イエスかノーか半分か

Name: イエスかノーか半分か
Brand: ディアプラス文庫
Rating: 4.6 (417 reviews)

著者: 一穂ミチ

イラスト: 竹美家らら

出版社: 新書館

レーベル: ディアプラス文庫

レビュー数: 417
得点: 17806
評価数: 3912

平均: 4.6 / 5
神率: 74.9%
: 2932

日々の努力やものづくりに取り組む姿勢などは、「自分も頑張ろう」という気持ちになれる

このBLがやばい！ランキング小説2016年1位、2017年2位、2018年1位受賞作。
このシリーズには、アナウンサー（受）とアニメーション作家（攻）の恋愛を描いた『イエスかノーか半分か』以降3作品（2014年～2016年発行）と、書き下ろしに同人誌や購入特典などを盛り込んだ番外続編『OFF AIR』（2017年発行）、アナウンサー（攻）と製作会社スタッフ（受）の馴れ初めを描く番外編『横顔と虹彩』（2017年発行）が含まれています。今後、番外編の続編『恋敵と虹彩』が発売予定です。メディア展開はCD化のみで、2015年にAtis collection社より『イエスかノーか半分か』が発売されています。
お話の展開は、ラブストーリーの王道ともいえる流れ（良くない第一印象、攻に対して自分の正体や本心を秘密にすること、お互いの気持ちを受け入れてからの初Hなど）にも関わらず、「報道系アナウンサー」というBLではあまり目にしないキャラクター設定により、新鮮な気持ちで読むことができます。
ストーリーの主な舞台は民放のテレビ局で、報道・バラエティー番組に関わるスタッフたちの業界用語を用いた会話や、いかにもありそうな噂話といった現場感が、とてもリアルに作り込まれています。夜の報道番組や格好いい男性アナウンサーを観ると、このシリーズを思い出してしまうほどです。
主要な登場人物は全員社会人であり、それぞれの仕事上のつまづきや失敗後の成長が、恋愛関係の進展と絡めて無理なくつづられています。主人公たちの中堅アナウンサーとしての日々の努力やものづくりに取り組む姿勢など、お仕事小説として読んでも「自分も頑張ろう」という気持ちになれます。
全体的な特徴としては、『横顔と虹彩』の受の台詞以外はほぼ標準語で書かれているものの、特にラブシーン後など章終わりの音感に独特の余韻があります。この作家さんは少年漫画を愛読されているとのことで、台詞にリアリティがあります。特に『イエスかノーか半分か』の主人公目線のお話では、心の声に悪態が多いため、男性言葉が嫌いでなければ面白くテンポ良く読めると思います。

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