「ずっとこの腕に触れたかった」性指向に悩むクールイケメン×友達思いのポジティブ男子、寮で芽生える友情を超えた純愛

鳴かぬ蛍は青に焦がれる

nakanu hotaru ha ao ni kogareru

鳴かぬ蛍は青に焦がれる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神95
  • 萌×228
  • 萌10
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

126

レビュー数
15
得点
618
評価数
135
平均
4.6 / 5
神率
70.4%
著者
仁嶋中道 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
&.Emo comics
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784796417099

あらすじ

「なあ青凪、俺を好きになってよ」
高校で寮生活をする宇佐美は、ルームメイトで親友の青凪に密かに想いを寄せている。
青凪は明るく大らかな性格で、宇佐美が誰にも言えない秘密を抱えて悩んでいた時に励ましてもらって以来、『特別』になった。
しかし、青凪には最近初めての彼女ができ、隣にいる宇佐美は心がざわついて仕方がない。
この気持ちに気付いてほしい、でも関係を壊したくない…そんな複雑な感情の狭間で揺らぐ宇佐美だが、
彼女が青凪の腕にある先天性の大きな痣を気にしていることを知り――?

性指向に悩むクールイケメン×友達思いのポジティブ男子、寮で芽生える友情を超えた純愛

表題作鳴かぬ蛍は青に焦がれる

高校生
高校生

その他の収録作品

  • 描き下ろし「宇佐美のハッピーホリデー」
  • カバー下漫画2P

レビュー投稿数15

まぶしいアオハル!

高校の寮のルームメイトで親友の青凪に密かに想いを寄せている宇佐美。青凪に彼女が出来て内心穏やかではない日々。青凪には先天性の大きな痣が腕にあって、彼女がそれに否定的なのを知り気持ちが抑えきれなくなってしまい…。
若い頃は見た目で判断して人の目が気になるから彼女の気持ちもわからなくはない。でも他人の視線なんてどうでもいい位青凪を好きだって言い切れる宇佐美の想いの方が断然強かったし、それに青凪が呼応していくのもすごく自然な流れ!
「同じ好き」を確かめ合い触れ合っていく2人が眩い。アオハルだ〜!

0

大人な高校生たち

高校の学生寮でルームメイトになる宇佐美と青凪は2年から仲良くなります。そのきっかけは宇佐美が部活を辞めたから。
顧問の先生が結婚したことでもう部活を頑張れないと話している時に宇佐美はうっかり自分がゲイであることもルームメイトの青に言ってしまいます。でも青凪は「あっそうなんだ」と一言。青凪の右腕の異所性蒙古斑に宇佐美が気持ち悪いと思わないのと同じだと伝えてくれます。
その1話を読んで、このふたりの恋愛物語はきっと素敵だろうなと思い購入を決めました。

物語は思ったよりも簡単にはふたりを両想いにしてくれません。ゲイの宇佐美はだんだんと青凪を好きになっていきますが、青凪にはじめての彼女ができます。
自分の好きだという想いに気づいてほしい反面、親友としての関係を壊したくないと思いつつ、青凪の彼女に嫉妬していきます。
彼女もいい子っぽいんですが、青凪の痣を気にしていく様子が描かれます。思春期ならではの周りからの眼が気になる彼女。その様子が許せない宇佐美。自分がずっと可哀想と思われ不躾な視線を向けられてきた青凪は、今まで気にしていなかったのに腕を隠すようになってしまいます。

他人と違うことや見た目などで受け入れられないも差別もする人もいますが、なんでもないふりして実は気にしている人もたくさんいます。ましてや高校生です。周りの目が気にならないはずないんですよね。
「気にしてなきゃ傷つかないってわけでもねーだろ」と言った宇佐美の言葉は、彼がゲイであることで長い間傷ついてきたんだな、だから気づけるんだなと感じてとても切なくなりました。
そんな大人の宇佐美なので青凪の彼女に正論をぶつけていきますが、そのことに対してちゃんと考えて答えを出した彼女もすごく成熟している子です。なかなか大人でも認めることができないことだと思います。
仁嶋中道先生の描くキャラって立派な人が多いとこの作品でも実感しました。

彼女と宇佐美が話したことによって振られた青凪に対して、好きだからとキスをしてしまう宇佐美。そこからふたりが付き合って同じ「好き」になるまでバタバタと物語が足早に進んでいきます。
たぶんふたりが同じ「好き」になるのに時間があまり必要なかったのは、それまでのふたりの互いへの思いやりや行動に言葉、過ごしてきた時間で十分だったのではないでしょうか。改めて恋愛だと気づけたきっかけが彼女との話し合いだったのかもしれません。

仁嶋中道先生のメッセージ性の高いセリフや行動は今作でも胸に響いてきました。これからも何度も読んでは考えさせられる作品になっています。

2

これぞ純愛

王道なのですが、二人の感情の揺らぎや変化が
丁寧に描かれていてとても沁みました。

高校生の宇佐美は寮のルームメイトで親友の青凪に片想い中。
けれど、青凪には恋人がいて…。

一見ありふれた片想いBLなのですが、
青凪に生まれつき目立つ痣があってそれがコンプレックスだったり、
宇佐美がカミングアウトにトラウマがあって青凪以外には言えなかったり、
事情は違えどそれぞれが周囲に理解されづらいしこりを抱えながら生きています。

青凪は彼女もちですが恋人とは清いお付き合いのままなので、
攻め受け以外との絡みありが地雷という方もギリギリセーフだと思います。

物語は宇佐美視点で綴られてゆきますが、
青凪に彼女ができてからも諦めきれずに想い続ける宇佐美が
とにかく健気で胸を締め付けてきます。

そんな宇佐美の気持ちに気が付かずに無邪気に“親友”として
信頼する青凪の罪深きことよ…。

けれど、宇佐美の行動によって彼女と別れることになってしまった青凪。
はじめは単純に疑問だけだったのが、宇佐美が自分を好きだと知ると、
じわじわと絆されてゆきます。

そこから宇佐美が陰ながら自分を大切に想っていたことを知り、
そんな宇佐美の優しさに惹かれてゆく自分を自覚してゆき、
宇佐美に気持ちを伝える青凪。
随分あっさり両想いになっちゃったな…流されてない?と思いきや、
ちゃんと「まだ宇佐美と同じぐらいの感情かはわからない」
「これから宇佐美のほうを向いて変わってゆく俺を隣で見ていてよ」
と続く台詞に青凪という青年の誠実さを感じました。

たしかに彼女と別れたばかりのくせにいきなり100%の好きって
逆に信用できないし、だからこそ、正直に言葉を尽くして伝えてくれる
青凪に本気の愛情を感じました。

恋人同士になってからも手つなぎからスタートしてゆっくりと
関係を深めてゆく二人がピュアピュアで愛おしくて可愛すぎました。
本編では最後までは至っておりませんが、
それでも満足できちゃうくらいにピュアで甘くて至高の純愛でした。

1

とても丁寧な心理描写が刺さる

ゲイである自分に密かにコンプレックスを抱いている宇佐美と、生まれつき腕に青アザがある事で、直接的な偏見だけでなく、間接的な偏見にも遭ってきた青凪。
密かに青凪に想いを寄せている宇佐美ですが、ゲイでは無い青凪に仲良く過ごす以上の関係にはならないでいます。
そして青凪には付き合っている彼女が居るんですが、この子の存在が2人の心を凄く揺さぶるんですよね、、
女の子が出てくると、どうしても女の子が敵みたいな感情が出てきてしまって、読んでいる私も気持ちがザワザワしたのですが、、
結局、青凪と彼女は別れてしまうんですが、それに至った過程の気持ちの表現がとても繊細で、そして最終的にはその彼女は青凪のアザに対しての偏見を感じていた事への後悔の気持ちなど、キチンと表現してくれていて、女の子に対しての不快感は無くなっていました。
青凪にとって、気楽に話せる貴重な相手が宇佐美だという気持ちに気づいてからはとても丁寧に2人の間を縮めて行くのが高校生らしく尊い関係に思えました。
作中で、2人の気持ちをリセットして心が晴れ晴れした様な場面があったのですが、洗剤を手に持った2人がその洗剤の容器で乾杯!ってやるシーンは可愛すぎて痺れました。
挿入はないものの、2人のイチャイチャする場面もとても不慣れだけど、大切にしたいという気持ちが溢れていて繊細な作品の質をより高めてくれたと思いました。
仁嶋中道先生の作品の中でもとても青春を感じる1冊になっていると思います。

3

この作品に出会えて2025年の目標がひとつ決まりました!

自分に合いそうな作家様としてお薦めしてもらった作家様です
新刊から拝読させて頂きました
教えてもらって本当に良かったです!
そして先生の他作も順に遡って必ず読もうと、新年早々今年の目標がひとつ決まりました!!

キャラの内に生まれる感情をとても丁寧に時に正面から、時に少し距離を取って掬い上げて描かれる作家様だと思います

台詞やモノローグ、そしてキャラの表情や指先や体に走る緊張などを絵で魅せる上手さがとても素晴らしかったです

キャラの見せる気遣いや少しの臆病さが”卑屈に見えない描かれ方”がすごく好きな描写でした
前向きさを感じさせてくれるキャラの言葉や行動は、彼らを通して気付きや元気を貰えます

とても素敵な1冊から新年を始められました(*´▽`*)!!!

4

タイトルもストーリーもエモい、繊細なDKたちの「今」を描いたお話!!

高校の寮のルームメイト同士。

青凪と宇佐美は、それぞれ抱えているものがあった。

青凪は、生まれつきの異所性蒙古斑。
宇佐美は男が好きで、部活の顧問を好きだったが、失恋を機に辞めてしまったこと。

宇佐美は、失恋で辛かったときに青凪の対応に救われた。
そして、青凪のことを好きになっていったが、青凪には彼女ができてしまい、、、
というお話です。

この彼女が、青凪の異所性蒙古斑が周囲からどう見られてしまうのかその視線を気にしていて、デートのときは隠してほしいオーラを醸し出すわけですが、、、

対して、宇佐美はそんなことを気にすることもなく、普通に接しているため、青凪もいつしか宇佐美の隣は息がしやすいと感じるようになります。


この年頃って、まだまだ周囲の視線とか気になる時期なので、気にしないと言っても本音のところは違ったりして、とても難しい問題です。
いや、まだまだ大人でも難しいかもしれません。


けれど、宇佐美の青凪への想いは真剣なもので、男とか女とか関係なく、相手を大切にしたいという強い想いが今度は青凪を救ったわけで、、、


まあ、花火大会前に青凪の彼女を呼び出し、本音に気づかせた宇佐美の独占欲強強エピソードは、暴走しすぎたちょっと狡いアオハル感ありましたが、、


ラストでは、自然な流れで収まるところに収まった二人が、二人のカタチで幸せになってくれて、とても良きでした。


とても読みやすく、すぐに物語の世界へ没入できたお話でした。

0

ずっと見守っていたい

高校の同級生で寮のルームメイトでもある宇佐美と青凪のお話です。

青凪に片想い中の宇佐美が青凪と彼女の仲を応援できないと思いつつも、邪魔をせずに見守り、青凪のために彼女に物申すところに好感が持てました。

彼女に振られて、宇佐美に告白されてと青凪からすれば怒涛の展開だったにも関わらず、宇佐美の告白を受け止めて返事をする青凪が格好良かったです!

少しずつ触れ合っていく二人の初々しさが可愛くて、これからもずっと見守っていたいです!
続編希望です!

ebookは白刻み海苔修正でした。
キス、抜き合いまでで初夜はありません。

2

No Title

ゲイで内側に悩みを抱える男子高校生と腕にアザがあり、自分自身は気にしていないけれど周りの意見を優先して自分の心を押し潰してしまう男子高校生の甘酸っぱい恋愛が描かれています。ふたりの関係性、お互いへの思いやりが詰まった作品です。ぜひ読んでみてください

1

【なあ青凪・・・俺を好きになってよ(宇佐美)】 


エロス度★

おやおやおやおや。泣けるほどに尊い青い時間の恋が刺さりますね。

宇佐美と青凪が紡ぐ祝福の恋物語・・・開幕。寮で芽生える友情を超えた純愛・・・なんと心に響く素晴らしさなのでしょうか。

青凪に片想いする宇佐美の心情がとても切なさMAXで、彼に好きになって欲しい想いや青凪に彼女ができてしまった苦しさ・・・さらに、青凪が腕の痣のことで蔑ろにされたり誰かのために我慢している姿に憤り・悔しさを感じている姿がたまりません。

友情の距離から特別な距離に変わっていく2人の軌跡に胸がいっぱいになりました。

1

普通とは?

初めて、仁嶋先生の作品を読まさせていただきました。何かという、リアルでとても難しく、でも、儚いそんな作品だと思っております。無意識誰かも傷つけてしまうことが有ると思います。でも、分かってくれる人を大切にしたい。私は、この作品を観て学ばせてもらったように思えます。喜怒哀楽の表情がとても豊かでめちゃくちゃ可愛かったです。この2人の続きが見たくて仕方ありません。いつか、この作品がメディアミックス化になる事を期待しております。

2

いい話なんだけど…、難しい問題

仁嶋先生の作品は毎回テーマがある。
今作は、外見とセクマイについて。

(青凪くん)
[外見]っていうのは右腕の生まれつきの青アザ。親御さんの育て方のおかげで本人は自分の個性として受け入れていて気にしてないんだけど、たまに周りからの反応に傷付けられている。アザがあって可哀想とか一緒にいると人からの視線が気になるって思われたり。

(宇佐美くん)
[セクマイ]は、自分の恋愛対象が男性である事を友達に打ち明けたら拒否反応。関係が悪くなってしまった過去から人との距離感を置くように。

そんな2人がお互いの特徴をすんなり受け入れられた事から仲良くなるんだけどね、宇佐美くんは友達以上の感情持ってしまうんよ。
なのにさー、青凪くんに彼女が出来てまうんだよ。宇佐美くんからしたら寮の同室に片想いの相手がいて、青凪くんの彼女がデート写真をSNSに挙げてるの嫌なのにチェックしてしまう日々って辛すぎん?

話は変わるけど
アザに対しての人の反応に関しては難しい部分ある。
きっと街ですれ違う人がアザがあったらどうしたのかな?って見てしまうと思う。そこでジロジロ見たりあからさまに目を逸らしたり気持ち悪いって口に出したりするのは、もちろん失礼な事だと思う。

宇佐美くんは、他人のアザへの反応に時にはムカついて喧嘩ふっかけたりするんよ。アザを隠して欲しいと思ってる彼女に対しても凸っていくし。

アザの理由を知ってたらそういうもんだと受け入れるけど知らない人はやっぱりそれ相応の反応すると思うんよ。ありのままで受け入れられる世界がそりゃいいんだけど、みんながみんな優しい世界じゃないもの。だから、自分は気にしてないけど配慮として隠すって行動取る場合もある。女の人の化粧もある意味同じじゃない?オシャレの意味での化粧もあるけど、素顔の見苦しさをチェンジさせるためにしてる部分もある。
うーん、難しい。

お互いありのままの自分を受け入れてくれる存在な宇佐美くんと青凪くんはとても居心地がよくて、恋愛の意味で好きだと宇佐美くんに告白されて戸惑ったけど、受け止めた青凪くん。
なんでかこの2人10代の若さゆえの甘酸っぱい恋愛に思えてしまった。この2人はずっとは付き合わないんじゃないかなって。
宇佐美くんの気持ちに青凪くんが流されて絆されて付き合ってるように思えてしまったからかな?

紙本で購入
太めの白線修正

1

彼らの歩む道をずっと見守りながら力を貰い続けたい

「愛追うふたり」から入り「俺のポラリス」を拝読し、過去作遡りを開始した大好きな作家様です!
今回は先生の初コミックス「キミドリ」以来の高校生同士作品との事、楽しみにしていました!!
とても嬉しい・・・♡

更にDKというだけでなく寮生活をしていて+ルームメイトの2人です
学校の中と部屋の中の2人
彼らの距離感の変化がすごく丁度いいです

じっくり行くところはじっくり、飛ばして行くところは適度に時間を経過させて・・・と創作物だからこそ出来る構成の妙を冴え渡らせながら伝えるべき事を伝え切ってくれます

宇佐美の部活や青凪の恋愛事情、同級生の存在や見知らぬ街中の他人
四六時中一緒に居る彼らの日常の中で生まれるエピソードを重ねていく事で、物語に幾重もの層が積み上げられて1冊の彼らの恋の物語が完成しています

本当に読み易い
いつも実は感じるのですが、先生の作品は「読んでる」という感覚よりも「流れて来る」「沁み込んで来る」という印象が強い
なので気負わないで手に取れるのにすごく心に残るんです

毎回満足度が高いのですが、だからこその願いがあって・・・
それは是非続きものでも先生の作品を読んでみたいという事
特に今回の宇佐美と青凪は高校生!!
その上すごく将来が楽しみな2人です

彼らがどんな大人になって行くのか?を見守らせて欲しい!
そして彼らの成長を養分として私も日々を重ねていく為の活力を貰いたい・・・!という希望をお伝えしたいです♡

そう言えば!
冒頭で触れた「キミドリ」の後日譚が配信されている模様♪
いつか来るかも知れない?!続刊の前哨戦として是非楽しませて貰おうと思います♡

仁嶋先生を浴びまくれる喜び!
最高です(*´ω`*)

5

リアルが沁みる想いがここにある

高校生たちの等身大の姿、等身大の素直な感情が沁みるストーリーに圧倒されました。゚(゚´Д`゚)゚。
幸せに満ちた温かい気持ちや、心の奥にチクチクと刺すような気持ちの描きがとてもリアルで素晴らしい。物語に吸い寄せられるように読み入ってしまいました。


主人公2人はどこにでもいる普通の高校生。普通に学校に行き、普通に友だちと遊び、普通に人を好きになる。私たちと同じ世界線に生きている男子たちです。
いわゆる"普通"と違うのは、宇佐美はゲイであること、青凪は腕に大きな痣があることくらいでしょうか。
他人の目に敏感になるコミュニティの息苦しさは、自分がその当事者になってみないと分からない部分もありますよね。宇佐美も青凪も、隠すべきものを背負っているという点では似た境遇にあります。
他人からの目を気にする環境に身を置く彼らですが、高校生という多感な時期。それがどれだけ辛く苦しいことか想像に難く有りません。

ありのままの自分でいたいし、そんな自分を受け入れて欲しいと思うのは誰もが思うこと。他人の普通に自分を当てはめてしまう、または当てはめさせれることは、自分の存在が否定されているようですごく悲しいですね。
宇佐美と青凪は窮屈な世界で出会いはしたものの、お互いに理解し合える関係を築いていきます。自分が引け目に思っていることを、何でもないことのように自然に受け入れてくれることがどれだけ嬉しいか。救われるか。……そんなささやかな思いが2人から伝わってきて、胸を熱くさせました。


友情関係に恋愛感情も入り混じり、話はより複雑になっていきますが、そこがこの作品の見どころの1つ。高校生ならではのリアルな感情に揺さぶられました。
自分の好きな人を蔑ろにする"彼女"の存在に怒りを覚えたり、嫉妬したりの感情は決してきれいな感情だけではないけど、こういう黒い感情を全面に出すことも、リアルな世界の描きに繋がっていると思います。人間くさい宇佐美の思いは、私は嫌いじゃなかったです^ ^

2人が親友からその先へと進むその関係性の歩みがすごく良かった。むしろ良すぎてウルッときちゃいました。
お互いの温もりに居心地の良さを感じる触れ合いにジンワリ…。彼らが幸せに包まれた姿がひたすらに尊く、いつまでもこの余韻に包まれています。

2

温かさ、清らかさ、強さが心に満ちる読後は至福に包まれる1冊です(*˘︶˘*).。.:*♡

大事に読み続けてる「愛追うふたり」以来の仁嶋先生作品です
今回はあらすじを読んで拝読したくなりました
読後の今、想う事は、、、
仁嶋中道先生がBLを描いて下さっていて良かったです.゚ .(´∀`*). ゚.
という事に尽きます

あらすじを読んで気になった方ならきっと満足される1冊だと思います‼

高校生としての不安定さも感じさせながらも、しっかり芯のある人間性を根底に信じられる宇佐美と青凪(あおなぎ)
2人それぞれ他人には分からない、もしかしたらまだ自分自身でも処理して全ては受け止めきれない、、、そんな内包してる想いを抱えています

ーー宇佐美は性指向、青凪は腕にある生まれつきの痣ーー

一言で「コンプレックス」と端的に言ってしまえばそうなのかも知れないけれど、何となく2人は「本来は悩む事ではないはず」「普通の事なのに」と自分自身は思っていると思うので、彼ら自身はその事自体は「コンプレックス」とは思っていない、思いたくないのだと思うのです
そう想える彼らの強さ…それは元からそうだった訳ではなく、きっと少しずつ「強くなっていった」んだと思える丁寧な描写で宇佐美と青凪の清らかさが伝わります

だけど「周りの目」は無視し切れない
しかも自分に向けられてる周りの目自体が気になるのではなく、自分の側に居る人が向けられる事で側に居る人を傷付けたくない、、、という他者への慈しみから来る悩み、、、

彼らの芯の強さの元が「優しさ」である事が眩しく、美しく、そして切ないです

そんな2人が自分の気持ちと相手の気持ちを大事にしながら手繰り寄せていく「自分らしく居られる場所探し」の過程がとてもエモーショナルです
煽ってくるような演出過多ではなく、その過程そのものが彼らの感情をしっかり乗せている行動に裏付けられている信憑性があるからこそ、気付いたら心を奪われて見守りそして心を動かされているような誘因力が作品にあります

辿り着いた「同じ好き」のある場所
ずっと2人がこの先も幸せに清く強く歩んでいって欲しいと願っています

丁寧で繊細な…文字で語ろうとするとややこしくなってしまうような、、、そんな機微を「漫画」という手段で表現し切っている素晴らしい作品でした

またひとつ、自分の心が動くのを感じられる素敵なDK BLに出会えました(ღ˘͈︶˘͈ღ)


苦手な方もいるかも知れない展開があります
但しネタバレなのでコメント欄に残しますので、もし必要な方が居たら覗いて下さい

少し小難しく見えるレビューになってしまいましたが、作品のトーンはそんなにシリアスではありません!
適度に場を和ませてくれる同級生や動物の存在が温かいです
すごく真摯なBL作品で、丁寧な作品を読みたい方にピッタリだと思います


修正|最後までは致しませんが兜合わせまであります 白短冊修正で何気に可な修正でびっくりでした

7

チル76

作中にストーリーそのものに関わる女性キャラの存在があります
ここから以下ネタバレです↓




受けの青凪の彼女としての存在なので苦手な方はご注意を
彼女自体の作中での扱いは故意に分かり易く「悪」「邪魔な存在」として描かれては居ないと思いますし、キャラもある意味凄く年相応のJKだと思います

主観ですが、「女性」という事に拘らなければ作中の大事な感情を刺激してくれる存在として必要だと思う扱われ方として、自然と受け入れられるような役割を担ってる、と感じられるかと思います

切なさ、甘酸っぱさ…青春の香り(+柴犬)を胸いっぱい吸い込んだ

うああ……仁嶋中道先生の新刊、切なくて、優しくて甘くて最高でした…

ちょっと気持ちが昂っているので、レビューが長くて読みづらくなってしまうかもです;ご容赦ください。。


ルームメイトの同級生を好きになった攻め視点の、切ない片想いと独占欲。
あっあと、+モフモフ柴犬×2匹!! 可愛い…サンマとシシャモ、名前も可愛い。。

一途な攻め大好き、切ないお話大好き!な自分にはたまらなくグッとくるお話でした。
作品の雰囲気を聞かれたら”エモい”がしっくりくるかなあ、と思ったのですが
それだとなんだかちょっと軽すぎるような、、

とてもとても雰囲気のある物語です。

主人公はゲイの高校生・宇佐美(攻め)。
彼は寮のルームメイト・青凪(受け)に密かに片想い中です。
自分がゲイであり、失恋したことを打ち明けた時に励ましてもらってから、
宇佐美にとって青凪は特別な存在に。

しかしそんな青凪はノンケで彼女持ち…
日々インスタを覗いては嫉妬したり、自分の気持ちに気づいて欲しくて
思い悩む宇佐美ですが、ある時、青凪の腕にある先天性の大きな青痣のことを
彼女が気にしていると知り、ある行動に出てしまいー

と続きます。


最初、青凪自身が痣のことを気にしているのかな?と思っていたのですが
そうではないところが「おっ」と思ったポイントでした。

この青凪くん、友達思いで優しくてポジティブで、本当に本当にいい子。。
自分が宇佐美でも好きになっちゃうよ!!と思う。

自分では気にしていなくても、付き合っている彼女が痣を(無意識に)
写真に映らないよう隠したりする行動、仕草を見ていてだんだんと自分も
隠さなければいけない気持ちになっていく青凪くんの心情が、切ない( ; ; )

…痣ではないのですが、自分も昔ひどいアトピーに悩んでおり、
人から見られることにとても神経質になって悩んでいた時があって。。

その時の「恥ずかしい」とか、「隠したい」、「消えたい」という気持ちを
さあっと鮮明に思い出して、胸が痛みました。


宇佐美に呼び出され話をしたことで、自分の中の”無意識の差別”に気付いて
恥ずかしくなった、と告白した明石さん(青凪の彼女)。
それを言葉にして謝ることができる勇気、素敵です。

なんにも意識せず、自然に、痣が目に入る青凪の右側に座る宇佐美の姿がまたこう、
グッと胸に刺さる…

宇佐美の言動全てに「大好き」という思いが溢れているのだけど、
それが決して綺麗なだけの感情じゃなく
嫉妬や独占欲も混ざった中での葛藤、青春の恋…なんだかひたすら眩しかった。

お互いの「好き」を擦り合わせるように、宇佐美の宣言した
”毎日少しずつスキンシップ”で距離を縮めていく二人の様子も、
見ていてくすぐったくて幸せすぎて…!!

えち描写はなし、キスしてハグして兜合わせまでのお話ですが、
何一つ文句などなく、幸福感で満たされました。

ちょこちょこ登場してくる柴犬ズが可愛くてもう!!と思っていたら、
青凪の持ってるクッションも柴犬じゃないか!♥•ᴥ•♥
犬好きとしてもきゅんが止まらぬお話でしたよ〜✨

二人が寮に帰ってしまう時の、2匹の寂しそうな顔が刺さりすぎて、
しばらくじーーーーーーっと見つめてしまいました。


そして最後に、タイトルが秀逸だなと!
「鳴かぬ蛍」=宇佐美、「青」=青凪、ってことですよね。

蛍=光、ということで二人の名前の”晃”、”灯矢”にもそれぞれ
晃=太陽&光り輝く、灯=ともしび、光と「光」にちなんだ漢字が使われているのも、最高に最高にグッとくる。


恋の甘さも苦さも酸っぱさも胸いっぱいに吸い込んで
たまらない気持ちになる、最高に素敵な一冊でしたーーー…!!伝われ…!


★修正:白短冊(電子シーモア)

6

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