「お願い」言ってごらん

イルカの耳骨

iruka no jikotsu

イルカの耳骨
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神61
  • 萌×217
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

97

レビュー数
19
得点
397
評価数
89
平均
4.5 / 5
神率
68.5%
著者
 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784758027588

あらすじ

大学生の浅見には、無欲を絵に描いたような友人兼セフレがいる。
友人――千晃は面倒だからという理由で食事を抜いたり、何事にも興味がなさそうだが、なぜか浅見とはセックスをする。
そんな千晃の「欲の琴線」を見つけたい浅見だったが、ある日浅見の幼馴染である宝の存在を知った千晃は、宝のことを気にかけはじめ…?

無欲な男と、彼の欲望を引き出したい男――そして複雑な想いを抱える幼馴染のトライアングルラブ。

《収録内容》
◆『イルカの耳骨』1~6話
◆描き下ろし17P

表題作イルカの耳骨

石ノ森千晃、大学生、浅見の友人兼セフレ
浅見、大学生

同時収録作品イルカの耳骨

宝、浅見の幼馴染
浅見、大学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし17P
  • カバー下漫画

レビュー投稿数19

”大切”が辛い。

信頼関係、そして言葉の大切さと頑丈さ(良くも悪くも。)が強く繊細の描かれている作品。
コミュニケーションとは、言葉数、表現、また、それを受け取る人。全てのバランスが整った時に正しく伝わるのだと最実感させられました。普段から行っているこの行為がいかに奇跡なのかも。
もしかしたら自分の「言葉」を信じてもらう為の魔法が、人との信頼関係なのかもしれません。でも、その魔法は、かけるのが難しいと共に、解くのも難しくて。
人を大切にすることには大なり小なり「寂しさ」がつきまとう。
その寂しさをどう和らげるのか。「大切」の構築と別れのお話です。

0

言い出せなかった願い事

作家い買いしました。
灼先生の作品は、世界観が広く、空気感が綺麗な印象があります。
久しぶりの新作、タイトル、表紙が、ちょっと不思議で綺麗で読む前から楽しみでした。

子どもの頃の家庭問題、母親の言葉、経験から、自分には価値がないと感じており、自分が必要な存在だと思われたい、思われなければならない、と、あらゆる周りの人たちの世話をし、求めに応じている浅見。
狡猾さがあるわけでも、計算しているわけでもない、でも、心から人のために何かをしてあげるのが幸せ、というわけでもない、というのがとても切ないです。
利己的なキャラクターはたくさん見てきたけど、こういう利他的なキャラクターには初めて出会いました。

利他的な奉仕癖がある浅見は千晃が好きで、千晃は浅見が好きで浅見を満たしたい、2人ともお互いを想っているけれど、その気持ちの向きが違うから、ともに過ごす時間が長く、身体もつながっているのに、心はすれ違っている、というのは、「なに」想い、というのか、わかりませんが、とても心がざわついて、読んでいて苦しくなりました。

心はきっと手に入らないけれど、頼みはきっと聞いてくれる、と思っている千晃が、浅見にセックスをせがむシーンでは、その表情の虚無さがとても胸に響きました。

言い出さなかった、言い出せなかった、言わなかった、それぞれの気持ち、お願いが、なんだったのか、最後にわかり、とてもほっこり、素敵な気持ちになりました。

両想いになってからの2人のセックスは、2人とも愛情を伝える気持ちがたっぷりで、温度感、質感が重たくなっていて、その情熱とまっすぐさが素敵でした。

1

浅見に寄り添って読むとこちらまで揺らいでしまう

それくらい感情移入してしまう作品でした。
さすが灼先生というべきか…

人から必要とされていたくてみんなに良い顔をして、でも時折り自分である必要性のなさに虚しくなって、必要とされたい人に不要とされることに怯え、確実に必要とさてくれる人と共依存に陥ってしまう。中々に地獄のループだと客観的にはわかるのに、どこか共感してしまう浅見の感性。
なかでも必要とされたい千晃と無くすことが想像もできないほどの宝が結ばれる可能性を見出した時の絶望感、心臓が潰れるかと思いました。

一方で愛とか恋とかとは違くて、ただ浅見を取られたら自我が保てなくなるくらいそうなることに怯える宝も、浅見を手に入れるために共依存関係にある2人を壊さなければと確信している千晃も、三者三様に気持ちが重くて息が詰まりました。

誰かに必要とされることで自己肯定できる危うさも魅力も伝わってくる、ハッとする1冊でした。

1

「その執着で 俺を生かせよ」

灼先生の新刊、楽しみにしていたんです。
食事すら疎かにして執着がない攻めと必要とされたい受け。ずっと攻めのお願いを聞きたくて、でも求められてないと思っている受け。そんな受けには王様の様にお願いする幼なじみもいて。
攻めの千晃の真っ直ぐだけど分かりずらい愛が刺さります。そばに居てくれればいいんだと心から思っているのに、何もお願いしてくれないと捉えていた浅見。そして宝の浅見への複雑な気持ちがぐるぐると絡まっていてもどかしい。
書き下ろしで浅見がわがまま言えるようになっていてよかったです。
灼先生の先を考えさせるような作品も大好きですが、今回は宝の感情を考えてしまいますね。

2

耳骨をちょうだい

灼先生、久々の新刊でしたが…
やはり期待を裏切らない1冊でした~!

どちらかというと静かで派手さはないけれど、
感情がぐつぐつと湧き上がってきて、最後は感動が押し寄せます!

大学生の浅見は無欲な友人兼セフレの千晃に密かに想いを寄せています。
そんな彼の琴線を探す浅見ですが…。

この、千晃、何を考えているかちっともわかりません。
放っておけば食事は抜くし、マイペースだし、
淡々としてはいるけれど、基本的に優しくて、
それなのに一線を越えさせてはくれないもどかしさ。

だけど、読み終えて、振り返ってみれば、
何にも興味がない千晃が浅見とだけは頻繁に会い、体を繋げていた。
もうそれ自体が“答え”だったんですよね。

とはいえ、その答えが浅見に伝わるまでが紆余紆余曲折。
ただでさえ、急にセックスを拒むようになった千晃に
浅見が不安になっているところに浅見のバイト先の息子の宝が登場。

浅見は幼い頃からせっせと宝の世話を焼いてきて、
宝もまた浅見にわがまま放題に甘えてきて、
一種の共依存状態にも見える二人。
けれど、宝には彼女がいて、浅見もまた弟のように思っていて、
恋愛というのともまた少し違うような気がします。
ただ、お互いの存在に救い救われる、依存し合う関係。

そこに千晃が宝を気に掛け始め、初めて千晃の欲を目の当たりにした
浅見は千晃が宝に特別な感情を抱いているのでは…と気が気じゃありません!
宝もまた浅見への独占欲を発揮して…見事な三角関係が出来上がり!

尽くしても尽くしても伝わらない片想い。
千晃に拒絶される度に傷つく浅見の気持ちが切なすぎて、
煮え切らない千晃にモヤモヤさせられてしまうのですが…

後半で明かされる千晃の本音によって
それまで溜まりに溜まった千晃への負の感情は裏返されることに。

とりあえず…めっちゃしゃべるじゃん千晃!!
なんでこんなに喋れるのに今まで浅見に伝えてあげなかったの!?

浅見の片想いに負けず劣らずな重い執着愛が…独占欲が…沁みる!!!
ここまでドライだっただけに唐突なデレの破壊力が凄まじいことに。

千晃の本当の気持ちを知り、ようやく宝離れをする決心のついた浅見。
子供の頃に母親から捨てられたことで深く傷つき、
それゆえに誰かに求められることに固執していた浅見と宝。
宝の「セックスして」発言に一瞬ドキっとさせられましたが、
それも本心からではなくて同じ痛みを共有できる唯一の相手だからこそ、
浅見を誰にも取られたくなかった宝の心の叫びだったのかもしれません。
浅見に千晃がいるように、
宝にも宝だけを見てくれる誰かが見つかりますように…。

ラストの海辺でのシーンは素晴らしかった…。
千晃の告白、初めてのキス…静かながらに涙腺にきちゃいました。
「浅見の耳骨をちょうだい」ってそれプロポーズじゃんね。

描き下ろしは後日談。
“ワガママを言う練習”に自分から千晃を誘った浅見ですが、
千晃からも求められたいと告げると…。

やっぱり千晃の執着が凄まじい…!
淡白に見えてその心中では浅見の願いを叶えることばかり考えていたんだなぁ…
そして、意外にも絶倫!
これだけの浅見愛をどうやって隠していたの…?
あまエロをたっぷり堪能できてしまいます♪

個人的には2周することをおすすめいたします。
二人の気持ちが分かった上で読み返すことで、
1周目では何を考えているかわからなかった千晃の言動の
あちこちに浅見への愛がダダ漏れていることに気付けます!
無表情で言葉も足りなくて、わかりにくい男と思っていたのに
いざ答えを知ってしまうと、浅見への思いやりや嫉妬だったのね!
とニヤニヤが止まらなくなること間違いなしです。

2

愛情を持つのは価値か存在か

役に立つから価値があると認められ好まれる。役に立てなければ価値がなく存在意義がない。そう思わされがちですよね、親や学校や社会全体から。それはまるで洗脳のように。「こいつ使えな〜い」と平気で言う人いますしね。ちなみに私もよく母親から「役立たず」といわれました。なので浅見の気持ちがよくわかります(私は奉仕癖はないですが)
浅見の宝への奉仕癖を見抜いてイルカの耳骨を千晃が引き取るのがやさしくて聡明だと思いました。
奉仕癖の根本から断たないといけない。その通り!と唸りました。時間はかかるかもですが。

「俺の浅見」「あ 間違えた 浅見は浅見」「とっさに欲が出た」←ここで浅見の目がぐるぐるになるところがかわいい。千晃は無欲だと思い彼の琴線を探してきたのにここで自分が欲の対象?とビックリするし他の感情も混ざって混乱しますよね。
「役に立つから好きなんじゃない」「浅見だから好きなんだ」←すばらしいセリフ

宝が欲しがっていた幸運のお守り…イルカの耳骨は浅見の奉仕癖、母親に捨てられたトラウマ、依存や存在意義の象徴で、それを千晃がもらい、2人で探そう、浅見の耳骨をちょうだい、あげてもいいと思える働きをしたら(浅見的思考)、やる気出た(浅見が見たかった千晃の欲)、そして浅見が望みを言葉にできる…という流れがとてもいい。

願うより叶える派のリアル志向の千晃が独りよがりはダメだと思いを言葉にするようになったこともナイス。浅見一人が変わるだけでなく二人で成長していくのがいい恋愛だな〜と感じます。

母親に捨てられた宝に自分を投影して世話を焼いていた浅見。
宝は浅見に単語や命令口調で偉そうなのは子どもが母親に甘えるような愛情を試すものだったんでしょうね。本気ではないのに手を出そうとしたのも。

役に立たなければ存在価値がないと思わされる社会ですが、存在自体が尊いものだというテーマがとてもよかったです。
奉仕癖という言い方で、依存という言葉が出てこなかったのが重さを感じさせなくていいなと思いました。

1

ストーリーテラーな灼先生の新刊!!

最初にこの新刊の発売を知ったのは、メイトの予約コーナーでした。

「イルカの耳骨」とはどんな作品かな??
と、興味を持ち作者を確認したら、灼先生。
これはもう、買うしかないでしょ! と小冊子付きを予約。
からの、書影が上がってきて唯一無二な空気感に、かなり期待大へ!!

そして購入し、帯に書かれた「三つ巴ラブ」を目にして知った、3人のボーイズが絡むラブだという事実。(さんぴーではないです!)


欲のないDDの男千晃と、その友人でセ○レの浅見。それから浅見の幼なじみである宝。


そこでキーとなってくるのは、タイトルの「イルカの耳骨」。
縁起物で幸運のお守りだそうです。
浅見はそれをバイト先の息子である宝のために探していました。

で、このイルカの耳骨。
ストーリーのなかで、三つ巴ラブのまさにラブの部分の象徴だったように感じました。

千晃をセフ○としての関係でしかないと、自分の存在の価値へ恐怖を感じていた浅見には、千晃の浅見へのラブが届かずで。
でも、ちゃんと千晃は浅見のことを好きで、「イルカの耳骨」を引き合いに出して宝に宣戦布告? というか、好きな相手として所有を主張していたり、、、

また、宝も浅見の心が千晃にあると知り、最後にはあれだけ欲しがっていた耳骨を諦めるなどしたり、、、


で、最後の耳骨を千晃へ渡す宣言までの展開(これはある意味逆プロポーズだと思ったまりあげは)は、幼少期の無価値だとされたトラウマに支配されていた浅見が救済され、好きな相手にお願いごとを言える、真実の愛がそこに生まれた感慨深さがありました。


願うより、叶える派な千晃。


その千晃と永遠に幸せであってほしいと、まりあげははイルカの耳骨をイマジナリー海辺で探しながら願いたいです。
そして、宝もうんと幸せになってほしい。

今回も深い話でした。


1

奥深さに惹かれる

何気ない日常の中にある近しい人たちとの関わり合いや恋愛への悩みなど、大学生のごく普通の日々が描かれているお話だけれど。
それぞれの心の内側を知るほどに表情を変えていく、そんな奥深さのある展開にものすごく引き込まれました。

何事にも無欲な千晃に欲を持って欲しくて
咎める素振りで口を出し、あれこれと身の回りの世話を焼く浅見。
ここだけ見ると"無頓着な千晃に手を焼いている浅見"みたいな感じに映るけれど、
お話が進んでいくと必ずしもそうではないことがわかります。
すごく近くに居るのに微妙に見ているところが違っていて、想いが強くなるほどに噛み合わなくなっていく…そんなもどさしさと切なさに胸がギュッとなりました。

千晃はわりと序盤から遠回しに好意を伝えていたのに、目に見えるカタチでの欲を求める浅見は気付くことができず。
同じ気持ちなのにずっと交わらないふたりにヤキモキもしたけれど、すれ違う日々もまたふたりにとっては必要で。
一つひとつの出来事に"要らない"モノなんてないんだと伝えてくれている気がしました。

"誰かのために生きる"ことが癖になっている浅見の心を満たすのは。
与える喜びなのか、それとも受け取る愛なのか…。
すべては浅見次第のような気がするんですが
彼はどこまでも自分のことには鈍感なので、無理矢理にでも気付かせてくれた千晃の言動に救われた気持ちになりました。

そして宝の気持ちがはっきりと描かれていないこともいい余白になっていたな、と。
宝がどんな風にそれを自覚していたのかによって浅見の考えも変わっていたと思いますが、あえてその道を断つように千晃が入り込んでいた部分に浅見への想いの強さが感じられたように思います。

静かで穏やかに進むストーリーの中に、心を掴む場面が幾つも散りばめられたとても素敵な作品でした。

3

味わい深いからこそ何度も咀嚼したくなる

正に”骨の髄まで味わい尽くす”ようなストーリー
読めば読むほど、三者三様の視点で見直せるストーリー
凄く作品の個性と雰囲気がしっかりとある1冊です

みんながみんな決して人付き合いが得意なタイプではない3人
得意な訳じゃないから出来ない訳では決してない
相手によって「素の自分」が出てしまうからこそのもどかしさ
他の人なら上手くかわす事も出来るけど、大事な人だからこそ嫌われたくない、本当の自分を知って欲しい、分かってくれるはず、、、そんなどこまでも人間らしい我がままでそして繊細な想いが入り乱れます

心理描写の巧みさに吸い込まれます
何度も読みたくなる
そして読む度に気付きがある気がします
それは例えば前提として千晃の琴線探しをしている浅見という導入部分、実は既に冒頭から千晃は浅見が興味ある事を把握しているし気にしてる…もうこの時点で千晃の心のベクトルはちゃんと浅見に向いている
「気付いていないのは本人だけ、、、」
この3人の物語は結果この第三者から見たら一目瞭然な状況に帰結しているように思います

この届き切らないもどかしさに翻弄されながら進むお話し
気付きは作中のキャラにも読者にも与えられます
それが物語を追い、読む、楽しさだったと思える引力がある作品でした
どんな状況で読んでもスッとこの作品に集中出来るようなお話し運びと描写力だったと思います

物語の本筋とはズレるかも知れませんが個人的にコレも味わい深いな~って思った事も少し書きたいと思います
魚の骨にあんなに色んな呼び名があったり、意味があったなんて初めて知りました!作品を通して知識欲を満たしてくれるお話しに出会えるとすごく嬉しくなります♪
純粋に「オモシロイ⸜⸜٩( 'ω' )و //」って思える小話、大好きですしちゃんとストーリーに上手く絡ませているのもやはり味わい深かったです

居並ぶ神評価の中萌2なのはまだ私が読み込み不足なのか…気付きが追い付いていない、自信が持てないという点があって、、、思い違いで評価するのが憚られたので今回はこの評価に、、、
もしも以下の点でご教示下さる方が居たら私にお知恵をお貸しください

>千晃が浅見に”ちゅー”をしなかった理由?
ココがイマイチ良く分からなかったです
物語の中で「ちくわ」としてだいぶ引っ張っていた事もあり、恐らくココは機転のひとつだと思うのですが、、、しなかった理由が良く分からなかったのです
考察としては、、、
・浅見が望んでいる事を知ってるからこそ自ら言わせたかった
└でもこれだと、千晃自身は望んでいなかったの?という疑問が湧きます
・特に意識してなかった
└ちゅーに対しての意識が単純に高くなかった?というのが何となく千晃っぽいなって気はしてますが、、、何となくコレだとパンチが弱い気がして、、、

この点がちょっと喉に引っ掛かった小骨のような感じで残ってしまいました

あと、これは評価には関係ないですが、、、浅見って下の名前?お家の前で千晃が待っていた時の表札が「作」ってなっていてそれまでずっと苗字だと思ってたからちょっと驚いたりしました←これも見解違い???

まだまだ灼先生作品の作風に不慣れなんでしょうかね、、、
まだまだ読み込んでみたいなって思える作家さまの作品でした

修正|本編は体位などの工夫で局部描写なし 描き下ろしでは無修正(強調した描写ではないからこそだとは思いますが、作風を邪魔しないでくれてすごく嬉しい…!)

1

喪失感からの共依存

浅見と宝の幼少期のトラウマの傷の埋め合いの中に突如現れた千晃が絶妙にゆっくり関係を溶かす
無欲そうなんだけど全然違うんですよ!
要所要所で放つ千晃の言葉
余韻に執着と甘やかしが隠れててこの攻め好きってなりました!
宝...なんとかして気持ちをね整理して
幸せになりなさい...
ってか宝もどうにか〜

3

ちょっとの齟齬が生むそれぞれの独占欲

独占欲、執着、琴線、、、誰かの気持ちを自分が満たしたい、自分で満たされたい
そんな気持ちに焦点が絞られたお話しでしょうか

読み始める前にあらすじを読んでから読む方が物語の筋を見失わずに入って行けるような気がしました

3人が3人ともそれぞれが心に抱く感情があります
でもその想いを上手く相手に伝えられない・・・というもどかしさが窺えます
相手の本心が分からないから、過去から来るトラウマのせいで傷付くのが怖いから、年齢故の拗らせ、単純に素で、、、など三者三様のすれ違いがとても絶妙なバランスで糸を張っている感じが描かれていると思います

ほんのちょっとあと一言足したり、目をそらさなければ、、、というほんのちょっとのズレとほんのちょっとの足止めと各々が抱える独占欲がすごく上手に内包されたお話しだったと思います

繊細さが際立つお話しなんだと思います
多分私のようにガサツなタイプだとこういう機微には疎いのですごく遠い世界のお話しだな~と思いながら読ませていただきました
素敵なお話しだとは思うのですが、宝の存在と宝の出て来なかった彼女の存在が少しばかりパンチが足りないのと後味がスッキリしないな、、、という感じがしました
恐らく読解力と行間を読む感受性のアンテナの向きが違うんだろう、、、というのは分かりますが、そんな感情を持つ読者の意見という事で・・・評価を下げたい訳ではないのですが今回は萌にさせていただきました

3

宝の気持ちは、母親の再婚を受け入れられない子どもに似てる。

読後に気になったことがありまして…結局、宝の浅見への気持ちは“恋愛感情”だったの?ってことです。

個人的には、恋愛感情というより、自分を溺愛してた【母親】が突然再婚相手を紹介してきて、その状況をうまく受け入れられない子どもの気持ちに似てるなと感じました。

当たり前のように、【母親:浅見】にとってずっと自分が最優先だったのに、【再婚相手:千晃】にそれを奪われた。
母親の恋する顔はイラつくし、見たくない。もう一度母の心を自分に惹き付けるために必死で、焦って、暴走してしまう。

浅見と宝は、離婚で【母親】が出て行くという似た境遇で幼馴染みとして育ちました。
共依存の関係で【母】のいない寂しさを互いで埋めてきましたが、もっと端的にいえば代わりの【母親】役と【子ども】役を演じてきたんだと思います。

浅見は『役立たずは要らない』という母親の言葉にずっと縛られていて、当時もっとも役に立ちたかった【母】の代わりに、宝に頼りにされることで満たされてきました。
宝もそれを知っていて、甘えてあげていました。

宝にとっても、わがままを言っても許してくれる【母】という存在を浅見に投影していました。

─最終話からの抜粋─

宝「アサも俺を置いていく」

浅見「俺、(宝に)甘やかされてる…」


この言葉からもわかるように、互いに甘え甘やかしてきた二人の関係性は【共依存親子】のようなものだったんだと伺えます。

共依存親子は、本人たちに共依存の『自覚』がないと言われています。
千晃の存在で初めて、浅見も共依存の自覚が芽生え、共依存から抜け出そうと思えました。宝は、今回の件で初めて共依存の自覚が芽生えるかもしれません。

共依存を自覚することで、宝は自分が浅見に抱いてる感情が何なのか、恋愛感情なのか、心の整理ができるでしょう。
ただ、宝はすでに浅見との関係性が今後変わってしまうことを受け入れているように見えます。

だから、仲直りのために宝が浅見に送ったメッセージが、いつもの『卵焼き』ではなく『煮ぼうとう 激辛』だったんだと思います。

「親離れ」「子離れ」から転じて、浅見いわく「宝離れ」は、まだまだ始まったばかり。
個人的には、たとえ共依存から抜け出し自立した関係になったとしても、二人が築き上げてきた信頼関係と特別な絆は失われてほしくないです。

5

好きだ......

神作家様の新刊✨

タイトルから既に名作の予感しかなく、ワクワクで読み始めました。

序盤のストーリーは淡々と進み...と、最初に読んでいる時は思っていたんですが、実際には大事な要素がそこかしこに落ちています。
一つ一つ拾いつつ読むとより面白いと思います。
結構さらっと読んでしまったのでまた読み直そうと思います。

ストーリーが終盤へ向かうにつれて、散らばっていた欠片が集まっていきます。

1冊でこんなにじっくり描ける作家様はなかなかいらっしゃらないと思います。

何度も何度も読み返す御本になりそうです。

4

存在そのものに価値を与えた救済ラブ

"要る"か"要らない"
"役に立つ"か"役に立たない"

全ての指標がこの二択でしか考えられないって切ないですね。
自分の存在価値がそんな二択に振り回されてるなんてどうかしてる。
"都合のいいヤツ"に成り下がることでしか自分の価値を測れなくなった浅見にどこか怒りの気持ちも沸いたし、自分がどうしたいかより、相手がどうしたいかを優先させてしまうキッカケとなった暗い過去を思うと、どれだけ辛かったことだろうと思いました。

そんな性格の浅見なので、他人の機微には敏感なはずなんですけど、千晃のそれには上手く反応出来ないのは、千晃の琴線が浅見自身にあるからなんですよね。
千晃の言葉や態度からは結構出てました、浅見へのベクトルが。
あからさまにってわけじゃないけど、端々に見える浅見への気遣いがそれを物語るには十分な琴線でした。基本自分は無価値だと思ってる浅見はそのメッセージに気付かないのが何とも焦ったかったです。
千晃を無欲だと言っていたけど、めちゃくちゃ欲ありだわって感じていたのは私だけではないはず(笑)静かな独占欲と嫉妬を滲ませていた千晃の想いにトゥンクの思いでした^ ^


何もしなくても、傍にいるだけで価値がある。それが全ての答えです。
浅見の価値は、セフレとして千晃に奉仕することでもなんでもない。何もしなくても愛おしいと感じることが、お前の価値なんだよと。
自分の価値にこだわっていた浅見にとって、千晃の想いは過去のトラウマを払拭できる救いになったと思います。

今まで我慢していた"お願い"ができるようになって良かったですね。
何度も身体を繋げていた2人にあってはささやかなお願いだけど、気持ちの上では大きな"お願い"であったことでしょう^ ^
宝とのことは、同じような境遇できっと同志のような気持ちから故のことだったのかも知れません。
"イルカの耳骨"を巡る、複雑に絡み合ったトライアングルラブを胸に沁み入る思いで見守った物語でした。

3

最高に心に響く。何度も読み返したくなる

文句なし!の「神」。
ここ最近読んだ漫画の中で、一番刺さるお話でした。

言葉やシーンの一つひとつに胸打たれて、読後少しぼうっと惚けてしてしまいました・・
読み終わったらもう一度、二人の出会いのシーンから読み直したくなります。

大学同級生のセフレ/年下幼馴染の二人が絡まるトライアングルラブ…
ではあるのだけど、その枠には収まりきらない背景や想いがあって、
物語にどっぷり浸って色々考えたくなる。

タイトルとなっている「イルカの耳骨」、調べてみたらその形から”布袋石”とも呼ばれて珍重されてきたものなのですね。知らなかった。

この”骨を集める”という浅見や幼馴染・宝くんの行動・描写が様々なところで
効いてきていて、心をグッと掴まれました。
特に終盤、宝くんの机の上に集められた貝殻(厳密には骨ではないけど;)にフォーカスするコマ。
なんだかはっきり言葉にできない感情が押し寄せてきて、たまらない気持ちになった。。

小さな頃、家を出て行こうとした母親に縋り付いて止めようとした浅見が言われた
「でもあんたは稼げないでしょ」という一言。
それがトラウマになり、”人の役に立ちたい”(=役に立たなければ意味がない)という思いに囚われている浅見の姿が、痛々しくて切ない( ; ; )

セフレ状態(と浅見は思っている)の千晃に対しても無意識に尽くして尽くして
「役に立とう」としていて、でも千晃はそんな浅見に対して欲を見せず、淡白で…

という切ない一方通行なの?という描写からの、終盤の怒涛の!!
攻めの想いの告白!!!!

…やられた。。

千晃、めちゃめちゃ浅見のこと愛してます。執着してます。
執着愛といっても、薄暗いやつじゃなくて、どこまでも優しくて深いやつ。

実は中盤ぐらいまで「宝くんの方がいいんじゃ?」なんて思っていた自分の頭を
殴りたくなりました。全っ然見えてなかったーーー!!

「君が君だから好きなんだ」という、ともすれば上滑りしてしまいそうな言葉が
こんなにも刺さるとは。
読み終わってこちらを書いている今も、胸がドキドキしてます。

うう…良過ぎて言葉にできない…けど、間違いなく自分にとって最高に最高の一冊でした・:*+.

2

散りばめられた【愛のキーワード】とは…♡ 読後感が良い。

詳しい内容は他の方々がしてくださってるので…わたしはキーワードの話についてします。
後半から本編ラスト、描き下ろしへと怒涛の伏線の回収は感動ものです!
この作品、たくさんのキーワードが出てきます。
パズルのピースのように散りばめられたキーワードが、最後にピタッとハマるのは爽快です。

下記のキーワードに注目して読んでみてください。何度も出てくるので面白いです。
【お願い】
【願うより叶えたい派】
【星】
【欲の琴線】
【“浅見”の名前入りの傘】
【イルカの耳骨】
【人魚】
【貝殻】
【冷蔵庫】
【卵焼きとおにぎり】
【煮ぼうとう】
【ちくわ】
【ちゅーしたい】☆

あと、千晃(攻)が後半からバンバン攻めていく感じがすごくいいです!

千晃は全てを言葉にして伝えるのは、無粋だと考えるところがあります。愛しさを伝えるときにもそうです。

例えば前半、浅見に『ただ そばにいてほしい』と想いを伝えるときも
「星は落ちなくっていいんだよ。そこにいるだけで結構満足」
というふうに、婉曲的に詩的に伝えました。

ところが後半、伝わってないと気づくと、もっと直接的にズドーンって言葉で伝えてくれるようになって本当にカッコよかったです。

特に、最終話のセリフはときめきました♡
「(砂浜でプロポーズのように跪いて)役に立つから 好きなんじゃない。浅見だから 好きなんだ 」

読後感がすごくいい作品だと思うので、そこも大事なポイントだと思います。要チェックです!

2

コミュ強受けと寡黙攻めのホントのところ

まず「イルカの耳骨」っていうタイトルが凄くロマンを掻き立てられるタイトルでとても素敵だなあと。とても好き。

一見コミュ力高めで明るい性格に見えて、実は傷ついた過去の経験のせいで大事なところで臆病になってしまい、必要とされたくて自分を蔑ろにしがちな世話焼きの受けと
何考えてるかわからないけどちゃんと人を見ていて実は愛が重いムッツリ攻め…
この組み合わせ大好物なのでまるで私のために作られた作品なのでは!?と思うほどドストライクなお話しだった。

イルカの耳骨も魚の骨も貝殻も、キーになるアイテムは申し訳程度に登場するといったものではなく、要所要所でちゃんと効いていて物語の軸になっているし、最後そこに戻っていくのが読んでいて気持ちいい。このタイトル回収感が好き。
そして最後のシーンがずっとして欲しかったキスの大ゴマで終わるのも凄く良かった。

浅見は幼少期の家庭環境のせいでついつい自分の存在価値を証明したくなって(それを奉仕癖といわれていたけど)、人から必要とされたくて世話焼きになってしまうんだけど
千晃はそんな浅見に君は存在だけで価値があるんだと言ってくれる人。

気持ちをあまり表に出さない千晃の方が深い悩みを抱えていて浅見は健やかに見えるのに
実は逆で千晃の方が安定していて浅見は不安定。
千晃は口数が少ない大人しい性格であって暗いわけではないし落ち着きとブレない自分を持っている。
淡々と…だけど歯に衣着せぬ物言いで浅見の奉仕癖を実直に指摘してくれる千晃は、きっと今まであまり浅見の周りにいないタイプだったかもしれない。
けど今後は、そうやって自分にとって耳が痛い話しでも、安定した千晃と一緒にいることで向き合い、少しずつでも前進していく浅見がいるんだなと思うととても愛おしい気持ちになる。

当て馬的存在の宝もちゃんとタイトルに絡んでくる役割での登場で
浅見との関係もかわいらしくて好きだった。

深い付き合いがあるわけではないクラスメート(浅見)のちょっとした一言と態度で、「そんなひとりぼっちの顔」とわかってしまう千晃は栞じゃないけど優しいいい男だ…って私も思うよ。

4

トラウマへの寄り添い方

うわわわわわ~~~~~!!!(;////;)
すっっっっごい良かった!!!(;////;)

救済の要素もあるのでお好きな方は是非…!
っていうのもあるんですけど、
シンプルに三つ巴ラブの感情の絡み合いが良い。

3人の中で攻め受けは完全な両片想いで
もう一人はいわゆる当て馬ポジなんだけど、
受けにとっては弟の様に大事な幼馴染なんです。

それこそ攻めとの事後でも連絡があれば
心配して駆けつけちゃうぐらいには特別で大事。
でも受けにとっては当たり前で無自覚っていう。

受けと当て馬は言わば共依存の関係なんですね。
で。そんな2人を冷静に見つつ、
受けの心を救っていく攻めの言葉や行動が良い…!

でも当て馬も悪い子じゃないので
こっちサイドにも感情移入しちゃうっていう (泣)

切ないけれど素敵な物語でした(;////;)
大好き!!!!!!


さてさて、前置きが長くなりましたが……。


受け:浅見
面倒見が良く世話焼きオカンタイプなんですが、
幼い頃のトラウマが起因していて切ないのです。
"役立たず"にならないよう頑張って生きてる。

それが浅見にとっての当たり前で、
役に立つことで自分を保ってる風にも見られます。

攻め:千晃
全てにおいて無頓着で超マイペースで無欲。
(ゆえに浅見は『千晃の欲探し』をしています)

って思っているのは浅見だけです。
千晃の中には"欲"がちゃーーーんとあるんです。

読者的にはニヤニヤニヤニヤするやつでした。
無表情で不器用そうに見えるけど、
言葉の端々から感じる優しさにスパダリ感が滲む…。
ってかあれ?スパダリなんじゃないか…?ってなる。

当て馬:宝
浅見の年下幼馴染。
浅見に対する態度は甘えん坊で我儘な王様です。

我儘放題されても浅見にとっては可愛い弟分で、
文句言いながらもせっせと世話してるんですが…。
それこそが共依存と言いましょうか。

浅見の中にある"役に立たないと"ってやつは、
もぅ強迫観念に近いものがあるんですよね…。
宝が我儘を言うことで"浅見の役割"が出来るんです。

そして浅見のトラウマである"要らない"は、
宝も同じ経験をしてて同じ痛みを知る者同士でーー。


いや~~~~もうね。
関係は割とシンプルに成り立ってるんですが
(千晃と浅見は片思いといえど相思相愛だし)、
感情の中にトラウマなどが絡むから泣いちゃうっていうか。

千晃の立場からすると宝の存在って厄介だけど、
宝の存在があって浅見が生きてこられたっていう。
(ちょっと大袈裟かもしれんけど個人的解釈です)

でも「役に立たないと生きられない」って
やっぱり違うじゃないですか。好きな人なら特に。
宝と浅見の関係だと傷はずっと塞がらないままで。

そんな共依存に割って入る千晃なんだけど、
強引に引き裂くようなマネはもちろんしません。

宝に対してだと静か~にバチバチしつつも
あくまで浅見第一に考えてるスパダリ感が良き!

(例えばなんだけど、)
(浅見が宝の為にしていることがあったら)
(千晃は「じゃ俺が代わりにやるね」って言うの)
(そんで「浅見は浅見のやりたいことして」って)

浅見は全然気付いてないんだけど
千晃からは終始愛が溢れててグッときました////
それは愛ですね…?愛ですよね…?愛だーーー!
っていう興奮が止まらん(∩´///`∩)

千晃の興味を引くモノ、琴線に触れるモノ。
浅見はずっと探し続けてるけど、
浅見だよ!浅見のことだよ!浅見しか居ないよ!
っていう興奮も止まらん(∩´///`∩)

浅見のトラウマは根深くてしんどいです。
宝には宝なりの、千晃には千晃なりの、
全く違うそれぞれの寄り添い方があるんですね。

宝の共依存関係も悪くは無いんだけど歪で、
やっぱり千晃が大事な事を伝える安心感は強かったです。

後半に向かうにつれて涙涙でした(;///;)

また描き下ろしが17Pもあって、
本編の補足がしっかりされてて良かったです!
"人魚になったら"の意味で泣いちゃったよ…。

4

3人それぞれの欲望と大学生の恋がリアル

千晃×浅見

灼先生の作品、
今回もまた味わい深い。


大学生の浅見と千晃のセフレ関係に、
浅見の年下の幼馴染・宝が加わって、
展開されるエモーショナルな三角関係。
(浅見と千晃のエッチもエモさ全開。)

宝が欲しがっている「イルカの耳骨」が全体に繋がっているのが巧妙で、
安心できる結末が心を温める。

千晃と宝の浅見への執着、
3人の恋のゆえに生まれた嫉妬、
浅見の承認欲求、
千晃の隠された愛着、
宝の依存心、
繊細な感情と欲望の絡み合いが胸にズキュンと刺さる!


浅見→千晃:
要らなくなるのが怖いから、
千晃に認められたいたいという承認欲求で、
千晃から満たされたいから、
千晃の「欲」を見つけたいという焦燥感と不安を生み出している。

千晃→浅見:
一見欲のないが、
浅見のことが好きだから愛着している。
ただ、愛情表現が不器用。

実お互いに惹かれ合っているのに、
曖昧なまま空回りしていく2人。
すれ違いの原因となっているのは、宝の存在。

宝→浅見:
子供の頃から、
浅見がいないと無理という強い依存心を抱いている。

浅見→宝 :
幼馴染として大切に思って、
献身的に宝を奉仕する。

もどかしいのは、
浅見が宝に奉仕することで、
千晃が宝のことを気にし始めてしまうところ!(重執着!)
複雑になっていく3人の関係が見どころになる。

千晃の執着が穏やかに見えるけど、
次第に迫ってくる感じがいい。
宝の執着はもうゾクゾクするくらい不穏で、
見ているだけでヒリヒリする。
この2人の間で揺れる浅見の健気さがなぜかとても愛おしい。

垣間見える浅見と宝の過去や、
浅見の背景にある「必要とされたい」というトラウマ級の感情が、
読者の想像力を掻き立てて重く響いてくる。

冒頭で千晃が浅見に言った「人魚にでもなるつもりー?」というセリフ、
描き下ろしで明かされるその意味、
千晃の愛が・・・じわじわと伝わってきて素晴らしい!

3人それぞれの欲望が交錯する中で、
青春の不安定さや感情、欲望がリアルにぶつかり合うことで、
浅見と千晃の大学生の恋に骨太さを与えている。
この重厚感が恋の本質をしっかりと捉えていて、
読後には凄まじい余韻が残ります。

4

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