もう少しだけ、そばにいて

mousukoshi dake, sobani ite

もう少しだけ、そばにいて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神175
  • 萌×225
  • 萌6
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

48

レビュー数
33
得点
995
評価数
209
平均
4.8 / 5
神率
83.7%
著者
白野ほなみ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
クロフネコミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784799768495

あらすじ

「晴人と、一緒に生きていきたい」

小説家の晴人とサラリーマンの晃は、
大学時代からの恋人同士で同棲中。

数年前の事故以来、
晴人は車椅子生活になったけど、
大好きな人と一緒に暮らす毎日に
ささやかな幸せを感じていた。

でも、誰よりも晃のことを想うからこそ、
晴人には『小さな秘密』があって……

誰にでも起こりうる「人生の選択」を描いた、
ボーイズ・ラブストーリー!

表題作もう少しだけ、そばにいて

晴人の恋人,(大学生→)サラリーマン
晃の恋人,(大学生→)車椅子の小説家

その他の収録作品

  • 番外編①②
  • 描き下ろし:後日談
  • 描き下ろし:エピローグ
  • あとがき

レビュー投稿数33

エッセイ読みたいよー!

起きてからベットを出るまでに40分、普通にトイレで排泄もできない
仕事があって恋人もいるんだからめぐまれているなんてフィクションだと分かっていてもとても言えない、障害とともに生きることの難しさと苦しさがリアルに描かれています

ケアをする側の家族がつぶれてしまうのはよくある話なので、芝先輩みたいな人が周りにいてくれたことはよかった
(晴人の家族には最後まで理解してもらえなかったのかな…)

晃の、世界一周の夢を語るときのキラキラした目と、晴人を支えようともがく中で光を失っていく目が
それを一番近くで感じているであろう晴人の気持ちが
…ほんとうに胸が苦しくなりました

大事な人を自分から解放したいと別れを告げた晴人への晃の強い答えに涙腺崩壊でした

読みかけの本を読み終わるまで、来月の恋人との約束まで
長いこの先の人生のことを考えたら心がつぶれてしまうから、ほんの少し先の小さな楽しみのことだけ考えて生きる
それは自分にも覚えがある感覚でした
(「モモ」という児童文学に出てくる道路掃除夫のおじいさんの話を思い出しました)

病院の警備員さん?や介護タクシーの運転手さんのような寄り添い方ができる人になりたいなぁ

もう少しを積み重ねて一緒に歳をとり、認知症になったと思われる晴人のメモ「晃がかわりにおぼえているからそれでいい」を見て、しんどい中にも幸せな日々があったんだと感じました

悲劇じゃないよ、私もそう思うよ!!!
あとエッセイ6冊分、読ませて欲しいです切実に。

1

思うほど苦しめてしまう ※文章前半ネタバレなし、後半あり

まず一言。読了後の満足感と興奮がおさまらない神作。突如事故で当たり前を奪われた「晴人」と一途に愛し献身的な「晃」。二人の心情がリアルで言葉、表情、景色の一つ一つに胸がギュッと押しつぶされる思いでした。私は何も不自由のない体で今生きていて、晃の晴人を支えたい気持ちを理解できるからこそ、晴人の晃の行動に対する感じ方にどうしようもできない焦燥を抱きました。ここまで物語にのめり込んで感情移入した作品は他にないです。自分がしてあげたいことと相手が本当に望んでいることはもちろん違うし、困難を相手から無くすのではなく、分け合うことが共に生きることなのだと再認識させられました。
  


ネタバレ↓


日本語で楽に死ぬ方法を検索したら、相談サイトばかりでてきたり、出張を断る場面で入籍してないと話を取り合ってもらえなかったり、キャラクターだけではなく環境の描き方がとてもリアルでした。ラストでは、二人の目標を一緒に叶えたんだろうと思わせる表現が素敵でした。自死は良くないとやめて新たな人生を歩むありきたりな美談ではなくて、それも一つの生き方として前向きにエンディングを迎えるのが印象深くて、今の制度や価値観に訴えかけるものがあるなと思いました。
特別ではないある恋人同士の紛れもなく幸せな人生をそばで見つめているような、晴人のエッセイの読者として語りかけられているような、終始不思議な感覚で読んでいました。自分自身が物語を読む中で存在を見失いそうに(様々な人物に感情移入しすぎて何視点で見てるのか分からなく)なったのは初めてでワクワクしました。
事故があって体が不自由になったこの事実は変えられないし、未練や罪悪感は完全に消せない。考え方もすぐには変わらない。しかし、困難も辛い気持ちも無くさずに受け入れて一緒にいることを選ぶことができた2人の考え方や行動は少しずつ変化していくんだろうなと思いました。特に旅行出発前に、以前のように晴人の荷物を全て持つのではなくて、やれることは任せて、困る分だけ少し分けてもらっていた晃の行動からそう感じました。

2

琴線に触れる、そんな作品

BLはファンタジーとはよく言われますが、多分、これもそうなんだろうとは思います。現実はもっと辛く悲しいことがいっぱいあって、ハピエンでは済まないだろう…と。でも、色々、ホントに現実に近いだろうことに、考えさせられます。昨日まで普通に送れていた日常が簡単に失われてしまい、何もかもが嫌になって、辛くて痛いのに、死ぬことさえも許されない。正直、恋人のことなんて考えられないぐらいの苦痛。自由に世界を飛び回るだろう将来を描いていた攻の将来を奪ってしまった受の苦悩。攻も興味本位から手を出した受をもっと大事にすれば良かったという後悔もあるのかな。ホントに良作です。読んだことのない方は、ぜひ一読して欲しいです。

4

絶対読んだ方がいい!と言いたい

下半身麻痺の方の生活描写が忠実。だから漫画自体がすごくリアルに感じます。車椅子生活なこと、同性が好きなこと。そんな生きづらさの中で愛し合って生きていこうとする彼らに胸がいっぱいになります。

5

No Title

事故で下半身付随になり車椅子生活になった場合の苦しみに、心がえぐられました。より一層、事故の加害者・被害者にならないように気を付けようと思いました。

綺麗事があまりない、丁寧な感情描写に惹き付けられました。自分だったらどうするだろうと考えながら拝読させて頂きました。

主人公に対する出会った方々の反応は良いほう。経済的に困っているような感じには見られませんでした。
沢山考えての結果だと思いますが、お守りとしてから最後と思える場面までの時間の中で、結論を変えることはできなかったのかな、と思いました。

3

タイトルが秀逸

試し読みを見て面白そうと思い購入しました、初めての作家さんです。
事故によって下半身付随になった小説家と、冒険家の夢を諦め会社員になった恋人の話。

車椅子での日常生活の解像度が高く晴人への感情移入がしやすく、だからこそエピローグが、幸せだねと思うと同時に第三者の目で見ると涙が止まりませんでした。

可哀想とかそういう気持ちではないと思います。あの付箋だらけの積み重ねられた"もう少し"があった事、そして多分このエピローグの先を想像すると、これから先も一緒なんだろうなと思うんですが、なんで止まらないんでしょうね。

晃を通して世の中の"あたりまえ"の理不尽さも見えて、また晴人の障害者だからといって逆に特別扱いされ"すぎる"のも抵抗があるという目線もリアルに感じ、BLの枠を超えて色んな方に読んで欲しいなと思える作品でした。

3

最後のページなんともいえない気持ちになった

初めての作家様です
実はちるちるで紹介されてたのを見て、読んでみたくなって購入しました。
ワンコ系おひさまみたいな性格の晃と性格が真逆な小説家超インドア派の晴人のお話なんですね
晴人は事故で半身不随?になってから一緒に暮らしてる二人
正直晃が献身的すぎて、良い人すぎて大丈夫かな?と思ったのですが、2人はお互い好きあっててでもそんな晃に晴人は負い目を感じてて
もう切なくて苦しくて痛いんですよね
でもあの事故がなければ、2人は一緒にいなかったあるいは、別れてた可能性もあったのかなと思ったり
でもそれは違うと思いたい!ただ好奇心で付き合った相手にあそこまで献身的にはなれないと思うんだよね
だから生き方は違っても一緒にはいたと思う
いくら旅好きだからといったって、いずれは就職するだろうし、お金にも限界がある
昔勤めてた会社の社長も世界中旅したとか言ってたの思い出した人生で良い経験になったと…そんなもんだよね一生旅しながら生きられるわけもなく
だから最後少しづつ前を向いて、一緒に旅行できるようになった2人には安堵しました
事故なんかで、半身不随になった方や体に障害のある方がどんなに辛いかとか大変な思いされてるとか考えたことなかったので、このコミックでそんな尊厳死を考えるほどなんだと思い知りました
誰でもそんなふうになる可能性がある世の中もっと優しい世の中になったらいいてすね
BLの枠を超えて色々と勉強になりました
BL的にも晃の愛情深さが光ってましたよ
お互い思いやる素敵なカップルです

3

なんてレビューしたらいいかわからないけど

めーーーちゃくちゃ良かったです。
出勤中に読んで、めちゃくちゃ泣いた。何回も読み返したくなる、そんな作品。

お話は同棲中の、コミュ強大型ワンコと事故で下半身不随になった小説家のお話。
BL作品という中で恋愛も入ってるけど、2人が自分のこと、相手のことをどう大切にしてどう生きていくかっていう人生のお話。

素晴らしすぎて、なんてレビューを書いたらいいかよくわからないですが、とにかく読んでみてくださいということだけ、広くお伝えしたい。
本当に良い作品に出会えてよかったです。

2

2人なりの幸せ

ほんとにほんとに辛いけど暖かくて、どんな辛いことがある人たちもみんなこうなれたらいいのにねって思いました。


ここからは超超ネタバレなんですが、、、
自分は今のところ四肢満足で大きな怪我もしたことがないですが、時々死を考えます。
ハルトのようになった場合、同じことを考えるだろうなと思いました。
どれだけ好きな人がいて、好きな人が自分のことを考えてくれても重荷にはなりたくない。早く自分から解放されてほしいと願ってしまいます。
尊厳死の書類がお守りなのはとても納得。
最後にハルトが認知症を自覚した状態でエッセイ完結も諦めたことを明言してスイスに行った描写があったのは、尊厳ある死を選びに行った(お別れする)という描写なのでしょうか。
晃も一緒に死ぬのか。または看取る約束をしたのか。
2人の別れが確定した演出はとても辛いですが、あの年まで2人が幸せに添い遂げられたのは嬉しかったです。2人の一生を見せてくれてありがとうございました。

3

丁寧なお話でした

とても良かった。
とあるカップルに訪れた人生の大事件とそれから。小説家の晴人(下半身不随)と会社員のあきらは大学時代からの恋人で、晴人の事故をきっかけに一緒に暮らし始めて二年。二人が一緒に暮らす上でお互いが自分で出来ることは自分でやる、困った時は頼る(ちょっとしたことでもあきらからも晴人を頼るのがとても大事だと思った)そうやって気遣いながら暮らす二人の様子が良い。

しかし晴人は大学時代とは様変わりしてしまった攻めの人生への罪悪感を消し去ることが出来なくてというお話。大学時代の変哲もない若者カップルな二人のエピソードを読むとやるせなさがある。攻めは自由奔放で旅好きで、 そのせいで留年したりしているタイプの若者だったのに、今は定時で直帰してくる会社員で週末に街に出かけるのも一苦労な自分に付き合ってくれている。そう思うと罪悪感を感じずにはいられないよね。

あきらが久しぶりに一人で旅行した時に、ここは車椅子が通れるか、あの段差はいけるか無意識に考えちゃって、結局旅先で見た綺麗なものを晴人と一緒に見たいと思っちゃうシーンが好きだった。

その他晴人の暮らし、日常の描写もとても印象的だった。排泄の手間暇、後遺症の神経痛、外出時の手間暇など丁寧に描写されていた。

映画が好きな晴人にとっての映画館。昔は特別感が好きだったカーペットの床も今は車椅子が動かしにくくて一苦労。車椅子席だってシアターによって位置が違うし、最前列の場合が多くて見にくい。そういう事を考慮しながら映画を選ばなくてはならないし、外食するにも事前の問い合わせや目的地までの動線の確認とやることは多い。下半身が動かないことに付随して日常に膨大なタスクが増える。だただ歩けないだけではない、他者からは見えにくい不便さにハッとさせられる。

パートナーであるあきら側についてもフォローされていたのも良かった。付き添い人ではなくパートナーとして一緒に生きていくことについての言葉が印象的だった。

あきらがくれたド派手な蛍光カラフルカラーなマジックハンドを「スゲー色だな…」と思いつつ使い続て愛着が湧いているのも可愛かった。

最後も良かった。

2

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