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negative
さすが鬼才。
そう呼ばれる理由が、たくさんこのなかにありました。
というか、これだけ「ネガ」な作品を詰め込んでいるのに、面白いしかないってどういうこと?!!
たとえば、三角関係で。
実はしたたかなやつのおかげで、とんでもない「ネガ」作品に仕上がってしまったのに、それすらも面白いなんて!!
たとえば、普通のリーマンだったはずなのに、ボディピアスが。
結局そのボディピアスは、×××などの存在があって、、、
たとえば、恋をした相手と身体が入れ替わるなどして。
その相手が自分が好きだった人と、付き合っていて、、
いや、入れ替わったことでその人自体も気になってしまって、、、
とくに最後のアンソロ収録作品は、女性視点で描かれた作品でした。
BLにおいての女性キャラの立ち位置などにも触れられていたり、身体が男女で入れ替わった際の苦悩だったり、とそこまで触れるの?? と、驚いたほどの読み応えがありました。
帯が消えてますが 「もしあの時こうしていれば…切なさと後悔と…あなたなりの「幸せ」を見つけて下さい」と書いてあります。
そんな…まず、この子達は幸せでしょうか?
ラスト完全なる幸せにはみえませんが。
でも、読み返すと彼らは確実に幸せだった。
勝手にネガ ポジはネガティブ、ポジティブの略だと思い込んでましたが、表紙の白黒同様カラーポジ、モノクロネガの反転を思い出しました。
7色カラーの幸せな日々から、相反する色の事柄が加わり反転する様、少しずつ灰色に近づいていく。
少ない頁ながら滔々たる胸を打つストーリー。
圧巻です。
初っぱなから嵌められた気分です。
3人トライアングルなのに、何故か一番肝心な彼の目線が全く無い。だけど巧みな台詞まわし、人物描写で何と無く分かってしまう。
そして彼らの名前が一切出てこない。はらだ先生が少し俯瞰して見ているのでしょうか?
攻めの彼は友情を破壊し、手に入れたものは…。しんどいな、虚しいな、悲しいなぁ。
ネガとポジは真逆ですが、2つはセットで共存しています。登場した彼らには僅かでも光(陽)が有るなら手離さないで欲しい。
陰の後は陽が来る。其まで、何とかしがみついて欲しいと思います。
それが私が見つけた幸せ…
っていやいや、クズでゲスで変態を書いたら天下一品(褒めてます)はらだ先生だからなぁ。
更にギッタンギッタンにされるかもしれないな。
何か解ったような事を書いてお恥ずかしい限りですが、別作品「やじるし」で、「そんなに下衆く無くてすみません」なんて、謙遜無しで話せる鬼才はらだ先生の考える事は私の頭では想像出来ませんね。
ただ最後のバイプレーヤーだけは早く手放して と断言出来ます。
女は報われないねぇ。
女×BL題材でこのストーリー、敬服です。
そして最後辺りチラッとこちら(読者)を見てから気付きました?メタを入れながらの側に居た壁女子、
こんなにお仲間がいましたね。
さてレビュータイトルですが、おわかりいただけたでしょうか?
最後に好きなひとほど の麦ちゃん とあさとよるの しおりが居ましたね!
キャー!(恐怖)
いや、違う。
キャー!(歓喜)
そうそう、あなた達も苦労したわよね。
こうやってクロスオーバーで出してくれるのも嬉しいですね。
先生、おかわり いただけますか。
切れ味の鋭い短編が大好きです。
この頃のはらださんの作品は
彼女の鋭いセンサーにひっかかった一点を
センスのみで描き切る凄味みたいなものがあるように思います。
この人、天才だ!と何度も思ったことか。
最近のちゃんとプロットやキャラクターの設定を練って
描かれている長編も好きですが
この頃のセンスの塊みたいな短編は格別でした。
特に好きなのは「ピアスホール」ですね。
首裏のピアスのエロスが最高。
はらだ作品が好きな方には是非読んでほしい一冊です。
特に後悔の海とピアスホールが好きです。
後悔の海は最後、長い黒髪の子の方が虚しくて泣いてるシーンが切ない感じで良かったです。あとキャラが関西弁なのが良かったです。はらだ先生の作品には関西弁使うキャラがよく登場しますが、先生は関西出身の方なのかな?
ピアスホール。上品さのあるエロって感じで良かったです。こんな独占欲の表現方法があるんだなあ〜と思いました。
私も首の後ろにボディピアス空けたくなりました。
ポジもすごく面白かったです(笑えるっていう意味で)。
どんな善人でもきっと誰もが持っている「黒い部分」。
そこを抉る手法は、はらだ先生の右に出る者はいないんじゃないかと思います。
【後悔の海】 萌
3人で仲が良かったのに、その中の1人に中学の卒業式の後で告白されてフッた。
気まずくて会えなくなって数年後、2人がキスしているのを見た主人公は…。
「ハメられた人間」と見ると不幸に見えるけれど、「体面を気にして傷付けた人間」であり、「たとえ気持ちがあっても乗り越えられなかった人間」なんですよね。
「好き」という気持ちが何よりも大事で大きければ、後悔をすることもなかったという話。
【スイメンカ】 萌2
前話の「ハメた人間」目線です。
3人でいたけど好きだった相手が、自分じゃない方を好きになったと聞いたとき。
「絶対に手に入れる」と思ったら、ズルいことだって何だってする。それが執着ですよね。
何も知らない2人は彼によって作為的に引き離されて、好きだった相手は自分の手の中に落ちて来たけれど、いつも付き纏う「自分を好きなわけじゃないのかも」という不安。
過去の一瞬を切り取って繋ぎ合わせる手法で、彼が何年もその不安を抱えてきたことがより強く伝わってきます。
【ピアスホール】 萌
おとなしそうに見えるリーマンの意外なボディピアスに惹かれるマッサージ師。
距離が近くなって、自分の体に穴を開けることを許したときに聞かされた告白。
今はピアスを開けた相手には何の思い入れもないからこそ話したんだろうけど、それは通じないよーという展開でした。
そして打開策が何となく、毎回この手を使ってるんじゃないかと思えてしまった。
付き合う人の数だけ穴が増えて、それまでの穴は拡張されていっているのかなあと。
【リスタート】(2話) 悲2
軽いノリのファッションホモ。
それが急に真剣味を増した瞬間、自分が傷つくのが怖くて先手を打った。
そのせいで全てが変わってしまった2人の話です。
世の中にはやり直せることもあるけれど、何をしても取り返しがつかないこともある。
時間は巻き戻せないし、失ったものもまるっきり同じものはもう手に入らない。
一見するとしあわせに見えるけれど、ずっと後悔は消えないんだろうなあという話でした。
【私たちはバイプレイヤー】 萌〜中立
他の女子BLとはちょっと違うような。
展開的にはまさに女子BLなんだけど、途中の展開がわたしにはちょっと無駄に思えてしまいました。
わたしは自分がどちらかと言うと「明るい作品が好き」な方だと思っていました。
好きなものは後に取っておく派なので『ネガ』と『ポジ』も、『ネガ』から読みました。
…こっちが好きな方だった。
『ポジ』はポジティブな面に焦点を合わせたわけではなく、全体にドタバタして、ノリは明るいけれど、残るものがない作品もあって。
こちらは黒い部分を見せられるけど、「好きだからこそ」というのが根底に感じられたので、心に響いて来ました。
引きずるほどの黒さはないので、はらだ先生の作品の入門編にしてもいいのかなという作品集でした。
レビューを見て期待値も上がっていたし、はらださんの作品がすごい好きだったんですが、なんか思っていたのと違ったなって感じでした。
私は執着攻めのサイコパス感が好きで、「にいちゃん」や「カラーレシピ」みたいなのを期待していたら全ての話切ない感じで終わっていました。
でもまぁ題名通りのネガティブ感はありました。悲しくなる感じですかね。
でもやっぱりはらださんの作品は絵が綺麗だし、内容も他の人が考えないような作品でしたので気になっている方は買ってみてもいいと思います。
はらださんにしてはエロは少なかった気がします。
執着、サイコパス、暴力系が好きな方にはおすすめ出来ません。
「ポジ」の後に読みました。
どのお話も、その後について想いを馳せずにはいられないような余韻の残るものばかりでした。
「後悔の海」「スイメンカ」が1番悲しいお話だったかな。
誰も幸せじゃないエンドは寂しすぎます。
そんなつもりじゃなかった、あの時ああしていれば、あんなことするんじゃなかったなどなど人生に後悔はつき物ですが、そんな気持ちをこの先も持ち続けていかなければならない子たちが不憫でした。
「ピアスホール」は痛そうで、苦手かもと恐る恐る読みましたが、ですます調で淡々と語られるちょっと背徳感漂うお話に次第に夢中になってました。
挿入したままピアスを開けるなんてエロい。
相手にピアスホールを開ける事で独占欲を満たす、そんなお話でした。
「リスタート」「リスタート/ミキ」もまた救いのないようなお話でした。
お互いに本音で愛を伝えられたのがこんなことになってしまってからというのが切ない。
ミキがもしかしてフリをしているのでは?という期待は外されてしまい残念。
こちらも後悔のお話でした。
「わたしたちはバイプレイヤー」は主人公が女子なお話で、こちらは主人公的には悲しいお話でしたが、BL的にはハッピーエンドという複雑な心境の物語でした。
多分頻回には読み返さないだろうけど、きっとまた読み返しては物思いにふけるであろう、そんな短編集でした。
やばいです。ただただやばいとしか言えません。語彙力ないのがもどかしいことこの上ないですが…。人間が潜在的に持っている憎悪や嫉妬その他もろもろの醜い感情をこんなにも悲しく、そして美しく作品に昇華させてしまえるのははらだ先生の手腕と言うしかありません。
背景が白か黒のベタ塗りが多いせいか、話の全部がどこか薄暗く、無機質な印象が強いように思いました。
でもそんな無機質に見える世界にはらだ先生の拵えた登場キャラたちを置いてみると、彼らの熱の通った感情が際立ち、とても尊いものとして仕上がっているんです。こぼれる涙や汗、横顔、目の動かしかたひとつをとっても、「生きてる」って感じがします。
ストーリーもさらっと組み立てられているように見えて、非常に綿密に練られているのだと思います。
とりとめのない文章ですみません。ただやっぱり、やばいBLだと思いました。多分、はらだ先生のBLのなかで一番好きです。
神としか言いようがない作品の1つ。
ヒリヒリするダークなネガ。
ネガポジでは私は断然こちらです。
この面白さは衝撃でした。
なんでこんなの書けるの?
短編集だけどはらだ先生のは
ほんとにずっしりきます。
はじめの2作「後悔の海」と次の「スイメンカ」が
きつ過ぎてきつ過ぎて
実はこういう事だったんだよ
水面下でこんな風に動いてたんだよって
みんな傷つけてもどうしても欲しかった初恋。
三人組の思いが交錯する苦しい苦しいお話ですが
もう何度も読み返してても
その時系列とか展開に
毎回すごいなすごいなってブツブツ言いながら
読んでいます。
やっぱ天才だなって思うのは「ピアスホール」
こうゆうのを読むとはらだ先生って短編でこそ
実力発揮すんの?って思ってしまいます。
ほんと美しいです。
臼井さん(表紙の人)がピアスホールの告白をした後の展開たまらないです。
こちらも自分の衝撃的作品の一つです。
あと電子じゃなく単行本がいいです。
エロエロと言われるあれですので
竹書房は絶対単行本でがいいなあ〜
白ヌキだめです。
どこか仄暗いのだけど、
しんみりしてしまうのだけど、
どのお話もぐっさり深く突き刺さりました。
『後悔の海』/『スイメンカ』
3人の幼馴染たちの間でぐちゃっと恋が縺れています。
あのとき告白されたのは自分だったはずなのに、
その恋が数年後に失恋として返ってくるなんて…。
好きな人の初恋を奪って、自分の初恋を実らせて、
その行き着く先は…
もはや取り返しのつかない少年たちの感情が切ないです。
『ピアスホール』
…濃ゆい。そして、痛々しい。
平凡の下に潜むアブノーマルがなんとも官能的でした。
『リスタート』/『リスタート/ミキ』
一番好き、というか、一番えぐられました。
もう切なすぎる…。
攻めの心情を思うと、ジュリ同様なんて言えばいいのかわからない…。
2人には幸せになってほしいという願いしか思い浮かびません。
攻めもミキも、同じ想いだったのだから、
ただありのままを口に出せばよかっただけなのに…。
側にいるのに、手をつないでいるのに、遠い。
雪の中に溶けてしまいそうに囁かれる
攻めの「あいしてるよ」に泣きそうになりました。
これは悲劇なのかな?
失うことで手に入れた新たなハッピーエンドなのかもしれない。
『私たちはバイプレーヤー』
おもしろかった~。姫海はBL女子の鑑でした。
BLの世界においては女子は壁役に徹するか、お邪魔な敵役になるか、
あるいは影の応援団となり見守るか。
そう、どんなに彼らが格好良くても、彼らを好きでも、
その恋は実らないし、実らせてはいけない。
「わたしたちが幸せになったら このお話はなりたたないから!」
その通り!
「後悔の海」と「スイメンカ」が大好きです。この二つの話に出会えただけでも、ネガを買ってよかったと強く感じます。
受けを振る友達。何も知らない友達。水面下で進められたトライアングルラブ。
三角関係の恋は大体一人は幸せになれないというお約束があるけれど、これらのお話では全員が幸せでなく後悔を背負い込んでしまう。けれどもそんな、やりきれなさの余韻がすごくよくて。
子どもでも大人でもない、その中間に置かれているが故の脆さや醜さ、青さだとか。
そんな感情の機微を、力強い、または繊細なタッチで掬い上げようとする描写が所々に見受けられて、見返すたびに毎回ぞくぞくします。
この作品は確かにネガでダークな「闇」の部分が濃いでしょう。でもだからこそ、そこに投じられた一つの光はうんと冴えるのかもしれない。
的確に心に抉り、痕を残してくれるBLでした。評価はもちろん「神」です。
クズ、鬼畜が煌めく作風のネガ。確実な面白さで安心して読むことができました。個人的には対になっている「ポジ」の方がナチュラルに狂っていて誰にでも描けるもので無いと言う点で衝撃的でした。それにしても先生は一体どんなお人なんだろう…頭の中を覗かせてもらいたい、何人か住んでいそう。読めば読むほど興味を掻き立てられます。
「後悔の海」「スイメンカ」の三角関係が胸に残りました。
無邪気な仲良し三人組が出し抜いたり出し抜かれたりする関係になるとは。
ここで終わるなんて救いがない、と思いつつ、ここで終わるから美しいのかなとも思います。この切ない読後感が良いのでしょうね。
それはそれとして、蛇足だとしても彼らの今後を想像せずにはいられません。
「ピアスホール」はフェチズムの塊のようなお話。
残念ながら私の癖には刺さりませんでしたが、独特のエッチさがあるのは確か。
痛いのが平気で不自然さに興奮する人には最高なんじゃないかなと思います。
私も「ネガ」の方が好きかも。
最初に読んだ時は、文字通り痛過ぎて。無理めだと思っていたんだけど。
心揺さぶる物語性というところでは、この「ネガ」の方がギュッギュッと詰め込まれているかと思う。
どの物語も秀逸だが、やはりゾッとするやるせない切なさと、執着の強さに込み上げるものがあって。
巻頭の「後悔の海」「スイメンカ」は心掴まれる。
「ポジ」の「メシアの凶日」と好対照に、ここでも三人の思惑が描かれる。
淡くも脆い三角関係。一人の男子生徒の初恋を巡って、二人が愛情の火花を静かに散らす。
どんなことをしてでも、友情にヒビが入っても。手に入れたかった恋。
罠にかけられて、自分の気持ちに嘘をついた恋。
友達を想って、静かに終わらせようとした恋。
手に入れたかった恋は、人の心までは、どうにも止められなくて。
無力感だけが、その手に残る。
自分の業が、自分に罰を与えたその時、崩れ落ちる。
誰が悪いのか、もう分からなくなって、切なさに涙。
そして、最も耽美的で美しい「ピアスホール」
詩のように綴られるモノローグと、白と黒のコントラストが美しい絵。
私事だが、私はピアスホールを開けてはいない。
理由は簡単で、痛そうだからだ。ジュエリーデザイナーの友達にずっとピアスホールを開けろと迫られているが、応じることは無い。なので、イヤリングやイヤクリップを使う。
臼井さんはその美しい身体の、最も痛そうな箇所にピアスホールを開ける。
その痛みに打ち震える事こそが、愛情の証しだと言わんばかりに。
言葉の醸し出す美しさを味わって読む物語。…しかし、痛い。
もぅ、戻らない哀しみの「リスタート」。
愛し合えているのに、言葉にしないまま、すれ違っている二人の切ない物語。
アンサーソングのように語られる、ミキ視点の後編が切ない。
二つの物語のラストには両方ともに涙する。
愛はもう、届かないかもしれないけれど、そこに確かにあるということ。
残酷だが、優しく包んでくれるようなショートストーリー。
そうして、この「ネガ」な気持ちをちょっとだけ和らげてくれる
「わたしたちはバイプレーヤー」。
ここに出て来る女子たちはイコール読み手側のほとんどの女子かもしれなくて。
ちょっとだけ「ネガ」な気持ちを持ちながら、BLという彼らを見守る「ポジ」なのだ。
ネガポジ反転して、心に光。アイロニカルな心の闇を描いて、それでも光ある結末を。
やっぱり「神作品」だと思う。
サンプルを読んで面白そう!と思い購入しましたが結果大正解でした!
「後悔の海」「スイメンカ」の三角関係の話はせつなくてなんとも言えない気持ちになりました。この本の中でいちばん好きなお話です。
レビューを書きながら気づきましたが登場人物の名前が誰一人出てないんですね…全部あいつ・おまえで成立してるのがすごいです
自分的には元々両思いだったはずの2人にくっついて欲しかったけど、もう無理やろってくっつかない選択でよかった気もします。せつなさ増しますがそれがまたよいです。
今付き合ってる黒髪2人はどっちみちダメになりそうな予感…。
「ピアスホール」
痛い表現に抵抗があるので恐る恐る読みました。穴を開けるシーンはやはりこちらも痛い気がしてきてびくびく…
「リスタート」
子供のようなミキが愛しくもあり可哀想でもありました。少しずつでいいからゆっくりゆっくり幸せを感じていってほしい…
「わたしたちはバイプレーヤー」
ラストは少しうんうんと切ない気持ちになりましたがそれ以外は笑いどころ満載でした!笑
個人的に脇川がすごくかっこいい…
雄みがはんぱなかったです。
はらだ先生の作品は本当にどれも素晴らしくて本作も大満足でした〜!
【後悔の海/スイメンカ】
3人の男子が繰り広げる最終的に誰も救われない話でした。中学校卒業間近にAがずっと好きだったBに告白しようと考えていることをCに告げるんですが、Cは実はそれより前からAのことが好きだったという泥沼から始まります。そこでCは表向きには応援しているように思わせながら、Aの知らない所でBにゲイ動画を見せ「ホモとか、引くよな」と言って、本来は偏見を持っていなかったBに無理矢理同調させます。後日Aに告白されたBは、そのCの言葉が思い浮かんで手酷く振ってしまいます。
CはAを慰める過程で告白し2人は付き合うことになりますが、初恋を叶えられなかったAと、汚い手を使ってでも初恋を叶えたCの関係が歪で、何とも言えない気持ちになりました。そして更に時が経ったところで、Bが偶然2人の関係を知ることに。Cに嵌められたことに気付いたBは当時のことをずっと後悔しており、自分も本当は好きだったとAに伝えますが、AはCのことを考えてなのか受け入れませんでした。結果的に誰も幸せになれなかった、非常にやりきれない気分になる話でした。
【ピアスホール】
他人から見えない位置に沢山ピアスを開けている受けに惹かれ恋人になったものの、実はそれらが元恋人、そのまた更に前の恋人…と、複数の男たちに開けられてきたものだと知り嫉妬に駆られる攻め。全ての穴を拡張することで上書きした気持ちになるのですが、痛々しさとか攻め受けそれぞれの性的倒錯を感じました。
【リスタート】
今作の中で一番好きな話です。周りにゲイであることを隠さずにいながら、互いに本気な訳ではなく、マイノリティとしての個性を強調しているだけ、ファッションホモを気取っているだけだと自分に言い聞かせてきた攻めと受け。実は2人とも相手をきちんと好きだったのに、本気だと思われるのは怖いとその本音を言わずに過ごしてきました。そんな時に受けがタイで事故に遭い、攻め以外の人物の記憶をなくし若干幼児退行のようになって帰ってきます。受けは攻めが本音を隠して言った「子供が欲しい」という言葉に触発されて、タイで性転換をしようとしに行ったのでした。事故で理性がきかなくなり中出しや手を繋ぐことを隠さず要求するようになった受けに胸を締め付けられました。何でタイなんだろうと思いましたが、まさかそんな理由だったとは。後悔してもしきれない攻めの表情や、事故で記憶をなくすまでの受けのモノローグに涙が出ました。どちらかが本音を言えていえばこうならなかっただろうに、後悔してももう遅いという事実が本当に辛い。
【わたしたちはバイプレイヤー】
重い話が続いた後で、軽く読める話です。モブ女子視点から見たBL。
はらだ先生の描く切ない作品が読みたいという方には、今作は一番オススメです。特に『後悔の海/スイメンカ』と『リスタート』は大好きな話でもあり、読むと毎回どうしようもない気持ちになる話でもあります。
「ネガ」と何ともシンプルなタイトルですが、その内容はとても濃く、心に残るお話が詰め込まれています。
大抵の短編集は、一つや二つくらい外れと言えるようなものがあることが多いのですが、この作品はそんなことは全くありません。
むしろ全てが一つの物語としてしっかりと確立されていて、素晴らしかったです。
はらださんによって新たな扉を開けられた、というよりは胸の奥に密かに眠っていたものを無理やり抉り出されたような感覚になります。
何度も繰り返し読む度に、魅力が増していくような作品です。
特に、私がいちばんおすすめしたい「ピアスホール」ではまるで近代文学のような言葉選びをされていてとても美しい文体として楽しむことができました。
主人公を「私」という一人称でおくのは、BLとしてとても斬新で面白いアイデアだと思います。
また、独特な絵柄と雰囲気でキャラクターの色んな表情を見ることもできます。
泣けるのはもちろん、ネガティブなのに微笑ましくなったり、クスッと笑えたりと、色んな感情になれるまさに「鬼才」の真骨頂です。
クセのあるお話の好きな方はきっと抜け出せなくなると思います。ぜひ御一読あれ。
後悔の海、スイメンカは3人組のお話で中学生の時はあんなに仲が良かったのに卒業式の日想いを伝えたら関係が壊れてしまい、高校がそれぞれ違う3人はだんだん関係が崩れていく…。その裏に隠された関係がとても衝撃的で結局誰も幸せになれないというとても切ないお話でした。
ピアスホールはこれは漫画なのか…?!!と言うくらい言葉に重きを置いている感じのお話でした!!
ピアスには詳しくなかったのですがこれを見るととてもピアスに詳しくなりますw
この作品はとても背徳感とか人は見た目だけじゃないなと思わされる作品で二人の関係が段々歪みつつある感じが何とも言えないです(いい意味で)
他の作品もとても切ないリスタートというお話と美少女とモサ男が入れ替わって1日過ごす私たちはバイプレーヤーというお話が入ってます…!!
驚異な一作でした。タイトル通りネガティヴで暗い話を詰んだ一冊。最初にBL作品にしては珍しいネームにびっくりしました。全体的に黒白のトーン、1ページに数行の文字も書く漫画として大胆な設計、コマの線の太さ、多めの黒ベタ…絶望さが溢れるような雰囲気が描かれていて不思議で素晴らしい作品です。
作品の世界観もねっとりとしてすごく考えさせます。どれも読み返す価値のある良いストーリーですが「リスタート」ばかり読んでしまいます。健気なミキと臆病な攻め(名前不明)の両片思いの話で、切なすぎて涙が止まりませんでした。描き下ろしのミキ視点も読んでて胸が締め付けられるように苦しいです。あの日にはもう戻れない、だからこれからちゃんとあとで後悔しないように「あいしてる」と伝える。
何度読んでも泣ける、話を思い出しても泣きそうになります。読んで本当に良かったです。
はらださんの本は初読みです。
いままで絵柄で敬遠していましたが、手に取ってみるとずるずると沼に引き込まれる!そんな感動を味わいました。
文学作品のような濃厚な作品、でもちゃんとBLしていますエロもあります。本当においしい1冊でした。
では、ここからは話ごとの感想を
【後悔の海/スイメンカ】
どちらも同じ話の別視点ということでしょうか。
後悔の海読了後、「ん?」となりました。あまりにもあっさりしてないか?と。
でも、そこはスイメンカで補正されています。
物語の本質、作者が書きたかったであろうものもスイメンカで描かれています。
仲良しグループ3人の話。もちろん三角関係です。
設定、話自体はありきたりなのですが、登場人物の心情がよく描かれている。最後のコマで衝撃を受けました。
【ピアスホール】
これは、小説のような作品でした。文字が多い!
恐らくそれが先生の狙いなのでしょうが、漫画では珍しい表現に驚きました。
この話の受けの臼井さんがこの本の表紙にもなっています。
臼井さんの不気味さ、またそれに堕ちていく攻め。世にも奇妙な物語みたいな何かを感じました。
【リスタート】
この話が自分的にこの本で一番好きな話です。
事故により記憶を失って幼児化してしまった受けのミキ。このキャラが本作で一番好きです。
ただ可愛らしいだけではなく、他のキャラのようにどこか不気味さがあり、またとても健気です。
これはこれでハッピーエンドなのでは?と思いましたがどうなのでしょう。
【私たちはバイプレーヤー】
他の話よりも一見明るめの話。
BLの核心をついた問題作です(私の中で)。こういう発想もあったかと衝撃を受けました。
女子BLに収録された女子目線の話で、序盤は一般誌のような普通のラブコメです。
が、もちろんそれだけでは終わらないのです。
少し風変わりな女主人公が少し、不憫ですがBLとしてハッピーエンド。
最後にどの話でも共通して言えるのが、はらだ先生の発想力、着眼点のすごさです。
使い古されたシチュエーションをうまく活用して斬新な作品に仕立てています。
とても衝撃を受けた作品でした。これを機にはらだ先生の他作品にも手を出してみようと思います!
〈後悔の海〉〈スイメンカ〉
「むなしいなあ……」
ぐちゃぐちゃになってしまった3人の関係……
切なくて、苦しくて、何度読んでも胸が痛くなります。
方言BLには温かいイメージがあったのですが、良い意味で裏切られました。
〈ピアスホール〉
平凡なサラリーマンの臼井さんの身体に輝く金属……想像するだけでゾクゾクします。
「僕を支配してください」
目を腫らし、そう言う臼井さんに興奮しないはずがないではありませんか!
なんだか、新たな境地に辿り着いた気分です。
自分自身ピアスが好きということもあり、『ピアスホール』には衝撃を受けました。今まで読んだ中で一番のお話かも……
プレイ中にピアスを開けるなんて、萌えて萌えて仕方ありません!
しびれる…どうやったらこんなかっこいい作品描けるんでしょうね笑 読めばわかりますよ…なんかもう芸術の域に片足つっこんでると個人的には思いました! いまどき春画だって評価されるんだからこの作品が評価されないのはおかしい笑
絵があまり好きになれない作者さんのものはあまり読まないのですが、はらださんはお話が好きで、つい期待して購入してしまいます・・・。
やはり表題作?「後悔の海」と「スイメンカ」ですかね。
方言BLについて萌えを感じることはこれまであまりなかったんですが、自然すぎて、というかどこの方言?ものすごくリアリティがある。
このなんとも言えない三角関係が痛くて切なくて仕方ない。
「いたない?いたない?ごめん、必死で」
お互いのはじめてで嬉しいはずなのに「ごめん」がいっぱいで切ない。
他の方も書かれてますが、「見せ方」と「隠し方」がホントに上手い。くそ~!と思います(笑)
個人的にはもう10年早く読みたかった!
はらださんの作品はどれも胸に刺さるような、素晴らしいものばかりですが
今回はネガポジ二冊同時発売という事で期待して購入!
もう最高でした。
個人的にはネガのほうが好みです。
ピアス好きにとってはたまらなかった…
最高でした。はらださんの作品はどれも大好きなのですが、これは別格です。
読んでいる最中何度も胸が締め付けられ、 一旦本を置いて深呼吸して落ち着いてから再び読み進める…といった感じで ゆっくりじっくりと読みました。
「後悔の海」「スイメンカ」の 誰も幸せにならないまま終わる感じがたまらないです。田舎が舞台というのもまたどことなくリアリテイが加わっていて素敵でした。すべて方言で進んでいくBLも少し珍しいかな?と思いました。とても良かったです。後味がたまりません。
「ピアスホール」はまるで官能小説のようですね。していることは痛そうなのですが 暴力などによるものでないので読んでいてとてもドキドキしました。なんだかいけないものを覗き見しているような気分です。挿入したままホールを開けるというのがまたいやらしかったです。
「リスタート」はこの本の中で最も好きな話です。エモ系BLというのもなかなかないですよね。ミキが明るくてアホっぽい性格なだけに物語の重さや仄暗さが際立っていた気がします。もう一度読んだときにミキが淫紋を撫でるシーンに気付いて、また切なくなりました。あとジュリちゃん本当にいいやつで大好きです。
「わたしたちはバイプレイヤー」はギャグ色強めかと思いましたが、ラストで思わずあぁ〜!と声に出ました。そういうことだったんですね。姫海さんが倒れるシーンの構図がものすごくて最高でした。笑
ネガポジ両方で対になっている美しい表紙は、同人誌っぽくもあり・・・。そのへんは触れないでおきましょう。
初っ端から「スイメンカ」でやられた!
自分に有利になるように必死で考えて行動して、成功したにも関わらず、虚しくなるってすごくよくわかる。
「リスタート」はやるせなかったです。
本人がアホゆえにってこともあるけど、はずみで取り返しのつかないことになったどうしようもなさが辛い。
攻めの名前が最後まで出てこなかったのは、ところどころ欠けてしまった記憶のひとつということなのかと解釈。
中盤以降は、黒ツヤ(攻め)×黒ベタ(受け)との
激しく濃厚なエッチシーンも出てきます。
おおお、修正だらけの場面ばかりだ…><
このシーンは、受けが可哀想になってきます。
「シロ」にフられてしまった受け。
受けは、悲しかったでしょう、辛かったでしょう。
2人が付き合うようになった経緯は、詳細に語られてはいません。
しかし、攻めが失恋した受けの心の隙間に入り込んだことは
明らかに分かります。
ピアスの作品は、私的には痛そうでした。。。ちょっと怖い。
「わたしたちバイプレーヤー」は、ビックリしました。
BL漫画だから女子と男子は付き合えない。。。。。切ないのか、いいのかよくわからなかったけども、読んでいて「あーーなるほどね〜」ってなりました。女性キャラは漫画の中でとても大切なポジション。そんな大切なポジションにいるキャラクターに重点を置くと不思議な感じですし、「あーこう思ってるんだー」ってわかりました。BL漫画に登場する女性キャラは、大変ですねw
とても切ない話で内容も面白くて読みごたえがありました。後悔の海と水面下が特にすごくよかったです。読んだ後の気分は少しドーンとしてるので、ダークな物語が好きな人に調度いいと思います。
すごくいい!!!!
久々に感激した作品でした!!
「ネガ」と「ポジ」の両方を同時に購入しましたが、こちらの「ネガ」の方がストーリー重視という感じで好きでした!
痛々しく、どこか苦しいような話が続きます
私ははらだ先生の作品ははじめて購入しましたが、皆さんが評価するだけの作家さんだなと感じささせられました
作画においては、肩や腰といった曲線が妖美で色っぽいです
暗くて痛々しいのに目を背けられない。そんな作品です!
全力でオススメします!
この作品すごく大好きです!
はらだ先生は過激で貞操観念の低い主人公が多く出ているイメージ。ぶっ飛んだ作品が多いので、私はいつも『はらだ先生、読むぞ!!』と気合を入れてから読み始めます(笑)
今回は「ポジ」と「ネガ」同時発売。もちろん同時購入♪表紙の妖艶な視線に誘われて裏へ返すと『あれ?首の後ろにピアス。。』カバーを外すと着衣からの全裸です〜♡大変だぁ!!
「後悔の海」「スイメンカ」
ひとつの恋が叶い、その裏でふたつの恋が終わった話です。みんな悩んでみんな苦しい。水面下でいろいろ足掻いて、欲しいものを手にした筈でも、やっぱりむなしい。続きが読みたいなぁ…。
「ピアスホール」
表紙の臼井さん。一見地味で平凡なサラリーマンに見える彼が、脱いだら凄いです!妖艶な姿にのめり込んでいく私。主人公の一人称が私であることで、太宰治の人間失格のような雰囲気のする印象的な作品です。エロいです。
その他に「リスタート」「リスタート/ミキ」
「わたしはバイプレイヤー」という話もあります。
はらださんは二次創作で知り、その容赦のない展開にはまりまくっておりました。最近BLに再燃し大好きだったはらださんの作品をまとめて購入し、やはり唯一無二の作家さんだなと感服しました。
痛い話、闇落ち、バッドエンド、心理的にも肉体的にも時に目を覆いたくなるほど直接的に描写されていますよね。でも本を閉じてしまうまでいかないのは、ほんの少しだけそこに王道的な描写がされていたり、作画やキャラデザにキュートさが見え隠れするからかなと思ってます。
またBLに出戻って心底よかったと思える作品でした。
これからも目を覆いたくなるような作品期待しております
わりと暗めな話が好みな私にとっては最高でした!
はらださんの作品は最近読み始めたばかりで「ネガ」を含めて
まだ四作品しか読んだことがありませんが…
はらださんの作品は前々から気になって仕方無かったけれど、「絵がちょっと好みじゃないかな~」と思ってなかなか購入に踏み切れなかったのです
もっと早く読んでおけば良かった…!
ネガ、ポジ両方読みましたがどちらも良かった…!
本の題名の通りネガティブなお話。
ハッピーエンドとはいかなくても救いはあるのでそこまでキツめじゃないので読みやすかったです。
表題作も他の話も全部素敵でしたが1番気に入った話が「ピアスホール」。主人公に共感、というか感情移入して読めました。
とにかく最高でした!
ずっと読みたかった「後悔の海」が読めて嬉しい!
結構前の「MAGAZINE BE-BOY」に載った作品で、未読だったので。(あ、前といっても、2014年5月号なのね。はらださんのこの2年の快進撃、すごいなー!)
リブレさんと色々あったようですが、こうしてテーマ作品集みたいな感じで、まとめて読むことができて、ファンとしても嬉しい。
「リスタート」「わたしたちはバイプレーヤー」は、雑誌にて既読だったけど、「リスタート」のミキ視点の話が、書き下ろしで読めて良かった。
はらださんの中に流れる、文学的な感じ、サブカルっぽい感じが、むき出しで描かれた作品が揃っていて、読みごたえたっぷり。
何か、「取り返しのつかない」切なさが、いいんだよなあ。
時間は元に戻らない。手に入れたいものは、今、手に入れないと、取り返しがつかない。でも、そのための手段が、何かみんな不器用で、正攻法じゃなくて、後悔しちゃうという・・・。
切なくて、時間がたゆたうように流れるのが感じられて、すごく良い。
私は、はらださんのネガティブ作品、大好きです!
各話に対しての感想は皆様書かれているので、私ははらだ画ファンとしての感想を!
線ひとつにしても明暗やトーンの使い方など明らかに上手くなっています!目が離せない!!
主に画についての感想になるかと思います。
<体形>
前作から比べると肩を描くのがうまくなった!!!!と思います。
私自身体格差萌えするタイプなので、キャラの胸板もそうなんですが特に肩から腕にかけての筋肉の描写で萌えが決まるといっても過言ではありません。
そこで目に留まったのが、表紙でも登場している「ピアスホール」の受けキャラ臼井さん。ほんとに体形薄いです。攻めが普通に筋肉あるほうなので、抵抗する白い腕の弱弱しい感じがなんとも言えず萌えポイントでした。
<局部>
「わたしたちは~」の台詞かぶせるやり方は強引だけど上手かったと思います。
「ピアス」ではシルエットにすることで読み手に想像させる、、など、表現が前作に比べ明らかに上手くなっていると思います。
<キャラクターの顔>
「スイメンカ」の攻め黒髪キャラのゲス顔、鬼気迫る表情、、というよりも初見では画風変わったかな?という感想を持ちました。結構インパクト強めでした。私は「やじるし」くらいのバランスの顔が好きなのであんまり目が大きくなったり、画風が変わったりしてしまうのは惜しいと思っています。
表紙ははらだ作品の「看板顔」というか、見慣れた蛇顔です。安心感。
<ピアス>
金属の球を白黒での表現、見事です。お話のトーンに合っています。
局部ピアスの構造を知らなかったので、個人的には新しい萌えどころでした。
どうやってトイレ行くんだろう、作家さんの好み的に後日談あるかもな、と期待しています。
<ラスト1ページの作画>
1冊通しての最後の1ページ、絵柄が急に変わってどことなくファンシーなんです。
このページはBLを読む現実の私たちの描写です。
物語の最後だけ急に絵柄が変わり、BLの読み手の描写を入れること。
それは作者の繰り広げた想像の世界から戻ってくるための「どっとはらい」の体験でした。
1話1話オムニバスで中身が濃いのですが、気持ちを引きずらずに現実に戻ってこれます。話順の構成が見事で、画力や伏線に文学的な深みのあるいい1冊だと思います。
ポジと相対するコチラの作品。
はらださん節が炸裂している特徴ある雰囲気のものばかりで、
読んでいて、「楽しい! 明るい!」と思えるような
作品はほとんど収録されてはいません。
とにかく見せ方が上手い!
コマ回しが上手い!
構成が上手い!
自由度が高い!
誰も真似できない!
この表情、この目、この台詞…
全てを取って、凄いです。
■「スイメンカ」「後悔の海」
表題作です。この作品が一番心に残りました。
三角関係の3人の物語です。
名前が出てこないので、絵がないと話が説明しずらいのですが…。
仮に髪の毛の特徴を取って、
「黒ツヤ」(攻め) × 「黒ベタ」(受け) +「シロ」(攻め?)
と、名前を付けときます。(はらださん、勝手にスンマセン…)
3人友達同士だった「黒ツヤ」「黒ベタ」「シロ」。
「黒ベタ」(受け)は、「シロ」(攻め?)に恋していました。
初恋でした。
「黒ベタ」(受け)は卒業式に「シロ」に告白しようと思うと
「黒ツヤ」(攻め)に打ち明けます。
「黒ベタ」(受け)に恋していた「黒ツヤ」(攻め)は焦ります。
そこで、「ホモってキモい。俺だったら全力で拒否する」等、
「シロ」に刷り込み、その思惑通り、
告白した「黒ベタ」(受け)に対し、
「ホモなんてキモい」との意味合いの事を言い、「黒ベタ」をフります。
失恋した「黒ベタ」(受け)と付き合うことになりますが…?
というのが、だいたい中盤ぐらいまでの流れ。
中盤以降は、黒ツヤ(攻め)×黒ベタ(受け)との
激しく濃厚なエッチシーンも出てきます。
おおお、修正だらけの場面ばかりだ…><
このシーンは、受けが可哀想になってきます。
「シロ」にフられてしまった受け。
受けは、悲しかったでしょう、辛かったでしょう。
2人が付き合うようになった経緯は、詳細に語られてはいません。
しかし、攻めが失恋した受けの心の隙間に入り込んだことは
明らかに分かります。
一方、女の子と青春を謳歌していた「シロ」(攻め?)ですが、
フったときの、涙を流し無理して笑っていた受けの表情が
どうしても忘れられません。
攻めと受けが付き合ってると知ったとき、シロは自分の気持ちに
気付きます。
受けの事が好きなのだと…。
シロは受けにキスして、改めて好きであることを告白しますが
全ては遅かったのです。
全ては、黒ツヤ(攻め)の思惑通りに事は進みました。
しかし、それをむなしく思うというラストで締めくくられます。
ラストは、結局誰も救われていないことが分かると思います。
攻めも受けも「シロ」も…。
一体どこですれ違ってしまったのか…。
攻めの自分のエゴから始まったのか。
それとも攻めの焦りからか。
そもそもの狂いは、受けが「シロ」に恋したところから
生じていたのか…。
全ての結果が出たラストでは、もう分かりません。
しかし、「後悔の海」に堕ちたのは、黒ツヤの攻め。
自分の思惑が全て上手くいったにもかかわらず、
やはり成功してみると、3人全員が傷ついていたという終末に
辿りついてしまいます。
悲しい…残酷な物語だと感じました。
■ピアスホール
とにかく痛い! 痛い! 痛い!(肉体的に)
ピアスって、私も開けたことがあるのですが、痛かったです。
(ちなみに合わなくて、途中で止めました…)
それにも拘わらず、臼井さんはたくさんのピアスを自分の肉体に
開けています。
そして、それを美しいと感じた「私」。
魅せられたのは、ピアスという物質ではなく、その痛みに耐えた
臼井さんにではないでしょうか。
それ故、他の男たちにピアスを開けられたと知ったとき、
急に興味を失くしたのではないでしょうか。
記憶の上書き(ピアスホールの拡張)と、新しいピアスを付けることを
「私」に提案する臼井さん。
臼井さんの「私」に対する愛情。それとともに執着だとも感じました。
新しいピアスは、局部へ。
しかも尿道を塞ぐピアスです。
これで、「私」は満足したのでしょうか?
そして、臼井さんは「私」を最後の男として感じたのでしょうか?
もし臼井さんが「私」と離れた時、どのように新しい男と
付き合っていくのかが、気になります。
■「リスタート」「リスタート/ミキ」
正直に言って、この話は意味が分かりませんでした…。
面白い、面白くない、以前に意味がよくわからなかったのです。
なので、レビューと言っても書きようがないので、
ちょっと省略です。
残念です。
■「女子BL」
これは、「ポジ」に収録した方が良かったのでは?と思うほど、
ユーモア溢れる物語でした!
女子の視点から見たら、「好きな男 × 好きな男」のCPを
どのように感じるのか、ということが結論として
描かれていると思います。
心が女の子と入れ替わってしまうというBLは確かに珍しいですね。
BL作品において、女の子は殆どモブとして扱われることが
多いですから…。
ラスト、女の子が幸せになるとBLは成り立たない!と
堂々と宣言しているところが潔くて、大変好感が持てました。
これが「ネガ」に収録された理由なのかな?とも感じました。
◆◆◆
キャラそれぞれが際立った作品でした。
「ネガティブ」と言われると、
大抵「ネガティブ シンキング」(否定的な考え方)を差しますが、
この本の場合、どうだったでしょうか。
作品自体が「ネガティブ」だったのか。
キャラクターが「ネガティブ シンキング」の持ち方だったのか。
その答えは全て読者に委ねられているのだと思います。
リスタートを読んで涙が止まりません…
ありきたりな言葉ですが、はらださんって本当に天才だと思います。
BLを読まない人はこんな素晴らしい作品があるのも知らないんですよね…
このような素晴らしい作品、作家さんに出会うたびに私はBLが好きで良かったと思います。
イヤイヤ、凄い。
ネガ…陰画。光と影の反転。翳りに照らされ、眩しさの中につまずく…
「後悔の海」
「スイメンカ」
中学の友達3人組。恋情の3角形、いや直線?B→A→Cの叶わぬ恋。
そして高2。実はBの画策があってAのCへの想いが潰されたことが読者に示される。
19才。Cはからくりがあった事を感じ取ってAに『あん時はゴメン 俺も、好きや』。
でも、Aは断る。『すまん……もう…無理やろ…』
一部始終を見かけてしまったBの慟哭。
ならどうすれば良かった?残酷な恋の物語。
「ピアスホール」
記念すべき私の「初はらだ」作品(買った雑誌に掲載されていた)。
元々タトゥーやボディピアスの世界が大好きなので、すぐに引き込まれました。臼井さんの白ヘビのような視線と肢体、「私」の三白眼。
見えないところで肉を貫いている金属。官能的だ…
痛そう、というご意見が多いですが、うん、見た目ほど痛くないものなのですよ…
黒白のエロスを強く感じました。
「リスタート」
「リスタート/ミキ」
痛々しくて。
チャラく誤魔化さないと本音を言えなかったイマドキの2人。脳が壊れてやっと素直になれるなんて。
『あの日に戻りたい』なんて悲しすぎるセリフだね。人の世は後戻りできないことだらけ。時間は一方通行、でも2人の未来に何があるんだろう?2人の未来はどうなるんだろう?いや、『あん外わるくないかもなあ』
「わたしたちはバイプレイヤー」
最後のページでタイトルの意味分かった!笑いました。「だよね〜」って。
学校一の美人女子高生の輝きが、正にネガになる一瞬だった。
3話目のリスタートを読んで感情全部持ってかれて、それまでの話もすごく良かったのにリスタートばかり読んでしまう。読む度に泣くしかも号泣、家事しながら思い出して泣く…読んでまだ二日目だからだろう、早く落ち着きたい、でもまた読む。虚勢を張った実は超健気なミキのキャラクターが秀逸。偏った記憶障害(?)の理由が書き下ろしでミキによって明かされまた涙。素直になって伝えたかったことが「あいしてる」や子供欲しい、家族になりたい、だなんて…やりきれない、けど可愛くていとおしい。相手の子もすごくいい、罪悪感とかだけじゃない愛情もあって…涙をこっそり拭い手をかたく繋いで「俺もあいしてる あいしてるよ」って言う。泣くわ。ずっと言い続けて欲しい。マイノリティーの人が縮こまらず虚勢も張らず過ごせる将来来て欲しい、クスクス、ひそひその無い穏やかな。
こちらはネガティヴ系を集めた短編集。
『後悔の海』。
仲の良い幼なじみ3人。そのうちの2人は両片想いなのですが、残る1人が2人を結ばれないよう画策し、自分が想う相手を奪うという形。
3人すべてが心から幸せじゃないというか、後悔しか残らない話です。主人公AはBに「ホモってキモいよね」と刷り込まれたせいで、ほのかな想いを抱いていたCからの告白を「キモい」と切り捨ててしまう。BはCが好きで、CがAに振られるよう画策し、手に入れる。Cは大好きなAに振られてBと付き合い始めたけれど、のちにBの裏切りを知ったAに「本当は俺も好きだったんだ!」と告白されても付き合うことができない。
正直AとBについては、苦しもうがどうしようが自業自得だと思うのです。Aはいくら罠にかけられたとはいえCをこっぴどく振るべきではなかったし、Bは元々別の人を好きだった相手を企みで手に入れたんだから、好きな相手がまだ初恋の人を好きなのでは、と疑ってしまうのも身から出た錆。
でもCがかわいそうですよね。初恋の人からはこっぴどく振られ、別の人と付き合うもその人は自分が振られるよう仕向けた人で、忘れられない初恋の人にあらためて告白されても自分にはもう恋人が…という状況。
恋人が、自分が振られるよう仕組んでいた、と知ったら別れて初恋の相手と付き合うのかなぁ。そこまで読んでみたかったような気もします。
『リスタート』。
こちらも、あの時こうしていれば、あの時こう答えていれば、という後悔だらけの話です。
両想いで付き合っているのに、どちらも「ホモ行為なんてファッション的なもの、本気なんかじゃない」というカップル。自分は本気なんだけど、相手から本気じゃないと言われるのが怖いからそういうスタンスでいます。
そんなある日、受けが「渋谷で同性カップルが認められたらしい、渋谷に住もう」と言い出すのですが、「え?」「え?あ冗談」「え、あ、冗談だよな」「だってホモ行為なんてファッションだもんな」的な、双方の保身と予防線によってすれ違い、その後受けが事故で記憶障害に。
受けも攻めもかわいそうで、やり切れなさがたまらないです。でもラストには希望があったように思います。十分やり直せる2人だと思うので、その後のラブラブな2人の生活とかが見たいなと思います。
『わたしたちはバイプレーヤー』。
女子BLに収録されていた話だそうです。
主人公が女の子なのですが、個人的にこの女子がすごく好きなキャラで…。彼女が幸せになってほしかった。
あまり出てこなかった皇子山くんの、衝撃のシーンがすごく萌えました。主人公女子も好きとは言え、皇子山くんがメインで正統派なBL作品として読みたかった。きっとすごく萌えると思う。
あと1点、身体中にピアス穴開けてるサラリーマンの話が入っていました。
これだけは個人的にちょっと苦手でした。ピアス穴を開けたり開けられたりするのが愛だというのが自分には理解できないというか…。
局部ピアスの形状を初めて知りました。興味深かった…。
読んだ後に引きずるような心に刺さる話ばかりでした。
私的に一番のおすすめは『リスタート』なのですが、BLという次元を超えた素晴らしい作品で、是非世界中の人に読んでいただきたいぐらいです。
『ピアスホール』はまるで小説のような語りが特徴的で、すごく奇麗で耽美的な作品になっていました。
とりあえず全部読んでいただきたいです。
はらださんの新刊ということで楽しみにしていました。つい先日『カラーレシピ』、『ある男の悲劇』が刊行されたと思っていたら、ここにきて『ネガ』『ポジ』の2冊同時発売。描くのが早いなあ、と感心します。
さてさて、それでは感想を。
『スイメンカ』はアンソロの『エロとろ』に収録されていた作品で、すごく好きなお話でした。
どうしても好きな人を手に入れたい攻めの青さ。
そして、受けの切ない恋心。
この二人の続編が読みたかったので鼻息も荒く読み始めましたが、収録されていたのは『後悔の海』。
うん、はらださんにやられましたね。続編ではなく、時系列的に『スイメンカ』の前にあたる話を持ってくることで『スイメンカ』の話がより引き立っていました。
『ピアスホール』
このお話も雑誌「Citron」に収録されていたので既読でした。
が、このお話も大好き。この二人の間に流れるちょっと病的な愛情と、耽美調の語り口が、はらださんの絵柄にぴったりだと思うのです。
体中にピアスを開ける話なので読んでいてすごく痛々しい。そして直接的な表現もない。それでいてにじみ出ているエロさがとても良かった。
『わたしたちはバイプレーヤー』
これ、爆笑しながら読んでしまいました。
この直前に収録されている『リスタート』が何とも重く暗い話だったのでそのギャップがツボにはまってしまいました。
頭をぶつけて中身が入れ替わるとか。
モサっとしているさえない男友達が実はイケメンでナイスガイだったとか。
まあ、なんというかよくある設定なんですが、それを乗り越え神作品にしてしまうはらださんに脱帽です。BL作品の女の子視点のお話は微妙な気持ちになることも多いのですが、とにかく面白かった。
でも、一点。
モサ男の脇川くん×イケメン王子の皇子山くんの絡みがもっと見たかった!イケメン二人の絡みがもう少し見たかったなあ…。
いつも個性的な表紙を描かれるはらださんですが、今回の『ネガ』『ポジ』の表紙も良い!センスいいです。
はらださんらしい、まさに神作品でした。
ネガ、素晴らしかったです。
ネガと言うからには痛くて辛くて赤い話なのかと
構えていましたがネガというよりダウナーです。
ネガポジというよりダウナー、アッパーです。
幸せじゃないけど不幸でもないような。
でもスイメンカは不幸かもしれない。
救いようのない感じで
スイメンカはここで完結物がマストだと思います。
リスタートが特に好きです。
リスタートの続編や過去の話など展開求む…………
ネガポジ両作買わせていただきましたが
自分はネガの方がダンゼン好きです。
はらださんの起こす旋風には本当に毎回驚かされます。
買って損はないと思います。
あまりにも神過ぎて、先に読んだ「ポジ」が完全に吹っ飛びました。
こっちばっかり読み返しています。
(「ポジ」も凄く面白かったのですよ!)
ダウナー系ってことで「やじるし」のような作品を想像していましたが、全然違います。
こんなお話も描かれるのか…!と、私の中のはらださんのイメージが見事に一新されました。
はらださんのコミックスは帯にも毎度唸らされるのですが、今回はこれ。
───「ネガ」の中で,あなたなりの幸せをみつけてみてください.
右にならえの事なかれ主義を嫌う人ほどいくつもの幸せが見つかる1冊かもしれません。
万人受けはしなさそうですが、とりあえず私は自分と同属のバンギャルちゃんに向けて全力でオススメしたい。
“ダウナー系抉り愛”と帯にあるように、切なく抉ってくるお話が殆どですが、単純に「バッドエンド」で片付けてしまっては勿体無いような作品ばかりです。
(実際バッドエンドってこともないですしね)
そこに確かにある登場人物達の痛いくらいにピュアな想いにガシガシ涙腺をやられます。
読み終わって残ったのは悲しい気持ちよりも不思議と優しい気持ちの方が大きくって、全員に幸あれ、光あれと願わずにはいられませんでした。
「後悔の海」「スイメンカ」
誰も幸せになれない、哀しいトライアングルラブ。
三者三様の涙。後悔の海。胸を抉られます。
けれど気付けた幸せというのもあるはず。
漫画になるから悲しいけど、現実はむしろ彼等3人の誰かに当てはまる人達で溢れてるとも思うのです。
どうしたら皆が幸せになれるんだろうね。
「ピアスホール」
この作品集の中で突出して異様なインパクトを放っています。
ピアスを開ける行為や付ける行為そのものに潜むエロスを描き出した、はらだ作品には今までにない1編。
首、乳首、おへそ、舌、そして…
拡張行為への意味付けに至るまで、はらださんのピアスへのこだわりがうかがえます。
ストーリーに合わせたのであろう蛇顔の臼井(表紙の彼)の表情と肢体がとてもエロく艶かしい。
ピアスが嫌いな人には痛くて気持ち悪いだけのお話かもしれませんが、私個人は耳たぶ以外に開いているピアスホールには刺青と並んでエロスを感じるので、恐ろしく引き込まれました。
「リスタート」「リスタート/ミキ」
そんな「ピアスホール」を経ての、顔面ピアスだらけのエモボーイ達が主役のお話。
一番切なかった…
ピアスと派手なファッションで自分を鎧って、好きな相手に本心伝える勇気がないからファッションでホモ気取ってセックスだけはして、だけど当然虚しさは肥大して…素直になれないバカな2人の関係に神様が下したのは、鉄槌?それとも解放?
やりきれないけど、幸せなのかもしれない2人のリスタート。
「わたしたちはバイプレイヤー」
リブレの「女子BL」に寄稿されたあの作品。
このひどくエモーショナルな短編集のトリを飾るに相応しい1編でした。
BLに出てくる女の子達は当然だけど主役にはなれない。
恋が報われないだけでなく、下手したら読者にウザがられもする。
はらださんの作品に出てくるムギちゃんやしおりちゃんもそう。
BLの女子キャラとして生まれてしまったばっかりに報われなかったBL女子達にはらださんが贈る鎮魂歌のようにも読めます。
ラストの見開きに思わず息が詰まりました。
改めて、はらださんの才能に溜め息が漏れました。
大袈裟でなく、新風を吹き込み続けてらっしゃる作家様だと思います。
これぞ...これぞはらださん...!!って感じの作品でした。
私のお気に入りは「ピアスホール」「リスタート」です。リスタートの受けの可愛さに悶えました。ぜひぜひ、2人には幸せになって欲しい。凄く私好みの作品でした。
ピアスホールも、私はなんとも思いませんでしたが、痛々しい話だったと思います。タイトルに凄く結びついてますね。ていうか、はらださんってピアスとか、すごく詳しいなと思いましたw
ネガとポジではネガの方が好きですが、ポジも素晴らしかったです。メシアがおすすめ。好みがわかると思いますが、素晴らしい作品でした!買ってよかった!
楽しみにしていた『ネガ』。もう最初に書いちゃう。すごく良かった。1話目の冒頭部分からやられてしまいました(T_T)
そして装丁が素晴らしいです。対になった白黒の表紙に、対になった白黒帯。帯を外すとどちらもシンプルで、その状態で二つ並べてもとてもカッコいいです。はらだ先生を知らなかったとしても、これは表紙買いしてしまうな。
・『後悔の海』『スイメンカ』
3人の幼馴染の初恋のお話。どんなゲスが出てくるのか、誰がクズなのかと期待して読んだのですが、ゲスな子もクズな子もいませんでした。みんな純粋で、欲しい人を求めて、それぞれが傷ついて。名前もなかった彼らがすっごく愛おしくなってしまった。みんないい子。すごくいい子。傷つけて傷ついたぶん、幸せになって欲しい。
・『ピアスホール』
すごいぞ、これは。一人語りのモノローグがまるで昭和の官能小説のようです。しかもその語り口がなんとも耽美で仄暗く、ピアス好きサラリーマンの臼井の姿が、リアルと幻を行ったり来たりするのを見ているような不思議な感覚です。臼井の姿態はまるでヌルヌルとぬめった液体のようで、とても妖しげです。身体中にピアスをあけたり拡張したりするので、痛々しい場面が沢山あるけれど、望み望まれての行為、しかもかなりエロティックなので興奮しました。痛いの苦手な方は注意です。
・『リスタート』『リスタート/ミキ』描き下ろし
すごいしか言えない自分が悲しいけど、つくづくはらだ先生ってすごいと思う。こちらもピアスいっぱい男子のお話。しかもエモボーイですよ!ピアス、エモ、ファッションホモ、高次脳機能障害、そしてパートナーシップ条例。はらだ先生が時事ごとをたっぷり詰め込んで描いたニューエイジャーの両片思いは、こんなお話になるんですね。いや、本当にお見事です!都会の片隅にきっと彼らはいるんだね。そんな切なさです。
・『わたしたちはバイプレーヤー』
姫海という才色兼備な美少女視点のお話。姫海と学年の王子さま皇子山と、地味系男子脇川。姫海と脇川の体が入れ替わって…。好きだったはずの皇子山よりも、意外な顔を見せた脇川に惹かれて行く姫海。最後は納得の展開だけど、姫海は私たち自身だから腐女子ならみんなオチは読めるはず。
そうかこれがはらだ先生の『ネガ』なのか。カラーフィルムは現像すると色が反転してネガになる、そしてネガはプリントすることで再反転してポジ(カラー)になる。根っこに愛があればきっとポジに出来るんだ。帯に書かれた 【「ネガ」の中で、あなたなりの幸せを見つけてみてください】 ってたぶんそう言うことなんじゃないのかな。
『ネガ』と『ポジ』どちらも面白かったけれど、私は圧倒的に『ネガ』が神です!!
ぬぁぁぁ。・゜・(ノД`)・゜・。
同時発売のポジに対してのネガ。
どんなお話が待ち受けてるのかとドキドキしてたら、切ないお話でした。
ダウナー系って何だ?と思いググったら
【俗に、気分を落ち込ませたり、落ち着かせたりする物事のこと。また、その気分自体のこと。Downer。人間関係の構築に消極的だったり、どことなく影のあるものを「ダウナー系」と呼ぶ。】
ほうほう。なるほど。
私が読んだことのあるはらださんの作品は男同士ゆえの壁や偏見を気にする描写がある物はなかったので、今作で初めて読み、男同士の恋愛に対して『
構築に消極的だったり、どことなく影のあるもの』という部分が当てはまっていたかな、と思いました。
最後に収録されていた女子BLに掲載されていた女子視線のお話のみ、明るく笑えるお話で、ポジに入ってた方がシックリくるかな。でもちょこっと重いお話が続いた最後の纏めとしてはとても綺麗なオチでしたw
◆後悔の海・スイメンカ
幼馴染3人組の一方通行な想いと何とか振り向かせたい思惑が切ないお話です。名前が一切出てないので説明がしにくいのですが、それぞれを攻め・受け・当て馬と振るならば、
【攻め→受け⇆当て馬】
攻めは受けが好きだったけど、受けは当て馬が好きと知ってしまい。
当て馬は自覚はなかったけど、告白されたらOKしそうな感じだったので、告白されても振るようにワザと仕掛けておきます。
思惑通り当て馬から振られた受けを優しく慰め、告白して、恋人関係に。
数年経って当て馬が攻めの仕掛けたカラクリを知って、本当の気持ちを伝えたのですが時すでに遅し。。。本来なら両想いだった当て馬と受けのすれ違ってしまった想いが切なくて泣けました。
「今更……、初恋をえぐらんといて」の言葉が重いです。
攻めは攻めで自分の恋を手に入れるためにしてしまったことを、心のどこかで気に病んでたのですね。「むなしいなぁ」と泣き崩れる姿が痛々しくて…(T ^ T)
ボタンの掛け違いが生んでしまった悲しい結末。メリバなラストですが、攻めと受けは虚しさも初恋の悲しみも乗り越えて、愛し合って上手く行ってるといいなぁと願いたいです。
◆ピアスホール
見てる方が痛い痛い痛い((((;゚Д゚)))))))
マッサージ師とお客のお話です。
見えない場所にピアスホールが空いているという快感。
自分の手で愛する人の体に穴を開ける喜び。
といったものが綴られていました。
痛みをそらすために挿入したまま、穴を開ける一連の流れが淡々と流れているのですが、見てる方が痛いのなんのって…。
まさかtnkまで穴を開けるとは…。
でも暴力的な痛さではないので、見方によってはとてもエロティックで色っぽくも感じました。攻めに拒絶さてれも追いかける受けの姿はキュンとしました。
◆リスタート
ああああ…まさにダウナー系。
本音と建前が上手く表現出来なかったばっかりにすれ違った2人。
頭に怪我をキッカケに、昔の記憶をなくして新しいコトが覚えられなくなった受け。以前は傷つくのが怖くて本音は冗談に織り交ぜてきたのだけど、今 口から出る言葉は本音のみでーーー。
本音とぶつかることの出来なかった後悔を滲ませながらも、そっと寄り添って歩く攻めの姿に泣けました…。
◆わたしたちはバイブレイヤー
女子目線のBLがこんなに面白いとは!
とゆうか、主人公になってる女の子キャラが面白いというのもある。
自信家で自己愛が強いタイプのメルヘンな女の子です。
好きな男(自分の完璧キャラを作り上げるために完璧な男が相応しいと選んだ男)と、好きな男(ハプニングにより恋心が芽生えた男)がエッチしてるのに遭遇という展開w腐女子的には何とも美味しいw
赤黒い棒が出たり入ったり出たり入ったり出たり入ったり
赤黒い棒と袋がぴこんぴこんぴこんぴこん
ってお嬢さん、シッカリ見てますやん!ヾ(*´∀`*)ノ
ラストページのオチが良い!
そうです、そうです。BLにおける女子とはそういうモンなんですよ!
と激しく頭を縦に振ってしまったw
あー面白かったーーーヾ(*´∀`*)ノ
「はらださん=エグい・下衆な中にある愛」を求めると期待はずれになってしまうかもしれませんが、個人的にはその辺は積極的に求めていないので、切なく悲しいお話に浸って楽しめました。
わーい!待ちに待ったはらださんの読み切り!
って2冊も!?ありがとうございますありがとうございます!!
嬉しいので今回は全部感想書いていきます!
「後悔の海」&「スイメンカ」
こちらは幼馴染3人による痴女のもつれ?的なお話。
え、これで終わりー?ていう凄く後味悪いお話でした。
誰も幸せにならないので続きがあるなら本当に読みたい。
3人とも幸せになってほしい。方言が生々しくてエロかったです。
「ピアスホール」
痛い痛い痛い痛い!!読んでて肝が冷えました。
まともに台詞入ってこなかった(笑)
でも首元のピアスが妙にエロくて萌えました。
ニップルピアスは見ててヒリヒリする…
「リスタート」
ネガでは1番好き。
最初キャラがキチっててちょっと…って思ってましたが、読んでると一番切なくてネガな気持ちになりました。
ミキがなんも考えてなさそうに見えて、桃源郷(タイ)に逃避行するくらい傷ついてたのも切なかった。ほんとは両想いだったのになぁ…
ページ足りないよ!!もっと深く読みたい!!
出会いとかその後とかまた描いてほしいです…!!
「わたしたちはバイプレイヤー」
ずっと気になってた女子BL。収録されてたことに驚き、嬉しい。
現金なもんで、これ読んでるとBLなのに女の子応援したくなっちゃう。
恋愛ものって所詮は作者の見せ方なんだなぁと考えさせられた作品。
女子は脇役に徹さなくてはならない…
女の子も出てくるBL好きでよく読んでるけど、皆こういう気持ちだったんだなぁ〜と改めて切なくなりました。
今回も面白かったです!
はらだ作品は読み切りが大好きなので2冊も出してもらってお腹いっぱいかと思いきやまだまだ足りない!!(笑)
いくら読んでも読み足りない素敵な作家さんに出会えて幸せだ〜
引き続きポジの感想書いてきます〜!
最後に入っていた女子BLのお話が好きでした。
ネガティブとありますが、ネガティブというよりテンション低めのイタイ話が詰め込まれているという印象。
ピアスの話がやけにリアルで痛々しく、それすらも読ませてくれるはらだ節には頭が上がりません。
ひとつは胸にズンと来るお話がある、素敵な短編集でした。
はらださんは、初読みです。
サンプルで幼馴染の三角関係が気になって購入。
タイトルとあらすじから想定されるよりも、読みやすい話が多かった気がします。
そして、どれもやりきれない話ばかり。こういう切ない話は好きです。
「後悔の海」「スイメンカ」
酷い話ですが、誰も幸せになれていないのはとても切ないです。
三人どの子の気持ちもわかるけれど、もしあの時変な裏工作しなくても、この三人は無理だったんじゃないですかね。
この話の続きも、きっとまとまった二人はうまくいかない気がします。
やりきれないなあ。
最初の二話以外は、もしかしたらこれはこれで幸せなのかな?と思わないでもないので、読後感は悪くないです。
一番平和(?)な女子BLは、え?なんで二人がくっついたの?と思わないでもないけれど、女子視点は不得手でもこれは好きです。
そう考えると、いい意味でそこまでダウナーでもネガでもなかったので、よかったです。
なんか。。。本当に切なかったです。
やはり、作品の多くはハッピーエンドで終わる作品が多いです。
ですが、この『ネガ』は。。。ネガティブの意味だと思いますが、「えっ?!こんな終わり方⁈」って、ビックリするような作品ばかり。。。
しかし、はらだ先生は上手過ぎます‼︎悲しそうな雰囲気や苦しそうな雰囲気がそのキャラクターだけでなく、絵全体がそう感じるような漫画です‼️
悲し過ぎて、とっても印象に残る作品でした。悲しいけど
一人一人の個性が溢れていて、とても読み応えのある作品デス!
本当に想像の遥か斜め上にいきましたw
ピアスの作品は、私的には痛そうでした。。。ちょっと怖い。
「わたしたちバイプレーヤー」は、ビックリしました。
BL漫画だから女子と男子は付き合えない。。。。。切ないのか、いいのかよくわからなかったけども、読んでいて「あーーなるほどね〜」ってなりました。女性キャラは漫画の中でとても大切なポジション。そんな大切なポジションにいるキャラクターに重点を置くと不思議な感じですし、「あーこう思ってるんだー」ってわかりました。BL漫画に登場する女性キャラは、大変ですねw
はらだ先生の描かれるネガティブ話ということで、相当の覚悟で臨んだのですが、意外や意外で切ない系のふつーのお話でした。
特にぶっ飛んでいるわけではなく、切なさと後悔が入り混じったまともな作品です。
三角関係のお話と、マッサージ師と体にピアス開けてるサラリーマンのお話と、パンクっぽい2人のお話と、最後に女子が男の子と体が入れ替わっちゃうお話でした。
体にピアス開けている人の話は少し痛かったですが、至って純愛って感じでした。
短編集なので、やはり物足りなさを感じてしまいます。