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現実の延長としてのオメガバース

苦しい、痛い....けれど、だからこそ素晴らしい。最高な漫画に出会えました。

現実にある男女の差別構造をそのままに、オメガバースを組み込んだリアリティのある世界観です。

女性が生きていく中で直面する暴力やハラスメント・性犯罪など、オメガの笠原さんに降り掛かるそれらが、肌感覚として理解出来るところが心底ぞっとして、作者さんの高い描写力に圧倒されます。

「首を噛んで欲しい」という突拍子もない発言から始まった関係かと思いきや、それだけではなくて...是非ラストまで読んで頂きたいです。

すこしふしぎSF

最近再読しました。時間をおいて読み返すと、物語の印象がガラリと変わってとても面白かったです。まずはネタバレなしで読むことをおすすめします!

SFチックな独自設定の「ノイド」にまつわるお話です。その設定自体は特殊ですが、物語の主要人物は2人なので、分かりやすくテンポ良く物語が展開していきます。

上野ポテト先生の作品は、舞台設定が抽象的で、キャラクターの心理描写に余白があって、読者が自由に解釈出来る部分が多く、そこが大人向けだなあと感じるのですが...今作は特にその色が強かったような気がします。

サクッと読める楽しいBL漫画も好きですが、今作で時間をかけて物語に浸る良さを思い出しました。
またふとした瞬間に読み返したくなるんだろうなあと思う作品です。

エロさと可愛さの両立

セクシーなのキュートなのどっちが好きなの〜?どっちもー!!
可愛いを煮詰めたようなポメラニアンのふわふわさと、確かな画力で描かれる裸体のしっとりしたエロさとのギャップで感情がめちゃくちゃになります。

すっかり浸透したポメガバースですが、まだ馴染みのない方もいらっしゃると思います。なんとなく敬遠している人、初めて知る人、ポメガバ好きな人など...初心者から玄人までみんなにおすすめ出来る作品です!

受けが積極的で可愛いし、2人を取り巻く人も穏やかで、読んでいてほんわかします。
ポメ化をバレないように頑張る類のお話ではなく、割と初期段階で攻めにポメバレするので、事情を知った上でふたりが関係性を深めていくのがまた良いな〜と思いました。

切ない、可愛い、愛おしい

10年経っても色褪せない!井戸ぎほうさん作品の中で一番好きです。

ざらざらとしたタッチの絵柄と独特の余白やモノローグが組み合わされて、詩的な作品が作り上げられています。井戸先生作品の中で最も読みやすく、万人におすすめできるのではないでしょうか。

主人公が迷ったり悩んだり...時に空回りしつつも愛を知っていく過程が、優しくて穏やかでキュンとします。

10代後半くらいの2組の兄弟のお話なのですが、発売から10年経った今でも、キャラクター・ストーリー共に新鮮さを感じるのが凄いです。
一見こんがらがりそうな相関図や展開を綺麗にまとめ上げ完成させる手腕もお見事で、改めて購入して良かったなと思いました。

ふたりで見つける最適解

ニャンニャ先生の十八番、海外の学生モノです!表題作(『口の中の舌』)ともう一作品(『佐藤まさしの部屋』)が収録されています。
どちらもティーンふたりの焦ったい掛け合いがたまらなくて、何度も読み返してしまいます。

表題作は、受けが不感症で性行為が上手くいかず攻めとすれ違ってしまう...というお話なのですが、キャラクターそれぞれに個性や信念があって、それが多くは語らせないけれど研ぎ澄まされた台詞回しと相まって、独特で癖になる空気感を生み出しています。

等身大に悩んだり迷ったり間違えたりしながら、時にはぶつかり合いながら、問題を解決しようとするところに愛を感じてグッときます。

同時収録されているお話もとても良いので、おすすめです。

言葉に出来ない面白さ

個性あるキャラクターとストーリーと絵柄が組み合わさって、独自の世界観が作り上げられています。
ことごとく予想を裏切られ、終始なんだこのBLは!?になりながら読んでいました。

綺麗めの絵柄で繰り出されるポンコツな言動のキャラクター達が愛おしい。
受けも攻めも変だけど、そのでこぼこ具合が上手くマッチしてお互いが唯一無二になっていく過程がたまりません。オチも完璧だ...。

すごく高評価だったので試しに読んでみようかな〜くらいの軽い気持ちで購入したら食らいました。おすすめです。

ゆるふわ可愛い!

広告で見かけて、気になって購入しました。
思ってた通り、ちょっとえっちで可愛くてほのぼのしてて...良かったです。

貞操観念ゆるめなのかな?と思いきや、受けも攻めが気になってたやつ〜!萌〜!

受け攻め2人が優しいのもそうなのですが、悪い人が出てこないのがこの作品の穏やかさを支えている要因の一つなのかなと思います。
一応クズな受けの元彼は出て来ますが、この人も悪い人ではなく...どちらかといえば天然です。

絵がすごく丁寧で素敵ですし、とにかく癒されたいときにおすすめです!

新感覚BL

王道展開なのになんだか新鮮で、不思議な読み心地です。

高い画力と画面構成に1話から引き込まれました...。
最初から、同じ人なんだろうな〜と読者になんとなく予感させつつも、2人に同時に惹かれてしまう受けの戸惑いが読み応えある筆致で描かれていて、分かっているのにハラハラドキドキしてしまいました。

受け攻めそれぞれの性格も面白く、2人とも相反する性質を持ち合わせていて、そのアンバランスさに目が離せません。

安心感・安定感があるのに一筋縄ではいかせない捻りもあって、読み応え抜群でした!買って良かったです。

ほのぼの可愛い

タイトルだけ知っていた人気作、ようやく読みました。とっても可愛くて癒されました...!

陽×陰CPのお話ですが、攻めは陽キャというか朴念仁、受けは陰キャというか穏やかなキャラクターで、恋愛初心者の受けに振り回されるじれったい展開に思わず両者を応援してしまいます。

学校という生徒が主役の舞台で、生徒に負けず劣らず青春している先生たちが良い...。

子供を守ることが当たり前に出来る、自立した大人2人だからこそ、お互いを慈しみあって過去のわだかまりを乗り越える様子に胸があったかくなります。

もし続編があったら鰐淵先生(攻め)周辺のお話をもっと読んでみたいな〜と思いました。

キラキラの青春

コスメ(メイク)をきっかけに急接近する、男子高校生2人のピュアな青春ラブストーリーです。

女装やメイクが好きな学生...というキャラクターは今までの他の作品にも登場していると思いますが、今作は一味違います。
何より、女装やコスメを趣味とする男子高校生:宮内が自信を持ち堂々としており、周りの人達(親や友人)もそれを咎めたり否定したりしません。

不器用だけれど優しい人達に囲まれて、2人が自分たちの気持ちに気付いていく過程に胸があたたかくなります。

ちるちるでは受け攻め表記がありますが、作品を読む限りではどちらとも取れるような表現で、それもまた良いなあと思いました。女性装に女性役割を付随させない気遣いを感じます。

また、2人が選んだ職業も良かったです。昔の...平成の作品ならモデルとメイクアップアーティストになっていただろうな〜と思いますが、この等身大さが、自分が学生の頃に出会いたかった本かもしれないなあとなんだか寂しいような嬉しいような気持ちになりました。読んで良かったです。