踊る阿呆と腐れ外道 (下)

odoru ahou to kusare gedou

踊る阿呆と腐れ外道 (下)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神138
  • 萌×215
  • 萌12
  • 中立4
  • しゅみじゃない14

--

レビュー数
30
得点
790
評価数
183
平均
4.4 / 5
神率
75.4%
著者
あかねソラ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人uno!
発売日
電子発売日
価格
¥670(税抜)  
ISBN
9784801971981

あらすじ

千代森家の跡継ぎ・伊月と付き人の芳野は、
身分差とすれ違いを乗り越えやっと心と体を繋ぐ。
しかし、その関係を知った旦那さまの環は激昂し、
2人の仲を引き裂こうと伊月と芳野をひどく痛めつける。
それでも互いを想い合う2人の姿に心が千々に乱れた環は、
家督を譲り田舎生活を始める。
そこへ、因縁の相手・結城が現れる。
幼い頃、真似事のように未来の契りを交わした環と結城は、
身分違いで同性という壁に阻まれた過去があり…


【収録作品】
踊る阿呆と腐れ外道 第伍話~第玖話
ラストダンス(やわらかい日差しの中で)[描き下ろし]

表題作踊る阿呆と腐れ外道 (下)

芳野英一朗,伊月の付き人
千代森伊月,杖つき様と呼ばれる千代森家の養子であり情夫

同時収録作品踊る阿呆と腐れ外道 (下)

結城子爵,環の幼なじみ
千代森環,千代森家当主・伊月の養父

その他の収録作品

  • ラストダンス(やわらかい日差しの中で)【描き下ろし】

レビュー投稿数30

もうだめだ…

涙腺、死んだ…。

伊月と芳野が通じたことを環が知ってしまった場面で終わった上巻。
下巻は始まりから壮絶でした。

芳野に対する折檻の合間に差し込まれる環の過去が悲しい。
好きだった男。
一緒にいたいと願った男。
その男が違う女性を娶ってから、孤独の中にいた環が見つけた一縷の望み。
それが伊月だったんですね。
もっと大事にしていれば。もっと愛を注いであげていたら。
もしかして望んだ未来があったかもしれません。
でも結局上巻で見た通り、環が伊月に示したのは過去の男に注いだ愛情のかけらも感じられないほどの無関心だけだったように感じてしまう。
その男と似たような姿に育っても、その男ではないという虚しさから?
そのせいだけとは言いきれないけれど、芳野に気持ちを向けてしまった伊月に、絞り出すように告げる懇願が悲しくて、涙なしには読めませんでした。
お互いを庇い合う2人を前に、怒りをぶつけるしかない環を見ているのがつらかった。

自ら命を絶とうとした伊月の構えた銃で環が怪我をしたのが、出会った日に伊月が轢かれたのと同じ左足というのも興味深いです。
主人公の左足が不自由という文学作品の論文を書いたときに調べたのですが、足は「現実」「立場」「男性」などの象徴で、足が悪いふりをしていた伊月は「立場」を守るために「男性」である自分を押し殺して抱かれていたのかなとか、環は隠居という形で結城のいる「現実」から逃避して…って、さすがに深読みしすぎですね。

環が退いたあと、家督を継いだ伊月が屋敷でパーティをする場面がまた素晴らしい。
何の憂いもなく楽しむ招待客に混ざって、芳野に手を取られて2人で踊るシーン。
上巻でひとり踊っていた伊月のシーンは、このための伏線だったのか、と。
鳥肌が立ちました。

場面は打って変わって、軽井沢の別荘で隠居生活を送る環のもとへ、結城がやってきます。
ここからが本番だったんですよ、みなさま!
もうずっと涙が止まらなくて画面は見えにくいし、だけど先は知りたいし、でも知るのが怖いし、どうしたものか分からない状態で何とか読み進めました。

幼い頃の出会いから、現在まで。
環と結城、両方の視点で知ることができます。
知りたくなかった。つらすぎる。
この時代の家というものがどれだけ重いものかは計り知れないけれど、こんな運命なら出会わなければ…と思ってしまう。
でも出会ったから、今まで生きて来られたんだなとも同時に思う。
自分だけが耐えているようなつもりでいた結城には腹が立つし、この期に及んで会いに来るのにも腹が立つ。
だけど結城にはそういう生き方しか用意されていなかったんだよな…。
時代と言ってしまえば時代のせいだし、家のせいだと言ってしまえば、そんな家に生まれてしまったことを呪うしかないけれど、どうにもやるせなくて。
現代に置き換えてはいけません。
そうすると、結城が社交の場と東京では良い夫と良い父を完璧に演じて、愛人のもとへ足繁く通う下衆野郎に見えてしまう。
時代を変えなくても同じか!
だけど…、環がしあわせそうなんですよ、本当に。
過去を思うと、もっとちゃんと陽の当たるところでしあわせになってほしかった。
でもこれが当時の2人に許された最大のしあわせなんでしょうね。
本編の描き下ろしも環の健気さが際立っていますが、電子限定描き下ろしもこれでもかというくらい切ないです。

つらい。
鼻をかみ過ぎてガサガサです。
鼻セレ◯のような柔らかいティッシュを用意して読んでください。

35

儚くて綺麗

全体の感想として、上巻のレビューでも書きましたが、下巻も"綺麗"という感想です。
ですが上巻とは異なり下巻では儚さを伴った綺麗さがありました。


下巻は千代森視点のお話でした。

自分のものに手を出したとして、千代森に折檻されているという痛々しいシーンから始まります

芳野も伊月もお互いを思い、自分の方を罰してくれと懇願する姿は愛でしかないんだと痛感しました。

千代森は愛してやまなかった相手と生涯を共にすることが叶わず、寂しく、虚しい日々を過ごしている中で、愛しい人に似た伊月と出会いました。

千代森の中で伊月に求めてもらえることは結城に求めてもらえることと同義だったと思います。
だから、自分とは違う相手と幸せになろうとしているのが、再び捨てられたようで、苦しくて、伊月を責めている言葉は、結城に向けて叫びたかった言葉のように感じました。

その後いろいろあり、千代森は田舎に、伊月は家督を継ぎ、芳野はその元で支えるという展開になりました。

(静岡にいこうと芳野に誘われた時の伊月がただただ可愛いかったです、、、
また、主人だったためというのもあると思いますが、両思いになれてからは芳野の後ろに隠れたり、笑顔が無邪気で、年相応の行動がみれて幸せでした、、)

田舎で暮らしていた環の元には忘れたくても忘れられない結城がやってきて、2人の視点からの回想シーンが見れます。

環の視点の回想シーンで、環に感情移入をしすぎて、結城が子供が産まれたと伝えにきたことがとても腹立たしく感じました。なぜ、わざわざ直接?爪剥ぎをした仲で、お互い言わずとも少しはわかっていたのでは?また環を傷つけるのか?と。

でも、結城視点の回想シーンで、先に想いを募らせていたのは結城の方だったと、一目惚れだったとわかりました。

子爵の家ということもあって、同性愛は受け入れられず、子供を成すことが使命という当時の考えがひしひしと伝わってきました。

環を傷つけた 君も幸せになってくれ の言葉は環と幸せになれなかったことを押し殺して伝えたことで、環を忘れたことは一度もなく、これまでずっと好きだったことも知れ、パーティーを開くため開いた名簿にある、環の名前を見て、責務を果たせたことから心が緩み心の中で本音が吐露されていくシーンで、本当にお互いがお互いを思い合っているのに、結ばれることができなかった2人をみて苦しくなりました。

その後、結城の子供の写真を見たあと、やっと伝えることができた環の想いに涙が止まりませんでした。

2人の子供を作ろうという結城の提案に馬鹿げているとは分かっていても、それに縋りたい環。
お腹が痛くても、出したくないと繰り返す環は愛らしかったです。

流産だったという環の言葉に結城は初めて言葉で環に想いを告げて、子供がいなくても2人きりでもきっと楽しいという結城の言葉は夫婦のようで、2人が何もしがらみもなく結ばれていれたらよかったのに、と酷く思わせる言葉でした。

結城は妻子持ちで、仕方のないことといえばそうなのかもしれないけど、結局は不倫になってしまうため、腐れ外道なんだろうと思い、辛い運命だと感じました。

17

難しい!でも好きです!


上下巻一気読みしました。
絵が綺麗でモノローグも美しく、お話としての完成度がめちゃくちゃ高いです。

上下巻通して痛々しい部分はあれど、伊月と芳野はハッピーエンドを迎えられて本当によかった。
濡れ場の描写がとても綺麗で最高でした...!


さて、もう一つのカップル、環と結城のお話ですが、多分ここで評価分かれるんじゃないのかな...?と思います。
政略結婚とはいえ、攻めが子供までできた上の不倫エンドは他作品でもなかなかないんじゃないでしょうか。
言葉にしてみれば結城サイテー!で終わるし正直今レビューを書きながら思っています。
この二人の恋を正当化することはできません。
おそらくそれは環が一番分かっているんですよね。
でもこの時代の政略結婚にどうやって立ち向かえばよかったんでしょうか。
どうやったって正しく幸せになんてなれなかったのではないかと思います。

離婚するor二度と会いに来ない、が物語として綺麗に終わる落とし所なのだと思うのですが、その結末をどうしても選べない、二人の想いの強さがよく伝わってきて、私個人としては好みでした。
でも環はきっとこれからもずっと辛いね...どちらにせよ地獄です。結城は地獄のような男なので.........
これから先この二人がどうなるのかはわかりませんが、神のみぞ知るということで。

芳野と伊月の話のみだったら萌2だったと思います。
後半二人の挑戦的な結末を評価したくて神評価にしました。

好みは分かれると思いますが、私は好きです。

14

控えめに言って最高。

『踊る阿呆と腐れ外道』の下巻。
同日発売になりましたが、上巻だけ買ってくると後悔すること必至です。上下巻まとめて購入されることをお勧めします。

ということでレビューを。

上巻で決着がつかなかった伊月と芳野の恋ですが、今巻の序盤で彼らの恋の結末が描かれています。

描かれていますが、今巻のキモは、彼らの主人の環のお話がメインといえるでしょう。

環が、伊月に固執し、愛した理由。
それは彼の哀しい恋の経験が理由だった―。

上巻に引き続き、環の恋のお話も既視感ありありの王道のストーリー。
ですが、環のお話もめっちゃ萌えた…。

階級制度が存在していて、身分差がある時代。
男同士であるという禁忌。
子を成し、「家」を存続させていかなければならない、その責務。

環視点で進むからでしょうか。彼を捨てた結城(上巻でも登場しています)が外道に見えて仕方がない。けれど、その結城の行動、そしてセリフの一つ一つが、「大正時代」というバックボーンにきっちり合っているんですよね。

だからこそ、「仕方がない」。
そう、環は思うしかなかった。

時代に、そして家に翻弄される男たちの恋の行方に萌え禿げるかと思いました。
愛しているから別れを告げた環の一途で深い愛情に、思わず落涙。

結城、クソかよ!

とバッサリ言えない環が、だからこそ伊月を愛し拠り所を求めた環が、不憫で可哀想で、でも萌えた…。

伊月と芳野のように、何を捨てても二人でいることを選択できたなら。
その二人の描写からの、環の過去の恋の回想へ移行する、そのストーリー展開が非常にお上手で、だからこそ読んでいて萌えが持続しどこまでも高まっていく。

最高か。

で、今作品の素晴らしいところは、ワルツ、そして爪を剝ぐ、といった行為が彼らの感情を端的に見せるツールになっているところかと思われる。

環の過去、伊月と芳野の現在、そして環の恋。
それらを、そういったツールで読ませる。

上巻の序盤でも書きましたが、凄い作家さまだな、というのが正直な感想。
他の作品も読んでみたいと思います。

13

最後までずっと切ない…

上下巻読んで、絵がとても綺麗で、話の構成も分かりずらい表現がなく、すんなりと頭に入っていくので読みやすいですかったです。

メインとスピンオフで、
運命に抗った者たちと運命に抗えなかった者として
対照的なストーリー設定になっていて、

個人的にはスピンオフがメインじゃないかと思うくらいスピンオフの話に魅入られました。

最後の特典の5ページは、結城には環が必要なんだなって再確認させられて良かったです。特典は必読です!

健気受けや、切ない話が好きな人にはオススメです。

11

切なくて素晴らしい神作!

うわー
本当の萌えはこっちにあったかあ。
下巻は最高です。
切なく切なくて泣きまくりました。
うー、思い出すだけで苦しい。

環の寂しさや恋心、そんな光と影が浮き彫りになる回想シーンに胸が押し潰されそうになりました。
他に行き場のない伊月を縛り、自分の寂しさを埋める手段にしようとする環。
芳野に暴行し伊月に縋る様は、見苦しさと共に言いようのない悲しさを感じました。

好きで好きで、狂いそうなほど愛した男──
結城にあっさり捨てられた環の悔しさや虚無感を思うと、こん畜生!とは思えなかった。
環の過去を知ると、伊月を自分から離れないように縛っておきたい気持ちも理解できたから。
環が歪んでしまった理由が悲しくて、一生忘れられない初恋に胸が痛みました。

それでも真実の愛には敵わないし、環の初恋が消えるわけではないんですよね。
今度は環の足が不自由になってしまうところも皮肉めいてます。

そして、隠居して穏やかに暮らす環の元に結城が訪れ、再び心を揺さぶり──

結城の想いも切ないよ。
家のこと、跡継ぎのこと……分かるよ。
でもさー、自分は結婚して妻と子どもを持って、そのうえ環も求めて……って、これは狡いよ。
生えてきた爪を剥がす様な行為だと思っちゃったんだけど。

それでも結城に抱かれて幸せを感じる環に、泣けて泣けて仕方がなかったです。
「子どもをつくろう」
「流産だ」
穏やかに微笑む環が切なくて、見ているだけで苦しくなった。

電子限定の描き下ろしかな?
結城に別れを告げる環がまた切なくて、それに対する結城の答えは……うーん、やっぱり狡いよ。

ハッピーエンドではないと思うし、環にとっては地獄の始まりかもしれない。
それでも、美しい絵とレトロな雰囲気にうっとりさせられる秀作。
慣習を破ってまで自分たちの幸せを追求しないところも美点なんでしょうね。

「踊る」にかけたダンスシーンが何度も登場するところも美しく、非常に素晴らしい作品だったと思います。
すでに続きが読みたい……環に幸せあれ。

9

読まないと損。※ネタバレ含みます


以前から気になって、このサイトで読んだ訳では無く単行本を購入したのですが、レビューが書きたくなって登録しました。

上下どちらも内容が豊富で絵柄も自分好みで最初から最後まで引き込まれる…そんなお話でした。


※以下ネタバレありです。

上巻では芳野×伊月の身分違いの恋が儚く綺麗だと思った反面、環の存在が大きく2人の間に割って入り邪魔をする立場で正直好きになれそうにないキャラでした。

どうして間に割って入って、邪魔をして伊月にそこまでの執着を見せるのか謎が深まるばかりだったのですが、下巻を見て酷く胸を打たれました。

身を呈して伊月を止め、自分の片足が不自由になったのにも関わらず2人が幸せになれる様な言葉を言った環にその時はこれでもう2人の邪魔をする役割の人が居なくなって良かった。芳野×伊月に幸あれなんて思ってたのですが、その先のストーリーに感動してしまいました。

環の過去の話も芳野×伊月の様に身分違いから交わる事の出来ない2人の話で、その時代だったからこその苦しい描写が描かれていて、本当に辛かったです。

結城視点に移り変わると感動系に弱い私は目から涙が溢れて止まりませんでした。本当は結ばれたいはずの人とは一緒になれず、その気持ちを押し殺したまま違う人と歩んで行かなければいけない。

胸の内所を話せる人などおらず沢山秘密を抱えて生きてきた結城にとって、環が涙を流した時にはもっと早くに言っていたらなんて本当に後悔したんだろうなとしっかり読み取れました。

そして、その先のストーリーでは比喩表現を用いた結城から環への想いを言い放ち、1晩だけでも交わる事が出来たのは報われて良かった。

と思いましたが、結局のところ結城には家族がいて子供も生まれ本当に1晩。誰にも言えない秘密になったっていう事が事実というのがこの時代ならではって感じで…でも本人達が幸せと感じるのなら良かったと思います。

この本はメリバと言われたらメリバかもしれませんが私からすればハッピーエンドと称されても良いと感じました。

他の方が言っていた通り、簡単に読み返せないけれどこの類が好きな人は必ず読むべきストーリーだと思います。

お気に入りの本が増えました!

8

恋を葬らねばならなかった過去(;///;)

下巻です。
こちらでは芳野×伊月の恋の行く末、
すべての起因となる環の恋模様が描かれています。

環のお話は…、
現代に当てはめると嫌悪される方もいるかもしれません。
けれどこのお話の舞台は大正。階級制度。身分差別。
結婚はおろか恋愛すら自由にままならない時代です。
そんな時代に生きた彼等が1度は葬った恋心がひどく痛く、悲しい。

物悲しさが刺さり、個人的にはすごく好きでした。

上巻では環の本心の見えなさが怖かったのに、
下巻では環をギュッと抱きしめたくなる…(;///;)


(上下巻構成だと下巻の感想はネタバレ多めになってしまうのでご注意下さい;)


上巻はホラーなラストでしたが…
うん。やっぱり環は怒り狂ってましたね;

伊月を奪われしまう恐怖で芳野を酷く折檻しながら、
心のどこかで自分の行動に嫌気がさしているようにも見えました。
(個人的には冒頭の「嫌いで嫌いで」自分に対して言ってるようにも感じる…;;)

愛し合ってる2人を切り裂いている自覚はある。
けれど環の心に巣食う淋しさがますます伊月への執着になります。

なんていうか……
環は環なりに伊月を大切にしてたんですよね。
愛し方を変えていたらこんなことにはならなかったんだろうなぁ…と。

芳野×伊月はハッピーエンドです。
(この辺りは結局環の裁量次第ですもんね…)
(環が伊月を手放す瞬間が痛々しくて刺さった(;///;))

上巻がシンドいので結ばれて良かった!って思うし、
1話目の終わりと対比したラストが素敵なんですが……。
も~~~それより環ですよ!環!!!!
ここまで来ると環が哀れで見てられなくて、正直、完全に環に心持って行かれました。

後半は環の恋のお話になります。

恋すら知らない子供時代。
特別で唯一と感じていた結城と密かに契りを誓う男女の真似事をするんですね。
それは幼い環にとって恋心を自覚させていくキッカケには充分過ぎました。
ずっとずっと結城が大好きで大好きで。

けれど青年になった結城は花嫁を隣に置きながら
「君も幸せになってくれ」
と絶望的で残酷な言葉を微笑みながら環に伝えます。

その喪失感といったら…ほんともう…(;ω;)泣
瞬間、環の心が死んでしまったのが…もぅ…!!
(夜明け・黄昏好きさんにこの堪らない萌えよ伝われ)

で、結城の子供時代に似た伊月を拾ったんですよね。
喪失感と執着がすべて伊月に向かってしまったという…。
奪われそうになって激高した理由がここに繋がりました。

次は結城視点に切り替わるんですが、
言葉に出来ない感情がこみ上げて悶えました。

ええ。大切なことなので復唱しますね。↓↓↓
>けれどこのお話の舞台は大正。階級制度。身分差別。
>結婚はおろか恋愛すら自由にままならない時代です。
>そんな時代に生きた彼等が1度は葬った恋心がひどく痛く、悲しい。

恋愛が自由に出来ない時代の両片想いつらーーーーーーーーーー!!!!!(激萌)

環のことが好きで好きで。
でも子爵家の結城には果たすべき責任もあって。

結城の切り裂く感情がワッと溢れるのがすごく悲しい。
許してくれ、会いたい、1度だけでいいから。
この慟哭がめちゃくちゃ刺さった。
時代背景もあり儚い美しさを感じました(;///;)

モノローグがすごく良いんですよ。
詩のように叙情溢れる言葉が切々と綴られててですね。
優しいけれど少し悲しい気持ちになるというか…。
描き下ろしに至るまで"幸せと少しの淋しい"を感じながら涙して読み終えました。

下巻の電子特典は5P。
家に帰る結城へ、環の誠実な想いが語られます。
個人的には結城×環の関係に萌えに萌えたので必読だと思いました。是非。

7

私にとっては

最高の作品でした!

終わり方、賛否両論絶対あると思います。結城が真の腐れ外道で下衆でクズだと思います!!
けど、けど、ずっと環は結城の事を想っていて傷つけられていて辛い思いたくさんしてきていて…でも子供の写真を見て号泣しちゃうシーンではもう切なくてなんて健気なんだと。結ばれた後も、結城のものを出したくないと耐えようとするところも。

そう!私はこういう受が健気で可哀想なBLが大好き。心臓がキューーンってなるやつ。こういうのを探し求めてる!うわぁせつないなんだこれ(T-T)

この一夜の後は離婚の話が出るか、もう環とは会わない展開になるかと思いきや、思いっきり不倫展開でこの後の事も想像してなおさら切なくなりました。環が幸せなら良いけど、結ばれたばかりで今はそれでいいかもしれないけど後々大変な事になりそう。ああドロドロの切ない続きが読みたい。

上巻の芳野と伊月も良かったけれど、下巻を読むと下巻を楽しむための前菜にしか思えませんでした。あくまで私は!!

現実で考えると妻と子供目線で見てしまって本当に胸糞悪い話だし、結城だけじゃなく環も悪者になってしまうけれど…BLはファンタジーなので(笑)もう最高の最高に好みのお話でした!

6

もっとバズっていい

評価は高い割に知名度があまり低いのが本当に謎です。
ストーリーよし、キャラクターよし、絵柄よしなのでもっとバズってもいいと思います。

上巻に続き、芳野×伊月のお話の後に、当主である環のお話があります。私は環の話が好きですね。時代設定とストーリーが宝井理人先生の「花のみやこで」に似ているので、花のみやこで好きな人は好きかも。ただ、本作の方がエロがしっかりあるのと展開が劇的な分切なさがダイレクトにきます。

切ないお話が読みたい方におすすめ。

5

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