転じて恋と生き

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転じて恋と生き
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神123
  • 萌×254
  • 萌37
  • 中立18
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
22
得点
960
評価数
240
平均
4.1 / 5
神率
51.2%
著者
早寝電灯 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
価格
¥689(税抜)  
ISBN
9784834264029

あらすじ

校内新聞に載っていた小説の作者「春沖洋介(はるおきようすけ)」。
高校教師の吉武(よしたけ)はある日、それと同じ名前を、旧校舎に残されていた昭和30年代の論文から見つける。
さらに小説の登場人物である「坂上三雲(さかがみみくも)」の名前もそこに書かれていた。
現在の小説と、過去の論文――…。
このふたつの奇妙な一致に、吉武と、そして小説の作者である吉武の同僚・八尋(やひろ)はかつてこの高校に在籍していた生徒、春沖と坂上が自分達の前世なのでは、と疑い始める……。
過去と現在が交錯する、感動の転生BL。

表題作転じて恋と生き

八尋達彦(高校の国語教師)=春沖洋介の生まれ変わり
吉武伊織(高校の数学教師)=坂上三雲の生まれ変わり

その他の収録作品

  • 転じて恋と生き その後

レビュー投稿数22

何度読んでもイイ!

何度も読み返しているくらい早寝電灯先生の作品の中でも好きなお話。
前世と現世が繋がっていく過程や八尋と吉武の気持ちにグイグイ引っ張られて、毎回読み終わると鳥肌が立ってしまいます。

現世のふたりが同時に前世にあったことを思い出したり、同僚としてまた出会ったという謎めいた縁だったり。
たくさんのエピソードがあるわけですが、その中に埋もれず、派手さはないふたりの恋がしっかりと輝いているところが本当に好きです。

洋介と三雲が八尋たちに思いを託すことになった明確な理由は記されていないし、彼らの人生の最後もわからないままだけど。
あえてすべてを明かさないところにも早寝先生の作品らしさがあるのではないかなと感じています。

久しぶりに読み返しましたが、何度読んでも色褪せない感動を今回ももらえました。

0

前世の二人と、現世の二人

早寝先生ならではの儚い空気感と切なさを感じさせるこちらの作品。前世が絡む、ファンタジー要素のあるお話です。

早寝電灯先生の作品、全部読んでいて大好きなものが多いんですが、こちらの作品は何度か再読してもなかなか今までしっくり来なくて…残念に思っていました;
それでちょっと時間のある今、読み返してみたら……

いやこれ、めちゃめちゃ深い…!!そして切なさに胸が締め付けられました。
とてもサラッとは読めず、前のページに戻ったり、1ページを時間をかけてじっくり読んだりしながら読了しました。

同じ学校で働く二人の教師である攻め受け。それぞれ前世の学生時代の記憶を抱えていることが徐々に判明するのですがー
というお話。

「今」を生きる自分たちが”前世”を思い出しているのか。それとも、
「前世」の自分たちが生まれ変わり、”今”を生きようとしているのか。

このへんが多分、以前読んだ時にきちんと理解できなかったところなのかな。

現世の自分たちと、前世の自分たち。
作中で起こる「記憶の反転」が物語の大きな軸となります。

前世で残した未練に別れを告げ、現世の自分たちに戻ってから抱き合う二人の描写が、本当に最高だった…!
そして「今無理しなくても時間はある」と、受けを休ませようとする攻めを伊織(受)が「頭が痛くて …さっきから触ってもらうと すごく楽になるんですけど」と誘うシーンが美しくて最高に好き。

前世が絡み、少し複雑なお話ではあるんですが、読後じわじわと感動とか切なさとか、胸に押し寄せるものがある作品でした。
読み返して本当に良かった…!

0

すばらしい物語

先生の単行本2作目だと思うのですが、1作目より線が繊細で絵がきれいになってますね。

転生BL…と帯にあるのでどんなもんかいな(異世界ファンタジーぽいの?)…と思いましたが、ミステリー文学とでもいうのか、物語としてすばらしかったです。

冒頭は日常が普通に描かれ、話に入っていったところで、違和感なく、前世の記憶が蘇るお話になっていく。

吉武視点で前世の記憶が少しずつわかってくるのに並行して、八尋への気持ち、関係性がじわじわ変わっていくのがいい。

吉武が、八尋は実はとっくに前世の記憶があったんだと気づくところも上手いなと。
ここ、ニュアンスを伝えるのが難しそうで、下手したら説明過度になりそうなところを、そうではなく、自然に説明最小限に気づかせてくれる。

八尋の記憶が春沖に反転してしまった後、前世と現世の2人がオーバーラップする場面がまたすばらしい。
自然に、かつドラマチックに前世の2人が本懐を遂げることができて。
難しい場面なのに、違和感どころか、とても上手い表現だなと痺れました。

その後は、現世の2人のお話になって。
吉武が八尋の手で頬を撫でてもらって「楽になる」と気持ち良さそうな顔をするのが、萌えどストライクです。

その後の流れも全部いい。
めっちゃBL。こういう場面が見たいのです。ありがたや〜。

転生の大筋のお話の脇の、小説、ピアノ、炭鉱、学ぶこと、季節…などの使い方もめちゃくちゃお上手だなと思いました。
展開がきれい。
ラスト見開きページも。
極上の映画や小説を味わったような感覚もします。

「転じて恋と生き その後」
はもう、ありがとうございます!!ですよ。
この2人のこんな後日談、日常が見たい!というものを見せて下さって。
読み応え抜群、大満足です。

0

運命が引き寄せる

早寝電灯先生の作品は即物的萌えや、華やかさはあまりないのですが、二度三度と読み返すうちにじわじわと心が揺らいでくる感覚のある作風が持ち味だと思います。
私の読解力のせいなのか、一度では理解しきれないという事もあるのですが…。
本作もそんな作品でした。

出会うべくして出会った2人の転生ものというドラマチックな設定ですが、燃え上がるような感情ではなくて懐かしさやふわりとした安心感から段々と恋愛になっていくというお話です。

前世の2人の関係性も良くて、お互いにずっと一緒に居たいと思いが通じ合っているのに叶わなかったというのが切ないです。
思いを遂げたかった2人の強い気持ちが、現在の2人に伝わってこうなったのかな。
八尋と吉武には今度こそずっと一緒であって欲しいと願わずにはいられません。

0

前世の二人に心を持っていかれちゃったので

現代を主軸に書かれた過去からの転生もの。
なので、悲恋に泣く二人に感情移入して来世の幸せを願う、みたいな転生もの特有の読み方はできない感じのお話でした。

これ、何も考えずに読んでれば良かったかもなんですが、一行目に書いた転生の仕組みが分かった時点で思っちゃったんですよね…過去の二人に囚われずにくっつく形が一番納得できるよなぁって。それだけならまだしも同時に、それだと転生ものの醍醐味みたいなロマンティックさは味わえないんじゃないかなぁとも思ってしまいまして。で、その通りにストーリーが展開していってしまったんです。

お話はすごく綺麗にまとめてあって、前世の二人のシーンもすごく感動的。それなのに、なんか読んでてなるほど~って気持ちが萌えより先に来ちゃって。見えた展開通りに進んでくれることにほっとしたみたいな気持ちで。この設定だとこの形しかないよな~って道を辿っていってくれました。

良いお話だったんですけど、現代の二人より前世の二人をもっとたくさん見たかったというか、三雲と洋介に心が持っていかれてます。なので幸せなはずの最終話で、彼らがいなくなった悲しみの方が上回ってしまいました。
おまけのその後の話も現代の二人のらぶ小話で、寂しい気持ちが余計に膨らんだままEND。主役現代カプには悪いけど、前世カプがもっと欲しいー!と叫びたくなる読後感でした。

0

「また明日」=

輪廻転生ものです。
校内新聞の小説をきっかけに、2人の高校教師が過去と現在の自分と向き合うお話。

ミステリーの側面があるのでセリフはやや多めな印象です。そして初回では気づかない伏線があちこちにあります。読めば読むほど無駄がない!オノマトペの効果や、猫の反応とか。

前世を自覚して、翻弄されて、そして。過去から繋がる思い。

初見で読了したときは「二人」の幸せにただただホロリとしましたが、2度目3度目と読むと本当に緻密で、かと言って全部を明らかにせず想像の余地もあったり、でも大事なことは答えを出してくれていて、漫画としてすごくワクワクして面白かったです。

2

完成された世界観に酔いしれる

『君にはふれると鳴るとこがあって』を初めて拝読して以来、すっかり早寝先生の作品のファンになってしまいました。

こちらの作品も、期待に違わぬ素晴らしいものでした。

高校教師であるふたりが、ひょんなことから前世の記憶を思い出し、それに翻弄されていくという物語です。
ストーリーは穏やかなテンポで淡々と進んでいるように見えますが、しっかりと作り上げられた世界観と、それを表現できるだけの確かな絵の力で、気がつけば物語にぐいぐいと引き込まれていきます。

あらすじを読んだときには、前世の記憶を蘇らせたふたりが今世でも奇跡的に出会い、前世では叶わなかった約束を果たそうとする物語なのだろうと思っていました。しかし、そうではありませんでした。
「俺たちが前世の夢を見てるのか、それとも前世が見た夢が俺たちなのか」という言葉にはっとさせられました。
前世の記憶があっても、それは必ずしも今世の人間と同一人物ではない。どちらも現実であって、それぞれの人生を歩んでいる。お互いに干渉してはならない。
さまざまなきっかけを経て、ふたりは前世の自分が何者だったかを思い出すことになるのですが、それでも、“今世に生きるふたり”として改めてお互いを知り、愛し、ともに歩んでいこうとします。
たとえ記憶が戻らなかったとしても、八尋と吉武は、きっと何度でも出会い、恋に落ちるのでしょう。
それこそが“運命”なのだと教えられたように思います。

前世は、ただ自由に生きることさえ叶わなかった時代だった思います。最後は悲劇的な別れとなってしまったであろう洋介と三雲が、別れの挨拶を告げることができたシーンは、切なくも美しく、胸を揺さぶられました。

個人的には、石丸くんのおじいさんが前世のふたりと同級生で、ご存命であるというところが非常に印象的で、何か救いを見いだしたような気持ちになりました。
八尋が言っていたように、前世のふたりは共に去っていってしまったけれど、消えてしまったわけではない。誰かの記憶に残り、そうしていつまでも生き続けていくのだと実感することができるシーンでした。

最終話でふたりは初めて結ばれるのですが、データにもあるとおり激しい描写はなく、数ページで終わります。ですが、早寝先生の描かれるセックスシーンは、扇情的ではないにしろ、えも言われぬ色気があります。お互いの興奮や体温までもを感じることができ、愛おしく想う気持ちが紙面越しでもありありと伝わってきます。身もフタもない言い方をしてしまえば、下手なエロ重視の作品よりもよっぽど“エロい”です。
そういった描写が少ないというだけでこの作品を敬遠してしまうのは、本当にもったいないと思います。

これからもずっと追いかけて行きたい作家さんのひとりです。

6

ピアノの爺さんに会ってからが面白そう

全員が良い人ばかりだからなのか、危ういところがこれといって無かったせいなのか、萌えも盛り上がるところもハラハラもドキドキも無く平坦で低いテンションのままキレイに終わった。
買って損したと思うような作品ではないけど、限られた冊数しか収納できない狭い本棚に残したいものでもない。

前世の念が残って云々な割には、念が残るほどの2人の強い想いが見えない。
ピアノを弾く生徒の爺ちゃんが前世での同級生ということは、この2人は「前世」云々ではなく、単純に血族、子孫だということでしょうか。
子孫ということは、二人それぞれに結婚をして子供をもうけたということでしょうか。
それとも2人は若死にをして、それぞれの兄弟たちの子孫なのでしょうか。
若死にだったとしたら兄弟がそれぞれの前世の写真とか持ってるんじゃないでしょうか。
それを手に入れてからの方が面白そうじゃないですか?
ピアノの爺さんに生前の2人の話を聞いたりして。

0

素晴らしい作品

「半壊の花」で早寝電灯先生に完全に惚れ込んでしまったわけですが、この作品も愛しくてたまりません。
BL漫画という枠組みを超えて素晴らしい一冊でした。

数学教師の吉武と国語教師の八尋は、自分達の前世に気付き始める。前世の存在はそれぞれの中で徐々に大きくなっていき…というストーリー

作品の中への要素の散りばめ方が素晴らしいです。学校という舞台、ピアノ、小説、桜の花、炭鉱、胎内巡り、季節の移ろい…戦後の雰囲気と現代、絵のタッチも相まって全てが完成されている。校舎、旧校舎、学生服が眩しく美しい作品です。

転生モノと一口で言えないオリジナリティのあるストーリーで、主役2人の人生だけでなく、転生前の2人はおろか、学生の加古さんや石丸くん、若竹の人生まで覗きみさせてもらったような充実感です。

2

前世もの

学校の先生同士。同僚ものかな?と想いながら読み始めたら、ファンタジーでした。

素直な感じの吉武先生と、怪しい雰囲気の八尋先生。
八尋は吉武の後ろに立ったり、手をとったりとモーションをかけている。
それにどぎまぎする吉武。

窓から派行ってきちゃう石丸くんとか、新聞部の加古さんとか、脇役がいい感じ。

そのうちに、新聞に連載していたのが八尋で、それは昔の春沖洋介という名を使ったものだと分かる。しかし、資料を調べている内に、それは実在の人物で、二人は過去に想い合った二人の生まれ変わりだと分かる。

しかし、前世にとらわれずに、現世の二人としてめでたく恋人同士に。

早寝電灯さんの作品は好きで作者買いしていますが、この作品は少し分かりずらかったかなと思います。

1

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