イキガミとドナー 二人のイキガミ 下

ikigami to donor

イキガミとドナー 二人のイキガミ 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神167
  • 萌×231
  • 萌7
  • 中立6
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
20
得点
986
評価数
211
平均
4.7 / 5
神率
79.1%
著者
山中ヒコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784396785628

あらすじ

【滝編】元官僚・柴田に恋した二人目の戦神

最果てまで逃げても。

柴田と春人の時間から10年。  

柴田をずっと好きだったイキガミの滝は
防衛省を辞めて無気力になった柴田に
情熱をぶつけ、体だけの関係を許された。

そんな滝は春人の存在を知り、苦悩する。
柴田には人生の歩みを
進めてほしいと気持ちを注ぐが、
姿を消されてしまう。

地方を転々と逃げる柴田と、
それをひたむきに追いかける滝。
出会うたびに体は重ねる二人の
旅路の終わりは―――。

ドラマチックSFラブストーリー。

表題作イキガミとドナー 二人のイキガミ 下

イキガミ
防衛省イキガミ班職員(春人のドナー)

その他の収録作品

  • Epilogue「送り火」
  • ショート劇場「10年」
  • イキガミとドナー番外編「もっと早く、もっと遠く」

レビュー投稿数20

ずっと心に残る名作

上巻で滝が言ってた「一歩進んで二歩下がる」この言葉は滝の心を良く表していると思いました。柴田と自分の心の距離は縮んだのか遠くなったのか?凄く不安だったと思います。まだ何も柴田の事を知らされていない滝。
それは同時に柴田も同じ気持ちだったと思います。だから何度も滝の前から姿を消してしまう事で、柴田の心の中の葛藤が伝わってきました。イキガミの情報をリークして彼らをを苦しめていた政府への復讐をしてもなお消えなかった怒り。何人ものイキガミが春人がイキガミとして死んでしまったのに、まだ生きてる自分への怒り。
そんなに自分を責めなくても良いのに、、既に滝に絆されてるのに、、
と、思っていたら反逆を起こしたイキガミの怒りが柴田に向かって…

事の顛末までは書きませんが、

柴田は鬼道に対しても幼い彼に呪いの言葉をかけたことを後悔していたけど、、柴田が思っている以上に鬼道は強いし、そして強すぎるが故に心の機微が分からないのを上手く吉野がサポートしてあげているのがとても微笑ましかった。
そして、急な迎え火の展開。
春人の登場で慌てる滝、そして嫉妬を顕にする春人。凄い展開でしたがとても幸せな時間を描いてくれて先生ありがとうございます。という気持ちになりました。滝の性格がほんと、ジメジメと考える様な事無さそうだから、そういう部分は安心しました。
前作の鬼道と吉野が好きだったので、柴田の話はどんなだろう?と思っていましたが、もう、この四冊全てを読み終えると、過酷な状況の中でも、大切な人のために生きるイキガミとドナーの尊い生き様を読めて本当に素晴らしい体験が出来たと思います。
大切に読み続けたい作品になりました。

0

ふわぁああああ!神作です。書きたいこと多すぎて困る!

(上下巻まとめてのレビューです)
発売直後に読破。相変わらずヒコさんに泣かせられてしまった…。

まずは前作の「イキガミとドナー」(BL AWARD 2021年 BEST ディープ部門7位)を読まれて、イキガミ/ドナーとはなんなのか、主人公の柴田さんがどんなことに貢献してきたのかを理解したうえで本作を読まれることをおすすめします。
つまり「~二人のイキガミ」上下巻は実質「イキガミとドナー」の3巻と4巻です。
その前作でも春人くんがどうなる運命なのかは描かれてたので、本作の上巻は読むのが非常に辛かった。
前作の主人公である吉野くんが、ドナーとして思っていることを柴田さんに告げる場面が一番泣けました。

前作の攻めである鬼道のキャラがほんっとーーーにイイ!しかもスパダリ!大好き!
そして彼を含むいろんなキャラのコミカルさが、シリアス路線で重くなりがちな本作のいいスパイスになっててバランス取れてる。
それに春人くんが良い子すぎて…柴田さんが恋心に戸惑う姿が可愛すぎて…
いろんな意味でやっぱりすごい作家さんなんだなと心の底から確信いたしました。

えrもちゃんとあった!
最後攻めの滝くんがかわいそう、というレビューがいろんなサイトでは多かったけど、私はあの展開好きです。

<注意点>
キツめの殺傷描写アリ(イキガミじゃないおじさんの首が…女性の首が…)

3

柴田さんの魅力がつまっている

柴田さんと彼に恋する滝のお話。

とにかく柴田さんが逃げまくる。滝に身体を許してしまうけど、やはり思いきれないというか、春人への思いを断ち切れないというか。滝が寝ているうちに直ぐに逃げちゃうこと何度か。
滝もちゃんと追いかけて見つけるところは流石。
ここは賛否両論ありそうですが、イキガミとドナーの関係性や、春人の最後を考えると、すっぱり思いを断ち切るのが難しいのは仕方ないというか、柴田さんの人間らしさが出ていて私は好きです。
エピローグも結局は春人には滝は敵わないかも……というラストですが、滝はそれも込みで柴田さんを愛していると感じました。

他の3冊は、割とスターのイキガミにスポットがあたっていますが、いわゆるモブのイキガミが事件を起こします。このモブ達が全然オーラがないのですよ。イキガミは選ばれし者、神様的な扱い(人権は無い)ですが、やはり人間なのだと思いました。そのモブイキガミの悲しさも感じることが出来ました。

全シリーズ通しての感想ですが、この話はBLにした事でより素晴らしくなったと思いました。

2

読み応えの塊

これは……なんとも言えぬ後味ですね。
やはり、政府主導の人権を無視したイキガミプロジェクトは無理があったということか。
一体、どれだけの人たちの人生を狂わせてきたのでしょう。中枢にいて物見遊山なお偉方にはこの気持ちが分かるまい。

イキガミもドナーも使い捨てのコマのように扱ってきた政府め。
あなた方の身勝手な方針や決定の裏には身体を壊し、心を壊してきた多くの"生贄"たちがいる……その者たちにも家族や大事な存在がいて、やりたかったことやしたかったこと、夢を見ていた未来だってあったはず。
国のため、世界のために戦わせ、あまつさえ国のために命をかけた者たちに敬意を払わず都合の良いように死を愚弄する思考の醜さよ。辟易しました。

イキガミはあなた方のために生きているのではありません。それぞれが戦うことの意味を見出し、大義名分のために命をかけています。
そんな崇高な意識すら利用するとは卑しいにもほどがあるし、こんな不条理なことが合法化されてきたというのだから、この国……いや、この世界全ては闇深い。
イキガミは敵国と戦っているけれど、本当の敵は身内の中にあったのかも知れない……そんな思いでいっぱいでした。 


物語の背景があまりにもスリリングな展開で、BLうんぬん置いといてめちゃくちゃ面白かったです。
確かにイキガミたちの不平不満があってもおかしくないと思ってましたので、イキガミたちの反乱はある意味確定事項だったのかも。でも、まさかあんなオジちゃんが……?という驚きはあったけど、彼の家族との問題も絡めた結末はやるせなかったです。
血肉がブシャッとなるシーンもあって、目を覆いたくなる残酷なシーンもありますので、苦手な方はお気をつけて。

……で。
肝心の滝と柴田のラブラブシーンはというと……思ったほど無かった!!
春人も登場して不思議なほのぼのストーリー始まっちゃったりもしたけど、それはそれで面白かったから良しとしました^ ^
青年誌とかでもありそうな面白い設定の作品なので、BL枠に止まらずに色んな人たちに呼んでもらいたいなと思う。すごい構想力です、作者さま。

4巻全て一気読みしたけど、最高の領域でした。
壮大な世界観が素晴らしく、圧巻の読み応えでした。

3

全部じゃなくていい。

※前作『イキガミとドナー』のネタバレを含みます

(上巻のレビューからの続き)

失踪を繰り返すわりに、なんか中途半端に滝を受け入れる柴田。本人は無自覚だけど、滝に甘えきってるんだろうな。滝ならきっと追いかけてくるって、知っているから逃げる。
考えたら、二人にはすでに7年もの歴史があるわけで。滝に想われ続けて、絆される下地はとっくにできていたんですね。
この10年、柴田は復讐に取り憑かれていたようで、やっぱりちゃんと人間らしく生きていたんだなって思います。鬼道のことも、復讐に利用する思惑もありつつ、孤独な彼を守りたい気持ちもあったんじゃないかな(もちろん無自覚で)。あの鬼道が感じ取れるぐらいには、そして滝が嫉妬するぐらいには、鬼道を気遣ってきた。
悲願を遂げたらもう空っぽなわけじゃなくて、この10年で新しく築いたものもある。それが滝や、鬼道や、吉野との関係。
鬼道といえば、前作では「オレ バナナ スキ」レベルだったのに、「今はこんくらい溜まってる」なんてね……成長したよね。グッときたよ、鬼道。

柴田にお店のものを「全部」あげたいと言う滝に、おばちゃんがくれた「うちで一番」のりんご。全てを捧げるんじゃなくて、自分の一番のもの、ただひとつでいい。柴田は滝からそれをちゃんと受け取ったし、自分から伝えることもできたんですね。春人には渡すことができなかった、「好き」という気持ち。

エピローグは、斜め上の展開に面食らったけど、やっぱり泣きました。
春人と遠慮なしにギャンギャン言い合ったかと思えば、目の前で抱き合われても同情の眼差しで見守っちゃうし、仲良く3人で海に行っちゃう滝が好き。今、柴田の隣にいるのが滝で良かった。
読む人によって解釈が分かれるところだと思うけど、私は、来年はもう春人は来ないんだろう、という気がします。
柴田がまだ春人に想いを残しているのをその目で見て、しかも今回のことを柴田は覚えてはいないのに、それでも「来年もおいでよ」と呟くような滝だから。最後の春人の微笑みは、そういう意味なんだと私は受けとりました。

シリーズ通して辛い話ではあったけど、辛くて可哀想だから泣くだけじゃなくて、人を想う心の深さに泣かされる作品でした。

3

晃子

「来年はもう春人は来ないんだろう」という解釈に、なるほど、とハッと気づかされたというか、すごく納得できました。あなたのおかげです。
私はあのほのぼのとしたエピローグが好きです。
レビューにその解釈を書き込んでくださってありがとうございます。

俺の優先順位の1番………(*˘︶˘*)と鬼道の恩返し

シリーズ読み切りました…!

「二人のイキガミ」はストレートなBLというより柴田さんの済生物語ですね
上巻で知った柴田さんの「闇」
この闇はきっと復讐だと思っていた行動を遂げた後もスッキリしない想いや、失くした春人の痕跡を抱えていたりって所もあっただろうけど、、、1番の闇の根源って「春人に想いを伝え、応えきれなかった」と思っている後悔なんだろうな。。。

でも、ちゃんと2人はパートナーとして愛を誓い合ったのだから「出来なかった事」ではなく「して来た事」をちゃんと忘れずに思い出して過去に囚われず逃げずに進んで欲しい

そしてどんなに柴田さんが逃げても必ず追いかけてくれる滝くん
ここまで真っすぐに手を差し伸べていくら振り払っても追いかけ続けてくれる。。。
圧倒的な光ですね
優先順位は自分(柴田さん)だと言い切り、俺でいいじゃん、と縋って来る圧倒的な光のワンコ

「たられば」を言い出すと人生はままならない
なので春人が「いたら」、、、は考えない
でも過去の春人を忘れない
春人との時間を過ごした今の柴田さんを全力で求めてくれる滝くんと春人の思い出を抱えたまま幸せになっても悪い事ではない
きっと滝くんはそんな柴田さんの想いごと寄り添ってくれるんだろうから

1番グッと来たのは鬼道の柴田さんへのメッセージでの恩返し
甘過ぎない、前向き過ぎない、でも1番素直で嘘のない言葉
きっと鬼道は恩返しだなんて思っていない
だかこそ届く真意
鬼道と柴田さんの過去に実は1番感動した下巻でした

そしてちょっとした間でも吉野にちゅってしちゃう鬼道…♡
萌えちゃいました(ღ˘͈︶˘͈ღ)

5

柴田頑張って生きて欲しい

柴田さん、これらを抱えて生きていくってしんどいね
目のことがあって、春人が失ったのは柴田の左腕だって思っちゃうもんね
イキガミとはいえ子供を殺すって、春人ってそんな人柄じゃないのに、本当残酷だよ〜
強いイキガミは本当気の毒
柴田や吉野は救うのが自分の愛するイキガミだったけど、全く巻き込まれただけのドナーの人らはたまったもんじゃないよね
自分のしたことの報いですらなく、自分の生きていく体をパーツ扱いされるの死にたくなるほどストレスでしょう
イキガミはSDGs的にダメだし世界的になくなる方向に、当然に治すようにならなきゃだよね
なくなったから物語にできるってくらいになってくれ

3

意外な感動

前作とあわせて購入し、一気読みしました。
正直言って、前作を読んだ段階ではそれほど心に響きませんでした。
イキガミの設定がなんとなくふわふわしてるし、絵柄が古くてクセが強いし、戦闘シーンに迫力がなくて緊迫した状況のはずなのに動き止めて長々話してるしでリアリティがない…
大事なところはそこじゃないんだと思いますけどね。

ところが、本作上下巻を読んでみたら、いい意味で裏切られました。
読みやすくてキレイな絵柄になっていて、柴田さんは色っぽくて、こんな人だったっけ⁉︎ってなりました。
あと、時々出てくる鬼道は超美人。
戦闘シーンは、少なめだからか違和感なく読めました。

柴田さんの過去、つらいですね。
自分の言葉に縛られて、春人に応えてあげなかった後悔が切ない。
きっと滝にはちゃんと気持ちを伝えたんでしょうね。
賛否両論ありそうなエピローグは、本編というより書き下ろしのおまけマンガ的な気持ちで受け止めました。

柴田さんをめぐる2人のイキガミのストーリーではありますが、私が1番グッときたのは吉野の言葉でした。
鬼道と吉野を復讐に巻き込んだと言う柴田さんに対し、吉野がパートナー兼ドナーとしての「喜び」を語るんですが、愛が深くて尊い…
柴田さんも、左眼の提供の時きっと同じこと思ってたでしょ…
じわじわと心に沁みるお話しでした。

5

二人のイキガミ

本作はスピン元より戦闘シーン少なく「二人のイキガミ」だから、柴田メインのお話ねとふむふむ読んでいき。
再生できる?と心配になるくらい重〜い十字架を背負った柴田だけど、意外とスムーズに滝に素直になってよかったねと。

そしたら春人の幽霊が出てきて3人で過ごすエピソードが長めで、ここで「二人のイキガミ」てこと?!とちょっとビックリしました。

でも柴田、春人にとって思い残したことが体験できてこれまたよかったよかったとなりました。

ショート劇場でまたまた吉野を迎えにくるドヤ鬼道が見られてテンション爆上がりしました。
スピン元でも激萌えだったシチュエーションがまた見られて大満足です。

4

色々な人の思いを知って

春人を失ってから柴田がひとり抱えてきた苦しみは、時間が解決してくれるものではなくて。
想いを寄せてくれる滝の手を取りたい気持ちはあるけれどそれもなかなか簡単ではないので、ハッキリしない関係がずるずる続いてしまうというなんとも歯がゆい展開に。

イキガミに殺されそうになっても抵抗しないままの、どこか諦めたような柴田の表情を見てすごく悲しくなってしまったけれど。
目を逸らしても真っ直ぐに想ってくれる滝のおかげで少しずつ柴田は前を向いていくので、たくさんのツラい思いをした過去ごと救われたのではないかなと感じました。

他のイキガミやイキガミに関わる人達との問題も一緒に描かれているので、滝と柴田の恋愛の部分にはちょっぴり物足りなさもありましたが…
柴田の内側を知るためには、色々な人の思いを知ることが必要だったのだろうなと納得できました。

これから先、彼らの住む世界はどんな風に変わっていくのでしょうね。その未来までも想像して楽しめる作品だったなと思いました。

5

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