踊る阿呆と腐れ外道 (上)

odoru ahou to kusare gedou

踊る阿呆と腐れ外道 (上)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神116
  • 萌×226
  • 萌14
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
20
得点
729
評価数
164
平均
4.5 / 5
神率
70.7%
著者
あかねソラ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人uno!
発売日
電子発売日
価格
¥670(税抜)  
ISBN
9784801971974

あらすじ

時は大正。千代森家の養子である伊月は、
裏では旦那さまの環と夜毎淫らに交わる情夫。
世間から家督目当ての“お寝子さま”と称されようと、
忠実な付き人・芳野に支えられ、
頭と体で千代森家を己のものにしようと強かに生きてきた。
ある日、環が毛嫌いする結城子爵のパーティに招かれるが、
伊月の秘密を知る医者に薬を盛られ快楽地獄に落とされる。
興奮がおさまらず密かに想いを寄せていた芳野に慰めを乞うけれど…


【収録作品】
踊る阿呆と腐れ外道 第壱話~第肆話
幕が上がった日(あの日、私に芽生えたものは…)[描き下ろし]

表題作踊る阿呆と腐れ外道 (上)

芳野英一朗,伊月の付き人
千代森伊月,杖つき様と呼ばれる千代森家の養子であり情夫

同時収録作品踊る阿呆と腐れ外道

千代森環,千代森家当主・伊月の養父
千代森伊月,千代森家の養子・環の情夫

同時収録作品踊る阿呆と腐れ外道

医者(モブ)
千代森伊月,杖つき様と呼ばれる千代森家の養子

その他の収録作品

  • 幕が上がった日

レビュー投稿数20

大正×耽美な世界観が堪らない(;///;)

愛憎浪漫譚。
タイトルのインパクトに反して純愛にやられました。
すっっっっっごい良かった……(;////;)

葬らなければならない恋心。
内に内に秘める心が燻り黒く流れ出す。
歯を食いしばって耐えて耐えて……。
時代背景が重なって昏い昏い影を落とす。

刹那的な時間がとても切なくて、すれ違いが痛々しくて、
めっっっっっっっちゃ萌えました(;////;)泣・泣

4人の男の因果と執着が絡み合って、
でもその中に浮かび上がる純愛が堪らなかった。
そして下巻では非常にやるせない気持ちが募ります。

ちなみに私のイメージと違った点は、
義息を愛人にするなんてキモいおっさんかと思いきや
下巻表紙の長髪男性が父親でビックリしました。
普通に見目麗しい父親なので歪な関係が耽美的な美しさに映りました。

さてさて。

主な登場人物は4人。
・千代森家に拾われ育てられた[伊月]
・千代森家で働き伊月の付き人[芳野]
・千代森家の当主で伊月の養父[環]
・環の旧友で子爵家[結城]

ストーリーはあらすじにもあるように
千代森家に拾われた孤児の伊月は義父・環の情夫をさせられています。
付き人の芳野がいつも傍にいてくれることで唯一の安らぎを得て、
いつか必ず家を乗っ取ろうと強かな一面も見せます。

本当に恋心を寄せる相手は芳野。
口に出来ぬ想いを抱えたまま父親に抱かれる。
芳野に情事の声を聞かれ、事後の姿を見られる。

伊月:「お前にだけは…こんな姿見られたくない…」
と顔を伏せる伊月が切なくてシンドイんです!!!!
(そんでめっちゃ萌えちゃうのよ…腐女の業なのよ…)

伊月視点だと芳野は淡々とお世話しているように見えるんですが、
芳野視点に切り替わると全く違うってのも(鉄板ですが)そそられますね…!
家の主(環)に対して口汚く諫めるのがカッコよきです。

芳野は伊月に惹かれ、あまりの愛らしさに自分を制御出来ない衝動に駆られながら
自分の心を「殺せ、殺せ」と言い聞かせる。

そんな中、肉体的接触をするキッカケが出来るのですね。
もしかしたら通じ合えるかもしれない、
1度でいいから好きな男に抱いて貰いたい、
と伊月は期待をし、芳野も応えようとするんですが…。

それが両片想いのすれ違いを生むのがまぁ~~~~~シンドイ。シンドイ。
芳野に抱いて貰えなくて傷ついてる伊月が痛々しくて、とにかくシンドイ。

ここも少し難しい所でして…。
伊月はずっと子供の頃から父親に抱かれているから、
逆に言えば父親好みに仕上がっている身体なんですね。
でも伊月自身はそれを自覚しておらず芳野を苦しめる。

芳野:「アンタを抱いているのは俺だ!!!」
これはキツかった。。。
伊月を責めたってしょうがない話しだし、
だからといって芳野の嫌さもわかる。。。

好きで好きで求めても傷つけ合って。
好きで好きで求めた結果すれ違って。

2人が拗れてまくってるタイミングで
父親の環が"伊月は俺のモノ"と牽制するのもゾワリ。
上巻では環は何を考えているのかわからなくて時々人形みたいな無感情さが怖かった。
(個人的にラストページはホラーだったわ…)


描き下ろしは7P。
芳野視点の過去回想。
最初は伊月を小馬鹿にするように呼び捨てしてたけれど、
"伊月様にお仕えしよう"と忠誠心が芽生えた瞬間のお話。
些細なことが本当に嬉しかったんだなぁとジンワリ温かくなりました。

10

余韻が長く感じられる作品

絵がとっても見やすいです、物語も時代があるので世界観がとても素敵なお話でした。
きゅんとできるし、しっかりお話として満足以上の感覚を得ました。
何より登場人物を好きになれますし私は1週間ほどこの作品の余韻がとれませんでした(笑)
登場人物の気持ちも辛いほど伝わってくるので本当に購入して良かったと思います。言葉選びが時代に合った素敵な言葉になっていたりするので絵と文章を見るとこの世界に産まれてみたかったなあとつい考えてしまいました·͜·
儚く綺麗に描かれたお気に入りの作品です

9

読まないと人生損

あかねソラ先生の作品は本当に 優しい地獄 が似合う作品です。
環の台詞ひとつひとつが本当に胸を打たれ、特に下巻は涙無しでは読めない作品です。
1番印象に残っている台詞の 「流産だ」 は本当にこれでもかと涙が溢れましたし 妊娠するわけないと頭では理解しているのに中のものを出したくなくて腹痛に耐えようとする環の姿にも涙が溢れます。ただただ環には素直に、幸せになって欲しいという気持ちが強いです。
もっと沢山の方々に本を手に取ってもらい読んで欲しい作品です。
この作品に出会ってから私はソラ先生の地獄で生きてます・・・・・・
環と結城メインのお話の続編も決まってますのでこの機会に 踊る阿呆と腐れ外道 是非呼んで頂きたいです!!

6

王道のストーリーではありますが

「大正」ってロマンがあるよね…。
目まぐるしく変わる激動の時代。
階級制度。
経済格差。
個人的にすごく萌える時代で、思わず今作品も手に取りました。

初読みの作家さまでしたが、いやー、こんなに素晴らしい作家さまを読み逃していたとは。とても素晴らしい作品でした。




千代森家の養子・伊月は見目麗しい青年。
が、その実情は千代森家当主の環の情夫。子どもの時に拾われ、そのまま環に抱かれるようになるが、いつか千代森家を乗っ取ってやろうと画策しているガッツのある青年。

そんな伊月には想い人がいる。付き人の芳野だ。
けれど主人の愛人と奉公人という関係の2人には大きな壁があって…。

まあ、バッサリ言ってしまうとよくあるお話というか。既視感ありありのストーリーではあるのです。あるのですが。

伊月と芳野の感情の機微の描き方が実に緻密で繊細に描かれていて、彼らに感情移入してしまう。
お互いに愛してはならない人なのだと。
自分が想いを告げてはならない人なのだと。

そんな二人の一途な愛情がきちんと描かれていて、さらにそれが上滑りしないストーリー展開。めっちゃ良い…。

で。
この二人の関係を引き締める存在として描かれているのが、彼らの主人である環。彼がまたいい味出してます。

「良い人」として描かれてはいません。
時にひどく伊月を抱きつぶし、経済的に恵まれている人ならではの傲慢さも持ち合わせている。けれど、その表情とは裏腹に、彼の孤独とか愛情も透けて見えるんです。その魅せ方がとってもお上手。

だからこそ、伊月と芳野は、お互いに想いながらも環のもとをあっさり逃げようという思考にならず、ストーリーに奥行きがある。

実際、飢えるほどの貧困から抜け出すことができたのは環のおかげであり、そこに環の想いも見えてくる。単にきれいな男の子を侍らすだけであるならば、伊月に、そして芳野に固執する理由は環にはなく、別の人間と入れ替えることも、環には可能なわけで。

そんな三人の思惑が絡み、読んでいてすごくドキドキした…。

ただ、伊月がモブレにあうシーンがあります。苦手な方は注意が必要かもです。

王道のストーリーでありながら、萌えがぎっちり詰まってる。
文句なく、神評価です。

3

下巻のラストがとてもよかった

二人の物語だと思っていたら四人が主役の物語で、こうゆう感情が交錯するお話とても好きだな。表紙の構成がそれぞれのカップルのダンスしているシーンなのが素敵!黒と赤のなにかぞくっとするような印象の色使いもよい。絵が可愛くって気品があるんだけど、最中に受け君の肩とか膝とかとにかく全部真っ赤になってるのが可愛かった。ネタバレになってしまうので詳しくは言えないけど、下巻の最後の切ないやり取りは印象的な表現で素晴らしかったし、こうゆう感情になりそうだなと強く共感した。

3

上・下 巻 セットで最後まで読んで欲しい。

個人的に下巻がたまらなく良いです。
1番好きな作品ですね。

1

すごい…

あかねソラ先生の作品は『未来圏で愛を紡げば』を前に読んでいて
そこからはかなり違う世界観っぽいなーと思って購入しました。
同じ作家様がこうも違うお話を描くなんてすごいなーという感想です。



時は大正。大正浪漫です。
それぞれの思いが交差して雁字搦めになって
辛くて切なくて、でも愛しくてなんか色々大変な感情になりました。

上巻のみだと最後の終わり方に不穏さしか感じなくて
果たしてこの二人に救いがあるのか心配になりました。

どうなることが救いなのか…なんか難しいなぁ…。
でもすごい作品だな…と思いました。

0

ただただ綺麗

情夫になることになってしまった伊月にこの言葉で表現するのはどうかと思いますが、ひたすら綺麗でした。

もともとビジュが私好みというのもありますが、芳野に自慰をしてもらったあとの月夜を背に踊っていたシーンがとても綺麗で息を呑む美しさでした。あれは昼間に見た芳野の踊りを思い出して、自分と踊っているようにしていたのかなと個人的に思いました。


伊月も芳野もお互いが好きで、両片思いのような状態でした。
伊月は自分には抱くことしかできないと思っており、一方、芳野は伊月を抱くものたちと一緒になりたくなくて抱かずにいました。
結局は上巻で、お互いの気持ちが通じ、結ばれることになりましたが、このお話はこの2人の話だけではなく、結城子爵と千代森の2人の話でもあるのかなと感じました。

それは下巻を読めばわかるので、楽しみです。
さっそくこれから読んできます!

0

すべてが魅力的

ストーリー、絵、ページのコマ割り、キャラクター、セリフなどなど、すべてが魅力的な作品でした!

主従関係ってだけでも萌え要素なのに、受けが攻めの抱っこが嬉しくて足が悪いふりをし続けていたり、攻めが受けに酷いことをした奴の指を銃で吹き飛ばすなどなど受けをかなり好きなところだったり、萌えるなっていうのが無理なくらい萌えました。

上巻の終わり方もいいです。紆余曲折あって、心も体も結ばれて、幸せそうに抱き合ってる寝ている場面を、情夫として体の関係がある受けの義父にその場面を見られて、下巻に続くというふうに本編が終わります。
はじまりから終わりまで、何もかもが完璧な作品だなと思いました!

0

個人的ベストBL。もっと評価されてほしい

元々表紙の美しさに惹かれて気になっていたのですが、上巻帯の「好いているだなんて口にはできず、ただひっそりと愛を注ぐことしかできないのです。」という言葉にとてつもなく惹かれ、購入しました。

上巻では主に義父に体を売る養子の伊月、伊月に使える付き人の芳野、伊月の義父で主人の環が、下巻ではそこに環の因縁の相手である結城を加えた4人の心情が複雑に絡み合います。

個人的に4人の中で一番感情移入してしまったのが芳野でした。
元々伊月と同じように旦那さまに拾ってもらった身なので、昔の醜かった自分を見ているようで伊月にきつく当たることもありました(言ってしまえば同族嫌悪)。
そんな芳野でしたが、伊月がこんな自分にも感謝をし、信頼してくれているという嬉しさや、自分の力で事を動かそうとする強かさに惹かれていきます。

しかし、伊月は旦那さまに体を売っています。
伊月が旦那さまに酷いことをされてボロボロになった姿を見たり、見知らぬ男に壊される姿を見たりした時の芳野の表情が…

本当は伊月が自分以外の誰かに抱かれているところを見たくない、と思う芳野ですが、当然そんなことを口に出せない。でも伊月を守りたい。ともがく芳野の姿は鳥肌ものでした。

また、この漫画はモノローグよりも表情でキャラクターの感情を語ります。
大好きな人にこんな姿を見せたくない、でも自分にこれ以外出来ることはない、と自分を嫌う伊月、
大好きな人の前では泣きそうな顔、怒った顔、笑顔…と様々な顔を見せるのに、その大好きな人を傷つける人には冷酷な顔しか見せない芳野、
大好きな人が自分から離れていくのが怖くて酷いことをしてしまうけど、本当は大好きな人の幸せを心から願っている環、
大好きな人を想うあまりどんどん「酷いやつ」になっていく結城。
それぞれの想いが交錯する、圧巻のストーリーでした。

肉体的にも精神的にも痛々しいシーンが多い作品ですが、それすらも美しい。

タイトルに「踊る」とあり、上巻下巻それぞれダンスしているそれぞれのカップルが表紙になっていますが、作中でもダンスシーンが何度かあります。

一回目は、伊月が月明かりの中芳野を想って一人でワルツを踊るシーン。
二回目は、想いを通じ合わせた伊月と芳野がパーティーで幸せそうに踊るシーン。
三回目は、足が不自由な環を「足を踏んでも構わないから」と結城が誘って踊るシーン。

このダンスシーンもそれぞれの気持ちが伝わってきて、とても美しい大好きなシーンです。

最初から最後まで作画もとても綺麗でしたし、個人的には文句のつけどころがない。
間違いなく人生で出会った中で「一番」の作品です。

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