半壊の花

hankai no hana

半壊の花
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神96
  • 萌×242
  • 萌17
  • 中立5
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
21
得点
704
評価数
166
平均
4.3 / 5
神率
57.8%
著者
早寝電灯 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
EYE'S COMICS BLink
発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784834262841

あらすじ

どんなに長いこと会わなくても、俺はおまえらのこと絶対に間違えたりしない──。
高校時代、そっくりな双子の兄弟・ハルとユウを唯一見分けることができた豊樹。三人の関係はうまくいっているように見えたが、高校卒業と共になぜか双子と連絡が取れなくなってしまう。そして数年後、豊樹が彼らと再会したのは、ユウの葬式だった──…。
切ない約束を巡る三角関係を描いた表題作ほか、三編+描き下ろしを収録した早寝電灯デビューコミックス。


表題作半壊の花

瑞穂遥,高校生~数年後
芦原豊樹,高校生~数年後

同時収録作品扉の向こうの凪いだ海

(仮)凪,大学生
(仮)緑,大家

同時収録作品嘘つきたちの食卓

料理人の男
物書きの男

同時収録作品稲穂に帰る道

(仮)間宮櫂,高校生
(仮)水落幸助,高校生

同時収録作品稲穂につづく道

間宮櫂,絵描き
水落幸助,サラリーマン

その他の収録作品

  • その後(描きおろし)

レビュー投稿数21

何度読んでも表題作で泣ける

表題作のほか、三編のお話が入った短編集です。
こちら短編集ながら一つ一つの話にグッとくる部分があって、大好きで何度も読み返しています。

表題作は、双子の顔を完璧に見分けることができる受けと、そんな彼に同時に恋してしまった双子兄弟のお話。
死ネタが苦手なため、表題作は読んでいてちょっと辛くて「大好き❤︎」というテンションにはならないんですが、読めば読むほどグッと胸に来るものがある、何層にも重なる「味」を感じるようなお話です。「死」が絡む話だからか、読むといつも泣きたくなる( ; ; )

表題作のほかに好きなのは、最後の「稲穂につづく道」かな。学生時代の恋と別れ、そして大人になってからの再会愛。
この再会までの過程、そして再会の仕方が本当に素敵で…!ドラマか映画を見ているような気持ちになります。

ストーリー性のあるもの、余韻の残る作品を読みたいという方に強く強くおすすめしたい一冊です。

1

じんわり、とてもいい

先生の初単行本なんですね。
先生作品初読みです。
この後、3作読みます。

本作は短編4本。
どのお話もいい。
ほんのり切なかったり、かわいらしかったり。
絵は少し荒削りかな…なんて思うけど(偉そうにすみません)味があっていいと思います。

「扉の向こうの凪いだ海」
緑さんが幽霊もどきを見て怖がっている時、泣いちゃって凪を呼ぶとこ、抱きつくところがとてもかわいかった。
そんな緑をかわいいと思う凪にも萌え〜。

「嘘つきたちの食卓」
不毛な関係かと思えば、その逆で。
2人の本心がお互いのことをとても思い合っているさま、その描写が好きです。

「稲穂に帰る道」「稲穂につづく道」
これがいちばん好き。
稲穂とススキの風景に、ですます調の独白、切ない恋心が合っていて、じんわり感動しました。
この短編を読んでレビューを書こうと思いました。

「その後」のそれぞれのcpの後日談もかわいらしく、萌えがあってとてもよかったです。

あとがきの「手を動かす」という表現、ステキですね。

コマ割り、コマ枠や、詩情的な表現(独白の乗せ方とか)が草間さかえ先生ぽいな〜好きだな〜と思いました(違っていたらすみません)

0

素晴らしいデビューコミックス

早寝電灯先生らしい着眼点で描かれた
表題作と他3作の短編集。
デビューコミックスとは思えぬ完成度の高さで、読み返す毎に違う感動がある作品だなと思います。

表題作は切なくて優しくて、ちょっぴり不思議で温かい、色んな表情をみせてくれるお話です。
ユウの全てを悟った寂しげな笑顔にギュッと胸を締め付けられ、
ハルの複雑な胸の内を思っては切なくなり…。

これまで見分けられたことがなかったからこそ共有してきたモノがたくさんあったのに
同じ人を好きになって、感情だけは共有出来ないことに気付いたふたりの小さな約束が
きちんとした形で果たされなかったことがすごく悲しかった。

でも悔やんだり、涙を流す日々があっても
同じ気持ちでいてくれる人が側に居れば強くなれると思うのです。
ユウのおかげでハルと豊樹はきっといいバランスでお互いを支えあっていけるでしょうね。
ふたりのこれからはきっと明るいものになると信じられるようなラストだったなと思います。

1

繊細な感情表現が心に響く短編集

初めて読んだ早寝電灯さんのコミックだったのですが、久しぶりに再読してレビューします。
BLにハマりたての頃に答姐で知った作品でした。
琴線に触れるBLか、同録が良いとかそんなトピだった気がします。

4組の短編集で、双子兄弟との三角関係、怖がりな管理人と賃借人、料理人と食べ物に無頓着な物書き、初恋救済ストーリー。
それぞれに作者さんの味が出ていて、心を揺さぶられるほどの強さはないけど、まさに「琴線に触れる」ような作品たちでした。

中でも最終話の「稲穂に帰る道」「稲穂につづく道」は何度読んでも胸がキューっとなり、後に温かい涙が流れるような作品です。
閉塞感のある片田舎で、2人の思い出の稲穂の道だけが手を繋いで歩ける場所だった…もうこの部分だけでもエモい。
今なら多分別れなくても続けられた気がするんだけど、このお話はスマホはおろか携帯もない時代で、遠距離となると同性カップルにはハードルが高かったのでしょうね。
いい時代になったな。
でも顔が見たい、声さえ聞けない、待ち合わせですれ違うなどの切なさがなくなるのは残念な事と思っちゃう自分もいます。

大人になってからのやり取りもSNSとかじゃなくて、パソコンからのメールってところもいいですね。
お互いが当時の思い出にとらわれていたけど、またやり直せそうで心から良かったと思える作品でした。

どの作品もそれぞれのキャラクターの感情表現が作者さん特有というか、独自の言葉選びで表現されていてそれが読者の心に心地よく響いてきます。

それぞれのお話の描き下ろしも、ちょっとコミカルに甘々にその後が垣間見られて良かったです。

1

ハイセンスすぎな初コミックス

早寝電灯先生のコミックスは全部読んでいるのに、こちらは見落としてて()ようやく買えた一冊。
初コミックスは最高でしたし、これが初とか信じられないくらい。
センスの塊のような作家さまですねえ…すごいなあ。

読後部屋にひとりなのに「…うまいっ!!」って叫んだくらい。

短編が多くてページ数が短いのに、短い頁の中でもものすごく上手くまとめてあって、長編大作にも劣らない満足感。決して明るいばかりのお話ではないのに、切ない中にも爽やかさを感じるし、風景が見えるBLだと思います。

描きおろしですべての作品のその後が短く描かれていて、お話が終わったあとも、きっとこの二人は幸せに生きていくんだろうなあ…としみじみ。

すべての主人公たちがとても魅力的でした。

2

溢れる感性に打ちのめされる

センスの塊でしかない短編集です。早寝電灯先生、急速に好きになってしまいました。

◾︎半壊の花
短編集でこれだけ登場人物がいて、キャラ被りがないのがすごい。双子ですらキャラ被ってない。

◾︎扉の向こうの凪いだ海
凪が緑のことを「緑さん」とか、あんたじゃなくて「あなた」って呼ぶのがすごく好きでした。

◾︎嘘つきたちの食卓
短編であれ、登場人物の名前が分からない作品が苦手なのですが、とても好きなので板挟み。この愛すべき2人の数日間を切り取ったお話、好きです。描き下ろしも愛しい。

◾︎稲穂に帰る道/稲穂につづく道
帰る道、がこのまま終わったらどうしようかとページをめくり、出そうになる涙を押しとどめました。やっぱりどこまでもハッピーエンドが好きなので、再会した2人に嬉しくて結局涙が出ました。美しい原風景。後輩よ、君は最高の働きをしてくれた。

最後まで読んで早寝電灯先生のあとがきの書き文字を見たら、その美しさに「好き!!!」と倒れました。レビューが"好き"って単語だらけだ笑

5

双子あるある良し!

表題作は切ないですねえ。
双子を初めて見分けた豊樹との三角関係。知らぬは本人だけ。でも本当は…。

楽しかった三人での高校生活、双子の秘密の約束、お葬式での再会。

その夜のエッチは合意?

双子の二人の想いも切ないし、双子と連絡がつかなくなって色々考えてた豊樹も可哀想。

前を向いて二人で歩いていけたらいいな。

嘘つきたちの食卓
本当の気持ちを隠して二人は気軽な関係を続けて。
そりゃあ彼女がいたってわかったらショックですよね、さあ今からって時に。それを引きずって都合のいい関係の振りをする方と、とっくに彼女と別れたのに言い出さず合わせて気軽な付き合いに付き合う方。早く気付いて欲しいけど…。臆病な二人がやっと最後に本音を打ち明けられてどうなるのかな?

表題作がもっと長かったらさらに良かったな。
双子を唯一見分ける人を好きになる双子ってあるあるですよね。でも王道で良し!

0

それぞれ穏やかに余韻を残す短編集

◆半壊の花(表題作)
 一番余韻の残るお気に入りの作品です。ハルには双子の片割れ・ユウがいましたが、彼を交通事故で亡くし、その葬儀シーンから始まります。双子と仲の良かったトヨが葬儀に訪れ、ハルとトヨは高校以来の再会を果たすことに。トヨは高校卒業直後から、双子から一切連絡が来なくなったことを根に持っているんですが、それには理由がありました。親ですら双子の区別がつかなかったのに、2人は高校で唯一自分達を見分けてくれるトヨを見つけた。互いにトヨに惹かれますが、一足早く行動するハルを見て、寂しがり屋のユウは、自分達が落ち着くまでトヨには連絡しないという約束を持ちかけたのでした。結局連絡できないままユウは故人に。理由を聞いてバカだなぁと返すトヨと決まり悪そうに笑うハルを、なんとも切なく感じました。ハルとトヨがくっついても、2人にとってユウはかけがえのない存在であることは変わらないし、それはユウももう分かってくれるでしょう。ユウとの思い出を大切にしながら、ハルとトヨには明るく生きていって欲しいと思いました。

◆稲穂に帰る道 / 稲穂へつづく道
 田舎で付き合っている櫂と幸助。2人を田舎特有の好奇の目や噂話から守ってくれるのは、背の高い稲穂だけ。高校卒業後は上京するという櫂に、未来への覚悟がなかった幸助は別れを切り出し、櫂も受け入れてしまいます。何年か経て、櫂の絵の特集をたまたま見かけた幸助は、櫂のホームページから偽名でメールを送ってみます。何度かやり取りし、櫂の個展で2人は再会。一度は怖くて手を離してしまったけれど、大人になった2人はもう互いの手を離すことはないでしょう。稲穂の中を歩く2人や、櫂の描いた稲穂に佇む幸助の絵が印象的な作品でした。

0

大切に磨かれた玉のようです。

表紙が気になり手に取りました。
短編集なので期待していなかったのですが、素晴らしい作品群でした。
全体の雰囲気を通して、絵の暖かさと独自の世界観が素敵。
筆者独特のタッチは「垢抜けない・まだ未熟な男の子」の描写が抜群に似合い
ちょっとジレンマを抱えた臆病なキャラクターの描画は見事のひとことに尽きます。
ザ・メインキャラクターというキャラクターよりも、普段は街並みにまぎれているような青年が
密かに悩みや恋を抱えているような作品ばかりです。

中でも私は巻末の稲穂に帰る道、稲穂につづく道がとても好きです。
2話でワンセット、幼い頃の恋と、大人になってからの恋を描いています。
同じ二人の時間を経た愛を描いているのですが若かりし日を知っているからこそ、大人になっても忘れられないひたむきな恋心が切なくてたまらなくなります。
田舎の風景と、大人になっても驚くほど純真な二人が、正体を隠しながら連絡を取り合うところは
読みながら誰もが応援したくなるのではないでしょうか。

ストーリーとしての帰着はとてもスタンダードなのかもしれません。
それでも絵のタッチや、モノローグの使い方で早寝先生の独自の魅力がぎゅっと詰まった
作品になっていると思います。

エロ度は低めですが、胸の温まる作品です。

6

相性かな…

既刊2冊とも高評価の作家様ですが、んー残念ながら自分には本作も2冊目もあんまりヒットせずでした。
あの人いい人だけどなんかいまいち感性的な部分が合わないな〜って感じの「合わない」に近くて、「扉の向こうの凪いだ海」なんかを読んでいると特にそう思いました。
このお話はつまりのところ、「独りでいる夜に聞こえる木や風の音は心を不安で波立てるけど、誰かと一緒なら同じ夜も凪いだ海のように穏やかになれる」ということだと思うんですが、んーなんだろうな…なんか「気づきはそこなんだ…」って感想しか出ず…
どのお話も繊細で雰囲気は良いけど、グッとくるまでには至らなかったかなーという感想です。

1

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