何それ愛かよ

nanisore ai kayo

何それ愛かよ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神13
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
73
評価数
16
平均
4.6 / 5
神率
81.3%
著者
ろじ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784829687178

あらすじ

「上辺しか見ずに愛だとか言われても」

日々を作り笑いで過ごす会社員の飯田は、同じく作り笑いの吉田から花屋経営に誘われる。
腹の内を探り合う中でお互い本音を漏らし始め、気づくと一番に思い出す人になっていた。
二人の関係に答えがないまま女性と近づく飯田に、吉田は思わずキスを仕掛けるが……。
ノンケ同士、恋愛対象外、無意識な独占欲の先に、二人が求めるものとは――?

表題作何それ愛かよ

花屋経営者、27歳、山村碧の高校の同級生
会社員、27歳、山村碧の大学の同級生

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき
  • カバー下:小学生の飯田/小学生の吉田

レビュー投稿数6

No Title

2人の話が始まった時はどう着地するのかしらってハラハラしたものだけど本音を見せられない人達が自分達の形を見つけるまでの過程がすごく良かった。大人になればなるほど頑なになるから、それをこじ開ける人と出会えたことは幸せだよね( ´˘` ) 2人のこれからも楽しみ

0

最後の最後になって効いてくるタイトルの意味

こんな難しい話をストーリーとしてよくぞまとめあげたなと驚きました。

難しいというのは内容そのもののことではなくて、感情と感情のぶつかり合いとか、腹の内の探り合いとか、会話の裏読みをするとことか、相手の出方を伺うとか、そういうこと。一筋縄ではいかない2人の駆け引きがとても巧みで、セリフ1つ1つとってみても、センスの良さがキラリと光ります。

飯田と吉田のハブVSマングースみたいなシャーシャーとした会話は、聞いてて胸がチリチリしますが(笑)、小気味の好いカウンター合戦がすんごく面白い。
"ああ言えばこう言う"のスタンスを貫く負けん気の強い2人は、反発し合ってるように見えて、実は似た者同士の相性良しコンビです。なんてことない日常のやりとりの中に、BLの萌え香を強く感じさせていくのが堪らんでした^ ^


心理戦の攻防は作中いっぱい出てきますし、返し方によっては意地が悪く見えちゃうところもありますが、何だかんだいつも側にいるのが普通になってる関係性がとても素敵な2人です。
時おり会話の中に見える、自分の未来にはお前がいるんだぞ、と匂わせる無自覚な想いが、最高にクる。いつも隙のない会話をしてるのに、本音がポロッと出てしまうやらかしが最高です。
ささいなシーンだけどニヤニヤいっぱいでした( ´∀`)


思わず目をひいてしまう面白いタイトルですが、一番最後の吉田のセリフにかかってるんですね、これ。
何気ない会話の延長線上にある「何それ」のセリフが、読み終わってみるとめちゃくちゃ沁みました。どんな想いでの、どんなシチュエーションでの"何それ"なのか、最後まで読んで確認してみて下さいね^ ^

「愛」という言葉を直接的に使わずとも、伝わる愛のカタチがある。そんなストーリーの余韻に今も浸っています。

0

愛だよ!

『青と碧』スピンオフ✨

ろじ先生は言語化がお上手な印象があるのですが、こちらの作品は特にそのように感じました。

とことん"なぜ"を突き詰めて、言語化して...一歩を踏み出したその先には確かな愛がありました。

家族含め周囲が自分のことをどのように捉えているかという点において、自分が思っている以上にちゃんと分かり合いたい相手だと思われていることもあるかもしれないですね。
結局は自分がどう感じるかが行動の指針だし、そこはどうしようもないところかもしれないけど、ちょっと踏み出してみると新しい景色が見えてくる可能性だってある。

吉田くんの「大げさくらいでいいんじゃん?過ぎてからいい時間だったなって気づくのはむなしい」という台詞がとても胸に刺さりました。

0

愛なんだろうな、間違いなく

青と碧のスピンオフ、2人の高校時代の友達である吉田と碧くんの大学時代の友達である飯田くんの大人になってからのお話です。

そもそもこの2人どうやって出会うんだろうと思っていましたがキューピッドは碧くんでした。面白い組み合わせになるだろうから出会わせた2人が想像もつかなかった方向へと進んでいく感じがまさに化学反応みたいできっと相性が良すぎるんだなぁと。

人の心を煽るのが得意で自分の本音には鈍感な2人が恋人になるのか…??と半信半疑で読み進めたのですが、最後の「何それ」のセリフの後にはタイトル回収以上に強く愛だろ!と言いたくなりました。

いわゆる恋人のような甘さがなくても自分の人生を彩る必要な存在だと思ったらその相手には愛が芽生えているのだと思います。吉田が花は生活必需品ではないけど生きるためには必要なものと思っている上で、そんな花に飯田くんが似ていると思っているシーンでそれをとても感じました。

甘々可愛いものを求めている方にはちょっと物足りないかもしれませんが、2人が相手に心を許して距離感に変化が生じているのはものすごく伝わってきてとても心がソワソワする作品でした!
読み返すごとに感じ方が変化しそうな気がするのでまた読みます。

0

ぶつかり合いから生まれる無自覚で自然な関係性

『青と碧』のスピンオフ。
碧の大学の同級生で、恋愛に本気にならない・飯田(メガネ)と、
碧の高校の同級生で、空気を読むことを優先する花屋・吉田が、
碧がきっかけで関わるようになる。


家庭の背景から、本心を隠し、
感情や弱さを見せないという共通点を持つ2人。

相手の本心をぶつけ合うようなバチバチの会話が繰り広げられながらも、
徐々に縮まっていく距離感が、
無自覚すぎて、でもあまりに自然で、
確かに特別な存在へと変わっていく関係性に思わず萌えてしまう。

ノンケ同士だから、男同士の恋に不慣れな曖昧さを感じつつも、
恋の駆け引きというテンポ感が随所に見られて、
本能が導くようなキスが最高!

吉田の探りを入れる態度や、共同で進める花屋の仕事を通じて、
閉ざされていた飯田の人間関係の価値観が、
本当の自分や他人を見つめ直しながら変化していく様子が見逃せない。
その変化していく飯田に触れることで、
花と愛する祖母だけで安定していたはずの吉田の世界にも揺らぎ始める、そして、
募っていく飯田への独占欲がまたポイント高い。

2人の内面の動きが丁寧に描かれて、
進展は急すぎず、緩やかに、
お互いの前でしか本心をさらけ出せず、
深く踏み込めるのもお互いだけという
それぞれの感情にじっくり寄り添える作品でした。

2

もう何このセンシティブ!!!ノンケBL最高です❤︎

先生のXであげられてる時から
大好きで読んでましたが
コミックスで今回読み直して
こんなに刺さる話だったのか…!と。
周りに人がいるのに、涙が出てきて
久々にヤバかったです。
なので、うまくまとめてレビューできるかどうか自信はないのですが。

まず改めて、ノンケものの良さを感じたことを
お伝えしたい。
どっちも恋愛対象は異性なのに
そこから恋愛感情が芽生えるって、
見た目ではない性的でもない、
入り口は未知の領域なんですが
本作では、それが自然且つエモーショナルに描かれていて読む方を引きつけて放しません。

特に言葉以外で表す心理描写に
とてもセンスを感じます。
人ってこういった反応するよね、の
イメージの解像度がエグくて
そこにキャラの性格もしっかり乗って
読んでるとワクワクしてくるですよね。
ストーリーの面白さに加えて、
そういったところも、ろじ先生作品の魅力のひとつなんじゃないかな、と思います。

そのストーリーについて。
今回の2人はノンケ同士ですけど、
身近な親しくしてる友人にゲイカプがいるんですよね。(今作のスピン元となった「青と碧」の2人)
それが多分、彼らの価値観を変えてくれるのに
一役買ってるのかな。スピンの良さというか、
設定の妙を感じます。

でも、それだけじゃ普通は同性に特別な興味が向かない。
そこの詳細をコミカルに、ドライなぐらいに淡々と描かれている、そこがとても良い。
上でもあげましたが、なんというか心理描写が説明調にならず
必然の結果のように行動が変わっていくことで心情を伝えられているんですよね。
無理矢理に展開していく感じが一切なく、
クセつよ同士でノンケ2人のBL展開が描かれる紆余曲折の面白さ。
ぜひ読んで堪能していただきたい。

作中で、吉田くんが飯田くんに
「分からないけど、分かるよ」と言う場面があります。
2人は、境遇は違えど生き方が似ているんですね。
飯田くんは周りから押し付けられるレッテルに辟易する日々
吉田くんは度重なる転校で目まぐるしく変わる環境に順応していく必要に迫られた子ども時代があり、
その結果、何よりも先に周りを読むことで
自分の行動を決めるようになっていました。
それは、社会人となったら普通に必要なことなんですけど
本音は2人ともずっと寂しさや、周りと違うといった孤独感を感じていて、そのことを消化できずにやり続けていた為に、
今では(それを感じなくて済むように)感情的になることを避け、
他人と深く関わらずに、本音をはぐらかしてばかりいるようになってしまったんですね。
所謂、『本音と建前』の建前ばかりが上手くなっていって、
その実、自分の柔らかいところを誰かに預けたりして、それが裏切られるのが怖い。
そのために本当の気持ちと怖くて向き合えなくなってしまっていた2人。

そんな2人がひょんなことから出会うわけですが、
第一印象が、お互いの作り笑いを見破るという、面白くなってきたなーと2人を引き合わせた碧くんグッジョブな展開から始まります。

そして、同族嫌悪とまでは行かなくても
お互い、まるで自分を見ているかのような相手の痛いところを突き合う、
そして、お互い一歩も引かない合戦が始まるという笑。

似たもの同士とは言っても、吉田くんの方が素直でバイタリティがある感じなのかな。
直ぐに飯田くんに対して興味を持って、関わろうとしていきます。
吉田くんのそういった健全さは、生来のものでもあるし、それを見守ってくれてた、おばあちゃんの存在が凄く大きいのかな、と思います。

彼のポテンシャルはまだまだこんなもんじゃない、という風なことを先生も仰っていましたが、
拗れ具合が凄い飯田くんと、このポテンシャル吉田くんの組み合わせは、ほんとお似合い。
コミカルでいて、衝動的に感情が迸るエモさ。
なんて素敵なこのやりとり❤︎最高ってなるはず。


吉田くんと、おばあちゃんの話は泣けちゃいました。私も子供がいるから分かるんですけど、
子育てに必要だからというのもありますが、本人が気付いていないところまで、気付いてしまうし、必要なら言葉をかけてあげたくなるんです。
それは、ほんと愛って部分だと思うんですけど。

そんな風に、吉田くんが平気なふりをして本音を隠す度に、それを止めてくれる人がいなくなってしまった。
そう思った吉田くんが、飯田くんと出会って
どんなに嬉しかったか。(その時は無意識でも)
それは飯田くんもきっと同じで。

書いてて、また泣きそうなんですけど、
本来の吉田くんは、もっと素直な人なんでしょうね。飯田くんもそれなりに…これからも続くお話で、剥かれるようにして少しずつ素直な彼らが見られるのを楽しみにしてます。

ろじ先生作品は、エチは基本描かれないですけど、それは今作でも同様で、
でも、想いを言葉にするエモさ、
2人が自然とキスする場面も多めで
めちゃくちゃトキメキました。

レビューではなく既に感想になっていて
申し訳ないんですが、
読むと言葉にならない気持ちになって、
そのことに心を温められるような
素敵なお話です。おすすめです〜!


3

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

漫画(コミック)

人気シリーズ

  • 買う