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mousukoshi dake, sobani ite
めーーーちゃくちゃ良かったです。
出勤中に読んで、めちゃくちゃ泣いた。何回も読み返したくなる、そんな作品。
お話は同棲中の、コミュ強大型ワンコと事故で下半身不随になった小説家のお話。
BL作品という中で恋愛も入ってるけど、2人が自分のこと、相手のことをどう大切にしてどう生きていくかっていう人生のお話。
素晴らしすぎて、なんてレビューを書いたらいいかよくわからないですが、とにかく読んでみてくださいということだけ、広くお伝えしたい。
本当に良い作品に出会えてよかったです。
ほんとにほんとに辛いけど暖かくて、どんな辛いことがある人たちもみんなこうなれたらいいのにねって思いました。
ここからは超超ネタバレなんですが、、、
自分は今のところ四肢満足で大きな怪我もしたことがないですが、時々死を考えます。
ハルトのようになった場合、同じことを考えるだろうなと思いました。
どれだけ好きな人がいて、好きな人が自分のことを考えてくれても重荷にはなりたくない。早く自分から解放されてほしいと願ってしまいます。
尊厳死の書類がお守りなのはとても納得。
最後にハルトが認知症を自覚した状態でエッセイ完結も諦めたことを明言してスイスに行った描写があったのは、尊厳ある死を選びに行った(お別れする)という描写なのでしょうか。
晃も一緒に死ぬのか。または看取る約束をしたのか。
2人の別れが確定した演出はとても辛いですが、あの年まで2人が幸せに添い遂げられたのは嬉しかったです。2人の一生を見せてくれてありがとうございました。
とても良かった。
とあるカップルに訪れた人生の大事件とそれから。小説家の晴人(下半身不随)と会社員のあきらは大学時代からの恋人で、晴人の事故をきっかけに一緒に暮らし始めて二年。二人が一緒に暮らす上でお互いが自分で出来ることは自分でやる、困った時は頼る(ちょっとしたことでもあきらからも晴人を頼るのがとても大事だと思った)そうやって気遣いながら暮らす二人の様子が良い。
しかし晴人は大学時代とは様変わりしてしまった攻めの人生への罪悪感を消し去ることが出来なくてというお話。大学時代の変哲もない若者カップルな二人のエピソードを読むとやるせなさがある。攻めは自由奔放で旅好きで、 そのせいで留年したりしているタイプの若者だったのに、今は定時で直帰してくる会社員で週末に街に出かけるのも一苦労な自分に付き合ってくれている。そう思うと罪悪感を感じずにはいられないよね。
あきらが久しぶりに一人で旅行した時に、ここは車椅子が通れるか、あの段差はいけるか無意識に考えちゃって、結局旅先で見た綺麗なものを晴人と一緒に見たいと思っちゃうシーンが好きだった。
その他晴人の暮らし、日常の描写もとても印象的だった。排泄の手間暇、後遺症の神経痛、外出時の手間暇など丁寧に描写されていた。
映画が好きな晴人にとっての映画館。昔は特別感が好きだったカーペットの床も今は車椅子が動かしにくくて一苦労。車椅子席だってシアターによって位置が違うし、最前列の場合が多くて見にくい。そういう事を考慮しながら映画を選ばなくてはならないし、外食するにも事前の問い合わせや目的地までの動線の確認とやることは多い。下半身が動かないことに付随して日常に膨大なタスクが増える。だただ歩けないだけではない、他者からは見えにくい不便さにハッとさせられる。
パートナーであるあきら側についてもフォローされていたのも良かった。付き添い人ではなくパートナーとして一緒に生きていくことについての言葉が印象的だった。
あきらがくれたド派手な蛍光カラフルカラーなマジックハンドを「スゲー色だな…」と思いつつ使い続て愛着が湧いているのも可愛かった。
最後も良かった。
ちるちるのランキング上位だったので購入しました。
表紙の絵柄とタイトルから抱いた印象とは全く違うお話でした。
生きること、と、愛すること、この2つの大切なことがらを、とても感情豊かに、リアルに描いた作品でした。
事故により下半身不随、車いす生活になった小説家の晴人。
事故で人生激変の影響を受けますが、不安定な職業ではあるけれど、小説家、なので、自分で収入を得続けることはできます。
恋人の晃は大学時代は世界を旅してまわり、将来も世界を回りたいと公言していましたが、晴人の事故をきっかけに、考えを変えて就職し、晴人を誘って同棲を始めます。
愛があるから障害を乗り越えられる、というような、感動の物語ではなく、2人それぞれ、起こる問題、抱える問題、などに、遭遇し、ひとつひとつ、対応したり、しないでやり過ごしたり、乗り越えたり、日々、選択しながら、そして相手を想いながら過ごして良く様がとても丁寧に描かれていて、考えさせられました。
晴人の日常生活の困難、苦労、体調不良など、とても細かくリアルに描かれています。限られたページ数での中で、こうしたエピソードを丁寧に描いているところが、この物語の軸にもなっていたと思います。
晴人の想い、覚悟、決意。そして、晃の想い、覚悟、決意。
お互いが大切だからこそのそれぞれの気持ちがとても、切なく、温かく、胸に響きました。
そして彼ら2人をよく理解しており、かつ、2人のどちらの立ち位置、考えとも異なる先輩がいることで、見えてくる、気づくものがありました。
それぞれが持つ愛情、行動、言葉、想い、丁寧に綴られていて、とても素敵でした。
描きおろしで、2人が高齢になってからの姿、やりとりを読むことができたのも、とてもよかったです。めでたし、めでたし、ではない、その先の2人の姿に触れることができ、感動とともに、本編終了からこの姿に至るまでの2人のあれやこれや、楽しいこと、苦しいこと、苦労したこと、乗り越えたこと、などに想いを馳せました。
読む前は、かわいらしく甘いお話なのだと予想していたのですが、読了後に、改めてタイトルを見て、そういうことか、とはっとして、改めて感動しました。
ちるちるのランキングでお見かけし、購入しました
あらすじも読まずに買ってしまったのですが、表紙のアットホームな感じもありつつ、障害を持ちながら生きていくことの辛さ、生きにくさを感じました
BL、というだけでは表しきれない作品ですね
私自身、看護師として働いていて事故により下半身が動かず生活を制限されている方を沢山知っています
そんな方々の生活について、色々考えて退院に向け支援をしていますが、やはり細かいところでの生きにくさは残るのだなと
特に晴人くんのように、この若さで障害を背負うことは本当に辛いとおもいます
晃くんの献身、サポートにもありがたいと感じつつ、彼の人生に影響している事への後ろめたさ、、、
本当に考えさせられますね
特に2人は男性同士の恋人
いくら多様性に理解が増えてきた昨今でも、なかなか受け入れにくい部分がありますよね
そんな中でも、もう少しだけ、もう少しだけ、今を一緒に過ごしたいという2人の姿に泣いてしまいました
キスのみでエロはありません
本当に良い作品だと思います
ぜひ、色んな人に見ていただきたいです
会社員の晃には学生時代から付き合っている恋人がいます。
恋人の晴人は数年前に事故に遭い、後遺症から車椅子生活に。
それでも二人で支え、支えられ、穏やかな日々を送っていましたが…。
一見すると、これは障害を乗り越えて愛し合う温かな二人の物語。
けれど、読み進めていくと深みに嵌る。
本作では決して優しいだけではない、
愛だけではどうにもならない現実が描かれています。
事故後の晴人が向き合うことになる“現実”は
正直はじめて読んだときにはショックを受けました。
事故の後遺症として半身不随になった晴人は自然な排泄ができない。
暑くても汗をかくこともできないし、眠る前には神経痛に襲われる。
ささいなことがきっかけで感染症にかかり、入院することも少なくない。
健常者として生きていればまず知らない現実。
ただ、生きているだけなのにこんなにもしんどいものか。
BL作品でここまでリアル描いてしまうのか、と
著者が本作に込めた熱を感じました。
これだけでも結構な衝撃だったのに、
作中で明かされる晴人の“秘密”には打ちのめされてしまいました。
晴人にとって晃といることが幸せであると同時に、
生きることはそれほどに苦しいことだったのだ、と。
いつもは淡々としている晴人が抱える生きることへの辛さ、
それを晃にだけは伝えられなかった優しさなど色んな感情が渦巻き、
涙が出てきてしまう。
ただ日々を過ごすことも、
晴人にとってはこんなにもままならないことだらけ。
健常者にとっては何のこともないことでも、
晴人にとってはこの世界はこんなにも生き難いのだ。
だけど、そんなしんどい日々も晃の存在に救われる。
晴人の身体が自由を失ったとしても、あくまで自然体で、
恋人として晴人と一緒にいようとする晃。
今の晴人を受け容れ、ただ一緒にいられれば、と
いつも柔らかく笑って傍にいてくれる彼の温かさに癒されながらも、
彼がいなければ今頃、晴人は…とぞっとする。
晃なしには晴人は生きてこられなかっただろう。
だけど、同時にそんな晃の優しさが晴人を苦しめもする。
自分がいなければ晃は自分の夢を諦めることはなかった。
そんな葛藤に苛まれ、晃に別れを決心する晴人ですが、
愛しているからこそ晃に別れを告げずにはいられなかった
晴人の気持ちが切ない。
愛が重たくて、優しくて、それがとても苦しい。
愛し合っているからこそ、どうしようもなくなってしまった二人。
だからこそ、そんな二人を誰よりも理解して、
傍で見守ってくれる先輩の気楽さがありがたかった。
二人だけではきっと壊れてしまっていたかもしれない。
二人の糸を繋げて、修復してくれた先輩。
本作において彼は脇役などではなく、間違いなく大切な主要人物なのでした。
結果として、晴人は“秘密”を捨てきることはできませんでした。
晃にははじめからバレていたのだから実際は秘密でもなんでもないのだけれど。
それでも晴人にとって、“秘密”が希望になるというのなら
彼から“秘密”を奪うことは晃だってできないはずだ。
晴人にとっての辛い現実はこれからもなくなることはなく、
晴人が毎日を乗り越えていくためには“秘密”が必要なのだ。
でも、それでもいい。
それを持ち続けることで晴人が少しでも長く
「もう少しだけ」とほんの少し先の未来に想いを馳せてくれるなら。
願わくば「もう少しだけ」がずっと続きますように。
描き下ろしでは二人の後年が描かれ、救われた。
だけど、老いた晴人の独白に悲しいのと切ないのと、幸せと
色んな感情がないまぜになって涙が溢れて止まりませんでした。
普段はハッピー甘々ラブコメを好むのですが、たまに読みたくなるタイプのどっしりと地に足ついた重めのお話です。
あくまでもフィクションですが、リアルだなあと感じました。晴人も晃もお互いを想っているだけなのに、ぶち当たる壁、壁、壁。読んでいるこちらまで苦しくなります。
そんな中ですがるような本書タイトルの切実なこと。なんて尊い願いなのでしょう。「もう少し」の積み重ねがエピローグに繋がったのだと考えると切なくて嬉しくて涙が出ました。
2人が最後まで一緒にいられてよかったです!
SNS試し読みで読んで惹かれ、
その場で電子を購入し、
読み終わった瞬間に紙本をポチっていました。
タイトル「もう少しだけ」の意味が本当にグッとくる。
人生まるごと描いてくれる作品が好きで、
今年一番胸に刺さった。
ずっと手元に置いて何度も読み返したくなる作品です。
車椅子生活になった晴人の不自由な生活や
心情が思った以上に克明に描かれていて、
ほっこりしたタッチなのに
彼が追い詰められていく描写が本当に凄まじい。
そのため、
読者に晴人の秘密をうっすら感じさせるのも
秘密が明かされた時に晴人の選択に納得感を抱かせるのも
すごく上手いなと感じました。
個人的に今作のようなタイプのエピローグが大好きで、
彼らの人生の歩みを感じさせながら、
想像する余白を与えてくれているのがとても良いです。
「もう少しだけ」があそこまで積み重なってくれたのだな、
とわかる皺の刻まれ方に感動しました。
もう少しだけ、そばにいて…タイトルが持つ意味が読み終わるとまたグッとくる。
今年ベスト級かもしれない...事故で車椅子になってしまった晴人と晃の物語。ラストに向けて泣いてしまった。事故による人生の変化、障がいを抱えること、周囲の過度な気遣い、同性のパートナーに何かあってもずっと傍にいられる状況にないこと...。考えさせられることがたくさんあった。あらためて、同性婚は実現してほしいなと願う物語でした。2人の人生の物語...素晴らしかった
BLと言う枠に収まりきらない作品です。
交通事故で障害を負い車椅子生活になる
一生誰かの世話に(迷惑)になって生きていく
その誰かが最も愛する人だなんて、、、死にたい、、、その思いが胸に痛く迫ります。
愛する彼のためにたくさんのものを諦めた、、、ただ彼を守りたい、、、それでも等身大の青年が障害を持った人間を1人で抱え込むのはとても難しいことで、、、
互いに愛するが故に苦しむ二人
そんな2人の姿が、ご都合主義に走らず描かれています。
決して、楽しい気持ちで読める作品ではないですが、是非2人の愛の形と選択を観て欲しい!!