かれているのがすごく良かったな。
成功の向こう側。天才に見初められ、その手を取って信じ、美しく成功したその先は単調となるのか?はたまたどん底へと堕ちるのか、それとも?
紹惟との複雑な関係を交えながら、永利がどう変化していくのかをじっくりと、彼と同じ目線で追っていくような読み応えがありました。

それから、みずかねりょう先生のイラストもすごく素敵で…!
カバーイラストの繊細でダークな雰囲気も素敵ですし、カラー口絵の衣装がお話から想像していた以上に迫力と説得力のあるもので、思わずため息が出ちゃう。
この映像作品、見たくて仕方がないです。

と、お話はかなり面白かったのですが…
永利は好ましかったものの、紹惟側にいまいちハマり切れなかったことと、前事務所とマネージャーのお仕事の出来なさにウーン?となってしまい、今回はこちらの評価で。
恋愛面の萌え成分が少なく感じられたので、そちらももうちょっと読みたかったかな。
繊細な心理描写にどっぷりと浸れる良作品でした。

10

観たい

小中先生&みずかね先生ホイホイで購入。受けの「強くなる、目覚める様」が小気味よかったので萌2にしました。本編280P超+あとがき。天才写真家×モデル・俳優の長いお話。ある種の才能に目覚めるお話がお好きな方でしたらおススメしたいです。

子役から始まり芸能界歴は長い永利(えいり)。22才でじり貧だった頃に、天才写真家紹惟(しょうい)に見いだされ、4代目ミューズとして売り出した写真集がバカ売れし、その後も継続して写真集を出し、俳優業もするようになって10年。紹惟が新しいミューズを連れてきて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
昴也(こうや、新しいミューズ)、誠一(受けの友人・人気タレント)、小田(初老のベテラン俳優)、桶谷(受けのマネージャー)、攻めのスタッフ、受けの旧マネージャー、攻めの元嫁等少々。誠一と小田さんが良い!!!!

++好きだったところ

受けが最後の方で、覚醒するところ!そこがすんごく好き。「でも今からは自分のために仕事をする」。いや当たり前じゃん、何言ってんのという話もあるんですけど、親と縁を切り、あまりよくないマネージャーのところから連れ出して別世界に連れて行ってくれた紹惟のことを、自分の全てのように思うのは、しょうがないよなと思うのです。そっからけじめ付けようと足掻いて、俳優の仕事が好きだ、もっとやりたい、出来る!と思えるようになるところ、読んでいて救われるような気持ちになるんですよね。

攻めの方はどちらかというと「このくそったれ絶倫男」という印象しかないのですが、最後ちゃんと受けに思いを告げてるし、受けがいいって思ってるみたいなんで、「しょがない、許す」という気持ちです。ほんとくそったれ!だし、もっと攻めざまあに遭いやがれと言う気持ちもあるんですけどね!

こういう受けが目覚める系のお話、好きなんです。その目覚めたという時の「凄惨で妖艶」という表情観てみたいなああ。スタジオ潜入したいと思うお話でした!そう、みずかね先生の「しゅっとした綺麗な顔」の挿絵がぴったりなキャラだったと思います!

それから今月発売の小説Charaに後日談載ってるので、良かったらそっちも是非~。力抜けて、ふふって笑えるお話だと思います!

9

問われた相手は誰なのか

今回は俺様な天才写真家とモデル兼俳優のお話です。

攻様に見出された受様が攻様との新しい関係を築くまで。

受様はゼロ歳からモデルを始め、年齢ほどの芸歴があります。

幼い頃から母に言われるままに仕事をし、
中学に上がる直前に有名なアイドル事務所に入所、
高校生でアイドルとしてグループデビューするも目が出ず
メンバーが細々とソロ活動を続ける開店休業状態となります。

受様は子役からうまく抜けられず、初々しさもなく、
顔だけは綺麗と褒めらるも中性的な容姿は
モデルとしても浮きまくるという中途半端な状態でした。

そんな受様に転機が訪れたのは
天才写真家として名を馳せていた攻様との出会いでした。

攻様はアメリカの写真家に師事して20才そこそこで
現代美術館のキュレーターの目に留まり、
最初の写真集「ミューズ」が売れて以降、
常に第一線で活躍し続けている天才写真家です。

攻様が見出した被写体は必ず成功すると言われ、
攻様が4冊目の写真集のモデルとして探していたのは
刷新を狙った初の男性モデルを模索中でした。

しかも映像作品までまとめてのタイアップ企画で
攻様は受様の事務所に進められていた後輩アイドルではなく
首寸前だった受様を被写体にと指名してきたのです。

攻様は同じモデルを数年に亘って起用し続け
飽きるまで取り続ける事でも有名で
受様は攻様と身体を重ねる事で様々な事を学び
4代目ミューズとして開花します。

そして緩やかに、しかし堅実に経験の幅を広げ
すこしづづ攻様のミューズではなく、
受様自身の名前だけで売れるようになりますが

受様にとっては攻様に振り落とされないようにしがみつき
前へ前と進み続けている日々だったのです。

そして出会いから10年、
攻様は新しい写真集の被写体として受様の他に
舞台で活躍する若手俳優に注目するのです。

「2人のミューズ」と銘打たれた新プロジェクトは
写真集と写真展の他にタイアップで連続ドラマまで
企画されている大掛かりなものでした。

攻様は今回の世界観のモチーフを「白雪姫」とし
焦点を白雪姫を体現する若て俳優と
姫を殺そうとする魔女となる受様の対立とします。

受様は今までに演じた事のない悪役を演じる事、
努力で支えてきた自身にない才能を持つ
若く演技の才能もある若手俳優に脅威を覚えます。

受様は新たな役をモノにできるのか!?
そしてミューズを求め続ける攻様との恋の行方とは!?

天才写真家である攻様と彼のミューズとなった受様の
10年間の愛の物語になります♪

引退直前に攻様という天才写真家に見出された受様は
攻様の指し示されたレベルとステージを目指し
攻様の飽きられないようにと常に努力を重ねて
攻様のミューズであり続けようとします。

しかし、
本作は芸歴だけが長く目立たなかった受様が
攻様よって日の目を見るサクセスストーリー留まらず、
さらに先、より高みを目指して成長する事こそが
真の目的であり、

受様が問われ続け、攻様が信じて求め続けたのは
受様の変化だったのだと思います。

2人が過ごした10年と言う長い年月は
攻様の意識を変えていくのですが
受様にとって攻様は常に光り続ける天の星であり
受様が並んで歩く対等な関係ではありませんでした。

受様視点なので攻様の真意はなかなか語られませんが
常に追いかけられる者であり続けた攻様が
新たなミューズを求めたのは膠着した2人の関係を壊し
新たな1歩を踏み出す勇気を求めたのかなと思いました。

そしてそんな攻様の願いを
体現してくれた受様にはさらに精進して頂いて、
攻様を尻に敷くらいになって欲しいです。

11月に発刊された『小説Chara vol.43 2021年1月号』に
2人のクリスマスデートを描いた短編が収録されています。
気になる方はぜひ書店店頭でチェックしてみて下さい。

8

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う