初恋をずっと忘れられないアッパーミドル×黒い噂のある羽振りのいい経営者 1929年――享楽的な街・ニューヨークで、男たちは刹那の快楽に溺れる。

こたえてマイ・ドリフター

kotaete my dorifutā

こたえてマイ・ドリフター
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神130
  • 萌×247
  • 萌19
  • 中立10
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
35
得点
905
評価数
207
平均
4.4 / 5
神率
62.8%
著者
大島かもめ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784796415996

あらすじ

――享楽的な街、ニューヨーク。
景気のいい自動車業界で働くエリオットは、知人の主催する新年パーティーで、
初恋の子に似た黒髪で黒い瞳のロバートに一目惚れをした。
その後高級ホテルで再会し、意味深なロバートの視線をきっかけに情熱的な一夜を過ごす。
――ロバートが長期滞在するホテルの一室で彼を抱くようになり数カ月。
ドラッグストア経営者だというロバートは、やたらと羽振りが良く非合法の仕事で荒稼ぎしているらしい。
それでもエリオットは、たとえ彼が裏で何をしていようと、
淡い恋の甘い疼きを味わいながら楽しめればそれで良かった。
しかし、世界を狂わす過酷な運命が二人を引き裂き――?

表題作こたえてマイ・ドリフター

自動車業界勤務
ドラッグストア経営者

レビュー投稿数35

不憫受け。そして大島かもめ先生天才。

初恋をずっと忘れられないアッパーミドル×黒い噂のある羽振りのいい経営者
って帯にありますが、わざとこういう書き方したのかな?
不憫受けです!!!

すっごく良い、

攻め視点で物語は進んでいくため、
恋愛にたいして淡白な受けに、弄ばれる攻め、みたいに前半見えるのですが、

受けがめっちゃピュアなんです。
そして受け(リンチェ)は攻め(エリオット)を好きすぎてる。

受けの気持ちがわかった時、泣きました。何回か泣きました。

エリオットのことを絶対に否定しないリンチェ。
エリオットとの思い出だけを心の支えに生きてきたリンチェ。
幼い頃の思い出をエリオットに汚されて怒って出ていくけれど、追いかけられると、あっけなく戻るリンチェ。
リンチェがエリオットのことを好きすぎる。

エリオットもリンチェのことを大好きなラストに胸がしめつけられました。
大島かもめ先生天才。




1

文句なしの神作でした。こんなに眼福でえぇんかな

「受けの過去がキツイので苦手な人注意」みたいなレビューが多かったので尻込みしてましたが、「オフステージラブサイド」があまりにも良かったので、やはり本作も読まねばと思い去年の11月に読破。

いや~本当にかもめさんの絵柄は欧米人キャラに合いますね。
前述作や「コントラディクト」と違って、大人っぽいイケメン2人のスーツ姿やタキシード姿、ハット姿、バスローブ姿に加えて、さらに美しい裸体も思う存分堪能できて、え、私最近なんかデカめの功徳積んだっけ?と脳内若干バグるぐらいの眼福を堪能。
特に目と指だけで表せる表情描写がすごい。
饒舌で、色っぽい。
かもめさんギャグもちゃんと健在。

でも人種差別や禁酒法、マフィア、大恐慌などが関わってくるシリアスなお話で、5話でギャー!どうなるん?!心臓バックバク。
まるでハリウッド映画を観ているようでした。
ラストが…という方もいらっしゃいますが、私はあのラストはちゃんと希望が持てるラストで納得でした。

大島かもめさん好きならぜひこれは読むべきです。
既読BL作品のベスト5に入ると書かれてたレビュワーさんがいらっしゃいましたが、大いに納得です。
試し読みが35ページもあるのでぜひ。

0

もう大事なものを見失わないよね

 ストーリーは神でした。大島先生の美麗な絵で時代もの且つ異国ものの話が読めて嬉しいです。今でも根強い白人社会でのアジア系差別を受け、一度落ちたら這い上がれない超資本主義社会で幼い頃から生きてきたリンチェ。序盤ではそんな幼少期を過ごしたとは思えない堂々としたエリート男性の振る舞いを見せていて、あそこからここまで成り上がってきたことは素直にすごいなと思いました。

 リンチェの父親も彼にとっては呪いとなってしまったけれど、多分に同情の余地がある人でした。恨みを罪のない人、ましてや子供に向けることは許されない。でも、それだけ当時受けた人種差別が彼の心を強烈に破壊してしまったんだなと。それを踏まえた上で、父親の罪とリンチェは無関係だし、リンチェの振り下ろした刃には正義も込められていたと強く思います。安全地帯から危険地帯に住む人に施すことは偽善でしょうか? 当人たち次第ですよね。リンチェがエリオットの訪問に幸せを感じていたなら誰に責められる理由もないでしょう。社会の闇、人の心の闇が丁寧に描かれている分、正直BL面や甘さは物足りないと感じ萌評価にしましたが、二度と手を離さないと決めたエリオットが最後も迎えに来てくれたので、これから長い愛の逃避行を楽しんでほしいと心から願います。

1

時代もあるよね

ようやく読みました。相変わらず絵がお上手ですね。

何年たってもどんなになっても何をしていても忘れられないんだなあ。
苦い記憶とともに…。

マジョリティの白人とチャイナタウンの父子家庭の混血児。しかも親とは言っても…な。
こういう時代もあったんだよな。東アジアの人の勤勉さは白人には疎ましいんですね。

持てる白人の子供が出来る範囲で混血児に…。施し?友情?

這い上がってのし上がって(泣)
株一筋で生きてくところで嫌な予感がしましたが。

もう結局お互い愛さずにはいられないんだよ。どうなったってどんな人生になったって。幸せな破滅の道連れですね。

2

裏表紙を表紙にしてほしかった

ストーリーも最高なのですが、作画!
1929年のアメリカが舞台なので当時のファッションがかっこいいです!!
撫でつけた髪や、スーツ姿に帽子。
作画にうっとりするってこういうことなんだと実感しました。

ストーリーもとても良いです。

1

しんどい。。。。

1929年ったら世界恐慌。

初めて読んだときは、帯に「享楽的な街・ニューヨークで、男たちは刹那の快楽に溺れる」とあるので、アメリカ社交界のお洒落な男たちによる刹那な恋から、不安定な社会状況に揉まれつつも真実の愛に目覚めるみたいな話かなーと予想していましたが…

私の予想なんて甘ちゃんだったわ……。
予想をはるか彼方に着地した終わり方に、まじか??と。
不安定な社会状況に揉まれるなんてもんじゃなかった……。

基本的に光の腐女子なので、みんな幸せではっぴっぴ〜♪とか、いつまでもいつまでも幸せに暮らしましたとさ!ちゃんちゃん!みたいなのが好きなんです。

だから、こういう作品には耐性もあまりないし、うーわーーー………!!とどんよりしたのも事実。

でもただの鬱展開とか胸糞展開ではなく、一貫として大島さんの美学が感じられるところがいいですね。
最後の窓で終わる見せ方があっぱれというか、あそこがあるから萌萌評価です。あの終わり方だけ採り上げるなら神でもいい。
日陰者かつ死なば諸共なだけではなく、あの窓があることによって彼らのこれからの人生にささやかな光が入る瞬間もあるんだろうなと僅かな希望を抱くこともできる。
あれがなかったら、萌〜中立だったかもしれない。

大島さんの作品、全部読んでるけれど(作家買いしてるつもりはないけれど、結果的に全部読んでる)作風が幅広いですねぇ〜。
メリバっぽい今作の次は、アイドルものだったし。

次作も楽しみです。

1

海の見える家

冒頭の「1929年6月」で幸せな展開は望めないだろうなと分かる作品。表紙や中のカラーページの華やかさで上げられて、即落とされる。このタイトルにした理由も謎。刺さる層にわざと届きにくくしてるのかってぐらい、見える部分の擬態が強い。数ページめくれば登場人物が株とか言い出すからたまったもんじゃない。暗黒前夜だぞやめてくれ。家族があるんだろアーサー…!!!
大島先生の作品は雰囲気こそ淡々としているものの、暗くはない印象だから意外だった。こういう漫画の主役はカナッペとりすぎたりしないんだよ…!!!ほんと大島先生の緩急のセンスは謎である。いつもなら嫌いじゃないんだけど、手放しに喜べる展開ではない(というか最早胸糞作品ともいえる。)作品にはシュールなタイプの笑いは求めてなくて。
このまま2人野垂れ死ぬのかな…いっそそこまで描いてくれ。

0

想像を超える重いストーリー...!だからこそ心に残る

1話目は、やたら色気あるいい男2人の大人の関係、萌えるぜ!と思いながら読んでいたら、まさかこんな過去があったなんて、まさかこんな重いものを背負っていたなんて...

重くて仄暗いストーリーですが、二人の間にある愛や恋は本物で、でもだからこそ上手くいかないとこもあって...

とにかく、読み終わったあともしばらくこの作品の余韻に浸っていました。

どんな世界でも、どんな人生でも、ただお互いがいればいい。
そんな2人の映画のような物語でした。

1

罪を背負って生きていく

これは・・・メリバ、ですかね??

優しい雰囲気の大人の恋物語かな?と思って軽い気持ちで読みはじめたので衝撃が強いです。過去も現在も未来もずっと薄暗い・・・光属性にとっては読んでいて息が詰まりそうになる一冊。

アメリカの上流階級?に生まれた白人と、中華系の父と不本意に孕まされた白人の間にできた混血児。もうこの時点でだいぶダークなのに、マフィア、殺人と・・・。

二人の関係性は、甘い瞬間もあるのですが、手放しに萌えるのは難しかったです。これを切ない、萌える、と感じられる方にはたまらない一冊だと思います。

全体的な描写などは素晴らしいと思うので、萌ではなくその技量に加点したく、中立です。

2

美しい青色でありますように

風と木の詩の昔から生活基盤が安定しないと
どんな大恋愛も関係性がじりじり変容し破綻にむかうのは
世の常なのだなあと物悲しい気持ちになりました
エリオットよりよほど酸いも甘いもかみ分けていたであろうリンチェが
初恋に足を取られて身を滅ぼしたのが哀れです
死の間際に幻相手に海の天使城に連れてかえってと言った少年の終りとは違い、リンチェは恋人の用意した家に二人で帰っていきます
平坦とは言えない逃避行、疲弊と諦めと後悔が繰り返されるのはなんとなく予見されますが、とはいえ傷つけあったり赦しあえるのも生きていればこそ
メリバかなあと思ったけれど意外と救いのある話なのかもしれません
子供の頃に夢見た家とはかけ離れていても窓から見えるちっぽけな海が
せめて美しい青色であることを祈らずにはいられません

3

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