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memai ha madoi no tsugai
これまで読んだオメガバース作品の中で断トツ好きです!
ああ、自分はこんなオメガバースを待っていたんだな・・・と、ページを捲るたびに感じていました。
早寝電灯先生のオメガバースということと、試し読みでとても続きが気になったので買ったんですが、まさかこんなに感情を揺さぶられるとは・・・!
本能に流されず、ひたすら理性的に相手を想い、湧き上がる熱はグッと内に秘めて、静かに、でも確かに相手を強く強く求め愛する和己と波止の物語から終始目が離せまなかった。
オメガバースと言えば、本能のまま無理矢理に身体を奪ったり、一部のαが超傲慢だったり、Ωが人権を踏み躙られて大勢の慰み者になっていたり・・・というような作品が多いですよね。
でもこの作品は、そうじゃなかった。
相手を一人の人間として尊重し、友達から関係を始め、健全な交流を重ねて少しずつ関係を深めていくんですが、その過程が非常に丁寧に描かれていて、ある意味、オメガバースらしくない作品だったと思います。
でもよく考えたら、人間関係って本来こうやってちょっとずつ深めていくものですよね。
ちょっと考えれば当たり前なんだけど、すごく新鮮でした。
第二次性に翻弄される事なく、普通でありたいとひたすら努めてきた二人ですが、やがて同じ船に乗り、たゆたいながら、共に生きる道を進んでいく。
気持ちが通じ合う場面、初めて一つになる場面、番になる場面・・・どれも温かく、優しさが溢れていて素敵でした。
描き下ろしで明かされた和己の密かな独占欲には、ちょっとドキッとしましたが。笑。
とっても満足度の高い読後感でしたし、叶うなら、二人のその後や波止の兄&スウさんの馴れ初めも読みたいです。
優しく心理描写が丁寧なオメガバースを探している方に、全力でおすすめしたい一冊です。
なんていうか…沁み入る感がすごい作品だと感じました。
オメガバースもの。
そして正にオメガバースならではの展開でもあり、同時にオメガバースでなくとも普遍的にある心の揺れ等、素晴らしく繊細に描かれた作品です。
「52ヘルツの共振」と同様「身体共鳴」という独自設定があって、それが重要なポイントに。
感じ取ったαの和巳。わからなかったΩの波止。
本作では「運命のつがい」設定は無いようだけど、和巳にとっては波止との身体共鳴は「運命」だったのでしょうね…
一方、恋愛経験は無い若い波止とは受け止め方が違う。
波止の方はαを気遣う。自分は大丈夫だけど責任を負うのはいつもα、それは大丈夫?って。
この視点には驚かされました。
2人はαとΩとしての相性も良いのでしょう、でもそことは関係なく「この人が好きだ」という部分が形作られる時間、そこをあなたが与えてくれた…そう言える波止が素晴らしいと思う。
ただ好きで…一緒にいたいんだ
恋の真理。その普遍性も描かれて、運命でも運命でなくても2人が惹かれあって好き合って愛し合って一緒になるんだ、という説得力。
オメガバースという一種のファンタジーでも、リアリティと人間らしい繊細さが伝わってきました。
最近は新刊、読んだことない作家さんを積極開拓してます。こちらも初読みの作家さんでしたがレビューの高さに惹かれて購入。
オメガバってエロ描写が激しすぎるのが多くて苦手だったんですが、こちらは心理描写しっかりでお上品なオメガバで良いですね。絵も綺麗だし、攻受お互いがお互いを尊重し合ってる感じが良かったです。
ただ受がちょっと幼い感じなのがあまり好みでないのと、話の展開的にやや盛り上がりに欠けて、読後あまり印象に残らなかったので、星4つで。
初めて会った時から身体共鳴を敏感に感じ取っていたアルファの和巳さんとちょっと鈍感なオメガの波止君。
そんな二人がお互いのことを少しずつ知っていったり、失敗しそうになって傷付いたりしながらも慎重に近付いていく様子が、もどかしくて愛おしくて本当に素敵でした。
和巳さんがアルファの本能を必死に抑えて、オメガの波止君の意志を尊重する姿に胸を打たれます。和巳さん、優しくてかっこよくて滅茶苦茶素敵なアルファです…!
波止君にお付き合いを許されてからの和巳さんの積極的な愛情表現といったらもう…ニマニマせずにはいられませんでした!
「同じ船に乗ったとでも言うのかな」と最初に言ってくれた和巳さんの言葉がずっと心に残って嬉しかった波止君。その言葉を信じて本当に良かったね。
これからはずっと一緒の船に乗ってどこまでも行ってくださいね!
昼寝電灯先生の作品の中でもダントツ好きな1冊になりました。
オメガバース作品は結構な数を読んでいるのですが、
しんどい、切ないといった印象が濃いオメガバ作品において
これほどまでに温かくて優しい世界観や、攻めも受けも本能を制し、
誠実に向き合う二人というのもなかなか珍しいのではないでしょうか。
ある日、Ωの波止は訪れていた古書店で地震に遭い、
帰宅できなくなっていたところを店主の和巳に助けられます。
はじまりはそんな偶然のような、運命的なような二人の出会い。
後日、思わぬところで再会を果たす二人ですが、
Ωとαとして惹かれ合っている自身の本能に気付いてしまいます。
おそらく二人は運命の番というやつなんだろうなぁと思います。
だけど、それに気付いても気付かないフリのままにして
本能に流されることなく、Ωとαではなく、
古書店の店主と常連客からちょっと距離の近づいたただの二人として、
逢う度に互いのことを少しずつ知って、普通に恋に落ちてゆきます。
普通に話をして、笑いあって、
時間をかけてゆっくりと惹かれあってゆくのがとても心地よかったです。
Ωとαとして惹かれ合わないのなら
別にオメガバースじゃなくてもいいんじゃないの?という気もしますが、
オメガバースの世界観であえて普通に恋に落ちてゆくのがいいんです。
二人の年齢差は10歳ですが、常識も自制心もある大人の男性の和巳が
脇目も振らず波止にのめり込んでゆく姿にもキュンとしました。
普段は穏やかなのに、波止のことになるとこんなにも情熱的で余裕もなく、
一人の男をこんなにも惑わせてしまう恋が微笑ましいのです。
波止への告白では「ただ好きで、一緒にいたいんだ」と
飾らずにまっすぐに気持ちを伝える和巳に胸が高鳴りまくってしまいました。
そんな和巳に自分の中に溢れ出る言葉を尽くして一生懸命に伝えようとする
波止も可愛かったです。
あと、波止をすっぽりと覆ってしまう和巳大きな体や手に包容力が
滲み出ていたり、軽々と抱き上げてしまったり、二人の体格差も
萌えどころでした♪
前作のオメガバースが大好きだった先生なので
作家買いです。
また早寝先生のオメガバースが読めるとは
すごくうれしいですね。
今回も独自の空気?というか
他にないやさしい視点の物語だったと思います。
早寝先生節?とでもいいますか
ビジュアルは今までにないくらいの
高身長のイケメン
スパダリアルファぽいのに
とてもナイーブな
運命の番の話が嫌いだったアルファと
鈍感オメガくんのカプで
今回もとても好きなお話でした。
噛んで傷つけて番にする、
それはこわい事、自身の傷つく事だからって
オメガの方も噛みたいって言うの
なるほどな、、と
はじめに大丈夫ですか?!って言った波止くんの
思いやり?感性?、それが
早寝先生なんだよなあって思いました。
波止くんのお兄さんたち番カプも
ビジュアルがめちゃ素敵で
すーさん?がまさかのヤンキー受け?
だというので兄さんたちの物語も
スピンで見たいなあと思いました。
古書店に通っていたΩの波止はある日大きな地震にあい、店主の和巳に助けられて一晩お世話になる事に。実は和巳はαで初めての出会いから、2人には「身体共鳴」が起こっていて⋯。
運命の番が、ちりちりと振動を感じて震えるのが素敵な設定。でも本能のまま暴走するのではなく少しぼんやりしている波止を和巳がそれは大事に暖めて、段々距離を近づけていくのがすごく優しくて泣ける。
同じ船に乗っている2人。タイトルの意味が読後にじわじわと沁みてくる。
しっかりタイミングを見極めて、ゆっくりとつがいになっていくのがとても愛おしい。つがいっていいなぁ。
早寝電灯先生のオメガバ作品ということで、大いに期待していましたが、期待以上でした。
「52ヘルツの共振」が好きだと言えば、期待する気持ちもわかるかと思います。
先生独自の「身体共鳴」という表現が好き。
オメガバ作品でよく描かれる、フェロモンに誘発される抑えきれない衝動「ヒート」もあるのですが、それとはまた少し表現方法が異なる。
少し穏やかで優しい。けれど、チカチカしていて、キラキラしていて、ピリピリしていて、確実に刺激はある。
先生が描く作品の根底に普遍的に流れている優しさから生まれた表現方法のように感じました。
オメガは目眩が起きやすいという独自設定とも相まって、波止くんが和巳さんの影響で視界がチカチカしている場面が印象的でした。
和巳さんは、ピリピリが残っている表現が印象的。バーですぐに気付いてもらえなくて、子どもじみた意地悪をしてしまう和巳さんですが、自分だけがピリピリを感じているのだとしたら、気付いてほしくもなるだろうな、と。
チカチカは瞬間的だけれど、ピリピリは残るから。
二人が出会ったときの「同じ舟に乗ってる」という言葉が、波止くんが和巳さんに惹かれていく過程や二人の未来にまで繋がっていく描写が素晴らしくて印象的でした。
保護者が家族からつがいに変わることに違和感を覚える波止くんだから、和巳さんのその言葉が嬉しかった。
しかも、それを和巳さんが何の気負いもなく言っているところがいい。
対等な関係でいられるかどうか。人間関係全般で重要ですが、アルファとオメガの関係においては特に重要な視点だと思います。
つがいになると、オメガはアルファの庇護下に置かれるという解釈が多いので。
バース性を否定せずに自分のままで「普通に生きる」ことを貫こうとする姿勢が眩しくて、好きです。
波止くんと和巳さんの歳の差がまた絶妙!
これは和巳さんの接し方によるのだと思いますが、どうしても余裕をなくしがちな和巳さんが懸命に包容力を維持しようとしている姿が愛おしい…。
それでもやはり、波止くんよりも年上で経験していることも多くて、だけどその分、引きずっている年数も長くて。
波止くんも和巳さんに救われた部分があるけれど、和巳さんのほうが波止くんに救われたのかな、と思います。
「普通に惹かれていく」という過程を大事にすることで、バース性を否定することもなく、バース性だけによることもなく。
私は和巳さんみたいなアルファを求めていたし、波止くんみたいなオメガを求めていたのだな、と納得しました。
波止くんのお兄さんも、スウさんも、和巳さんの友人も、周囲の人たちも魅力的!
特に波止くんのお兄さん!「やばい兄になりたくない」という言葉が刺さりました。
兄弟BLが好きなので、やばい兄も好きなのですが、波止くんのお兄さんが兄のあるべき姿です!
そして、カバー裏!
カバー裏で誰かと笑顔で歩いていたのは佐倉さんでは…!登場人物的に佐倉さんしかい浮かばなくて。
間違っていたら恥ずかしいですが、ほっしました。先生の優しさに感動しました。
カバー裏おもて面の和巳さんと波止くんが楽しそうで、カバー裏うら面の佐倉さんも同じ店先だけど別の場所で楽しそうで。
最後まで感動の詰まった作品です。
読めて幸せです。
今回は書店オーナーと会社員のお話です。
攻様の店の客だった受様が偶然のデキ事で
店主と客との関係を越えて番となるまでと本編後日談を収録。
この世界では男女の他にアルファ、ベータ、オメガという
6つの性別が存在します。
アルファとオメガは互いにフェロモンで惹かれあい
アルファがオメガのうなじを噛むことでつがいとなると
オメガのフェロモンはそのアルファにのみ
作用するようになります。
このような身体の相互作用は身体共鳴と呼ばれています。
受様はオメガ男性で
1人暮らしをしている会社員です。
日常用生活は滞りなく過ごせていますが
よく行く本屋で地震にあい、落下する本からは
店主に庇われたものの足首をひねってしまいます。
この店主が今回攻様です♪
しばらくして揺れは収まりますが
オメガにとってイレギュラーな対応は
他性よりも難しいものです。
ヒートあけでめまい持ちな受様が
大丈夫と唱えて落ち着こうとしていると
攻様が店の一角に椅子を出してお茶を提供してくれます。
攻様と話したのは初めてでしたが
攻様は店主としてたまに来る受様を覚えていて
穏やかに話しかけてくれますが
受様はなぜかそわそわしてしまいます。
そんな話をしているうちに電車の運休が決まり
受様がこれからどうするか悩んでいると
攻様は店の3階に泊まっていけと言いだし
受様は突然の申し出に驚きますが
攻様も自分の話があやしげと思ったようで
アワアワしてきてそんな攻様をみた受様は
厚意を受ける事にします。
"乗りかかった船"と言いかけた攻様が
"同じ船に乗った"と言い換えた言葉は
受様に安心をくれて・・・
雑誌掲載作をまとめての書籍化で
アルファの書店店主とオメガの会社員のオメガバースです♪
オメガの父とアルファの母の間に生まれた受様は
アルファの兄に守られて育ちます。
受様は自分が傷つくことで家族が傷つき
さらに受様が傷つくと過保護な状況に甘んじていますが
受様はかなり鈍いのは
たぶんこんな家族環境にも起因しているのかな。
それが悪いというのではなく体質的な制約をもつ
オメガとしての防衛本能だろうと思うのです。
ただ最初から受様に身体共鳴を感じていた攻様にとっては
とてももどかしく難儀なことだし
攻様自身もオメガよりも強者であるアルファの性に
大きく傷ついた過去があって
攻様のトラウマを知る友人や受様を心配する兄を絡めながら
2人が少しづつ近づいていく様子にワクワク&ドキドキ
とても楽しく読ませて頂きました。
アルファであるために、オメガであることを
相手への武器としないために
貴方を優しく包み込んでいこうとする2人の生き方が
とても素敵だなと思いました。
帯に大きく書かれた「執着」を思わせる和巳の表情にすごく惹かれました。
でも彼はそれを剥き出しにはできない葛藤を抱えているし、アルファとオメガだからすんなり関係が進むとも限らない難しさもあったりして。
基本和巳はすごく優しくて波止を心から思い遣ってくれる人なので、そんな彼が執着心を見せているというところからも"愛"が感じられるのが素敵でした。
和巳だけではなく、波止も本当に優しくてすごく心が綺麗な人。
自分のツラさよりも和巳の苦しみに目を向けられるところに、彼自身の人の良さが表れています。
どう進むべきか悩んでいる和巳に寄り添って
『きっと大丈夫』だと言った波止の笑顔が本当に綺麗で。
アルファとオメガの本能の部分をこえて惹かれ合うふたりを、心から応援したい気持ちになったのでした。
シンプルなストーリーではあるけれどそれぞれの表情から伝わる想いがたくさんあり、
彼らが語る言葉だけでない部分にものすごく引き込まれました。
早寝電灯先生の世界観に存分に浸れて、本当に幸せでした。