イエスかノーか半分か 3 おうちのありか

ouchi no arika

イエスかノーか半分か 3 おうちのありか
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神380
  • 萌×236
  • 萌23
  • 中立5
  • しゅみじゃない9

191

レビュー数
44
得点
2118
評価数
453
平均
4.7 / 5
神率
83.9%
著者
一穂ミチ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
竹美家らら 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
イエスかノーか半分か
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784403524028

あらすじ

局アナとアニメーション作家。
仕事も順調、恋も順調な計と潮だったが、ある日、計に衆議院立候補の噂が立つ。
身動きがとれなくなった計は……?

表題作イエスかノーか半分か 3 おうちのありか

アニメーション作家
旭テレビアナウンサー

レビュー投稿数44

「OFF AIR」の読後だからこそ感慨深い

「イエスかノーか半分か」本編の3冊目。再読しました。
番外編集である「OFF AIR」を1冊目から3冊目まで読んで、もう一度読みたくなったのは「おうちのありか」でした。
潮の実家の全容が明らかになり、囚われの潮を計が救い出すこの本。
初読のときにも大変感銘を受けたものでしたが、「OFF AIR」によって潮の両親のことや計の両親のことが分かった今、また新たな感慨を持って読むことができました。
「おうちのありか」で潮視点から描かれた両親の様子と、「OFF AIR 3」で知り得た若宮夫妻の様子とのギャップ。
太平楽に何不自由なく次男坊を謳歌し、絵を描いて暮らしていた若宮誉と、草木染めに熱中していた花さん。それが一転して国会議員と議員の妻になる。これがどれほどのひずみを二人の心に生み、壊したか。最後に壁にみつけた3つの手形についても、「OFF AIR 3」を読んだ今だからこそ号泣必至でした。初読の時には分からなかったこの感慨。どっちが補完とか関係なく、相乗効果で世界観がより立体的に構築された感じです。
潮が計の前から姿を消し、その喪失に沈んだ計が、自分のせいで潮が潮らしく居られなくなることを怖れて、そんなことなら自分がアナウンサー辞める、とまで思い詰めたところから、アナウンサーで居続けることと潮を取り返すことを決意した一連の流れが大好きです。
その後の、若宮議員と西條に対峙して、喧嘩を買った場面も。
計がかっこよすぎて、可愛すぎて、ますます好きになった一冊。
「OFF AIR 3」のおかげでもっと特別になりました。

0

最高でした…!

今まで語られなかった潮の生家のお話。今まで語られなかったのも分かる、由緒あるご家庭のご子息でした。ただ家の方針に納得いかず、15歳で家を出たというのがまた潮らしくて惚れ直してしまいました。

国江田計という社会的ネームバリューを盾に取られて計と距離をとることを選択した潮。もうこの辺りは泣けてしまいました。自分の背景(実家)が好きな人の足枷になるのではないか、逆に自分の仕事が相手の足枷になるのではないか、同じことを考えて2人が選択したのはそれぞれ違う結末で。自分が足枷だと思う潮を丸ごと救い出した計はホントにカッコ良かったし、頭いいなぁと思いました(その割に頭の悪い感想ですが)。

とはいえ今回の救出劇、一番カッコよかったのは江波じぃでは…というくらい、1巻とは違っていいおじいちゃんでしたね!(失礼承知)

何だか悪役のような潮父でしたけど、彼も究極の選択を言わば脅迫のように迫られた人間で、それを思うと単純に悪役と思えない、そこが日常のリアルな自分の生活とも重なるなという思いです。

誰しも多少なりとも表と裏の顔を使い分け、大なり小なりの選択を迫られながら生きていて、それが失敗とかではなくても小さくかけ違うことで取り返しがつかないほど大きく道を違えることもあって…。そんな自分たちとどことなく重なる部分を多く含むからこそ、胸をつく、心に響くお話なんだろうな、と改めて感じました。これは恋愛やお仕事関係なく、人生という大きなスケールのお話で、繰り返し読みたいお話です。

1

王子さま

可愛いーって何度読んでも思ってしまう国江田さんなのに、めちゃくちゃキラキラカッコいい王子さまな今作。
なんなの!?なんなのこの子!?どうやったらこんな王子さま作り上げれるの!?ってトキメキが止まらない。
エディーマーフィーでもなくテグジュペリでもなく…ならせめてレトルトカレーで販売してくれないかしら。
めっちゃ買い込んでめっちゃ作るのに!国江田星の王子さまカレー!

1

「神」評価以上の評価ボタンが欲しい

くーにーえーだぁぁーー!!(涙)

1巻では何だコイツ…って思ったのに。
性格クソ悪って思ったのに……


国江田が最高で最高、そして最高!
この言葉以上が、私の今の語彙力では見つからないのが悔しい。
夜中に読んでいたので、興奮で寝られませんでした。カッコ良すぎて涙出ました。


これまでは都築に守られているって思っていた国が。あまり言葉にもせずに肝心な言葉かけもしなかった国江田が。
都築を救うため、都築の家に、父親に立ち向かう。この勇ましい姿は都築だけじゃなくて、多くの読者の心に響いたと思います。

都築への想いの深さを感じたシーンでした。
政界の重鎮にも協力を仰ぎ、都築の父親に対峙するための念入りな策の講じようには、震えたし、しびれた…。
堂々としていてカッコ良すぎた…ヤバイ。
特に、都築の家の中で高田延彦ばりに「出てこいや〜!」は圧巻で、大大大好きなシーンです。
アナウンサーだから声の通りが良かったに違いない。


国語の教科書に載せたいくらい良かった!(笑)BL好きじゃない人にも読んで欲しいくらい、素晴らしかったです。

今さらながらにハマってしまった私。
もっと早くに出会っていたら良かったのにと思わずにいられません。

文句なしの神評価です。
でも、心の中では神評価以上。神評価以上のボタンがこれ程までに欲しいと思ったことはありません。それくらいに最高でした。

3

意外な展開にビックリ!面白かったです。

1巻の時点で恋人同士になってラブラブの2人ですが、話が進むごとにどんどん面白くなって目が離せません。

読み始め潮の墓参り+回想で、2巻までの明るい雰囲気とぜんぜん違うので一瞬違う話なのか?とびっくりしました。
そういえば計視点の話が多かったので、潮の生い立ちとか今まで掘り下げられてないなと思ったのですが、まさか政治家の息子だとは思わなくてびっくりしました。

とても読みやすい文章で、登場人物も魅力的ですごく面白かったです。

0

【ネタバレ注意】タイトルの意味深さと、潮について

※ネタバレ含みます。

再(×n)読です。

とにかくタイトルの「おうちのありか」が秀逸です。

孤独に生きてきた潮がやっと手に入れた、潮だけの「おうち」。計にとっても宝物のように大切な計だけの安全地帯。

潮が母の死をきっかけに去った、寂しく冷えきった「おうち」。潮の安全地帯にならなかった実家のお屋敷。

潮は覚えていなくても確かにあった、親子3人笑って過ごした「おうち」。束の間でもあたたかく幸せだった家庭。

それから、
紆余曲折を経て、潮と計が一緒に暮らすことになる新しい「おうち」。
いつでもありのままの息子を愛し、幸せを願う計の両親がいる「おうち」。
若宮誉がたくさんの人の想いを背負って必死に守ってきた「おうち」。
西條がなりふり構わず執着し、支え続ける「おうち」。
・・・たくさんの誰かの「おうち」の「ありか」が描かれてるからこそのタイトルで、一穂ミチさんのセンスに痺れます。

あと前巻で「計の安全地帯(おうち)は潮」だと描ききってから、今回それを一度壊す展開を持ってくるところも好きです。
そうなった時、計はどう行動し、どんな言葉を発するのか…。
ページをめくる度にそこにはものすごく魅力的な国江田計がいました。
一穂先生、流石です…。



さて、私は計も大好きなんですが、潮のことも凄く凄く好きです。
潮の人間性や生い立ちにたまらなく魅力を感じてまして。
一見明るくフレンドリーだけど実は根暗で距離を感じさせるイケメンて、掴み所なくて気になってしまう…。
そんなわけで、一穂先生が本や同人誌で都築潮という複雑な人間を描く度に、潮の性格や生き方に影響を与えた彼の両親のことも考えてしまいます。

本巻で明かされた潮の両親、若宮誉と若宮花はお世辞にも良い親とは言えません。
どんな理由があるにせよ、あたたかい家庭を築くこと、深い愛情で子どもを包み込むこと、子どもの生き方を応援すること、それらを放棄したふたりは親としては酷いし無責任だと思います。
けれど、政治家と政治家の妻であること以外を捨てたはずのふたりが、家族で幸せに暮らした「おうち」だけは捨てられなかったという事実を知ると、その弱さに、愛に、どうしようもなく人間味を感じて憎めないのです。

潮もふたりの本当の「おうちのありか」を知って、はじめて涙を流します。
潮が物心着く前に家族3人で暮らした、あたたかく愛に満ちた「おうち」。誉と花と潮の本当の「おうち」。
それから、運命に翻弄され、若宮の屋敷を「おうち」に変えなければならなかった誉と花の想い。
当時の両親と同じくらいの年齢になった潮が、思いを巡らせて静かに泣く姿は、切なくて胸が締め付けられるようでした。

そんな潮に優しく寄り添う計。
これからここで、ふたりだけの新しい「おうち」を築き上げていく。はじまりの光にさらされながら手を繋ぐ恋人たちの描写が、とても美しかったです。
潮と潮の「おうち」を奪われて深く傷ついても、それでも潮のことを知らないままでいるよりよかったと、潮と共に生きることをけして諦めないと、そう思い行動した計の愛の強さが導いた、心から尊いと思えるシーンでした。

どうか誉と花の分まで幸せになって欲しい。きっと潮のおばあちゃんもそう願って、ここの鍵を渡したのでしょうね…。
切なくも幸せなラストの余韻が素晴らしかったです。
あとがきに代わるSSも、潮と計への愛しさが増すばかりでした。

ちなみに『OFF AIR(3)』収録予定のいくつかの同人誌で、潮と計の両親の馴れ初めや、ふたりがお腹にいた頃のこと、それから潮の心に大きな影を残した母親・花について描かれています。
どの話も計と潮を深く捉える上で興味深く面白いんですが、特に花さんがね、もうほんと色んな意味ですごい女の人なんですよね…。宇宙人の話とか…。この人が潮の母親なのかと思うと、もうねー、、
さすが一穂先生としか言いようがない。
あと、一穂先生のブログで、西條と誉と誉の亡くなった兄・波のSSが読めます。波と誉、西條の奇妙な三角関係(?)もたいへん魅力的です。
親世代の話を読んだ後にもう一度『おうちのありか』を読むとまた違った切なさや感動があるので、おすすめです。

2

啖呵

軒並みの神評価に萌評価のレビューですみません。あえて苦手なところを書いてみる。

1巻のレビューに書いたとおり、何度か読み返してるし久々にまた読み返したら面白いしで、この作品に対する謎の苦手意識はなんだったんだろうな?と思いながら3巻読み出したら、そうでした…この巻が苦手だったんだと思いだしました。だから3巻は読み返した記憶があまりないんだ。

啖呵で物事が解決する作品が苦手で。この相手にソレで解決はしないんじゃないか…って。それで片付くなら最初から拗れてないんじゃないの?と思ってしまう。
例えば、ヤクザ相手に啖呵で切り抜ける話など大変苦手。
計さんの武器は言葉とその地位や人脈なわけですから、その武器で戦うのは真っ当な展開なんですけどね。

そんなわけで、潮さんにも裏の顔があったというテーマや、潮とアナウンサーなら迷わず潮を選ぶ計にそれをさせない潮とか、ラスト付近の雰囲気など好きなのですが、解決方法がどうもしっくりこないなという素直な感想です。こんな人もいるって程度であしからずご容赦いただきたい。

1

計の成長

神以上の評価を付けたいです。
それぐらい素晴らしく、胸がすーっとする作品です。

シリーズ3作品目。今回は潮のお話で父親か政治家でした。私が鈍いからか、途中まで若宮誉が潮の父親であることに全く気づかずに読んでいました。潮の仕事がキャンセル続きになり、何だか不穏な雰囲気になります。
計には打ち明けずにいるのは、心配かけたくないから。でも実家のことも話していなかったので、誉のことを知った計は衝撃。
追い打ちをかけ、潮が離れていく。
あの場面は泣けました。放心した計がポケットに手を入れると鍵。潮の家に行ったら更地。
ホント泣けてきます。
計が可哀相過ぎて。。。でも、そこからの「ぜってーこのままじゃすませねーから」がたまらない!!
計カッコ良すぎです!!
それまで、どんよりしていた雰囲気が、誉との対決?で、スッキリしました。
国江田ではなく、計として自分の頭と立場をフル活用し、誉に挑む姿が勇ましかった。

おうちのありかと言う作品名も、最後に理由がわかり、全てがスッキリです。

1

この二人、そろそろ付き合い始めて2年になるらしいよ


この二人、付き合い始めてもうすぐ2年になるらしいです!
いやぁ、もう2年になるんですね!
なんだかんだ充実した2年だったことでしょう(笑)

さてさて、今回は潮の家族のことがわかります。
国江田さんのおうちの方は、ちょこちょこ出てくるし、同人誌のほうではがっつり出てくるお話もありましたが、今回は潮の家族!

潮はなんと、政治家の家の一人息子だったのです。
潮は、実家に思うところがあって離れていたのに、実家は連れ戻そうと色々してきます。
そのせいで、国江田さんにもストレスがかかることが起きていて…

潮は前に、国江田さんにテレビに出てほしくない的なことを言っていたけど、いざ潮の実家からの色々で、二人の関係が公にされてしまって、国江田さんがテレビに出られなくなるかもしれない可能性が出てきたら、なんだかんだテレビのお仕事が好きな国江田さんのために離れる覚悟をしてしまうんですね。
もうここで、なんでそーなるの!?
と、思ってしまいましたが、ここからの国江田さんがとてもカッコいい(笑)
潮の父親に啖呵を切るところなんか、思わず笑ってしまいました。

今までの2人のおうちはなくなってしまいましたが、また違う2人が帰れるおうちができて良かった。

2

♯大好き以外の言葉が思いつかない

初めてレビューを書きます。
作品の素晴らしさを伝える語彙が足りないのが、非常にもどかしいです。

シリーズ3作目の今作ですが、その中で一番好きな作品となりました。

途中のドキドキ、イライラ、ハラハラはありますが、ラストの多幸感で、「終わり良ければすべて良し」と思わされてしまいました。

作者の一穂ミチさんのあとがきが一言だったのも、思いがこもっていてとても良かったです。
こちらこそ、この作品を書いて頂きありがとうございました。

2

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