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kagamiyokagami, dokuringo wo tabetano wa dare?
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
小中大豆先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
焦れったい 3
すれ違い 3
拗らせ 2
エロ 1
な感じだと思います。
紹惟さん×永利さんのカプです。
タイトルから、白雪姫モチーフなのは分かるのですが、ミステリーやサスペンス、ファンタジー物ではなく、芸能界を舞台にした現代物です。
クビ寸前だったアイドルの永利さんは、天才写真家の紹惟さんにモデルとして抜擢され、トップモデルの仲間入りをする。だけど、紹惟さんに飽きられてしまうと、ミューズである永利さんはお役御免になってしまう。
ミューズ間、身体を重ねる紹惟さんと永利さん。だけど紹惟さんの言動から深入りして嫌われたら、後々辛いのは自身だからと、紹惟さんに想いを寄せながら不安を抱えている永利さん。でも、何だかんだ10年も紹惟さんのモデルをしているのだから、何かしら想いがあるだろうと、察することは出来るのですが、ほんのり拗らせているのと言葉足らずなので、2人の仲はすれ違っていますね。
焦れったくてもどかしい紹惟さんと永利さんですが、モデルや俳優などの芸能界を舞台にしたお仕事要素やキャラクターの心理描写などが味わえるので、是非とも読んでほしいです。
いやー辛かった。10年セフレは辛いし突き放され方が辛い。攻め、一年ぽっちじゃ全然寝てないとかどの口が言ってるんだという感じでした。こういう話大好きだけど。依存してしまった受けが脱皮していく様は良かった。本当に言葉が足りない攻めでした…。誠一いいやつ。
売れっ子写真家 紹惟と売れっ子モデル・俳優 永利。紹惟のミューズの写真集は売れる。彼は被写体に飽きるまでのめり込む性質で、過去3人の女性を被写体(ミューズ)として売れっ子にし、結婚・離婚した。2人は10年前に鬼才の売れっ子写真家と元売れないアイドルで元子役として出会い、紹惟に見初められて永利は4人目のミューズになった。当時22歳で元子役としてお人形のように仕事をこなしていた永利は、撮影のため彼と共に暮らし、大事にされる中で抱いて欲しいと頼み体を重ねた。そして撮影が終わった後も「自分は他の男とも寝ていて、身体だけの関係」と偽りながら紹惟に片思いを続けている。そんな中、永利を含めた2人のミューズで撮影するという話を聞き、いつか新しいミューズに目移りして紹惟に飽きられるかもしれない恐怖に、現実味が帯びて…、というお話。
過去の2人の話は、短いながらも永利が紹惟にのめり込んでいく、そしてシンデレラのように芸能界を駆け上がっていく様がわかって凄かった…。32歳になった永利は、紹惟のミューズでいられる自信がなく、真面目で、健気。彼の紹惟への想いと仕事への姿勢、そして成長していく様子が愛おしく、ワクワクしてページを捲る手が止まりませんでした!
また、周りの人たちが生き生きしていてみんな魅力的!特にお友達とマネージャーが大好きです!
主人公の成長ストーリーが読みたい人には非常にオススメ。
なぜか怖いしんどい話と勘違いして今まで手にとらなかった自分が信じられません(笑)続きも一緒に購入したので楽しみです!
寝かせてました。続編が出たし一冊目もすごく評価が高いし、あらすじからしんどそうで手を付けなかったのですが、読み始めたら夢中でした。
一皮剥けろ!自分で立て!
ずっと主人公に言いたかった。
生い立ちからは仕方ないのかもしれませんが、いつまで依存してるの?子役上がりのパッとしない俳優だと自信がないの?
夢中で読みました。小中さんの作品でこんなに夢中で最後まで読んだのは二作目かな。
今作は主人公にそこまで感情移入も共感もしないで読めました。
受けが攻めに依存して決して愛しては貰えないと絶望しながらも、まだ俺がいていいんだとXデイに怯えるところ。見事でしたね〜。
仕事の為とはいえこんなに自分を見つめて理解して接してくれて。そんなん依存しちゃうよ〜。
自分には何もない、攻めを繋ぎ止めるために頑張って。気づけば32歳。
10年目「二人の男」でとうとう次のミューズが現れ捨てられる…と嘆くところからの立ち直り結果を出すまでが素晴らしかったです!
さあこれからは一人でも頑張ろう!お芝居もっともっとやるぞ!親友やマネージャーや社長やずっと支えてくれた人もいるし!
なところでの攻めからのネタバレというか告白というか。もちろん萌えましたとも!
本当はそうだったの〜!?そこまで〜!?
良かったんですけど両手を上げて喜べるかなあ…。
いや「二人の男」は受けのための役だとも言えるし、一皮剥けるきっかけにもなった。確かに集大成だった。
でも追い詰め方がなあ。成功したけど、愛してる人が苦しみ壊れ潰れる可能性も想定してたというか。
攻めにも受けにも大事な仕事で転機になって良かったけど。
頼れる大人な男を演じすぎ!カッコつけすぎ!なぜ言わなかった?伝えなかった?
え?付き合ってるつもりだった?はぁ?
うーん、こう思うのも作者の手の内なのかな。
ひーー…しんどい。終盤までしんど過ぎて心臓が痛かったです。
終盤、今まで内に秘めていた2人の本心の暴露合戦が始まるまで、この主人公2人に魅力を感じていませんでした。それに加えて心臓に悪いストーリーでしょ……もうどうしようかと。大好きな作家さんなので、最後まで読みたいという気概だけでパラパラと読み進めましたが、
いやはや……さすがでしたわ。
この終わり方は今までの苦しみが吹っ飛ぶエンディングでした。終わりよければ全て良し、ってこの作品みたいなことを言うんでしょうね。最後はとても素晴らしかったです!
そもそも、なぜ私が主人公2人にうんざりしていたかというと、2人とも面倒くさい感じがしていたからです。
瀬戸は氏家に惚れまくっていて、ちょっと依存に近い感じでベッタリなのがあまり好きじゃなかった。次のミューズとなる若手俳優が現れたときも嫉妬と愚痴ばかりで、見苦しい感じ…。
俳優で食っていて30も過ぎているのであれば、まだまだ演技の道では若手なはず。嫉妬に狂ってないで演技の稽古とか役を広げるための経験を積むだとかやったら良いのにと。ミューズの称号と氏家の寵愛に縋っている姿が、痛々しい気さえしました。
そして氏家。才能ある写真家なのは分かるけど、作品のためなら誰とも寝るみたいなのがちょっと引きました。ましてや、瀬戸を愛しているくせにその行為が続けられるメンタルはこれいかに!?…1年前から瀬戸以外の誰とも寝てないってつい最近じゃん。説得力なさすぎてアゴが外れそうでした。
そして、大事なことを何も言わなくて勘違いさせるような態度と言動にもモヤモヤしました。
そんな彼らなので、次の新しいミューズを選ぶってなったとき波乱が起きないわけがない。要は2人の圧倒的コミュニケーションのなさが問題なのに、色々と周りも巻き込んでるし迷惑かけちゃってるの分かって欲しい。
これが私が主人公2人のキャラに好感が持てなかった理由です。
それを受けてストーリーも2人のキャラに合わせるかのようにギスっていきます。うーん…どんな着地点を迎えるのか期待したいのに期待できないこの状況にヒヤヒヤしました。
でもそのどんよりとした空気感を壊してくれたのが瀬戸です。
今まで撮影のときでもプライベートのときでもいつでも何処でも氏家のことを考え、氏家に近付く者たち(元妻・新ミューズ)に嫉妬ばかりしていた彼が、精神がズタボロになった中での演技の役どころを掴み始めたとき。ここから潮目が変わりました。
演技に力を入れる彼の姿は輝かしかったです。
元々才能はあったと思うのに、モデルだったり演技だったりの勉強をしてこず、上昇志向の気持ちを持てずにいたのは残念。氏家にゾッコンだったし若かったからかも知れませんが、氏家と距離を置くことで見えてきた世界があっていい機会だったと思います。
氏家に依存しなくとも前向きに生きていける気持ちになった瀬戸の好感度がめちゃくちゃ上がりました。
逆に氏家に対しては、彼の本心を知ると強気なようで弱い人なのかもな…と思ったり。寝る相手には困らなくても恋愛に関しては下手なんでしょうね。最後は瀬戸の強さと、氏家の弱さがいい対比になっていて面白かったです^ ^
終盤までは不安だらけでしたけど、そこからの結末は大満足です。欲を言えば、氏家の視点も見たかったな。
近々発売される、続編を読むのがめちゃくちゃ楽しみです。
作家様買いです。
切ないお話が読みたい~と思いこちらのあらすじを読み購入しました。
天才写真家の紹惟(攻め)と俳優兼モデルの永利(受け)。
二人はセフレなのですが、永利は紹惟に10年片思いをしています。
でも付き合えることなんて絶対にないから
自分の気持ちは紹惟に言わないし、
紹惟は、永利には他にもセフレがいると思っています。
「また男を咥え込んでたのか」と紹惟に言われた時の永利の気持ちがすごく切なくて胸がぎゅっとしました。
と言うのも、紹惟は他の人も普通に抱くんですよね。
でも永利は紹惟のことが好きだから、彼だけなんですよ。
そんなことを知らない紹惟に最初はとても腹立たしい気持ちもありました。
基本的には永利視点でお話が進んでいくのですが
読めば読むほど辛くなっていってとても切なかったです。
やっと永利が10年の片思いに別れを告げたのに、紹惟が連絡してきてもう!って思ったけど
紹惟の話を聞いて更に酷いなぁと思いました。
勝手なんですよね。
でも、そんな紹惟が永利は好きなわけで…。
複雑な気持ちになったけど、永利がすっごく幸せそうだったし、
後日談の紹惟視点を読んでほんとに永利のことが好きなのが伝わりました。
でも、やっぱり勝手な男なので、人生の最期まで永利を愛しぬいて欲しいと思いました。
小中先生の《ないものねだりの…》を初めて読んですっかりファンになり、その後先生の本を探して読み始め、《魔法使いが…》を読み、その後こちらを読んたのですが、えぇぇぇぇぇっ!切ないにも程がある!!本当にハピエンになるの?ねぇ誰か教せぇーてっ!とドキドキしながら読みました。
最初の一冊目が、本当にコミカルでひたすら受けが可愛く、攻めもカッコいいのにコミカルで、でも切ない要素もカッチリとあり、本当に楽しかったのです。
元々〈切なくてぇ〉〈片恋orすれ違い〉そして最後は堂々の〈ハッピーエンド〉がご飯より好きな私には、ド直球でしたが、もぉこないにドキドキ切ないのは心臓に悪いし…、でございました。
小中先生はコミカルなのだと思い込んでおりまして。で、必死で探してこの本と《さよなら、…》を読んで、えっ??小中先生ってこうだったの???と大変驚きました。
しかし『攻め』むちゃくちゃ『受け』を愛していたのですね。告白する下りには、そんなに好きだったのなら許して上げなくもないか…なんて思ってしまうくらい、あのゴーマンな『攻め』が可愛かったです。『受け』にはもう少し強気に突っぱねて貰っても良かったけど 笑。
でもさすが小中先生、本当に、ッパねぇです。
これからも読み漁ります!!
イラストのみずかねりょう先生も凄かったですね!
物語の臨場感をいやが上にも盛り上げてくださいました。ほんと、凄かったです。
愛ってなんだろう…と、考えさせられる話でした。
彼のことが好き、でも彼は俺のことが好きなの?わからないよー!うー!
っていう、単純な話じゃなくて、愛を持続可能にしていく努力、つまりSDGsを考える物語だったのかなと、そんなことを読後思ったりしました。
なんでも、持続性って難しくて、ただ持続するだけなら簡単で、それをただの依存や執着、惰性にしないために何ができるんだろうって考えるとこの小説に行き着く気がします。
なにはともあれ、またとんでもなく面白かったです。
今回は現代ものでした。すごく、大人の、熟成された恋愛。10年関係があるからこその、「関係性の深め方」が胸にきました。
受けである永利の視点で話が進んでいくので、想いが通じなくてムカつくこともあるんですが、本当は攻めの紹惟がどう考えるかとか後から考えるとめっちゃ愛が深いなと感心してしまいます。
恋愛における不安な気持ちの描写は小中先生の真骨頂だなと思いました。
受が攻を好きすぎるあまり、自分だけがこんなに攻を好きでつらい…と何年もウジウジしちゃう話なのに(話だから?)面白いです。素直な気持ちをきちんと話し合わない2人に歯がゆさをおぼえて萌えました。メンタル不安定な受さんが、仕事がきっかけで恋愛して、恋愛によって成長していく過程は読み応えがあります。
”夜啼鳥”でも思ったのですが、攻様が魅力的すぎます。冒頭の登場シーンは最高でした。豪邸の螺旋階段の上から受を睥睨するように見据える黒い切れ長の瞳、高身長、黒髪、甘さのない整った顔だち、、宝塚のトップスターの登場みたいで、受さんと一緒にゾクソクしました。しかも料理上手で床上手、芸術家であり実業家、夢がありすぎました。。。BLだけどバツ3っていうアグレッシブなところもなんだか新鮮で魅力的。元妻の存在やら他の恋人(それほど気配は感じないんですが…)の存在のせいか、受さんが攻様に対して”してほしい”っていう積極的なスタンスのエロもいいです!
前半のモダモダがあるからこそ、後半の溺愛がよりいっそう楽しめるという粋な構成でした。ものわかりよく話し合って解決しちゃったらこの萌は得られないという、焦らし展開の王道パターンかと思われます。小中先生のこういう現代モノ、おそらく何冊読んでも飽きない気がしてます。
最後に、受の親友の誠一とそのマネージャーが匂うのですが違うのでしょうか…。違ってなかったらいつかスピンオフ読めたらいいなと思ってます。みずかね先生のイラストが美貌のCPにピッタリで眼福でした。
攻めの紹惟は、海外でも名を知られた有名写真家です。
怜悧な整った顔で艶やかで華のあるアラフォーの傲慢で自信家。
男にも女にもモテるバツ3ですが、永利の評価ではヤリチンのクズ。
いい家の坊ちゃんが何の苦労もなく有名になった天才写真家という感じです。
受けの永利は、そこそこ売れている俳優です。
中性的な美人顔の32歳
紹惟に10年来の片思いで恋人になりたいけれどセフレにしかしてもらえない。
仕事にも情熱をなくしている現状をなんとかしたいと思って足掻いています。
同じ想いを返してくれない紹惟に対して気持ちを隠し、気ままに男と遊んでいる風を装っているのが切ないです。
後日談的な短編の紹惟視点のストーリーが良かったです。
2人で共同出資して家を買う時、紹惟は共有名義は面倒だけど2人の中がこじれた時共有資産の処分が面倒で別れるのをやめようと思いとどまるかもしれない可能性まで視野に入れていたことに彼の執着を思い知りました。
あらすじから、「ラプンツェル王子の通い妻」と同じ香りがするけれど、その割にはレビューで攻めザマァ!みたいなのが見当たらないので、きっとモヤモヤさせられるだろうな……と思い、発売当時から購入するのを見送っていたのですが、なんか読めそうな気がしてポチ。
あぁぁ、やっぱり天才芸術家様に惚れてしまった凡人の苦しみみたいなもんが、受け視点でこれでもかと伝わってきてなかなか苦しいものがありました。
読んでいると、打ち寄せる浜辺に立ってるような気持ちになるというのかな。
しっかりと立っているはずなのに、足裏から絶えず砂が流れていってしまって心もとないような、ざわざわする、あんな感じ。
しかもそれが10年間も続くという……。
おまけに、あえて突き放し追い込む攻めのあの所業。
天才様には惚れるもんじゃないな、とつくづく思わされました。
後半で、攻めと決別して一皮も二皮も剥けて変わっていく受けの姿。
ここがとても良かった。
攻めに対しては、なんといっていいのやら……。
こんな男に惚れてしまったのが運の尽きという気がします。
実は両片思いものだったんだ……と気づいたけど、両片思いものだと期待して読むと、攻め、どーなってんじゃー!!と叫びたくなるはず。
だから設定の「片思い」が相応だと思うな。
攻めが真実を打ち明けた終盤以降で、攻めに対する印象がガラッと変わるということもなく、なんとなく胡散臭さが残りました。
『ラプンツェル~』を読んだ時も思ったのですが、小中さんの書く芸術家のお相手(受け様ですね)と私は相性が悪いということがこのお話を読んで良く解かりました。あ、攻めさんは芸術家じゃないけれど『夜啼鶯は~』もそうだった。
お話自体は面白いのですけれども、どうも乗り切れない自分に気づくんですよ。これ、多分『永利が仕事よりも紹惟が好き』だからなんだと思うのね。
そもそも、仕事と恋愛は同じ軸で比べられるものではないと思うんです。
紹惟はそういう考え方をしている様な気がするの。
彼は自分の写真を見る人向けに作品を造っているんですけれども、永利は紹惟のためにポーズをとり演技をする……うーん、その仕事はあなたを見る人に向けてやりましょうよ、と思ってしまいます。
恋しい人に尽くすことと、社会(この場合は観衆になるのかな)に仕事の成果を返すことを、ごっちゃにしたままお話が終わって欲しくないのですよ、個人的な好みとして。
ああ、でも、小中さんってば物語がお上手だから!
「なんかちゃうんだけどな」と思いつつ、最後までそれなりに面白く読めてしまうのがにくい……
アーティストに恋をすると大変そうだな、というのは世間でも言われていると思うのですが、今回の小中先生のこちらの作品はまさにそれを体感させてくれるお話でした。
才能に惚れ込んでしまったが故に素直に恋心を出すことができない永利、永利を愛しているものの、愛よりも芸術が最優先な紹惟。二人の蜜月は十年という長い間にわたり続くものの、時代とともにどちらも変化せざるを得ない、芸事で生きる彼らの悲哀が迫ります。
ピリピリした空気を孕んだ展開に、およそ300ページという一般的な長さにも関わらず途中何度か休憩を挟まないといられないくらい濃いお話でした。
劇中劇のような撮影シーン辺りでは、途中で「私はガラスの○面を読んでいるのか?」という気分になりました。すごく魅力的でした。
永利があらゆる執着を手放すところが悲しくも美しくて素敵でした。
白雪姫を連想するtitleから受ける印象と違う内容だ、と、暫く読んで気づいて驚いた。
厳しい業界の中で生き残る競争のような話が前半。老いて衰えたら、若い後進に追われてしまう。
巻末は、老いたなりの恋人の美しさを際立たせる為に仕掛けた、毒リンゴを食べてしまった人の述懐。
「目力が凄いんだ」「妖精のような美」など云々・・なーんだ・・・甘々だ。
売れない元子役のアイドル・永利(えいり)が、トップモデルへ転身する切っ掛けを作ってくれた、完璧主義の天才写真家・ 紹惟(しょうい)が、なんと仕事でコケ続き。スランプを切り抜ける起死回生の企画テーマは、「白雪姫と妃」
「鏡よ鏡、一番美しいのはだれ?」
主役二人は、美貌がやや衰えだした恋人の永利32才と、ピチピチの22歳の新進舞台俳優が抜擢。
写真家の 紹惟は、永利のやる気を焚きつける為に、相手役の資料を見せて、観劇に連れて行き、嫉妬させ、別居して、永利を限界まで追い詰める。
本気にさせるために、ここまでやるの??惨い。
昔絵を描くために自分の娘を焼き殺して描いた絵師が居た話が有るけれど、
紹惟のような芸の鬼とは、恋人になろうと思わない方が、幸せな人生を送れると思う。永利は、ちょうどよく鈍いから幸せなのね。
目的の為に手段を択ばない奴は、また壁にぶつかれば身を切る手段を繰り返すと思うな。
いや、マジで、白雪姫モチーフのおとぎ話ファンタジーだと思い込んで電子で買ったから、冒頭、普通に、売れなくなった元アイドルが、芸能事務所でクビの宣告の覚悟をしていたら、、とか、最初???の嵐だったのですが、
「奇跡のミューズ」くんが、鏡の、ある意味呪いを乗り越える、とっても真面目なお話でした。
この作品、小説なだけに、挿絵のない脇キャラの声が某リアル大御所俳優さんで脳内に響いたりしてしまい、その辺、ちょっと萌を削がれがちだったりしたりなんかしたり、、、。
30歳でも美貌って、今なら全然ありでしょう。
天才フォトグラファーx美貌のモデル兼俳優
すれ違い思い込み、両片思い系の性癖ストライクな作品。
初めの方は受の永利が攻に相当依存しているのが描かれています。依存心の強い受はどうも苦手なので不安になりましたが、全くそんなことはありませんでした。小中さんの書かれるキャラクターは悩んでても結局最後には自分で前向きに頑張る子ばかりなので安心です。最後俳優として成長した時には、良かったねえええええ!てなってました。
若干惜しいなーと思ったのが攻の昭維サイド。この二人の関係性だったり永利の目線で進んでいくこともあって、かなり最後の方まで永利への執着が見えにくかった気がします。本編後の小話が攻視点ですが、この執着っぷりが本編でも見たかったーーという感じです。
もうね、写真家の紹惟の情緒不安定っぷりったら無い。彼に振り回される永利が不憫過ぎて。芸術家の面倒臭さを遺憾無く発揮していて。目も当てられ無い。
物語的には。今一つ伸び悩んでいた売れないアイドルの永利が、著名な写真家に見出され、スター街道を駆け上っていく、いわゆるシンデレラ・ストーリーなんだけど。シンデレラの様な、スカッと感は無い。なにせ、タイトルは「白雪姫」ですからね。
さらに、さらに、スターになってからの10年後。劇中劇というか、作中劇にて。永利は「白雪姫」をモチーフにした物語で、悪役である魔女をイメージした役を演じる事になる。若くて瑞々しい後発がどんどん出て来る中で、萎びて行く美貌。これは芸能界の栄枯盛衰。
愛する紹惟の興味はもう。自分では無く、新しい誰かに移ってしまったのではないか。
焦る気持ち。諦観。
ワイルドな魅力のある男前で、皆を平伏しさせていた紹惟の豪放磊落さも、年齢と共に落ち着いて行くのでは無く。ここにも栄枯盛衰を感じさせる。
妻を三度も離縁して。最終的には永利に縋っている様にも見えなくも無い。
永利が憧れ、恋焦がれた紹惟は、どことなく寂れていく様にも思えて。
2人の恋の成就も。「これが最期の恋」と言い張る紹惟も。何だか嘯いている様で。
侘しさを感じてしまう。
言葉にして来なかったばかりに、自ら離れて行こうとする永利を、またその腕で抱きしめ、愛し合う事が出来て。この男は腰を「振りたくる」んですよ⁈ 振りたくるって。俺の俺はまだ元気だぞ!と、主張する様でいて。ここにも哀しさと侘しさと共に、滑稽さを感じてしまいました。
芸術家の恋人になんて、なるもんじゃねぇ!
永利には、この勝手な男から卒業して欲しかったです。徹底的な攻めザマァ展開でお願いしたかった。
毒リンゴに魅せられ、毒リンゴを食べさせられてしまった者たちの、哀しき物語の様にも思えました。
ところで。描き下ろしにて。永利が怯えた、新進の俳優は、昴也だった筈なのだが。描き下ろしでは昴一となっていて。誤植なのか、昴也の本名なのか、分からないけれども。
こういういい加減さはBL小説にはよくあると書かれていたのを読んだこともあるし。作者が気付かないという事は、彼には全くと言って良いほど興味が無いんだなぁ、と思うと残念に思いました。昴也は確かに永利には勝手に嫉妬されていただけだし。紹惟にも当て馬利用されていただけの、不憫っ子ですけども。これは流石に可哀想。
みずかねりょう先生の絵は本当に美しいけれど。私は紹惟はもっと男臭くていやらしい感じを想像してしまいました。だって。「振りたくる」んですよ‼︎ ってね。
評価は美しい絵に免じて。中立寄りの、「萌」とさせて頂きます。
小中大豆先生の作品は作家買いしてるんですが、こちらの作品は自分の中では久々に性癖に刺さる内容でした。
長い片想いをやはり長い年月を掛けて隠す事を覚えた受けの永利、そして天才で撮影の為ならどんな事でも平気でする美貌の攻めの紹惟。
新しい寵愛を受ける存在が現れてって、もうドキドキしながら夢中になって読みましたよ。
もう小中先生の心理描写の見事な事!永利の心が痛い時はこちらまでキリキリしたし、紹惟の本音の確信部分に触れ出すや否や今度はドキドキですよ。
でも最後まで読むとやっぱりねと先生の貼った伏線に気が付くわけです。
詳しい内容は知らずに読む事をお勧めします。
あー面白かった!
今回は俺様な天才写真家とモデル兼俳優のお話です。
攻様に見出された受様が攻様との新しい関係を築くまで。
受様はゼロ歳からモデルを始め、年齢ほどの芸歴があります。
幼い頃から母に言われるままに仕事をし、
中学に上がる直前に有名なアイドル事務所に入所、
高校生でアイドルとしてグループデビューするも目が出ず
メンバーが細々とソロ活動を続ける開店休業状態となります。
受様は子役からうまく抜けられず、初々しさもなく、
顔だけは綺麗と褒めらるも中性的な容姿は
モデルとしても浮きまくるという中途半端な状態でした。
そんな受様に転機が訪れたのは
天才写真家として名を馳せていた攻様との出会いでした。
攻様はアメリカの写真家に師事して20才そこそこで
現代美術館のキュレーターの目に留まり、
最初の写真集「ミューズ」が売れて以降、
常に第一線で活躍し続けている天才写真家です。
攻様が見出した被写体は必ず成功すると言われ、
攻様が4冊目の写真集のモデルとして探していたのは
刷新を狙った初の男性モデルを模索中でした。
しかも映像作品までまとめてのタイアップ企画で
攻様は受様の事務所に進められていた後輩アイドルではなく
首寸前だった受様を被写体にと指名してきたのです。
攻様は同じモデルを数年に亘って起用し続け
飽きるまで取り続ける事でも有名で
受様は攻様と身体を重ねる事で様々な事を学び
4代目ミューズとして開花します。
そして緩やかに、しかし堅実に経験の幅を広げ
すこしづづ攻様のミューズではなく、
受様自身の名前だけで売れるようになりますが
受様にとっては攻様に振り落とされないようにしがみつき
前へ前と進み続けている日々だったのです。
そして出会いから10年、
攻様は新しい写真集の被写体として受様の他に
舞台で活躍する若手俳優に注目するのです。
「2人のミューズ」と銘打たれた新プロジェクトは
写真集と写真展の他にタイアップで連続ドラマまで
企画されている大掛かりなものでした。
攻様は今回の世界観のモチーフを「白雪姫」とし
焦点を白雪姫を体現する若て俳優と
姫を殺そうとする魔女となる受様の対立とします。
受様は今までに演じた事のない悪役を演じる事、
努力で支えてきた自身にない才能を持つ
若く演技の才能もある若手俳優に脅威を覚えます。
受様は新たな役をモノにできるのか!?
そしてミューズを求め続ける攻様との恋の行方とは!?
天才写真家である攻様と彼のミューズとなった受様の
10年間の愛の物語になります♪
引退直前に攻様という天才写真家に見出された受様は
攻様の指し示されたレベルとステージを目指し
攻様の飽きられないようにと常に努力を重ねて
攻様のミューズであり続けようとします。
しかし、
本作は芸歴だけが長く目立たなかった受様が
攻様よって日の目を見るサクセスストーリー留まらず、
さらに先、より高みを目指して成長する事こそが
真の目的であり、
受様が問われ続け、攻様が信じて求め続けたのは
受様の変化だったのだと思います。
2人が過ごした10年と言う長い年月は
攻様の意識を変えていくのですが
受様にとって攻様は常に光り続ける天の星であり
受様が並んで歩く対等な関係ではありませんでした。
受様視点なので攻様の真意はなかなか語られませんが
常に追いかけられる者であり続けた攻様が
新たなミューズを求めたのは膠着した2人の関係を壊し
新たな1歩を踏み出す勇気を求めたのかなと思いました。
そしてそんな攻様の願いを
体現してくれた受様にはさらに精進して頂いて、
攻様を尻に敷くらいになって欲しいです。
11月に発刊された『小説Chara vol.43 2021年1月号』に
2人のクリスマスデートを描いた短編が収録されています。
気になる方はぜひ書店店頭でチェックしてみて下さい。
小中先生の現代ものが読めて嬉しい。
もう、すごく面白かった。
文章も読みやすいので、あっという間に一気読み。
今作は、主となる登場人物達がモデル兼俳優・写真家…と、どちらかというと華やかな職業設定なのですけれど、お話全体のトーンはあくまでもシリアスベース。
小中先生といえば心理描写が丁寧な作家様という印象があるのですが、今回も主人公・永利の10年に渡る心情が本当に人間臭くて、人の心の描き方が本当にお上手だなと。
心が綺麗な人って素敵ですよね。負の感情が少なくて読んでいてストレスがない。
でも、私はぐちゃぐちゃとした感情を抱えている人の方がもっともっと魅力的に見える。
「周囲の人々がただの石だと思っていたものを、1番美しく見えるように自らの手でカットして世に出したい」という紹惟の言葉がありましたが、紹惟によって美しくカットを施された永利という人は、決してどの面もキラキラと透明感のある同じ色で輝いているのではなくて…
喜びだったり、不安だったり、時には依存や焦燥だったり、名前が付けられない感情がそのまま色となって永利を輝かせている。
読みながらそんな印象を強く受けて、彼が見せる、角度によって異なる感情という名の複雑な色の数々にどうしようもなく惹きつけられてやみませんでした。
ドッと感情が押し寄せて来て、切なくて苦しくて美しい。
個人的に、埋もれていた才能や存在が花開くサクセスストーリーが大好きなんです。
こちらの作品も、鳴かず飛ばずなままの元子役でアイドルの永利が、天才写真家と呼ばれる紹惟と出逢って成功していく様が描かれています。
サクセスストーリーやシンデレラストーリーって、不遇だった主人公がみるみるうちに花開いて、世間に認められて幸せになって終わる…なんて、綺麗なお話が多いと思うんです。
もちろんこの王道さも好きです。ストンと綺麗に終わりますし、何より読後感が心地良くて爽快じゃないですか。
けれど、今作はその向こう側まで描かれているのがすごく良かったな。
成功の向こう側。天才に見初められ、その手を取って信じ、美しく成功したその先は単調となるのか?はたまたどん底へと堕ちるのか、それとも?
紹惟との複雑な関係を交えながら、永利がどう変化していくのかをじっくりと、彼と同じ目線で追っていくような読み応えがありました。
それから、みずかねりょう先生のイラストもすごく素敵で…!
カバーイラストの繊細でダークな雰囲気も素敵ですし、カラー口絵の衣装がお話から想像していた以上に迫力と説得力のあるもので、思わずため息が出ちゃう。
この映像作品、見たくて仕方がないです。
と、お話はかなり面白かったのですが…
永利は好ましかったものの、紹惟側にいまいちハマり切れなかったことと、前事務所とマネージャーのお仕事の出来なさにウーン?となってしまい、今回はこちらの評価で。
恋愛面の萌え成分が少なく感じられたので、そちらももうちょっと読みたかったかな。
繊細な心理描写にどっぷりと浸れる良作品でした。
作者のまるっと現代もの、昨今では貴重なのですごく楽しみにしていました。
今作は、カメラマン×元アイドルだったモデル。気鋭の天才カメラマンが、造形は整っているが凡庸なタレントのポテンシャルを見出して開花させていくという、いわばマイフェアレディ型のラブストーリーでした。
カメラマンと被写体の関係って、とってもヤラシイ関係なのでBL的に好物の設定です笑
攻めに恋する受け視点で進むので、あらかじめ受け側の気持ちは読み手に暴露されています。なのに攻めは受けに対して愛情があるのかないのか焦らしながらチラ見せしてくるところに、キュンッキュン。
個人的に萌えポイントをしっかりと鷲掴みされている作者の筆致には、毎回ふるふるさせられます。すれ違い、両片思いの名手ですよねぇ…。
永利は紹惟の興味がいつか自分から他の「ミューズ」に移る日を恐れながら、ただ一人の男の関心を引くために、必死に芸能活動を続けてきました。
子供の頃からステージママに全てを管理され、自分の意志を押し込めてきた永利にとって、紹惟との出会いは生き方そのものを変えるきっかけとなります。
紹惟は永利が他の人間と比較されることで嫉妬心を燃やし発奮するタイプだと早い段階で気づきます。酷評や煽りでは効果がないと踏んで、それまでのツンな接し方を180度変えるところからキュンキュンが始まるのですが…
今回はドッカーンとくるような爆発的な萌えは控えめでした。スタートが大人の二人なので、ひたひたと制御不能な恋情に蝕まれていくような、ほろ苦い切なさに浸りたかったなぁ…。先が気になるように読者を仕向けて、さら〜っと流れるように読ませてくれるところはもはやベテランの域ですが、あまりにこなれすぎていて巧みだと、萌えを貪るのが憚れちゃいますね笑
もしかして作家様はあまり現代ものはお好きじゃないのでしょうか…。そうだとしたらめちゃくちゃ悲しいんですけど(涙)
ボヤキはさておき。十年愛の果てがどうなるのか、結末までドキドキしながら読んで欲しいです!
小中先生のお話にみずかねりょう先生のイラストがつく、となったら、買わずにはいられません。
受け様は、0才からモデルとして芸能界で生きてきた永利。
売れなくなり事務所をクビ寸前の時に、攻め様である天才写真家紹惟に見出だされ、一躍時の人に。
紹惟のモデルは、代々『ミューズ』と呼ばれ、紹惟のモデルをやめた後ものしあがって売れっ子になっているのだから。
自分が納得する作品の為なら何でもする。
身体の関係だって厭わない、というスタンスの紹惟。
自信がなく萎縮していた永利を、紹惟はとことん甘えさせ構いたおして花開かせていく。
そんな紹惟に導かれ、永利は殻を破って本来の美しさや魅力を引き出しされていくけれど、同時に紹惟に依存していく自分の気持ちにをとめられない。
重いと思われないよう、好きだという気持ちを閉じ込めて、共に過ごしてきた10年。
いつ紹惟が次のミューズを見出だすか、自分がお払い箱になるのを怯え続けた10年でもあって。
苦しい歳月だよなぁ。
紹惟と出会った時22才だった永利も32才。
年齢と共に魅力が増すものももちろんあるけれど、若さや分かりやすい美しさってものは、確実に衰えていくわけで。
そんな中、とうとう紹惟が次のミューズを抜擢。
今回は永利と『2人のミューズ』
抜擢された昴也は、ハツラツとしていて、根性もあり魅力的。
もうなぁ、永利視点で進むから、この辺りから私としても苦しくて。
多分考えあっての事なんだろうな、と思っちゃいるけど、ぐわぁぁぁι(`ロ´)ノってなる!!
なので、永利が自分で更に殻を破って、周囲が息を飲むような演技を見せてくれたときは喝采ですよ!!♪ヽ(´▽`)/
紹惟のカメラ越しに、その新しい魅力を見せつけた時はめっちゃ気分よかったです。
紹惟の目を気にして囚われていた永利が、それを解き放った美しい姿を切り取る事ができるのも、また紹惟なんだすよね。
紹惟から家に誘われた時に、バッサリだった永利に気分爽快。
もっとさよなら感出してやればよかったのに。
これからは腕の中ではなく、隣にいたい、という永利の言葉がかっこよかった。
これからは、隣から羽ばたいていく永利に、ハラハラするがいいさ、紹惟。
みずかねりょう先生イラストは、やはり最高でした。
口絵の2人とか、意匠を凝らした衣装がとても目を引きました。
永利の髪にドライヤーをかける紹惟のイラスト、ほんわりしてて好きだなぁ(*´∇`*)
小中さんの作品はBLを読んだ!という満足感を得られます。途中はちょっとドロドロするけど最後はハッピーエンド。主人公の受けは元売れないアイドルだったけど有名写真家の攻めのミューズとして見出されモデル・俳優として売れるようになります。華やかな芸能界の話なのでみずかねりょうさんのきらびやかで美しい挿絵がピッタリでした。表紙のアンティークっぽい鏡とかイバラのデザインも素敵で力入ってる感じです。
俳優さんって美しくてブレイクしてもすぐ新たな若手が控えているからシビアなお仕事です。今年は特に美しい俳優・女優さんが若くして命を絶った悲しいニュースも多かったので華やかに見えても大変な世界だろうな、と色々考えてしまいました。
攻めは写真家だけでなく映像プロデュースみたいなことにも手を出し、受けを愛しながらもその力を信じ、極限まで追い詰めて伸ばす…ちょっとやり方がイケズすぎた。出来る男だけど性格に難ありのドS攻め×一途で健気な純情受けという小中さんお得意パターンのカップルです。
最後に2人は恋愛倦怠期みたいなのを乗り越え、真のパートナーになるのですが、攻めのプロポーズ的な言葉もなあ…「ここ1年はお前としか寝てない。これからはお前だけだからお前も俺だけにしてくれ。」みたいなセリフがさあ、10年付き合ってパートナーとして覚悟決めるまでに9年かかったんかい!とツッコミたくなりますね。
まあいいの。受けはあんな男でも良くて幸せそうだったから。受けはとても攻めに愛されてる様子が伝わってくるのに自己評価が低い人で可哀想でした。一緒に料理してた所とか仲良し夫婦そのもので素敵なシーンだったのに。攻めはもう少し早く受けに好きと言ってあげてほしかった。今までつれなくした分これからは溺愛してほしいです。
小中先生&みずかね先生ホイホイで購入。受けの「強くなる、目覚める様」が小気味よかったので萌2にしました。本編280P超+あとがき。天才写真家×モデル・俳優の長いお話。ある種の才能に目覚めるお話がお好きな方でしたらおススメしたいです。
子役から始まり芸能界歴は長い永利(えいり)。22才でじり貧だった頃に、天才写真家紹惟(しょうい)に見いだされ、4代目ミューズとして売り出した写真集がバカ売れし、その後も継続して写真集を出し、俳優業もするようになって10年。紹惟が新しいミューズを連れてきて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
昴也(こうや、新しいミューズ)、誠一(受けの友人・人気タレント)、小田(初老のベテラン俳優)、桶谷(受けのマネージャー)、攻めのスタッフ、受けの旧マネージャー、攻めの元嫁等少々。誠一と小田さんが良い!!!!
++好きだったところ
受けが最後の方で、覚醒するところ!そこがすんごく好き。「でも今からは自分のために仕事をする」。いや当たり前じゃん、何言ってんのという話もあるんですけど、親と縁を切り、あまりよくないマネージャーのところから連れ出して別世界に連れて行ってくれた紹惟のことを、自分の全てのように思うのは、しょうがないよなと思うのです。そっからけじめ付けようと足掻いて、俳優の仕事が好きだ、もっとやりたい、出来る!と思えるようになるところ、読んでいて救われるような気持ちになるんですよね。
攻めの方はどちらかというと「このくそったれ絶倫男」という印象しかないのですが、最後ちゃんと受けに思いを告げてるし、受けがいいって思ってるみたいなんで、「しょがない、許す」という気持ちです。ほんとくそったれ!だし、もっと攻めざまあに遭いやがれと言う気持ちもあるんですけどね!
こういう受けが目覚める系のお話、好きなんです。その目覚めたという時の「凄惨で妖艶」という表情観てみたいなああ。スタジオ潜入したいと思うお話でした!そう、みずかね先生の「しゅっとした綺麗な顔」の挿絵がぴったりなキャラだったと思います!
それから今月発売の小説Charaに後日談載ってるので、良かったらそっちも是非~。力抜けて、ふふって笑えるお話だと思います!
タイトルからしてファンタジーなのかな?と思ったら、めちゃめちゃ現実的なお話でした。
人気写真家・紹惟にモデルとして抜擢された、崖っぷちアイドル・永利。
紹惟と同居して撮影を重ねるうち、永利は紹惟に恋心を抱くようになります。
必要ならば仕事相手とも平気で寝る紹惟。
自分もその中の一人だと自覚しながら、せめて身体だけでも──と、気持ちを隠して求める永利。
そして、別れを恐れながら紹惟のモデルを10年も続けてきた永利の前に、遂に次の被写体が現れてーー…
もうね、永利が不器用で焦れました。
紹惟のことが大好きで、他の誰にも抱かれたことがない。
紹惟に捨てられたら一生誰ともしないとさえ思っている。
それほどの気持ちがありながら、遊んでる振りをしてたりして。
紹惟だって、好きでもない男と10年も関係を続けないでしょ……と、何度思ったことか。
変化を恐れて前に進めずにいた二人ですが、新たなモデルが現れた事で関係を変化させていきます。
ずっと囲い込んで甘やかしてきた永利を、急に突き放す紹惟。
紹惟に捨てられたと思った永利は、今までどれだけ紹惟に依存してきたのかを思い知らされます。
知名度が上がるに比例して冷めていく仕事への情熱。
小さい頃は母親のために、今は紹惟のために……そして、心の支えを失った永利は……
皮肉にも、紹惟と別れたことで永利の仕事に対する姿勢が好転していきます。
後半の「二人のミューズ」の撮影は、永利の成長が素晴らしい。
誰かのためにだけに続けてきた仕事を、やっと自分の意思で続けたいと思えるようになるまでの過程がとても丁寧に描かれていて、永利を応援せずにはいられなかった。
紹惟が永利を好きなのは読んでいると分かるのですが、永利視点で進んでいくストーリーのため、紹惟の心理描写を薄く感じていました。
だけど、最後の最後に明かされる紹惟の強い想い──これにグッときた!
不器用なんだよねー、ホント。
毒りんごを食べたのは紹惟だったのかなあ。
永利は強い魔女になったと思う。
この作品は『白雪姫』の話じゃなくて、魔女の話なんですよね。
永利の友人・誠一もいい男だったし、脇役たちも素敵なので注目して下さい!
永利とのやり取りには、ほっこりさせられました^^
タイトルとは違ってリアルな大人の恋でした。
御伽噺のようにずっと綺麗でいられるわけじゃないんだよなあ。
年相応に変化していく見た目や関係がとても良かったです。
いくつになっても変化を恐れていたら何も始まらないんだな……なんて、ちょっと考えさせられました。
作家買い。
小中作品は何となくファンタジーものが多い気がしていますが、今作品は現代もので舞台が日本。ちょっと珍しいなあ、と思いつつ手に取りました。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は芸能人の永利。
元子役、元アイドル、モデル、役者…、と彼を形容する言葉は多々あれど、32歳の彼は人気芸能人であることは間違いない。
が、彼はもともと知名度の高い芸能人ではなかった。少なくとも、今から10年前までは。
10年前、彼は人気写真家である紹惟のモデルとして抜擢され、以来、彼はトップスターにのぼりつめた。紹惟のモデルは代々「ミューズ」と呼ばれ、一気にスターダムを上り詰めていく。永利もしかり。だがしかし、ミューズをずっと続けられるわけではない。
いつ紹惟に捨てられるのか。
そんな思いを抱える永利だったが、ついに新しいミューズ候補が現われ―。
というお話。
小中さんはほのぼのだったり、コミカルだったり、そういったお話も書かれますが、今作品はどちらかというとシリアスベースなお話です。甘々とか、ほっこり、といった感じのお話ではありません。
小中さんて、すごく文章が読みやすいんですよね。読んでいて、情景がまざまざと目に浮かぶ感じ。その文章力で、永利という男性の中身が訥々と描かれていく。
彼の過去、その過去から作り上げられた永利の中身。
そして永利が愛してやまない、紹惟という男性像と、紹惟への想い。
永利視点で進むからでしょうか、自分が永利になったかのような錯覚を覚えます。なので、読んでいてすごくしんどい。自身に対する劣等感、紹惟に届くことの無い自分の想い。そんなものが一気に読者に押し寄せてくる。
紹惟だけを愛している自分と、そんな自分の想いと相反するように、紹惟の、自身への想いのアンバランスさに、ギューッと胸が痛くなるのです。
愛情、というか恋愛感情が軸、というよりは、どちらかというと人生観を描いた作品かなーと思いました。二人の想いが通じるのか、といった内容ではなく、永利の、人生の指針を描いた感じ。
最後の結末は、うん、まあ想定通り、というか。
もう一捻り欲しかったな、というのが正直な感想なのですが、でも納得のできる形です。
健気な永利視点で進むので、永利に感情移入しがちですが、さすが小中さん。永利の目を通して見えてくる紹惟という男性が、とにかく可愛いです。
大人ぶりたくて、余裕ぶりたくて。永利に無様な姿を見せたくないという、男の矜持を感じます。そこに、彼の想いが滲み出ていてなんとも萌える。
何より、永利のために。そこに尽きる彼の深い愛情と思慮深さにギュギュ―ンときました。
右往左往しつつ、時に無様な姿をさらしつつ、けれど自分の目標とか、仕事とか。そして愛情とか。
そういったものをつかみ取っていった男たちに心からのエールを送りたい。
特筆すべきはみずかねさんの挿絵。素晴らしかった…。
とにかく美しい。
で。
特に素晴らしいと思ったのはタイトル。
童話「白雪姫」が作中多く登場しますが、これがなんとも秀逸です。
人の顔色を伺うばかり、の殻を破って、見た目の美しさだけにこだわらず、「自分」を模索することの難しさと大切さと。それが「白雪姫」や、このタイトルに集約されている感じ。
恋愛というだけに非ず、壮大なお話でした。