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CALL
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
表紙だけ見て、ウリ専の子の話かなと思ってたんですが、
表紙の子は攻めで、裏表紙のおじさんが受けでした。
金のためにやっていた関係にどんどん本気になっていく攻めの感情のうつろいが丁寧に描かれていて良かったです。受けがなぜ羽振りが良いか、受けがなぜいつも困ったような、それでいて悲しいような表情をしているのか、中盤以降でわかります。
話が重くて胸にクるんですが、ハッピーエンドで良かったです!!
結局どちらも自分勝手、だけど惹かれて、相手を考えられるようになっていく。
ゆるやかな不穏、そして希望の未来が見える作品でした。
作者さんらしい、胸にどっしりと来るシリアスなお話でした。
金欠のハルヒコは、こうなったらゲイ向けの風俗店で働くかと(本気ではなさそう)思ってそういった界隈をうろうろしていたところ、いかにも慣れていなさそうな真面目そうなおじさん、アキヤマさんがある店の前で逡巡しているのを見かけ、店員だと偽って相手をする、というところから二人のストーリーが始まります。
ハルヒコは適当そうな若者にみえて、お話が進むにつれだんだんそうでもなさそうだと分かってくる。その辺の描き方が上手だな~と思います。
何かHなことをしたそうなアキヤマさんだけど、無理強いはしてこないし毎回お金もくれる。適当にあしらって儲けようと思っていたハルヒコですが、どこか投げやりなアキヤマさんのことが段々気になってきて。。
劇場なら二人芝居で関係性や背景がだんだん明かされていくというドラマになるだろうなあ、と思わせられます。
読み応えあり。
なんとなくずーっと薄暗いまま進んでいくようなお話で素敵でした。こういう雰囲気的大好きです。
ハルくんと平日の昼から会っていたり、明日も明後日も、と毎日会う約束をしたり。アキヤマさんはどうしてこんなに羽振りがよいのかとなんだか不安に思いながら読み進めていましたが、「今から死ぬから」のところでああ…となりました。
ハルくんに好きだと言われても、自殺を止められても、死ぬことをやめるという選択はしないしハルくんのために生きるという選択もしない。それがまた切ないけどでもそれが本気で死にたいってことなんだろうなと。下手にそこで自殺をやめてっていう展開にならなかったのが現実味があってよかったです。
それからハルくんがアキヤマさんのことをずっと好きでいたのもよかったです。アキヤマさんがきっかけで男に目覚めるわけでも新しい女を作るわけでもなく。ただただ”アキヤマさんが”好きだったんですよね。それ以外の男となんてヤれない。なにより再会した後に「口説こうと思ってた」と言われた後のハルくんの表情がいい…。嬉しそ~とこっちまでニヤついちゃいました。
1巻完結で続き物じゃない朝田作品の中で1番好きです!
BL的な萌えというか、エッチ度合い(?)は他の作品と比べて個人的にいちばん強かったかもしれません。
おじさん萌え属性は持ってないし、芽生えた訳でもないんですが...このカップルは好き。
事前情報なしで手に取って、ハルがカワイイ系の見た目でアキヤマが年上のおじさんだったのもあって、気弱そうな穏やかな人だけどアキヤマが若い子好きの攻めかな?と勝手に思ってたんですが、途中から察し...えっそっち?!と驚きました。笑
私は全然大丈夫だったし読んでみたらこれがこの2人の左右の正解だとも思ってるんですけど、私と同じようにハル受けのアキヤマ攻めだと思って手に取った人の中には地雷を踏む人もいそう。
ゲイパパ活的なお金の関係から始まるんですが、ハルとアキヤマが両思いになってお金の付き合いもこれはからはなしね!ということになって、おめでとう~って頃にアキヤマは自殺未遂します。
あの金払いのよさと散財具合から、この人は死ぬつもりでお金を使い切ろうとしてるんじゃ?ってずっと頭をよぎってました。やっぱり.........。
そして死ぬ直前にハルに電話するというハルにとったらとんだトラウマ行為をやっちゃうんですけど、死ぬのが怖くて電話しちゃうケースは多いと思うんですが、アキヤマの場合死ぬのは確定でハルに電話してる。
本当に当初は電話する予定じゃなくて、ハルの知らないところで勝手に実行してそのまま消える予定だったのにイレギュラーなことをしてしまったんだと思う。
そもそも、アキヤマはハルに本気で恋する予定は多分なくて、ハルがアキヤマを好きになるなんてシナリオはもっとありえなくて、いくつかの予定調和が元々辿るはずだった未来とズレていってて。
結局助かって生きてたけど、色々考えてたらもしかして予定外はここもだったんじゃないかと思えてきました。
ハルに電話してる間に下に車停められてた...ってあったりします?
アキヤマさん抜けてるところがありそうだからただの確認ミスだったのかもしれないけど...でも普通飛ぶ前に1回は下見ないかな。(私なら見る)
電話する前にはちゃんと下見てたけど、電話したあとは特に確認しなかった.....とか...ないかなぁー。
深読みのしすぎかもしれないんですが、本来は助かる未来ではなくてズレが生んだ末の運命の分岐だったとかならものすごいなって。
もしそうだったのなら、ハルは死ぬ前に電話されたこともその電話に出たこともイレギュラーに湧いた選択肢から最善の選択をしたことになって、トラウマ行為から一転、ハッピーエンドへの切符になりますし。
どうなんだろう、ずっとあそこに停ってたのかな?
金欠で家賃も滞りスマホも止められそうな状況下、「楽に稼げるバイト無いかなー」とうろつくニートの青年ハルは、偶然知り合った冴えないサラリーマン・アキヤマさんに嘘を吐いて焼き肉を奢ってもらった上お金をもらう。最初のうちは体の良い金づるとしか思っておらず、何度も会ってはお金をもらい、スマホを買い換えたり服や靴を買ったりしていましたが、だんだん気持ちが変わってくる、というお話。
淡々と続いていくパパ活を通して、ハルの気持ちの変化が描かれます。
最初の頃は、働かなくてもたくさんお金がもらえてラッキーくらいにしか考えていなかったのが、そのうち変化していきます。良心の呵責、というほどでなくても、だんだんアキヤマさんに情が湧いて、このまま騙していいのか、いやただの金づるだろ、という葛藤が芽生えます。
そもそも金づると思っているなら、アキヤマさんの機嫌を損ねてはいけないはずなのに、イライラするのを隠さなかったり、嘘がばれるようなことを言ったりして、それでもアキヤマさんの態度は変わりません。
ここまで来ると、何をされても穏やかでやたらに金払いのいいアキヤマさんのことが心配になるというもの。
アキヤマさんの事情も描かれ、こちらの不穏な想像も的中しますが、この後どうなるのかが気になってページをめくる手が止まりませんでした。
良かったのは、ハルにとってもこのことは人生に影響を及ぼすような大きな出来事だったのだ、ということが描かれていたことです。事故をネットで調べたり、病院を探してお見舞いに行ったり(会えなかったけど)したことが分かり、ほっとしました。
また、ちゃんと定職に就き、しかも技術を身につけようと勉強中で、「あんたの言ってたことが分かる気がする」などと言うのを聞いて、大人になったんだなと実感。
ハルはお金をアキヤマさんに返したけど、本当はもっとずっと前からそうしたかったのだということも分かりました。
淡々と描かれている作品なだけに、流れる時間や空気感が伝わってくるのも良かったです。
お金のためにアキヤマを騙し続けるハルヒコのしていることは最低なのだけど…
どこかおかしいアキヤマの挙動にも気付かないほど清々しく身勝手なハルヒコが、その関係を続けていくうちに気持ちを変化させていく様子がとても人間ぽくて、クズなのにクズになりきれないところに彼の人柄が表れていたのだなと思いました。
素直になることもアキヤマを心の傷ごと受け入れることもできないハルヒコですが、そんな彼だからこそ救えたモノがあるというのも面白かったです。
未遂とはいえ結果的に自殺を実行してしまったのは悲しいことだけど、ハルヒコが止めたことでアキヤマの死にたい気持ちが収まらなくて逆に良かったなと思えるようなラストも素敵でした。
噛み合わないふたりのやり取りになんとなく不安になりながらも、最後にはすべてストンと落ちる展開がさすがだなと感じたお話でした。
作家買い。期待以上でした。
読み進めていくうちに登場人物の姿が読者にわかる展開。
悪人になり切れないハルヒコ。アキヤマは純粋に騙されているわけではない。
絶妙な緊張感に引き込まれました。
登場人物の悩み方が、ステレオタイプでないのがいい。
こんな人もいるかも~と思ってしまいます。
いかにも、恋愛!というドラマチックな言葉はないし、激しい感情のぶつかり合いもない。でも、人を大事に思って、一緒に人生を歩みたくなる。そんな気持ちがじんわり伝わります。
紙で購入。久しぶりの朝田先生。
笑いのセンスも相性がいい作家様だけれど、今作はしっかりとダウナーなお話でズキズキきた。朝田先生はシリアスなお話の方が個人的にはグッとくる。
ハルヒコは作者様の中では美形キャラだ笑。中身はニートで金がなく、どうせなら楽して稼ぎたいロクデナシ。で、ホモとか無理なはずなのに、ウリ専ボーイと偽って、アキヤマ(36歳・サラリーマン)を客にとる。
はじめはチョロい金蔓くらいに思っていたハルヒコがなぜかおどおどしたオジサンのアキヤマにハマっていく、後ろ暗くもれっきとしたラブストーリーだった。
この暗さが好きだ。絵柄が好きだ。壊れていく人を淡々と描くところも、壊れゆく人に寄り添おうとする純情さも大好きだ…。
顔や体に残るグロテスクと紙一重な傷痕は、アキヤマに一生忘れられない何かを思い出させてくれるのだろうな。そして、ハルヒコにとっても、また。
最後の「それから」に泣きました。
この物語に命を吹き込んでくれた作者には本当に感謝しています。
君を愛しているが、君のために生きるという約束はできない。
これは本当にその通りで、読んでいてとても心が折れ、揺さぶられました。
エンディングで秋山さんの痛みを和らげる時間と美しい自然を与えてくれた先生に感謝します。
春彦の成長とともに、秋山の思いも時間をかけて理解できるようになっていった。
今後、二人が成長していく姿を読者が見続けることができなくても、二人がお互いに支え合って幸せに暮らしていくことを願って前を向いています。
(機械翻訳でお読みいただいた方には大変ご迷惑をおかけしました)
朝田ねむい先生は、社会に疲れた人のぼんやりとした不安を描くのがお上手です。
◾️臼井ハルヒコ×秋山アツシ
搾取するされるの関係になる作品がすこぶる苦手なので、冒頭から自分には厳しいものがありました。結局最後まで読むと、搾取される側とする側どちらがどちらとも言えないなと。普通なら騙されて金取られたなら搾取(搾取っていうかむしろ詐取か)なんですけど、秋山さんのハルくんの感情への無神経さというか身勝手さというか、それを金で買ってると思えばイーブンかとも思う。ハルくんが秋山さんに惹かれなかったら、買春相手の感情への無神経さは、むしろ相手を巻き込まないことに繋がっただろうし。ただ、自殺(未遂)した人が最後に電話してた相手って聴取されたりしないのかな?という疑問が。自殺直後から秋山さんにしっかり意識があって経緯など説明できたからかな?
ハルくんは始まり方こそ秋山さんを騙した訳だけど、そういうことが出来るほど頭の回転早かったり、半グレの人だったりはしないんですね。どちらかというと秋山ポジションの人間が悪い奴だった場合、簡単に騙されそうなのはハルくんの方だ。狡賢いタイプではないことはグダグダの焼肉シーンや、つるんでる友達のなんだかんだの健全さ(悪意のなさ)から読み取れて、その辺の直接的ではない匂わせの表現がうまい。
結果、お客様満足度は高かったんじゃないでしょうか。アフターサービスばっちりよ。
開始数ページで、攻めの身勝手さに読むのをやめようかと思いましたが...
受けがあまりに幸が薄く、見届けたい思いでなんとか読み進めました。
攻めの身勝手さは終始続きます。
けれど受けと関わるうちに、徐々に態度が軟化していきました。
まあこれも一周回ると、自分自身のためではあるのですが。
受けは幸の薄そうなおじさんで、このままちゃんと幸せになれるかと心配で心配で。
攻めにぞんざいに扱われても、身体を許していきます。
彼には彼なりの目的があったので、どう扱われてもどうでもよかったのかもしれません。
この受けに対して印象が変わったのは、攻めと通話しながら自殺未遂をしたこと。
今までためていたお金を全て使ったら死ぬ、という条件を最初につけていながら、それが達成できなくても死を選びます。
結局受けは死にたくて、それは攻めと出会って関係を持っても変わらなかった。
精神的にダメージを受けている人に、こういう言葉を当てはめるのはだめだとは思いますが、これもとても自分勝手な行為に思います。
おまけに通話しながら飛び降りるなんて。
この部分まで進むと、攻めの自分勝手さが弱く感じました。
逆にものすごく人間味があって、受けの思考回路に比べれば可愛いものかと。
結局死ねずに2人は再会するわけですが、その後もなかなか受けは自分勝手。
というかお互いに自分勝手なので、良いようにまとまっている感じがしました。
内容的には濃く読み応えはありますが、萌えられる要素は少なかったので評価は1つだけ。
この2人は、再会してからが本当のスタートだと思いました。
アキヤマさんがほんと可愛いです
おどおどしてるし、遠慮しまくりなのにいざってなると欲望のままに動くかんじがサイコー!
Mっ気があったんでしょうね。うつ伏せでイジられてるところとか、責められるがままにヤラレちゃうのころとか、ハルくんにエロいと言われて恥ずかしがる姿イイ!
そんな可愛い姿をたくさん見たハルくんはなんとアキヤマさんからお金もらえなくても会ってセックスできると思ってしまうまでになるんですけど、それに至るまでの葛藤がまたイイ!
中盤までほんと金のために会ってるようなクズなハルくんですけど、心までクズならこんな展開にはならないだろうからハルくんにまだ綺麗な部分が残っててよかったと心底思いました。
アキヤマさん、なにかあるとは思ってましたけどなるほど。せっかくハルくんが気持ちを伝えた後だったので読んでる私も大ショック。
まあ最後は紆余曲折ありのハッピーエンドでした
前半パートのハルくんの心境の変化とミステリアスなアキヤマさんのバランスがとても好きです!
後半もその後で面白かったですけど、それから先を知りたすぎる。続編でも読切でもいいから出してほしい。
自慢じゃないですけど、私、神評価は滅多につけないんですよね(謎のドヤ顔)
て、すみません、決して上から目線なわけではなく、文句なく好きな作品だけ神にしたいもので、どこかしら違和感とか気になることが多い私にとって、どうしても神作品が少なくなってしまうんですよね。
久々の朝田先生作品。
絵を見ているだけで、好きだわぁ、とうれしくなりまして。
ストーリー的には、最初、個人的には2人とも好みじゃないし、どうなんのかな〜程度に見ていたんですが、ハルがじわじわアキヤさんのことを意識していくのが良くて。
仕事だから、と自分の気持ちを誤魔化そうとするのがめっちゃかわいい。
こういうとこ先生ほんとお上手。好き。
ハルからキスするとことか、映画館のシーン、連絡こないと拗ねたり、お金のこととか、アレとか…良い場面の連続(もっとあるけど書ききれない)
アキヤマさんのあの感じ、絶対訳ありでしょ、不治の病?と思ったけど、そういうことか〜と。
事情がわかってから読み返したら、ハルが自分に気持ちを寄せてくれたことがうれしくて「抱きしめていい?」がめっちゃクる(涙)
あれがアキヤマさんの精一杯の愛情表現だったんよな。きっと。
すごい笑顔になったり、喜びを表現しないけど、アキヤマさんにとって今まで生きてきた中でいちばんうれしいことだったのではないかと思えるんですよね。
そこまで描かれないさじ加減も好き。
空が綺麗だから、とアキヤマさんに写真を送りたくなるハルの気持ちもわかるし。
決心したアキヤマさんが、ハルに電話しちゃった気持ちもわかる(涙)
アキヤマさんが事を起こした時、普通?なら、ハルが駆けつけたり、電話したり、何かしらあって防ぐ展開かなと思うけど、朝田先生はそうじゃない。そこも好き。
その後、すぐにハルが駆けつけないとこも好き(予定調和じゃない)
「俺のために生きるとか言えないわけ?」
に答えられないアキヤマさんもいい。
正直というか残酷というか…ある意味誠実というか、アキヤマさんはそういう人なんだなとわかる。
この時、ハルはアキヤマさんが答えるまで少し待ってるのもいい。ほんとはそう言ってほしいんですもんね。
再会した時にアキヤマさんが言ってた、景色がきれいでハルに会いたくなった、というのも良くて。
過去のあの日、ハルがきれいな空の写真を送ってきたのと対比になっていて。
アキヤマさんの気持ちを聞いた時のハルの表情もナイス。ただ、ぼっとうれしそうじゃないのが好き。
その後のハルのセリフ「俺のために生きてとは言わないけど〜〜ー」がめちゃくちゃいい。
過去「俺のために生きて〜」と言ったハルは若かった。
その時より大人になったんだなと。このセリフにも感動。
ハルのヒゲが似合っていない(と私には見える)のも、良くて。
アキヤマさんの好み(ハルの想像した)に寄せているのか、大人になるためか、本格ゲイになるためか…わからないけど、アキヤマさんといた頃のハルとは違うと言っているようで。
描き下ろしも最高(涙)
電子限定描き下ろしは笑いましたw
(朝田先生作品は紙でほしかったけど早く読みたくて電子で買ってしまった。なのに読むの遅くなったていたらく…びえん)
タイトルは、アキヤマさんからの連絡がほしい、うれしいハルの気持ちかな。
ハルとアキヤマさんのつながり、という意味でもあるよね。
アキヤマさんがあの時、するつもりはなかったのに、してしまった電話…も象徴的。
蛇足ですが、個人的な好みでは、おじ受けは萌えないし、ハルが受けの方が良いのですが、朝田先生作品においてはそんなの関係なかった。
そういう次元じゃない。すごい。
あと、ギャグじゃないのに、何ヶ所か声出して笑いました。めっちゃおもろかったww
思えば「兄の忠告」のギャグ短編がめっちゃツボだったんですよね。特にスプラッター小説家の設定ww
朝田先生は笑いのツボもハマるので更に好きなんだと思います。
読み終えて、ただただズルいなあと、それくらいの感想でした。この題材を使えば読み手にショックを与えられるのは当たり前なんですよね。残念なことにそれ以外何もない、何の捻りもないストーリーです。
クズなフリーターのハルがアキヤマを騙してパパ活をするうちに、ずるずる絆されていくお話。ハルは性格の悪さ全開で、自分勝手に嫉妬したりヤツ当たりしたりとやりたい放題なので、後に痛い目に遭う話かなあとぼんやり想像させられます。
アキヤマはずっと冴えないオッサンを貫いてて、内面が見えないまま進みます。あえてそう描かれてるとは思うんですが、細かい表情の変化がもう少し分かると萌えられたかなあと思いました。
で、衝撃の展開なわけですが、ハルはアキヤマの“お金を使い切る”目標を遂げさせなかったにも関わらず、そこに向かうアキヤマの決意を変えることはできていません。今生に満足させたって見方もできるかもしれませんが、それだと直前に電話するアキヤマの行動と整合性が取れません。その後失敗に終わったのはただの結果論で、イイ話でも何でもないです。
結局トラウマで縛られてくっついたっていう、ただそれだけの話…?ってのが一番の衝撃でした。アキヤマが助からなかった世界線の話が読んでみたいです。
主人公のハルヒコがクズな描写が長くて(単行本の半分くらい?)終わり方もくっついて終わったけど仲直りセッ、、まではなくてなんだか不完全燃焼感。
クズな描写というのは受けのアキヤマさんにお金をせびったりひどいこと言ったり。このパートが読んでいて気分があまり良くなかった。
ゲイでもなく遊びで男とヤった経験もないハルが、お金欲しさにウリ専をやってみようかと思い立つところから始まる物語。大した覚悟もしてないままうろついていたら、たまたまカモのおじさんに出会えた。なんとも不埒な導入で、恰好のカモにされた温和過ぎるアキヤマが、いつハルを糾弾し始めるのかとそわそわしていました。でも、アキヤマは気持ちも覚悟もないハルを責めることは一切言わなかったんですよね。聖人だからでもなく、ハルを崇拝しているからでもなく、それは彼が生きることを諦めているから。ハルは、人生の最期に今まで貯めたお金を清算させてくれる相手であり、ゲイであるアキヤマの孤独を一時的にでも満たしてくれる相手、それだけなんですよね。
お金はたっぷり弾んでくれるけれど、実はそんな身勝手な行動に付き合わされていたハル。金第一で生きていた彼は、人の生死を身近に思い知ることで、ようやく自分のアキヤマに対する気持ちに向き合える。ただし、アキヤマが入院していた間のハルの様子は描かれないんですよね。前半はハルの問題、後半はアキヤマの問題なんでしょう。アキヤマに出会って今まで経験したことのないような気持ちの高揚、消沈を味わったハル。ハルに出会って何もかもを無様に晒け出した自分から離れていかない人を得たアキヤマ。2人の行動はけっして褒められたものじゃない部分が多々あるけれど、他人への迷惑などを顧みずに自分の思うように行動してみても、もしかしたら結果的に上手く回ることもあるかもしれない。人生が楽しくない時は、1つの選択肢として持っていてもいいのかもなと思いました。
朝田ねむい先生は、なんか読むのがこわくて本作が初読みです。
で、その予感は当たってたな、と。
心がザワ〜っとくるような物語だと感じました。
苦いのか酸っぱいのか、ザラついてるのか。
とにかく味も、舌触りも、後味も、なんともいえず風味が悪い。
まず主人公のハルが。
まあ今どきの若者というか、今どきも何も関係なく普遍的に若さゆえの傲慢というか。
自分本位でクズいんですよね。
で、1人の弱々しいゲイ男性をカモる訳です。
2回目のデートが平日の昼間。ここであ〜アキヤマさん本当は失業してるな…ってわかっちゃって。
で、アキヤマさんがひたすら気の毒と思って読んでたら…
アキヤマさんだってある意味酷いよな…
ハルがトラウマになるの、当然だよ。
アキヤマさんの行為ってのは、周囲全部を傷つけること。読んでる私の心もギリギリ軋んでしまった。
それから半年、5年、っていう長丁場な話になったのは意外だったけど、ハルがもうすっかり別人みたいになっちゃって、2人がした事、お互いにやってしまった事、その応報というかそんなふうに感じた。
ラストは一応穏やかな結末に落ち着いた、と言えるのかな。
2人ともあんなふうに傷ついて、やっと心を擦り合わせる者同士になれたのかな。
ならば、愛ってやっぱり残酷で熾烈なものなのかな。
パッと目を引く表紙ですが、読み終えてから見るとまた味わい深くて...
どの作品も登場人物が死に近付いていることが多い気がしますが、今作も漏れなく“死と生“に向き合っています。
登場人物がほぼ2人だけというシンプルさながらも、多くは語られない過去や不可解な行動に惹きつけられて、2人がどうなっていくのか夢中で読み進めました。
読まれた方はみんなそうかもしれませんが... 7話のラスト、凄く好きです。他人の生き死にに対する振る舞いが誠実で...この2人の間にしか生まれない関係性や愛情を感じて、胸がいっぱいになりました。
迷われている方、是非読んでください。
これはいわゆるほだされ系なんだなぁ、なるほどなるほど……で、度を超えた性悪毒舌主人公が痛い目を見る話なのかな?
などと思いながら読んだら斜め上の衝撃の展開で驚きました。
いやぁ……ハピエンでよかったです。
あぁ、びっくりした……。
作家買い。久しぶりに朝田先生の新作を読めて幸せでした。
かなり読み手を選ぶ作品かな、と思ったのが第一印象。
朝田ねむい先生は社会の暗い部分に生きる人々を描くのが本当にお上手ですが、私が特に好きなちょっぴし遠い世界に生きている「Loved Circus」や「Dear, my God」とは違って、「CALL」は身近でもありえそうなお話だなと思ってゾッとしました。
メインキャラはフリーターでかなりの底辺ドクズなハルくんと、ハルくんの嘘からハルくんを買うようになった妙に羽振りの良いアキヤマさんの2人。目立ったサブキャラはほとんど出てきません。
まずは2人の出会いから始まります。
前半部分ではうっすらとホモフォビアを匂わせる言動をしておきながらゲイのアキヤマさんを利用したり、少しずつ惹かれていく自分を隠すようにアキヤマさんに酷いことをしたりと、なかなかのクズ人間っぷりを発揮しているハルくん。
あ〜ダメ人間だ〜と、思わず笑ってしまいました。
しかし、そんなかなり人間としてリアルなハルくんとは対照的に、アキヤマさんには違和感を覚えました。
ハルくんが自分と寝るつもりはないと恐らく察していたにも関わらずびっくりするぐらい羽振りが良いのに、バリバリ働いている感じもしない。しかもハルくんに酷い抱かれ方(本番まではいってないけれど)をしたのに「また連絡してもいい?」と自ら提案。
私には少し理解できない懐具合だったのですが……。
なるほど、と。
この違和感に納得のいく展開が待ち受けていました。
ネガティブ思考な人や、ちょっとメンタルが沈んでる人が読むとキツく感じてしまうかもしれないですね。
なるべくネタバレなしで読んで、朝田先生らしいスパイスの効いたストーリーを楽しんでいただきたいです。
社会で生きていくのは大変だけれど、愛のパワーってすごい。そう思わせてくれるお話でした。
レビュータイトルは覚えにくいあいつの名前。
悪そうな口絵通り、ハルくんは褒めるとこがあんまりない。いつもの朝田先生のいつものアレ。
強いて言えば朝田先生にしては珍しい、下まつげがバサバサなところがかわいいくらい。(多分少数派)
ストーリーはなんやかんや有りつつだいたい予想通りに話が進みます。
ショボくれたアキヤマさんが可愛く見えはじめたハルくん。この辺からハルくんも可愛く見える。
「てめーーーーッ オッサンのくせに(以下略)には笑っちゃいましたw
よくあると言えばあるあるなのに、朝田先生がやると新鮮だったからかな?
そして…さすがは朝田先生!やってくれました!!!
ここから俄然面白く読みました。
満身創痍のアキヤマさんが少しずつ回復していく感じやハルくんとの再会シーンがすっごく良い。
5年後、203ページのハルの表情が好きです。
この後に思わずこぼれる涙とか…。もう、もらい泣きしたw
アキヤマさんがショボくれたまま?なのもリアル。
作品には直接関係ないけど、今年発売のコミックは期待を越えてくる率が高くて嬉しい。
朝田先生ファンならぜひどうぞ。
朝田ねむい先生の作品は「マイリトルインフェルノ」しか読んだ事がないで余り比べようが無いですが、今作は人間の心の暗部を描きながら、その先に見える仄かな明るい希望の描き方がお見事でした。
ド底辺なクズなハルヒコがアキヤマを手玉に取ったと思いつつ、彼の純粋な反応に戸惑い絆されて行く描写が上手いとしか言えませんでした。
アキヤマの本来の目的を知ると、それを体験してしまったハルヒコの衝撃とか考えるとトラウマものです。この辺りが朝田先生らしいなと思いました。
それでもそこで終わりでは無くて仄暗さの中にも希望の光があって、時間をかけてアキヤマが再生してハルヒコとの未来を選ぶまでの流れが秀逸でした。
読み手を選ぶ作品だとは思いますがピリッとした甘さが病み付きになるお話で、昨今量産されるものとは一線を画した作品だと思います。
朝田ねむい先生の作品はマイリトルインフェルノしか読んだ事がないのですが、ダークな世界観でクズが出てくる話の印象が強かったです。
今回もあらすじの雰囲気でそんな話だろうと思いました。
何となく予想していた結末を飛び越えていった展開で、驚きと共にそこまでやってしまう先生凄いと思いました。
金欠の為、手近な羽振りの良いサラリーマンを騙して金を稼ぐハルヒコ。
気が弱そうで羽振りは良いけど明らかに何か隠してる薄幸そうなアキヤマ。
電話がなければ縁が切れる、金だけの関係の2人ですが、2人の誤算はハルヒコがアキヤマに惹かれてしまった事ですよね。
アキヤマだって、その後の事を思えば金だけの関係で終わらせたかったはずです。
そのせいで最後のCALLは最悪な結末になりました。アキヤマは意図してませんでしたが、ハルヒコの心を抉るのに十分です。
結末は途中から予想でき、ハラハラしながら見ていましたが、CALLまで繋げてくるとは!タイトルそういうことか。と納得すると同時にゾクゾクしました。
救いはハルヒコが思ったより強かった事。バッドエンドなのかと焦りましたが、きちんと立て直し、成長してアキヤマを追いかけてます。
描き下ろしで思わずこぼれたであろうハルヒコの涙が、本当に刺さってウルっときちゃいました。我慢してたのに最後に泣かされました!
作家買い。
朝田さん作品は、なんていうんですかね、ヒリヒリする感じっていうのかな。人の心の底に秘めた「何か」をごっそりと浮かび上がらせる。そんな感じがします。
今作品もそう。
甘々でほっこりする作品が読みたい方には不向きかと思われます。けれど弱者に目を向けた、切なくも温かい作品です。痛い描写もあるのでもしかしたら読み手を選ぶかも。けれど個人的には心に突き刺さる、そんな作品でした。
主人公はフリーターのハルヒコ。
バイトが長続きせず常に金欠にあえいでいる彼は、ウリ専の店の前でおどおどしているアキヤマという男性と出会う。「もしかしたらカネになるかも」ととっさに判断したハルヒコはその男性に自分はウリ専の従業員だと嘘をつき、デートをして大金をせしめることに成功するが―。
ハルヒコという男の子がなかなかのクズです。
明らかに慣れていないとわかるオッサンをカモにして金銭をあの手この手で巻き上げる。
一方のアキヤマさん。
若く見た目の良いハルヒコに気前よくお金を使ってくれますが、でも、ああ、なんかある男性なんだろうな…、ということも何となく読み取れる。
「お金」だけで繋がっている年齢差もある二人の男の行きつく先は―。
アキヤマ、という男性の内情っていうのかな、彼が今どういう状況に身を置いていて、なぜハルヒコに大金を使ってくれるのか、という部分は読み進めるうちに少しずつ見えてくる。その魅せ方が実にお上手です。
お金を巻き上げるだけのカモにしか相手を見ていないクソ男のハルヒコ。
謎めいたリーマン・アキヤマ。
ベースとしては凄くシリアスで退廃的な空気が常に漂う作品なのですが、もうアキヤマさんが可愛いんですよ。冴えないオッサンで、決してイケてる男ではない。その彼の素の部分に、読んでいてどんどん惹かれていく。
で、それはハルヒコも同じ。
読者と同じように、単なる金づるでしかなかったアキヤマという男性が、ハルヒコの中で少しずつ一人の男性になっていく。
アキヤマが内に秘めた思いは。
そして、二人の男の行く末は―。
キラッキラな恋愛を描いた作品ではありません。
けれど噛めば噛むほど味が出る、そんな作品。「アキヤマ」という男性に自分を重ねる人もいらっしゃるんじゃないかな。
ウリ専、の客と従業員(というのはうそなわけですけれども)という形で出会った二人ですが、身体の接触という部分はかなり少ないです。エロ度は決して高くはありません。甘々な濡れ場もありません。
けれど心とともに、少しずつ身体も近づいていく、その過程にめちゃめちゃ萌えました。この世界観が、朝田マジックならではか。
携帯一つで繋がっていた、言い換えれば「それしか繋がりがなかった」彼らが、どんな結末を迎えるのかー。タイトルも秀逸だなと、読後しみじみ思いました。