Rebirth ~聖騎士は二度目の愛を誓わない

Rebirth

Rebirth ~聖騎士は二度目の愛を誓わない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神99
  • 萌×227
  • 萌4
  • 中立4
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
18
得点
619
評価数
134
平均
4.6 / 5
神率
73.9%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784576221915

あらすじ

生まれ変わっても、お前を愛しはしない
腹黒わんこ後輩騎士×クールすぎるビューティ騎士。裏切った恋人と幸せだった過去にタイムリープし!?

聖騎士・ガブリエーレは処刑される。生真面目で融通のきかない性格が禍いして教会から濡れ衣を着せられた上、恋人・アレッシオの偽証により罪が確定したのだ。己の不器用な生き方を悔い、裏切ったアレッシオを恨みながら、断頭台で命を失ったーーはずだった。生きて目覚めたガブリエーレは三年前に戻っていた。アレッシオが好きでたまらず、恋人になったばかりの幸せな日々に。ガブリエーレは自分を陥れたすべての人間に復讐を誓うがーー!?

表題作Rebirth ~聖騎士は二度目の愛を誓わない

アレッシオ・ディ・ヴァッローネ,ガブリエールを裏切った恋人,16歳〜
ガブリエーレ・ディ・ペリ,奸計により処刑された聖騎士,19歳〜

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数18

これはのめり込む面白さ

ほぉぉ〜…すごい見応えあるストーリーでした!!読み終わったと同時にドッと力が抜ける脱力感が何故か心地よく感じました。謎解き要素も満載で、BLを含め方々に張るアンテナが多過ぎて脳内処理が大忙しでした。


この作品は処刑される前の過去にタイムリープするもの。自分を罠に嵌め裏切った愛する人に復讐するため2度目の人生をやり直していくストーリーです。

序盤はあんま楽しくないです。
拷問を受け処刑されていくガブリエーレの悔しい気持ちや愛する人に裏切られた絶望感が痛く切なく苦しい。加えて、ガブリエーレのアレッシオへの愛情が変な方向に空回っているのも楽しくもないし、そもそもガブリエーレの人柄もちょっと好きじゃないなと。そんな風に思いながら物語が始まったので、少しばかり不安になりました。

しかしそれは杞憂に終わりました。
ガブリエーレのタイムリープ後が面白くて、読む手が止まりません!
ガブリエーレは2度目の人生をアレッシオに復讐する目的で過ごしていくものの、1度目の人生の自分の行動や考えを俯瞰で見ることが出来るようになっていきます。
これこそがこの作品の最大の注目&ワクワクポイント!

これまでの自分の行動を見直し反省することで、それまで見えていなかった部分に目を向けるようになります。部下や従僕や同僚や上司…それまで無関心事項だったことに目を配り、1度目人生とはえらい違いの素晴らしい行動をとっていきます。急な変わりように周囲はビックリ。今まで人望のなかったガブリエーレに少しずつ味方が出来るようになりました。

その変化は愛するアレッシオとの関係にも当然波及し、1度目人生には叶うことのなかった身体の繋がりを持ち2人は愛を深めていきます。


ガブリエーレの2度目人生の大逆転ぶりは読んでいて楽しー♪序盤の嫌なシーンを吹き飛ばす勢いで、ガブリエーレが良い上司で同僚で恋人に大変身です。にしても変わり過ぎよー

人生をやり直しているから見える景色があるんですよね。だからこそ自分を陥れた真実に立ち向かうことが出来る。アレッシオへの復讐感情も含め、慎重かつ冷静な態度で判断出来たのが良かったです。2人の愛は1度目の人生でも2度目の人生でも揺るぎの無いものでした。

2人の愛の育みの後ろにあった大きな問題は、聖騎士団や神殿庁などの組織的腐敗。これが実に複雑でねちっこくて、一筋縄ではいきません。この問題に無理やり関与させられたガブリエーレとアリッシオは、ホントいい迷惑って感じです。彼らの家事情も絡んでるので、がんじがらめです。
ガブリエーレの行動は確実に未来を変えていることになるので、その変化や結果なども注目です。小出しされていた何てことない情報が全部繋がり、真実が明らかになっていく過程は見応えありました。


こんなに複雑なのに頭がこんがらないストーリー運びはすごいなと思いました。最後の顛末はご都合主義っぽかったですけど、わたし的には満足でした。悪者たちに心底嫌気が差していたので!(拷問シーンはキツい…)


とっても面白かったです。イラストも最高!
信頼できる仲間もできて、愛する人と幸せな人生を歩む夢も叶った素晴らしい結末に胸がいっぱいになりました。

19

最高過ぎて。

作家買い。
小中さんはコミカルなものからシリアスなものまで幅広く書かれる引き出しの多い作家さまですが、小中さんの新刊はシリアスベース。そのシリアスベースなお話に奈良さんが挿絵を描かれているという、もう最高過ぎる1冊でした。

小中さんらしいファンタジーものをベースに、様々な因子が加わり怒涛の展開をみせるストーリー。もうさすがの一言です。普段ネタバレ上等でレビューを書いていますが、こんなにもネタバレしたらアカン作品はない、と思うので、あまりネタバレしないようにレビューを書こうと思います。




聖騎士のガブリエーレは、清廉でまじめで融通が利かない性格の青年。
だがその性格が災いし、濡れ衣を着させられ、処刑されることになった。が、何よりガブリエールを苦しめたのは、彼の窮地は、心から信じていた恋人のアレッシオの裏切りによってもたらされたもので―。

という出だしで始まるストーリー。
もうこの時点で面白い予感しかしないのですが、この部分が序盤に過ぎない、ということ。

処刑されたはずのガブリエーレ。
自分は死んだ。
そう思ったガブリエーレが目にしたものは、3年前の「自分の部屋」で…?

Rebirth、なんです。まさに。
生まれ変わったガブリエーレが、恋人に復讐することを決意して。

ガブリエーレという人物はまじめで、でもその分視野が狭い。
自分の思い込みで突っ走ってしまうところがある。
そんな彼が愛したのは、優しく周囲の人たちから愛されるアレッシオという青年。
そんな生まれ変わる前のガブリエーレの姿を、そしてアレッシオという男性像を、そう多くはないページ数できっちり描き切っている小中先生の手腕に脱帽しました。

そして生まれ変わってからのガブリエーレがまたクソほどカッコいい。
根っこは変わっていないのに、彼はがらりと生まれ変わっていく。

処刑される前、そして生まれ変わった後。
この2パターンのガブリエーレの姿を拝見できて2度おいしい。

今作品の素晴らしいところはガブリエーレがアレッシオへの復讐を完遂できるか、というところに終始していないところかと思われる。二転三転しつつ進むストーリーに一気に引き込まれていく。まさに沼。一度読み始めたら手が止められなくなります。マジで。時間のある時に、ゆっくり腰を据えて読んで欲しいです。

そして、アレッシオとガブリエーレ。
この二人の恋の行方ですが、ああ、まあそうだよね、そうなるよね、という。
が、その恋の成就までのストーリーが面白すぎる。BL作品なので、もちろん二人の恋の話は外せない。でも、それだけじゃない。濃厚なストーリー展開が秀逸です。

可愛い受けさんはもちろん大好物。
でも、カッコいい受けさんはもっと好き。
そんな個人的な癖にぶっ刺さる受けさんでした。アレッシオもカッコいい!

で。
そんな素敵男子を奈良さんの挿絵が飾るという眼福さよ。
いやー、最高。
最高という言葉しか出てこない。

買おっかな、どうしようかな、とお悩みの腐姐さまがいたら背中をドーンと押してあげたいです。

買ってください!

とにかく面白かった。
読後余韻に浸ってしまう、そんな読みごたえのある1冊でした。
神、どころじゃ足りない。神×10くらい付けたい神作品でした。

17

すごい!!

すごかったです。

序盤はあんまりにも辛すぎて。ガブリエーレが読んでて痛々しすぎて。
処刑されるところからこれまでの回想、そして時が戻り…。

回想の中のガブリエーレが見てらんないよ〜ってくらい本人曰く蒙昧?それにアレッシオへの愛情がこじれすぎて、素直になれーーー!と叫びたかった。そんなことしてないで向き合え!

神はいない。救ってなどくれない。

時が戻ったのが兄弟のちぎり?をした翌日。この意味は…。
裏切ったアレッシオを二度と愛さないと誓うガブリエーレ。なのにどうしても愛さずにはいられない(泣)
逃げ出せばいいのに…と思ったけど、高潔なガブリエーレは慎重に復讐を企んで。

はぁ、ハラハラドキドキでした。
アレッシオ!最後まで読むと、なんてこった!
そうだったの〜?!

ガブリエーレが一皮むけて一度目のてつを踏まないようにしたり、アレッシオと向き合ったり騎士たちや従僕との交流を持ったり、大切なものが増えたり。
良かったです。

先が気になって仕方ないのと情報量が多すぎて。最後の方ではあれ?どうだったんだっけ?と迷子になりかけました。
二人の、いや三人の、いやあの三人も行く末が読みたかったです。

13

人生をやり直す。

ずっしりと重い、どシリアスでした。
小中先生、本当にいろんな引き出しを持っていらっしゃる。


受け様は聖騎士ガブリエーレ。
品行方正で清廉潔白な人。

横領の濡れ衣を着せられ上、恋人だと思っていた男に偽証されて、処刑されたはずなのに、3年前の朝に時が戻っていた。
そう、ちょうど攻め様であるアレッシオに告白した翌朝に。
混乱しながらも、自分を陥れた犯人と恋人のアレッシオへの復讐を誓う。

最初の人生で、堅物過ぎて立ち回りが下手なガブリエーレが、冤罪で処刑されるまで。
辛くて、これどれくらいあるの…と挫けそうでした。

やり直しの人生では、アレッシオと恋人になっても、もう愛しはしない、と誓い、犯人を突き止めるべく動き始めるガブリエーレ。

読んでいて、誰が嘘つきなのか、何が本当で何が嘘なのか。
犬のように懐くアレッシオの姿に、ガブリエーレ同様、演技なのか本当の姿なのか、翻弄されました。

アレッシオに対して愛さない、と思いつつも、何につけアレッシオを思い浮かべているガブリエーレが健気で切ない。
今度こそ、2人が恋人としての確かな絆を築いていくのが、とてもよかった(っω<`。)
アレッシオと一緒に逃げようとする時のガブリエーレの言葉がかっこよくって痺れました。

一体どんな結末を迎えるのか、悪魔の望みは?
最後までハラハラドキドキで、2人で寄り添うラストに、胸をなでおろしましたよε-(´∀`*)
本当によかった。


イラストは奈良千春先生。
どのイラストも物語に引き込まれるもので、とても素敵でした。

13

流石だった

小中大豆先生は作品が出たら必ず購入する作家さまの1人です。
今回は珍しくドシリアスな作品でクスッとする場面が一度もありませんでした。

裏切られたガブリエーレの悲しみと悔しさと、3年前に戻った時に同じ目に遭わないようにと、慎重に生き直す様子に一気に引き込まれていました。ちょっと読んで寝るはずが最後まで一気読みです。www 流石でした。

アレッシオに告白した翌日に戻っているところが秀逸で、2度と愛さないと決めてるのに真っ直ぐに好意をぶつけて来るアレッシオの姿に揺れ動くガブリエーレに萌えました。
このアレッシオの様子と1度目の生の時とは違うガブリエーレの考え方と周囲の人物に、何となくどういった事が起きてガブリエーレが処刑されたのかは分かって来るんです。

そして、その答え合わせが合ってて喜ぶとともに、同時に敵のあまりの巨大さに絶望さえ感じてしまいました。再び追い込まれて行くアレッシオとガブリエーレの姿にハラハラが止まりませんでした。

でも1度目の生との違いはアレッシオの愛を信じていて、最後まで諦めないガブリエーレの強さでした。あっぱれでした。

ガブリエーレが3年前にどうして戻ったのか、誰が誰に助けを求めたのかがこのお話の解決の鍵になっています。そして、その鍵を最後の最後で使って陰謀を一気に解決する小気味良さがこのお話を読後感の良いものにしていました。

お見事としか言えなかったです。奈良千春先生のイラストが凄く世界観に合ってて素敵でした。

13

まさに神作

小中大豆先生のシリアスファンタジー。

恋人に裏切られ、無実の罪を着せられた聖騎士(受け)のガブリエーレが処刑されたはずなのに何故か3年前にタイムスリップ!
自分を裏切った恋人(攻め)のアレッシオに愛の告白をした翌朝に戻ってしまうという話でした。

私は物語の序盤ですぐに恋人同士になってしまう展開はあまり好きではなかったのですが、この2人は真面目で不器用すぎる受けの性格と、2人の過酷な運命のおかげですれ違いが多くて終盤までハラハラしながら読みました。

あとタイムスリップした理由が中盤から徐々に明かされていくのですが、最後のネタバラシは号泣ものです。

設定がよく練られていて、登場人物も魅力的。まさに神作です。

12

見えなかった真実を探して

今回は父の知れない地方貴族の庶子と
聖職貴族の名家の次男のお話です。 

恋した攻様の裏切りで非業の死を遂げた受様が
戻った過去で逆転劇を果たすまで。

聖アルバ教会は王都の神殿庁の総本山する国教で
頂点に立つ大神官は国政にも深く関わっていました。

受様は名門ベリ家の次男として生まれますが
父は後妻の産んだ三男のみ溺愛し、
受様が父に声を掛けられたのは聖騎士団に入団した時と
聖騎士の叙任を受けた時だけでした。

生真面目で清廉な受様は
出世を厳命した父に認められるため
先輩騎士の嫌がらわせやしごきに耐えて邁進します。

そんな受様の前に現れたのが3つ年下の攻様でした。
攻様は地方神殿の従僕でしたが
神殿に赴任していた聖騎士が従者として連れ帰り
聖騎士の叙任を願った逸材でした。

今まで地方から神殿庁に引き上げられた者はおらず
様々な憶測と噂の中でも攻様は目騎士団に馴染み
やがて受様も攻様を特別に思うようになり、
攻様と秘密裏に義兄弟の契りを結びます。

受様は順当に出世を果たしますが
会計処理で騎士団内の不正に気付き
単独で調査を進めていった結果、
その汚職の罪を着せられてししまうのです。

受様はもちろん無実を訴えますが
受様の家と敵対する名家の後継者となった攻様が
証言書を書いたことで斬首刑に処せられるのです!!

受様は自分を陥れた者達も裏切った恋人も
愚かだった自分も何もかも許せないままに
小野の刃先を感じたと思いましたが

なぜか次に受様が目を開けたのは3年前の過去で
2度目の時を生きることになった受様は
攻様への復讐を誓います。

果たして受様の望みは叶えられるのか!?

騎士団での地位を望む受様と実は名家のご落胤だった攻様の
タイムリープファンタジーにです♪

受様のタイムリープは命を代価にした悪魔の所業で
受様の時を戻した者が誰かが物語の鍵となり
読者は受様とともにその謎に迫りつつ、
彼の恋に一喜一憂していきます。

騎士団で不正を行っていたのは誰なのか
どうして攻様は騎士団を去り
受様に不利な証言まで行ったのか

未来を知る受様は時に意識的に、時に無意識に
1度目とは違う選択をしていきます。

それが攻様との関係や未来を変えていくのですが
未来で起こった出来事は人を誰かの身に降りかかるし
攻様を憎みながらも惹かれるのを止められないしで
ハラハラ&ドキドキ♪

様々な人たちの思惑、画策、陰謀に翻弄された2人が
互いの手を取って明るい未来へと踏み出すまで
大変楽しく読ませて頂きました ( ˆoˆ )/

奈良先生のイラストも
物語世界にぴったりの秀麗さで眼福でした。

10

一気読みする面白さ

恋人アレッシオに裏切られ冤罪で処刑された聖騎士ガブリエーレ。目が覚めると、アレッシオに告白した翌日、処刑されるより数年前に戻って人生をやり直すことに…というお話。

聖騎士として肩肘張って真面目すぎるくらい頑張っていた生前のガブリエーレは、父に認められたい、恋人はできたけど聖騎士として身体は重ねない、目下の者を省みない…等、周りの人間から煙たがられる存在だった。2週目では処刑された恨みから神を信じず仕事もほどほどに…とガブリエーレは人が変わったように生活するようになり、アレッシオとも体を重ねるように。といっても怪しまれるので表面上は生真面目なままで。2週目では、ガブリエーレの変化がいい方向に働き、一週目では気づかなかった周りの人達の本来の良さがわかるようになったり、アレッシオの本音を聞くことができるようになったり…どん底を味わって生き直したガブリエーレの逆転劇にどんどん引きこまれました。

生真面目なガブリエーレと、歳下で周りの人間から好かれるアレッシオ。獰猛な顔を覗かせるアレッシオですが、基本的にはガブリエーレを慕うわんこなのです。ガブリエーレが受なのですが精神はめちゃくちゃ男前でした!

小中先生の、気難しい王子捧げる寓話を好きな方はかなりハマると思います!

10

裏切らないダークファンタジー

小中先生と奈良先生のタッグは買うしかねぇ!と購入。小中先生は色んなテイストの作品を何作品も産み出される引き出しの多い先生だと思いますが、今回はダークファンタジーです。先生の作品はダーク系が特に好きなのでとても楽しみにしていました。

そして裏切らない完成度!
タイムリープものは物語に齟齬が生まれたり説明が長くなったりと難しいと思うのですが、スルスルと読めちゃう。複雑な展開もストレスなく、説明に過不足なく、お色気も挟みつつ(奈良先生は神)といった満足の一冊でした。

主人公のガブリエーレは融通が利かず頑固、人間関係の構築が苦手で、良くいえば清廉潔白、悪く言えば石頭のコミュ障。性格が災いして陰謀に巻き込まれ処刑されますがなぜかタイムリープして、というお話。

新しい人生をやり直す拠り所は自分を裏切り死に追いやった恋人と、正体不明の黒幕に対する復讐心です。
でもガブリエーレ、根が素直なんでしょうね。これまでの自分を反省し、前回の人生で取り零してきた真実・周囲の思い、過去などに気づいてどんどん変わって魅力的になっていきます。
そして抑圧していた心を解放し、あえて深い関係になった攻めアレッシオを知るほど、復讐と愛しさで心が揺れていきます。アレッシオの気持ちは演技だったのだろうか?と。
ガブリエーレの心の動きや、周囲の人の変化が魅力的に書かれていました。

受けでも攻めでも、過去(今回はタイムリープなので未来ですが)を反省しながら足掻く人物が大好きなので、たまらんかったです。

攻めのアレッシオは、子犬の皮を被った大型犬です。可愛い。えっちのときちょっと意地悪なのもよし!瑕疵のなさそうなアレッシオの真実に迫るシーンはドキドキです。

どうしてタイムリープしたのか、黒幕は誰なのか、アレッシオの心は、と途中でやめられない展開なので時間をたっぷりとってのめり込んでほしいです。

最後、巨悪と対峙したガブリエーレの決断が、正義ではなく自分の欲望に依るものだったのが、とても人間らしくダークファンタジーを貫いていてよかったです。

7

死に戻りファンタジー

とても面白かった。
家柄が良く清廉潔白で信仰心に厚い受けが教会で順調に出世していたら、不正を見つけてしまいあれよあれよと濡れ衣からの処刑コースへ。義兄弟の契りを交わしていた攻めにも見捨てられ強い憎しみと復讐心を抱えて3年前へと死に戻る。

犯人探しだけじゃなく受け自身の行動を自省する内容も良かった。頭でっかちで自分の信仰のためだけに生きてきて、周りが見えてなかった受けが二度目の人生で成長し変わっていく様子が面白い。そして攻めと深く関わることで以前は知らなかった彼の秘密や弱さが明らかになっていく展開も良い。

攻めの立場や人となりを知ると、記憶を持って死に戻ったのが受けの方だったのにも納得がいく。最後まで読んでみると受けがめちゃくちゃ逞しい。メンタルも身分も受けの方がつよつよ。受けは二人で幸せになるぞ系だけど、攻めは受けが幸福ならと自分を諦めてしまうところがある。誰が敵かもわからない教会内の陰謀や駆け引きも面白かった。

5

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