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人間×サイボーグBL
sabi no yume
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
セクサロイドの聡夫くんの検査は続いていたのですが、検査に対して拒否反応をしている姿を見た進藤。それと同時に、もうこの聡夫くんのサンプルとしてのデータはいらなくなったようで。
相変わらず、研究所の人達との話し合いは本当に胸糞悪いのですが、進藤と一緒に居たい聡夫くんは進藤の尽力により、彼が引き取って暮らす事に。これによって進藤は左遷されたようでした。
聡夫くんの言葉がかなり上手に話せる様になったのですが、所々でたどたどしく話す様子がとても可愛いです。そして、一生懸命に考えて、伝えて、進藤の反応をソワソワしながら見ていて、その一連の流れが毎回見ていて可愛いのと健気なのとでとてつもない萌えを与えてくれます。「でへ」って照れ笑いする聡夫くんの顔を見てこちらもニコニコになります。
進藤の反応はたいがい素っ気ない感じなのですが、それでも一緒に生活するうちに、ちょっとだけは近づくんですよね。
性的な事は進藤はやらないと決めてるみたいですが、それでも「ちう」はするんですよ。
もう、「ちう」って言葉が良いですよね。
ちょっとずつ普通の人間の様な生活を経験していくんですが、お買い物で買う品物がまた良いんです。聡夫くんらしい。最初に買った色鉛筆二本(これ何色買ったんでしょうね?知りたい)その後に買った本は二冊とも、進藤の為に役立てる為の本だったんですよね。もうこの辺りで聡夫くんの一つ一つの行動に涙腺崩壊でした。
それに、進藤も素っ気ないのは相変わらずだけど、ちょっとだけグイグイとくっついてくる聡夫くんに譲歩するようになったなぁと。
進藤の感情が抑えられたような性格にしていたのが、ちょうどよく聡夫くんが自由に考えたり、純粋な心で行動したりを引き出してくれているように感じました。この二人の生活が静かに続きますようにと願わずに居られませんでした。
下巻めちゃくちゃよかったです。
上巻の胸クソ設定はこれを描くためなんだなと感じました。
意外にも進藤が聡夫をスムーズに引き取ることができてよかった。
叔父が聡夫はもう用済みなのでと承諾したのは納得できる理由です。
ただ、聡夫のことが世間にバレたらまずくないのかなとは思いましたが。
他、設定的にいろんな疑問がありますが、その辺りが気にならないくらいの萌えがありました。
(あの研究所はそのうち非人道的な行いが世間に知られ社会的制裁を受けるに違いないと勝手に想像しました)
進藤が「としおさん」とさん付けで呼び、敬語なのは、聡夫を1人の人間として尊重したいからだろうと感じました。
聡夫への同情や責任だけでなく愛情があるから引き取った。
でも聡夫はまだ幼い子どもくらいの知能なので、自立するくらいにはしてあげないといけない。
だから手を出さない。
それが進藤の「思うところ」「オレの問題」なのかなと思いました。
常に冷静な進藤だけど聡夫を引き取るには相当な覚悟をしたんだと思います。保護者ですもんね。
愛情より先に良識と責任感があるところがとてもいい。
あの研究所の闇になじまなかっただけのことはある。
あんな叔父のコネ入社で働き続けていたのは何か理由がありそうです。
聡夫が育っていくように進藤も情緒が戻ってきているようなところもよかった。
聡夫が雪かきの手伝いをほめられるより、進藤がうれしいと言ったことを喜ぶのが情操が育っているなと思いました。
進藤がさらっと「好きですよ」と言うのがいいし
それに驚く聡夫の「…くっついても い…?」と
くっつき方とあくまでも冷静な進藤がめっちゃ萌えでした。
ちうをぜんぶにねだる聡夫にでこちゅうをする進藤ときゅんとして「うれし しんどお」「すき あいがと」と言う聡夫がめちゃくちゃかわいい。
進藤の横顔がきれいだし、聡夫の瞳がピュアでかわいい。
聡夫が進藤の膝の上に乗ってちうをねだるのもめちゃくちゃかわいいし、ここまでされたらと拒まない進藤も萌え。
そして唇にキスをされ
「ほんとにしてくれると おもわなか、た」と進藤に抱きつく聡夫がかわゆすぎる。
進藤もしっかり聡夫の腰を抱いてあげるし。
レンコン料理をつくろうとしてくれる聡夫の気持ちと成長がうれしかったんですよね。
聡夫の部屋をつくり、聡夫がベッドの上から進藤をバックハグして
「ちうしたい」と進藤のほっぺを愛おしそうに抱き←ここめっちゃ好き
進藤の右手が聡夫の左手をとりちゅー
この流れめちゃくちゃ萌えです。
この頃には自然にちゅーしていたんだろうなと思われ。
もう一連の2人の好きが激萌えで、進藤が多くを語らずとも聡夫を愛おしく大切に思っているのがわかるし、聡夫は進藤が大好きでたまらなくて素直に表現するのがめっちゃ好みで、こういう場面を見たくてBL読んでるんです〜〜も叫びそうになりました。
「しんどおと い、しおだとうれしい」「すごくしあわせ」←しあわせという概念を覚えた
進藤にもそう思ってもらえるのが目標と言う聡夫に
「そんなん目標にしなくても…」「頑張らなくてもいいってば」は進藤も既に聡夫と一緒にいてしあわせだということですよね。とまた萌え〜でした。
聡夫のたどたどしい言葉遣いが、かわいいけど、胸クソな奴らの被害者である証なわけで複雑な気持ちになります。
でも2人はそれを乗り越えて一緒にしあわせに生きるんだというお話であると感じ、そこがとてもよかったです。
上巻のレビューでも書きましたが
進藤の叔父、研究所の人間、進藤の同僚が、聡夫を人間じゃないとモノ扱いするのは闇で胸クソです。
ただ、現実世界でも人間を人間扱いしない、モノとして見てしまうことって結構あるよなと改めて思いました。
本作は特殊な例だからより酷く感じますが、一般的にも人権を無視したり踏み躙ることはあるので、進藤の誠実な姿勢や聡夫の純粋さが刺さりました。
1つ気になったのは、進藤が立ち読みしていたのが「月刊お遍路さん」だったので、やっぱり過去に何か辛いことがあったのかなと勘繰ってしまいました。
本当に本当に何度でも読みたいくらい大好きな作品になりました。
物語の最初というか設定はどうしようもないほど胸糞悪くて、絶句してしまうこと多数なのですが、後半になるにつれ幸せに満ちていて、前半酷い分本当にどんどん幸せになるし、ハッピーエンドが身に染みます。
最初は喋るのもおぼつかない、感じている時の顔以外は無表情っぽいとしおくんが、嬉しいも寂しいもすごく表情豊かになるのがとんでもなく愛しいです。そして言葉や行動で進藤さんに尽くす姿が本当に尊い…一緒にいるだけでこんなに嬉しそうにしてくれる存在ってすごいですね…
そして進藤さんもめちゃめちゃ可愛いんですよ!!普段は丁寧な言葉遣いしてるのに、無理難題を言われたりすると口が悪いのが結構簡単に出てくるのも、嬉しそうにしているとしおくんを見てひっそり微笑んでるのも、ちうしたい、と言われれば家の中なら基本応えてあげるのも本当にめちゃめちゃ可愛い…そして何より会社の所有物であったとしおくんを自分のものにしてしまう行動力に愛を感じます…
進藤さんが最初からただとしおくんに優しいだけでなく適度にぶっきらぼうで、でもちゃんと褒めてくれて、かつ人間として扱ってくれるからこそとしおくんも進藤さんに懐いたのかな、とか考えるともう本当に最高です。
何より会社からとしおくんを連れ出して以降、辛いこととかしんどいことももちろんあるだろうけどとりあえず置いておいて、幸せで可愛い2人を最後まで目一杯見せてくれたことが本当にこの作品の推せるところです。
前半はしんどいですが本当に幸せな気持ちで終われる作品でした。本当に大好き!!!
下巻も私は結構ムナクソ展開だな…と思う部分が多くて
心が疲弊してる時には読めないなぁと思いました。(私は)
誰も聡夫さんのことを人間として考えていなくて
なんでこんな気持ち悪い人ばかりなんだろうと思いました。
そんな中、唯一の救いが進藤です。
あの部屋から聡夫さんを救い出してくれた進藤。
それだけで私の気持ちまで救われました。
進藤と一緒に暮らし始めた聡夫さん。
とにかく進藤のことが好きで、健気でいじらしいです。
そんな彼に絆されてか、少しずつ進藤の表情もよくなっていって
たまに笑う進藤が私は好きです。
一緒に料理してる時の進藤の表情がすごく良いのです(*´ω`*)
進藤の役に立ちたい聡夫さんの健気な様子にも
胸がきゅんきゅんしました。
今で色々あった分、聡夫さんにはずっと幸せでいてもらいたいです。
下巻は、人としての暮らしをとしおさんに教えていくようなお話でした。
上巻の痛々しさは全くないです。
あんな可愛いとしおさんがお家で待ってるなんて
そりゃたまらんでしょ。
進藤は、淡々としてるし感情露わにしないけど、としおさんに同情しお家に連れ帰って同居するくらいだから愛情かはわかんないけど愛着はあるように見える。あれだけ盲目に好きをアピールされたら絆されちゃうよね。
つたない話し方だけど、伝わるしあどけない表情であの話し方されたら可愛くて仕方がない。
BLかと問われるとよくわからないけど、素敵なキュンキュンしたお話でした。
エロは無し。でも、進藤からとしおさんにキスしてくれるの私も嬉しくなりました。
お小遣いでほしいものが「ちう(チュウ)」なんて…かわいすぎる…!!
『錆のゆめ』2冊目。なぜかずっと『鯖のゆめ』だと勘違いしていて、なんで鯖なんだろ…と思っていました。鯖(サバ)じゃない、錆(サビ)か。
としおさんを引き取ったしんどお。しんどおの優しさは痛いほど伝わってくるんですが…!としおさんが目指せるゴールってそこなのかな?もっと親密な関係にはなれないのかな?
としおさんは無垢で、欲しがってもらえなくて照れてごまかして、、なループだけど本当に満足しているのか。というか、不安に思ったりしてないのか。自分への価値意識が希薄だから平気なのかな?んん、、見てるこっちが切ない
しんどおは、罪悪感?みたいなものがあるのかな?
早く雪が溶けるといいな。
このための上巻の下衆っぷりな世界観だったのかな?
会社から聡夫を引き取って自宅で一緒に暮らす進藤。
聡夫は留守番してお小遣いもらって買い物の仕方を教わって。
料理して進藤のために涼しくなる本を買いに行って。
進藤のことが大好きみたいで頭をグリグリしたり、ちぅしてってキスしたり。
上巻では聡夫にはサイボーグで感情や思考がないように扱われてたけど、進藤は辛抱強く見つけ出して伸ばして、今ではこんなに普通に暮らせて。
上巻との落差?幸せを書くために先に不幸を書いたのかな?
上巻で絶望したけど下巻で滅茶苦茶幸せでした。
聡夫に出来ることが増えていき、行ってらっしゃいからお帰りなさい、お風呂ご飯と。
進藤の教え方もとっても優しく、聡夫に敬語だけど愛おしいんだろうなあ。反対されても左遷されても引き取って良かったね!
前半はやはり胸クソで。読み手側からしてみれば、些か早急にも見えるのだが。
とにかく。進藤は、「としおさん」を引き取る決意をする。進藤は、性的にとしおさんを見ていないし、そういう「使われ方」をすべきでは無い、と主張する。
「それ」に憐憫が湧いたのか、そういう感情は良くないよ、所詮少年は「鉄と肉の塊」なのだから。と、進藤を押し留めようとする、叔父や医師、同僚たち。
この、同僚のクズ感が凄い。進藤が一晩、自分の部屋に「としおさん」を泊めた事を下衆の勘繰りも甚だしく。「それ、そんなに良かった?」と、言い放ち、進藤の目の前で「としおさん」の股を開こうとする。これまでなら、「としおさん」は素直に脚を開いたろうに。しいつの間にか情操が育っていた「としおさん」は、必死で抵抗をするのだ。それは羞恥。強い拒否。
進藤が「としおさん」に教えてきた事。それは、「としおさん」も一己の人間であるという権利。
叔父は「そんなに気に入ったのなら新しいのをくれてやるのに。」とほざき。
医師は進藤に「失望した」と言い。
同僚は、「そればっちいから、新しいのを貰えばいいのに。」と言う。
研究所は狂っているので。第二、第三の「としおさん」を作るのか。
医師は、「私たちの罪」と言っているので。今後はそれを辞めている未来を期待したいのだが。そこは詳しくは描かれていない。不穏なのだ。
物語の当初、やはり「としおさん」を肉塊扱いしていた為か。以降、進藤は、「としおさん」に丁寧語で話す。「としおさん」を人扱いしているという表現なのか。
ここでハタと気付く。「人でなし」から人になったのは、進藤だという事を。
およそ表情の乏しい進藤もまた、「としおさん」と過ごす内に、自分の中の「人間」を見つけた事を。
進藤は決して。「としおさん」を性的玩具として扱わない。「としおさん」は雛鳥の様に、初めて優しく接してくれた「しんどお」に懐く。そういう風に作られたからなのか、多分「しんどお」に抱かれたがってもいる。ただ、哀しい事に、進藤は決してそれをしないだろう事を私たちは知っている。進藤は人だから。
時々、進藤がキスをする。小さなギャグ絵から、そのシーンだけが、美しくて。生々しくも見えて、泣きそうになる。「としおさん」にとって、それは「ご褒美」で、進藤にとっては、それはまぎれも無く「愛情」なのだ。
このあと、延々と続く可愛らしい2人の、何気ない日常が。錆びた夢なのか。
私にはとても考察し切れない。
気付いた事が一つある。絵は1巻に比べて、この後に続く「右」と「左」に続くものに近く。柔らかく、優しくなっていて。その事に私はなんだかホッとする。
上巻からー
どうか聡夫が救われて欲しいと願いつつ、
救われる道なんてあるのかと怖れながら読んでいたので
この下巻で迎えた結末が嬉しくて仕方なかったです。
進藤との出会いを経て、少しずつ“心”を取り戻してゆくサイボーグの聡夫。
たどたどしくも言葉や表情も豊かになり、名前を呼ばれて照れたり、
恥じらいながら「いっしょにいたい」と告げる姿は恋する少年そのもの。
人の体をもちながら人の心を持たない残酷な人々と
身体は人でなくても、その中にある心は人と変わらない聡夫。
人と物を分かつものは何なのだろうと考えてしまいました。
だって、聡夫はこんなにも人間なのに…
そして、聡夫と同じ時を過ごし、その成長を見守っていた進藤も
絆されることで変わり始め、自然な笑顔や聡夫に触れる手、
どこか無機質だった男に体温が宿ってゆきます。
そんな進藤の中に聡夫への“独占欲“を見た同僚は
進藤のことを「気持ち悪い」と切り捨てます。
確かに聡夫を人ではなく“物”として認識する彼らからすればそうなのかも。
聡夫の中に残る人の心を見つけ、彼を救いたいと願う進藤とは
互いにわかりあえる筈がありません。
少なくとも聡夫はそんな進藤によって救われていたのです。
今後の話が出たときにも進藤は聡夫の意思を尊重しようとします。
けれど、「どうしたい?」と問われても、聡夫には決めることができません。
ただ、進藤と「ずっといっしょにいたい」という願望だけは明確で、
それだけは最初からずっと聡夫の中でも揺らぐことのない願いなのでした。
そして、研究所の中では聡夫の未来はないと知った進藤は
葛藤の末に自分が聡夫を引き取ることを決意します。
誰が何を言おうと、聡夫と生きていくことを決めた進藤が男前でした。
進藤に連れ出された初めての外の世界は見るもの、触れるもの
全てが珍しく、目を爛々と輝かせた聡夫がただただ嬉しそうで、
良かったねという思いでいっぱいでした。
そこからの進藤と聡夫、二人だけの生活は幸せの極致でした。
聡夫の「ちうしたい」の破壊力ったらもう…///
まだまだ外の世界に不慣れながらも、進藤に一生懸命尽くす聡夫の新妻感!
お見送りから、お料理にお風呂の準備、就寝前のイチャイチャタイムに
休みの日にはデート…その新婚さんっぷりに以前聡夫が見た夢の世界を
思い出してしまいました。
ただ、体を寄せ合って、手を繋ぎ、キスをするようになった二人は
恋人同士のようでありながら、どこかぎこちなさを残していました。
それ以上を受け容れられない進藤と、それ以上も求めたい聡夫。
人間らしさが育っても尚、セクサロイドとして植え付けられた
性欲が消えることのない聡夫に複雑な思いに駆られました。
進藤も研究所での記憶がまだ鮮明なだけに心の整理がつかないのだろうな…
でも、その分、進藤が言葉できちんと伝えてくれるところが良かったです。
相変わらず言葉少なで愛想の欠片もないけれど、
聡夫への想いだけはいつでもまっすぐ口にしてくれる進藤。
そんな進藤の言葉に触れる度、びっくりしながら、
とろけるくらい嬉しそうに、はにかむ聡夫が可愛らしかったです。
最後は進藤に寄り添う聡夫の口から出た「しあわせ」に涙ぐんでしまいました。
読みながら常に感じていたのは幸せで嬉しいのに、
それがこわくもあるという矛盾する感覚でした。
それは研究所で仲村が残した言葉のせいかもしれません。
「聡夫くんは君と出会えてよかったかもしれないが…
君は聡夫くんと出会わない方がよかったかもしれないね」
聡夫を愛したことで失われた進藤の未来、二人の生きる時間の長さの違いなど、
人間とサイボーグという恋には儚げな感情が付き纏いました。
でも、それでも、二人が互いに出会えた奇跡を大切にしながら、
この先も共に生きていけますように、と祈るような思いで読み終えました。
「錆のゆめ右・左」を読んでからのレビューになります。
聡夫の可愛らしさと進藤の献身さ、プラトニックな関係性が絵本の世界のようなメルヘンさでやっぱりいいなあと思います。
消費されてしまった本来の「聡夫」のことを考えると切ないです。
この時点では進藤からの感情は愛なのかなあ、それとも同情だとか憐憫なのかなあ、とか色んなことを考えさせられる……。
人間を一人消費して作ったセクサロイド、かなり科学の進んだ現代ではないどこかで行われるえげつない行為の中にも救いがある、どういう童話のような物語が好きです。
上巻を読んだ段階で聡夫には幸せな生活を送って欲しいと願ってしまうのに対し、下巻できちんとそこが叶えられていてスッキリ。
聡夫が進藤の手によって義手や拘束具のようなもの、胸の金属、痛々しかったセクサロイドの姿からきちんとした人間らしい姿になって楽しそうにしている姿にほっこりします。
ここからさらに続編に続くかと思うとにんまり。
設定はエグいのに二人を結んでいる関係性は優しくて柔らかくて、癒されます。
切ないけど、愛おしい。
また、右左を読みたくなります。
鉄と肉の塊・・サイボーグのこと。
この作品に出てくるトシオさんは、
元々の土台が人間、人間をロボットに一部改造したサイボーグだから、知能と感情が回復したら、それは人。だから、進藤は、扱いをもっと人と同じにするべきかも。
でも主人公の進藤は、人権を考慮してああなるのだと思うけど、一緒に暮らすようになっても、トシオさんを人と思えないのかな・・頑なにトシオさんの恋情を拒んでいる。チューと手を握る以上許さない。
そんな様子を読んで居ると、人造人間に改造される前に二人が会えていたらヨカッタのに、と思う。
モヤモヤします。トシオさんは、もの?それとも人?
元々が人工知能と精密機械が合体したアンドロイドなら、物扱いでも仕方がない。
でも人間を改造したサイボーグは、人と同じ心の動き方をする生物。
そして、もし、進藤が先に死亡した場合、トシオさんはどうなるの?老化するのかな?トシオさんが、死のない永遠の孤独を耐える必要がある存在という設定なら、気の毒です。
また色々読後考えてしまった。
萌2.
聡夫をおじの研究所から自宅に引き取って、一緒に暮らしはじめた2人のお話しが中心でした。
進藤と一緒の聡夫はとても嬉しそうです。左手が機械ながらも家の事を手伝いたがる様子がとても健気なんです。
途中で聡夫の腕は精巧な義手に取り替えられて、一見すると普通の少年のように見えます。
進藤は聡夫にお金を与えて買い物をさせたり、人としての生活を与えて行くのです。
でも人間だった頃の回想の聡夫に比べたら、やはり知能は戻って無いのです。
聡夫の進藤に対する好意は確かなものだと思うのですが、進藤が聡夫の好意がセクサロイドであった弊害だと思っている節があるのが悲しかったです。それでも聡夫のキスに応えるようになって来た進藤の変化に期待してしまいました。
暮らして行くうちに聡夫なりに考えて行動して徐々に学んで行って、本来の彼の姿を取り戻して行く過程が微笑ましかったです。
何をするにも聡夫の意思を優先していた進藤と出会えた事は、残酷な世界にいた聡夫には僥倖だったと思えました。
上下一気に読みました。
聡夫くんはものすごくかわいいしプラトニックな愛に終始する進藤の人間性が頼もしくも好感がもてて良かったのですが──おそらくこの話はSFとして読まれることは想定しておらず、絵本のように読んでほしいタイプの話なのだろうと思います。その上で世界観に強い違和感を覚えてしまい、萌えるのが難しかったです。
普通に生活している人間ひとりを消費して作るサイボーグを、公に存在している会社が製造するというのはコスト上や守秘の点から考えてあまりにも現実味がないように思えます。
貧民には基本的人権のない銀河鉄道999のような世界なのでしょうか?
里親制度や義務教育の存在、進藤その他の生活をみる限り、現代の豊かな先進国のようにしか思えないのですが。
物語としては進藤が聡夫を特に妨害もなく引き取り、この後も静かに二人の生活が続いていく──というもので、「結」らしきものがありませんでした。サイボーグの素材となる人間を大量にバレずに入手するのも難しいでしょうし、この会社は潰れるのでは?と心配になりました(笑)
とは言え二人が幸せに生活していけるならそれでいいんだろうと思います。
上巻も読みましたが、下巻もすごく面白かったです。
最後があっさりとしていたので続編がないのかな?とおもって調べてみたら続編でるらしいので単行本化したら絶対買おうと思います。
下巻の内容をざっくり言うと ほのぼの ですかね!
としおが義手をつけるとき、としおが喜んでた顔が凄く可愛かったです。あと、としおが進藤似のうさぎを描いたシーンとか可愛くて個人的に好きです。
あと、上巻にも出てきたけど瀬野が割と性格悪いなって思いました。瀬野の言ってることは正論だけど笑いながら進藤に文句言ってるところがちょっと怖かったです笑
とにかく、上巻も下巻も最高でした。何回も読みかえしてます。
せっかく上下巻なので、もっととしおさんについて掘り下げて欲しかったです。
あっさり研究所を後にして、進藤さんと楽しく暮らしました。チャンチャンみたいな感じだったので、もう少しシリアス展開があってもよかったのでは?と思ってしまいました。(進藤さんがストーブのことをしつこくいっていたので、火事でとしおさんピンチ!とか、他の人に買われちゃうとか)
としおさんを不幸にしたいわけではありませんが、少し大きな事件というか、試練があればさらに面白かったかな?と思いました。
間違えて下巻から買ってしまいました。
しかし、下→上もなかなか悪くない読み順だったかもしれないと思いました。
上巻はちょっと重いので、せっかくおいしい下巻を見ても引きずる可能性もあると思うので
先にデザートみのある下巻で二人の生活を垣間見てから事情というか馴れ初めを見に上巻に行くというのも良いような?
可愛くてちょっと笑えて好きなんです下巻。
としおさんの心象風景というか世界観がミニキャラとかでファンシーに描かれています。
これが可愛くて好き。
暗い事情も嫌な奴もこれのおかげで少し中和されます。
としおさんにはちっちゃいケモミミがついています。
左手は義手(ちょっとサイボーグっぽい)です。左胸には何か埋め込まれているように見えます。
下巻から見たので「そういうものか」と思ってしまいましたが、上巻を見た後だと結構痛々しく感じるかもしれません。
舌ったらず、字が汚いのも、かわいいんです。
表紙の絵のように鼻の上のベルトを通しているんですが、デフォルメ絵でそこがパペットの口みたいに見えてなんかかわいい。
新藤の事が大好きなとしおさんと淡々としてるんだけどたまに笑う新藤。
二人はどうなるんでしょう続編読みたいなぁ。
研究所から聡夫を連れ出すのであれば、相当揉めたり危ない橋を渡る必要があるんじゃないかと構えましたが、辞表だけであっさり連れ出せたので拍子抜けしました。先生的には、特にその辺のスリルなどを強調して描きたかったわけではなく、あくまで物語の中心を進藤と聡夫の関係性にしたかったということなんでしょうね。最後まで本格的な濡れ場もなく、ただ穏やかに2人の時間が流れていきました。個人的にはこのような展開で良かったのではないかと思います。扱っている題材の割にあまり波のないストーリーではあったかもしれませんが、1巻を読んだ時には聡夫がとにかく幸せを感じられる生活を送られるようになって欲しいと考えていたので、それが叶えられて満足でした。必ずしもはっきりした起承転結や、濡れ場が要るわけではないと思えました。進藤からの愛は恋愛的意味なのかも曖昧ですし、聡夫もまだ懐いているだけで本当に愛を理解しているのか分からない状態にも見えるので、BLとは断言できないかもしれませんが、これも一つの愛の形なんだろうと感じます。普段は攻め受けがくっついた後の甘い話がたくさん読みたくなってしまうのですが、この作品に関しては想像で十分楽しめるような気がします。1巻で聡夫に感じたマイナスの感情もしっかり拭われ、非常に後味の良い続編でした。
評価が賛否両論だったので、今までなんとなく手を出していなかったのですが、電子版で読みました。
確かに少年を改造してセクサロイドにするなんて最悪なのですが、その理由もやり方もあまり現実味がありませんでした。
頭や体いじったり相当非道なことしてる割に、あっさり攻めに手渡しちゃうし。
受けが可愛らしくてぽややんとしているので、悲壮感はあまり感じられませんでした。
対する攻めは思うところが非常にあると思いますが、強いですね。。
まるで家族愛のような2人の関係性ですが、どうか穏やかに過ごしてほしいです。。
上巻だけじゃ絶対に手を出さなかっただろうなと思います。
汚い大人の男たちのために作られたアンドロイド。
全てが機械であればまだしも、生身の健康な男の子を改造するところに嫌悪感を感じたからです。
怪我をしたわけでもないのに、わざわざ左腕を切断して機械化することになんの意味が?
頭部の耳は何?妹さんのその後は?などそれらのほうが気になって気になって…
上巻だけなら嫌悪感満載で終わったでしょうね。
進藤の叔父と研究所には嫌悪感しかありませんが。(進藤の同僚も嫌い)
主役の二人がまったくHしないところは良かったです。
としおさんはして欲しそうだし、進藤もおそらくはしたいのだろうと思いますが手を出しません。
普段ならHの無いBLなんて物足りないだけなのに(笑)
この優しい世界のまま、二人が思いを遂げるまでを見てみたい。
でもそうなると、辛い場面も出てきそうで怖い。
だけどこのままじゃ諸々のシリアスな事情が軽~く流されちゃってて物足りなくも感じる。
続編希望のような希望じゃないような…って感じです。
上巻で描写されていた諸々はほぼ回収されていなかったです。
あくまでBL作品なので二人の幸せな日常が見られただけでも満足なのですが、それを楽しむにはここまで重くする必要はなかったと思いますし……どう解決するのか勝手に期待していただけに当てが外れてしまいました。
ただとしおさんは可愛いですし、徐々にほだされていく遠藤さんにも萌えました。
としおさんが照れている様子が個人的にツボです。
良いBLを見せてもらったのは確かです。
上下巻セットで読了、2冊合わせてのレビューになります。
性的な慰み者にされるために作られたアンドロイド受けと、その研究施設の研究員である人間攻めのお話です。
上下巻ともにもうかなりのレビューが書かれているのでざっくりと。
ヘビーな状況のほのぼのした話でした。
身寄りのない少年の弱みに付け込んでセクサロイドに作り変えちゃった胸糞悪い研究所。そこの研究員である攻めと、セクサロイド受け。身体も脳も作り変えられてしまったのでもはや人間ではない受けは、物事の善悪の判断もつかず、自分の置かれた状況のひどさもわからない。その受けの世話を任された攻めは、最初は押し付けられた仕事で嫌々、でもだんだんほだされていきます。
攻めはクールというか、感情をあまり動かさないタイプなので、受けを甘やかすわけではないし、優しくするわけでもありません。なのに、そんなつれない攻めに懐く受けがとても可愛い。ついでにつれない攻めもまた可愛い。もうちょっと優しくしたれよ、とは思わないでもないのですが。
受けは言葉がカタコトで、個人的にカタコト萌え属性があるので、ちょっと滾りました。
受け攻め間の本番はなし。いつかそういう関係になれるといいな、と思います。
完結したから買ったのですが、これ続きはないのかなぁ…。いろいろ片付いていない問題とか、本懐とか、本懐とか(笑)すごく読みたいんですが。
下巻の前半は、上巻に続き研究所内での話。
進藤はとしおを引き取る決心をして、自宅に連れ帰ります。
後半は進藤ととしおの二人暮らしの話になります。
後半の二人だけの新生活の話は、ほのぼのと初々しくて切ないです。
家に連れ帰って二人きりになっても、進藤はとしおとセックスする気はないようですが、それでもとしおは、進藤を好きだと伝える言葉を、進藤が受け取ってくれるようになったので、それだけでも幸せです。
書き下ろしでも、相変わらず二人の関係はキスどまりですが、進藤がとしおを好きだとちゃんと言葉にするまであと少し。
ここで終わり?って、この続きがきになります。
最終的に、研究所に関しての割り切れない気持ちがどうしても残るので、ギリギリ萌2で。
上巻に引き続き、下巻もとてもかわいらしい作品でした。絵が好き。ほんとうに好き。
胸をキリキリ痛めつけるような不幸は起こらず、強いて言えば進藤の会社内での地位が下がったくらいで、ストーリー後半は幸せでよかったよかった、と言えるようなハッピーエンドを迎えます。
設定については、一貫してまったく現実味がないのですが、としおくん(受け)の脳内がファンタジーなこともあり、なぜだかそういうもんかと受け入れられました。読んでいるとどこか違う地球の話でもしてるんだろうな的な気持ちがわいてきます。
そういう漫画です。
現実から逃げて幸せをどこかから分けて欲しくなったら読んでください!
上巻がほの暗い雰囲気だったので、続きが気になってました。
下巻は上巻ほどの暗さは感じられないものの、としおさんの根本的な問題はあまり解決していないというか、しんどおさんがより人間的な感情をとり戻しつつあるとしおさんを何とかしてあげたいと思って、外の世界へと連れ出してあげて一緒に暮らしますが、それで救われたのか疑問です。
もともと人間だったとしおさんをサイボーグに変えてしまった倫理観とか、サイボーグになる前の生活とかがどうしても気になってしまって、一緒に暮らせて良かったね。と思えないのです。
BLはファンタジーと言ってもある程度の物語は回収して欲しかったというのが正直な気持ちです。
とりあえず疑問点は残りますが、としおさんが無邪気でかわいいです。
インタビューで育成ゲームからアイデアが浮かんだというようなことをおっしゃってたので、としおさんの成長物語として読めば良いのかもしれませんが、読後感がもやもやしたままなので続編希望します。
結論から言うと、上巻を読んでラストは絶対こうはならないけどこうなる未来が見たかったと思っていた展開がそのまま描かれてしまったという感じです。いい意味でも悪い意味でも裏切られました。
たぶん上巻を読んだほとんどの人はハッピーエンドになることを予想していなかったと思います。あまりにも残酷な境遇にあったとしおさんが、下巻のしかも割と前半からこんなにあまあまな展開になるとは予想外でした。
妹のために人間としての尊厳を捨てサイボーグになったとしおさん。せめて完全に心もサイボーグにしてくれたらこんな切ないことはなかったのに。としおさんはサイボーグとしても人間としても半端なのです。性的な方向における感情は麻痺、むしろ淫乱にされているのにそれ以外の感情は鈍いけれど正常に動いている。そんなとしおさんだから進藤はとしおさんにだんだん人として愛しさを感じてしまう。としおさんも他の人とは違う進藤に出会ってすぐから惹かれてしまう。切ないです。サイボーグなら心も殺してあげてよと思ってしまいました。
進藤ととしおさんが出会ったのもとしおさんのセクサロイドとしての調査やメンテのため。進藤は最初割り切ったふうに仕事をこなしていきますが、だんだんと割り切れなくなってしまい…というところで下巻へというところでしたが、なんだか下巻ではあっさりとくっついてしまったのです。肉体関係はないのですがあまあまです。なんといってもとしおさんがかわいい。としおさんがかわいいのは上巻からでしたが、誰がこうなると予想していたでしょう。きっと救われない涙なしでは見られないラストが来ると思っていました。それは読んだ人の心に重く残る胸の締め付けられるお話になると。上巻のシリアスな部分がまったくないというわけではありませんが、想像していたよりもずっとかるーく流れてしまって。あくまで錆のゆめは夢で終わるのかと思いきや。あまりに想像と反対にお話が進んでしまったので、若干気持ちの向けようが宙ぶらりんになってしまったというか。でもとしおさんの夢が現実になってよかったね。
下巻の展開に拍子抜けしてしまいましたが、この2人には語られないきっと悲しいことが未来にはたくさんあると思います。それを思うとただほのぼのした幸せな2人が見れてよかったかなと思います。
私の抱いた感想と同じ事をとても分かりやすく書いていただけてすごく頷けました。
不幸になってほしい訳じゃないけど、凄く拍子抜けしてしまったんですよね。
ハッピーエンドだとしても、幸せな2人は下巻の10パーセントくらいで良かったです。
上巻のレビューに「メルヘンで包んだ倫理を問う問題作をどのように終わらせるのか興味があります。」「人間としてノーリターンな少年が救われる姿とは?」と書いたのですが、久間先生の描かれたラストは、こうなるだろうなと想像していた中の一つでした。無垢で幼くてとても可愛いので、いちゃいちゃシーンにはほっこりキュンとするし、あの状態で出来得る限りの幸せを手に入れたと思うんです。だけど私が読みたかったのはこれじゃない。私の想像を超えた衝撃的なテーマの作品は、私ごときが想像出来るような終わり方ではとても満足できません。故に「体も知能も奪われた元は人間のサイボーグ」という重いテーマが宙ぶらりんになってしまった。たぶんこれがテーマだと思っていたのは私の勝手だったんだと思う。この本のテーマはきっとそこじゃない。
多くのものを失いながらも無垢な心を持ったとしおが、どこまで回復するかはわからないけれど、進藤との生活で少しずつ取り戻してゆく。そこで直面するとしおの苦悩や、それを支える進藤の苦しみを描いてほしかった。その先の幸せが見たかったです。
読み終えてとしおが幸せそうで良かったけれど、改めて表紙のとしおを見て、まったく可愛いとは思えないんだ。ただただ悲しくて泣きそうになる。これはグリム童話のようなものだったのかもしれない。本当は怖い…みたいな。
ayaayac様
コメントありがとうございます。上巻へのコメントもありがとう。
丁度レビューしていたところだったので、嬉しくなってしまいました^^
「錆のゆめ」はもうどう捉えて良いのかわからなくなりました。
私としては「アルジャーノンに花束を」みたいに、知るがゆえの苦悩や失う怖さも描いてほしかったんですが、レビューにも書いた「グリム童話」のような作品に感じました。だけどそれなら悪人にも残酷な制裁が、サラリと童話調に下るべきかな?とも思えて、どうにも中途半端に感じてしまうんです。
作者様がおっしゃるように「育成メルヘン」なら、あんなにダークな設定はいらなかったと思います。
場面場面で切り取れば萌えがあるのですが(としおがめっちゃ可愛いですもんね)、とにかく設定が残酷すぎましたよね。私もモヤモヤが残りまくりだし、何度読みなおしても喉の奥の塊は取れません。
リコリス様
こちらへのレビューと入れ違いで、上巻のレビューに下巻レビューへのおねだりをしてしまいました…
す、す、すいません。
>そこで直面するとしおの苦悩や、それを支える進藤の苦しみを描いてほしかった。その先の幸せが見たかったです。
なるほど。そこが描かれていたら作品の印象が違っていたかもしれません。
でも絶対条件として、としおさんが人間の身体に戻ることはできないので、私はその苦悩を見るのが怖くて気付かないままでいて欲しいと願ってしまいます…
でも設定を未解決なまま、ほのぼのだけを描いた下巻には違和感が残ったままでモヤモヤが晴れないのも事実です。
シリーズ通しての感想になります。
サイボーグに改造されたとしおさんと、サイボーグ改良のため、としおさんの面倒を押し付けられた研究員の進藤、二人のほのぼのとしたやりとりはかわいらしく癒されるのですが…どす黒い背景が頭を離れない。
孤児のとしおさんは妹の里親を見つけてもらうことを条件に、進藤の叔父の依頼「サイボーグに改造されて男とセックスする」を引き受ける。
人間には戻れないし、二度と妹にも会えない、それでも「よかった」と妹が幸せになれることを喜ぶとしおさんに胸がしめつけられました。
健気でかわいいとしおさんは、サイボーグとして知恵を奪われたからじゃなくて、としおさん自身の資質なんだろうな。
進藤はとしおさんがサイボーグでセックスの道具にされているとわかっていても、自分が相手をするわけじゃないし関係無いと”物”として扱っていたけれど、一緒に過ごすうちにとしおさんがやりたいことをさせてあげたいと”ヒト”のように思いはじめ、としおさんを引きとることに。
「ずといしおにいたい(ずっと一緒にいたい)」と答えるとしおさんが健気でいじらしくて涙腺決壊です。
大好きな進藤と一緒に暮らせて、とても幸せそうなとしおさん。
でも、ちゃんと話せるようになって、出来ることが増えれば増えるほど、自分が鉄の塊であること、人間には戻れないことに気付いてしまうんじゃないか…
進藤は善人でやさしいけど、としおさんに対して一番残酷なことをしている気がする。叔父の罪滅ぼしをする気はないと言っているけれど、としおさんを引きとることは自分が”人間”でいるための自己満足に思えてしまう。
サイボーグ製造に関して誰にも罰は与えられない。
征服欲を満たすには幼さが残っていたほうがいいそうで、「人間の黒い欲望を叶える夢の道具」、第二第三のとしおさんはこれからも作られ続ける。
心を大きく揺さぶられたのは間違いないけれど、どす黒い設定は何も解決していないままで、としおさんがかわいければかわいいほど苦しくて悲しくなってしまう話でした。
心が辛くなる上巻から打って変わってひたすら可愛らしく、心がほかほかする下巻でした。
以下ネタバレ注意です。
下巻前半はメロメロなとしおさんと、としおさんに対しての気持ちを自覚していく進藤さんのお話でした。
表情豊かになり、話せるようになっていく素直で無垢なとしおさんにどんどん心砕いていく進藤さん。上巻の序盤とは大きく異なり対人としてお話しています。表情も柔らかくなり笑顔を見せる進藤さんにキュンキュンします。
上巻から出ていた同僚の方は、進藤さんに自分の持っている気持ちの正体について考えさせるキーパーソンでした。彼のとしおさんに対する対応は、読んでいるこちらは完全にストーリテラーである進藤さん寄りになっているのでひどい!と思ってしまいますが、会社側からしたら至極真っ当で、逆にモノとされているとしおさんに対して人間性を見出し、対人して世話をしている進藤さんの方が奇妙な存在であるということを改めてこちらに認識させてくれるものでした。
そして色々考えた末、とくに困難という困難はなく、(左遷はさせられてしまいますが )としおさんを家に連れていく進藤さん(この連れていくときの進藤さんの言葉や、表情も、のちに語られる進藤さんの気持ちを知ってからみるとたまらなくキュンキュンします)
ここから下巻の後半パート、二人の幸せな日常が始まります。 それがもうとにかくかわいい!幸せいっぱいで尽くすとしおさんも、そんなとしおさんを慈しむ進藤さんも、とにかく異なるベクトルに無垢な二人が送る生活はかわいくてかわいくて仕方がありません。また、キスだけでここまで胸がいっぱいになる作品少女漫画でも珍しいと思います。よよよ先生すごい。
また、進藤さんもとしおさんのこと大好きなんだなと思える描写もたくさんあってキュンキュンのオンパレードです。
個人的には、そうなってほしくはないけど処分がとしおさんたっての願いなら墓標立てると語る進藤さんにとても高揚しました。そうなったときにはしてあげられる覚悟があるということと、なによりそう思えてサラッと言えちゃうところがもうかなりとしおさんのことを深く愛してるのだな、と。
また進藤さんが結ぶ紐は全て縦結びになっていたり、帰ってきた進藤さんを迎えるとしおさんが毎回カバンを受け取っていたり、喫茶店の張り紙に草子地が含まれていたり…芸がとにかく細かく、作者のよよよさんのキャラクターへの愛がとても伝わってきます。
二人とも幸せで、ほわほわしてて本当に素敵なお話だったのですが、欲を言えば、妹の美羽ちゃんはいきなり兄がいなくなってその後どうしているのか、そもそもとしおさんはいま社会的にはどういったことになっているのか(死亡?行方不明?)、進藤さんの会社の詳細や、製品化の話、まだまだ色々知りたくて、続きが読みたいと強く思ってしまいます。もちろん二人のほわほわした日常もまだまだとってもみていたいです。とにかく素敵なお話でした。
電子の解像度について、追記です。
プランタン出版に問い合わせたところ、ファイル形式が過去の物と最近の物で違っていたために同一レーベル内での解像度の違いが出てしまったようです。
私はeBookJapanで購入しましたが、現在は錆のゆめは高解像度になってます。
(他の作品よりも高解像度なくらいです!)
おかげで細かい部分もよくわかるようになりました。
出版社様のすばやい対応のおかげでとても有難いです♪
さらてん様
お返事有難うございました!
気付いてくださってとても嬉しいです♪
やはり電子版だと拡大しても文字はまったく読めませんでした(T_T)
同じレーベルのコミックは高解像度のものもあるのに
錆のゆめは何故か解像度低いんですよね…
なので教えていただけなかったらまったく分かりませんでした。
紙書籍も買ったので早速見てみましたら
ものすごく小さい文字だったので、デジカメで拡大して見ました(^^;)
「なんでこの店来た」って、セルフ突っ込み?みたいな感じでしょうか。
草紙地というものを知らなかったのでとても新鮮でした!
作者の感想みたいなものなんですね。
久間先生の作品はとにかく細かい表現が多いので、電子の解像度あげてもらえるように要望でしたみます。
ありがとうございました!
サンシロウさんへ
返信とっても遅れてしまってすみません…。
草子地は180ページ左下のコマのポスターに書いてある文字を指していました。これを草子地ととるか、たんなるポスターの言葉ととるかは個人に寄ってだと思いますが…!
さらてん様
細かな描写までよく読み込んでいる素敵なレビューをありがとうございます♪
電子で読んでいるせいか細かい部分がよく見えないところもあり、
進藤の結ぶ紐が縦結びとか、気付きませんでした。
探しても分からなかったので質問なのですが、
「喫茶店の張り紙に草子地が含まれていたり」というのは何ページにあるのでしょうか?
良かったら教えていただけると有難いです。m(_ _)m
追加 とにかく幸せいっぱいの下巻でしたが、語られていないが確かに存在する手術当日、手術直前のとしおさんの気持ちや思い、最後に妹と過ごした日に考えていたことなどを考え出すとやっぱり根底は少し辛いですね…そんなダークさも相まって本当に素敵な作品でした。サイボーグになる前の鈴木聡夫くんの気持ちもみたい!
上巻でかなりショッキングな設定が淡々と語られ、下巻でどういう展開を迎えるのかと色々想像していましたが、かなり予想外の甘いほのぼのとしたハッピーエンドでした。
大円団!って感じのハッピーエンド、ではないですね。どうしても仄暗さを伴う、でもトシオさんが迎えられるものの中では最上級のハッピーではないでしょうか。
下巻では、セクソロイドになった理由や行われた事、トシオさんの出来ない事、妹の存在などにあまり触れられません。
それよりも二人で初々しく新しい生活に勤しみます。
その姿をみてホッコリしつつも、私の頭の中からは前述したものがどうしても払拭できないですが…でもそれらはもうどうしようもない事なんですよね。
飄々、淡々としているようで進藤さんから、トシオさんの持つそれらを抱えて生きていく強さと優しさを感じれたのが良かったです。そしてその理由が同情ではなく愛情なのが嬉しい。
トシオさんがセクソロイドから、人間には戻れないけど、他の何かになろうとしていく姿が愛おしかったです。
トシオさんはメンテナンスどうするのかなー、耐久年数は?進藤くんはいつ踏み切るのか?!進藤くんは会社で大丈夫なのか?そもそもあの会社ってなんだ?製品化の話は?んで妹は?とか想いが尽きないので 笑 本当まだまだ続き読みたい!!!
こういった嗜好振り切った作品に出会えるのは最高の喜びです。
上巻を読んだ後からずーーーっと下巻を心待ちにしていました!
勿論それは上巻をすごく楽しめたからなのですが、
「しゅみじゃない」に評価を入れてしまった方の気持ちもわかるのです。
「としおさん」の生まれた背景、本当に胸糞ですよね。
フィクションとはいえぞっとするおいたちです。
上巻を読んだだけだとバッドエンドなのかなあなんて思いもしたのですが、
下巻を読んだいま、最高ーーーーにハッピーです!!!!
バッドエンドを心配して読んでいない方には、
幸せな読後感なので恐れず読んでいただきたいとだけお伝えしたいです!
以下ネタバレです。
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「無垢なとしおさんと絆されていくしんどお」
の構図でストーリーは進んでいきますが、
としおさん以上に可愛い受けを知らないなというレベルで可愛いです!
これは絆されないわけがないですよね!!
「くろいひ いっぱいある…」でしょんぼりするとしおさん。
しんどおの些細な言動に一喜一憂するとしおさん。
嬉しい時に素直にしあわせそうにするとしおさん。
どれを思い出しても本当に萌え萌えしちゃいます!
こんな子がおうちで待ってたらそれは好きになっちゃいますよね。
としおくんの可愛さを思い出すだけで涙がでてくるくらい愛しいです(笑)
胸糞施設とのやりとりもさらっと描かれていて、
大きな問題なく不快な気持ちにならないままストーリーが進んだので、そこも○でした。
ただししんどおの同僚のことは下巻になってからの方が
嫌な奴で好感度下がりましたが、、、
久間先生の可愛らしい絵柄と、かなりの確率で登場するメルヘンワールドもすごくマッチしていて可愛かったなあ(*>Д<)♡
アンドロイドものは、最終的に人間に先に死なれてしまって生死による離別がつきものだと思うのですが、
そういう場面が全くなかったことは、きっと久間先生が描きたかったのは無垢なアンドロイドと1人の青年が幸せになったお話だったんだろうなと思います。
(とはいえ、2人の最後を勝手に想像しては悲しくなってしまうのですが笑)
ずっと手元に置いておきたいBLです。
上巻発売時の作家さんインタビューの「育成メルヘン」がピンと来ず。
仄暗さが下巻への不安となり、本当に?メルヘンなの??と思ったのですが…。
本ッ当に育成メルヘンに練り上げられてた!
すごく可愛かったです。
「ただただ、いっしょにいたい」と願う聡夫くんの純粋な想いと、
聡夫くんに寄り添い大切にする進藤にキュンキュンでした。
もちろん事が事なので下巻でも闇は見え隠れし、腹の中の鉛は消えないけれど。
それでも聡夫くんが幸せそうに笑う姿がめいっぱい見られて嬉しいです。
最初は赤子同然のまっさらで、感情もなにもかも消え去ったセクサロイドでした。
しかし「まっとーにしたいと思っちゃう」という進藤の想い通り、覚束ないながらも言葉を覚え、羞恥心を覚え、進藤への好意・勉強疲れ・抵抗 etc.…様々な人間らしい感情を取り戻していきーー。
その状態で性玩具にされる描写がなかったのは、読み手としても救われたかな。
(まだセクサロイドだった時の回想はちょこっとありましたが…)
サイボーグではなく人として接し、教える。
進藤の姿勢は一貫したもので安心だったけど、進藤以外の人間はというと。
汚いモノだの、試作品だの、鉄と肉の塊だの…(怒怒怒)
非常に胸糞悪い話だけどココではそれが普通で、割り切れない進藤が「気持ち悪い」んだそう。
周囲との温度差が腹立たしく、悲しかったです。
進藤自身も変化があったのにはジンワリしました。
無気力・無表情で何の興味もないという体だった進藤。
聡夫くんのことで少し熱い部分がチラホラと…。
表情も柔らかくなって自然と笑いかける進藤にキュンキュン(∩´///`∩)
で。ぶっちゃけて言うと、進藤と聡夫くんは最後までしてません。
聡夫くんはしたそうにしてたけど進藤は戸惑いの色が…。
人間らしさを取り戻しても性玩具となった体内は変わる事なくそのままで。
好意を持つほど聡夫くんを性対象で見るのに抵抗があるように見えました。
好きだからこそ大切にしたい、という気持ちの現れでもあるのかな?
進藤のストイックな価値観に救われたので、愛情のこもったチューだけで萌えた(∩´///`∩)
…とはいえ、正直なところ見たかったなーという本音もあるw(腐女の業…)
いつかストイックを超えて聡夫くんと自然に抱き合える時が来たら読者にも見せて欲しいです!(熱望)
聡夫くんはもぅもぅ…(^///^)
ひたすら可愛かったです!!!
表情が豊かでコロコロ変わるのにキューってきた///
顔のベルトを外して。
理解して話せる言葉が少しずつ増えて。
痛々しかったサイボーグの手も義手に変えてもらって。
うさ耳は取れなかったけれど、それでもグンと人を取り戻せて良かった(;ω;)
進藤へのひたむきな愛情と一心に慕う姿が幸せそうで、胸がいっぱいになる。
で、上にも書いたけどチューが萌え禿げるのですよー!(੭ु ˃̶͈̀ ω ˂̶͈́)੭ु⁾⁾
「ちう(チュー)したい」ってお願いしたり、ドキドキなキス待ち顔のだったり。
最初のうちはキスすらも戸惑い気味だった進藤だったけれど、
季節が冬から夏に変わる頃にはキスする時に恋人手繋ぎしてたのが最高!!!(∩´///`∩)
あー堪らん。キスだけで幸せ満足度ハンパないわ…。
あと進藤が「としおさん」と呼び敬語で話すのツボでした♡
ダーク寄りだった上巻から一気に育成メルヘンへと舵が切られた結果となり。
研究所の目的や、生身を使ったセクサロイドをどこまで本気で考えてたのか、製品化というワードが出てたので聡夫くん以外の被害者がいるのか?などなど、謎を多く残したままダークな部分には蓋がされました。
細かい部分が気になる方、ダークな世界観を気に入っていた方にはモヤモヤするかも??
個人的には聡夫くんの幸せを見ることが出来てホッとしてます。
ただ、聡夫くんの妹はちゃんと幸せに暮らせているのかは気になる。。。
お話はここでは終わったけれど、もう少し掘り下げた続編・その後のイチャイチャな日常・2人が自然に求め合う姿など、まだまだ読ませて欲しいです゚+.((人д<o))゚+.
『錆のゆめ』の下巻。上巻がとってもツボだったので、発売を心待ちにしていました。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
「下巻」なので、上巻が未読だとサッパリ理解できません。上巻未読の方はまずそちらから読まれてくださいね。
表紙が可愛いです。
セックスのためのサイボーグとして改造された少年がドアップで描かれています。でもよく見ると、腕の付け根とか、tkbの所とか、改造を施されたのであろう場所の皮膚が引き攣れていてなんとも哀しい気持ちになる。
そして、それを彼自身哀しいことだと思っていなさそうなのが、これまた哀しい。
下巻はサイボーグの少年が、進藤に懐き、一生懸命勉学に励むシーンからスタートします。
言葉を教え、文字の読み書きを教える進藤と、進藤に褒められたくて一生懸命な少年とのやりとりが何とも微笑ましい。
そんな中、彼らを取り巻く職場の面々の冷たさが切ない。
セックスのために作られた、ロボット。
そう称し、「人」としては接しない面々のなか、そっけない態度を取りつつもセックスの道具としてではなく人として接する進藤に、少年がどんどん信頼を寄せていく。
少年がまだサイボーグとしてではなく、少年として生活していた時の名が聡夫だと知った進藤が、彼を呼ぶときには必ず「としおさん」と呼ぶ進藤の優しさが胸に迫る。
進藤が、としおさんに、どんどん恋愛感情を抱いていく過程に激萌え。
進藤は飄々とした青年なので分かりづらいのですが、そこかしこににじみ出るとしおへの愛情が垣間見れ、とっても温かい気持ちになる。
としおはセックスのためにつくられているので進藤に触れられ、やさしい言葉をかけられ、ふとした瞬間に欲情のスイッチが入ってしまう。
けれど、そんなとしおを進藤が抱くことは一切ない。
そこに、進藤の愛情が透けてみえてくるのだけれど、その気持ちがとしおにも伝わっていそうな雰囲気がこれまた良い。言葉にはしていないけれど、そこにたしかにある愛情と信頼。少しずつ距離を近づけていく彼ら。
そんな中で、進藤が下した決断は―。
会社の社長であり、としおをサイボーグにした張本人の進藤のおじさん。
彼からの妨害や迫害がもっとあると思ったのだけれど、そういったシリアスな展開にはならない。
進藤は左遷こそさせられるものの、としおさんと穏やかな毎日を過ごす。としおに生活を教え込み、見守るさまが男前です。進藤のいう事を素直に聞き、少しずついろいろなことを覚えなおしていくとしおが、めちゃんこ可愛いし。二人でなんともない、ごく普通の生活を過ごすシーンにほっと一安心。
なんですが。
いや、過酷な過去を持ち、サイボーグにさせられてしまったとしおさんにとっては良かったと思うんです。進藤ととしおの二人には幸せになってほしいと心の底から願っています。
のだけれど、あっさり終わってしまった感がぬぐえない。
終わりも、え、これで終わり?という。
もしかしたらまだ続きがあるのかな。
としおさんは手元にいるけれど、彼をもとにつくられるサイボーグたちはいそうだし、おじさんからの迫害も受けてほしいし、もう一波乱欲しいな。
タイトルも『錆のゆめ』という、受け取り方によっては不穏なタイトルだし、このまま終わっちゃうのは不完全燃焼というか。
という事で、ぜひとも続編を描いてほしいです。