兄弟失格

kyoudai shikkaku

兄弟失格
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神167
  • 萌×222
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

87

レビュー数
30
得点
937
評価数
199
平均
4.7 / 5
神率
83.9%
著者
りんごの実 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784592721581

あらすじ

『画面の向こうで男に抱かれてたのは、確かに俺の兄貴だった――』
高校生のヤヒロは、部活の友人から突然送られてきたゲイビ動画を見て以来、兄と目を合わせられず眠れぬ夜を過ごすようになる。
その動画に映っていたのは、間違いなく兄のキハチだったのだ。
毎朝自分の世話をやいてくれる兄からは想像できないその姿に、ヤヒロは兄を意識せずにはいられなくなって――。
禁断の兄弟BL!

表題作兄弟失格

高校2年生、陸上部員、キハチの弟
21歳、八尋の兄、実家の青果店店員

同時収録作品兄弟失格

ゲイビ男優
20歳

その他の収録作品

  • 番外編 ゲイビモデルってなに?
  • 描き下ろし 八尋
  • 兄夜食

レビュー投稿数30

No Title

すごかった…!
読みはじめと終わりでキハチくんへの印象がガラっと変わりました。
八尋くんに苦労させない為のゲイビ出演だったとは…
顔が似てないから義兄弟?とも最初は思っていたのですが、これは実兄弟だからこそグッとくるお話しだったなと思います。
ちょいちょい挟まるクスっと笑えるシーンで和みますが後半は切なくて情緒が(涙)
でも先生が描いてくれた1ページずつのふたりが再会したと思われるイラストを見て、大人になったら一緒にいる未来が想像できました。
幸せになってほしい!
いつか続きが読めたら嬉しいです。

6

心とらわれる

“禁断のガチ兄弟BL”なんて一言でいってしまえば、
その設定自体はそう珍しくないのかもしれません。

だけど、切実な心理描写が、
決してご都合主義に展開してくれない物語が、
読者の心をとらえて離してくれないのです。

高校生の八尋はある日、兄のキハチが出ているゲイビを見つけてしまいます。
以来、兄と目を合わせることができず、眠れなくなってしまう八尋。

このキハチと八尋の兄弟は実の兄弟ではありますが、
外見や性格はあまり似ていません。

しっかり者で弟の世話を焼くことに生き甲斐を見出しているキハチと
部活で陸上競技をしているとき以外は天然ピュアっ子な八尋。
ただ、互いに弟を、兄を、誰よりも愛していることだけは同じで、
ブラコン兄弟なのでした。

けれど、自分が知らない兄の一面を知ってしまった夜から
八尋の中で兄への感情が大きく変わり始めます。
最初は単純に兄の情事を観てしまったことへのショックや
家族の性に触れてしまったことへの忌避感だったのではないでしょうか。

それが兄への情欲に目覚め、兄弟愛と恋愛感情がないまぜになってゆき…
眠れぬ夜が続いた末に八尋は倒れてしまいます。

そんな八尋の事情を知らず、愛する弟から避けられていることに
ショックを受けるキハチでしたが、八尋の友人の告白によって
弟が自分の秘密に気付いていたことを知ってしまいます。

そして、ある夜、キハチのベッドに潜り込んできた八尋。
キハチの背中にしがみつく八尋の股間は硬くなっていて…。

言葉にはしなくても全てを知り、知られてしまった二人の関係は
以前のようにはもう戻れないのでした。

セックスをしたい、という八尋を拒み切ることもできず、
フェラをしてしまったキハチ。
兄として最後の一線だけはなんとか踏みとどまったキハチですが、
弟の性欲処理を手伝っていたはずなのに、
弟に欲情していた自分に気付いてしまいます。

赦されないこととはわかっていても距離を置けば置く程に
互いを求め合ってしまい、遂に二人は身体を繋げてしまいます。

見るからに異性にモテそうな外見からも
はじめはそこそこ経験があるのかと思っていたのですが、
その無垢さからもおそらくセックス自体が初めてだったであろう八尋。
舌を絡ませるキスもその後に続く行為の準備も、
キハチに優しく導かれながら夢中でのめり込んでゆく八尋が
可愛くて可愛くて…これは絆され不可避でした。

焦れた兄をようやく自分のものにできたという八尋の興奮と
愛しい弟に求められたキハチの歓び。
結ばれて嬉しいはずなのに、甘さは限りなく削ぎ落されていて
張りつめる背徳感と切なさに胸が締め付けられます。

まるで恋人同士のように抱き合い、
兄と弟、それ以上に愛してることを自覚してしまった二人。
けれど、帰宅すると兄の部屋は空っぽになっていて。

それは八尋を愛しているからこそのキハチの決断でした。

掴んだと思った次の瞬間、突然兄を失った八尋の喪失感が
痛い程に伝わってきて胸が抉られそうでした。

誰にも知られなければ、秘密にしていれば、別にいいのに。
だけど、そうはならないからこそどうしようもなく焦がれて、
作中では描かれなかった二人のその先に
ハッピーエンドを思い描かずにはいられませんでした。

でも、きっと大丈夫。
電話口でキハチを必ず迎えに行くと言ってくれた八尋の言葉を信じているから。
これまでは兄に甘えて庇護されるだけだった八尋が
“あの人は俺がいないとダメだから”と固く誓うシーンはぐっときます。

描き下ろしはキハチがゲイビ出演に至った過程(親父は父親失格)や
遠く離れた兄を想う八尋のお話、2編が収録されています。
キハチを取り戻すため必死にプロを目指す八尋が男前に成長している…!

ラスト2ページではおそらく将来キハチを迎えに行ったときであろう
八尋とキハチのイラストがそれぞれに描かれていて、台詞はなくとも
二人の再会シーンとわかるそれにちょっと救われた気がしました。
あとがきにもあるように幸せになることが難しい二人ではあるけれど、
それでも二人が一緒にいて笑い合える未来が叶いますようにと
願ってしまいました。

7

その余白を残した読後感まで素晴らしい作品でした。

普段あまり兄弟物に手が伸びる方ではない私ですが、その絵の醸し出す尋常ではないオーラに引き込まれ読み始めた『兄弟失格』。

素晴らしかったです。潔くテーマを表したタイトルに準じたストーリー。読みながら体中の血がザワザワするのが感じられるほどに面白かったです。
絵やセリフの間まで読ませてくれるような匂い立つ作品でした。深く引き込まれてしまいました。

そして絵が、線が本当に素晴らしいなと感じます。
身体のラインや動き、コマひとつずつが際立っていて、見惚れてしまいます。

細身でヒョロヒョロしてて眉毛は細いし三白眼だしのキハチ、なんだか謎の色気があって凄いです…。読みながらも凄い…と思わず声に出てしまいました。なんなんでしょう、この不思議な色っぽさ。

対する八尋は、前半の狼狽え憔悴していくさま、からのシャワータイム遭遇シーンで見せた急な“男”のギャップが非常に良かったです。
浴室から漏れる明かりの逆光も相まって、濡れた前髪をかき上げる八尋の色気、爆発してました。

まず漫画として非常に面白く、キャラクターも脇役まで皆魅力的で、BL部分の心の動きも色気度合いもこれ以上なく最高です。
このお話の続きを読めないことに駄々を捏ねて暴れてしまいそうな気分ではありますが、余白と想像の余地を残して物語の幕を閉じる、そこにもまた粋なものを感じます。

りんごの実先生の作品をもっともっと読みたくなりました。
これから追わせていただくのが非常に楽しみです。

8

No Title

どうしようもない父親に変わって、人一倍責任感のあるキハチが一身に八尋を助けていて、八尋と関係を持ってしまってもキハチは母親愛に思える。

幼少期から支えあってた兄弟愛が、ゲイビをきっかけに意識してしまう。
兄弟ものは共依存闇系が多いけど、この作品は少し明るくクスッと笑える部分もあり、今までにない兄弟BLに思えます。

2人の葛藤や心情が上手く表現されていて読んでいて胸にきました。
ラストが、ラストが!続きが欲しいです!

2

シンプルだけど、すごい衝撃

タイトルからも表紙からも『どんな話か?』というのはストレートに伝わってきて、
内容もそれを裏切らないものなので設定はとてもシンプル。
ですが、ストーリーを構成しているふたりの気持ちは単純ではないので、
その部分を知るほどにグイグイ引き込まれていった作品でした。

"良い兄弟"として過ごしてきたふたりのバランスが崩れてしまったのは切なかったけれど、
それが八尋の本心を解き放つスイッチにもなっていて。
戸惑いの日々の中で自分に素直になっていく様子からは彼なりの決意も感じられるのですが、
そこから静かに始まっていくドラマもまた、切なさがたっぷり。
それぞれがどんな想いを抱えていようが真正面からぶつかることすら許されず、
兄弟であるからこそなくならない壁があるのを突きつけられる…
そんな苦しみも感じました。

そこからものすごくツラい結末へと繋がっていくわけですが、バッドエンドではないことに心底救われます。
ふたりが離ればなれになったことにはしっかり意味があって、
今はまだ言葉にできないキハチの気持ちも揺らぐことのない八尋の想いも、きっといつか報われる日がくるのではないのかなと読み手として希望が持てるんですよね。
切ない余韻の中、そんな風に感じさせてくれるラストが素敵だったなと思います。

ここで完結とのことですが、いつかまたふたりに会えたらいいなと願います。

6

温かな関係の中に芽生える愛の気持ちが心に刺さる

タイトルどうりのガチの兄弟ものなのですが、絵の雰囲気がとても良くて心理描写も丁寧でとても素晴らしい作品、気に入ってしまいました。
兄のキハチも弟の八尋も仲の良い兄弟として過ごしていたのに、ある出来事がきっかけで最初は八尋が兄のキハチを性的対象として意識し始めて。兄のキハチも不眠で体調不良になってる弟に性的な事を求められて、頭ではこんなことしちゃいけないと分かっていても、今までなんでも弟の望みを叶えてきてあげたという、弟への愛情から弟の性欲処理を手伝ってしまうという。
二人とも、最初は兄弟の性的な事への拒否感があったと思うのですが、八尋は体調不良で追い詰められてキハチを求めていったり、キハチも自分に助けを求める様な八尋のお願いを完全に拒否することは出来ないで手伝ってあげているうちに、自分にも八尋を必要としている自分の心に気づいて行く様子がとても自然な流れに描かれていました。
二人の表情が良いのですよね。絵柄も優しいです。本当に仲良く暮らしていたのだろうなと。キハチが八尋に作ってあげるお料理がとても愛情に溢れているのも見ていて楽しかったです。
二人は兄弟というどうしようもない関係でありながら好き、愛してるという気持ちに気づいた時のなんとも言えない表情が心に刺さります。二人がやってしまった行為は性的なんだけど、結果としては安らぎを得ていた所が切ないけど深い愛情を感じました。マクラのシーンはとてもお気に入りです。
ただ、八尋を大切に思うキハチのラストの行動も頷けます。これ、続きも是非読みたいですね。守って貰うだけじゃない大人の八尋を見てみたいです。
二人が不意に見せる涙はもらい泣きしてしまいました。
そして番外編として収められているゲイビ出演の経緯を読んだら、、もうキハチが健気で。どうにか二人が幸せになれる世界を見てみたいと思いました。

7

【俺は兄失格だ・・・。けど、もう少しお前の兄ちゃんでいさせてくれよ(キハチ)】


エロス度★★★★★★★★

おやおや。友人から送られてきたゲイビ動画・・・そこに映っていた兄の姿を見てから兄弟以上の感情を抱くようになる弟がかわいいですね。

ヤヒロとキハチが紡ぐ祝福の恋物語・・・・・・開幕。

ガチ兄弟もの。ふたりが血の繋がった家族の一線を越えていく行為の背徳さにドキドキさせられたり、ヤヒロの欲望を赦してしまう・愛故にキハチの選択がとても刺さりました。

危うい共依存の香りを漂わせながら、ドロリッチさを感じさせないところ、カインとアベルの様な展開にならない至極の愛が素晴らしい。

5

不動の名作!!

Webで読んでとても大好きだった作品。改めて単行本で読むとまた切なさで胸がいっぱいに⋯。
実の兄弟の恋愛は許されざるものかもしれないけれど、お互いを想う気持ちと存在の大きさがかけがえのないもので。
キハチがゲイビに出た理由は愛でしかなくてそれは家族としてのものだったけど、そのビデオを観た事でヒロは家族愛以上のキハチへの気持ちに気づいてしまった。
キハチはヒロを守る事が生きがいで、それが自分の支えになってきた愛おしい存在。「兄弟」としては失格でも「人と人」として求め合う2人にずっと一緒に歩んで欲しい。
ヒロの決意の描き下ろしも嬉しい!

3

最高すぎた…

SNSでの連載の時から拝見していました!
帯にも書いてあるようにキハチの無償の愛でヤヒロを包む感じが読んでいて胸が苦しくなります(ありがとうございます)
キハチの舌のトーンがすっっっごい好きでそこばかり注視してしまう。ドスケベすぎる。
キハチが作った中華粥を泣きながら食べるヤヒロがなんとも言えない…宮嶋兄弟頼むから幸せになってくれ…!!!
どうか、どうか続編をお願いします!再開してキハチもヤヒロも2人で幸せになってほしい!!!

3

いよいよ看過出来なくなりました!!(ちょっと暑苦しいレビューを書きます…すみません!)

3月は個人的に読みたいなって思ってる作品が中旬以降の発売が多いので新刊は控えめにしていたのですが…
一際目立つシンプルなのにスタイリッシュな表紙に直球な作品タイトルのこちらの作品がグイグイちるちる内のランキングのみならず各所の電子サイトでも大絶賛の様子!!(尚、現時点ではちるちる内ランキング1位!)
いよいよ看過出来ないぞ…!と、思い手に取らせていただきました

悠長に眺めてる時間、とっても無駄な時間でした~
早く読んでおけば良かった…!と後悔しかない私ザマア展開を喰らいました

特に兄弟BLへの抵抗も無いですし読まなかった理由は単に作家さんを知らなかったから。。。
無知って勿体ない
だからこそ、こういう情報を得られる場って大事ですなぁ~とすごく実感!

作品の良さを伝えてくれた既読者ユーザーさん、そしてこの作品を世に送り出して下さったりんごの実先生、ありがとうございます!

この作品を読んで個人的に響いた点(多分多くの読者さんと被ります)
・作画の上手さ…静と動をしっかり感じる描写力がすごいです
ズームインした所感だと感情が昂った時の「動」と逆に感情が乱れ過ぎてフリーズしてしまうような「静」を体の強張りや顔のパーツの動きで落とし込んでいるように感じます
シンプルな作画だからこそ際立っています
また、ズームアウトして言えば人物の「動」と背景や小物などの「静」の描き込み自体が丁寧!

好きな作画シーンはいっぱいあるんですが、誰でも確認出来るので是非見て欲しいのは冒頭最初の1ページ目
先ず八尋が夜にベッドでスマホを観てるシーン
1コマ目で感じる夜の雰囲気…スマホの無機質な明るさが既に神!
からの動画を観てると分かるスマホ画面の動きがある描写
か~ら~の…八尋の感情が困惑してるのが一目で分かる大コマでのあんぐり表情
この1ページ目だけで十分伝わる「静と動」が完璧!!

この作画クオリティが全編に渡って味わえます
尚私が好きな「静と動」の対比は八尋自体のキャラです
普段はクールなのに突如お兄ちゃんのベッドに潜り込んだり枕持って行っちゃう行動で示し出す…これもまさに静と動!
そして八尋の中のこの相反する感情がしっかり成熟されていくのがまた読み所です

と、言う事で!
・2つ目は漫画の上手さです…当然作画も含めて漫画がお上手って事なのですが、作画が上手いだけでもなくストーリー運びが上手いだけでもなく、しっかりご自身で描きたい世界・伝えたいニュアンスが作家さんとしてのセンスと技量で作品に反映されてる事
雑味が一切ないからちゃんと作品の軸が伝わります

その上で読者それぞれの楽しみ方の余韻を残すような引きの演出もお見事!
私のような情緒が乏しい読者は「解釈は読者にお任せします」的な展開は苦手な事もあるんです(読解力がないので…笑)が、今作の終わり方はこのテーマだからこその読者へのパスなのかな?と思うとそれも含めて引き込まれました
当然ここで終わっても満足ですし、もしいつかどこかで何かの拍子でこの2人を先生の作品の中で見かける事が出来たら嬉しいな、という期待という希望も抱ける
勝手にすごい未来を感じる2人に出会えた気になりました

私のような目の前のページで起こってる事が作品の8割!と思うような情緒貧乏読者でさえも残りの2割を刺激してくれる作品・・・
この体験は私に取って漫画の上手い作家さん認定一択でしかなかったです

えーー…こんなに長いレビュー書くつもりなかったのに、、、!
まだ好きな所2点しか書いてないのにすごい量!!
多分これ以上書いたらダラダラしちゃうからこの辺で

集中力も少ないタイプの私ですら気付けばこんなにレビューを熱く書きたくなっちゃうような作品です

是非とも読んで欲しいです

そして今後も絶対作家さんの作品は買うって決めました☆

8

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