おねがいヒーロー涙をみせて

onegai hero namida wo misete

おねがいヒーロー涙をみせて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神69
  • 萌×229
  • 萌12
  • 中立3
  • しゅみじゃない3

44

レビュー数
23
得点
500
評価数
116
平均
4.4 / 5
神率
59.5%
著者
早寝電灯 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784834265484

あらすじ

シノとユキは幼馴染でありながら、顔を合わせると些細な言い合いをする仲。
大学進学を機に会うこともなくなる──と思っていたのに、親の提案でルームシェアをすることに。
ふたりきりの同居生活が始まるが、喧嘩相手だったシノにどう接するべきかわからず、複雑な感情を抱くユキ。
少しずつ関係性が変わっていく中、ユキはシノから「俺のこと意識してよ」と言われ……?
そしてユキが抱える、誰にも言えなかった過去の出来事とは──。
イケメンで一途な幼馴染×生物学科の苦学生、腐れ縁の幼馴染ふたりが新しい関係を模索する同居ラブストーリー。

表題作おねがいヒーロー涙をみせて

高里志乃也、大学生
鹿角雪次、大学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし

レビュー投稿数23

また清らかになってしまった

早寝電灯先生
「52ヘルツの共振」でもう、泣いて泣いて大変だったので
KIAI入れて拝読せんといかん。と、KIAI入れすぎてちょっと出遅レビュー。

今回気づいたのですが、見開きのコマの流れがとにかく美しいですね。
その間の登場人物たちの表情の美しさは言わずもがな。
本作品も振り切った清らかさでした…。

ネタバレしちゃうともったいないので、
あまり内容に触れずオススメしたいな~。
(してないつもりなんですが、してたらごめんなさい…!)

幼馴染拗らせ、両片思い(片方後から気づく系)
性的な描写は品が良くストーリーを邪魔しない感じ。
肉体は非常に美しいです。

みなさまご存知かと思いますが、
早寝先生の作品は極極繊細なので、土足厳禁です。
心情を少しづつすくって、拾い上げて、
落としこんでいく読み方を、オススメしたいです…。

なんなら1話からすれ違う想いにギュンッ!となります。
(以降ギュンッ!が倍増していく感じギュンギュンッ!!!)

脆さを必死で隠しながら生きているユキ。
その脆さを理解して愛し続けているシノ。

ほんと、幼い2人が出会って、いろんなことがありながらも
ずーっとシノがユキを好きでいてくれてよかった…。
ユキもシノの想いを(自分の気持ちも)
ちゃんと受け止められてよかった…。
ラスト、涙で全てほどけて浄化された感じ、最高でした(無論号泣)

描き下ろしの、ユキがシノのベッドで寝ているところ。
かわいすぎて相当萌えました…ッ笑
本編はあまり思考ゼロのイチャはないので、
描き下ろしのイチャ感、とてもありがたかったです…。

は~。表情だけで泣かされちゃうシーンが多くて、大変でした!笑
ワタシはすごくこの2人の世界を楽しませて頂きました。
またまたまたの神作品をありがとうございました…!!!

0

ハッピーエンドのその先がまだまだ読みたくなる作品

幼馴染だけど仲良しなわけではなく、会うたびに小競り合いを繰り返す関係の2人。
高校も一緒で、大学生になっても一緒で、さらに親の提案でルームシェアをすることになります。
幼馴染の2人がルームシェア、という設定にまず萌えます。

ルームシェアを始めるときに、もうこういう関係やめねえ?と提案する高里志乃也(攻)
幼いときの経験、記憶から、高里志乃也にはヒーロー的な存在であり続けたい、鹿角雪次(受)はその提案を拒否します。
それぞれ思惑が違うことがうかがえるやりとりが数ページ続くのに萌えます。

第三者に尋ねられたときに、お互いのことを説明する表現がいちいち違うのも、萌える点でした。

お互いにアプローチしあって歩み寄って恋が高まり深まっていくのではなくて、お互いに同じ家にいつつ、違う生活をしていくなかで、相手への感情がゆっくりゆっくり高まっていく感じが、きれいで素敵でした。

がんばって一歩踏み出した志乃也が、雪次に、俺のこと意識して、お願い、と手を取って頬に触れさせて言うところは、ようやく言えた、がんばって言ったね、と拍手したい気持ちになりました。

雪次が自分の気持ちと志乃也の気持ちに向き合って考えて、理解するのにかなり時間がかかるのも、高校時代に本人はたいしたことなかったと言い聞かせているけれどひどい体験をしていたのも、それらを経ての告白をするのも、静かに、しかし強く高まっていく感じがしてとてもとても素敵でした。

2人のその後の生活もまだまだ見たいので続編を待望します。

1

ユキの笑顔を守りたい

シノとユキ、適度な距離のある幼馴染みだったけど、気付くと同じ大学に合格していて、同居をすることになって。

特別仲がいいというわけではないけど、ずっとお互いのことを気にしていた。でもそれだけではなく、実はお互いに好きだったのですね…!
特にシノは滅茶苦茶こじらせてるようで可愛かった!
ユキもシノのことが好きだったけど、シノが勇気を出して告白してくれたお陰で自分の気持ちに正直になることができたのでしょうね。

ユキがずっと自分の胸に仕舞い込んでいた事をシノにだけ打ち明けて、そのことに対してシノが怒って泣いてくれたことでユキは本当に救われたと思います。

ユキが寮の抽選に落ちて、シノと同居することになって本当に良かった…!

ユキの心許した人だけに見せるくしゃっとした笑顔がちょっと幼くなって凄く可愛かったです!!

3

幼馴染の初心で綺麗なラブストーリー

好きな作家様。「52ヘルツの共振」「See you later,Mermaid」が特に好きです。
本作も試し読みが面白かったので読んでみました。

十年来のくされ縁の幼馴染、シノとユキ。現在はそこまで親しいわけでもない二人が、同じ大学に進み同居することとなり…というお話。

キャラデザは攻めのシノが好きなお顔です。ユキよりちょっと男らしくてかっこいい。少し体格差あるのもいいです。
ユキは三白眼気味のお顔ですが、たまにニコってしたり、目を伏せて照れたりして、可愛い表情を見せてくれます。

先生の作品は、心情を少し遠回しに表現するモノローグが多いのが特徴かなと思っていて、本作でもそれを感じました。
そこがちょっと難しいな、と感じつつ、それを読み解いていくところに、面白さを感じます。

中盤で片方の想いがはっきり語られます。「ふ〜ん、やっぱりそうなんだ、うふふ」とニヨニヨしてしまいました。ウブな恋が可愛いな。

ユキやシノがニコって笑う顔とか、シノがユキに向ける真摯な眼差しとか、ユキのちょっと照れたような顔とか…本作では、二人の表情が魅力的だな〜って感じる場面がたくさんありました。
特に「意識してよ」と言う時の表情(どちらかは伏せますが)、とっても可愛くてキューーン!てなりました♡

後半、ユキがある告白をするシーン。
シノの涙に、読んでいるこちらも胸が締め付けられて泣けてしまった。好きな人の辛い時に側にいられなかった悔しさが、痛いほど伝わってきて…。辛いけれど美しい素敵なシーンでした。

ラストに二人の初夜。
すごく美しく描かれていて、二人の愛に胸が締め付けられる、素晴らしいベッドシーンでした。

タイトル通り、二人の涙が綺麗で印象的な、美しいラブストーリーでした。
先生の作品、やっぱり好きです。今後の作品も楽しみにしています。


シーモア 濡れ場は修正不要な描き方でした

4

大切な人に胸を張れる存在でいたいのに

今回は幼馴染の同級生同士のお話です。

受様が腐れ縁だと思っていた攻様と新たな関係を築くまで
恋人になってからの小話を収録。

受様には小学校低学年で知合った
攻様という幼馴染がいます。

当時の攻様は亡き虫で小さくて
その日受様はヒーローよろしく攻様を囲む
いじめっこの輪に飛び込み成敗します。

とは言えそれがきっかけに
親友というほどの仲になった訳でもなく
母子家庭余裕のなかった受様はバイトに明け暮れて
放課後の友人付き合いをした訳でもなく
つかず離れずな関係でした。

大学合格を高校の担任に報告しに行って
受様は攻様と鉢合わせしても進学先すら聞かず
もう会う事もないだろうと思っていたのに

なんと攻様の進学先は受様の大学で
母親同士の話合により大学の寮の抽選に漏れた受様は
親戚の物件の2LDKに入居が決まっていた攻様と
同居する事になるのです。

受様は攻様の方で断るだろうと思っていましたが
話はトントンと進み、引越し当日に攻様を問質すと
「いやではないからオッケーした」と言われます。

しかも互いに干渉せずに暮らしたいと思っていたのに
攻様には一緒に暮らすならもっと近づきたいと
関係改善を提案されてしまうのです。

果たしてこんな2人の同居生活は上手くいくのか!?

WEB配信作をまとめての単行本化で
受様に恋する攻様と攻様とは腐れ縁と思っている受様の
恋物語になります♪

受視点で始まりますが
母子家庭で一人っ子の受様は
自分のテリトリーに誰かを入れる事に不慣れで
攻様ともつかず離れずな付き合いとして
攻様の趣味や好きなことを知りたいとすら思いませんでした。

でも攻様を救えたヒーローだった事は
ずーと受様の心の支えになっていて
受様にとって攻様が大切な存在である事は確かです。

中盤で視点者が攻様に変わると攻様側の事情が見えるとともに
2人が共有する過去から攻様が恋を育てていた事が
見えてくるのですが

2人の立ち位置にかなり開きがあって
なかなか難儀な展開だろうと予想したのですが
読み進めていくと私が思っていた意味とはまた違う
難儀さまで構えていて切なさMAX!!

最初絡まりすらしなかった2本の糸が
こすれ合い、寄り添ってもつれあいながら
綺麗な蝶結びとなるまでとても楽しく読ませて頂きました。

相手を想い、相手にも同じように思って欲しいと願い
大切な人の為に誠実でありたいと思い
共にいたいの望む存在に巡り会えた2人の未来に
幸多からんことを願ってやみません。

2

あと一歩がもどかしい

こんなにも切ない“腐れ縁”、初めてかもしれない。

幼馴染だけど、親友というわけでもなく、
近づぎず、遠くもない曖昧な距離間のままに過ごしてきた高里と鹿角。

大学進学を機にここまで続いてきた腐れ縁も遂に切れてしまう。
感慨に耽る鹿角でしたが、親同士の提案で高里とルームシェアを
することになり…。

腐れ縁以上、親友未満。
互いに意識はしていても、両片想いというには少し足らない。

そんな一途に想い続けるも伝えることができなかった高里と、
ある過去の出来事から恋に踏み出すことができなかった鹿角の
切なく、もどかしい恋のお話でした。

子供の頃に救われて以来、鹿角だけを見つめ続けてきた高里。
これまで秘めてきた想いが鹿角との同居によって爆発し、
「俺のこと意識して」と口をついて出てしまうシーンはキュン不可避でした///
一途な攻めってやっぱりいい…!!

一方の鹿角は恋に興味のもてない天然なのかと思いきや、
誰にも言うこともできず、一人抱えてきた過去があまりにもしんどい…。
「男だし」とか「自分が思わせぶりなことを」とかそんなのは関係ない。
ただ、鹿角が心と体を傷つけられたという事実がそこにあるだけ。
悲しいのと同時にこんなひどいことをした相手に腹が立ち、許せないと思った。

だからこそ、高里の存在に救われました…。
高里がそばにいてくれて、想ってくれて、本当によかった。
高里と恋に落ちたことで灰色だった鹿角の人生も
色づいていくように感じられました。

3

腐れ縁な2人の新たな関係

【意識してよ。俺のこと意識して・・・おねがい・・・(シノ)】

エロス度★★

おやおや、なんと素晴らしい・・・魂に響くような純愛でした。
幼馴染み・大学生・ルームシェア・・・そして、攻めの拗らせた一途な片想いというのがたまりません。

高校を卒業したらそれっきりと思っていたのに、同居生活がはじまり、シノの放ったユキへの言葉から腐れ縁な関係だった2人の距離に新たな風が通り抜けていく感じがよかったです。

ずっと好きだった子との同居生活に翻弄されるシノの心やシノに対してずっと自分の中にあったであろう気持ちに向き合っていくユキが尊く、溢れ出す2人の想いに尊さMAXで悶えました。

3

読み返して読み返して…そしてまた読み返す

早寝先生作品は過去数作拝読させていただいてます
静寂と強さを感じる作品が多いイメージです

今回の作品も徐々に徐々に…段々と近付いていく、心を開いていく流れが人知れず気付いたら花を開いていた野花のような、じっとその時をまっていたさなぎの蝶が気付いたら飛び立っていたような…そんな静寂の中にある強さを感じました

普通の人が手に出来るような普通が特別に映るユキ
そんなユキが自分にとっての特別なシノ

この2人の物語を何度も何度も読んでいくとこれ以上ない!と思えるこの作品タイトルの優しさがすごく心を震わせてくれます
早寝先生の素晴らしい感性に唸ってしまうしかないですね

あと!
過去拝読した作品でも目で魅せる描写が上手いな~と思った事が多かったのですが、今回はより多く「目で語る、目が語る」描写の上手さを感じました

ちょっと肩の力を抜いて楽しく掛け合いを読めたり、一気にキュっと切なさを感じたり、、、先生の筆が魅せて下さる力強さが今まで以上にキャラの目からすごく感じました
時には作中のユキやシノの視線が自分に向いているんじゃないかな?なんて勘違いしてしまう位に刺さる描写に心をずっと掴まれました!

レビューを書いていたら、、、また読み返したくなって来てしまいました
何度も読みたくなる!すごく好みの1冊でした!!

4

難しいが、味わい深いお話

ユキ、難しい子。心情を追うのにめちゃくちゃ悩まされた。
分かったと思ったらまた別のところで引っ掛かりが出てきたりで。
感じたことは山ほどあるのに言葉にするのが難しいのですが、自分なりにこのお話を咀嚼できたような気がしています。

ユキは「自分は人とは違う」と思って生きてきました。
ふつうの人間関係の枠外に身を置いていて、自分の周りに立ち入り禁止の線を自分で引いてるような。

母子家庭、けして裕福ではない環境で、思春期からアルバイトを掛け持ちしながら頑張ってきたわけで、確かに中学生で新聞配達というのは、かなり大変な家庭ではあるので…
学校のクラスメイトたちとは違う環境にいたことは確かだと思います。

お母さん、そんなに毒親感はなかったけど、金銭的にはそこまで差し迫ったものがあったのでしょうかね。
ユキが過剰に背負いすぎる性格だったのもあるんじゃないかな。自分でできるだけお金を工面して、親に頼らず強くあろう、自分で立とうとしていた子なんだと思います。
そのプライドがまた他人を隔ててしまうんでしょうけども。

孤独や自分の気持ちに鈍感になりながら、人にもそういう自分の弱さをけして見せないようにして、強い自分でいたいユキ。

そんなユキにとって、シノは特別な子でした。
幼い頃いじめられていたシノを助けたことで、自分をヒーローのように誇らしく思うことができたから。
そして、ほどよい距離にずっといてくれることに安心できていたから。
自分の素直な気持ちを見せないユキにとっては、感情豊かなシノが自分のために泣いたり怒ったり自分の気持ちを代弁してくれているようで、見ていて嬉しい、眩しい、ちょっと羨ましい、そんな存在だったはずです。
唯一、自分から近づきたい人だったんだと思います。シノにはけっこう、自分の素直な表情とか気持ちとか見せてますしね。

でも、人一倍強くありたいユキを追い詰める出来事が起こります。自分の矜持をガラガラと崩されるような、自分の価値がなくなったと感じるようなことだったと思います。
それでも、もしかすると自分のせいかも。とか、たいしたことじゃないかも。とか、苦しみに蓋をして、誰にも知られたくなくて、シノからも離れることを選んで。シノの前では、強いヒーローのままでいたかったのです。

思わぬ同居生活となり、これまでと違い距離を詰めようとするシノに戸惑いますが、一緒にいられる嬉しさも楽しさもあり、素直にシノ呼びするほどに心は近づいていきます。

シノからすれば、ずっと好きだった人、憧れだった人だから、2度とユキが離れて行かないように、詰めて詰めて詰めまくる!って感じになりますよね。
ユキのラッキースケベとか、不意な表情とかにいちいちドキドキしてるシノはとてもピュアで、でも激重なこじらせ愛を心の中で爆発させてるのが良きですね。

そんなシノだからこそ、ユキに告白することでユキを「ふつうの人間関係(恋愛含め)」のなかに引っ張って来れたのだと思うのです。
あれだけ枠の外側にいたユキを…
自分も恋愛していいんだ?特別な好意を寄せられてもいいんだ?そして恋愛としてシノを好きになっていいんだと思えた。
そして、自分の隠してきた辛い出来事をカミングアウトして、そうしたらシノは泣いて怒ってくれたから、泣いて怒っていい出来事だったのだと認めて、飲み込むことができた(もちろん許せることではありませんが)
初めて、ユキは自分の弱さを、涙を見せることができたのだと思います。
カミングアウトしたときは厳密には涙を見せていないのだけど、キスをした時に、シノの涙がぱたぱたとユキの顔にうつっていくんですよね、そこがなんていうのかな、ものすごく「伝わった」感じがするんです。

自分に全力で近づいてきてくれたシノ。
最後にシノの弾くピアノの音色が、幼いころの思い出、シノから離れようとした過去、たくさんの感情をユキから溢れ出させました。
ユキが今まで流せなかった涙を流し、いまの幸せをふたりで分かち合えたことが、ふたりにとって最上のハッピーエンドでもあり、新たな幸せの始まりであるように思います。

早寝電灯先生らしい良さをじわじわ味わうことができ、ホッとしました。

5

涙と糸とシノ

早寝先生作品好きで新刊楽しみにしていました。
やっぱり好きだわ〜と何度思ったことか。

第一印象的には、シノのユキへの思いに萌えまくり。
その魅せ方〜!! 52ヘルツもそうでしたが、早寝先生の好きなところです。
シノが見るユキが輝いていてかわいい(恥ずかしくなるようなキラキラではないのが好き)
そんなユキを見るシノの目が切なくていい。
シノが自分の思いは重いと自覚しているのもいい。好き。
─ゲームみたいに 口説いて落とそうとするには
─大切すぎる(ユキのかわいい笑顔)
に、ひえ〜(好き好き)となりました。

同居して心と体の距離が近くなっていく過程がめちゃくちゃ良くてドキドキだし。
シノの気持ちがわかってから更にキュンだし。
ユキの心の変化も繊細ながらわかるし。
距離感、ハグ、キスシーンが最高です。
とにかくキュンとくる過程と瞬間の描き方がお見事で大好きです。

と、ここまででもう十分なんだけど…早寝先生作品に感動するのはそこだけではないのがいいんです。
ユキが子どもの頃はシノのヒーローだったのに内向的になったのは家庭環境以外にも理由があり。
子どものシノが怒って泣くことに励まされる気がした…とユキが何度も回想するのは、自分がそうしたくてもできなかったからだろうなと。
真っ向勝負に涙するシノの味方にしてほしかった。味方になってほしかった(でもつかず離れずの関係だった)
だから、タイトルとラストシーンでの回収につながった。ユキがシノと一緒にいられて泣くことができた。
2人にとっての原体験が始まりでずっと心の中で続いて物語になりタイトルなのがエモいです。

─見なれたはずの風景がいつのまにかうつりかわっている
─とどめてもとどめても変わっていってしまうので
─俺はせめて
─一生 覚えておきたいと思う ←ここで光の中の笑顔のシノ
↑このユキのモノローグにじんわり感動しました。

ユキの過去ですが…
「俺 男だし こんくらいたいしたことないとか 周りは思うかもなって」「なかったことにしようと〜」
が悲しい。
現実にこういうことってありますもんね(だからこそBLで軽々しくレイプを描かれるのは好きではないです)
なかったことにしようと思いながらも被害者の記憶の中ではなかったことにはならないし。
心の傷を抱えたまま生きている(女の髪、糸の描写がユキの心情を表している)
そんなユキの淡々とした心理描写が陰鬱になりすぎずむしろ爽やかなのが早寝先生らしくていいし。
シノとの関係から、からまった糸が少しずつ巻き取られていろいろ考えられるようになった…というのかとてもいい。
その後のセリフ(シノに抱いてもらえるかも…)と頭を抱えながら言うユキに、シノと同じように私も卒倒しそうに萌えたのは言うまでもありません。

6

穏やかに、静かに

小学生の頃からの腐れ縁であるシノとユキ。
大学進学でもうこれまでのように会うこともなくなる…と思っていたら。
ひょんなことからルームシェアをすることになる、というところから始まるお話でした。

最初はユキ目線で進んでいくのですが、シノのことを語るとき含みを持たせるようなニュアンスになるんですよね。
ずっと学校が一緒だったとしても仲が良くも悪くもない同級生がいてもおかしくはないし、表面上だけの友達だっていたはずで。
シノのことをそのくくりに納めておけるなら、過去を振り返ったり未来の生活に彼の姿を思ったりしないよな、と。
なので、ユキ自身が無自覚にシノの姿を追いかけていることはある程度序盤で伝わってきていました。

そしてシノの想いはとてもわかりやすかったので、少し踏み出せばふたりの間にある壁はすぐに壊せるかな?という気がしていたのに。
ずっと微妙な距離感だったからかこれ以上の関係にはならないと思い込んでいるからなのか、なかなかその関係は動き出さないんですよね…。
それにヤキモキしつつも、ふたりきりの生活の中でゆっくりだけど確実に気持ちも空気感も変化していく様子にドキドキさせてもらいました。

思いもよらぬユキの過去が明かされたのには驚きましたが、その時のシノの反応は過去のユキの心まで救ったんだろうな、と。
あえてその過去を明かしたユキの表情が思いの外晴れていたのが印象的で、そこから気持ちを伝える流れになるのがすごく素敵でした。

始まりから終わりまでふたりの恋のお話ではあるのだけど、彼らを通して違う景色を見せてくれるようなところがあって、そんな詩的な美しさが早寝電灯先生らしい世界観だったなとしみじみ。
静かで穏やかなんだけどもしっかり熱が感じられるような作品でした。

2

シノの理性の話だった?

読ませていただくのは2冊めですが 前に読んだのが生まれ変わりものだったせいか自分の中で不完全燃焼部分ができちゃったんですよね

なので今回こそは


小学生で出会ってあから10年来の腐れ縁
付かず離れずな距離をちょうどよく思っていたのに

幼馴染ものとか腐れ縁ものってどうしてもプライベートも被ってたりして だいたい「お前のことなら何でも知ってる」が前提にあるのに対して 深くか関わってほしくない 知って欲しくないを全力でおしてくるので その馴れ馴れしさがないぶんカッコつけぇだったり 頑なさがスッキリ伝わってきた

となると可愛いげがないとか 意地っ張りすぎるとかの弊害がでそうではあるんだけど そこの拗らせをうま~く健気に引っ張っていってるのもこのお話の見せ所なんだろうな と


知られたくなくて引いた一線で相手のことを知ることもできずにいた それに気づいたときにはもう好きが溢れてて
んんん なんだろうな このスッキリしない感じ
離したくない離れたくない大事な存在だって気づいたとこれまではよかったんだけど 突如ぶっ込まれた過去話がどうにも飲みこめない

距離を取りはじめた理由がそれってことなのかしら?
いや その前から距離はとってたのに 泣き顔に励まされたってところはわかっても

あぁダメ 読解力なさすぎ 毎度だけど

最終話でシノが頑張ってくれたから ってセリフにも 何を頑張ってましたっけ?となって 1発アウト
あれ~?思いを伝えて気づかせてくれたことをいってるのかな? となんとか予測で最後まで読んだけど あたしが引っ掛かった過去話がそのあと来るセックスのためのスパイスだったんだね ってのが最後に残っただけになっちゃったのよ
出だしと最後の着地がどぉにも噛み合わなくて

なんかねほんとダメ 歳はとりたくないわ ホントゴメン
年々理解力も読解力も壊死してるってのをまぢ実感しました  

3

涙の意味

安心の涙はよいものです。
レビュータイトルを「弄ばれる童貞」という早寝電灯先生の作品に対するタイトルとして似つかわしくないソレにするか悩んだ。高里はコメディ、鹿角はかなり深刻な、というか犯罪なんですけど。

早寝電灯先生の新刊!大好きなので新刊のうちに。絵柄や背景やお話にまた試行錯誤の跡を見出して、もはや早寝電灯先生の模索を観察したくて読んでるような。

読み返して、「幼なじみ」「高校の同級生」って言っちゃった、そして相手の回答はソレだった2人の心情を思うとニヤニヤしてしまう。
幼馴染って言ってくれるの嬉しいでも自分は高校の同級生って言っちゃったよ幼馴染って言っておけばよかったな〜距離感あったな〜って高里くんと、幼馴染とか言っちゃったよほら高里は高校の同級生って言ってんじゃんの鹿角。結果落ち着くところに落ち着いたので振り返れば可愛い2人。

相変わらず繊細な思考回路の主人公。早寝電灯先生がそういう人なんだろなというのが毎度滲み出てます。性別で人をくくるのもどうかと思うが、男性でこの繊細さを持つ人は希少な気がする。
高里視点の3話が好き。鹿角ほど繊細ではない。そして高里視点だと、高里の"好きな子"である鹿角がいちいち可愛いの。だから攻め視点はいい。増えろ攻め視点。
床で寝っ転がる鹿角に高里が「行儀わりぃー」って言うのもかなり面白い。思考回路こそ繊細ではないけれど、お育ちの良さが出る。この一つのセリフが早寝電灯先生のセンス。

それにしても今作もうちょっと溜めと余白があってもいいと思う。コマに連続してずっとセリフがある感じで、読んでて駆け足だなぁと。編集部さん、先生にもっと最初から話数をくださいよ。
あと洗面台の物置はオタクのフェチシズムポイントなのでもっと力入れて欲しかったですね。同棲している2人とならば尚更。
そういえば早寝電灯先生って、人物・音・環境(自然)に関しては細やかだが、登場人物の家(部屋・家具)や持ち物・服に関してはそこまでの細やかさがないのよな。興味の持ちどころの違いか。(先生の厄介オタクと化しつつある)

よんちゃんとか溝口くんとか、川辺くんも、ほんの少ししか登場しない彼らの人生が気になる。キャラクター作りがうまいよね。
カマキリより重要〜〜?でたった一つのすることはデートの川辺くん…好きだわぁ。この作品で付き合いたい男ナンバーワンだわぁ。
電子限定版おまけ漫画(2ページ)◎溝口くんも出るよ

3

言語化能力が足りない

言語化できないけどただただ心に沁みる良さがある。早寝電灯先生の作品は総じてそういう傾向があるイメージなのですが例に漏れず今作もとても良かったです。

つかず離れずの距離感で過ごした高校生から大学生になり同居することになり距離感に変化がありそうであまり変わらない2人。表面的にはとても仲の良い信頼しあった男友達感が強いのにそれぞれが頭の中ではすごく色々なことを考えているのがもどかしくも楽しかった。

個人的に幼少期シノが怒りという感情が溢れて大粒の涙を流しながら泣くというのがすごく印象的で、そしてそれを見て思わずヒーローになってしまったユキもまたすごく印象的で、きっとこの瞬間から2人は互いを唯一無二の存在だと思っていたんだろうなと思うとなんかもうたまりませんでした。

過去が織り混ざりながら現在の2人が距離を縮めていく。こういうのをエモいっていうんじゃないのかなぁと思いながら読んだ1冊でした。

3

読了後に、えっ…ぅわ! …めっちゃ好きだけど!!となる作品。

幼い頃、名前をからかわれた攻めを、受けがヒーローのふりして助けたとこから関係が始まった幼なじみBL。



以下、ざっくり感想失礼いたします。

タイトルから泣ける。(読み終わったら分かります…)

色彩のついたこのお表紙も泣ける。(読み終わったあとで、帯の煽り文字を読むと泣けます…)


なんとなくの、お互いはっりと言語化されてない関係性から同居スタートし、それぞれが過去のお互いに救われているの、泣ける。(裏表紙の二人…エモいよねえ)



攻めの一途すぎるこじらせ愛、いいよねえ。(地域で流れていた曲を、またピアノサークルでやり直すとか、第4話で受けがあの曲に反応して、攻めに好きだったんだぁ~って伝えるシーンに爆泣きしましたよ、、涙)


不器用で、遠回りしたけれど、出逢った頃から特別な感情がたしかに2人の仲に存在していたこと。
泣けたーー涙涙


受けの、人生どこか引いているような、でも諦めきれない、攻めの前ではヒーローでいたい的な表情もよかったです。(攻めの前で見せた最後の涙よかったあ!)




久々、言葉にできない、抽象的だけどなにかこの良さをどうやって伝えたらいい?? と、語彙力奪っていく超絶エモい1冊でした。
伝わるかな、、、この感想、、、エモ好きさんに伝われぇぇぇ!!


2

ヒーローは涙をみせてはいけないのか

最推し作家様のひとりなので発売日が発表されてからずっと楽しみにしておりました。

早寝電灯先生作品の良さの一つには、モノローグがありますよね。
『半壊の花』に収録の『稲穂に帰る道』は特に素敵で、"秋に 外で〜"などはその最たる例だと思います。
繊細な情景描写と相まって、言葉の一つ一つが心に響きます。

そして今回の新刊『おねがいヒーロー涙をみせて』も、モノローグが主人公達の心の機微を見事に表現していて素晴らしかったです。

主にユキ目線で話が進んでいきます。

腐れ縁の幼馴染ズの関係が変わっていく。
ストーリー自体はありふれた設定ですが、流石は早寝電灯先生で、唯一無二の作品になっています。

他の方のレビューに同意する部分が一つあって、読後に振り返ってみるとユキの"とある過去"はああいうものである必要はあったのか、とは思いました。
ユキが過去を打ち明けることによってストーリーが進展するのですが、その内容は別のものでも良かったように感じます。
(といいつつ代案は思いつかないのですが...)

と、少し思うところはあるのですが、全体的に今回も大変素晴らしい作品で感動しております。

これからもずっと応援させていただきます!

4

ぼくのヒーロー

あ〜…早寝先生の作品だな〜と感じる。
それを感じるのは、ユキの消極的な一面。
小さい時は、ユキが飛び出して助けたのに。すごく元気な子だったのに。
今はわざとつかず離れず、フェードアウトしても仕方ない…的な。
その性格の変化が腑に落ちないなぁ…家が裕福じゃないから萎縮した?そんな感じじゃないよね、とか疑問を持ちながら読んでたんだけど。
イヤ驚きました…
ここはユキの根幹に関わるからネタバレできないけれど、そういう事か…とパズルのピースが嵌ったような。
その時から自分が変わってしまったんだよね。
ひとりで抱え込んで…
一方シノの方の掘り下げはあまり無いから、ごく普通の大学生活を送ってるだけ、ユキへの想いを言ったり抑えたり。恋する男の子って感じで、やはりユキの深みとは…ね。
だから、本作のキモは「シノとユキの両想い」というよりも、ユキの不安定さ、ユキの救済。
シノも泣き顔カッコいいけどネ。シノは変な背伸びをしないところがいい。
ユキがこれからのびのび呼吸できたらいいね。

3

ヒーローだって泣いていいし、弱くたっていい

一回読んだとき、?ってなって、再読を繰り返してやっとストーリーを落とし込めました!鹿角が抱える"ヒーロー"像にちょっと苦戦しましたが、幼馴染みのピュア恋に切なくも温かい気持ちに包まれる読後感です。
繊細で難しい心理描写にも引き込まれること間違いなしの同居から始まる恋の物語でした。


最初の印象としては、鹿角視点の気持ちが分かりにくく難しいなって思ったことです。何で高里をここまで避けてるのか分からなくて、ストーリーの読み取りが難しく感じました。サクサクって読める話じゃなくて、一回立ち止まって考えさせる感じかな。ジワジワ系ストーリーです。
反面。高里の視点は分かりやすかったです。こっちは思考や行動に無駄がなく、気持ちもストレートで単純。きっと素直で良い奴なんだろうなってのが伺えました^ ^

幼き日の2人の関係である"ヒーロー"と"守られる側"っていうのがこのストーリーの肝。高里にヒーローである自分のカッコ悪いところを見せたくなくて……っていうのが、2人の拗れに影響してるところが大きいです。でも何故鹿角は、ここまでヒーローでいることにこだわったんだろう。鹿角にとって高里のヒーローでいることにどんな意味があったのだろうかと考えてしまいました。
大した意味はない的なことを言ってたけど、じゃなければここまで拗れなくない?と今でもそこはちょっと疑問です。

でも高里を意識していたのは間違いないわけで、潜在的にどこかに好意があったと思いたいとこです。気付きは突然にやってきて戸惑ってましたが、自覚は割とすぐでしたしね。
高里の鹿角への想いが一途で本物で、恋人になってからは甘さを見せつけてくるの可愛すぎか!?って感じでニヤります(〃ω〃)
高里のピアノを聞いて涙する鹿角の涙には、これまで2人が過ごしてきた時間の重みが表れているようでグッときた素敵シーンでした。

2

自分をヒーローにしてくれた人

※独自解釈が間違ってたらすみません

とても仲が良いわけじゃないけれど
だからといって仲が悪くもない幼馴染関係。

顔を合わせたら冗談めかした軽口を叩き合うだけ。
近くも遠くもなく、たったそれだけの関係ーーー。

それ以上は踏み込まなかった。踏み込めなかった。

ただの幼馴染と言ってしまえばそれまでだけど
だだの幼馴染と言うには少し遠すぎる気もする。
仲の良い友人と言えるほど仲は良くない……?

しかし大学入学でひょんなことから同居が始まり
2人の距離感と関係性に変化が出てきてーーー。

っていうもどかしい関係よ…!!!
早寝電灯さんらしい叙情的な関係性の表現で、
言葉で上手く捉えらない感情が描かれていました。

で。個人的な率直な感想として、
今作はぶっちゃけ読むのが難しかった。゚(゚´Д`゚)゚。

キャラクター自身が
言葉じゃ表せない感情や関係性を少しずつ紐解いて、
感情を整理しながら言葉の枠に嵌めてく…みたいな。
特に受けは無自覚なので手探りで進むんですね。

感情の元となるのが幼い頃の記憶。
"自分がヒーローになれた、あの日の涙"というのを
何度も何度も反芻しながら現在と重ねる。

今の自分ではあの頃のようなヒーローになれない。
そんな物悲しさを遠くの方から感じる感覚でした。

受けの感情の移り変わりは難しく、
でもフワッとなんとな~~~~くは伝わりました。
(言語化出来んけど。マジ、ムズカシイ)

この解釈があってるかはわかんないけど、
 ・幼い頃にヒーローになれた記憶は心の要
 ・ヒーローに"してくれた"攻めは特別な人
 ・ゆえに受けにとって攻めはヒーローでもある

ヒーローになれた幼い頃の記憶は、
受けにとって心を楽にしてくれる御守りなんです。
攻めの存在にめちゃんこ救われてきた人なんです。

そんな感情がジワジワと紐解かれて、
読むの難しいけど良さがジワジワと沁みました。

一方、攻めは自分の感情に自覚があって、
受けとの関係を繋ぎ止めようとする必死さを感じる!
受けのことが好きで、好きで、好きで、っていうね!
受けとの対比が出てて萌えるんですよ~~~!

いや~~~~イイ男ですね。攻めは。
受けにとってのヒーローになっていく過程が見えて、
"救いの存在感"を感じました。好き!

フワッと理解しきれないままレビューを書いたので
解釈が間違っていたらすみません。

言葉に出来ない感情を読み解くのがお好きな方は是非!

3

エモさ、切なさ、きゅん…全部詰まった早寝先生の新刊

『52ヘルツの共振』が大好きで何度も何度も読み返している、大好きな早寝電灯先生の新刊!楽しみにしていました。

幼馴染同士の両片想い(受けは無意識だけど)ストーリー。
小学校3年生の時からの幼馴染、シノ(高里)とユキ(鹿角)。大学進学を機に離れ離れになるかと思いきや、思いがけず同居が始まってーー

と続くお話です。

何よりも、早寝先生の描く攻めが本当に大好き……受けのことが好きで好きでたまらないんですよね。今作の攻め・高里(シノ)もまさにそんな攻め。まっすぐ受けのことを追いかけてます。

攻め目線で語られる部分もあって、もう最っ高にキュン。
「意識して おねがい…」の一言に、胸が高鳴ってしかたなかったーーーーー!!!!

”何かすることで変わってしまうこともあるけど、「何もしない」ことで変わってしまうこともある”っていう独白が深く、刺さりました。しばらく噛み締めてしまった…

で、「やっぱり先生の作品は最高にエモいな…」とじーんとしていたら、途中受けのユキの高校時代のある思い出話がなかなかにショッキングで、、
彼が悪夢を見てうなされていた理由がここで分かり、胸が抉られました( ; ; )

そんなトラウマを持つユキを最大限に気遣いながら包み込みながら…の日々の流れ、そして二人の初えちに、嬉しさと切なさが混じって感情が爆発しそうに。
攻めの筋肉のついた体、そしてお尻に最高に萌えました。。

描き下ろしの、受けの嫉妬とそれに喜ぶ攻めの図も最高に最高だったなあ…(余韻)

攻め視点の心情を表したタイトルも、読後あらためて見て「なるほどなあ」と納得&萌え。。

エモさ切なさがぎゅぎゅっと詰め込まれ、包み込む攻めの優しさ、想いの強さにキュンが止まらない、素敵な素敵なお話でした・:*+.


4

読み返してやっとジワる…

元々、描き方が詩的なところがあるなぁ
と、そこが素敵だと思っていたんですが

含みが多すぎて読むのが大変だったのにも関わらず
今回は、読み解いても少し物足りないかな…

試し読みのページ数が3話目に入った辺りと多くて
そこら辺までは、語られているものが伝わり
特に、モノローグとか良かったんですけど、
その後からラストに向けて話を収束していくのに
広げられた風呂敷にあったものが多く
辛うじて拾ったけど、仕舞う引き出しのタグは
何も書かれずじまいだったみたいな。

今回、ユキの境遇や過去の話が
全体のストーリーの重たさ、キモを作っている部分ですけど
もう少し繋がりが伝わってくれば良かったかなぁ
あぁだからか、辛い…とならなかったです。

ヒーローにまつわる2人の話もちょっと弱かったかなぁ
なんとなく分かるけど、気持ちを動かされる程ではない感じ…

伝えたいものを語らせるシチュの内容と、
その時の気持ちの解像度からの
それを言葉にしたものが
確かに読んでるこちらにしっかり届くのか
そのバランスが難しいよなぁと読んでいて
思ったりしました。

2回読みましたが、もしかしたら、
また読んでいくうちに変わっていくの、かも?
今のところの感想はでもこんな感じです。

5

静かに繊細に描かれるストーリー。

それだけに、バイト先の女とのエピソードが理解出来ない。

思いっきりネタバレしてます。

あのエピソードで二人の関係がガラッと変わったとか、救われたとかなら理解ができるけど、淡々と進んでサラッと流されたように見えた。
配信されて深夜に読んで頭が回っていなかったのかもしれないし、加害者が男であれ女であれ地雷であるのは理解している。
あんなエピソードがなくても二人の関係は進んでいたと思うし、簡単には離れないくらい結びついていたと思う。
あんな酷い過去を背負わせる必要があったのか疑問に残る。

5

感情の機微が繊細で、共感を呼ぶ

シノ×ユキ

ただの腐れ縁の2人。
ずっとぎこちなく、いつもピリピリしていて、
お互いのことをあまり知らない幼馴染という関係が新鮮。

上京して大学の予想外の同居生活が始まってから、
2人の関係が大きく動き出す。

無自覚だけど確かにずっとシノを好きだったユキと
ずっと一途でユキを好きだったシノ。
2人とも健気で愛おしい。


それぞれが抱えた「好き」がごちゃごちゃから
解きほぐされていく過程が繊細で、
微妙に揺らぐ空気感、
少しずつ縮まる距離感、
静かだけど、確実に動いていく恋という感情の機微にギュンと共感して、
その中の一つ一つの表情、仕草、セリフ、心理の変化も見逃せない。


普通にできない2人。

避けたり、考えないようにしたり、
普通に振る舞おうとするけど、
次第にシノを守りたいという本心に触れ、
シノの存在の大きさに気づき、恋心を自覚していくユキ。

一途だけど強引じゃないところが男前で、
でも、普通ではいられない。
抑えきれない気持ちに正直になるシノ。

それぞれの感情が絡み合って、
恋が少しずつでも前に進む様子を見守るのがじわじわと心に沁みる。

冒頭からの上京して大学に進学した後で、
もうシノと会うことがないと考えるユキの
無自覚の感傷に引き込まれた。
小学生の頃がシノのヒーローだったユキが、
泣き虫だったシノの成長にどうしても追いつけなくて、
貧しい家庭の背景からくる
自己卑下と劣等感で、シノを避けてしまった。
ユキのその好きなのに逃げてしまうという
もどかしくて不器用な気持ちが切ない・・・。

そんなユキを理解してくれるシノ、
2人の関係を支えるシノの大きな包容力も見事だ。
ユキのように強くなるために柔道を始めた、
そのためやめたピアノを再び弾くようになる姿が、
2人の関係の成長を象徴していて温かい。

ずっとすれ違った関係性が胸を締め付けても、
ユキの寂しい心を優しく包み込むユキの愛情と共に、
深まっていく2人の愛情にうっとりして、
失った時間を、
心、そして体の両方でじっくりと取り戻していく2人の姿が、
読むことで心地よく、安らかな気分になれる作品でした。

7

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