…藤次の 無知で バカで 無神経なところが好きだった

愛だなんて言わないから

ai danante iwanai kara

愛だなんて言わないから
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神67
  • 萌×231
  • 萌15
  • 中立9
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
21
得点
513
評価数
130
平均
4.1 / 5
神率
51.5%
著者
日暮くれ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784813033691

あらすじ

…会いたくはなかった

藤次は恋人の聖人と順風満帆な日々を送っていた。
そんなある日、祖母の葬式で高校の親友・八千代と再会する。
顔を合わせるのは八千代の結婚式以来、二年ぶりだった。

高校時代のある出来事をきっかけに、疎遠になっていったふたり。
あの時、気づけなかった、気づいた時には遅かった、苦い記憶。
見切りをつけたはずの思いは、再会を機に渦巻いて…

表題作愛だなんて言わないから

高校生→ 弁護士
高校生→工務店の内装工

同時収録作品愛だなんて知らない

(高校生→)弁護士
(高校生→)内装工

同時収録作品愛だなんて言わないから

藤次の彼氏,バーテンダー
工務店の内装工

その他の収録作品

  • 描き下ろし

レビュー投稿数21

デビュー作でこの高クオリティ。これから始まる、スタートの巻

表紙がすごく印象的で手に取った初読み作家さん。
よく見かける表紙だし、初コミックスなのに約500点も獲得されててかなり高評価だったので気にはなってたんです。

ノンケDK同士「物静かなイケメンx一見 天真爛漫、ややデリカシーに欠ける黒髪短髪」

この高クオリティでこの終わり方なら続編が決定したのも大いに納得だし、タイトル「愛だなんて言わないから」の意味もちゃんと理解できました。
本当にすっっっごく良作だってのはわかるんですけど…読み進めていくうちに、セリフやモノローグがポエミーすぎて うっ、となりました。
言い回しもすっごいわかりにくい…。
DKや20代がこんなこと言う(思う)か…?って。
おかげで発言者が言いたいことの真意がぼやけるんです。
(実際本当に分からなかった箇所がいくつかあった)
ボタンや絆創膏というアイテムの絶妙な使い方とか、全体的な構成・設定・ストーリーはレベル高いのに、すごくもったいないです。
あと1ページも使って同じシーンを繰り返したのは余計かな、って私も思ってしまいました。

<あと最後にこれだけは言いたい>
作中で言われる通り、ほっぺにチューは欧米でも相手に許可ないとセクハラです。
欧米の挨拶で見かけるアレは「エアキス」といい、お互い正面を向いて、お互いの頬をギリギリ触れるか触れないかぐらい(もちろん触れてもいい)近づけて「チュッ」と空中でキスの音を鳴らすだけです。
その際、お互いの唇はどこにも触れません。横向いちゃダメです。
ここを「欧米人は挨拶でほっぺにチューする」って本気で勘違いしてらっしゃる日本の方ホンットーーーーにすっごい多いので…。

ワンコたちがかわよいのでオマケの☆4。
トータルで大満足です。

0

ゲレンデから参りました♡

新刊読了後、こちらの作品を拝読させていただきました。
あまりの作風の違い!
繊細な心情描写が胸に迫ります。

主人公が無自覚に相手を翻弄する点が
共通点かと思いました。
こちらの作品は登場人物全員が
ひしひしと切なく痛みを抱えていて
各々に感じ入ります。

一方ゲレンデマジックは
コミカルに描かれていますが
あら不思議!?こちら読了後に
じっくり気持ちを汲み取りながら
読みかえすと違う風景が見えてきます
二度美味しかったです。

さらにこちらの作品は続編があるということで、とても楽しみです。
二人、いや三人、みんな幸せになってほしいと思う作品でした!

1

最終的にどんな結末になるのだろう、、と思った作品。

「愛だなんて言わないから」

まさにそう言える結末でした。

レビューでも評価が高かったので、ずっと気になっていたのですが、読了後たしかに、デビュー作でこんな複雑なお話を?!!
と、びっくしりた作品でもありました。



というのも、藤次は恋人の聖人と暮らしていて。
そのきっかけは、好きだったとか、当時感情に向き合わず悪かったと思っていた高校時代の親友、八千代だった。

で、藤次の祖母の葬式で八千代と再会します。

そこから過去のことも含め、モヤモヤと八千代のことを考える藤次。

スカッとした結末の恋愛ではないですが(むしろこれから始まるよね?? フラグの終わり方)、こういう悩みに悩んで、過去に戻ってもまた同じ道を辿るのかなとか考えたりするお話は、さすがイァハだからこそかなあと思いました。

ちなみに八千代はバツイチです。
元妻も出てきたりしますが、そこまで絡みはありません。
女性が関係するBLが苦手な方もいるかもしれませんが、あまり気にならないと思います。


また、えちはないのでえちありきな展開を望む方によりは、ストーリー重視な方にオススメの作品です。

1

愛の話。

すごく好みな作品でした。
もどかしい、ずっとお互いが特別で想いあってるのに。愛してるけど、愛がどんな形か分からなくてこれ以上傷付けたくない。素直すぎる藤次。だからこそ苦しかった聖人の決断も切なかった。
八千代は自分が孤独であることを知らずに生きてきて、藤次と出会って自覚してしまって。でも、それでも出会えてよかったと思ってるのが本当に苦しくて切ない。本当に第三者からみたらって感じなのに……簡単にはいかないぐらいお互いを想ってるのが読んでても伝わってきました。
続編も気になります。聖人には幸せになって欲しいですね。

1

点と点がつながっていく

ストーリー構成が秀逸で、読み進めるごとに話に深みが増してきていきとてもおもしろかったです。3人の心理描写の言葉や表情から伝わる切なさや、優しさ、少しの後悔などがブッ刺さりました。それぞれの想いがかけ合わさった結果、少し成長して自分や相手の気持ちに向き合うことができてよかったです。
聖人ぉおおおお〜幸せになって。

1

No Title

すごく好きな話だった。余韻がすごい。聖人の想いも皐月さんの想いも切ない。登場人物それぞれの後悔とか、自分が愛する人の心の中には誰かいることを感じ取ってしまう辛さとかたくさん伝わってきて泣けてしまう。続編でみんな救済されてほしいなぁ

1

デビュー作とは思えない高いクオリティーの作品

猿と人の遺伝子がほぼ同じ、と生物学者に聞いたことがあります。となると人間なんて、皆一緒。恋愛に陥った時、人はこのみんなおんなじ中から、非科学的、非合理的な理由をつけて一人を選ぶんですよね。これって壮大な思い込み、宗教の様なものかも。(恋愛教とか、、、?)人を愛した瞬間、ネガティブな感情、憎しみとかが生まれるのも、また真実。この作品の当て馬くん、超可哀想。あっさり引いたけどそこへ至る間の八千代くんへの嫉妬、藤次くんへの恨み、簡単に想像できちゃうかも、、、、。人を愛するって辛いね。愛する人が自分を選んでくれない場合も多々ありますもんね。それを書くと純文学になりますね。八千代くんが結婚した時の、藤次くんの感情の表現も美しかった。でももし、これが現実社会で起きた事なら、藤次くんの感情は汚くて、醜かったと思う。BLなので、そこはオブラートに包んで。とはいえ、人間の醜い面、自分のために人を傷つける暴力的な本質を全く描かないと、人の心を打つ作品にはなりません。作者様には今後、BLの枠組みにとらわれない、クオリティーの高い作品を目指して欲しい。全てのBLファンを満足させられないかもしれないけど、BLファン以外の新たなファンは獲得できるはず。大洋図書様、しっかりサポートしてあげてください。頑張って!

0

【人生の分岐点に戻れるとしても、俺はまた同じようにお前と出会う道を辿ってしまうのだろう(八千代)】

エロス度☆

八千代と藤次が紡ぐ恋物語・・・開幕♡

自分でも〝あの時こうしていれば何かが変わっていたかもしれない〟と度々思い返すことがあります。
後悔だったり、振り返っても仕方のないことだったり。

この作品では、八千代と藤次の過去の回想や2人の関係が変わったかもしれない分岐点などの描写がとても印象的でした。
聖人という恋人がいて順風満帆な日々を送る藤次。
でも、八千代との再会で2人の間に言葉に表せないようなモヤモヤとしたもどかしい距離感が生まれたり、名前が付けられないけれどただお互いを想っているのが尊くて泣けた・・・。

1

もっと愛な形がみたい

えろ描写はないにしても好みの受けということもあり。さくさくと読めたのと結構感情移入できたこともあり紙は分厚く感じたものの、気づいたらもう終わってました。
冒頭の始まりから聖人とは別れることになるのだろうとは思ってましたが、そのくだりがくるとやはり悲しかったです。途中までは聖人とは別れずにこれから三人で進んでいくのかとさえ思いましたが、やはり高校から振り返る回想から入るとそれはないかなと。
とにかく続編に今後どうなっていくか期待しております
そしてこれがデビュー作。すご過ぎます

1

「愛」の物語

日暮くれ先生デビューコミックス。
デビュー読切作品を読んで「きっと好きな作家さんだ」と直感しすぐに同人誌を買わせていただきました。その続きが商業連載されコミックスとなりとても嬉しいです。
八千代、藤次、聖人…3人のそれぞれの「愛」のカタチがほんとに丁寧に描かれていて素晴しかったです。
八千代と藤次のお互いに向ける特別な想いもすごくわかるし、今カレ聖人の藤次への愛が泣けるし、3人とも推せるので辛い(泣)
聖人が良い男すぎませんか?当て馬にしておくにはもったいないし幸せになってほしいけど、でもその相手は藤次がいいなーと思ってしまう。しかし八千代と藤次の愛のあり方もすごく好きだし…。
すごく読んでいて苦しいんです。でも好き。

実は本誌連載を読んでいた時にあのふんわりした終わり方がけっこう好きだったので、コミックスで続編が決定したと知り少し複雑な心境でもあり非常に楽しみでもあります。

1

不完全燃焼です

絵は好きなんですが。。もやもやが残るお話しでした。
あと一つ一つの台詞が長くて…こんな語り口調のメンズたちいる?

聖人が藤次を離さなくても八千代と結ばれたのかな。そうとは思えないな。聖人ありきの恋だったと思ってしまいます。
流れに身を任せすぎてて。メイン2人にもっと動いて欲しかった。

聖人は名前の通り良い人すぎるんだなぁ。切ない。
別れてからすんなり八千代と一緒になる雰囲気の藤次に感情移入しずらいです。
そして自分の気持ちってそんな分からないものかな?
続編決定とのことですが聖人のお話しを読みたいです。

6

すばらしい

2人の気持ちが丁寧〜に描かれたいい作品でした。
好きなシーンがいくつかありまして
まず
八千代が自分は孤独でその心の中は雪が降るようなもの…とたとえたところ。
藤次は逆に孤独を知らないあたたかさがあるから、雪がしんしんと降り積もる自分の心にそのあたたかさが沁みて、必要ないと思っていたのに、いちばん欲しいものだと自覚する描写がすばらしかったです。

正直者だけど鈍感な藤次の気持ちを聖人の目を通して描かれるところ。
特にカフスボタンをあげて喜ぶ藤次を見て、聖人がやっぱりまだあげられないと取り返すシーン。
具体的な説明はありませんが、その笑顔は自分に向けられるものではないと聖人が確信してしまったのかなと思わせる。めちゃくちゃいいなと思いました。

あと、藤次が鈍感で人の気持ちがわからなくて人を傷つけたくないと苦しむところ。
これ現実的によくあると思うんですけど、ここまで刺さる描かれ方って私はあまり見たことないなと感心しきりで。
そんな藤次が八千代に愛を告白するセリフがすばらしい。
「一緒にいんのにさみしいとかさあ…やなんだよ」
「どっかにいる八千代が幸せに生きてたらいいなって〜それが愛だろ」
もいいし、この後のセリフが最高。
ずっとどうなるの〜と読んできて、こうくるかぁ〜とめっちゃ感動しました。
八千代のその後のやわらかい笑顔もよくて(それまでとの対比)

その後のきまずい2人もいい。
緊張感が和らいだものの、また別の変な感じがとてもよくわかる。
八千代の素直な心の声が初めてコミカルに描かれていた(それまでとの対比2)のが上手いっっと唸りました(えらそうにすみません。下から目線ですので)

これは続編必至ですね!めちゃくちゃ楽しみです。

4

物語とセリフ選びがよかった

藤次は高校時代の同級生だった八千代の結婚式に出席して、八千代が好きだと気づきます。
過去に八千代にされた「好きだ」と言う告白も、「女だったら付き合いたい」という勘違いと「彼女できた」という最低の返事で振ったくせに。
自分が無自覚ながらに長い間八千代にしてきた酷いことや、相手に届かない辛い気持ちでいた八千代の顔と自分の顔が同じことにやっと気づきました。
切ないけれど普通に女の子が好きで、こうなるまで男と男の恋愛という選択肢を知らなかったのってある意味自然だなと感じました。失って気づくことってあるから。好きだと気づいて、即失恋。
花婿の八千代もまだ未練があるような様子で、どうなるんだろう?と1話の試し読みが終わりました。

それから2年ほど経ち、藤次も上京して聖人という恋人のような人もできます。また、八千代も早々と離婚していました。
3歳で亡くなった両親の代わりに育ててくれた祖母の葬儀に参列するために東京から来てくれた八千代に慰められている時に、聖人もやってきて、三人で顔を合わせます。ここでも鈍感な藤次は八千代の想いにも聖人の想いにも気づかないのですが、八千代と聖人はちゃんと牽制し合っているんですよ。過去の男と現在の男として。それがどっちもかっこよくて、いいシーンになっていました。

物語は八千代の過去や藤次の過去の話だけでなく、周りの人たちの過去もたくさん描かれています。それぞれの過去がどう現在の状況や気持ちと繋がっていくのか、八千代と藤次が今、どうしてこうなっているのか、とても自然にわかりやすくまとまっています。物語を作るのがとても上手な先生なんだなと思いました。

何度も八千代の左の薬指のほくろのシーンが出てきます。その場所が赤い糸や運命を語っているようでした。そして公園のブランコや匂いについて。その繰り返しが読者に響いてきます。
「一緒にいて居心地がいいのは、自分の好きな匂いのする人、一緒に美味しくご飯を食べられる人」
わたしもずっとそう思っているので、やっぱり八千代と藤次は結ばれる運命なんだなと感じます。
でもでも!!わたしは聖人が好きなんですよね!ホント残念。
カトリック家族の中で育ってきて、またマイノリティとして、きっとどう自分が思われているとか他人の気持ちを敏感に読み取れちゃう不幸なんでしょうね。大好きなのに離れる辛さを選んだ聖人は、「僕は藤次を選んだってことだよ」というセリフを読んで、なんでもっと自分勝手に生きないんだろう!!と思ってしまいました。優しすぎる。

独り者同士になった八千代と藤次。ふたりはやっと互いの気持ちを語り合います。愛について伝え合います。たくさんのセリフが続きます。
それでもふたりがはっきりと答えを出せずにいます。もう失いたくないという気持ちで、関係を変えるのも怖いんでしょうね。
日暮くれ先生の作品ははじめて読んだのですが、これがデビュー作でしょうか?
物語とセリフ選びととても上手だな、好みだなと思いました。他の作品、ぜひとも!聖人のスピンオフを読みたいと希望しています!!

……と願っていたら!最後のページに続編が夏から再開とお知らせがありました!
ちなみに、今作ではエッチはないです。キスも頬に軽くするのみ。
たぶん八千代×藤次だと思いますが、続編でふたりがちゃんと恋人としてどうなるのか楽しみです!

4

読んでいて心がヒリヒリする1冊

感情表現、絵のうまさ綺麗さ、場面転換、時系列の並べ方、どこをとっても秀逸で、これでデビュー作とは…と圧倒されました。

どんなお話かという説明がとても難しいのですが、聖人という恋人がいて幸せそうに日々を過ごしていながらもどこか過去の親友的存在である八千代が忘れられない現在の藤次を主軸に過去や今の時間軸をごちゃ混ぜにして藤次と八千代を巡る人たちを含めたお話がつなぎ合わせて描かれた1冊です。

本当に藤次、八千代、聖人、誰の気持ちを聞いていても心がヒリヒリします…
八千代はなんと言ってもあの告白シーンがもう印象的過ぎて…あんな残酷で無垢な振られ方、トラウマなるわ…
そして聖人は聖人で、恋愛感情にあまりにも鈍感な藤次がどう見ても八千代に気持ちが残っていて再会してしまったらそっちに行かせてあげるほうが本人にとっても幸せなのもわかってしまうのに、藤次はそんな自分の気持ちに気づかず、純粋に聖人が好きだと言ってくるの、、しんど過ぎ…自分から言わなければ藤次は間違いなく自分のそばにいただろうにあえて振るのなんと切ない…
そして鈍感無垢で人を惹きつける力のある元凶の藤次。彼もまた見ていて辛い。鈍感さは間違いなく罪なのですが、別にわざと鈍感を演じているわけでもないから、自分が気づいた時にはいつも自分が好意を寄せている人を傷つけてしまったという事実だけが残っているの、純粋で優しい藤次だからなおのことしんどい…

時系列は本当にすごく行ったり来たりしますが、そのつなぎに違和感がなく物語がスッと入ってきます(違和感なさすぎて過去であることに気づくのが遅れることもありますが笑)

ちょっと明るい兆しが見えたラストでしたが、続編があるとのことなのでここから2人が幸せになれるのか、楽しみに待ちたいと思います。切ないストーリー系BL読みたい時にはぜひ。

2

言葉だけが上滑りしてる感…

お勧めされて、あらすじも読んで
殆ど期待しかない状態でした。
しかし、思ったよりポエムが過ぎる…

他のレビューでも見かけましたが、
同じ内容のターンを繰り返し過ぎ。

過去の同じ会話を交わすシーン、
正直前のデータが映り込んでる?
と思ってしまいました。
何の意味があったのかなあれ…

また、話の中に出てくる愛の解釈が
いまいち掴めません。
それを掴めるように前のページを使って語って欲しかったですかね、、
家族愛?友だち愛?
なんのどんな愛が2人の間で育まれてるの⁇

実は勝手に、
相手との関係を断ち切らずに
お互い結婚したまま、付き合ってるまま、
結ばれてしまったのかと思ってました。

今お互いフリーなんだから、
気持ちは複雑ながらもその方向が見えてもいいんだけど、
なんで躊躇してるのかの理由が2人の会話からその心情が汲み取りにくいです。
こんなニュアンスだけのモダモダ感は初めてかも…

愛だなんて言わないから。→何のこと言ってるんだ?
正直、そんな感想です。
続きでは余計な演出なしで必要な大事なところだけを描いていただけるよう期待します。

辛口ですみません。

10

聖人が不憫過ぎる…

大洋図書のBL 作品は個人的にはハズレ無し!と思っていて(笑)またデビュー作品というのにかなりの厚みの本で。期待値MAXで購入して読みました。

私の感想は…
聖人が不憫だと思った…

メインキャラクターの八千代と藤次ですが
八千代は初めから同性愛者であるのだが藤次はノンケ。(いや潜在的な同性愛者?)
八千代が異性との結婚式に藤次が出席してる所からスタートし、ページを進めると八千代は同性愛者だと分かり「あれ?あれ?」とページを戻る事になる感じで読み進めてましたが(笑)

八千代が藤次を好きなのは一貫してて分かりやすいのですが、藤次がイマイチ分かりにくいキャラクターでした。

学生時代の八千代の告白を受け入れず、躱して終えてるのに社会人になって、聖人という人物と恋人になってる…

この時点でまた「あれ?あれ?」と。
ノンケだったよね?違ったの?と。

八千代と再会して、学生時代の事を振り返り、良い友人として付き合い始めるが、潜在的に八千代に友人以上の感情を持っているのが、奇しくも藤次本人ではなく、現恋人である聖人が気づくという…

その潜在的なのが少し変化するのが八千代が離婚してたって判明してから。
(八千代の離婚の経緯も後で元妻が登場して分かるが…)

藤次は聖人と付き合ってるから!と頑なにしか見えない八千代と線引きが痛々しい。
その頃には聖人は藤次の気持ちの変化を知り、引こうとする。
藤次は聖人の事を「好きだ」と言いながら、自分から離れて行こうとする聖人を何故?引き止めなかったのか?
やはり、潜在的に八千代への想いがあったのだろうと…

本当、こんなに不憫な当て馬いませんよ!
聖人が不憫すぎる!
そこまで相手の気持ちを汲み、引けるのか?
それだけ藤次が好きだったという事なのだろう。だからこそ不憫すぎる。T^T

続編描かれるという事ですが。
まだメインキャラクター2人はスタートラインにたったという所でしょうからその後のお話になると思います。
私的にはメイン2人より聖人を幸せにして欲しいです。

7

サブキャラクターが好きすぎて苦しい

読んでいて苦しいほどに登場人物たちの心情が深く、重たく伝わって来ます。
画力・心理描写どちらも非常に丁寧で素晴らしかったです。
どっしりとした重みのある感情の嵐に、はー…と息をついていると…こちらがデビューコミックスなんですね。
いやはやすごい。どうしようもなく読み手を感情移入させてくれる力があります。

恋愛においてのときめきや甘さではなく、苦みや過去への後悔、愛について描かれた物語です。
メインとなる2人の現在と過去が語られていきますが、この辺りの場面転換に関しては突然切り替わるのでやや読み辛さを感じました。
けれど、少しずつ読み進めていけばいくほど、彼らと彼らを取り巻く人々の想いと後悔がじわじわと重く伸し掛かってくる。
八千代の通じないと分かっていても伝えたかった想いも、その想いになぜ気付けなかったのかと悔やむ藤次の心情もすごく苦しい。

と、ここまで深く高校時代の愛について掘り下げたお話であれば、やはりメイン2人が結ばれることを願うはずなのですが…
ちょっと私は2人の今後が幸せであることを願えなかったというか、願わなかったというか、どういう感情で見届ければいいのかと複雑な気持ちでいっぱいになってしまいました。
どちらの気持ちも痛いほど伝わって来ましたし、2人だけに焦点を絞った作品だったのならきっと真逆のことを考えたでしょう。
先述の通り、彼らを取り巻く人々についても描かれていて、心理描写が丁寧かつ細やかなので脇役が脇役にならないんですよね。
どの人物も八千代と藤次を追う上で欠かせない大切な人ばかり。

うーん…早い話がどうしても肩入れしてしまいたくなるんですよ。
特に聖人。2人よりも聖人に気持ちが持って行かれて、彼らの行く末より聖人の話が読みたいと思った自分がいたというのが正直なところ。
聖人の存在を知らなかったのなら、聖人の愛を知らなければ後半の八千代と藤次に両手をあげていたと思います。
傷付く必要がない人が傷付いた上で成り立つ関係性にもやもやとし、でも2人に愛着がないわけではないし…と、こちらの評価になりました。
誰に1番魅力を感じたかによって評価が分かれる作品かもしれません。
その後の2人がどう歩んでいくのかも気になりますが、聖人が幸せになれる物語が読みたいです。絶対幸せになってほしい。

6

愛とは、

高校時代の親友同士の再会ラブ。
…なんて、そんな風に軽く言ってしまえるほど簡単ではない恋が描かれていたこちらの作品。
でもものすごく重たいわけではなくて、"深い"お話だったなという印象でした。
それぞれの想いを知れば知るほどに、人間は表面上だけではわからない感情をたくさん持っていて
そして愛を知るということは痛みを伴うものなのだなと感じました。

八千代は藤次に想いを告げたあの日、いくら近くにいても噛み合わない気持ちがあることを知って
向き合うことから逃げて自分の恋心ごと無かったことにしようとしてしまうわけです。
もうずっと藤次以外を見ていないのに、見ることなんかできないのに。
どうして伝える努力をしないで離れる選択をしてしまったんだよ…!と、もどかしくなってしまいましたが、あの時点ではそれが八千代にとっての最善でその行動こそが愛だったのだろうな、と。

たくさん後悔をして気が遠くなるほどの時間が経っても、変わらない気持ちが自分の中にあること。
それを知ってやっと藤次に向き合うことができたのかなと思いました。
藤次もまた様々な経験の中で八千代への想いを自覚できて、ようやくふたりかスタートラインに立つことができて本当に良かったです。

でも聖人のことを考えるとものすごくやるせなくて、一番傷付いてはいけない人が大きな傷を負ったことが切なすぎました。
藤次の背中を押すような別れが本当に悲しくて、最後まで優しくて愛情深かった彼には絶対に幸せになってほしいと願わずにはいられません。

とても綺麗にまとまっていましたが、続編も決定しているとのことなので
これからの彼らが見れるのを楽しみに待ちたいと思います。

3

素晴らしい作品です

連載の時から気になっていた作品!
新年一冊目はこちらと決めておりました。

満を辞して読んで、感嘆。
想像を遥かに超える素晴らしさで、何を書けばいいのかわかりません......

まず絵柄がとても好みなのですが、冒頭からスッと引き込まれるストーリーもとにかく素晴らしいとしかいいようがありません。
ひたすら丁寧に気持ちの動きが描かれていて感情移入不可避でした。

読むか迷っている方にオススメしたいのでネタバレ無しで書きました。
ぜひ読んでいただきたい作品です!

6

テーマから想像したよりはあっさり

まず絵はめちゃくちゃ上手いし好みでした!
時系列を行き来する構成ですが全然無理なく読めるコマ割りだったし、心情描写も繊細で引っ掛かりなく読めました。デビュー作とは思えないレベルです。
でも、だからこそ解像度が高い分主人公2人にいまいち感情移入できず...


再会した親友二人の選択を過去回想を交えて何があったのかを描く構成なのですが、それが「こんな過去があった運命的な二人なんだな」となれずに「なのにもう一度人を傷付けるの?」と思ってしまったのは恐らく私が主人公達以上に脇キャラ達に惹かれてしまったから
誰かを傷付けた経験自体は誰にでもあると思うし、今でも引き摺ってあの時どうしたら良かったんだろうと思い悩むシーンは沢山あるとは思うんです!

でも、それ以上に同性パートナーの親族のお葬式に顔を出すまで今彼・聖人はどんな感情だったんだろうとか恐らく30代で離婚を決断したであろう奥さんのこの先だとか、そちらの方が切実なリアリティを持って胸に迫ってきてしまって...
この2人が日常の変化から何を感じ取り何を想って離れたのかを語るシーンがあるのですが(題名は寧ろこの脇キャラ達にかかってるのかな?とも思いました)肝心の主人公達が流されるままでいまいちピンと来てなさそうなのが腹立たしい。
藤次に至ってはなんか相手のこと責めてるし全く伝わってないの向こうも察しちゃったっぽいし...
思ったよりあっさりした話だと感じてしまったのは主人公側の現在の人間関係への思いやりとか葛藤が少なかったせいかなと思います。

どちらにせよこの巻は周りの成長と決断のおかげで舞台が整ったまでの段階だと思うので、続編では能動的に動いて自分でアンサーを出す主人公達が見たいです(とはいえやっぱり聖人のスピンオフの方が欲しいなあ...)

16

空回りの気持ちが切ない

八千代×藤次


高校時代の青い感情から、
ぎこちなくて不器用なまま、
大人になるまでの空回りの気持ちが、
お互いを想いながら、
逃げたくなるほど途方もない恋心・・・胸が苦しくなるほど切ない。


藤次と八千代、高校で出会って、
藤次の陽気なワンコ力が八千代に付き纏う。
だんだんと親友に抱く感情が過剰である2人だが、
八千代が告白する流れになって、
藤次が天然で無神経のゆえに振ってしまい、
2人が親友のままで、卒業して、会わなくなる。
時は流れて・・・

八千代が女性と結婚し、
藤次が聖人という恋人がいる。
三角関係の雰囲気も刺さる。

八千代の結婚式での再会の時の
親友のまま紛れ込む虚偽な感情。
お互いにそれぞれの恋しているけど、
2年後の藤次の祖母の葬式でまた再会してからの 
抑制しても現れる
一番大切なのはやっぱりお互いだという強力な本音と、
「会いたくはないくらい会いたい」という大きな気持ち。
そんな想い尽くす2人に心が乱れて疼く。

同人誌で発表された『愛だなんて知らないし』という
2人が高校を卒業した後、
八千代の結婚式で再会する単話からスタートし、
その2年後、藤次の祖母の葬式で再びに再会する本編に入っていく。
2人の視点もあって、
高校時代の数々のエピソードが交差しながら物語が進行し、
結末も完璧に締めくくられている。
2人の成長から見て、
遅すぎることなどはなく、
本気で向き合うことが素晴らしかった。

藤次、
天然でバカで、無神経すぎて不器用さを一層を拡大させる。
好きなのに、
「好き」という感情に鈍感で、
八千代の気持ちを勝手に無視して、
実はただ一番近くにいたいという純粋さがもどかしい。
未知な「男への恋」に怯えていたから、八千代を振ったのだろう。
聖人との関係で男同士の恋を味わって、
男でも恋愛ができる自分が、
さらに八千代に向き合うことを難しくさせ、逃避してしまい・・・
結局、今度こそ2人の関係を取り戻したいという健気さにグッとくる!

八千代、
孤独な状況で藤次からの安心感をもらって、
それでも藤次に振られて、
行き場のない感情を返すという行動がキュン痛で、
それは藤次が大切な存在だから不安に駆られてしまうからだと思う。
藤次が他に恋人がいるという状況でも、
もし彼を失ったら悲しむという強い想いや、
傷を気づかないふりをしながらも、
最終的に藤次に向けられる愛情は本当に尊い。

聖人、
藤次の幸せを最優先に考えて、
自分の愛だけでは藤次を満たせないことを理解し、
その決断が自己犠牲的で、
まさに「聖人(せいじん)」にふさわしい存在。
コミコミ4Pリーフレットと一緒に読むと、
彼の想いがダイレクトに伝わってくる。

愛しているのに、
伝えられない苦しさに胸をえぐる。
八千代を振ってしまって、
傷ついていて、愛に臆病になっていく藤次、
傷つけていくはずなのに、愛に強くなっていく八千代。
大人になって本心を隠してしまう2人が、
最終的にはお互いを受け入れるまでの愛の形がとってもよかった。

エロのない中で、

高校生から大人までの等身大の恋模様が、
聖人を含めて3人の心理が丁寧に描かれていて、
愛に翻弄された彼らの躊躇がリアルで胸がジーンと痛む中で、
恋愛という感情の難しさから迷走することこそが、
好きという感情の大切さを改めて感じさせ、
その3人の真の感情が鋭く突き刺さって共感し、
デビュー作とは思えないほど心が打たれる作品でした。

このままの終わり方が好きだけど、
続編を楽しみにしています。



・コミコミスタジオ限定特典4Pリーフレット
描き下ろし漫画2P:
藤次の祖母の葬式の日の聖人の思い。

・とらのあな限定特典12P小冊子(有償特典)
[カバーラフ公開]2P
描き下ろし漫画9P:
藤次と聖人が付き合っていた時のお話。

・協力書店限定漫画ペーパー:
藤次、八千代、聖人、それぞれが犬への(犬からの)反応。

14

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

漫画(コミック)

人気シリーズ

  • 買う