あなたを殺す旅

anata wo korosu tabi

あなたを殺す旅
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神112
  • 萌×247
  • 萌22
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
30
得点
816
評価数
186
平均
4.4 / 5
神率
60.2%
著者
浅井西 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
秋田書店
レーベル
プリンセス・コミックスDX カチCOMI
発売日
価格
¥639(税抜)  
ISBN
9784253154864

あらすじ

組員の小田島はヘマをしたヤクザの若頭・片岡と
騒動のほとぼりが冷めるまで、行方をくらますことに。
だが、この旅には片岡を殺すという使命が隠されていて……!?

表題作あなたを殺す旅

片岡,30代半ば,ヤクザの若頭
小田島,29歳,手下の組員

その他の収録作品

  • 旅のはじまり(描き下ろし)
  • カバー下:4コマ漫画

レビュー投稿数30

好きな雰囲気なんだけど

ヤクザBLが好きで読みたくて購入。
ロードムービー的なお話も大好きだし小田島が好みのタイプ。
なのに…どうも私には萌えどころが少なく、ヤクザ的盛り上がりもそこそこで…私の感受性の問題です。

絵はとても綺麗だし、ストーリーも良い。
だけど、私には片岡がかっこいいとも魅力的にも見えず、ただのチンピラのように感じてしまいました。飄々と朝子がよくて人望があり頭も切れるのかもしれないけど、それだけ人を殺してきた凄みとか、恐ろしさ、したたかさ、葛藤とか、もっと厚みがある人物像を見たかったなぁと。や、描かれていると思うので私の目が節穴ですね。

小田島が片岡を殺そうとするけど、どうせ殺さないし、2人がくっつくだろうと読んでいたので、片岡が殺されそうになっても死なないもんねぇと見てしまったんですよね。ハラハラや裏切られ感、衝撃がなかった。

ハードボイルドぽいかっこよさはいいんだけど、恋心。気持ちの強さがあまり感じられず。読み手の私の問題です。
ヤクザBLって、命がけで相手を思うところがキモですが、その場面、見開きで見せ場だったけど、片岡の足場がどうもなぁ…すみませんです。

0

じんわり惹かれ合う2人に萌える

 ヤクザものですが、浅井先生のタッチが軽いのでさらりと読める物語でした。片岡の運命の流れに逆らわない生き方、自分にはとてもできないけれど好きだなぁと感じます。小田島のかつての相棒と片岡への複雑な感情も丁寧に描かれていて、共感を誘われました。裏社会ものは読んでいてどっと疲れることが多いですが、こちらはあくまで片岡と小田島に焦点を当てているのでそういう疲労感もありませんでした。浅井先生の他の作品にも興味が湧きました。

0

心を探す

ヤクザBLらしいヒリヒリした空気感を感じながら、片岡のユルい言動によってほのぼのした気持ちにもなるようなお話でした。

ほとぼりが冷めるまで少し行方をくらますという理由で組を離れたものの、それは表面上だけで本当は小田島が片岡を殺すための旅。
なのでセックスをしていても甘さはないし、片岡自身もその目的に気付いているのでなんともいえず切ない雰囲気が漂う展開に。
ただその合間に片岡の人柄がわかるようなちょっぴりあたたかいエピソードが挟まれるので、その切なさも和らいでいた気がしました。

小田島の頭の中で繰り返される殺しのシミュレーションが「どっちが現実なの?」と思わせるようなリアルさがあり、ふたつの世界線を想像することができるのも面白かったです。

簡単に解消できないような確執があったことで始まったふたりの旅でしたが、三代目も含めてみんなが良いところに落ち着くような結末になっていたなと思いました。

0

ラストはどっちだ?で夢を見たかった

ヤクザ二人の逃避行の話。メインカプと次期組長側の話が並行して進むので適度な緊迫感がありました。全体に緩急が付いてていい感じ。なんとなく深夜に読みたい漫画です。
小田島の過去はかなり複雑で、そのせいか表情ゼロで感情無さげ。モノローグもあまりないので、何を考えてるか察するのが難しいです。描写もボカされてるところが結構あって、そこは読者の想像任せってことなのかな。
銃を突きつけたその後もハッキリ描かれてないので、私はその後数ページは夢・幻・あったかもしれない未来として見てました。港のシーン、目の前は海だし車の軌跡は描かれてないし、銃声は一発なのでどっちとも取れるよなあと。
なのになのに、終わった後の4コマでちんすこうを食べる片岡が…せっかくの余韻が…泣。普通にハピエンとして読んでればたぶん問題なかったんですけど。作中の設定はきっちり描いて、結末の方を読者の想像任せにする方が好みです。
タイトルは「あなたを殺すたび」の方がダブルミーニングで良かったなあと思いました。何度も殺す想像シーンが出てくるので、殺す度に…で勝手に深読みしたかったな。
解釈違いを矯正されて、なんかごめんなさいな読後感。でも雰囲気は好きです。

0

攻めが男らしくて格好良いです。

ノンケヤクザ×ゲイヤクザ。
個人的には浅井西先生の作品の中で1番好きな作品です。話の雰囲気等が凄く好みでした。
ヤクザものですが主役二人のキャラクターが立っていて凄く良かったです。
攻めが格好良くて男らしくてとても魅力的。重たいストーリーですがキャラクターが強いため気にならず、読んでいてとても気持ちが良かったです。

1冊では物足りなくて正直続きを出してほしいけど、これ1冊でもとてもきれいに完結しています。とてもオススメです。

0

気怠さと殺意と

タイトルイメージ、レビューでの高評価、愛と憎しみの逃避行、重厚な描写、と聞いて期待して読みました。

逃亡中とはいえ、はじめがゆるい感じのドライブみたいな雰囲気で、ヤクザBLに期待する緊張感や切羽詰まった空気感を求めているとちょっとハズされるかな。
読んでいくと確かに殺しだの過去だの跡目争いだのと、すさんだ空気感が背景にあることはわかってくるけれど、ひなびた海沿いの町の描写や、余裕たっぷりの片岡がそれらを中和する。
だがそののんびりした雰囲気の中には実は小田島の殺意があった…
そんな風に、緩んだ空気と尖った人間関係が入り混じったり交代したりの緩急のある展開だと思う。
物語が進むにつれ、小田島の背負った過去や、なぜ桐井が片岡を殺そうとしているのか、また小田島が命じられたからだけではない因縁を片岡に抱いている事なども段々と明かされていく描き方も上手いと思った。
もっともっと血生臭くてもいいようなテーマを、こんなふうに一種の脱力系、夏の気だるさのように描く、そこがいい。

小田島の言う父・母・姉殺しの背景がうやむやなのと、親友の死を片岡のせいにするのは逆恨みすぎる気もする、また2億円の現金はどうやって?とか、気になる細かい部分もあるけど…まあいいか。

1

ノスタルジックでムードのある世界観。

てっきり平成初期くらいの時代の話かと思って読んでいたら、あ、スマホ! スマホあった!! スマホめっちゃ活用されてるじゃないか!!! 現代でしたw

このちょっと懐かしい感じの情景や雰囲気、とてもいいです。個人的には、受けの人・小田島の、今では中々見れなさそうなヤクザの手下っぽさ溢れるスタイルが特に好きです。

そして攻めの片岡さんですよ。彼は初っ端から訳のわからない理由で小田島を襲ってみたり、気まぐれに人助けしてみたり、人妻は襲えなかったり、代車が気に入らなくて不貞腐れたりと、ちゃらんぽらんなんですけど、小田島の処女を奪った責任を取ると言い出し、本当に小田島を嫁にしてしまったりと、実はいい男なんですよね。あ、いけない私ったらこんな早口でまくし立てて!

とまあ、実は組の若い衆から慕われていて仁義ある片岡さんが本当にカッコよかったです。

ものっすごい人たらしな片岡さんと彼に対して複雑な感情を持つ小田島の濡れ場は、すごく、エロスでした…… 。

ラストはメリバかなぁと思ったらまさかの! 想像の少し斜め上を行ったハピエンで笑いました。あれが本当に実現するとは。

2

エモい!!

「あなたを殺す旅」もうタイトルがかっこよすぎ。
カバーもかっこいいしこれは映画みたいで本当に素敵でした。
また早く読めばよかったシリーズです。
こないだのアワードにも入ってましたよね。
雰囲気がたっぷり。まさにロードムービー。
逃避行でハネムーンです。
1話目でこれ絶対いいやつだって思いました。
なんか苦しい感じでせつない。
これがエモでしょう。
893モノ好きな人は絶対読みましょう。
ストーリー重視の人にも。
私は特にヤクザ好きじゃないけどぶっ刺さりました。
殺す任務からの私情…
仇を愛しちゃうっていうね
受けも色っぽい。
絡みもセクシーで色気〜っ!!て感じ。
こういうエロ好きです。
アニキはかっこいいね。魅力的。
美しいです。
ラスト死エンドじゃなくてよかったー!
最後2人してアロハ着て可愛いです。
幸せになれ。すごくよかったです。
おススメ。

4

映画を観ているよう

浅井西先生初読み。
タイトルに惹かれて読みました。
表紙からヤクザものだろうとは思ってたけど、内容としてはそこまで重くない。
ヘマをして身を隠すことになった若頭の片岡と、同行する下っ端の小田島。
小田島には跡目争いに絡めて「片岡を殺す」という使命が与えられていて
…。
小田島は過去の出来事から片岡に憎しみ(というか執着?)を抱いていて、でも片岡と過ごすうちに惹かれている自分にも気づいていて。
片岡は「男惚れ」という言葉がぴったりの、男が男に惚れるいいキャラなんですよね。組員からの人望も厚いみたいだし。
具体的な言葉なんかはないんだけど、小田島が片岡に惹かれていく様が手に取るようにわかる。
片岡からのプロポーズのシーン素敵だったな。
小田島には少年期の辛い過去があって、自分には愛情など無縁だと思っているんだろうけど、片岡の直球の攻めが知らぬ間に心をとかしていって。
ふたりの逃避行を描く映画のような作品だった。
最後のジマちゃん最高!末永くお幸せに。

2

攻の片岡が男前でかっこよすぎます!!

ヤクザもので、命を狙われる若頭とその若頭の命を狙う部下の話。誰からも慕われ人望厚い若頭の片岡を、現組長の息子が部下である小田島に、片岡を殺すように命じる。組長の息子は片岡に仕事の責任を取らせて街を出るよう伝えるが、そこに片岡を殺すように命じた小田島を同行させる。

小田島は、組からの命令もあるし、同じ組の仲間で家族も同然だった男が片岡をかばい殺された過去も持つ。一方で片岡に強烈に惹かれていくため、なかなか片岡を殺せない。

この若頭の片岡が男前で男気溢れてて、色気たっぷりで、エロくて、とにかくめっちゃくちゃかっこいいんです!!

設定が部下との二人旅、というものなので、柄物シャツでラフな格好してるんですけど、過去の思い出描写で出てくる、若頭としてグイグイやってるときの片岡って、仕立てのいいスーツに毛皮のコート着て、髪はオールバック。いかにも〜って感じなんですけど、色っぽくてめちゃめちゃかっこいいんです!!

それにもう、やることなすこと男前!!この作品は片岡が全部持ってっちゃってると言っても過言ではないくらい、攻の魅力が半端ないです!

物語の中盤、小田島が男とのセックスは片岡が初めてだったと告白すると、

「結婚するぞ 責任は取らねぇとな 男だからよ」

この潔さ…。小田島じゃなくても惚れます…。

さらに物語終盤、組長が病気で亡くなり、危険をおかしても組に戻り葬式に参列する。そこで刺客に撃たれそうになるのを小田島がかばうんですが、とっさに小田島と身体を入れ替えて撃たれる片岡。呆然とする小田島に、

「守んねぇとな お前、俺の恋女房なんだから」

かーっこいいー…あまりにもかっこよすぎて、痺れます…。見ているこちらも心を射抜かれて昇天しました…。あまりにもかっこよすぎる…。

片岡はこの旅が始まったときから、すべてをお見通しなんですよね。小田島が自分の命を狙っていることも。それを否定せず、なすがままにさせている。一方で小田島を抱くたび、愛おしく抱く片岡。

最後、病院から抜け出し車の中で身体を重ねる2人。激しく愛し合う。その刹那、小田島は銃を片岡の胸に突きつける。それでも動じない片岡。銃口をそっと自分の額に当てる。

「こっちだ 言ったろ 外すなって」

なんすか、これ。めっちゃくちゃ痺れます…。男気の塊。かっこよすぎて吐血。片岡ー!!どこまでかっこいいんだー!

小田島のビジュアルはいまいち刺さらなかったんですけど、男✕男の壮絶な純愛ストーリーで、読み応えたっぷりです!

この作品はストーリー的にもキャラクター的にもとてもよくつくられていて、片岡を殺す命令を出した組長の息子も片岡に対する誤解と嫉妬があって、キャラクターとしてとても際立っている。小田島にも暗い過去があったりして、キャラクターのバックボーンもしっかり描かれています。

ストーリー重視の方、男前大好きな方にはかなりハマると思うので、ぜひ読んでいただきたいです。

7

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