「全部あげるから生きて帰って」恋も知らない戦神に注ぐ愛。

イキガミとドナー 下

ikigami to donor

イキガミとドナー 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神236
  • 萌×267
  • 萌23
  • 中立6
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
27
得点
1523
評価数
336
平均
4.6 / 5
神率
70.2%
著者
山中ヒコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
電子発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784396785109

あらすじ

イキガミであるがゆえに孤独に生きてきた鬼道は、恋を知らぬままドナー・吉野に懐き、溺れるようにその体を抱いた。
やがて吉野への気持ちは恋だと知り、よりいっそう、彼との愛は深まっていく。
しかし、その一方で、生死をかけたパートナーシップを結んでいる自分たちの運命の厳しさが、鬼道の心に重くのしかかりーー。
「鬼道は俺が『好き』なんだよ」

表題作イキガミとドナー 下

鬼道慧,20歳,イキガミ
吉野優希,鬼道のドナー,中学校教師

その他の収録作品

  • bonus track(描き下ろし)
  • after words

レビュー投稿数27

No Title

すごい話だった!壮大な映画みたい。「ヒーロー」がどれだけの犠牲を払って闘っているのか…小さい頃から訓練されてイキガミとして生きる鬼道の孤独なこと…吉野に出会って変化する鬼道の心情に心が震えました。下巻は特に涙なしには読めなかったわ

0

愛する人と、ただ「明日」を迎えられたら。

(上巻のレビューからの続き)

下巻冒頭から吉野に懐きまくって可愛い鬼道だけど……自分のその感情の正体さえも知らない。自分が誰かを好きだとか、誰かが自分を好きだとか、想像もつかない。生まれて初めて、まっさらな心で恋をした少年そのものな顔がほんとに可愛いです。
可愛くて、可哀想で、可愛い鬼道。目つきが悪くて下睫毛が長いデフォルメ顔も好きです。鬼道の言葉を「オレ バナナ スキ」に変換しちゃう吉野も的確すぎて笑いました。
吉野は鬼道をよく理解してるし、職業柄こどもの扱いにも慣れてるから、鬼道が未来を描けないことも当然想定内だったと思う。それでも敢えて、能天気すぎるぐらいの幸福な未来を自分は描いてみせる。鬼道の前でどこまでも「普通」の人間で居続ける吉野。「普通」もここまできたら偉大です。

吉野の愛に包まれて、イキガミを辞められる?という希望も見えてきて……でもそこでハッピーエンドにさせてはくれないんですね。さらに抉ってきます。容赦ない。
極限状況で二択を迫られて、鬼道といたい、他のものはどうだっていい、と願った吉野。ドナーとしても、教師としても、いつも人に尽くしてきた吉野が、ここに来て自分のエゴをとった。
孤独に傲慢に生きてきた鬼道は、吉野に出逢って人間らしくなってきて、愛を知った。そしてここに来て、他人の心もわかるようになってしまった。仲間たちにも愛し愛される人がいて、お互いを失いたくないのだと。
何というジレンマ。でも鬼道はそれを「灯がともった」というのね……。尊さにただ泣くしかないです。

どちらが正しいか、なんて答えはないし。
世の中の不条理も簡単には解決しないし。
ただ、柴田の投じた一石が変化をもたらして、鬼道と吉野は一緒に「明日」を迎えられるという小さな幸せを得るラスト。1年後、数年後はわからなくても、ただ1日1日を積み重ねていく。
もう、BLもファンタジーも超越した、壮大にして根源的な愛の話でした。何度読んでも全編泣きます。

でも、BLとしてもちゃんと好きな作品です。
可愛い可愛い鬼道が、恋をして成長して幸せになっていくのを見守れて、ほんとうに良かった。

0

光差すSFロマンティックストーリー

闘う意味、守るべきもの、ひいては自分の中に芽生え生まれているハズの感情にすら執着も意味も見出せずにいたイキガミの鬼道
鬼道が唯一執着をみせるのはドナーの吉野という存在のみ

鬼道は「自分がイキガミで吉野がドナーだから」一緒に居る、居れると思っている
吉野はちゃんと「好きで愛情を持っているから」一緒に居る
2人のズレが生じてしまうに至った鬼道の過去と今の世の中のイキガミ自体の存在意義への考えが切なく悔しく、苦しい

変えられぬ過去、思い描けない未来、、、

そんな先の見えない重い空気の中に突如差し込む柴田という光の存在
皮肉なことに目を失い光を失った柴田が彼らや「イキガミとドナー」の光となるのです
皮肉だけれど不条理ではない

柴田の行動を「自分達の為に…」と思う吉野と鬼道だけれど柴田にとっては自分の過去への贖罪と無力だった横暴な世界への復讐だと言う
何と情の深い人なんでしょう
静かに柴田の想いに胸が震えれしまって仕方ない。゚(゚´Д`゚)゚。

誰かが誰かを想う先に生まれる未来は希望の光を信じられる
自分の事しか考えられない、自分も含めて誰の事も思えない先に在る明日には色を感じない
鬼道の世界に差した吉野という光
鬼道と吉野、イキガミとドナーの世界に光を届けた柴田の想い
満点の星の光の元「明日を想う」2人が眩しくSFらしいロマンティックさにムネアツなクライマックスでした

読むまでもっと切なくて胸が苦しくなって読み返すのも辛い、、、ってなる感じかと実は思っていましたが(←勝手な先入観です…何でそんな風に思ったのか???謎過ぎる…自分。。。)読後はとても穏やかで胸がじんわ~りするお話しでした
ほんと、読まず嫌いしないで良かったです

鬼道が吉野以外の為にも自分を活かしている姿は立派な番犬感満載でとっても微笑ましくなりました(ღ˘͈︶˘͈ღ)
あの小さきリーダーは鬼に金棒ですね♪


自分事なのですが順調に自身のファンタジー慣れをひしひしと感じていて嬉しい…!
さて、、、次は気になったきっかけの続編シリーズを読んでみたいと思います♪
楽しみです‼

0

平和がなによりとひしひし思う

手元に「イキガミとドナー 二人のイキガミ」上下はあるのですがまだ未読です。
早く読みたい。
でもオリジナルのこちらについて言っておきたいことがあって書いています。
この評価はずいぶん前につけたものです。
神評価でも良かったのに。
二人のイキガミを読み終えた後こちらを再読して評価するのなら間違いなく、神評価にしてるはずですね。
確信している。

イキガミとドナーは間違いなく文系が描いたSFなんですよね。
山中ヒコ先生が文系だと決めつけているわけでは決してないです。
が、絵柄もそうですしこんなお話、文系脳にしか描けません、とまるっきり文系の私が申しております。
カズオ・イシグロ氏の「わたしを離さないで」を読んだ時もそう思いました。
科学をわからない私でさえもこりゃないだろ、ツッコミどころ満載なんだけどー
と言いながら読んでいたものです。

でもでも、イシグロ氏のSF小説(いや彼のはSFなんかじゃないよという論評は置いといて)も、山中ヒコ先生のSFコミックスも私の心を打ちました。
胸のあたりが痛くなります。

こちらは鬼道と吉野のハッピーエンドで気持ちも穏やかになりますが、「二人のイキガミ」上は違うであろう事があらすじでも分かってしまいなかなか読めないのが現状です。

話が逸れましたが言いたかったのは文系理系とかどうでもよくて、イキガミドナーは名作です、なんです!

0

孤独を戦神✕健気な教師

鬼道と吉野のお話の下巻です。

吉野からの愛情のおかげで鬼道が段々と変わっていることが尊いなと感じます。
しかし、鬼道が未来を想像できないところが切なく、吉野の描いている未来が訪れることはないと鬼道が諦めているのが寂しかったです。

死んだと思っていた吉野が生きていて、イキガミの人権が得られてのハッピーエンドは唐突で説明不足な感じが否めません。

イキガミはナイフでも傷つけられないはずだけど、イキガミが持っているナイフなら傷つけられるんだ?というのは疑問に思いました。
また、戦闘シーンの動きが分かりにくく今は何してるところなの?となってしまい、あまりハマれませんでした。

世界観は好きなので、滝と柴田の続編もそのうち読めたらいいなと思います。

0

いや〜愛愛!

初っ端からやっててビビりました笑 少なめ表記でしたが、エロシーンは少なくても、エロシーンの密度みたいなのがあった笑
ストーリー、やはりイキガミを辞めることがハピエンへの道だな〜と思いつつも、ずっとそれだけやってきたから、簡単には辞める決意ができない鬼道。

最後にするつもりだった任務で吉野が危ない目に遭うんですが、そこで無理しちゃうんだよね〜。
まあ最終的には2人とも五体満足でイキガミも辞められて良かったです。

イキガミを辞めるとドナーのハチミツみたいな美味しさとかなくならないのかな?とは思いつつもいい匂いするって最後まで言ってるので多分それは大丈夫そう。

なんだか壮大な話だな〜と思いつつ、サブの滝柴田カプが割とすきでした笑

0

きみと歩む未来

よかった…!!!!!!!!

こんなにハッピーな終わり方になるとは!思わなかった!あったとしても、キドウとヨシノは引退して田舎で幸せに暮らしてるけど、代わりにだれかが、、パターンか、最悪死別だと思っていたから、こんな、まさか柴田さんまでこんなハッピーな展開になろうとは…!!!!

キドウがイキガミとして最期の戦闘に向かうシーンは「あ、これしぬ…」感がヤバくて、、正直このまま読み進めるべきか悩みました、が!良かった〜!

キドウの家族のこととか、煮え切らないところも一部ありますが、まあ、二人が幸せならいいかなあ。平和、軍縮…こんな時だからこそ余計に響きます。

ただBLである必要性については?です。NLとか友情モノにして、もっとたくさんの人に読んでもらっても良かったのでは?と思います。

0

明日を思い描くこと

出会った当初のふたりの関係が無機質で事務的だったというのが嘘のように距離が近付き、お互いを想い合う様子がとても微笑ましくて。
心を開くことはとても大事なことで、そしてその胸のうちを受け止めてくれる相手が居ることはとても尊いものなのだな、としみじみ思いました。

でも"好きだから一緒に居る"ということが出来ないのが切ないところ。
イキガミとドナーという関係がふたりを繋いだけれど
ふたりを遠ざけるものにもなってしまうのが本当に苦しかった。

イキガミをやめる話が出た後、かなりハラハラする展開になり
悲しい結末にならないよう祈りながら読み進めましたが
心配が晴れていくようなラストで安心しました。

未来を描くことができる場所に立つのは当たり前ではないのですね。
そんな"普通で当たり前の日常"がふたりに訪れたこと、そして彼らの幸せそうな笑顔を見ることが出来て本当に良かったです。

苦しくて胸がギュッとする場面はたくさんありましたが、それ以上の感動があったなと感じました。
素敵な作品に出会えて良かったです。

1

最高なんだけど、あと少し

イキガミのドナーとなった事に戸惑いながら、鬼道の寂しさを汲み取って、大きな愛で受け止める吉野。
上巻では、悩みながら歩み寄る感じだったけど、下巻では、包み込む様な愛。吉野が学校の先生ってのもあって、情緒の育ってない鬼道を優しく受け止めてくれるんだわ。
いろんな言葉、行動で自分は理解者だし好きだよって伝えていく。

公共の場、食堂で他人からの吉野への視線を感じる!ってガルルル(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ってなったり(異常にくっついてるから見られてるだけ)、いい匂い〜って、クンクンしてべったりくっついてて、ただのイキガミとドナーの関係だからって理由の訳ないでしょうに!
『それは、好きだからだよ』って吉野に言われて、ハッってなるのカワイイかよ。

イキガミ辞めて2人で暮らす選択肢を与えられて
葛藤する鬼道と、出来ればそうしたいけど鬼道の意思に任せようとする吉野。
どこまでも、先生的保護者的だぁー。
鬼道のドナーが吉野でよかったよ。

この先の話は詳しく書きませんが、危険が無くなった訳ではないけど穏やかに日常を暮らせる様になってよかった。
空から吉野の元に帰ってくる鬼道がカッコいい!
あのシーン好き。

ボーナストラックとして掲載されていた滝と柴田さんのお話ももっと読みたい。




ここまでは、よかった感想
残念に思った点は、エロが圧倒的に不足している点です。
下巻は、初っ端から濡れ場でしたが、変化に乏しく躍動感がない。エロシーンになった途端絵が稚拙な感じします。2人が重なってるところのデッサンがおかしい感じがします。
[イキガミとドナーの2人はお互いの唾液等が美味しい、いい匂い同士なので抗えない]と巻末に書かれています。
そんなBL的に美味しい設定があるのに、エロがサラッと流れていくのが勿体無くて仕方が無い。
性器描写が苦手で描きたくないなら、違う手法でエロさを醸し出してほしい。
お話が面白いのでエロいシーンはよりエロく描いてくれたら神作品間違いなしです。

3

描きたいことは何だったのか

キスをねだったり、食堂で吉野の隣に座る鬼道がかわいい。
独占欲丸出しだし。
でもやっぱりちゅうしているコマはないのであった。涙
(どのコマも口が離れている)

鬼道は俺が好きなんだよ、俺も大好きだよ、と吉野が言ってあげられたのはいいとして、鬼道に「未来の自分への手紙」を書かせるのはある意味残酷だなと思った。
鬼道が自分の生き方をイキガミとして以外考えたことないだろうからいいきっかけになるだろうということなんだろうけど。
現実的に考えると鬼道は苦しむよなと。

吉野はこれ以上ない鬼道とのしあわせな未来を描いて鬼道はうれしくてうれしくて…とよかったけれど。
そう、その未来は叶わない
俺がイキガミだから
となるよね。

イキガミは感染症患者。
特定遺伝子型を持つ。
ふむ。遺伝子が特殊なら重力コントロールできて空も飛べるてことなんですね。
その原理とか動力がピンとこないけどw
(いっそ超能力者だったらまるっと納得なんですけど、それだと別の話になっちゃいますしね)

で、感染症だから治療法があると。
そこで吉野がきれいごと抜きに本音でイキガミをやめてほしい、と言うのはよかった。
鬼道は自分がイキガミでなくなったら吉野はもう一緒にいてくれないのではないかと不安に思うのはわかる。
でも、吉野の言葉を信じてこの任務を終えたらイキガミをやめると言って出動して行ったけど。
こういう展開は波乱になるのは目に見えているわけでw

ずっと書けなかった鬼道の未来の自分への手紙はじーんとした。

鬼道は吉野に愛されることによって思いやりができて変わったんよね。

だけど、吉野があんなに大ゲガしたのに助かってよかった。
鬼道もイキガミをやめられたけど国連のイキガミ部隊のメンバーになったと…そんなおいしいとこどりありですか!?と少々ビックリw
や、うれしいけど。

仕事帰りのスーツ姿の鬼道が飛んできて…ただいま、と吉野の前に降り立つ姿はかっこよすぎです!(萌え〜)

ま、2人の甘い生活が描かれているのでこちらとしては願ったり叶ったりですけれどw

流星群を見に吉野を抱いて空を飛んだ鬼道はイキガミの能力を残していたからできたことですよね。
サービスシーンのように感じました。

そしてラストの吉野の言葉
なあ気づいてるか?
「鬼道 明日は何をしよう?」
あの時 お前が描けなかった未来を
「…一緒に何をしよう」
今2人で生きているって

がいいですね。
イキガミでも宿命に囚われることなくしあわせな暮らしを実現できて本当によかった。

ボーナストラックの柴田と滝はスピンオフ作に続くんですね。
特に柴田はいろいろとドラマがありそうだし、滝に対して満更でもないようなので楽しみです。
柴田はイキガミをモンスターではなくなるようにしてくれた功労者ですしね。

あとがきに
「鬼道と吉野は互いに唾液が美味しい!いい匂い同士なのであまり抵抗ができません」
とイラストまで描いて下さっているのに!
その肝心のちゅうのシーンを1回くらい見せてくれたっていいじゃないですかああぁぁ〜〜!!(わなわな号泣)
とずっと悲しく思っていたことが再熱しましたw

しかし、鬼道がずっと美形で色っぽい。
幼さやかわいらしさも男くささもあり最高ですね。

長くなりましたが、再読して、先生はこの作品で何を描きたかったんだろうと考えますと。
イキガミとドナーという残酷で宿命とも言える存在と関係性だけれど、国とか正義とかそういうことより、自分にとって「守りたいもの」は何か、その守りたいものとの未来をどうつくっていくのか、てことかなと。
ま、戦争や平和、核的なことも表現されたいのかもですが。
その中にあって、個人として何を守りたいのか、どう生きていくのか、を表現されたいのかなと思いました。

3

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

漫画(コミック)

人気シリーズ

  • 買う