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rumspringa no jokei
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
たった1冊ですが、映画まるまる1本観きった感じの爽快感がありました。
これ、まんまハリウッド映画に出来そうな感じです。
や、まじでアーミッシュという宗教集団やラムスプリンガという期間の事など、なかなか世に知られていないようなので、いいかもですねぇ。実際アーミッシュをテーマにしている映画って1本くらいしか見つからなかったし、提案したら誰かやってくれそう。ぜひ。
一度村に戻ってからのシーンでは「ブロークバック・マウンテン」の広大な風景がダブりました。そのせいか途中から脳内映画では若かりし頃のヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールになってた笑
あぁ…なんだろ、昔の映画が観たくなってきた。それこそラストに一言出てたダスティン・ホフマン演じる「卒業」とかね。
全体的に、映画好きには特にハマりそうな感じの作品でした。
最新作「灯台守とかもめの子」の表紙の美しさに目を奪われたものの、中身の絵柄がそこまで好みではなかったのでなかなか読む決心がつかずにいました。
そこで、まずはこちらでメガ高得点を叩き出している(同著者の)本作の方が気になり、読んでみることに。
アーミッシュについては、たまたま興味ある分野(世界の不思議な民族)なので知ってはいましたが、ラムスプリンガは知らなかったので事前にググりました。
本作で彼らについて知らなかったことがたくさん知れて良かったです。
80年代のアメリカが舞台なので、知ってるミュージシャンや曲名がいっぱい出てきたのもムネアツ。
素晴らしいヒューマンドラマとして楽しめました。
高評価なのも大いに納得です。
みなさんとはおそらく感動ポイントが違いますが、私の琴線に触れたのはベネット氏が街を出たという身の上話のとこ。
自分の人生とカブったので涙が出ました。
攻めが20歳にしてはやけに子供っぽいうえにすぐ泣くキャラなのは、情報が遮断された特殊な境遇だったし、最後の展開や見せ場の都合上 仕方ない面もあるなとは思いましたが、やっぱりそこと、絵柄がネックで萌えにはつながりませんでした。
(成人男性は "一般的に" そんな簡単にしょっちゅう泣かないので。方や、攻めやダニーの涙に異論は全くありません)
でも年下わんこ攻めがお好きな方にはたまらないと思います。
※受けに関し、以下の場面があるので苦手な方は注意です:
・(両想いになる前)男娼として複数男性とヤる
・レ○プ未遂
「灯台守とかもめの子」も読んでみようと思います。
久しぶりに読み返し、やっぱり素晴らしい作品だなあ…と再認識。
読むたびに一本の映画を観ているような感覚に陥る、大好きな作品です。まさに名作って言えるんじゃないかな。
色々心にズシンと来る(そして泣いてしまう)ので、読む時はちょっと覚悟を決めてというか、それなりの心の準備をして読んでます。
アーミッシュという人々の存在は知っていたけど、この作品で”ラムスプリンガ”という期間があることを知りました。
何かを得るために、永遠に手放さなければいけないものがあることが辛く悲しく、一応ハッピエンドーと言えるはずなのに、もの悲しさを引きずってしまう物語。。
作中のクロエの「愛は素晴らしい呪い」という言葉、そして最後のコマのテオの「愛してるよ…」の持つ意味が重い……
テオとオズ、二人がいついつまでも、どんなことがあっても二人で笑顔でいられますように( ; ; )
レビューは是非他の方々のものを読んでみていただくとして・・・
初版から時が経っていたとしても、興味を持ったり、目に止まった方は是非読んで欲しい作品です。題材自体が特殊設定な上に、設定年代も古いのでかえって古臭さが感じません。
個人的に残念なのは、表紙の黒髪男性イラストです。表紙はなんとなく線の細めな受け確定風の青少年に見える(私には見えた)のですが、実際はカッコイイ系統で、その本当の良さが見えない(私には見えなかった)のが残念。
まるで映画を見ているような、あるいは海外で執筆された小説を読んでいるような、本当に美しい物語です。のめり込んでしまい、あっという間に読み終わってしまいした。特に夜明け属性の方におすすめしたい1冊です。
もっと早めに読めば良かったなぁと今凄く反省しています。だってこれが噂通り名作ですもの。
アメリカ生まれ育ちの者としても、アーミッシュというのが身近な存在ではないです。一般的なアメリカ人とは異なっていながら、信仰を含む自由の国「亜米利加」のシンボルとでも呼べるでしょう。
本作ですが、兎に角素晴らしい。主人公二人は魅力的で人間味のあって、良いところも悪いところも挙げられるキャラクター。このラブストーリーも、リアリティがあって質感がとても良くて、ペースも丁度良いです。絵柄も綺麗で、とかとか。
でも一番刺さったのは、その薄悲しい雰囲気です。ずっと漂っていて、囚われるかのような重さが何となく感じられます。ああいう、ここから出ないと一生ここに閉じ込まれるだろうとの絶望と言えますでしょうか。なのにちゃんとテーマに沿った、苦味が残る後味のハッピーエンドが出来て非常に満足しています。
良かった、良かった。
冒頭から引き込まれるストーリーです。
設定はあまり馴染みがあるものではないかもしれませんが、その世界観がとても素敵です。
作者様の絵柄とお話の内容がピッタリで、読了後は映画を観たかのような満足感がありました。
テオがいつもまっすぐなのがいいです。
オズの傷ついた心にテオの優しさが広がっていく姿に涙しました。
他作品で作者様を知ったのですが、ストーリーの振り幅が凄いです。
ギャグっぽいお話も、映画のようなお話もどちらも大好きです。
2人で仲良く暮らす続編が読めたら嬉しいです!
人気の理由が知りたくて読みました。
ユニークな設定ですがストーリー展開はいたってシンプルです。キャラ重視でそれぞれが非常の良い役割を果たしています。先生の美しい絵もどこかノスタルジックな雰囲気でとても世界観に合ってると思いました。
読み終えて、なんだろう… 色んな感情が同時に沸いてきて、しばらく部屋の壁をボーっと見つめる事しか出来ませんでした。
「これが名作」と思い知らされた瞬間。
私が下手に説明するより、もしまだ読んでいないと言う方がいらっしゃいましたら是非とも自身で体験して欲しいです。
きっと一生心に残る作品の一つになりました。吾妻先生、本当にありがとうございました。
80年代アメリカを舞台とした吾妻香夜先生の名作「ラムスプリンガの情景」既に数多くの素晴らしいレビューが存在しますが、クラシックバレエ&初期ブロードウェイミュージカル好きとしては投稿せずにはいられませんでした。
第4話でオズワルドが踊っているのは、バレエ作品「海賊」からのアリ(主人公の海賊コンラッドの手下であり部下)のソロかと思われます。その両手の指先を胸に持ってくる独特なポージングや “『奴隷』だからな” と言うオズワルド自身の台詞からも察することができます。実際に着られる衣裳も上半身裸にハーレムパンツのことが多いです。
このソロは技術的にも難易度が高く、回転やジャンプなどの華やかなテクニックが多用されているため、女性主人公とのデュエット、二人のそれぞれのソロ、コーダ、と言った形式で(「海賊」よりグラン・パ・ド・ドゥ)小品を集めたコンサートやバレエのコンペティション、またはオーディションのソロ審査などでも度々踊られる作品です。
テオに踊って見せる、というここ一番の見せ場でオズワルドがこのアリのソロを選んだということは、現役時代ずっとこの作品を踊り込んできて振付が身体に染み込んでいるのかもしれない、と思います。バレエ作品は数多く、男性ダンサーのためのソロにも例えば王子、貴公子、村の若者、戦士、などの役は幾らでもあります。
むしろ奴隷のソロの方が少ないかもしれません。
ここで、王子などの高い地位にある人々のダンスソロを選ばなかった理由に深く思い至ります。世界から与えられ、世界に与えることに慣れた貴族や王族ではなく、幾ら望んでも与えられず、大切なものは失われ、それでもその癒えることのない渇望を、突き動かされるような激情を踊るさま。
身も心も捧げ尽くして来た、地を這うようなその魂の叫びがオズのダンスからほとばしり、その後テオへ過去の思いを吐き出すシーンへと繋がるさまは本当に素晴らしい。落涙してしまいました。
このような作品を描いて下さった吾妻香夜先生に心から感謝したく思います。ずっとずっと心に残る作品の一つです。
なんで今まで読んでなかったの!?!?と悶えるぐらいめちゃくちゃ素晴らしい作品でした!!!
特にラストシーン(というかラスト1ページ)が本当に圧倒的で美しくて、終わった瞬間「あぁ、また神作に出会ってしまった……」とひとりで幸福のため息をつきました。
もうほんとにめちゃくちゃよかった。みんな読んで下さい!!!
親愛なるジーンへを2巻まで読み、とめどなく溢れてきた情動のまま、オリジナルである「ラムスプリンガの情景」を手に取りました。
ああ〜…もう…ダメだ。
こんな真っ昼間から涙が溢れてきて止まらない。究極の愛のカタチを目の当たりにして、こんな風になったのは初めてかも知れないです。
親愛なるジーンへも素晴らしいストーリーでした。上質な文学作品たるオーラさえ漂っていました。ラムスプリンガの情景は、ジーンより遡って描かれた作品ですが、今でも多くの人を感動させ震わせる力強い作品だと思いました。
私がBL作品に触れるようになってから、現時点で2年弱です。それよりももっと前にこんなに素晴らしい作品が世に出ていたのですね。もっと早くにこの作品を知りたかったと心から思いました。
アメリカの文化的背景を元に描かれたオズとテオの恋物語。バックボーンを知らなかった私は、アーミッシュのことを色々と調べました。なかなか興味深い文化信仰だな、と思いながらも、その出自であるテオとオズの2人の愛にただただ感動し、涙するしかありませんでした。
キャラクターの魅力、ストーリー展開、見せ方・描き方、登場人物たちの交錯する複雑な想い、そして熱情溢れるセックスシーン…どれもこれも胸打つレベルで最高です。
この作品に出会えて良かった。
間違いなく至高の名作です。
紙版を購入して、いつでも読めるように側に置いておきたいと思います。
……後日。紙コミックス、買いました!(^ ^)
人は、まったく文化や習慣の違う人に惹かれて、愛し合うことができるのか。
故郷とは何なのか、故郷や肉親すべてを捨てるまでの愛は存在するのか。
かなり普遍的で、重いテーマが一冊の中で過不足なく完結しているところがすごいです。
それぞれに抱えているものが大きいけれど、話が終わった後にもどこかで彼らがきちんと生きていくだろうと思わせてくれるエンディングも良かった。
丁寧な背景描写は魅せられます。テオとオズの育った世界の違いが、言葉でなく、背景の絵から伝わります。
あまりにも良かったので初めてレビュー書くことにしました。
以前耳にしたことがあった作品で、「ラムスプリンガの情景」という題名がとてもいい響きだったので思わず手に取って読んでみました。舞台が80年代のアメリカという身近にはない設定だったのですが、読み終わった頃には完全に独特な世界観に引き込まれていました。他の評価にも書いてある通りとにかく綺麗で映画を観たような気分になりました。
是非手にとっていただきたいです!!!
普通にネタバレ込みです
これを読んで正しい生き方ってなんだろうと思いました
テオはオズを選ばずアーミッシュとして生きることにすればきっといつまでも引きずるだろうし、
だからといってオズを選んだところでキツい未来が待っているでしょう(他の方のレビューで書いてあったのですがこの本の設定が1980でゲイがエイズによって迫害され始めるのが1985あたりからです)エイズの迫害もですがテオは見てた感じあまり頭は良さそうに感じなかったので肉体労働させられるだろうし、オズだってバレエで生きていけるかわからないような状況で生きていくのです。
アーミッシュとして生きるのが最善か、それともアーミッシュをやめるか
こんな重いBLを読んだのは初めてでした
なんて素晴らしい作品なのでしょうか…!
最高に良かった、というありきたりな言葉でしか言い表せないことが悔しいくらいにめちゃくちゃ良かったです。
切なさ、愛おしさ、幸せと背中合わせにある苦しみ。すべてが絶妙で、いろいろな事や人を想うラストがとても感動的。
自由を得ることは痛みを伴うことなんだなと思ったし、生き方を改めて考えてみたくなるような世界観でした。
こちらの作品でアーミッシュというものを初めて知り、とても興味深かったのでもっと色々調べてみようとも思いました。
高評価なことは知っていながらもなかなか手が出なかった作品でしたが、読んで良かった!と心から思いました。
世界観が独特なので最初は何度も読み返しながらやっと理解しているような状態だったのですが、全然違うように見えた二人の共通点がたくさん見えてきて、最後の方はうるっとしてしまいました。ただ、古臭いのかファンタジーなのか、あまり身近な世界観ではないので、そういうのが苦手な方には向いていないかも知れません。
でも、BLとしては王道だと思います。全然違うように見える二人に近しい部分があって、この絶妙なすれ違いが恋になるんですよね~。キャラクターも魅力的です。オズ(受け)はエロくて優しくて健気だし、テオ(攻め)がオズに引き摺られて成長していくのも良かった。また、恋愛要素としては王道展開であるものの、生き方の根幹を問いかける内容も多分に含まれており、物語としての深みも感じられました。
登場人物全員が幸せになるラストではなかったのもリアルで良かったです。これから二人はいろんな世界を見て、経験して、困った時は周りの人の力を借りるのでしょう。そんな未来が見える情緒的なラストでした。
とても良すぎて初めてレビューを書かせて頂きました。
80年代のアメリカが舞台で攻めがアーミッシュでラムスプリンガ期のテオドール(20)、受けがダンサーを志半ばで挫折し男娼とウェイターをしているオズワルト(27)。
敬虔なキリスト教の一派であるアーミッシュは絶対的禁欲主義で現代文明を拒絶し、必要最低限で自給自足の生活を送っているが、ラムスプリンガ期になると一時的に俗世に出て社会勉強をする。
快楽を拒んできた彼らはドラックなどの快楽に溺れ、地獄を見て帰ってくる者も多い。
人生の岐路に立たされたテオは、ラムスプリンガ期を終えれば、一生アーミッシュとして過ごしていくのか、故郷との繋がりを絶ち俗世で生きていくのかを決めなければならない。
テオとオズの過去や環境も正反対だけど、二人が惹かれ合うのはきっと必然で、それらの過程も自然に繊細に描かれていてきゅんきゅんした。
特に二人が求め合うシーンが情熱的でたまらない。
何かを得るためには何かを捨てなければならない。
テオの事を深く愛している心優しいオズだからこそ、テオを引き止めることができない。
物語が進んでいくごとに深く話に引き込まれる。
イラスト、場面構成、キャラクター、セリフなど全てがこの作品独自の雰囲気を醸し出していて読了後には一本の映画を見終わったような満足感でいっぱいになる。
甘くて美しい王道な作品だけれど、どこかほろ苦さもあって読めば読むほど味わい深い。
ぜひ色々な方に読んでほしい。
2人の出会い好きです!
この漫画のたまに英語が出るとこおしゃです!
あとは実在する歌とか、キリスト教の表現とか民族の表現、もろもろ、めちゃくちゃしらべているんだな!と!
あの、村に行った時の気まずっ、、、、。ってシチュ好きです☺️
そして、2人で踊るところ素敵すぎて、、、、!!!
最高です!
吾妻香夜先生のムチッとした体の描き方素敵です。
ずっと2人が可愛いです!!吾妻香夜先生のストーリーの起承転結ががっちり書くとこが大好きです。
今作はギャグ少なめで取っ付きやすいですね!
2人が若くて、青春(?)!!って感じでキュンキュンします!
なんてこった、これは映画のようにあらゆる種類の感情を落ち着かせ、悲しませ、映画に値する傑作です。これからは私のお気に入りのblマンガになります。あずまかやは、この物語を書くのにとても才能がありました。涙
吾妻先生作品初読みです。
この後「親愛なるジーンへ1」も読みます。
や〜いい話でした。
絵柄もそうだけど、ストーリーも、昔の…というか古典的、伝統的な良質な大河的少女漫画を読んでいるような感覚でした。
しっかりした映画を観たような感じでもありました。
さくさく進んで展開早いな〜と思ったら、なるほどこうくるのかと、2人の生い立ち、現在、これからの生き方までを1冊で描ききるんですもんね。
流れるように進み、2人の魅力、関係性がどうなるのか引き込まれてぐいぐい読みました。
すごい手腕だ!!
最初、テオがピュアでかわいらしくて萌えますが、次第に大人びてきて、僕はそんなにいい人じゃない、と頑固というか、一度決めたことは誰が止めようが聞かない性格なのでは、と思えてきました。オズを好きになって、それは1ミリも揺るがず、アーミッシュを捨てることの覚悟もできていましたもんね。
対してオズは、スレていてひねくれているのかと思いきや、やさしい人で。自分なんかにテオの故郷を捨てさせることなんてできないと言う。
テッドがいいおやっさんでしたが、その旧友、Mr.ベネットがいい働きをしてくれましたね。
「誰しも人生一度くらいデカいワガママを言うときがくるんじゃないか?」
「それ以前にキミはキミの岐路を自分で選んだことがないと見える」
とその後のセリフもオズの本質を見抜いている。さすが演出家。そしてオズにいいきっかけを与えてくれる。
テオの言葉を思い出してオズも決意するわけですが。
全編通して2人のやりとりが、惹かれていく過程がたまらん萌えですよ。
なのに、ダニーの障害が入りオズが身を引いてやきもきする中、オズがテオを迎えにくるシーンは大変なカタルシスでした。
そう!こういうのが見たいのよ!わかってらっさる!!と。
で、ラストが冒頭のシーンにつながるという。あとがきにあるように、定番ド王道をここまで真剣に描いて下さったらハマりますよさすがに。もちろん先生の手腕あってこそで、見事にやられました。大満足です。
好きなシーンが目白押しですが、強いて1つあげると、夜に2人でそれは楽しそうにダンスをして、その後、オズがテオの腕の中で涙を流す。テオの強い大きな愛でオズを包み癒してあげる場面です。
オズが父に愛されていたことを思い出し、テオはの強い愛情も感じた。テオも伝えることができてうれしかっただろうし。感動的でした。
夜空に輝くお月さまと、オズの記憶にあるアポロ月面着陸がつながるところもうまいなぁと痺れました。
海外が舞台のBLはあまり読まないので食わず嫌いをしていましたが、あまりにも評価が高いので買ってみました。結果、めちゃくちゃ大好きな作品になりました。もっと早く読めばよかった……。
ラムスプリンガ期のアーミッシュの男の子×ダンサーを夢見ていた青年の物語です。ラムスプリンガやアーミッシュのことは全く知りませんでしたが、知らなくても大体のことは作中に出てくるので楽しめると思います。
ストーリーが本当に美しくて、一本の映画を観た後のような読後感でした。系統的に言うとシリアスに属するのかな?とは思いますがコメディなやりとりなどもテンポよく挟んであるので重めの話なのかな〜と避けている方もぜひ読んで欲しいです。
この作品が高評価なのは知ってたのですが、何となく苦手な気がして避けてきました。
今まさに自分を説教してやりたい、そんな気持ちです。
久しぶりに大いに泣けた。
シリアスとコメディ、エロの配分が自分にとってちょうど良くて所々にある、受けが身体を売るシーンなども耐えられる程度だったのが良かった。
BLを読んでてたまにある、いたたまれなくてページをとばしたいようなストレスが一切無かったです。
アーミッシュやラムスプリンガについて全くの無知でしたが、すんなりとストーリーにのめり込めて気づけばその世界観にハマっていました。
自分で選んだ幸せだけど、引き換えに捨てなければならなかったモノもあり、胸の痛みが残るところも好み。
久しぶりに迷う事なく神!って評価できる作品でした。
いつの日か購入していて、まだ読んでいない作品だったな、と手に取ったのが「ラムスプリンガの情景」。なんの情報もなくぱらぱら読んでいましたが、圧倒されました。なんだこの作品は。BLではあるが、これは壮大な人生の物語であった、、、。そしてなんといっても最後のシーンで、素敵な映画を見終えた気分でした。なんでこれを買って直ぐに読まなかった私とつっこんでしまいました笑。80年代のアメリカが舞台ですが、服装も小物も街の雰囲気も細かく素敵に描かれていて綺麗な世界観でした。
アメリカで映画化してほしい!!!
見た目は20歳、中身は3歳な天使攻× 男娼をしてる夢破れたダンサー受。
設定が物凄いので重厚な読み心地なんだけど、同時にピュアピュアな攻の可愛さだったり、そんな攻に感化されて気持ちが解れていく受だったり、見てて幸せになれる。
あと受が擦れてるようですごく優しく一生懸命な子なのがいじらしくて、好き。
ラストはまだまだふたりの山あり谷ありな人生が続いてくのが予感できて、ものすごく余韻が残ります。アーミッシュって初めて知りました。勉強になるBL!
評価のみでレビューしていなかったので、再読してみました。
何度読んでも素晴らしいものは素晴らしい……としか言いようがない。
「恋の呪い」
呪いは、災厄や不幸をもたらしめるもの。
可能性を捨て、生涯アーミッシュとして生きることを選んだクロエは?
テオへの恋?を諦めているダニーは?
足掻いて悩んで迷ってオズを選んだテオは?
恋は、人に何かを捨てさせてしまう呪いのようなもの。
だけど自分自身で選んだものなら、それが不幸だとは思わない。
恋に生きることを自分で選択したテオは、きっと幸せだと思う。
不自由を知っているからこそ、自由を感じられるんだと思う。
ちょっと寂しさの残るラストも秀逸。
本当に素敵な世界観で、『親愛なるジーンへ』への期待もさらに高まりました。
無知なものでアーミッシュという実際に存在する集団を知らなかったのですが、その独自の規律や現代の生活からかけ離れた暮らしぶりに非常に魅力を感じました。
この世界観のBLをもっと読んでみたいと思いました。
それくらい魅力的で新鮮でした。
攻めのテオドールは太陽みたいにキラキラしたワンコみたいな攻めで、体だけ成長した子供みたい。
私の好みではなかったんですが、夢や希望から遠ざかって荒んでいたオズワルドが惹かれていくのはよく分かります。
この先二人の前にはいくつもの障害物が立ちはだかるんだろうなぁと思うと、最終的に選んだ選択が良かったのかどうか分かりませんが、残された人のためにも幸せに生きてほしい。
心からそう思える結末でした。
映画のワンシーンのようなコマや設定が散りばめられていて絵も美しいので、読後の切なさも含めとても満足度が高い作品でした。
キリスト教の異端として、叩かれたり批判されることが多いのは、閉鎖的な集団だからだと思いますが、一番自然で生き物として全うな昔から変わらない人としての営みを続けている人達だと思います。
アーミッシュの概念で育った青年が、報道だと、近親相姦は有ったそうですが、同性を愛することが出来るのか疑問ですが、純愛のハッピーエンドで良かったです。
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アーミッシュ:
(英語: Amish、ドイツ語: Amische)は、アメリカ合衆国のオハイオ州・ペンシルベニア州・中西部などやカナダ・オンタリオ州などに居住するドイツ系移民(ペンシルベニア・ダッチも含まれる)の宗教集団
移民当時の生活様式を保持し、農耕や牧畜によって自給自足生活をしている。
「近親相姦や不適切な接触、性器を露出されること、レイプなどの話だ。加害者はすべて、被害者自身の家族であり、隣人であり、教会の指導者たちだった。」『コスモポリタン』誌
BL漫画を読んでいて初めてガチ泣きしました。
普段は感動はすれど、漫画で涙を流したことはなかったのですがこの作品を読んで初めて泣きました。
桜田先輩改造計画がドエロくて面白かったので作家書いしようと思い探していたところ『ラムスプリンガの情景』の表紙がとても綺麗だったのでギャップに驚き購入しました。
ここまで作風が違うのにどちらも面白くて感動しました!!先生の振り幅に驚きます。
80年代アメリカのちょっと田舎での話です。
吾妻先生の絵柄が今どき!キラキラ!少女漫画!って感じの絵では無いのが尚更ハマっていてとても世界観があり、入り込むことができました。
読み終わった後は超名作洋画を見た後のようななんとも言えない余韻に満たされ、しばらく何も手につきませんでした。
キャラ的には人懐っこい大柄ワンコ×美人年上ダンサー
という感じで
攻めのテオは俗世を知らない純粋でまっすぐな少年のようでありながら、滲み出る雄感……
受けのオズは色気のある美しいダンサーで、過去のことに悩みながら夢を諦めかけた儚さがあります。
2人が愛し合うシーンはとても美しく、描写はさすが吾妻先生!というエロさでした。
素晴らしすぎて語彙力がなくなるとはまさにこの事……。
今後も作家買いしようと決意しました。
ちょっと切ない系、ストーリーしっかり、特徴のある絵柄
が苦手で無ければ問答無用でオススメしたい作品です!
個人的感想としては、親や友人を捨てて、恋人との生活をとる事を選んだ2人に恐ろしさや悲しさを感じました。
今のコロナ禍で読まなかったら、きっと清々しい気持ちで読み終えたと思います。
読んだタイミングが悪すぎました。
書き込まれた絵に映画を見ているような気分になりました。
BLはともすれば狭い世界だったり、現在が設定されていてもリアリティも何もない、まさしくファンタジーの世界に入る所を、人が必ず通る思春期や挫折、別れを細かく書かれていて、勿論リアルとはかけ離れているのでしょうが、なんとなくわかるわかると過去を思い出させてくれる作品でした。
その点で神作品だなと思いました。
ラムスプリンガやアーミッシュについて無知なまま読み終えた後にラムスプリンガやアーミッシュが現実世界に存在すると知り、久々にblの懐の深さに触れたと思います。やたらオメガバースブーム?により狭く感じてたので、新鮮でした。日本ではまず在りえないと思いながら、ヤ〇ギシ会みたいなものだろうかとか巡らしても、日本では本を読む事さえ赦されないとか文明社会への断絶を貫く宗教団体は無いだろうと思う。だからこそ、最初はトンデモ設定だと思ってたのに現実だと知り、奥行きが尚広く感じた。
実際でも期間が終えたら俗世界から元の世界に帰るのがスタンダードであり、稀にそこで生きていく希望や自分の可能性を見出して離れる人もいる。世俗の快楽に溺れた人は、元の世界の崇高さに立ち返るのあろうが、テオはオズに出会い人を愛するというもっと根源的な、ドラックや一時的なセクシャリティのみの快楽では無い希望を見出してしまったんだろうなと。ダンサー崩れの男娼のオズはテオにとの出会い、赦される事、再び前向きに再起する光を見付けた。お互いに、成長し高め合う最高のパートナーとして描かれている。冒頭とラストのテオが二度と踏む事の許されない家族や故郷への郷愁、刹那、決意、様々な思いの溢れたシーンは映画の様です。ベトナム戦争で父を亡くし彷徨うオズの寂しい魂を癒し、オズがムーンリバーで踊るシーンは凄く綺麗でした、様々なエッセンスが盛り込まれつつ王道の映画もオマージュもあり全てが綺麗に収まり一つの作品として昇華しいる素晴らしい意欲作だと思います。
80年代のアメリカを舞台にした、映画作品のようなお話でした。
アーミッシュの話はテレビ番組なんかでたまにやってるので存在は知ってましたが、現代で自由に生きている日本人にはちと理解し難い宗教村ですね。
都会で夢やぶれて、地方都市でやさぐれてるオズと、田舎で育ったアーミッシュのテオ。
テオはその純粋さと育った環境のせいで、オズの売春現場を見たって否定しないし傷つけない。
このお話では、悪役のモブは酷いやつなんだけど、オズとテオを取り巻く人達はみんないい人ばかりで、あんまりこう痛々しい場面がないのです。
特に、オズの雇い主のマスターが飛び抜けていい人で、口は悪いけどお人好し。客と喧嘩しようが、間貸してる部屋で売春してようが、急に何週間も無断欠勤しようが許してくれると言う。
こう言う優しい大人が若い人を助ける描写が凄く好きなので個人的には1番の萌えポイントでした。
ボロボロに泣きました。凄い。
絵がうまくなおかつ特徴があるため、作家性を感じる。
アーミッシュの生活、ドライブインシアターなど我々にはいまいちぴんと来ない文化が描かれているのだが、キャラクターがそれらの文化の中で生き生きとしておりリアリティがある。美しい映画を見ているような気分になる。一応ハッピーエンドだがすごく苦々しくて、テオの気持ちと、テオを連れ出してしまったオズの気持ちを考えると泣きたくなる。
このお話にはアーミッシュという人々がでてきます。知らない方は調べずに見た方がいいと思います*(^o^)/*
私は以前テレビでアーミッシュを見たことがあったので彼らがどういう人々なのかは大体分かっていましたが、それでもすごく読んでよかったと思えました。外の世界で暮らすと決めてしまうと、もう二度と家族、友人に会うことができないというのは悲しみやだけでなく、『生きているのに会えない』『お互い大切に思っているのに会えない』という辛さもあり、いっそう切ない気分になりました。
オズは本当に優しい人で過去の出来事のせいで大切な人がいなくなるのを恐れているのにテオを想って故郷に戻るように言った場面には優し“過ぎる”と思いました。大切な人を失うことを知っているからこそ、そういう行動に出たんだと思いました。それには心を打たれると同時にもどかしい気分になりました。
沢山感情を揺さぶられました。私はアーミッシュではないのでこんな選択をする時はこないと思いますが、誰しもが毎日小さな選択の繰り返しをしていて、時にはそれが大きな選択になることもあると思います。その時にはテオのように後悔しない選択をしたいです。
良質な長編映画を観賞したような読後感が得られる良作です。自分は先生の著書『桜田先輩改造計画』がかなり刺さった事から本書も購入したのですが、いい意味で裏切られました。BLだからと言う理由で手に取ることのない漫画好きにこそ、是非読んでもらいたいです。
冒頭から中盤にかけて少し、売春行為が描かれていて、苦手かも…と感じたのが気にならないくらい素晴らしかったです。もう、きゅんってしてグッと来る映画のようなストーリーです。読まなかったら私、人生を損したかもしれません。
ひさびさに濃厚なBLを読んだ気持ちになりました。ありがとう~!
私はアーミッシュというものを知らないので、ラムスプリンガとはつまりモラトリアム期ってことなのかなってふんわりした気持ちで読んでいたんですけど、狭かった世界を開いて未来を選択する話すごいときめきました。攻めくんは文字通りラムスプリンガをしていたけど、受けくんの方もモラトリアムしてたんだなって。
個人的にクロエさんが好きだし、家族を失ったダニーのわがままな願いもわかるから、すべてに決着がついて最高にすっきりした読後感を味わえました。
読了してしばらく経ってからのレビューですが。
未だに読み返す度に少しの辛さと幸せな気持ちでいっぱいになります。
キラキラした宝石を見せられた様な読了感。
先生話作り上手すぎませんか。
なんかちょっと物足りないな~で終わるENDですが、そこが読者の想像を駆り立てる名作だと思います。
実際全て読み終えたとき、感動のため息と共に続き!続き!となりましたが、ここで終えるのが最善だと思います。
まだスピンオフ連載続いておりますが、ラムスプリンガの2倍ぐらいの長さになるのだとか。
我慢ならず雑誌買いましたが、最高でした…。
先生にはご自愛頂いて、沢山の素晴らしい作品を作って下さればと思います。
作品への錚々たる凄いタイトルの数々やあまりの高評価に
逆にちょっと尻込みしてしまっていて、
個人的によくやってしまう読まず嫌いを
発動していたこちら。ふとした機会があり、
本当に本っ当〜に今更ながらで大変恐縮なのですが
手に取らせていただきました。
結果、なんで今まで読んでいなかったんだという後悔と
過去の自分を叱責し、素晴らしい作品を読み終えて
震える感情とに忙しくて大変でしたが、大満足の神評価です。
年々緩くなっている涙腺で、もちろん他の作品でも
目頭が熱くなったり涙が頬をつたったりはするのですが
ぶわっと気持ちが揺さぶられてぽろぽろと泣いたのは
久しぶりで…
しかも舞台が80年代のアメリカ、アーミッシュ、
ラムスプリンガなど普段ではあまり馴染みのない題材を
扱っていらっしゃるのに物語へ引き込み惹き込んでいく
吸引力が半端なかったです。
テオとオズの出逢いからお互いに惹かれあっていく過程、
ふたりの人生をかけた決断…様々なシーンを思い返す
だけで胸がいっぱいになってまた涙が出そうです…
しばらくこの美しく素晴らしい情景の余韻に
浸っていたいです。
たった今、読み終わりまして。
テーマは全然違うけど、映画「ブロークバックマウンテン」を観た後のような気分です。
どこか物悲しい喪失感がつきまとう。
でも何だか清々しい。
すごい作品に出会ってしまったなあ、としみじみ読後感を噛み締めています。
アーミッシュという閉ざされた世界に属する青年と、ブロードウェイの夢破れて片田舎のバーで働きながら男娼をしている青年。
ふつうだったら出会わないふたりを結びつけたのは、他でもないアーミッシュの風習であるラムスプリンガだった…。
という話なのですが。
もう本当に良かった!
留学中、アーミッシュの村を見学したことがあります。
ただ中には入れず、柵の外からの見学と博物館を見ただけですが、柵の向こうから手を振ってくれた子供たちの笑顔をふと思い出しました。
世俗を知らない天使のような子供たち。
そのまま20才まで育ったテオは、純粋で無垢で真っ直ぐ。
世俗にまみれて生きるしかなかったオズに対しても真っ直ぐな気持ちで向かってきて、作中、雁に例えられていましたが、まさに刷り込みというか、新しい世界を次々と見せてくれたオズに心酔していくさまがキラキラと描かれていて、この後来る選択のとき(アーミッシュとして生きるか、二度と戻らないか)のことを思うと胸が締め付けられて息苦しいほどでした。
オズの方もベトナム戦争で亡くなった父親、その訃報と同時に流れたのは月面着陸のニュース。
国のためにひとがひとり亡くなったところで、アメリカ自体は月面に降り立った3人に夢中という現実や、父の遺志を継ごうと足掻いて枕営業までしても足りない自分の才能の限界に打ちのめされて、流されるままに生活していたところに、強い意志を持ったテオに出会って、変わっていく。
ふたりとも一歩前へ踏み出すには家族との約束という足枷を外さないといけないのですが、これが重くて。
テオには友人のダニーとの、洗礼を受けてずっと家族として暮らしていこうという約束がある。
オズはブロードウェイで活躍するという夢を叶える父との約束を果たせなかったことに苦しんでいる。
でも結局、そこは家族なんですよね。
家族が望むのは「しあわせでいてほしい」ということ。
一緒にいられなくても、期待通りにならなくても、しあわせでいてほしい。
それにオズが気付かされた場面は涙なしには読めませんでした。
あー、もう全然うまくまとめられないけれど、ひとりでも多くの方に読んでほしい。
BLという枠を抜けて、人間と人間のドラマとして読んでほしい。
吾妻さんの作品は「モブ山〜」と「桜田先輩〜」も読みましたが、すごい振り幅です。
どれだけ引き出しをお持ちなのでしょうか。
あとがきを読むとすごく軽くて「え?そんなノリで思いついた作品なの!?」とびっくりさせられますが、「冗談みたいなラスト」でどれだけの人間が涙したことか!
すごい作家さんだな、と思いました。
とにかく!読んで!ほしい!!です!!!
なかなか耳慣れない単語もたくさん出てくるんだけど、攻めのテオはアーミッシュっていう、現代の科学技術になるべく頼らない、自給自足の生活を続ける宗教集団にコミュニティを置く人。物語は80年代のアメリカで、そこそこ色んな科学技術も発展してる時代なんだけど、アーミッシュの人達は未だに移動には馬車を使うし、電気も使わないし、家なんかも機械を使わずに自分たちで建てちゃう。神様を信仰しながら昔ながらの生活を慎ましく送る人達っていうイメージ。
そこで育ったテオはとにかく明るくて優しくて天真爛漫。まるで少年が身体だけそのまま大きくなったかのような人物。そんな彼が「ラムスプリンガ」っていう、アーミッシュの決まりから解放されて(お酒とかドラッグとかもう何でもしてOK)自由に過ごすことを許される期間に、受けであるダンサーの夢破れて男娼をして生活をしているオズに出会って…という感じのお話。
設定だけ見ると見慣れない単語が沢山あって、とっつきにくいかもしれないけど、物語の主人公が私たちとほぼ同じでアーミッシュについてなんにも知らないのでそこら辺の補足も物語の中で自然に、しっかりされてて全然問題なし。
読後は海外の少し昔の映画を1本見終わった後みたいな余韻に包まれる。とても感動的。最初はアーミッシュを離れて右も左も分からない攻めに色々と教えてあげる世話焼きの受って感じの関係で、ワンコ攻めのお話しなのかな~と思ってたけど、物語後半では複雑な過去を抱える受けに、攻めが聖母のような包容力を見せてくれます。泣けた。
ダンサーを目指しながらもなかなか選ばれなかった受けの挫折と、閉鎖されたコミュニティに身を置いていた攻めの事情や葛藤が上手く物語で絡み合って、とてもドラマティックな展開でした。絵やコマ割りもハッとさせられるところが多くて。
あまりこの業界では扱われない難しい時代や舞台を扱っているけど、上手く描き切っておられて、お見事と言う言葉しかありません。ぜひたくさんの人に読んでもらいたい作品です。
コミックは普段買わないのですが、表紙の時点で既に素敵すぎて思わず買ってしまいました。
本屋に並ぶ棚の前を通る度に目がいったので(笑)
吾妻先生の作品は初めてでしたが、中身も期待通りの画力と描写で大満足です。
どのコマの登場人物も皆魅力的!
1ページ目からあっという間に引き込まれました。
私はオズの月夜の下でのダンス姿がとても印象的でした。
もっとずっと見ていたかった。
あ、あとドライブインシアター!!
一度でいいから体験してみたい、凄く素敵だった!!
各所でじんわりきましたし最後も理想的な終わり方で素敵なんですけども…なんだろう。
綺麗すぎる…というか自分自身でもそう望んでたし満足のいく終わりなのですが、だからこそ急に目が覚めた…というか感動の波に乗り切れなかった気がする自分を初見の時点で感じました。
見応えのある映画を観た気分…って感想も凄く分かるのですが、吾妻先生のコメの2週間ほど上映されていた特に誰も観てない映画みたいな雰囲気を目指して描いていた気が…っていう言葉がずっと心に残っていて。
名作だと思うけどそんな雰囲気もしっかり漂っている気がしてしまう…。
世界観もあるかもしれないけれど、この終わり方が数々の愛し合う者達が迎えたエンディングの1つだったからかもしれません。
う~ん。うまく言えない。
素晴らしい作品でした。ジャンル内にあまりない時代設定も、それにマッチした絵も、ストーリーもキャラクターも素晴らしかったです。
あえてハピエン至上主義的もやっと点を…
以下もやっと点
最後、オズワルドのセリフに映画「卒業」のタイトルが出てきていました。
「卒業」は幸せな雰囲気のラストではなく、花嫁とそれを奪った青年の微妙な表情で終わります。
また、羅川真里茂先生の「ニューヨーク・ニューヨーク」を思い出す、という感想も見かけました。ゲイの恋愛、男性2人の人生を最期まで描いた名作です。
ラムスプリンガは2人が未来に向かって進み始める所で終わっています。テオはもう故郷には帰れない、という寂しさはありますが「卒業」ほど苦々しい表情はしていません。しかし、どうしても2人の未来の事を考えて不安になってしまう!描き下ろしで、最期までとは言わないからラストの翌日の話でもいいから未来を描いて欲しかった。描かない良さももちろん分かるのですけれど!!
※電子書籍 白抜き
スピンオフ発売きっかけでTwitterでふと呟いたら先生がリプライくださって感涙。「卒業」の件はそんな深読みしなくて大丈夫だったことをここにご報告します。
2000年代の日本を生きる腐女子ですが笑、まるで80年代の異国の地にいるような、雰囲気から世界観にどっぷり浸れる作品でした。
何を1番に思って生きるか。最優先は何なのか。守るものは何か。自分自身に置き換えて、すごく考えさせられる作品でした。
テオが人を殴るシーンが印象的です。しっかり"人間"なんだなって、私と同じ人間なんだなって感じました。生きるって、そういう事なんじゃないかなって思ったら、とても愛おしく思えました。止めたオズから"お前がどれだけ恵まれているか お前は分かってない"と喝を入れられますが、ほんとその通りで、他人から指摘されなければ、自分を主観的でなく客観的には見れないので、分からないんです。他人と比較して初めて自分が恵まれていると気がつくんです。自分の世界しか知らない人間には、気がつくことが出来ないんです。だからこそ"外へ出た"んだろうし、その行動に意味を見出せるんだと思います。生き生きとしたテオに対し、悟りきったオズの目は自分を責め、気持ちに蓋をし、"それがお前の幸せなんだから俺は身を引くよ"と言わんばかりの行動でしたが、半端な独りよがりの優しさは相手を傷つけるだけ…それでもオズの気持ちも分かるのは多分私もそうするからなんだろうなぁ。知ること、切り開くこと、その好奇心や探究心の"強さ"が、テオの魅力なのかなと思いました。
寂しさも感じますが、2人にとっての幸せを2人で見つけることが出来た結末だと思います。
すごく濃い一冊でした!
今更感はありますが、やはり絶賛されている作品という事で手に取りました。
もう神レビューが沢山上がっていますので、感想だけ。
この作品の舞台・設定を、80年代アメリカ、その中でも特殊と言っていい「アーミッシュ」を絡めていること、そのアーミッシュのイニシエーションともいえる「ラムスプリンガ」という規律外の体験期間の中で起きる体験で描いている事が、非常に卓見だな、と感じました。
物語の構成としては、「ひと夏の体験」モノだと言えると思うのです。
そして、自分を育ててくれた家族・共同体と自分がこれから愛そうとする人間のどちらを選ぶのか、つまり子ども時代と決別して独立した一人の大人になれるのかどうか、という成長あるいは通過の物語とも言えると思う。
それがアーミッシュ、ラムスプリンガという舞台設定でスケールもグレードもアップする。もちろん内容も濃く深くする事ができる技量があっての事です。
規律の厳しいアーミッシュ設定だから、テオがとんでもなく良い子、汚れなき青年であることにも必然性が出てくる。
そして、「選んで生きる」…それがアーミッシュの生き方ならば、テオが悪魔の庭へ飛び込んだとしても彼がアーミッシュの生き方で生きていることには変わりない。
皆様仰る通り、見応えのある1本の映画を見終わったような読後感です。
80年代、まだゲイ差別が激しくエイズ問題も大きかった時代に、この後の彼らの味わうであろう色々な苦さ、そのたびに思い出すはじまりの甘く固い決意、そんなものも内包しつつ…
こういう特殊な設定があるのって、設定だけしてうまく活用できてないものも結構あるんですけど、これは設定ありきの作品になっていたので良かったです。
切ないけど読み終わったあと心が暖かくなる、読んでよかったと必ず思える一作だと思います。
ネタバレで満足しないで是非読んで欲しいです。
作者さんがカバー下に書かれていたのを引用させてもらいましたが、やっぱりハッピーエンドが最高です。しかもアーミッシュ、ラムスプリンガなど聞きなれない単語ですが実際にアメリカにある風習なのですね。思春期に1度外の世界を味あわせて、そこで戻らないと決めたら一生家族にも会えないなんて残酷で恐ろしい制度だと思います。
攻めのテオは天使のような人ですが、受けのオズは戦争で父を失い、NYでダンサーの夢破れ、田舎町でウェイターをしながら男娼もしているというとても可哀想な設定。でも心はとても優しい人なんです。月夜の下で2人でダンスするシーンが素敵だったなあ。不幸で苦労してから最後に幸せになるのはすっきりします。私夜明けの腐女子だったし。
実は腐女子チャートで教えてもらって読んだ作品ですが大当たりでした。BLアワード前に読んでたらこれを1位にしたのになあ。でも他の人がたくさん選んでいそうな名作です。
珍しい題材でしたがとても興味深く読めました。途中は可哀想で何度も泣いてしまうと思いますが、最後は素晴らしい映画を1本見た後のような爽快感を得られること間違いなしです。
表紙もとてもロマンチックで素敵。まるでBL版ディズニー(?)のようです。
ドキュメンタリー映画をみたことがあるなら知っている方もおおい「アーミッシュ」の
「ラプスプリンガ」。
ドキュメンタリーによると、自由な時間を謳歌しても、彼らのほとんどはアーミッシュに残る保守派。
それを思い出して読むと、よくぞ恋のために自由を選んだなあ・・・
すごいよテオ・・・と思いました。
すると私の中ではこれはBLでなくても十分面白い・・・
BLである必要は特にないのでは・・・?と思いましたが
アーミッシュとラムスプリンガの設定をBLに生かした唯一の作品ということで
これ以上は生まれないだろう、と思いからの「神」評価です。
絵柄は少し古めかしいけれど、
アーミッシュのテオにはそれくれらいのタッチが絶妙。
二人の成長過程をみた気分でこれからどうやってNYで互いに支えあいながら
いきていくのか続きも気になりました。
NYでうまくってもいいし、うまくいかなくても幸せになれそう。
アーミッシュの道を捨てた方の末路も映画では気になったので、
こちらもその後を描いてほしいなあと思いました。
時代がベトナム戦争のときなら、ヒッピーなんかもいそうですけどね。
すごく素敵なお話でした。このBLがやばい!2018の1位だったので手にとってみたのですが、BL萌えもさることながら、心を持っていかれる深い物語です。アーミッシュと呼ばれる人々を扱っていて、最初は少しかけ離れたような世界感に感じますし、その設定も非常に良いのですが、このお話が本当に私たちに届ける意味や結論は日本人である私たちにも共感と感動をさせます。その距離感がまたいいのかもしれません。1本の映画をみたような、とても厚みのある、と言っては誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、爽やかなお話でした。この本に出会えてよかったと心から思います。
なんども読み返したくなる一冊です。ぜひみなさんに手にとって欲しいです。
このBLがやばい一位ということで、初めて読んだ作家さんでした。
壮大なドラマでした。圧巻です!
BLですが、BLを読まない方にもぜひ読んでいただきたい一本です。
コミックも小説も映画もアニメもドラマも
素晴らしいものは素晴らしい。
どんなジャンルも枠を超えて胸に迫るものがあると
つくづく思います。
アーミッシュを扱った作品は、なかなかありません。映画でも、若き日のハリソン・フォード主演の
『刑事ジョン・ブック』くらいしか(メジャーな作品では)思い浮かびません。
アーミッシュでBL…と、ちょっと不安を抱きつつ
読みましたが、素晴らしかった!
2人の青年の人生、周りの人々の姿、文化など
情景が見事に描かれていて、読む手が止まりません
でした。
オズとテオの姿に、頑張れとエールを
送りたくなりました。
以降ちょっとネタバレ。
クロエが髪を解くところ。
映画『刑事ジョン・ブック』で、ヒロインが
やはり髪を解くのですが、その場面を
思い出しました。あの場面は、映画でも
叙情溢れる場面でした。
本作でも、クロエの 自由に自分を表す
発露の場面なのだろうと思います。
久々に泣けました。。。
こちらで感想を書かれている方の言葉を拝借して、一度全部忘れてもう一度初めから読みたいくらい素敵です。
正直、様々なサイトやランキングでこの本を見かけつつ、あらすじを見て叙情的な作品はどうかなとか食わず嫌いで本棚でしばらく寝かせてしまい、、、結論、、、めちゃくちゃ神でした!!!笑
感謝です。
サイトによって著者名が平仮名とか漢字で変わっていて気づけなかったんですけど、実はすごく好きな作家さんでした。桜田先輩シリーズとモブ同士の話は振り切っていて笑えましたが、こちらはテイストががらっと変わって数ページ読むまで同じ作家さんと気づけずにいました。イーチョコ連載で気づき、もっと早く見つけたかったと思いつつ単行本が結構手直しされてて両方読んで良かった〜とありがたみがすごいです。
みなさんも言うように美しい映画をじっくり楽しむような、幸せな雰囲気を味わいつつ、どこかほろ苦くて。読者が置いてきぼりにならないくらいの共感できる切なさもあり。
登場人物の表情の豊かさとモノローグの少なさが好みです。特にモノローグは、いい作品ほど少ない方が魅力的だと個人的に思うので…同時並行の複数カットのセリフ運びと画力で一気に引き込まれます。
以降一部ネタバレ
クロエが髪をほどくシーンと、
禁じられている歌をクロエが歌うシーンで
テオとダズがひとときのモラトリアムを楽しむ情景にキュンとしました。
このBLがやばい、コミック部門1位、おめでとうございます!
もう説明は必要ないですよね。
皆さん書いて下さってますし(笑)
未読の方がいたらお勧めしたい!
知らないと人生損しますよ(笑)
とにかく素晴らしい世界観があるBLです。
オススメします!!!
最の高とは、このことだ。
穏やかで健全だけれど閉鎖的でもある環境で生まれ育ったテオドールは、自分の世界をぐっと広げてくれた「はじめての人」であるオズワルドに恋心を抱く。
また、NYでダンサーを夢見るも挫折し、離れた先の街で燻っていたオズワルドも、無知なテオドールの世話を焼くうちに純真で真っ直ぐな人柄に惹かれていく。
おそらくド直球に王道な展開ですが、その分しっかりとした構成で丁寧に物語が描かれていたと思います。奇をてらわない王道だからこその良さってあるよな~と再確認しました。
年代物の内容にクラシカルな絵柄がぴったりで、漫画としても非常に読みやすかったです。隅から隅までどこを見てもすごく綺麗な筆致で、描き込みの美しいコマやギャグ調のコミカルなコマのバランスも良く、すごいな~!!と感激しっぱなしでした。本当に映画を見ているような感覚です。
ダニー(ひいては家族・故郷)との別れは避けられず、ほんの少しだけ苦い後味が残るハッピーエンドには深い余韻がありました。何が幸せかは本人が決める事だから、故郷を捨てるテオと故郷に残るダニー達、どちらに対しても誰も否定はできないんですよね…。この辺についても色々と考えさせられました。
「父のため」ではなく「自分のため」に、ダンスと関わり続ける未来を選び一歩を踏み出すオズワルドの物語もまた印象的。お父さんの深い愛情を胸に、テオと一緒に幸せに生きていってほしいと思いました。
作者さんご本人のカバー裏コメントにもあったように、「これぞ洋画!」という雰囲気たっぷりの感動作でした。テオドールが所属するコミュニティである宗教集団アーミッシュについては、多少の知識はあったものの詳細は今まで知らなかったため、そういった面でも非常に勉強になりました。
とても評価が高いため購入したものの、
「素晴らしい作品だろうからゆっくりじっくり読める日に読もう」
とずっと本棚に眠らせていた一冊。
やっっと本日手に取ることが出来ました。
今回は、あらすじもレビューも一切読まずに挑むことに。
これは…!!!
評価の高さや、それによる期待感を上回って心に響きました。
とにかく胸がいっぱいです。
まるで上質な映画のよう。
——ラムスプリンガ——
この用語の意味するところを知ったとき、この先訪れるであろう何らかの取捨選択、別離…のようなものが予感され、冒頭から胸がざわつき、終始切なさをもって物語を追いました。
テオを通じて、若き青春時代の、何もかもが楽しく、新鮮で、刺激的だった日々…そんな自身の記憶も呼び起こされました。
切なく美しいながら、物語の世界に惹き込むパワーの強さには圧倒されます。
とにかく感情を揺さぶられる、素晴らしい作品。
作者様が「桜田先輩改造計画」をお描きになっている先生と知り驚きました。
ど…どれだけ創作の振り幅が大きいのかしら!?
今後も追わせていただこうと思います。
作品の評判が良いということで興味をもちました。
名作という評価がされているなら、全く知らないアーミッシュについて本で勉強してから読んだら、より楽しめるだろうと思い、アーミッシュについて研究をした大河原さんの本を読んでました。
さあ、いよいよこの作品を読むぞ!と意気揚々と読みだしたのですが、物語の要であるラムスプリンガについて、何それ?と疑問に。そのまま読み終え、モヤモヤ。内容に集中できなかった。
参考文献として菅原千代志『アーミッシュ もうひとつのアメリカ』(丸善、1997年)をあとがきに挙げていました。著者は写真家の方です。
またWikipediaから見るに、ラムスプリンガについてはDevil's Playgroundというドキュメンタリー映画の影響を受けている感じがしました。
アーミッシュはキリスト教のなかの再洗礼派に属しており、成人洗礼をします。「再」とついてますが、幼児洗礼は行なっていません。
つまり、成人洗礼を受ける前は作中の言葉を使うならずっとラムスプリンガなのです。
教会戒律の違反もある程度容認される。
アーミッシュを辞めると、社会的忌避をされるのは、洗礼後にした者で、それは神との誓いを破ったとされるため。
洗礼前のアーミッシュはコミュニティーを出たあとも家族などとの交流はできる。
ただ、コミュニティーによって教会戒律はある程度異なるため、テオが所属していた教区(もしくは家庭)はかなり厳しいところだったかもしれない。
しかし、多くはアーミッシュを辞める洗礼前のアーミッシュに重い制裁を加えることはないと思われる。
また転出者について、オハイオ州ジョーガ郡だと、1970年代生まれは全体で16パーセントが村を出ているのでそんなに少なくはない(テオがクロエから「近くにもっと大きな世界一の街がある」ということを聞いたという発言から、テオの村はニューヨーク州もしくはその周辺の州ではないかと)。
ラムスプリンガはアーミッシュのなかでどれくらい普及しているものなのでしょうか。そこの説明をもう少しして欲しかったです。
よく知らない集団に対して、センセーショナルなことが大きく取りあげられることがよくあるだけに、しっかりして欲しかった。
この作品からアーミッシュに興味を持ったので勉強する、という順序なら分かりますが普通逆を行きますか?笑
アーミッシュの専門書ではなくこれはBL漫画ですよ。もっと肩の力抜いて楽しめば良いのに。
初読み作家さんです。
前作は表紙見ただけであり得ない!
絵が好きじゃないわって、今作も全く興味持っていなかったのですが、やはり評価の高さに惹かれ遅ればせながら買っちゃいました。
でも、びっくりしましたよ!
昭和感たっぷりの絵柄なんですけど、上手いですね!
感想って人それぞれなので、でもこんなに評価どおりの作品だと思えるのはすごい。
不覚ながら最後は涙が溢れてしまいました。
大昔に少女漫画でよく読んだラブストーリーみたいで、とても懐かしかったです。
ラストの2人の行く末を良くも悪くも想像させるところなど、そうそう!昔のお話の終わり方ってこんな感じ‥。
王道ってホントに真面目に作ってくれるとこんなにも心打たれるものはないのですね。
若い世代の方にはある意味、新鮮な作品かもしれません。
いい作品と出会える事が出来ました。
情報ありがとうございました。
高評価に惹かれて購入しましたが 間違いなく名作でした。
対照的とも思える2人が出会い、のめり込んでいく様が
笑いも交えほのぼのと切なくも激しく描かれています。
素直な故にさまざまなものを吸収していくテオと
その純粋さに癒されるオズ
そして訪れる残酷な分岐
でも多かれ少なかれアーミッシュでなくとも
こういう決断は人生にままあることなのではと思います。
この先の2人にいろんな困難があるとは思いますが
この選択を悔いることなく
寄り添い支え合って共に生きて行ってほしいと思います。
読後の充足感が半端なく いいもの読んだと満足させてもらいました。
繰り返しよんでいます。
出来の良い映画を観たようなそんなきがしました。
もともと桜田先輩が大好きでおっかけていた吾妻さん。
勝手にエロコミカル路線と理解しておりました。そうそう、モブもぶっとんでて面白くて大好き。
しかし!心交社といえばせつなほのぼの系、そこで吾妻さん、え?ほんとに?
と思っていたのはつかの間、こんなすてきなお話も描かれるなんて、と幅の広さに感服です。
そして、アーミッシュを取り上げられた着眼点にも拍手。自分を探すテオと、ブロードウェイを夢見て挫折し今は場末のバーで働くオズの、心の交流がすがすがしい。
テオの実家の風景もとてもよかった。
吾妻作品、ますます今後が楽しみです。
ほんとうに望んでいることを言ってくれ
誰かのためにではなく、自分自身がほんとうにそうしたいと望んでいることを
-もう、これに尽きます
天使のようなテオは
エデンの園で禁じられた木の実を食べたように
すべてを失うのか
愛さえあれば、なんて簡単にはいえない
でも恋のためならためらうことなく捨てることもできる
そんな二人の恋に、もう目が離せない
ジリジリしながら、ときめきながら、心が震えるお話でした
そして作者の美しい絵の中で、瞳がクローズアップされるとき
心をわしづかみにされるような思いがします
必ず読み返したくなります
初めての作家さんだったのですが、ちるちるでの高評価を見て手に取らせていただきました。
読んでいる途中は涙がこぼれそうになる場面が多々。
読み終えた後は『また記憶を消して最初から何も知らない状態で読み直したい』と思えるようなとても素敵な作品でした。
選択をするということはどういう事なのか。
自分の人生観に訴えかけてくるような心震えるストーリー。
作家さんの美麗なイラストも作品の雰囲気にぴったりでこの物語の世界に入りたいと何度も思いました。
生きているうちにこの作品に出会えてよかった。
そう思えるようなとても素敵な作品です。
初めて読んだ作家さんだったのですが、表紙の美麗なタッチから王道ロマンチックストーリーなのかなと想像していました。読後の印象としては確かにある意味王道でロマンチックでもあったのですが、泥臭いというか、人間味溢れるシーンも多々織り交ぜながら進んでいく、綺麗な部分とそうでない部分が絶妙に絡んだ作品だったように思います。
主軸はあらすじにある通り、アーミッシュという独自の規律を守るキリスト教コミュニティに属しているテオが、ラムスプリンガという唯一自由を謳歌できる期間を過ごし、アーミッシュとして一生を終えるのか、コミュニティを捨てこの期間に出会って恋をしたオズと共に外の世界で生きるのか選択することです。ここに、オズが戦死した父親との約束に縛られダンサーとして燻っていること、テオが兄のような存在だったダニーとアーミッシュを抜けない約束をしていたことなどが加わって、簡単には選択ができなくなってしまいます。何でも知っていて、どこか達観していて、悲壮感も漂わせずに酒場のウェイター兼男娼に甘んじているオズは、ダニー達のことを考えてなかなか素直にテオを求めてはくれません。それは優しいからではなく、臆病だから。無知な子供のようなテオが、普段の無邪気さが嘘のように真剣にオズ自身の望みを聞きたいと言葉をかけるシーン、何度も読み返したくなりました。
キャラ設定もとても良かったと思います。攻めのテオが世間知らずでただただ善良なワンコなわけではなく、実は激しい感情も持ち合わせているところだったり、受けのオズも男娼をやっていることを自分の選択だと認めていて、擦れているようでクスリにまでは手を出していないところなどがバランスが取れているなぁと感じました。
アーミッシュのことはキルト、清貧を尊び昔ながらの生活をする…という程度にしか知りませんでした。
そのアーミッシュ、ラムスプリンガというところに着目してBLを描く…
作家さんはすごいところに目をつけられて見事描き切ったなぁと感服します。難しいテーマだったろうに。
まだまだ私たち読者が思いもつかない作品がこれからも生まれ、それを読むことができるかもしれないという可能性を知ることができて、胸の高鳴る思いです。
テオとオズワルドの恋物語も胸を打ったけど、私はテオの従姉妹のクロエの存在が気になるというか胸の中に残り続けています。
ラムスプリンガでマンハッタンの美術学校に通い、世界の広さ、そして自分自身の限りない可能性を知ったクロエ。
だけど、彼女は幼馴染からのプロポーズを受け、それらを躊躇う事なく捨てるできたと語る。
それらを「素晴らしい呪い」と表現するクロエの、後悔はしていないけど少し未練が捨てきれない様子に考えさせられるんです。
長い髪がほどける様子はその押さえ込んでいる気持ちの表れみたい。
「大丈夫 私は幸せなのよ あの人を本当に愛しているから」という言葉はテオに言い聞かせているかのようで、自分自身に言い聞かせているように感じます。
これが「私、全っ然後悔はしてないわ!」みたいにキラキラ語られちゃったら、洗脳というと言い過ぎだけどやっぱり宗教ってすごい…特定の神様を信じていない私とは次元が違う…みたいに、ついてけない感を感じてしまったはず。
だけど、幼い頃から規律が叩き込まれて、幼馴染からの余りある愛情を受けて幸せそのもののように暮らすクロエにすら、選ばなかった方への未練というものが感じられる…。
そこが何とも人間くさくて私自身はホッとしました。
アーミッシュに生きていない私たちにも、両方選ぶということが出来ず、どちらかを選択しなくてはいけない事は幾らでもある。
選んだ結果、選ばなかった方の未練が胸に少し残っていたっていい、だけどクロエのように選んだ方を大切に、前向きに生きることが大切なんだと思えました。
テオの言う「怒ることを許されていない」というのが私はちょっと衝撃で。
感情を抑制する…それは幸せなことなのかなぁって。
それとも怒るような事なんて起きないほど、長閑で平和な、まるで天国のような暮らしなのだろうか。
だからこそ、オズワルドを犯そうとする輩達に拳をあげて「僕は今なら何をしたって許されるんだ」と怒りをあらわにするテオの姿が強烈に印象に残ってます。
同じ作家さんの桜田先輩改造計画は、イケメン扱いの誠一郎が、え?このメガネがイケメン??って感じで、正直言うと絵があまり好みではないなぁと思っていただけに、このラムスプリンガは80年代のアメリカという舞台とタッチがピッタリしててとても良いと思います。
次はどんなものを思いつかれるのか、どんな作品が読めるのか、とても楽しみです。
アーミッシュのテオがラムスプリンガー期に入り
そこで、オズと出会います。
二人の近づき方は心が温まりました
そして、オズの生い立ちが痛ましい
ベトナム戦争で、父は湿地で戦死
帰ってきたのは安いライターのみ…
しかし、心底心うたれたのは
アーミッシュの
クロエの
「ねえ、テオドール恋って素晴らしいの
素晴らしい呪いなの」
この地で縛りつけられて
夢がかなわなかったことへの嘆息か
それとも
結局は愛するコニュニティの中で
幸せに暮らせることがよかったのか
いろいろ邪推してしまいます
ハッピーエンドです
テオとオズは気持ちよくくっつきました❤
多くのレビュワーの方が書かれているように、まるで1本の映画を見終えたような感慨深さです。
アーミッシュ自体は知っていたのですが、「ラムスプリンガ」という慣習やその後は知りませんでした。
なんて悲しいなんて切ない選択肢なんだと胸が痛くなりました。
そこまでしなくてとも。。と思わずには入られませんでしたが、文化や暮らしを守るというのはそういうことなのでしょうか。
思わずアーミッシュについて調べてしまいました。
自分の我儘やエゴで好きな相手に全てを捨てさせることなんて出来ないと一度は想いを振り切るのに、それでもやっぱり一緒にいたいと伝えた受けの言葉。
「俺と生きてくれないか」という一言を口にするのに、どれだけの葛藤や覚悟が込められているのかと思うと思わず涙がジワリ。
人は常に何かを選んで、同時に何かを捨てて生きている。
それでも前を向いて自分の思い描いた未来に少しでも近づけるよう足掻いていくことが生きることなんだと思います。
BL作品の萌えというより、人間の生き方を考えさせられるような作品でした。
読み終わった後の、言葉にできない感情がすごいです。
満足感とせつなさと嬉しさと…涙を流したくなるほど綺麗な物語でした。
この気持ちをどこかに伝えたくて、ちるちるで初レビューまで書いてしまいました。
多くの人に、ぜひ読んでいただきたい作品です。
久々に読み終えてから、ジーン…と余韻が残るBLを読みました。
ゆっくりと心に染み渡るような、素敵な余韻です。
この2人の続きが見たいような、ここで終わって欲しいような不思議な感覚。
初めて読む作家さんでしたが、絵のタッチが
80年代アメリカの時代設定に合っており凄く雰囲気がありました。
他のレビューでも書かれている通り、まるで映画のような雰囲気です。
(個人的には『ショー●ンクの空に』を観終えたような感覚でした)
アーミッシュについては海外ドラマで知った程度の知識でしたが、文化もしっかり描かれていて勉強になりました。
ほのぼのとした日常からシリアス、ベッドシーンなど全部入っており、かなり満足できます!
特にベッドシーンの色気と雄っぽさが凄かったです…:(´ཀ`):
2人の思いが通じあった後の日常シーンでは
幸せすぎてニヤニヤが止まりませんでした(笑)
ストーリー重視の方もエロ重視の方も満足できる一冊だと思います。
何度も読み返す大切な一冊になりました。
吾妻先生の作品は初めて手に取りました。
表紙の装丁をTwitterで見かけた時からあまりに美しくて気になっていたのですがようやく読むことができました・・・!かなりの分厚さでとてもアツく、そして泣けます。
アメリカといえど、あまり日本人の私には馴染みのないローカルルール、「ラムスプリンガ」。初めて知りました。これまでの経験からもその中で揺れ動くテオ。全私が大好きな年下ワンコ攻めです。
一方オズは、夢破れた元ダンサー。そして現在はウェイターと男娼の掛け持ちって、腐女子心をくすぐられないわけがない(笑)
また、個人的な話ですが以前バレエを習っていたので、つま先の伸びたバレエシューズや、アチチュードのポーズに惚れ惚れ。また客の1人が彼に放ったバレリーナというのは女性に使う言葉ですが、皮肉の意味で使われたものかな?
シガーキスや濡れ場はもちろん、喧嘩や日常会話の場面にまで何だか色気を感じました。
そして女性キャラ、クロエの「恋って素晴らしいの 素晴らしい・・・ 素晴らしい呪いなのよ」という台詞にも思わず泣かされました。矛盾しているようで実は物事の核心を突くものであり、とても素敵な言葉でしたね....
1人の人間が人生の岐路に立たされた時、どうしても取捨選択を迫られます。それが大切なものであっても両方選ぶということはなかなかできない。むしろ、全て捨てなければならない事もある。それでも、テオはオズを、オズはテオを選んだ。使い古された表現しか出てきませんが、それは運命だったんだ と思えました( ; ; )
この事をいつか後悔するかもしれない、逃げ出したくなるかもしれない。そんなことは考えずに生きるって、なかなか難しいこと。ですがこれからは2人なりに愛をもっと深めてほしいなと思います。カバー裏のイラストや特典のペーパーも大変楽しめる内容でした♡
綺麗で、読み応えのある一冊でした。
画力もキャラクターもお話もしっかりしていて、読み終わった後にもう一度初めから読んでしまう。そんなお話。
テオの純真さ、オズワルドの心の強さ(弱さ)に心打たれて涙が出てきます。
アーミッシュやラムスプリンガ等、親しみの無い設定だったのですがなるほどなるほどと思いながら楽しめました。不思議な文化です。
純粋で、外の世界を知らないテオが
「抱かせてくれ」とオズワルドの腕を引っ張ってベッドになだれ込むまでの流れが最高です。それとカラーページの煙草吸っているテオがめちゃくちゃイケメン…。これがギャップ萌えか……!!
かっこいいと思ったら、オズワルドにキスをせがんで泣く姿がかわいくて、ふり幅が激しいのも面白いw
レイプされそうになったオズワルドを助けに入るシーンが本当にぐっときます。(アーミッシュは殴ったり、やり返してはいけない決まりがある?らしいのに)
オズワルドはオズワルドで、強気な姿勢の裏でいろいろ苦悩します。
ダンサーになる夢破れ、飲み屋で男娼をしている現実や、アーミッシュのことを聞きテオを諦めるよう兄から言われたときの苦悩。
全てが苦しい……。
それ故、ラストの幸せ溢れるハッピーエンドでは涙が出そうになります。いろんなことから、ようやく救われたなあ…。
これからのふたりの幸せを願いつつ、もう一度最初から何度も何度も読みたくなる素晴らしい本でした。
※男娼なのでモブ×オズワルドの描写が多々あります。が、そこも萌えるので好きです。それがあってこそ最後結ばれた描写が生きる!!
カバー裏の笑顔の二人も可愛いので、是非見てほしいです^^
アーミッシュでラムスプリンガのテオは、初めての外の世界で元ダンサーで男娼のオズに出逢う。
初めての恋で、同性にも関わらず、テオは迷わず、オズを選ぶ。
しかし、ラムスプリンガが終わる時、アーミッシュか、外の世界かを選択し、外の世界を選んだ場合は故郷、家族、友人全てを失うと知り、家族を失っているオズはテオから離れることを選ぶ。
月面着陸や、ベトナム戦争などの時代背景がオズの人格形成に影響を与え、アーミッシュというコミュニティのラムスプリンガという慣習が2人の恋を翻弄する。
人生の岐路に立たされた時、何を選び、何を捨てるか。
主人公の2人と、テオの従姉妹のクロエが見せる覚悟に胸を打たれる。
本当に綺麗なお話でした……。
Twitterでちらっと見かけて、その後pixivコミックでもう一度見かけて。
どんなお話かな~と、試し読みしてみたら、ものすごく絵柄が好みで。
でも、この時点では、まだ、絵柄だけだったんです。
それで、今日(2018/04/30)たまたま本屋へ行く用事があったので、何も考えず買ってしまったのですが、家へ帰ってよんでみると、もう涙が止まりませんでした。
BLに限らず、どんなお話でも結構満足のハードルは高めなのですが、このラムスプリンガの情景は大満足。何度でも読み返したい作品です。
吾妻香夜さんをこれまで知らなかったのですが、自分が20年くらい前にアーミッシュの村を訪れたことを思い出し、興味がわいて本作品を手にとりました。
アーミッシュの村の様子が細かいところまで丁寧に描かれていて、驚きました。私自身、短い滞在時間で一軒のお宅にお邪魔しただけだったのですが、キッチンや家の中の様子が作品中のものとそっくりでした。キッチンはリビングダイニングと一緒になった広い作りで、家具も物も少なかったのがとても印象的でした。納屋を村人総出で建てる場面が描かれていましたが、家も同じように皆で集まって建てるそうです。緩やかな起伏の田園風景も美しく描かれていて、すごいと思いました。
ストーリーの感想を。
BLではあるけれど、人生の岐路に立たされた二人の若者の決断の物語だと思いました。
ラムスプリンガがこんなに厳しいものとは知りませんでした。村のご婦人は、「ほとんどの若者はアーミッシュとして生きることを選ぶ」と淡々と話されていましたが、まさか俗世を選ぶと永久追放になるとは。信仰と伝統に従って生きることを選んだ者たちの心を揺らしてはいけないからなのでしょうね。
後戻りのできない一本道だからこそ、テオの決断に強く胸を打たれました。アーミッシュでは責任をもって自分の人生を選ぶことが大人の始まりなのですね。日本の成人式となんと違うことか。
オズがテオに恋や俗世に生きる手ほどきをし、目覚ましく成長したテオが今度はオズの背中を押す。二人の出会いは必然だったのだなあと思いました。
星空の下、自分はダメなんだと泣くオズをテオが抱きしめ愛を告げるシーン。これまでテオをリードしてきたオズが年下に見えるほど、テオが頼もしく見えます。愛する人に包まれる幸せがひしひしと伝わってくるこのシーンが私は一番好きです。
ラムスプリンガを経験した一人一人の中にそれぞれの情景があるのでしょうね。
テオの従妹・クロエはアーミッシュを選びましたが、その胸の中には自分の可能性を試せたであろう世界への未練が微かにあるように感じました。それでも自分は幸せなのだと言う彼女のたたずまいから、どんな決断をしても後悔するときはあり、それでも前を向いて生きていくという決意が静かに伝わってきます。それがこの作品の大きなメッセージではないかと思いました。
テオも飛んで行った麦わら帽子を拾うために立ち止まったりはしませんでした。彼もまた前だけを見て生きていくことを決めているのでしょう。何度読んでも涙が溢れます。
オズとテオがこれからどんな風に生きて変わっていくのか。先を見たいような見たくないような。今は想像の中にとどめておいたほうがいいような気がします。
最後に作画の感想を。
オズの程よく筋肉のついた肉体(特に肩の筋肉)が本当にきれいで、肌の滑らかさを感じさせる描線に思わず見入ってしまいました。襟足も色っぽくてため息がでます。人物たちのアップの目元(特にまつげ)もハッとするほど美しくて。
この作品に出会えて、本当によかったと思いました。
「ラムスプリンガ」って言葉を知ってる人はわずかだと思います。
その意味、それが何を人にもたらすのかは、作者さんが紡いだ物語から感じてください。
あらすじもレビューも読まずに、まずは作品を読んでください。
作者の振り幅がすごいと話題の本作、それはeBookJapanで『モブ山A治とモブ谷C郎の華麗なる日常への挑戦』の試読みを1クリックするだけでわかります。表紙と口絵の違い、ストーリーもその印象そのままにまったく違います!
でも、作風の振り幅とこの作品の価値は別物です。
興味の入口はなんでもいい、読めばこの作品のすごさがわかるはずだから。
驚きも、感動も、圧倒も、怒りも、悲しみも、喜びも、事前情報からでなく、作品から感じ取ってください。
私はあらすじも知らずに読んだので、作者さんが意図する流れでこの物語を受取ることができました。その読み方、オススメです!
なので、このレビューは私の気持ちの捌け口です。
本作を読んでから「人の幸せってなんだろう?」とボンヤリ考えます。
文明に頼らず、親族と力を合わせて、自然のなかで穏やかに暮らす、そんな暮らしに憧れもあります。
でも文明の便利さと、現代社会のストレスを天秤にかけたうえで、それをしないのは私自身の”選択”であり、その”選択”ができるのは教育と自由を与えてもらえたから。
子供が親の信仰そのままに、他の宗教を批判しているのを見ると、思考の強制と選択の自由を与えないのは暴力に感じます。
そして本作の舞台は自給自足的宗教団体。
怒りと娯楽を否定して、自然のなかで暮らしていく。
村で純粋に育ったテオドールは、戒律を破ってもいい猶予期間「ラムスプリンガ」に入り、男娼のオズワルドと出会う。
テオには外の世界のすべてが新鮮で、まるで子供のようにはしゃいでいて、それに呆れながらもオズは見守り、エッチなことを知って爆発してしまうとことか、途中まではただ楽しく読めてました。
でも、猶予には終わりがあるわけで…
物語が中盤を過ぎると、こんなに違う二人がこのまま一緒にいることができるのか?その先に待ってるだろう何かが怖くてしかたがなかった。
そして予想していた以上の、ALL or NOTHING…
中世ならともかく、現代社会(※作品の舞台は1980年代)で閉鎖を貫くには、外社会との遮断が必要なのはわかります。
でも大人になる前に、戒律を破っても何をしても良い猶予期間「ラムスプリンガ」を与え、その後で、信仰か自由かを選択させる。
自由を選んだら、信仰と家族と故郷それまでの全てを捨てることになる…
テオの幼馴染ダニ―の婚約者・クロエの言葉が印象に残ってます。
「ラムスプリンガ」に入ったクロエは自分にも可能性があると思えたのに、ダニーと一緒の未来を選んで、その可能性を捨てることができた。
それを「素晴らしい呪い」と表現するクロエ…
それは本当に幸せなのかな?なんだか物悲しさも感じます。
閉鎖的な村で何も知らずに生きてきたのに、いきなり酒もドラッグもOKになったらどうなるか…
「ラムスプリンガ」で快楽に溺れて人生をダメにする者も多く、疲弊した者には約束された幸せが魅力的に見えるんだと思う。それを選ばせる、閉鎖的な村で生きていく覚悟を決めさせる。
強制されたのではなく、自分で”選択”した結果だと、物理的にも心理的にも縛ることができる、うまいシステムだなと思いました。
まさに「素晴らしい呪い」…
純粋で家族や友人に愛されていたテオ、テオにとっても故郷の人々はとても大事な存在のはずなのに…
テオは”選択”で犠牲を払うことになってもオズと一緒に生きていくことを決める。
決意の瞳は力強く大人びていて、最初の頃のテオとは別人のようです。
テオは純粋で何も知らなかったけど、短期間のうちに、自分で考えて、選べる強さを身に付けて頼もしく見えます。
でもオズはテオの犠牲を知ると、自分自身が死に別れた両親と二度と会えない辛さを知っているから、テオに自分と一緒に居ることを選ばせることができない…
最終的に二人が選んだ結末は映画のようにドラマティックです。
最後1ページは映画のラストシーンみたいです。
幼馴染のダニーがテオをどんなに大事に思っているかに胸が締めつけられました。
ただAIDS発見が1983年、この後、ゲイはAIDSのような奇病をもたらした元凶としてホモフォビアに迫害され、ゲイにとっては生きにくい時代がやってきます…
二人の未来は困難のほうが多いと思う。
でも、ここまで強くなったテオなら、オズと手を取り合って生きていってくれると信じてます。
モデルにした宗教団体のことは詳しく知らないけれど、大事に思い合ってる家族や友人が二度と会うことを許されないってどうなんだろうね。
宗教は人々に心の平安を与え、幸せを導くものであってほしいと思うのですが…
テオとオズの二人の物語に感動しつつ、いろいろ考えさせられてしまうお話でした。
初読み作家さん。
アーミッシュ海外ドラマ等で時々出てくるので、そこで見知った位の知識です。
外と内からの認識の違いに考えさせられました。
テオが本当に可愛い。
純真無垢で世間ずれしてなくて、ホント天使。
結構ハードなシーンもあるけど、テオに癒されます。
オズの気持ちが痛いほどわかりました。
王道ラブストーリーだけど、キャラや背景がしっかりしてるので読み応えがあり楽しめました。
ニューヨークでの彼らの生活も覗いてみたいです。
戒律なのでしょうがないのかもだけど、テオが村に一生戻れないのはかなり辛いし寂しいなーと。
まっ、実際はアーミッシュにも色々あるようですが。
書店・とらのあな限定ペーパーは可愛い4コマでした~!
ちるちるさんであまりに高評価のこの作品。気になって購入してみました。
映画のよう。
読後の感想はまずそれでした。
アーミッシュというちょっとセンシティブな題材をテーマに、起承転結がはっきりしていて、キャラの個性が際立っている。ゆえに非常にドラマティックで読みやすく、感情移入しやすい。
アーミッシュで、純真無垢に育ってきたテオ。
ダンサーの夢破れ、男娼まがいな生活を送るオズ。
全く正反対な二人が出会い、そして恋をして。
まっさらさんだったテオがオズに傾倒する気持ちも、落ちぶれた生活を送るからこそ天使のような、家族の愛に満ち溢れたテオに惹かれていったオズの気持ちも、どちらもよくわかる。あえて辛らつな言葉で表現するならば「隣の芝は青く見える」状態ではなかったか。
が、そこから彼らが、相手を愛するようになる過程が非常に良かった。
家族。
自分の夢。
彼らが今存在している環境。
そういった複雑な状況を細やかに表現しながら、ともに成長し愛を知った彼らの感情の機微が、そしてお互いがお互いを想う、その愛情の深さが、繊細な描写で綴られている。この細やかな心理描写が、この作品の最大の魅力だと感じました。
テーマがドラマティックなだけに、こういった表現がなければ薄っぺらい作品になりかねない。
そして、純真でまっさらだったテオが、終盤に見せる男の顔がとてもかっこよく素敵でした。
画力は非常に高い作家さんだと思いますが、絵柄はちょっとレトロ、というのか。好みが分かれそうな絵柄で、正直表紙を見たときに買おうとは思えなかった(いや、ごめんなさい)。
が、この絵柄が、このちょっと特殊な設定のストーリーに非常にあっていたように思います。
ふらりと立ち寄った本屋にて、ビビットでどこかレトロな素敵な表紙を見かけ検索して知ったのが本作。そこから単行本になるまで、今か今かと待ちわびていました。
個人的に身近にキリスト教徒の知り合いがおり、また宗教的な興味もありまして、アーミッシュのラムシュプリンガ期の知識は元々あったのですが、まさかこの題材がBL作品で読めるとは…!と改めてこのジャンルの懐の深さをしみじみと感じました…笑
内容についてですが、宗教的知識がなくともアーミッシュがどのようなものかというのをとてもわかりやすく描いていると思います。閉鎖感を感じさせず、しかしアーミッシュ文化のここ!という所は的確に押さえているので格好の入門書にもなり得るのではないでしょうか?(気になる方は現代のアーミッシュを追ったドキュメンタリーもありますので是非)
さらに80年代の文化も加わり、レトロで美しい絵柄とも相まってとてもまとまった印象があります。舞台が現代でないことも、アーミッシュと少し昔のアメリカの文化とが上手に比較され、他の方も仰っておられるように一本の映画を見終わったような読後感があります。
映画に関連して、以下少々ネタバレ
ラスト、二人が村を去る場面を映画『卒業』に例えるシーンがあります。映画史に残る余りにも有名なシーンです。『卒業』のラストはやっとの思いで逃げ切った花嫁と彼女を奪った男性がバスに乗り込みますが、たくさんの乗客から白い目を向けられるという所で終わります。これからの彼らの未来が明るいものだけではないということの暗示になっています。
『卒業』をここで持ってくることの意味を考えると彼らの前途も多難に満ちているということを吾妻先生は言いたかったのではないかと思います。生きてきた文化がまるで違ううえに、同性愛者としてこれから生きていく二人にはきっとたくさんの試練が待ち受けている筈です。ただただハッピーエンドではない、そうした現実感がこの作品にはあります。
アーミッシュの人々は自分たちが過ごすコミュニティ以外の場所をデビルズプレイグラウンドと呼びます。悪魔が住まう悦楽の園で愛を見つけた二人が、どんな困難が待ち受けていようとも、それらに負けることなく二人で幸せに生きていく姿を願わずにはいられません…!がんばれ…!
内容、絵柄ともに文句なしの神評価です!(長くなってしまった…)
吾妻香夜さんの「桜田先輩改造計画」を読んで、こちらの作品にも興味を持ちました。電子書籍で探したところ、いつも使用しているサイトになかったので、フラッと近所の本屋に行ったらありました。
もう素晴らしい。何度でも泣ける。心に湧き上がるこの気持ちは、この本を読まないと生まれないものでした。読了後、何度も何度もページをめくりお気に入りのシーンを読み込んでしまう。
まるで文学作品のように美しい愛の物語でした。
繊細な人の感情を描写するのが非常にうまいです。
本当に買って良かった。この作品に出会えてよかった。
読むか迷っている方は今すぐにでも読んで欲しいです。
一冊読み終えた後のなんとも言えない幸福感というか満たされた感じを味わっていただきたいです。
私は号泣しました。何回も読み返しましたが何度でも泣けました。
切なさ残る終わり方でしたがテオとオズらしい。この先も2人の人生はずっと続いて行くんだなと思うとこちらまで幸せになれます。
この作品に出会えて本当に良かったです。
まず、この作品に出会えたきっかけとなった、ちるちるさん、ありがとうございます。
そして作者様、本当に素晴らしい作品を世に発表してくださりありがとうございます。
本当に本当に素敵な作品で、初めてレビューを書こう!!!と思えた作品でした。
ひとりでも多くの方に読んでいただきたいです。
読み終わるのが本当に本当に寂しかったです。
お話はもちろん、セリフからキャラクターそれぞれの表情や細かな描写、そして画力が素晴らしいです。大好きなシーンがいくつもあります。また、小さなコマのバイクまで完璧に描かれていて、感心していました。
言葉では表現できません。本当に出会えてよかったです。
ただただ素晴らしいです。同性愛に限らず人生をこんなにも変えてくれる愛する人との出会いのお話です。変わることで捨てなければいけないものもあり、ただその先に幸福が待っているとは言い切れませんが、そのなにを変えても信じられる愛の繋がりです。感動しっぱなしでした。ぜひたくさんの方に読んでいただきたいです。
とても読み応えのある作品だった。
80年代のアメリカという、身近でない舞台での話だったが、十分に話に入り込めた。それは登場人物それぞれの立場からのそれぞれの想いが丁寧に描写されていたからだと思う。
受けのテオが外の街に出て、純粋なワンコから成長して純粋さは失われないけど大人になっていく様子、テオに出会って変わっていく攻めのオズの心理描写がしっかりされていてとてもよかった。
作者のコメント通り最終的にはハッピーエンドだけど、それだけではない彼らの先の見えないこれからだtpか、残してきた家族のことだとか、手放しには喜べないような終わり方だった。それが妙にリアルでもあり、この作品の魅力でもある。
読み終わった後の、素晴らしい作品に出会えたという余韻に浸る時間までもが最高に快感でした!
本当に素晴らしかったです!
なんとしても是非読んで頂きたい作品だと感じています。
文句なしに設定から話からキャラから絵から演出から全てが最高だと思います。
決してハッピーなだけな設定でも世界観でもないのに、それでも確かに強い愛を育んでいく幸せな二人を見ているとなんとも言えない幸せな感情に包まれます。
しかし、幸せなことだけを考えて生きていけないという現実を突きつけられるのもまた心が揺さぶられてこちらまでもが熱いです。その中での見え隠れする人間のリアルな様々な感情の描き方が最高で読んでいて本当に快感です…
最初から最後まで心動かされる文句なしの素晴らしい作品だと思います。
少しでも気になっている方!迷っているあなた!
是非手にとって頂きたい!!
読んで欲しい!!
本当に素晴らしい作品だから多くの方々に読んで欲しい!!!!
帯から最後までずっとドラマチック。
そして物語に負けない位、絵も隅々まで丁寧に綺麗に仕上がっていています。
話の鍵となる特殊な文化や風習もさらりと話に溶け込んでいて、堅苦しさは全くありません。
えっちなシーンですが、勿論ちゃんとありますよ!
読んだ方は分かると思いますが、二人での初めてのムフフの流れが本当にエロくて可愛くて…はぁ最高…
吾妻先生の前作が好きだったので、あらすじなどあまり気にせず買ったのですが、本当に買って良かった。
他の方も仰っていますが、読み終えたあと胸がいっぱいになります。
個人的に攻のテオが可愛くて大好き。
もっと二人を見続けていたいですね。
あー早く続きが読みたいなー!!!
なんだこれ…衝撃で眠れそうにないです…前作も素晴らしかったですが今作も神でした。
吾妻先生は本当にキャラの表情や仕草、心情の表現が神です。絵も素晴らしいし、展開や台詞運びもとても好きです。
牧歌的な雰囲気かと思いきや、ドライブインシアターからのシーンはえっちすぎて(でも全然わざとらしいいやらしさがないからすごい)もーーーー何回読み返したからわからない(笑)
ラストのシーンで泣き虫なテオが泣かなかったことがわたしの涙腺を破壊しました。
迷ってる方がいるなら絶対に買って後悔しません。
ついでに前作も未読の方は本当にオススメなので合わせてお楽しみいただきたいです(笑)
本当に映画を見ているような世界観に、冒頭から終わりまで引き込まれっぱなしでした。
う~~~ん、桜田先輩シリーズを読んだ時も思いましたが、やっぱり上手いです。
物語とか話の運び方とか、「はぇ~」と口から溜め息が漏れるくらい。
多分マンガを物凄く描き慣れている人だこれ…
マンガを描く為に生まれて来た人だ(!)…
というのがヒシヒシと伝わって来ます。
そして絵がキレイ。どのページを開いてもキレイ。
逆にどうしてこんなにキレイなんだ!?と思えるくらいキレイ。
私こういう絵柄ダイスキです。笑
分厚い単行本でしたが、あっという間だったなぁ~。
終わりに近づくにつれて、あぁ~嫌だ~っっまだ終わらないでくれ~っ!とジタバタしました。でもとても良い終わり方。
二人のその後が気になる所ですが、…うん、脳裏に思い描けます。NYのどこかで慎ましく幸せに暮らしているテオとオズの姿。
きっと何年経ってもカバー裏のイラストの二人なんでしょうね。
はぁ~しかし普段甘えん坊の大型犬のくせにいざと言う時は底無しの包容力で心も体もすっぽり包み込んでくれる攻めって良いなホント、と改めて実感。
テオの見た目からしてゴールデンレトリバーって感じで最高です。笑
オズも擦れて斜に構えてるけど根は優しい男前。テオとエッチしてから他の客と寝なくなったって所もイイ。
オズなりに頑張って生きてきたから、これからテオの愛情に一杯包まれて幸せになってほしいな。
この二人が出逢えて良かったなあぁぁ。
私は基本的にBLは黒髪短髪受けにしか食指が動かない…という少しだけ特殊な読み手なのですが、吾妻先生の作品ならそういうの関係無く読みたいです。
「吾妻先生の創る物語が好きだ」と気付かされる、とても素敵な作品でした。
あらすじを何かで見かけて「え!?アーミッシュ!?」と食いついて初回だけ雑誌で買いました。
これは好みだと思いつつも、雑誌を買う習慣がないので気づいたらコミックス発売。
しかも、この分厚さ!!
好きなネタにじっくり読ませるお話。
もう最高です!
何を書いてもネタバレになりそうなので、アーミッシュというネタが好きな方には全力でオススメです。
BLでは初めて見ました。
作者さんがおっしゃっていた通り、地味にじわじわくる単館系映画のようなお話でした。
ただ「誰も観ない」ではなくて、口コミで広まっていく系統の良作です。
二人の未来には光だけではないと思いますが、幸あれと願うばかりです。
心に沁みる感動作でした。ちょっぴりほろ苦さがありますが、それもまた、作品を彩る素敵な要素に感じられます。泣けました。
これは口コミでジワジワくる、地味ながら名作の映画系な作品になりそうな予感がします!
実は前作がですね、ハイテンションギャグあり、ダーク系あり、ほのぼの切ない系ありの短編集で、その作風の広さに驚いたものですが、今回もやってくれました。
(良い意味で)作者さんの頭の中がどうなってるのか気になります。
インタビューにもあった通り、ホント振り幅が大きいな!!
内容です。
舞台は80年代アメリカ-。
ブロードウェイの夢破れ、田舎のバーでウェイター兼男娼として働くオズ。
ラムスプリンガ期のアーミッシュの青年・テオを自分の「客」と勘違いして「仕事」をしようとします。
誤解が解けた後も頼りないテオを放っておけず、ついつい面倒を見てしまうオズ。
次第に二人は惹かれ合いますが、共に生きる為にテオは重大な決断をしなくてはならずー・・・。
まず、物語のキモとなるのが「家族」です。
ダンサー崩れのオズ然り、アーミッシュであるテオ然り。
こちら、偶然出会った二人が互いに惹かれ合い、共に生きる事を決断するという、実にスタンダードなお話なのです。
そこに、テオのアーミッシュである家族の問題や、オズの戦死した父親という家族の問題を絡ませた事で、凄く深い作品に仕上がってると感じます。
これがかなり切なくてですね、ベタなのですが住む世界の違いってやつになるんですね。
自分の家族を捨てて、また相手に家族を捨てさせて、共に行く事が出来るか-・・・。
互いを思うが故の決断が、それぞれ泣かせてくれるのです。
あと、平行して語られるのがオズのニューヨークでの辛い過去。これは痛い!
皆、一人一人、抱えてるものがあるんですよね(´;ω;`)
この後、二人がどんな道を選ぶのかは実際に読んでいただきたいので伏せます。
が、一つ言えることは、めちゃくちゃ感動しました。
作中でオズが言われたように、人生に一度くらいデカいワガママを言ってもいいと私も思うんですよ。たとえ周りを傷付け悲しませても、それでも譲れない気持ちってあってもいい!!
と、心が震えました。
まぁそんな感じで、中盤以降は切なさに身悶えする事になりますが、前半はなんともほのぼのキュンモード。
ちょっぴり世間にスレた感じのオズと、まさに純粋培養で世間知らずなテオ。二人でラムスプリンガ(自由期間)を過ごす過程が、丁寧かつ魅力的に描かれ、互いに惹かれ合って行くのがすごく自然に感じられます。
また、テオのワンコ丸出しの言動と、クールなふりをしながら実は世話焼きなオズという図式にも萌えます。可愛いな、この二人!!
ラストがですね、まるで映画のワンシーンのようで、とても余韻が残るものです。テオのセリフに涙が出そうになる・・・。ハッピーエンドなんですけどね。
また、凄く無邪気だったテオが、こんな表情をするようになったんだなぁと、ちょっぴり心が痛む。うん、でも二人は間違ってないよ。
それと、私はマンガのレビューがすごく下手くそでして!!
いや、小説のだって下手くそですが・・・。
そんなワケで、この作品の良さを全然伝えられてない気がするのですよ。ホント、とても素敵な作品なのです。
気になった方は、ぜひ読んでみて下さい。