アイ、セイ

Ai, Sei

アイ、セイ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神59
  • 萌×230
  • 萌20
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
27
得点
477
評価数
114
平均
4.2 / 5
神率
51.8%
著者
朝田ねむい 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784829686676

あらすじ

"恋愛"は苦手だからセックスだけの関係が性に合うというゲイのサラリーマン・セイ。36歳。
最近はアプリで出会った年下のイケメン・アイにドハマリ中。
最初はお互い体の関係だけでいいと割り切っていたけど……。

4作品を収録した待望の短編集!

表題作アイ、セイ

セイのセックスフレンド,20歳
サラリーマン,36歳

同時収録作品ディーン

警察官
古本屋の店主

同時収録作品ディーン

高校生→古本屋店主
タカト

同時収録作品クラスメイト

高校生
高校生

同時収録作品ハレの日

編集者,36歳
作家,52歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

レビュー投稿数27

確かに読む人を選ぶかもしれない

【ディーン】
性的興奮と暴力が結びついているコトは、一生好きな人を作らずにいるつもりだった。けれど、密かに想いを寄せていたソノから告白されてしまう。ソノに暴力を振るわないように、コトはソノに抱かれることを選ぶが……

【クラスメイト】
いじめが性加害へ(救い無し)

【ハレの日】
ゲイの父親が息子もゲイであると気付く。父と息子の家族愛がメイン。

【アイ、セイ】
アプリで知り合ったアイと爛れた関係を続けるうちに本気になって……

人格を疑われそうですが、「クラスメイト」含め4作品全て私の性癖ストライクでした。
4作品共に世間一般的には”普通でない人”に焦点を当てた物語です。
読む人、読むタイミング等を選ぶと思いますが、この本に惹かれた方、気になる方は読んで損のない一冊だと思います。迷うなら是非、読んでいただきたいです。

1

読ませる作家はやはり短編も良い

収録順はディーン、クラスメイト、ハレの日、アイ、セイ、アイ、セイの描き下ろし、あとがき、で226ページあります。
読みやすかったのはタイトル作品のアイ、セイ、ディーン、ハレの日。ストーリーが暗すぎずあまり引きづられなかったです。
頭をガツンと殴られたような気になったのはページ数短いのですが、やはりクラスメイトです。

どの作品も朝田先生にしか描けないユニークなストーリー展開でよくこんなお話思いつくなぁと毎回発売される本に驚かされます。

0

萌え~♡ではないが「神ーーー‼」ではある!

4編全ての作品に於いて性的嗜好がテーマとして感じられるお話しに感じました

性的嗜好の前の性自認に立ち止まったり、自分や相手の性行為への思考の違いに悩んだり苦しんだり、、、
それぞれのお話しに出て来るキャラ達を通して読み手が「感じたり」「知ったり」していけるお話しが読める1冊だと思います

キャッキャウフフなBLではないですが、啓蒙書のような圧のあるテーマ性絶対重視~‼な作風でもありません
どのお話しにも色んな立場にたって自分なりの読み方が出来る、そんな読ませ方の誘い方が巧いっ!と思える1冊でした

商業を読んでいて「お約束で萌える~♡」だったり「こう来るか…!」という裏切りのワクワク感など様々な感情を覚えるのが本当に楽しいなと思うのですが、この1冊は各話読了後の感情もそのお話しそれぞれ全く角度が違い様々で。。。一言で表すのがとても難しい
だからこそ「感じる事」が出来ていたと思いますし、そういう考え方・生き方・捉え方があるのか、、、と「知る」事も出来る1冊だったな、とつくづく思い至ります
楽しい~!と言う感情が勿論皆無な訳ではないですが「それだけ」じゃない…!

どのお話しもほんとに印象的
さらに自分なりの読後感を味わった後にあとがきで先生の作品への振り返りを読む事でまた新たな感じ方が出来るのも奥深いです

私は普段読むBLではなかなか読む事の出来ない視点でのお話しが描かれた「ハレの日」が普遍の愛を感じられて切なくも温かく感じられて心に残りました
更に電子で購入したのですが巻末に店頭配布用の特典ペーパーが読めて、またこのお話しの良さを感じれて好きだな、と思えました

ギアチェンジをせずにフラットな状態で読むと1番表題作の「アイ、セイ」がもどかしさなども含めて、読みながら翻弄されつつ悶えるBLだったな、とBL的な素直な楽しみ方と哀愁を感じられた作品でした

始まりのお話しの「ディーン」、そして続く「クラスメイト」は完全に抗えない癖の解放と抑制の狭間での苦しみや救いの無さ、などが完全に”突き刺して来る”お話しで、この1冊に強烈な風を吹かしていました
冒頭からの2話での流れをココから始める構成に唸ってしまいつつも、ある意味読者想いだな、、、と読後に重く引き摺り過ぎない配慮にも感謝です(ღ˘͈︶˘͈ღ)

色んな視点からBL作品に触れたい、視座を変えて自分の捉え方を感じたい、視野を広げて可能性や感受性に新たな刺激を…!そんな時には読んでみて欲しいな、と思える読み応えのある1冊でした!

0

短編集です

短編集。
作家さんの独特の線が好きで作者買いしています。

ディーン:
西部劇で保安官がズタボロになるところに欲情してしまう性癖のコト。人が苦しんでいることでしかイケない自分は死んだ方がましだと、誰とも付き合わず絶望している。
そんな彼と親しくしてくれる、警察官のソノ。実はずっと好きだったけど、性癖のせいで叶わぬ恋だとあきらめている。けれどその彼から告白してきて。。

明るく誠実なソノ。そんな彼の芯からの明るさに、優しさを初めて知ることが出来たコト。ラストじんわりくるお話でした。全4話の中編です。

クラスメイト:
まじめな委員長をめちゃめちゃにいじめる不良、ショーマ。ラストになんとなくヒントはあるものの、委員長が不憫すぎて萌えなかった。委員長が喜んでいるようすが一切なく救いがない。

ハレの日:
妻に逃げられた作家とその息子が、爽やかでイケメンのノンケ編集に恋をする話。これはよいお話でした。クローゼットだった自分と、若い息子。親子を通じて社会との関わり方、生き方のつれづれを語る作品。
イケメンがちゃんとイケメンな先生の絵が活きます。

アイ・セイ:
表題作。Hの相性バッチリなリーマンと大学生。ただそれだけだと思っていたのに。。
Hと愛とは別、という若者と、割り切っていたはずなのにせつないほどの孤独にさいなまれる36歳。
わかりやすいハッピーエンドではないけれど何か2人の関係性が発展することが期待される番外もあり。



0

息を呑んで夢中で読んだ

萌えというかオススメ度でこの評価かな?

全部のお話が迫ってくるというか息を呑んで夢中で読みました。
タイトルのアイ、セイは最後のお話ですね。

「ディーン」
苦しくて苦しくて。死ぬしかないな主人公がもがき苦しむところがもう!
最後に乗り越えたのかな?どうかな?

こういう死ぬしかないなって人でも、自分を好きでいてくれる人がいるのが救われるような。

本当に朝田ねむいさんはすごいですよね。生きてる方がギリギリ辛い?なお話がお上手ですね。

「クラスメイト」
委員長はいったい何をしてこんな目に?胸糞悪すぎます。最後の主犯格の態度もなぜ?

「ハレの日」
良いお話だった〜!親目線で自分と重ね、わかっちゃうんだな、色々。でも子供は親を超えていく!ハレの日を迎えて。

「アイ、セイ」
複雑なセイの心境。俺だって愛されたい大切にされたい!でも性欲もほとばしる!
だんだん旅行の目的が変わってきてて笑えました。

この順番で良かったです!晴れやかな気持ちで読み終わりました。

1

ほろ苦BL

ポップでキャッチーな表紙が最高〜〜なのに中身は朝田先生節が健在で、苦みのある作品ばかりなのがギャップを感じてまた良い...!

表題作『アイ、セイ』に惹かれて購入しましたが、その他のお話も難のある人間ばかりが出てきてとっても愛おしいです。
特に『クラスメイト』が好きでした。(朝田作品に登場する、愛し方が下手くそなキャラクターが大好きなので...)

巻末に収録されている先生の各作品へのコメントも良かったです。朝田先生への謎が深まりました。癖が強いなあ...

1

満足度の高い短編集

短編集です。
1つ目のお話「ディーン」が傑作でした。泣きました。

0

独特の感性で描かれた短編集

なぜこんなにも強く印象に残るお話が思いつくのだろうか?と、いつも思うのです。
独特の感性で描かれた、朝田先生の性癖と萌えが詰め込まれた中編〜短編作品集。
これは私の勝手な想像なのですが、読み手を選ぶ内容や設定でも関係なく、描き手側が描きたいものをNGなしで掲載している気がしてCannaコミックスさんが大好きなんですよね。
どの作品もガツンと来る読み応え。この短編集が読めてうれしい。

◯ディーン
今作の中で1番好みの作品でした。
幸せと恐怖の共存というのか、弾むような恋心と、自身の異常性癖に悩み苦しむ主人公・コトの脳内を覗き見ているような感覚になる1作。始まりから締めまでセンスの良さが光ります。
全編コト視点で進むものですから、何かを乗り越えた感でいっぱいになるのですが、動いているのはコトの世界だけ。ソノも「ディーン」も不変だったのが面白かったです。

◯クラスメイト
4作品の中でも好悪がはっきり分かれそうな作品だけれど、なぜか気になる作品。題材的にも、人によっては嫌なことを思い出してしまうかも。
重く歪んだ感情と執着の果てにある虚無感がなんとも言えない後味で、彼らの出会いがどういったものだったのか、そして攻めの背景を想像してしまいます。

◯ハレの日
タイトルの意味が分かるラストに晴々とする。
BLというより、家族愛のお話のように感じました。
コミカルな部分もありつつ、この短さの中でしっかり読ませる構成がすごい。ゲイであることを隠して生きてきた父親視点だからこその良さが効いている作品。
息子であるナツキがどんな思春期を過ごしたのかは分からないけれど、ラスト1ページが全てを物語っているのかもしれません。

◯アイ、セイ
セックスフレンドの関係性だけで良かったはずなのに、アイの大切な人の1人になりたいと願ってしまったセイ。
アイの言う愛と性の違いについての考えに理解出来る部分があるなあと思いつつ、やや頑なさも感じてちょっぴり疑問が浮かぶ。
セイがEDになって枯れてから〜とあとがきにありましたが、そこでアイのセクシャリティに気付いてなるほどと。アイはおそらくフレイセクシャルなのかな。
ならばセイの努力が実るか、もしくは枯れてからがハピエンにも納得。さあ果たしてどうなるのか。
その後の話はコミカルでかわいらしかったのですが、個人的には表題作のその後を想像したくなる終わり方のほうが好みでした。

0

傑作

良すぎて感想が書けなくなるタイプの1冊でした。良すぎて良いところを言葉で表現できない。そらそうだ、そういうことを漫画で表現しているんだもの。朝田先生大好きなのは大好きなんだけど、改めて好きだー!!!と思う1冊。

◾️ディーン
朝田ねむい先生の登場人物達それぞれの確固たる信念というか、ブレない部分が好きです。終わり方のドラチックさもいいんだよなぁ。映画の終わりとリンクする感じも。

◾️クラスメイト
BL界隈では割と擦られてる設定ながら、作家さんによって描き方が違う面白さ。短いのに強烈。

◾️ハレの日
と思えばこんな作品も描けてしまう朝田先生ってすごい。でも同じ作家が描いていることに納得感もあるんですよ。

◾️アイ、セイ
タイトルから好きです。「I say」の様な語感と、「愛、性」ととれる意味と、主役2人の名前と。性欲で生きている様な彼でも愛されたいと涙を流すのだという人間の多様性の肯定がたまらない。それでも勝てない愛しさと。あとがきで笑うまでがセット。

0

アイ、セイの続きが読みたいな〜

続きがよみたい、、!

0

感嘆

朝田ねむい先生の突き抜け方と、性癖を作品に昇華する手腕に感嘆。BLにあるまじきエグさで、いっそ清々しいほど。
先生には、BLの作法なんぞぶっ飛ばしこのまま果てまで駆け抜けていって欲しい。
作品のラインナップも素晴らしく、この作品群を単行本に収録する決断をして下さった編集さんにも感謝したい。

1

抑制された表現

本当に好きな作品。セックスの意味を考えさせられる。
セックスは暴力とイコールという考え、わかりますし共感できます。
だからこそ「あなたにしたい」というのもあるだろうし、
「あなたにだけはしたくない」というのもあるのでしょう。
でも、どちらも私には愛に感じられました。

「アイ、セイ」はきっとこの後も何度も読み直すことでしょう。
朝田先生、大好きです。

0

朝田先生の感性が好き

◆ディーン
 表題作ではないけれど、冒頭収録でボリュームもあり、一番印象に残った作品でした。性行為の際に痛めつけられる相手の様子に欲情するコト。こういう癖って、一歩間違えてというきっかけで0が1になるのか、元々潜在的に持っているものが発現するのか、どちらなんでしょうね。いずれにしろ本人にどうこうする術はなく、犯罪者にならないように上手く付き合っていかねばならない。ゲイである上に、特殊性癖。もう一生、誰とも恋人らしいことはできないだろうという諦念。でも、実際に好きな人と付き合ってみたら、向き合う術が見つかるかもしれない。新しい視点が生まれるかもしれない。一歩踏み出すことによって得られたコトの新たな人生。短編でも読み応えのある作品でした。

◆ハレの日
 親子揃ってゲイという設定はまだ珍しいですよね。父親の見守り方、息子の失恋に際してかけた言葉、息子が幸せを掴んだ日の彼の表情、すべてが素晴らしく、温かい気持ちになれました。

◆アイ、セイ(表題作)
 本当に大切な人とはセックスしたくならない。この考えも分かりますよね。たとえば彼氏や夫が家族のような存在になればなるほど、性欲が湧かなくなるのもそうですよね。いつまでも旺盛なのも、性欲がなくなって穏やかな時間の共有で満足できるのも、お互いが同じ温度ならどちらも素敵なカップルだと思う。その狭間で揺れる2人の行き着く先は分からないけれど、BLの多様性を広げてくれる作品だと思いました。

2

裏切らないおもしろさ

4作品の短編集。

朝田ねむい先生の作品にしては、エロが多めな作品が描かれています。短編集ですが、全4話のものと全1話のものもありますが、どれも満足できるものになっていました。
暴力やいじめを受けるシーンがあるので、ダメな人はダメだと思いますが、肉体的には暴力を受けている方が可哀想で辛いのですが、なぜか暴力を与えている方がさらに可哀想に見えます。
ねむい先生の可哀想な男にしか萌えないというあとがきを読んで、受けも攻めもみんな可哀想だと感じていたのは間違っていないと気づきました。

表題の「アイ、セイ」は試し読みでまるまる1話読めますが、その後のふたりが気になる終わり方だったので、コミックスに描き下ろしの後日談があると知ってこの本を買いました。
あとがきを読んで「え?そうなるの?」と思いますが、最終的にはハピエンに違いないのようです。
後日談の話も読みたいと、続編を希望です。

ゲイであること、そして特殊な性癖であることで「普通」じゃない自分の気持ちと身体を思うようにコントロールできないキャラたちを読むと、極端なんですがそれこそ「普通」だよなって思います。やめよう、やめたい、このままじゃダメだって、大なり小なりみんな持っている気持ちだと思うからです。
ねむい先生の作品はどちらかというと暴力的だったり残酷だったり悲惨だったりすることが多いのですが、読んでいて辛くても惹きつけられちゃうのは自分も持っている気持ちだからかな、とわたしは思っています。

1

まぶし過ぎて灰になる

表題作『アイ、セイ』pixivコックで読んでグッときたので紙でも購入。
攻の魅力にあてられて読んでるこっちまで落ち込んでくる。受は冷めた大人ぶってるけどこのあとどうなるのか。気になる。
普通の人のなかにある狂気と普通の人のなかにある良心。漫画だと水と油は案外相性がいいもの。でも実際どう付き合ってくのだろうか、デートは盛り上がるのか。そういうのをリアルに考えてしまい、登場人物が立体的に描くのがホントに上手い作家さんだなと感じた。

1

どのお話も良かった

特に好きだった話の感想
・ディーン、加害欲と性欲が結びついていることに悩んでいる人の話。危ないのでセッはしない…と思いながらも乙女な恋心はあるので好きな人に告白されて嬉しいけど傷付けたくないと葛藤する。友達で十分と思っていたのに、相手が醸し出す空気や話の方向がなんか妙だぞ?ってなっていくシーンもドキドキして良かった。結局恋人は何も知らないまま最後は自己解決する展開が好きだった。
・ハレの日、ゲイがバレて離婚後も息子を育ててきた作家の話。長年お世話になっている編集者がとても好みだけど何も動く気はなくて平和に過ごしていたら、息子の恋心を知ってしまう。ゲイな上に好みまで似ているじゃん…となったのをきっかけに息子の様子と自分の若い頃の記憶を重ねて思い出していく。息子の健やかな成長や家族愛、過去の後悔などじわっと胸にくるお話でした。初めは収録する予定ではなかったらしく、提案してくれた担当さんありがとう。

3

うなっちゃうね


朝田先生と性癖が被っているところがあるので楽しく読めました
特に表題作のアイ、セイ
薄暗い感じがめちゃくちゃ好きでした
アイのクズな感じもセイさんの性格等、とても良かったです

ただ、他の方もおっしゃっているクラスメイト……
可哀想な男の子は好きなので序盤はとてもよかったのですが最後、え?!ショーマくん!!!?え!!!!?からのあとがきであぁ…という気持ちになりました

う〜〜〜ん全体的に暗いお話が多いので闇属性の方じゃないと見るのきついかもしれません
ネタバレしてるか分からないので念のためネタバレ有にさせていただいてます
暗いお話美味しくいただける方は是非!!!

2

アイ、セイ

短編集。
表紙がポップでとてもキレイ。

「ディーンEp.1〜4」
薄暗い性癖モノ。というか、自分の欲望を悪だ、異常だ、と感じて自分で認めない男の話。
暴力をふるって、相手を踏み躙りたい。性欲と加虐欲の結合。
そんな男・コトに、高校からの友人・ソノが告白してくる…
コトの嬉しい気持ち。同時に恐怖の気持ち。絶望感。
明確なハッピーエンディングではないけど、コトの心が少しでも軽くなるのなら。

「クラスメイト」
こちらも暴力の話。そしてゾッとするイジメの話。
深く考えたいんだけど、目をそらしたくもあり。恋心もあるの?やっぱり暴力性だけなの?

「ハレの日」
単話でレビュー済み。
こちらは希望の話といえる、かな?

「アイ、セイ」
体の相性が最高のセフレ。何もかも好みで夢中だ…
一方お相手のカレは、愛が深い相手とはセックスできない、割り切ってるアナタとがいいんだ、とのたまう。
あ〜どうすればいいの〜⁉︎という話…?
ホント、朝田ねむい先生の視点って面白いよなぁ。
「好きあってる」相手同士だって別に同じ事考えてるわけじゃなし、こうやって言葉で話せることがまず良い事だと思うけどね。

3

仄暗さがクセになる

4作品収録の短編集。どの作品も朝田ねむい先生の独特な世界観を楽しむことができてめちゃくちゃ刺さりました…!

表題作は恋愛が面倒だったセイがアイとの出会いで救われていくお話だと思っていたのですが。
先生のあとがきや描き下ろしを読んでふたりの関係の最終地はここではないのだなと感じて、愛されることや幸せになることの難しさを痛感しました。

「ディーン」もすごく好きなお話でした。自分自身の性癖に悩みながらグルグルと長い間抜け出せずにいたコトですが、本当に大事な人の死に直面した時に彼自身のなかにある加虐心が変化していく様子が面白かったです。

「ハレの日」はわりと明るめなお話でしたが、その他は主人公たちの歪みにすごくゾクゾクして仄暗さがとってもクセになるような展開でした。
短編なのでもっともっとその先を知りたい…!という思いになるのだけど、描かれていない彼らの未来を想像して楽しむことができるのも短編ならではだなとしみじみ思いました。

2

グッとくる短編集

朝田ねむい先生の新作との事で試し読み数ページのみして購入。
アイとセイの話丸ごと一冊だと思ってたけど、短編集でした。
私は短編集結構好きなんで、結果オーライです。

4つの物語で構成されていて、どれもが面白かったんですが、前半の2つは暴力を含む話なので苦手な方は注意です。
個人的に暴力は地雷ではないんですが、好みって訳でもないのでどちらかと言えば後半の二つの話が好きかなぁ。

さらに順番をつけるとすると「ハレの日」が1番好きですね。
同じ立場の息子を見守る父親の悲哀。
自分と同じか、と思いつつ違う部分に驚いたり感心したり。
子供のいるゲイから見た息子の物語っていう視点が良かったし、ジーンときちゃいました。

「アイ、セイ」はセフレに愛されたいと思ってしまったセイの葛藤の物語でした。
自分には取り柄がないし、年も大分上で愛される要素がない…哀しさがありつつ、結局快楽落ちなところが面白かったです。
朝田先生のあとがきでは別れる予定の2人だったみたい…しかもそのうちアイに本命できるて…泣
セイがEDで枯れてハピエンてw
性欲無しで向き合える2人になってこそハピエンという物語なんですね。
新しい!

4

清濁併せ呑む内容

どの作品ももっと読みたいと思わせる内容ばかりで流石と思いました。

個人的に好きだったのは「ディーン」と「ハレの日」でした。
「ディーン」ではコトがソノの命の危機によって、やっと呪縛から流れて純粋にソノを愛することが出来る様になったのだと思いました。
この作品は2人の未来に光が見えるので好きです。

次に「ハレの日」ですが、こちらもゲイの父親が息子がゲイだと知った事により息子の為に生きようと決意した事で救われるお話でした。父親とは違う選択をしたハレの日の父親の表情が凄く良いです。時が経って共犯者のような立場になってる元妻が格好良いのが素敵でした。

そして最後に表題作の「アイ、セイ」ですが、これが凄く切なく感じました。
でもこの2人にもちょっと明るい未来が待ち構えているのかなと思った余韻のある最後と描き下ろしだったんですが、巻末の作品に対する先生のコメントで地獄に落とされました。泣



3

朝田先生大好き。でも苦手要素あり

先生久々の短編集。
いつも思うのが朝田先生作品はBLでありながら、きゃびっとした萌えはない。でも深いところで愛を感じる。Bのラブストーリーそのものというより、それをいろんな角度から描き、えぐっているなと本作を読み改めて思いました。

□ディーン
サディスティックなの苦手なんですが、本人が自覚して苦しんでいるのでまだ何とか読めました。暴力シーンは苦手ですが。

コトのモノローグと共に、背景の黒と、目の下のクマから苦しみが伝わってくる(先生の黒ベタの使い方好き)

これ、どうなるのかと思って読んでいたんですが…ソノが刺されて死を実感し、その後、ソノが生きていることに喜びを感じ、初めて暴力をふるわずセックスでイけたということなんですね(見たままですけど)
難しい問題だけど、違和感なく説得力ある克服の仕方がさすがだなと思いました。

映画の中の保安官ディーンと警察官のソノが重なるのもうまいなぁと。

朝田先生は愛情の物語を人生や命にからませて描かれるのがとてもいい。私はそこが好きなんだと思います。だから表面的な萌えが少なくても、じんわり感動する。

□クラスメイト
これは苦手でした。
いじめも性加害も苦手。
好きだからいじめる、興奮する、というのも苦手。
これが先生の性癖と知り、少々ショックですw

でも、性癖が合わなくてもそれ以外で好きな要素が多いので、先生の作品が好きなんだと思います。

□ハレの日
これもBLそのものというより、客観的な視点だなと。
ハピエンでよかった。

□アイ、セイ
以前、Webで読んだ時、先生にしてはエロメインだけど、先生らしい所もあって、いいなぁと思ったんですよね。

セイのモノローグからの涙が、ああ、愛されたいんだなぁと伝わってきて。
でも、ベタベタな恋愛関係にはならないのが先生らしい。

アイはいい子なんだけど、情が薄そうというか、性欲は強いけど執着心はなさそうなのが、セイに合っているのかもですね。

にしても、この作品のあとがきがひどいww
それってハピエンなのでしょうかw(これが性癖の違いか)

朝田先生らしい短編集で性癖詰め込まれていますが、私の好きな深いところからじわーっとくる感動とか、皮肉とか笑いが他の作品より少なく感じたので萌とさせて頂きます。苦手要素も多かったし。すみません。

同じ苦手でも、本作の場合、1.2本目とも、自身の異常性を自覚して苦悩している一面があるので、まだ救われる。そこが朝田先生の好きな部分でもあります。
(他の作家さんの場合、異常性あるキャラが無自覚にただ怖い行動をするというのが結構あり、それは本当に苦手です)

5

朝田ねむい先生の性癖詰合せ。

過去作品の短編集です。『ディーン』と『クラスメイト』は未読だったので読めて嬉しいです。

朝田ねむい先生の性癖がてんこ盛りです。先生のデビュー作『兄の忠告』からして性癖の大博覧会みがありましたけど、それでもまだ遠慮しておられた……? というくらい、この短編集は性癖がみちみちに詰まっていました。

『ディーン』
加害欲と性欲が結びついていて、セックス中に相手をボコボコにしたくなるという、厄介な性癖に葛藤するという話。

冒頭はおどろおどろしいスタートだったけれど、恋愛描写が思いの外ウブで微笑ましいです。

ソノがコトに告白するシーンが好きです。友人の結婚式に行った話から、たどたどしくコトの近況というか恋愛事情に探りを入れようとするの、不器用可愛い!

朝田作品にしては濡れ場が多いです。わたし的に一番エロスを感じたのは、コトの妄想の中のソノでした。肘のとこのラインが綺麗……。

最後、いい感じに丸くおさまったのでよかったです。



『クラスメイト』

うわぁ……ドン引きぃ……。

『ハレの日』

ほっこりとしたいい話でした。『クラスメイト』を描いた人と同じ人が描いたとは思えない……なんという振れ幅……。

細かいとこですが、回想シーンに出てくる少年時代の主人公の横顔がたいへん可愛くて好きです。

そしてハナゾノさんのイケメンさたるや。

“可哀想な男にしか萌えない”と仰いますが、ハナゾノさんみたいな、朝田ねむい先生の描く「可哀想」という単語にあまり縁がなさそうで陽の気をまとって溌剌とした男もまた大層魅力的で良いんです。高嶺の花感すごくて、監禁するかゾンビにするでもしない限り手が届かないやつですね。

フユミさんの言葉のジャブのキレ味がすごくて良かったです。

『アイ、セイ』

朝田ねむい先生が「エロを描くぞ!」と思って描かれたというエロい漫画です。……が、ここまで絶倫の人達がセックスをしまくると、なんかスポーツかコンバットのようだ……。

アイくんは存在自体がエロスで、何もしてない時が一番エロかったです。後頭部の刈り上げ、めっちゃ触りたい。セイさんはメイドコスの背中のファスナーがちゃんと閉まらないところがエロスでした。

『アイ、セイ 番外編』

セイさんがダメダメで笑いましたw



朝田ねむい先生の短い話が好きなので(長編も好きだけど!)久しぶりに短編を読めてよかったです。

4

3冊分の満足感

朝田さんは「MyDear,God」の中短編集が話の色が全然違ってとても面白かったですがこちらもコミックス3冊分位の満足感がありました!全部の作品が読みたいだけしっかり読ませてくれる構成で一冊にこれだけ収まってるのが夢のようでした。朝田さんの作品てタイトルも表紙もいつもお洒落!

Rentaの試し読みが「アイ、セイ」だったのでそれを楽しみに購入しましたが、冒頭は「ディーン」で、何の気なしに読み始めたら滅茶滅茶面白くて苦しくて面白かった…!
加虐性と好きな男の子への恋心が同居するヒヤヒヤ感が最高でした。罪悪感と高揚に悩み苦しみ、主人公がどう出れば安泰なのか予想出来ない展開で、しかも表題作でないので呆気ない終わりだったらどうしようとか何重にもヒヤヒヤしました。小説を読んでいるようにスリリングで静かに泣けました。

「クラスメイト」は希望が無く苦手でした。「ハレの日」は古い作品との事でしたが、BLというよりLGBTQ寄りの親子のお話で、こういう人たちが沢山居たからこそ今があるんですよね。編集がお父さんを好きとか泥沼にならなくて良かった…(ちょっと期待してた)

表題作はテンション高めで台詞が阿呆エロっぽくてすごく好き!サラリーマンが実は若い男と…ってのも最高です。セフレだけどやっぱり愛されたい、でも歳上で云々…と悩むのも可愛いし、やっぱりエロアホくて二人とも可愛い明るくて楽しいお話でした。セイがそこまで年輪のある風態では無いと思うのですが、アイの若いツヤピカ表現が絶妙で、その対比が巧いと思いました。健康的で男らしく、健全な環境で愛された人という感じ。
でも朝田さんの大きいコマ、描き込みが小さいコマと変わらなくて、味なのですけど、何かを求めたくなります。

3

やっぱ朝田先生はすごい〜!!

唯一無二の作家さま朝田ねむい先生の
待望の短編集です!!
わかっているけど漫画が本当にお上手です!
4つのお話が入っていまして
ストーリーがみんな短編なんだけど
うわあああ〜って衝撃とか感動があって
本当にすごいなあって感じます。
私は未読なのは「クラスメイト」だけだったんですけど
短編集で「アイ、セイ」がタイトルになるんだ〜!ってなり
絶対買うっ!!って思いました。
「アイ、セイ」はpixivで読めるんですけど
はじめに読んだ時かなりせつなくて
36歳年上リーマン受けの涙にはガツンときました。
割り切ったセフレでいいと思っていた…
しかし…なお話で
今回どんな書き下ろしがつくのかな?って
思っていましたが後日談でなんだかマイルドに
なっちゃいましたね。
けどこれはこれで良しだし
そうなると
シリアスな愛は異常性癖を超える「ディーン」の
良さが上がる?気がします。
クラスメイトを便器にするのだけは
私もいただけなかったですが
可哀想な男萌えって朝田先生の
性癖はわかるような気もする…
とにかく読み応えありますし
ゲイ父の「ハレの日」
も最高なお話なんで
是非読んで欲しい作品です。
ガツンとしっかりしたストーリー重視作品を
読みたい方に超おススメ。

8

読み手を選ぶ作品かもです

作家買い。
朝田さんらしいシリアスさとシュールさがミックスされた今作品。短編集で、全部で4CPのお話が収録されています。

朝田先生があとがきでも書かれていますが、先生の癖でしょうか。結構痛い描写がてんこ盛りです。
好みが分かれる作品かと思います。
甘くてキラキラなお話が読みたいときには回れ右をお勧めします。

が、個人的にはめっちゃドツボに突き刺さる1冊でした。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




「ディーン」
祖父が残してくれた古本屋を一人で切り盛りするコト。
彼には人には言えない性癖がある。苦しむ姿に欲情してしまうのだ。過去の己の行動から、自分はセックスをしてはいけない種類の人間なのだと理解する。以来、孤独を貫いている。

が、コトには想いを寄せる人物がいる。
高校時代の友人・ソノだ。
正義感が強く、その正義感のまま警察官になった友人。想いを告げる気は一切ない。はずだった。が、そのソノに想いを告げられ、恋人という関係になるが―。

というお話。

好きな相手に告白され、幸せの絶頂にいるはずなのに、大切な人だから傷つけたくない。けれど、ソノを傷つけたい。そんなコトの複雑な欲望が紡がれていくストーリーです。

こう書いてしまうと誤解を生むかもしれませんが、コトのように特殊な性癖を持つ人は大変だろうなあ…、と思うのと同時に、愛し合っているはずの二人に訪れるすれ違いに切なくなりました。二人の恋の行方は一体どうなるのかとハラハラしつつ読み進めましたが、さすが朝田先生。

上手いなあ…、としみじみ思ってしまいました。

「クラスメイト」
朝田作品は大概のしんどさもそれが「味」ですが、今作品は、ごめんなさい。
萌えどころが全く分からず、ただただ、しんどかったです。

「ハレの日」
作家と、作家のもとにやってくる編集者のお話。
と見せかけて、こうくるか―!

恋のお話ではありません。
が、滲み出る「もの」がとにかく素晴らしい。
タイトルの『ハレの日』。
最後まで読むと意味が分かりますが、じわじわくる優しさと、息子を思う親心に、じんわりときました。

表題作「アイ、セイ」
36歳、リーマンのセイ。
恋とか愛とかいらない。ただセックスできる相手がいればいい。

という彼の目下のセフレはアイ。
会って、セックスするだけの関係。
身体も顔も、セックスもセイの好みドンピシャな20歳の若者だ。

自分は36歳、若いアイにいつ捨てられるか分からない。セックスできなくなるのは困るし、長く繋ぎ止めたい。

そう思っていたはずなのに…。

という、セイの心情の変化と共に恋とか愛というものを描いた良作。

アイがさあ…、
クソなんですよね。
あたしゃこんな男は嫌だね。

と思いつつ読み進めましたが、セイにとってはそうではなく。
セフレの二人、のお話なのでエロてんこ盛りなのですが、エロいっていうかセックスさえも萌えのツールでしかない朝田先生の手腕に脱帽。

描き下ろしはこの二人のお話。
本編は切なさとエロさの絶妙なバランスで紡がれていきましたが、描き下ろしは…!

良い。
めっちゃ良い。

恋、愛というものは、優しくって甘いものだけではない。
そこをじっくり描き切った神作品。
今作品も最高に痺れる、そんな1冊でした。

8

最高短編集、さすが朝田ねむい先生

4作品中2作品は読んでたけど買って損はなかったです!

書き下ろしが「アイ、セイ」の続きでめちゃくちゃ面白かった、二人の着地点が見つかるといいなって思いました。(先生のあとがきでええ〜wwwってなりましたが、それも良かった)

「ディーン」めちゃくちゃ良かった、愛は特殊性癖を超えられるか?って感じの作品なんだけどさすがのストーリー展開で、すっと腑に落ちました。
「ハレの日」は何度読んでもいい。教科書に載せるべき短編だと思います。
「クラスメイト」はおお…ってなったけど先生のあとがきを読んでなるほどですね〜と思いました。
「アイ、セイ」は朝田先生を知ることになった思い出深い作品で、短編なんだけどああ…ってなる(読めばわかっていただけるかと思います)アイさん愛おしい。

朝田先生の色んな面が楽しめて入門としてもとってもいい短編集だと思いました。魅力的という言葉では言い表せない奥行きの深さを感じる作品ばかり。普段電子派ですが、表紙も素敵すぎて一冊は朝田先生の漫画を手元に置いておきたくて紙を買いました。やっぱり紙の漫画最高でした。

6

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