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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
栄さんにあんな事があったとは・・・すごい話だったな。天才肌で感情剥き出しで当たり散らす印象だった栄さん、走り続けたのは設楽さんに応えようとしていたんだなあと思いつつ不器用すぎるハリネズミのようだな。ストの時の神がかった指示痺れた!しここで錦戸さん出すとか胸熱すぎて!そしてあの国江田さんの立ち回りっぷり。番外編読んで計に痺れるの何度目かしら。設楽さんが睦人に一生許さないって言ったのお腹にズシンときた。栄のためにあれずっと撮ってたんだよな・
イエスノーシリーズの3カプ目。プロディーサーの設楽と栄のおはなし。
どうして今はこんな関係なのか、過去の奥様の事件、すべてが胸を締め付けられてしんどかったです。前作までがたつきとなっちゃんのほわほわカップルだったせいでこんなにも落差があるのか、一穂ミチ先生おそるべしとなりました。
一穂ミチ先生のnoteに奥様目線の熱海のサンビーチでのはなしがあるので是非読んで欲しいです。何度も読んでいますが読む度に泣いています。
番外篇1、2で名和田深くんがテレビ業界に飛び込むほど憧れ、子分として必死に食らいついていた相馬栄が主役でビックリでした。なぜってパワハラ発言当たり前の独裁者のイメージだったから。何となく「悪人」みたいなイメージでした。
そんな栄の新人時代から、ゴーゴーダッシュが終了するまで、そしてそれからのお話…。とても興味深く読みました。
本編でも一穂ミチ先生は「悪人」を作らないなと思っていたのですが(潮父がその例で)、やはり今回もそうでしたね。
栄が何故他人を信用して人に仕事を振らないのか、もちろん性格によるものが大きいのですが、新人時代に仲の良かった奥睦人の存在がとても大きいように思います。信用していた人間に本人は思いやりのつもりだったかもしれないけど、裏切られる。そのつらさを知っているから他人を信じない、そして呪いのようにテレビの仕事を辞めるなと設楽さんに言われたことがきっと本人に自覚は無いけど仕事をする原動力になっていたと思うんです。
ゴーゴーダッシュで体を壊すまで走り続けた栄にはそれだけの過去があり、ワンマンで仕事をしていたことにもちゃんと理由があって、でもそれをちゃんと距離はあっても見守り続けてくれていた存在があったことに正直とてもホットしています。
そして設楽さんという人はほんとにすごい人ですね。相手の言葉や態度だけではなく、仕事ぶりをきちんと正当に公平に評価してくれる、そんな上司が日本中にいたらと思いますが…。栄のことを後輩として可愛がるだけではなく、嫉妬も抱えて見守っていたなんて…。実際にこんな腹の見えない人がいたら怖いと思うんでしょうが(笑)、口の悪い、そして素直になれない栄にはピッタリの御相手です。
この本で設楽さんが栄に言ったセリフで凄くいいなと思ったのがあって、「お前の悪いところなら俺は50個くらいすぐ言えるけど~」のところですが、こんな告白されたらそりゃ白旗あげるに決まってます!(?)いい所も悪いところも含めてちゃんと好きだってすごい告白だなと思ったんですよね。恋愛っていい面だけを見せれる訳では無いから。そんな告白をBL小説で拝めてとても幸せな、満たされた気持ちになりました。
設楽×相馬は、全く頭にもよぎらなかったのでかなり驚いた番外編。
しかし一穂先生の魔法の筆の力を以ってすれば、こんなにも素晴らしい仕上がりになるのですね。設楽×相馬……アリです。
名和田と竜起カプの番外編で登場していた相馬に特段思い入れもなかったけど、こうして物語の主人公として彼の視点でストーリーを追うと、こんな展開があるのか…こうくるのか…と相馬に興味が膨らんでいきました。
やっぱりただのBL小説じゃなかった。
奥深いヒューマンドラマを観た気持ちです。
同僚と上司の不思議な3人の関係や、心のトラウマ、相馬の仕事への向き合い方など、私の言葉では言及し尽くせないたくさんの大きなドラマや小さなドラマがありました。
番外編3は一穂先生の作品ではあるけど、プロデューサー相馬によって作り出されたもので、私は彼の才能によって創出された世界にいるんじゃないかと思いました。後半の相馬の報道番組の仕切り…えげつなかった。あまりにも凄すぎてそう錯覚してしまいました。それを可能にしたのは圧巻の筆致と繊細で隙のない描写、そしてその画を動き回る魅力的なキャラクターたち。
相馬というキャラクターを描くのって難しいと思うんですよ。態度も口も悪いし、天才だし、気難しくて一筋縄じゃいかない、そんな人。こんな相馬の側に、スッと入ってくる設楽の存在感と空気感がすごく良い。絶妙な距離感です。
2人は両想いから身体を繋げたわけじゃないけど、それでも良いと思える流れでした。心が荒れていた相馬を救う意味でも、設楽の欲情の意味でも見応えあるシーン。この出来事があったから、11年後の相馬があります。
相馬は腐らずに制作の仕事を見事にこなしていたのは設楽のおかげだったんですね。設楽=テレビ業界にしがみつくことが相馬の身体に染み付いたんだと思います。仕事に忙殺することが相馬の才能を開花させ、そしてテレビ電波を使って遠方の設楽にメッセージを送り続けた。
設楽がどれだけ嬉しかったことでしょうか。彼が本社に戻る大きな原動力になったのかも知れませんね。
設楽の相馬に抱く愛は、フワッと包み込むように優しい印象でした。相馬の危なっかしいところも全部理解して抱きしめてくれるような、大人の愛。相馬の方は、設楽への愛情を明確な言葉で返事しなかったけど、設楽のことを本能的に求めて愛しているのが伝わりました。
ボーイズラブというより、メンズラブといった大人の香り漂う2人のセックスシーンは、情熱的でゾクゾクしました。設楽の畳み掛けるベッド上での愛の告白は、現場にいたら鳥肌&腰砕けすること間違いなし。
2人のその後がとても気になります。
番外編4も楽しみです!
今まではシリーズ通して明るいキャラクター同士のほのぼのBLだったので、今回は大人な雰囲気でびっくり。
今までは脇役として登場していたプロデューサー設楽と栄のお話でした。
あの2人の若かりし頃そんな過去があるとは想像もしてなかったので驚きました。
中盤で2人とも異動させられてしまうのですが、別れのエッチシーンに入っても、2人の関係に戸惑いました。
というか栄が受けなのか!?意外すぎます!
終盤のシーンである事件がきっかけで疎遠になってしまった友人へのインタビュー映像を2人で観るシーンは感動しました。
見せ方の上手い作家さんだなと感心します。
話の雰囲気はだいぶ違いましたが、あいかわらず心理描写が秀逸で先の展開が気になり一気読み。意外な展開が多くて面白かったです。
イエスノーシリーズ第6作目です。
シリーズ通しての登場人物設楽Pと、第4作目に登場した相馬Pが主役になります。
人気深夜バラエティ番組のPとして自他を犠牲に走り続けた相馬栄は結果、体調を壊し倒れる。病院で目覚めた時傍にいたのはかつて報道にいた頃の上司、設楽宗介だった。11年離れていた彼と相対し、栄は彼が自分の元を去らざるを得なくなった11年前、なにもかもふさいで欲しいと請うた11年前に、思いを馳せる…。
という感じの導入で、話は11年前に移ります。2年目で報道のDになった栄さんがPの設楽さんと同い年のデザイナーの奥くんに出会い、映画を観たり呑んだりと気の置けない関係を築いていきます。しかしある事件をきっかけにその心地良い日常は崩れ去ってしまうのです。
ところでシリーズ4作目「横顔と虹彩」は読了済みでしょうか。こちらを単発で読もうとしている方、最低でも4作目はご覧になった方が良いです!栄さんが主役カップルを喰う勢いでキレッキレに大暴れ…活躍しておりますので、また今作の導入にも関わります、出来れば先に読んでおいて頂きたいです。
栄さん設楽さんの性格もそちらを読んで頂ければお分かりだと思いますが軽く紹介すると、栄さんは新人ながらセンス溢れる仕事ぶりと歯に衣着せぬ堂々とした物言いで周囲に敵を作り続ける、なかなかぶっ飛んだ性格をしています。傍若無人で傲慢で恐れ知らず、口が悪く酷い罵り方もするけど理不尽な怒り方はしない(設楽さん曰く「怒る理由は常識的、度を越してるのが表現の仕方」)、一本筋が通った案外まっすぐな性格で、ただの性格の悪い奴ではないのですぐに好感を持てます。現実にいて欲しくはないけど(笑)
設楽さんは、軽くて緩くて親しみやすく、基本好きにやらせて最後の責任だけは取ってくれる、理想の上司のようですが反面冷たく無慈悲なところも見え隠れする…といった敵に回したくないタイプの人ですかね。(初対面の栄さんをして「俺より口悪いっすね」と言わしめた)
そんな二人が11年かけて互いの隙間を埋めていく、紛れもない愛の話なのですが、BLだけに留めておくには勿体ないほどに壮大なストーリーなのです…!放送業界で働く人々の葛藤、裁けない罪を裁いてしまった罪と罰、裏切り、憎悪……。読み終わった後、溜め息が出て、目頭が熱くなって、映画でもないのにそれぞれの場面が映像として頭の中を駆け巡りました。熱海の海辺の美しさが脳に焼き付いてます…行ったことないけど。
シリーズものの番外編であることが勿体ないと思う一方、このイエスノーシリーズのうちの一作で良かったとも思います。
一穂先生の作品の魅力の一つである「セリフ回しも地の文(細かな描写)も一言一句漏れなく萌える」によって、笑いっぱなしきゅんとしっぱなし、切なくなってわくわくしっぱなしで、改めて読書っていいなあと感じました。
それから後半で11年後の退院後、夜ニュースの助っ人に呼ばれた栄さんが一日Pとしてキレッキレになるんですが、この話まじで面白くて最高です。とにかく面白い。シリーズの主人公国江田さんは笑顔の下、心の中で毒を吐きまくりますが、栄さんは毒をそのまま直接吐き捨てます。大先輩たち相手にも。そのやり取りがもうおかしくてたまりませんので是非。
あとはカップリングとしてですが、設楽さんは栄さんの飾らなさ(「おかしくもねえのに笑えるかよ」「思ってもないこと、言えるか」)にどれだけ救われてきたんだろうと、そんなところにどんどん惹かれていったんだろうなと思います。栄さんは栄さんで、自分の作るVを見てきらきら目を輝かせて楽しむ設楽さんの期待に応えるのが楽しくて、つまらないとがっかりされたくなくて、離れてからもずっと設楽さんという存在が心から消えなくて走り続けた。間違いなく、二人とも11年前から両想いだったんですよ…!おっふ尊い…。
濡れ場も一穂先生は相変わらず濃厚です。直接的にドエロいわけではないのに一つ一つの文章や言葉選びやちょっとした描写が濡れ場としめの甘さと濃さを垂れ流してます。設楽さんの包容力と情熱にメロメロです。栄さんのエロカッコ可愛さにイチコロです。ラブラブやーん!
シリーズで一番好きな話とカップリングです。相馬栄にやられました。勿論次作「つないで」も最高ですので是非このカップルにハマってください!
性格は破綻しているけれど才能があってテレビプロデューサーとしては秀でた栄。
これまでのシリーズ中では良くも悪くも引っ掻き回したり焚きつけたりしていた彼の過去と現在です。
登場するたびに性格も人間性も最悪と思いつつも気になる人で不思議に思っていました。
そして、設楽とただならぬ過去がありそうななさそうな雰囲気が面白くていつか取り上げてほしいと思っていました。
栄は若いころからとんがって全身ハリネズミのようにいつも周り中敵だらけみたいな様子でしたが、仲間との交流があったり友情を感じてもいたころがあったのは意外でした。
そして将来自分にあこがれて業界にやってきた若い子(名和田)を子分にする流れになるというのがよくわかりました。
業界の描写が細かくて面白いので恋愛の展開以外もすごく興味深く楽しめました。
なんといってもやっぱり大好きな国江田さんの活躍が見れたのはうれしかったです。
どんなに無茶を言われても、当たり前のようにさらっと実行して何事もなかったような顔をしてるところが彼らしくていいです。
出来ればその時の心情(本音)を聞かせてほしいところです。
前作の栄氏登場時の印象が最悪で、「あーこういうマネジメントできないプレーヤー型の平成パワハラおじさん本当に嫌い!」って思ってたので本作にハマるか不安だったのですが、そんな栄氏が受で設楽氏に絆されてるのがたまらなくて結果的に大好きな作品になりました。
一穂作品の、新聞社シリーズをはじめとする平成を駆け抜けたお仕事おじさんが好きで、本作も令和のモラルやルールに乗り切れていないクセのある受けが、信頼と尊敬を預ける攻めとの関係に恋愛を足す感じがすごく好きでした。
一穂作品の醍醐味が詰まってると思います。
あとちょびっと出てくる国江田さんのかっこよさにしびれました!国江田さん最高。
イエスノーシリーズ、スピンオフ第2弾、3カップル目、こちらの主人公は飄々としたニュース番組の統括プロデューサー・設楽と、才能はあるけど性格に難がある一匹狼プロデューサー・栄。
この作品は2人の出会いと別離からの再会までを追う物語です。
設楽は本編第1作から飄々としているけど油断ならない人物として、ちょこちょこ登場しています。
栄はスピンオフ虹彩シリーズ第1作で、かなりのインパクトを残した人物。そちらで重大イベントだった出来事がこの作品でも設楽&栄側から改めて描かれているので、あわせて読むと感慨深いです。
さて、あらすじはというと。
2人の出会いは設楽がプロデューサーを務めるニュース番組に、入社2年めの栄がディレクターとして異動したところから。
元々栄の作ったVTRに惚れ込んでいた設楽は、無愛想でトゲトゲした栄の傍若無人な態度をものともせず、ひとまわり年下の部下のくせして態度がでかい栄に楽しそうに関わり、栄の仕事を称賛します。
そういう人物に初めて出会った栄は、警戒しつつも、何を考えているかわからない設楽に興味を惹かれ、設楽とつるんでいる奥と共に、裏表のない交流を持つようになります。
そんな矢先、とある出来事がおこります。
抜身の刃のような攻撃性の裏に、本人は認めない無防備で繊細な感性を持つ栄は、その件のショックで身体を壊し、心を閉ざします。
設楽は設楽で、その件のせいで遠方へ左遷され栄の元を離れることになります。
それでも栄の才能が活かせるようにと、彼を制作部門に送り込むのですが、設楽が自身のキャリアを犠牲にして自分を庇ったことに対し、栄は憤りを覚え、2人は一旦は袂を分かつことになります。
それから11年。
栄は制作部門でその才能を開花させ、のめり込むように番組作りをしますが、才能が突出するが故に周りがついていけず、さらには生来の傍若無人な一匹狼ぶりでどんどん孤立して行き、最終的にはトラブルによって心血を注いだ番組が打ち切られるまでになり、また身体を壊してしまいます。
地方を転々としていた設楽はようやく栄がいる東京に返り咲き、そんな状態の栄と再び対峙して…、という。
本作品、BLであるにも関わらず、恋心などのいわゆる恋愛的な要素はあまり語られません。
代わりに丁寧に描かれるのは互いの互いの仕事に対する執着です。設楽はクリエイターとしての栄の才能に嫉妬し執着します。他方栄は設楽の人を見る目と活かす手腕をかなわないと思い、設楽の観賞眼を常に意識します。
バラエティの番組作りは、鶴の機織り、身を削ってする事だと設楽は言う(「横顔と虹彩」参照)のですが、離れている時も常に設楽の目を意識して身を削って作品を作る栄と、離れていても常に栄の番組を追い続けた設楽。
それは一般的な恋愛とは違うかもしれないけれど、心と身体の捧げ具合でいえば、一般的な恋愛も真っ青なほどの捧げっぷりです。
この二人、本当に触れ合えるのなら、何より互いの脳味噌に触れ合いたそう。相手の思考を丸ごと食べたそう。
I love youというより、I want youという感じ。
そして求める「貴方」とは、まず何より相手の脳味噌で、その脳味噌に近づくために、容れ物としての身体に触れるセックスをしているのでは、とさえ思えます。
特に栄については、自身の身体にも世間の常識にもあまり頓着しないこと、とにかく設楽自身の思考ややりたいことが知りたくて仕方ない、そのためには自分の身体丸ごと投げ出しても構わない、と言った風なのでその趣きが強いです。
一昔前の壮大なファンタジーだと「魂が求め合う」的な、こういう関係もちょいちょい見かけたものですが、現実にあるお仕事の場を舞台に、しかもお仕事小説としてのリアリティを保った上で(この物語、番組プロデューサー同士の仕事ありきの話というのもあってテレビ局のお仕事の描写が実に丁寧で魅力的なのです)、こういう関係性を描けるのってすごいなぁ。惚れ惚れします。
そういう仕事ありきの関係性なのと、本心が読めない人物として設楽が描かれている事もあって、設楽主導で初めて身体関係を結ぶシーンは若干唐突にも思えたのですが、本作で描かれる二度目のシーンや、次作&未単行本化の番外編を読むと、栄はともかく設楽は、クリエイターとしてだけでなく、生身の人間として栄の身体と心を欲していることがじわじわと伝わってくるので、それを踏まえて読み直すと違和感はなくなります。(とはいえいつかディレクターとしてではなく恋愛対象として栄を意識するまでの物語も読みたいところではありますが。)
あとこの物語で面白いのは2人の人物造形でしょうか。
「本編の悪キャラが、スピンオフでは実は心に傷を負った可哀想な良キャラだった」なんていうテンプレ展開は特になく、栄は生育環境のせいにすることなく、栄の責任において社会不適合レベルの傍若無人さを保っています。
そして設楽は設楽で、BLにありがちな「設定では読めない人物となっているけど、物語内では内面だだもれの執着攻め」ではなく、容易に本音をみせない、読めない人物としての造形を保っています。
悪い大人と読めない大人のままだからこそ、そんな2人が、生身で、本気で、本音で邂逅する姿が一層魅力的に映るんですよね。
そして、だからこそ少しずつ本音が見えてくる、続編への期待が高まるのかも知れません。
本作での二人の関係は、包容力に富んだ保護者×傷ついた天才被保護者、あるいは世渡りに慣れた親鳥×まっさらな雛鳥、といった面が割と強くでているのですが、続巻の「つないで」では、そんな二人が背中を預けあえる戦友、パートナーとなっていく姿が見られて、それもたまらなく魅力的です。
気が狂うほどあまりにも大好きすぎてレビューできていませんでしたが、続篇「つないで」が出たのでこの機会に。
イエスノー本篇はとても面白いけれど、どハマりのCPではないかな~と思った人にこそ、読んでいただきたい「ふさいで」。
過去・喪失・再会・仕事・才・葛藤・嫉妬…、この辺りのワードに高まる方には刺さるのではと思います!
なお、イエスノー番外篇1「横顔と虹彩」だけは、何が何でも先に読んでから手に取ってもらえたら…
冒頭に少し不穏なワードを並べてしまいましたが、読後に感じるのはとても〝優しい〟話だということ。
もがき苦しまなければならない道へ進ませるのも、明るい場所へと導いてくれるのも、誰よりも自分を分かっているたった一人の男。
番組作りの天才・相馬栄と、「ザ・ニュース」のプロデューサー・設楽宗介、二人の11年間の道のりです。
栄の才に執着し続けた設楽。イエスノー1巻の時点から、彼は栄のために動いていたのかと考えたら震えてしまう…
11年前、デザイン室の奥睦人を交えて三人で過ごした日々は、キラキラ光る青春時代のよう。
これまで人との交流をほぼしてこなかった栄にとって、純粋に楽しい時間だったんだろうなと思うと涙が出てくる…
天邪鬼な本人はひと言もそんなことは言いません。が、読者(というか私)にはそう見える!
陽の光、夏の植物、熱海の海、栄の目を通して見る世界は美しく、とても印象的です。こういう風に世界が見えているから、なっちゃんが「優しい」と感じるような、素晴らしいVを作れるのかなと。
また、始めは警戒していた栄の心を動かした、ニコラシカ、睦人の嘘のない目、設楽の「栄」呼び…このどれもが色褪せず鮮明に、栄の心に刻まれているのだと思います。
しかし、作中でひときわ濃く描かれた楽しい時間はたった数カ月で終わりを告げることに。
「現実なんか撮って何が面白いんだよ」、「横顔と虹彩」で出てきた栄の台詞の理由が痛いほど分かります。
ボロボロに傷ついた栄を、自分にしかできない方法で安心させる設楽。
テレビの世界につなぎ留められた栄は、心の奥底に設楽からの憧れと嫉妬を抱えて走り続け―。
そして現在、再び倒れた栄の前に現れた設楽。
いつも食えない笑顔を装備する彼が、栄に関することで見せる怒りやエゴ、懸命さがたまりません。
憧れとともに嫉妬をぶつけてくる設楽に対し、実は栄も悔しい・恥ずかしいといった思いを持っていて。正反対なようで、あるベクトルでは似ているんですよね、この二人。
お互いごちゃまぜのドロドロした複雑な感情を、読者として掘り下げていく楽しさといったらもう…
終盤、まるで詐欺師のように栄を丸め込もうとしてくる設楽の手腕はお見事(褒めてます)。
自分からはなかなか行動しない栄に対しては、それくらいでないと!
それにしても、「好き」とは言わないけれど「俺の男」という響きに気分がよくなる栄がかわいすぎる…!
もうとっくに好きだと思うよ…と言いたくて仕方がないけれど無粋なので自重します(いや、声すら届かないけど)。
どんなに後悔しても、現実は巻き戻せない―。
物語中盤で涙したこの言葉。一時停止も巻き戻しもできないけれど、進めば新しい世界が始まる、そう栄が思えるようになったことがもう本当に嬉しくて嬉しくて…何度でも泣いてしまう。
三人で過ごした日々から立ち上がれず、ふさがれたままだった栄が前へ。その先には、設楽が作り上げた栄のための場所が待っています。
最後になりましたが、忘れてはいけないストライキパート。かっこいい国江田アナが読者の心をかっさらっていきそうですが、どうか、どうか相馬栄をお見逃しなく!
設楽がここまで執着するだけの栄の能力のとてつもなさに、一人でも多くの方が打ちのめされますように。
まんまとやられた皆さま、沼の底でお待ちしております。
あらすじは、上記を参照してください。
『横顔と虹彩』で、自分が全てをやらなければいられない唯我独尊な番組プロデューサーだった栄。嫌なイメージしかなったので、こちらの作品を読めて良かったです。
設楽と睦人、栄の3人がやり甲斐を感じながら仕事をしていた頃や、3人で熱海に行く話がとても良い。でも今後の急展開を匂わせる書き方で、このシアワセは続かないのだろうと読者に感じさせながらの展開。
睦人の家族の話は本当に辛い。栄のように、あの時電話に出なければとか、熱海に行かなければという後悔が同じ様に押し寄せます。
中盤がどーんと重いのですが、全てをふさいでくれた設楽との展開。
最中「正気に戻ってしまうのが怖かった。自分ではなく設楽が」と言う栄の言葉が印象的で、栄が流されて行為を受け入れているのではなく、ちゃんと意思があるのだと知れた文章でした。
そして設楽の寛大さや強さ、人としての素晴らしさ、パーフェクトな攻!!に、ハリネズミの様に人に針を向けながらしか生きられない栄が、設楽にだけはという関係に心鷲掴みされました。
一筋縄ではいかないけれど、手綱は設楽が握っているって。ホント、ニヤつきます!!
睦人との事も、忘却ではなく、すごくしっくりした書かれ方だったと思いました。
深の成長や計の負けず嫌いも見られ、全てにおいて満足です。
発売時に読んでいましたが、今更ながらレビューを…
発売前に、一穂ミチ先生のTwitterで今回の新刊情報が出た際に、まず思ったのは…
「その2人できたかーー!」でした。
正直、次にくるスピンオフは『恋敵と虹彩』で出てきた、コタかと思ってたので、まさか設楽さんと栄さんとはビックリでした!でも、この情報が出たときはとてもとてもテンション上がりました!!
アダルト組(30代だから、そこまでアダルトじゃないかも(汗))楽しみすぎて、いつもは電子書籍で買ってましたが、どうしてもすぐ読みたくて『ふさいで』は紙の本を予約したほど。
と、そんなことは置いといて…
読んでみて、良かった!という言葉しか出てきません。
『横顔と虹彩』を読んでいたときは、相馬さんの印象がそんなに良くなくて…でも、終盤はちょっとその印象が変わったなぁ…あれ?設楽さんと、相馬さんって知り合いだったのね!って、感じでしたが、『ふさいで』では、栄さんがなぜ、制作嫌いになったか、設楽さんと栄さんの2人の関係など過去が分かったりできるお話でした。
何を考えているのか分かりづらい設楽さんが、誰にでもツンツンしている栄さんを包み込んでくれている感じがとても良かった。
「天才と秀才と凡人」の話
秀才と天才がパートナーになる話だけど、軸はコレ
正しくは「天才と秀才と共感の神になるはずだった凡人」の話って気もするけれど…
天才:圧倒的な才能を持つが性格に難あり、ディレクターの栄(受)
秀才:栄の才能と性格を認め、自由にさせるプロデューサーの設楽(攻)
凡人:天才と秀才に対して絶妙なバランス感で生きるデザインの奥
能力のない人間は生き残れないテレビ業界だからこそ、際立ってくる天才・秀才・凡人の差が熱い
周囲から反感をかう栄をその才能が活かせる場へと導く設楽、振り回されながらも栄が生み出す作品を誇りその作品に貢献する奥…
共感がないまま生きてきた天才に栄にとって、自覚はしていなくても大きな存在…それが壊れた10年前の話
天才の逃げ道をふさぐ秀才
タイトルの「ふさいで」が本当にすごい
設楽が栄にかける言葉のすべてが「秀才」
「俺は一生、お前には勝てないんだろうな」
「お前が天才だから。俺の憧れと尊敬と嫉妬が全部そこにある」
「憎らしくてたまらない」
栄に対して一番強い感情を持っているのが設楽
嫉妬も、憧れも、愛情も、一番強い
天才は人を狂わせるんだな…
大事な存在が出来たことも、その存在が失われたことも、全部が初めてだからどうしていいかわからない栄
読み進めていくとタイトルの「ふさいで」が色んな意味に聞こえてくる
膨れ上がって自分を内側から破裂させそうになる感情が溢れないように、色々なものが見えないように聞こえないように…
「横顔と光彩」が読みたくなった
倒れた栄の目をふさいで「もういいんだ」って言った設楽
「ふさいで」はこういう意味かと思ったけどそれだけじゃなかった
深に「子分になれ」って言った栄…
自分に嫉妬せず敗北感に打ちのめされて離れていない子分…追い越すことも立ち向かうことも望まない存在…
表紙に書かれている「fill me in」はあとがきで「詳しく教えて」っていう意味だって書かれてるけど、「満たして」に聞こえてすごく愛しくなった
テーマもタイトルも熱すぎて震える…
天才と秀才と凡人が好きな人は必修…読んで…
潮×計は大好きなカプで、虹彩はそうでもなくて、他の一穂作品も面白いけど、読み直したい程好きなのはなくて。ふさいではどうかなーと思ってたけど・・・もう5回くらい読み直してます!!!
ほぼデレないツンデレが好き!+社会人ものが好き+仕事できる人同士が好き→よって、ドストライク
でした。
あの傍若無人な相馬が、セフレの女とやってた相馬が、どうやって設楽と結ばれるのか、萌え萌えしながら読みました。終始シリアスでしたが、それはそれで、このカプに合ってました。
なんだかんだ言って、設楽に身も心も許してる栄が可愛い!!栄に一途な設楽も素敵!!これから思う存分栄を溺愛して欲しい!!
年の差、上司部下、長い月日、人格破綻、職場内恋愛など、シチュエーション的には最高で、もっと2人のこと書いて欲しいです!!
「イエスかノーか〜」のスピンオフが「また」出る、ときいて、それが「設楽x栄」と知り、第一印象から「あ〜ダメだ…」って……思ってしまった。
狭い世界で同性カップルがいっぱい。
この作品でそんな罠にはまらないで欲しかった。
こうなると、メインカップルの潮がテレビ業界と無関係なのが救い。
読む前から気が乗らない感じだったんだけど、先入観持っちゃいかんと気を取り直してなるべくフラットな気持ちで読み進めたのだけど…
何に対しても、誰に対してもトゲトゲと馴れ合わない栄と、つかみどころのない、それでいて腹黒そうな設楽、2人の合間で屈託のない奥、この3人のバランスは良く、お仕事BLとして、いやBL要素抜きの方が純粋に文章を読み進めるのが面白かったし、栄の実家に3人で行くエピソードも読み応えあったし、奥の起こしてしまう放送事故からの怒涛の流れも良かったと感じる。
でも設楽と栄のセックスシーンが始まってからは、そこだけ浮いてるような印象を抱いてしまった。
設楽が栄に肉体的欲望を抱くような流れはあった?
そこに説得力が感じられない。
それでいてどう指を挿れてどう感じるか、そういう描写はじっくり書いてあって。
私にはものすごく唐突に思えました。
後半も、栄がストライキのとばっちりで生放送を任されて〜のくだりは臨場感やスピード感はいい。だけどその後出てくる設楽の「好きだよ」にはガクッと違和感を感じてしまう。
私にとってはテレビ業界を描く小説だけの方が面白かったかな。あの人もこの人も同性カップルにする、というスピンオフの形式が悪く出てる。
BLとしては中立、番組作り・オンエア中の裏側の話は面白かった。総合して「萌」で。
メディア関係に従事しています。イエスノーシリーズは読んでいると「こういう人マジでいるんだよな〜」とか「生放送は戦争なんで」「こんなオーダーきた死ぬな」という気持ちがすごいです。栄みたいな人いますし、こういう人がいないとダメなんです。相楽が目を離せない気持ちもわかります。
上記のことから個人的にボーイズラブ小説の恋愛の成就を楽しむというよりかは、プロが仕事に矜持を持って取り組む姿や、視聴者が何気なく見ているテレビ番組も多くのスタッフが「番組を見てもらいたい」「面白いものを作りたい」という一心で働いている懸命さがこのシリーズいちばんの見どころだと思っています。(また、ある意味でこういったおかしな世界でしか生きられない人もいるというところが……)
番外編2までは同業者同士ではないのでアレですが、今回はお互いがお互いの分野にもかなり詳しいので、サラリーマンとしての嫉妬や羨望、執着が強く感じられて、大人っぽい内容に仕上がっていると思いました。(挿絵もなくてよかったのかな…… 最初挿絵がなくて驚きましたがどんな事情にせよ、なくてよかったのかもしれないと思っています)
一穂さんの作品はすべて読んでいますが、メディア関係の描写がほんとうにしっかりしていて、こんなキャラクターを応援せずにはいられないな〜と思います。地の文も今まででいちばん?硬質な感じがしました。
いじめの件のついては難しいのですが、実際テレビとインターネットのメディアの差は縮まっているので、時間の問題で明るみになっていたのでは……と思いつつも、テレビもまだまだ大きいメディアなのでそりゃこうなっちゃうよな〜とも思います。なんというか栄の人生はいつも栄本人の直接の素行と別に、巻き込まれて急な路線変更が多いように感じるのですが、この理不尽さも社会にはあるあるなので……とも感じます。今後の栄に幸あれ……。
設楽は食えないキャラクターで、このぐらいじゃないと栄の操縦はむりだと思うので、お似合いだと思います。
陸人の件はもう少しフォローが欲しいですね。いいキャラだと思うので、また3人でぐだぐだしているところが見たいです。陸人は2人と違って婚姻も繁殖もしているんだし、対比がもっと見たいです。
あと国江田さんが栄の指揮で動いていた時の心情が気になりました。幅広い語彙で副音声で罵倒をしているんでしょうね。
国江田、皆川、名和田も登場するのでイエスノーファンはぜひ、と思うのですが、作風が2つに比べて重いのでその点ご注意ください。
11年間関わっていなくても、ずっとお互いの存分が背中を押し合ってたとは、ある意味純愛だと思う
それでちゃんといい仕事をして評価されて、大人の恋愛ってこうじゃないとね
それにしてもあの飄々とした設楽さんがこんな過去を抱えていたなんて、一穂さんのサイトのこばなしにもあったけど、あの時こんなこと考えてたのね!という新たな気付きが面白い
しかしほぼ新人に近い部下に手を出していたとは、設Pやるな 笑
このシリーズの中では重めで切ない大人バージョン。
一言で言うと好き!!
横顔と光彩で設楽Pと相馬さんは同期かと思っていたらまさかの10歳差とは。
あの時も過去に何かあった風ではあったけれど、
元々ここまで想定して竜起となっちゃんカップル版を先に書いてたなら
一穂さんてやっぱり組み立てがうまいと思う。
同人誌も沢山書かれてるけど、そのどれもが蛇足じゃなくて
それぞれの出来事や心の動きがちゃんと本編につながっていていつも唸らされる。
設楽Pと相馬さんは対等な大人のカップルって感じで甘々エピソードがないので、また続編を期待します。
といっても相馬さんのあの性格で甘々はないかなー。
新聞社の密もいつまで経っても糖度ゼロだもんね^_^;
私はかねてから加害者が守られる世の中に違和感を覚えています。
しかしこの作品ではいじめ問題が単なるネタになっていると感じました。
この作品に関して傷ついているのも救われるべきなのも奥くんだと私は思います。
仕事にも友情にも家族愛にも心を砕いてこなかった勝手な生き方をしてきた栄が、奥くんに一度も対峙せずに被害者面しているのが腹立たしい。
栄は祖母のことで奥くんに恩がある。奥くんが行動にでたことで罪悪感があるのなら、奥くんのために今度は栄自身がすべきことがあったんじゃないだろうか。
意思もなく始めた仕事など奥くんと共に辞めることもできたはず。辞めて奥くんへの償いと反省を胸に、彼と一緒に新たな仕事を始めることもできた。でも奥くんに会いにいくことさえせず、まるで自分が傷つけられた可哀想な人間みたいな弱りっぷり。
散々他人を踏みつけてきたくせに?
仕事にも対人関係にも、なんの意思も持たずに自分がただ快適な環境にいられることだけを優先してきたから、その結果「他人を助けたい」という感情さえ得られなかった人間なんだと思いました。
設楽も奥くんに対して「栄を傷つけたから許さない」と言います。奥くんに会いにいって支えていたようですが、結局これ。笑いました。
設楽と栄は奥くんの傷の救済をするでもなく友情めいた繋がりを保ちながらいちゃついている頭がお天気な外野にしか見えません。
才能に関してもこのシリーズは、というか一穂さんは薄っぺらい。
常に「最初からなんか知らないけど持っちゃってた」人ばかり。
一穂さん自身がスカウトされて「人生の思い出かな」と作家を始めた人だからでしょうか。
才能がないのを感じながらそれでもどうしても辞められない、続けたい、好きでしかたない、これしかない、と心臓から血を流してむきあっている人間は、恐らく書けないのではないでしょうか。
恋愛についてもいつも、ここで恋愛発生にしよう、と「計画的にくっつけた感」を覚えます。
才能を軸に恋愛を描くには、まるで説得力が足りません。
友情、愛情、才能、なにも心に感じませんでした。
ストライキに関する一連の流れも、テレビ局のお仕事を描くのがお好きなんだろうと思った程度で、なんの必要性を感じられず退屈でした。
奥くんが心から信頼し、支えあえる友人を得て、家族と共に幸せに生きていくことだけを願ってやみません。
大真面目に語ったところで
所詮BLレビューサイト
賢い読者気取りが
場違い過ぎて滑稽
BLに何を求めているのですか?
他あたれば良いのでは?
携帯が充電されていれば良かった。これは奥くんのミス。
熱海に連れて来てもらった事に栄は感謝はあっても、落ち度は全く無い。
でも奥くんは、あえて栄の番組を狙った訳で、違う番組でも良かった訳で。
奥くんは栄を心から信頼していたから、利用した。
奥くんは栄から仕事だけでなく友情も取り上げた。
人間関係に心を砕いてこなかった栄(栄は仕事には全力でしたよ)にとっては、あの三人に関係はまだ出来立ての感情だった訳で。
だから自分が傷ついている事にも気が付かず、どう対応して良いかわからず。
>他人を助けたいという感情さえ得られなかった人間
だったら、夢の中で 奥くんに 見るな! とか言うかな?
栄は仕事辞める気だったけど、設楽が止めさせたんですよね。それは奥くんも望んでいなかったはず。
許さないって言っている人間が、自分も大変な状況の中、保証人とかなるとは思えないです。大切な人だけど、やったことは許せない 別々に考えられるのが大人なのかなと。
奥くんの傷の救済は、栄や設楽がする事でもないし、出来る事ではない。でも友情は直すことができたってことに、年数だったり栄が成長したってことだったり設楽の支えがあったからこそなのでは。
心臓から血を流して向き合っている人・・・この作品にはたくさんいると思います 国江田さんにしろ、竜起にしろ、深にしろ。
私はこの作品を、こう読み取ってます。
このシリーズ何冊かあるのに、好みじゃないのに読まれて、かつ否定の意見(思わず私も)コメント書いてしまうぐらい、やっぱり魅力的な作品だったのでは・・・長文で一方的な意見 大変失礼致しました。楽しかったです。
読書なんて娯楽なのに
この熱量でネガティブな長文を綴れるのが
ある意味すごいねw
いくらなんでも他人を薄っぺらいなんて言い過ぎでは?
作家さんがどんな思いで作品に向き合ってるか
他人には分からないでしょ
「横顔と虹彩」と合わせて、何度も読み返しました。萌えよりもモヤモヤを大きく感じるのは、なぜなのだろうと。
睦人が「事件」を起こした理由は、いじめで自殺した弟は被害者なのに、家族が泣き寝入りするしかなかったことでした。リアルな社会問題です。でも、それが、栄が傷ついた、生放送のオンエアDが怖くなった、この二つを描くためだけに使われていたことに、モヤモヤを感じました。たとえフィクションでも、リアルな問題を取り上げたらリアルな答えが欲しいです。いじめ問題を特集した番組を栄が作るとか、Dを務めるとか。テレビの力を感じるエピソードが欲しかったです。
だから、設楽にお膳立てされた栄の臨時Dで、特集が年金問題ではなく、いじめ問題だったらよかったのに、と思いました。栄の考えを聞けたでしょうし、ニュースだって何かできることがあるのだと、睦人にエールを送れたのではないでしょうか。
もう一つ、モヤモヤしたのが、ニュースに対する栄の考え方です。ゴーゴーダッシュに移ってからは、「『報道の意義』やら『放送局の使命』なんてご立派な建前」と見下しています。「放送すればすぐ排水溝に吸い込まれていくような空しさ」とも。報道に戻ることになって、栄の考えは変わったのでしょうか。本文中からは分かりませんでした。ニュース番組は影響が大きいからこそ意義と使命は大事だし、取り上げ方によっては長く心に残ることもあります。空しいものではないと思います。リアルタイムな出来事だけが、ニュースの看板でもない気がします。演出やVが天才的な栄ですが、まだまだ足りないのでは。これから設楽が上司としていろいろ育てていくということなのかもしれませんね。
付け足しみたいになってしまいますが、萌えを感じた部分もありました。
設楽と栄が離れていた間、互いの存在をずっと傍に感じていたことです。あいつが見たらなんていうだろうと、それぞれの場所で懸命に番組を作り続けたことです。11年もの長い間、そんなにも強く思い続けることができるなんて。才能に惚れた恋は、執着の度合いが違いますね。
歳をとって才能が枯れてきたら、二人の関係はどんなふうに変わっていくのでしょうね。すごく興味があります。
あの……読後は本当に言葉にならないです…。
のっけから私情で申し訳ないのですが
栄のような人間って基本的に好ましくないんですよ。
言葉が乱暴で年上を敬おうともしない感じとか。
あんな人が職場にいたら胃に穴あくどころじゃないなとも思うし。
なのに芯もちゃんととおっていてこうまで魅力的な人物にしてしまえるのは
さすがとしか言いようがありません。
深がなぜあれだけ栄に心酔していたのかようやくわかりました。
序盤の、設楽さんと奥と栄の三人が
わちゃわちゃつるんでいる頃をずっと読んでいたいくらい楽しかった。
奥のした事は許されないものかもしれませんが胸のすく思いもしました。
題材が題材なのでとてもシビアで苦しくなりましたけど
色んな感情が揺さぶられるようでした。
なんといっても設楽さんが……なんであんなにいい男なんですかね……。
いつも笑顔で温和そうなのにしっかり短銃隠し持ってますみたいな感じが最高!!!
いや例えが悪いな、必要とあらばいつでもざっくり斬りつけますみたいな…⁇ww
栄にかけた呪いにも似た言葉、あれがなかったらどうなっていたのかな。
仕事でのお互い思うところがある関係性が非常にしびれます。
どのシーンにもぐっときすぎて
ここが、と挙げられないくらいですが
“じじいレンジャー”の掛け合いは声を出して笑いました。
こういうね、コミカルなところ持ってくるのもめちゃくちゃうまい!!
発売日翌日(田舎だから一日遅れ)に購入して
早く読みたいのに読んだら終わってしまう葛藤と戦い
ついに本日負けてしまったのですが勿論後悔はないです。
またシリーズぶっつづけで読み返したくなりました。
更に大好きになれるのがとても嬉しい!!
ニコラシカ、いつか挑戦してみたいですが
格好良く飲める気がしません……。
なっちゃんが奥さんと同じこと言ってるんだな。
死んでもうたら、駆けつけたところで変われへんやろ
地位とか名誉、金ではなくて仕事に対して縄張り意識持ってる男の人って良いな。
つか国江田さん、毎度番外編で横から心をかっさらってくんですがやめてください格好良い。
一穂さんキャラの中で密とか雪とかの捻くれた人が好きなので栄はほんと、ほんとあれです。尖りっぷりが半端なく鋭角。触るもの皆傷つける勢い。
でもどっかですごく純粋。
過去編で新キャラっていう嫌な予感しかしない奥さんがとても良い子で辛い。口絵が神懸かっていて、この本の中ででひとつ絵にするならこのシーンだよね。ですよね。
画面の反対側向いて背中丸めて寝転んでる絵も栄らしくて好き。
後半楽しかった。一人だけ嬉しさを隠しきれてないなっちゃんは可愛すぎたし、いつもの皆川くんらしくない愛想のかけらもない反応は、あぁ相馬さんをライバルと認定してんだなと面白く、あと国江田さんはシリーズ最初の頃だったらこの行動は無かったんだろうなと思う。
潮の影響は勿論、なっちゃんとかも含めた理解者の存在がなにげに強いんではないかと。
物分りの良い王子様でない面も出せるようになって、成長してるんだなぁと感慨深い。
カップルまとまったところで終わったのが物足りないです続き見たい。
シリーズの大人組の番外編。
この本、挿絵もないし、前半は延々とお仕事のお話だし、栄は口を開けば悪態だしで、いくらBL世界のお約束である所の、周り中の男は皆同性カップルの呪いが強力だろうと、この栄が、
この栄が、呪いの沼に本当にはまるのかどうか、
実にハラハラしながら読み進んだわけですが、、、。
既に明らかになっている未来に到達するためには、この位の力技とスピードとが必要だったんだな、と、感心しました。
せいぜい老後は、熱海で甘々生活するといいよ。
それにしても、私、このシリーズどこかで飛ばしている気がする。
どれだろう?
後半、少しだけ出てきた国江田さんに心を奪われました。カッコ良すぎる。
イエスノーシリーズ番外編。あの設楽Pと、横顔と虹彩に出てきた栄さんの、大人達がメインで登場です。ちなみに紙書籍購入ですが挿絵はなしです。新聞社シリーズや、その中でもoff you goが好きな方は、お好きではないかと思いました。もちろん、イエスノーシリーズファンの方にもオススメです。
大人組、非常に良かったです。懐が大きくて笑顔で皆を束ねる設楽。才能があり、皆に馴染もうとしない栄。そして、栄と同じ年で、デザイン部の睦人。3人はある時から、自然と仲良くなっていく。栄の祖父母の事や、楽しい出来事。睦人のある事件では非常に悲しく、胸が苦しくなりました。
恋愛面ではもちろん良かったのですが、起こってもおかしくない現代の問題に考えさせられます。
設楽の優しそうなのに強かなところと、栄の尖ってるのに繊細で脆いところが読み進めるにつれてよくわかります。大人らしく、えっちシーンも2度出てきます。どちらもエロいです。
前半、様々な出来事、事件で淡々(じっとり?)と進みますが、後半はイエスノー1巻のように、ワクワクと高揚感がある仕事の話があります。そこには、お馴染み国江田さんや、皆川くん、なっちゃんも登場。あと、錦戸さんも。皆川くんなっちゃんも成長してて、嬉しくなりました。レビューの最初に書きましたが、ここの国江田さんにまんまとやられました。カッコ良すぎです。それまでの話をかっさらう勢いでした。好き…!国江田さんも色々と進化してますよね。また、テンポの良い言葉のやりとりも、後半にやってきます。イエスノーシリーズのあのワクワクとした高揚感にやられて書い続けていますが、ここにも来たか〜という感想。また既刊を読み返したくなるので、これから読む方は側に既刊を置いておく事もお勧めします。
『イエスかノーか半分か』のシリーズ6冊目。
『イエスか~』のスピンオフ作品になるわけですが、なんていうんだろうな。
このシリーズのスピンオフ作品は、単純に『イエスか~』に登場した脇役が主人公になった作品、ではない。潮×計を中心に、色々な角度から、旭テレビの局員たちの姿が描かれている。過去の作品の裏話的な、「ああ、あの時の話か!」というエピソードを盛り込みながら進む展開。だから、彼らの内面がより一層浮き上がってくる。
さすが一穂さんだな、というストーリー展開になっていました。
そして、6作目の今作の主人公は栄さんと設楽プロデューサー。
一穂さん×竹美家さんのコンビって最強だと常々思っていますが、今作品の表紙にはやられた…。
オジサマの色香が半端ない。
シリーズ通して読んできて、栄さんて男前のイメージがあまりなかったのですが、
クッソカッコええですやんか…!
と、表紙で悶絶しつつ読み始めましたが、内容もめっちゃよかった…。
もう一度言う。
めっちゃ萌えた。
テレビマンとして天才的な面を持ちながらも、強烈な個性を放つ栄。
そして栄の才能とともに中身も丸ごと愛し受け止めてくれた設楽P。
そんな二人の純愛のお話。
けれど、そこには働く男としてのプライドと意地が立ちはだかるために甘々な空気感はほぼ皆無。ガチンコな、そして泥臭い男の闘いの世界が描かれている。
この作品のシリアス度を上げている要因がもう一つ。
途中で起こる、痛ましい事件。
奥さん(新キャラ)の哀しみ。
奥さんを失った栄の慟哭。
そして、そんな栄を救ってあげたいと願う設楽さんの想い。
一穂さんの文章がリアルなだけに、思わず涙腺が崩壊しました。
また、三人で冗談を言いながら楽しく飲める日が来ることを願って。
そして終盤に計と竜起も登場します。
前半のちょっと暗い雰囲気は一変。
いつも通りの『イエスかノーか半分か』のドタバタコメディも楽しめます。
というか。
計と竜起の男気がこれまたカッコいいです。
惚れなおします。
一穂作品は男たちの仕事面もきっちり描かれるものが多い気がしますが、このシリーズはそれが特に顕著な気がします。
仕事にプライドを持ち、真摯に向き合う男たち。
時に転び、時に倒れ。
でも、必ず這い上がってくる。
カッコいい!
『イエスか~』シリーズは新刊が出るたびにこれ以上萌える作品はないだろうと思いつつ読むのですが、今作品もそのハードルを楽々クリアして萌えが上がり切って降りてきません。
ずっと続いていってほしいシリーズです。
「ふさいで」
シリーズ6作目にして、なんて斬新かつ意味深なサブタイトル。初めて目にした時、真っ先に思い浮かべたのは、「横顔と虹彩」のワンシーンでした。病院に担ぎ込まれてなお、うわごとのように仕事の話を続ける栄の目を、設楽が手のひらで覆う。「もういい、もういいんだよ、栄」
あの時はまだ、「あんなにみんなに鬼と恐れられてる相馬Pを下の名前呼び⁈ さすが陰の大物設楽さん」と感心した程度で、2人の間に漂う特別な気配のようなものに全く勘づくことなくスルーしてしまったわたし。でも本作は、まさにその病室の場面で幕を開けるのです。そして開始10ページもいかないうちにいきなりのキス。この時点で設楽さん40代半ば、相馬さんが10こ下くらいで、当然シリーズ中最もアダルトなカプのはずですが何たる早業!! ていうか、え? 何これ、ドッキリ? それともただの読み違え? この2人ってそういう仲だったの? いつから???
こちらがあっけにとられてる間に、時はぐんぐん巻き戻され、2人出会った11年前にさかのぼります。設楽がプロデューサーを務める夕方のニュース番組にディレクターとして配属されてきたのが栄。まだペーペーながら上司を上司とも思わぬ不遜さの陰に見え隠れする尋常ならざる才能の片鱗。色恋うんぬんより先に揺さぶられたのはすごい原石を見つけてしまった設楽のプロデューサー魂の方だったのかもしれない。興奮、高揚、そして同じ業界人として避けようもない嫉妬… たとえいくら内面では激しい感情のアップダウンに引きずりまわされていようと、それを微塵も面に出すことなくあくまで飄々と、まるで同年輩の友達のような気やすさで栄に接する設楽。同じく彼がかわいがっていたデザイナーの奥も含め、3人のゆるい付き合いはいつしか仕事の枠を超えていく。あの誰にも馴れない獣のようだった栄を、当人にも悟らせぬうちにじかに触れてもかみつかれない程度に手なづけちゃうあたり、やっぱり只者じゃないよ設楽さん。
3人の奇妙なくらい穏やかな日々はけれどそう長く続かなかった。唐突に迎えたあまりにも悲劇的な幕切れ。自失し、荒れる栄と抱き留める設楽。そう、いつだってその役回りは彼に巡ってくるようだ。興奮をなだめるというより、まともでない状態をもっとまともでない行為で塗りつぶす一夜。聴力を喪った栄の耳に告白めいた呟きだけ残して設楽は栄の前から姿を消す。自身の都落ちと引き換えに、栄の背中を「ゴーゴー」へ向けて押し出して。
表紙にある「fill me in」はすなわち「ふさいで」。一穂さんのあとがきによれば、「詳しく教えて」の意味もあるとのことですが、わたしには「満たして」と読めました。栄が設楽に繰り返し請うた「ふさいで」は、「何も見えなくして」であると同時に「俺の隙間をあなたでいっぱいにして」という意味ではなかったろうかと。設楽が栄の才能を、時に激しく嫉妬しながらもまぶしくふり仰がずにはいられなかったように、栄もまた、どうしたって自分が持てないものばかりいっぱい持っている設楽だから惹かれた。一瞬で人の器の奥底まで見切ってしまう設楽の眼力が怖い。でも同時に、見抜かれたい、とも思う。自分の同類とだけつるんでいれば楽なのに、人がわざわざ真逆の相手に吸い寄せられてしまうのは、自分に欠けている部分を満たしてほしいからかもしれない。セックスにしろ恋愛にしろ、突き詰めていけばそういうもののような気もする。
11年のブランクを経て、再会。前よりもっと孤独で、さらに満身創痍の栄を、どんな方法で設楽は満たしてやれるのか。テーマがテーマだけに、シリーズ中最も重くシリアスな本作ですが、やっぱり主人公が逃げずに仕事と向き合う肚を決めたとき、物語が生き生きと走り出すのは変わりません。計や竜起、錦戸カメラマンなど主要キャラもわらわらと寄り集まってきてあっという間にゴキゲンな現場に。にしてもどうしてこの業界の人たちって、厄介でイレギュラーな事態が発生すればするほど楽しげに立ち向かってゆくのでしょう。苦肉の策のはずの急造チームがなんだかマジで続いてゆきそうな気配だし、これはもう続編を待つしかないでしょう。栄と設楽の関係も、まだほんのとばぐちに立ったばかり。「付き合うって何?」とか言ってる朴念仁によく教えてあげて、設楽さん。
イエスノーシリーズのスピンオフで、旭テレビが舞台。
国江田さん&竜起と、なっちゃんの上司の11年前の出来事から今までのお話。
旭テレビで過去にあった番組、起こった事件、そして今に至るまで。
今作で描かれる「今」は、イエスノーを軸にすると未来にあたるので。過去から未来までを包み込むような話。旭テレビで国江田さん達はこんなに必死に生きている…と熱い気持ちになりました。
設定が公表された時点では、スピンオフも第2弾で新しいカップリングか…。安直に広がり過ぎでは?と若干思いました。
書影が公表された時には「え?ヤバイ。相馬さん可愛い!設楽さん渋い!」と大興奮して。期待が高まり過ぎて、肩すかしだったらどうしようとちょっと思ってました。
今、読み終えて。
栄も設楽さんもちゃんと主人公で。
大人たちも、ずっとずっと戦ってきたんだなぁと。読んでいて何回も胸がギューっとなって。
神作品!としか言えない自分の語彙力が悲しい。
BLとしてだけではなくて、才能に対する尊敬や信頼や、友情。面白いものを作る、生放送を進行する、仕事に対する熱意や欲。そういういろんなものを内包しています。
辛い事が起こって、散り散りになっても。走り続ける。
尊いなぁ…
BLとしては、栄が可愛いですね。
恐ろしく態度と口の悪い天才。うまく立ち回る事を知らず、不器用で辛い事を辛いって言えない。
そしてそんな天才に惚れ込んだ大人の男、設楽。
20代前半でこれを読んでもこんなにハマれなかったかも。
歳とってて良かった(笑)
私も明日も頑張って生きて行こうと背筋が伸びました。
番外編3作目にしてカプが変わります。過去に遡りなっちゃんが憧れてた上司・栄の若い頃のお話。一穂さんの話だと仕事できる人はもれなく性格が悪くて受けというパターンが多い気がする。根っこの部分は悪人じゃないので憎めない、いやむしろ愛おしいですが。
飄々として人当たりはいいけど食えない男なのは寧ろ攻めの設楽Pの方だと思います。でもBL的にこういう攻めはいい仕事して話が面白いことが多いので好きです。
一穂さん独特のリズム良い文章で電車の中でもどんどん読めました。中の挿絵がなかったのはちょっと寂しかったですが。書き下ろしなのでイラストでネタバレしたくなかったからかもしれません。
睦人というキャラは現在のシリーズに出てこないので死亡フラグというか嫌な予感しかなかったのですが序盤に想像以上に辛い事件が起こり深刻な状況になってしまいました。
しかし最後の方はさすが業界BLという感じで臨場感あふれ、とても楽しめました。計やなっちゃん、竜起などおなじみのキャラクターも活躍しますよ。映画の「カメラを止めるな」みたいな面白さでした。生放送って大変。
シリーズ6作目ですが最初から読み直したくなりました。
個性あるキャラクターのどことなくユーモラスな会話が今回も軽やかに展開するか と思いきや!
社会派の筋立てに頭を一撃。
軽やかさに忘れていた。彼らの職場が24時間動いている放送局の、報道という現場の重さと激務を。スペシャリストとしてのプライドとプライペートな感情とコンプレックスとその向こうにある愛情、どこに愛が存在するのかすら見過ごしそうな緊迫感に固唾を飲んで読み進めた。
辛かった。腹もたつ。でも読み進め、設楽の殺し文句「俺をお前の男にしてくれ」で天国に変わりました。最高です。
それにしても。
設楽さんは若い優しい子をくわえ込むと頭から信じていたので(この間入ってきた圭君のライバル君とか)まさかまさかまさか!!!!(三度繰り返して動揺を強調)
栄さんもっとおっさんかと思っていたのです、それも!!!!!でした。
読み応えある一作で大満足です!
もうほんと待ってました。
大人気シリーズの最新刊で、本当に楽しみに待っていた1冊です。
シリーズのうち前の潮と計、竜起となっちゃんはかなりラブコメらしいラブコメでBL小説はあんまり読まないような人にもおすすめしやすい感じでしたが、こちらは大人向けというかラブコメとはだいぶテンションが違います。
なので一穂先生の作品の中でイエスノーシリーズだけ読んでてラブコメが好き!って方には合わないかもしれませんが、一穂作品でもoff you goとか好きな方にはたまらないんじゃないでしょうか。
個人的には大好きでたまらなかったです。でも誰にでもおすすめできるか?と言われたら違いますね。最高に萌えましたけど。
あと、これから買われる方はできる限り協力書店で買われた方がいいです!
協力書店の特典ペーパー、必読です。本当に。
以下、ただの感想です。びみょーーーーにネタバレあり?かも。核心には触れないです。
もう最高ですね、最高。
栄視点の話で、栄と設楽の他に重要キャラが一人出てくるんですが、なんか………人生の話だった。それ以上言いようがないです………
「横顔と虹彩」のエピソードとリンクしてる部分がたくさんあって、栄のあのときの言葉はこれか…とか、ゴーゴーをそんな気持ちで…とかたまらないポイントもりもりなので、よく覚えてない方は復習してからがおすすめ!
そもそも個人的に栄と設楽のキャラがドツボなんですよね~~~食えないキャラと頑なな一匹狼…
ずるくないですか?栄、あんな感じなのに設楽のこと好きなんだね…ってかんじとか。特に協力店?ペーパー。ずるい。設楽Pもね、かっこよすぎる。普段柔らかくてニコニコしてるかんじの人が見せる本気っていいよね。
設楽が結構独占欲強くて、栄が意外と顔に出るのがまた。すごい好き。
あと、エッチシーンが今回2回あるんですが、なんか………すっごいエロい。特に、2回目。挿し絵ないのに。
総じて言うとほんと最高でした。こういう本に出会いたいがためにBL小説を読んでるんですよね…
あと続編出てほしい…あの場所で働く栄を見たい。
今作もお仕事シーンが面白く、栄、設楽、奥(初登場キャラ)が仕事を通じて関係を築いていく様子が活き活きと描かれ、だからこそ中盤で起こる事件に胸が締め付けられ、鉛を飲み込んだような重苦しい気分になる。
終盤では計、竜樹、深、錦戸さんとこれまでのシリーズに出てきた旭テレビ縁の面々が勢ぞろい。一作目で計が「ザ・ニュース」初回を見事にやり切った時のように読んでいてワクワクした。思わず笑ってしまう会話も健在。本編最後の人事通達はなるほど!という感じで、巻数重ねてるシリーズだから次があるか分からないけどまだ展開できる布石になりそうな…?
イエスノーシリーズが好きで全部持っている中でもこの作品はかなりお気に入り!