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anata wo korosu tabi
ヤクザBLが好きで読みたくて購入。
ロードムービー的なお話も大好きだし小田島が好みのタイプ。
なのに…どうも私には萌えどころが少なく、ヤクザ的盛り上がりもそこそこで…私の感受性の問題です。
絵はとても綺麗だし、ストーリーも良い。
だけど、私には片岡がかっこいいとも魅力的にも見えず、ただのチンピラのように感じてしまいました。飄々と朝子がよくて人望があり頭も切れるのかもしれないけど、それだけ人を殺してきた凄みとか、恐ろしさ、したたかさ、葛藤とか、もっと厚みがある人物像を見たかったなぁと。や、描かれていると思うので私の目が節穴ですね。
小田島が片岡を殺そうとするけど、どうせ殺さないし、2人がくっつくだろうと読んでいたので、片岡が殺されそうになっても死なないもんねぇと見てしまったんですよね。ハラハラや裏切られ感、衝撃がなかった。
ハードボイルドぽいかっこよさはいいんだけど、恋心。気持ちの強さがあまり感じられず。読み手の私の問題です。
ヤクザBLって、命がけで相手を思うところがキモですが、その場面、見開きで見せ場だったけど、片岡の足場がどうもなぁ…すみませんです。
ヤクザものですが、浅井先生のタッチが軽いのでさらりと読める物語でした。片岡の運命の流れに逆らわない生き方、自分にはとてもできないけれど好きだなぁと感じます。小田島のかつての相棒と片岡への複雑な感情も丁寧に描かれていて、共感を誘われました。裏社会ものは読んでいてどっと疲れることが多いですが、こちらはあくまで片岡と小田島に焦点を当てているのでそういう疲労感もありませんでした。浅井先生の他の作品にも興味が湧きました。
ヤクザBLらしいヒリヒリした空気感を感じながら、片岡のユルい言動によってほのぼのした気持ちにもなるようなお話でした。
ほとぼりが冷めるまで少し行方をくらますという理由で組を離れたものの、それは表面上だけで本当は小田島が片岡を殺すための旅。
なのでセックスをしていても甘さはないし、片岡自身もその目的に気付いているのでなんともいえず切ない雰囲気が漂う展開に。
ただその合間に片岡の人柄がわかるようなちょっぴりあたたかいエピソードが挟まれるので、その切なさも和らいでいた気がしました。
小田島の頭の中で繰り返される殺しのシミュレーションが「どっちが現実なの?」と思わせるようなリアルさがあり、ふたつの世界線を想像することができるのも面白かったです。
簡単に解消できないような確執があったことで始まったふたりの旅でしたが、三代目も含めてみんなが良いところに落ち着くような結末になっていたなと思いました。
ヤクザ二人の逃避行の話。メインカプと次期組長側の話が並行して進むので適度な緊迫感がありました。全体に緩急が付いてていい感じ。なんとなく深夜に読みたい漫画です。
小田島の過去はかなり複雑で、そのせいか表情ゼロで感情無さげ。モノローグもあまりないので、何を考えてるか察するのが難しいです。描写もボカされてるところが結構あって、そこは読者の想像任せってことなのかな。
銃を突きつけたその後もハッキリ描かれてないので、私はその後数ページは夢・幻・あったかもしれない未来として見てました。港のシーン、目の前は海だし車の軌跡は描かれてないし、銃声は一発なのでどっちとも取れるよなあと。
なのになのに、終わった後の4コマでちんすこうを食べる片岡が…せっかくの余韻が…泣。普通にハピエンとして読んでればたぶん問題なかったんですけど。作中の設定はきっちり描いて、結末の方を読者の想像任せにする方が好みです。
タイトルは「あなたを殺すたび」の方がダブルミーニングで良かったなあと思いました。何度も殺す想像シーンが出てくるので、殺す度に…で勝手に深読みしたかったな。
解釈違いを矯正されて、なんかごめんなさいな読後感。でも雰囲気は好きです。
ノンケヤクザ×ゲイヤクザ。
個人的には浅井西先生の作品の中で1番好きな作品です。話の雰囲気等が凄く好みでした。
ヤクザものですが主役二人のキャラクターが立っていて凄く良かったです。
攻めが格好良くて男らしくてとても魅力的。重たいストーリーですがキャラクターが強いため気にならず、読んでいてとても気持ちが良かったです。
1冊では物足りなくて正直続きを出してほしいけど、これ1冊でもとてもきれいに完結しています。とてもオススメです。
タイトルイメージ、レビューでの高評価、愛と憎しみの逃避行、重厚な描写、と聞いて期待して読みました。
逃亡中とはいえ、はじめがゆるい感じのドライブみたいな雰囲気で、ヤクザBLに期待する緊張感や切羽詰まった空気感を求めているとちょっとハズされるかな。
読んでいくと確かに殺しだの過去だの跡目争いだのと、すさんだ空気感が背景にあることはわかってくるけれど、ひなびた海沿いの町の描写や、余裕たっぷりの片岡がそれらを中和する。
だがそののんびりした雰囲気の中には実は小田島の殺意があった…
そんな風に、緩んだ空気と尖った人間関係が入り混じったり交代したりの緩急のある展開だと思う。
物語が進むにつれ、小田島の背負った過去や、なぜ桐井が片岡を殺そうとしているのか、また小田島が命じられたからだけではない因縁を片岡に抱いている事なども段々と明かされていく描き方も上手いと思った。
もっともっと血生臭くてもいいようなテーマを、こんなふうに一種の脱力系、夏の気だるさのように描く、そこがいい。
小田島の言う父・母・姉殺しの背景がうやむやなのと、親友の死を片岡のせいにするのは逆恨みすぎる気もする、また2億円の現金はどうやって?とか、気になる細かい部分もあるけど…まあいいか。
てっきり平成初期くらいの時代の話かと思って読んでいたら、あ、スマホ! スマホあった!! スマホめっちゃ活用されてるじゃないか!!! 現代でしたw
このちょっと懐かしい感じの情景や雰囲気、とてもいいです。個人的には、受けの人・小田島の、今では中々見れなさそうなヤクザの手下っぽさ溢れるスタイルが特に好きです。
そして攻めの片岡さんですよ。彼は初っ端から訳のわからない理由で小田島を襲ってみたり、気まぐれに人助けしてみたり、人妻は襲えなかったり、代車が気に入らなくて不貞腐れたりと、ちゃらんぽらんなんですけど、小田島の処女を奪った責任を取ると言い出し、本当に小田島を嫁にしてしまったりと、実はいい男なんですよね。あ、いけない私ったらこんな早口でまくし立てて!
とまあ、実は組の若い衆から慕われていて仁義ある片岡さんが本当にカッコよかったです。
ものっすごい人たらしな片岡さんと彼に対して複雑な感情を持つ小田島の濡れ場は、すごく、エロスでした…… 。
ラストはメリバかなぁと思ったらまさかの! 想像の少し斜め上を行ったハピエンで笑いました。あれが本当に実現するとは。
「あなたを殺す旅」もうタイトルがかっこよすぎ。
カバーもかっこいいしこれは映画みたいで本当に素敵でした。
また早く読めばよかったシリーズです。
こないだのアワードにも入ってましたよね。
雰囲気がたっぷり。まさにロードムービー。
逃避行でハネムーンです。
1話目でこれ絶対いいやつだって思いました。
なんか苦しい感じでせつない。
これがエモでしょう。
893モノ好きな人は絶対読みましょう。
ストーリー重視の人にも。
私は特にヤクザ好きじゃないけどぶっ刺さりました。
殺す任務からの私情…
仇を愛しちゃうっていうね
受けも色っぽい。
絡みもセクシーで色気〜っ!!て感じ。
こういうエロ好きです。
アニキはかっこいいね。魅力的。
美しいです。
ラスト死エンドじゃなくてよかったー!
最後2人してアロハ着て可愛いです。
幸せになれ。すごくよかったです。
おススメ。
浅井西先生初読み。
タイトルに惹かれて読みました。
表紙からヤクザものだろうとは思ってたけど、内容としてはそこまで重くない。
ヘマをして身を隠すことになった若頭の片岡と、同行する下っ端の小田島。
小田島には跡目争いに絡めて「片岡を殺す」という使命が与えられていて
…。
小田島は過去の出来事から片岡に憎しみ(というか執着?)を抱いていて、でも片岡と過ごすうちに惹かれている自分にも気づいていて。
片岡は「男惚れ」という言葉がぴったりの、男が男に惚れるいいキャラなんですよね。組員からの人望も厚いみたいだし。
具体的な言葉なんかはないんだけど、小田島が片岡に惹かれていく様が手に取るようにわかる。
片岡からのプロポーズのシーン素敵だったな。
小田島には少年期の辛い過去があって、自分には愛情など無縁だと思っているんだろうけど、片岡の直球の攻めが知らぬ間に心をとかしていって。
ふたりの逃避行を描く映画のような作品だった。
最後のジマちゃん最高!末永くお幸せに。
ヤクザもので、命を狙われる若頭とその若頭の命を狙う部下の話。誰からも慕われ人望厚い若頭の片岡を、現組長の息子が部下である小田島に、片岡を殺すように命じる。組長の息子は片岡に仕事の責任を取らせて街を出るよう伝えるが、そこに片岡を殺すように命じた小田島を同行させる。
小田島は、組からの命令もあるし、同じ組の仲間で家族も同然だった男が片岡をかばい殺された過去も持つ。一方で片岡に強烈に惹かれていくため、なかなか片岡を殺せない。
この若頭の片岡が男前で男気溢れてて、色気たっぷりで、エロくて、とにかくめっちゃくちゃかっこいいんです!!
設定が部下との二人旅、というものなので、柄物シャツでラフな格好してるんですけど、過去の思い出描写で出てくる、若頭としてグイグイやってるときの片岡って、仕立てのいいスーツに毛皮のコート着て、髪はオールバック。いかにも〜って感じなんですけど、色っぽくてめちゃめちゃかっこいいんです!!
それにもう、やることなすこと男前!!この作品は片岡が全部持ってっちゃってると言っても過言ではないくらい、攻の魅力が半端ないです!
物語の中盤、小田島が男とのセックスは片岡が初めてだったと告白すると、
「結婚するぞ 責任は取らねぇとな 男だからよ」
この潔さ…。小田島じゃなくても惚れます…。
さらに物語終盤、組長が病気で亡くなり、危険をおかしても組に戻り葬式に参列する。そこで刺客に撃たれそうになるのを小田島がかばうんですが、とっさに小田島と身体を入れ替えて撃たれる片岡。呆然とする小田島に、
「守んねぇとな お前、俺の恋女房なんだから」
かーっこいいー…あまりにもかっこよすぎて、痺れます…。見ているこちらも心を射抜かれて昇天しました…。あまりにもかっこよすぎる…。
片岡はこの旅が始まったときから、すべてをお見通しなんですよね。小田島が自分の命を狙っていることも。それを否定せず、なすがままにさせている。一方で小田島を抱くたび、愛おしく抱く片岡。
最後、病院から抜け出し車の中で身体を重ねる2人。激しく愛し合う。その刹那、小田島は銃を片岡の胸に突きつける。それでも動じない片岡。銃口をそっと自分の額に当てる。
「こっちだ 言ったろ 外すなって」
なんすか、これ。めっちゃくちゃ痺れます…。男気の塊。かっこよすぎて吐血。片岡ー!!どこまでかっこいいんだー!
小田島のビジュアルはいまいち刺さらなかったんですけど、男✕男の壮絶な純愛ストーリーで、読み応えたっぷりです!
この作品はストーリー的にもキャラクター的にもとてもよくつくられていて、片岡を殺す命令を出した組長の息子も片岡に対する誤解と嫉妬があって、キャラクターとしてとても際立っている。小田島にも暗い過去があったりして、キャラクターのバックボーンもしっかり描かれています。
ストーリー重視の方、男前大好きな方にはかなりハマると思うので、ぜひ読んでいただきたいです。
好きなんですよね、ヤクザもの。
不穏な表紙も素敵。
さらにはロードムービー風で初めから引き込まれました。
若頭片岡と下っ端組員小田島が海辺の町を転々と逃亡の旅をするのですが、小田島には片岡を殺すという使命があり…というお話。
片岡への恋心ゆえ殺せないという単純なものではなく、片岡をかばって死んだ親友が深く絡んでいます。
片岡を憎んでいるはずなのに、殺せない。
親友の慕っていた片岡だからなのか、それとも…?
銃を自分の額に当てさせた片岡が男前過ぎた…。
自分の命を狙う者を愛するってどんな心境なんだろう、って考えれば考えるほど分からないんだけどそんな気を抜けない関係が好きでした。
4代目になった桐井のスピンオフですと⁉︎
しかもスーパー攻め様にドロドロのグチャグチャに愛されるとな!期待しかない…。
作者さま、お待ちしております。
一読ではわかったようなわからないような。わかっても、ふーんというか。
自分の調子の問題ですね。きっと時間を置いて再読したら滅茶苦茶面白いと思う。要再読の本棚も作らなければ。
えーと、小田島が家族を殺したのと片岡に家族を殺されたのが途中までよくわからなくて、そこに引っかかり物語を楽しみきれず。
組長の息子がクズで若頭が人望があるのはよく見かけますね。確かに片岡は魅力的です。
絶対にホームレスにしか見えないお爺さんが社長さんだとの話に楽しく付き合ったり、片岡に憧れてた小田島の大切な家族の墓参りのくだりとか、小田島の処女を奪ったから結婚するとか言い出すとか、片岡の魅力が満載ですね。
何回も小田島が今やるの!?というシーンがあってドキドキしました。
組長の息子も思い込みが激しくて。小田島の扱いも酷いし。典型的なクズ息子でしたね。
南国で仲良く新婚生活してるのかな?
結局葛藤しつつも守り守られ片岡の魅力に落ちたのでしょうか?
家族の気持ちがわかった瞬間の顔が唯一微笑んでましたね。
アウトローものが好きで購入。
結果、「よく練られてるなぁ。」と感動しました~!
あらすじや内容は、他の方も書かれているので割愛しますね!
メインの2人はもちろん、ほんの脇役の町で出会う「自称社長のホームレスの様なおじいちゃん」や、「死刑囚をダンナに持つお水のおねえちゃん」に至るまで、
たった数ページ、ほんの一言、ちょっとした一コマの視線・表情・仕草でその人の人生、性格、バックボーンがありありと想像出来るんですよね。
人物描写に拍手を送りたいです。
たまに【この人物はこういうキャラだ。】【今はこういう心情だ。】と、読み手に伝えるために 不自然に登場人物に語らせていたり、描写を入れてくる作品ありませんか。
逆に、【表情でも心中でも語らなすぎ。(または読み手に上手く伝わっていない)】【表情や間だけで伝わらせたがりすぎ。】【読み手に委ねるような手法をとりすぎ。】て 私がアホなのか、意図的なのか、登場人物の心情が上手く汲み取れなくて困る作品もありますよね。
(好きなんですけどsh---aさんとかそうなんです泣)
こちらはそれがなく、
特に片岡さんの描写は、誰かが「こうだ」と言うような説明シーンを入れなくてもスゴくスゴく伝わってくるんです。
釣りのシーンやお墓に煙草を立てるシーン等あげたらキリがないんです。至る所から伝わってきます。
器の大きさや、こんな人物なのだろうな。ということがしっかり捉えられます。
と、いいつつ…最初は小田島くんがちょっと分からなかったですね~。
親分のモノは咥えてるし、兄弟分のことは忘れられなそうだし… 。
小田島くんの恋の時系列は兄弟分(忘れられない好きな人)→親分(今好きな人)→片岡(ほだされた)なのかなー?とか思ったんですよね。
でも多分
兄弟分→家族愛、兄弟愛、友愛。
親分→普通に親分なだけ。逆らわない、逆らえない、恋愛感情はなし。
片岡→本人は気付いていなかったけど初めて見た時から惹かれていた、後半撃たれる時までずっと無自覚?で好きだった。
……なんでしょうね~(そうであってほしい思いからの希望的観測でしょうか?笑)
※作者さんも一目惚れって言ってますね わーい!
男っぽい受が好きなので小田島くんのビジュアルも好みでした!
しかも処女~♪処女好きなので嬉しい~♪笑
そして、読んでいる最中 なぜだか北野たけしさんの映画がよく浮かびました。
「青」が似合うような、そんな世界観。←伝わって〰️笑
たけし映画が好きな人には、刺さるかもしれないです!
高く澄んだ空、キラキラ光る海、楽しそうな子供たち、そんな穏やかな情景。
その中に、あの2人が自然に溶け込み、過ごしている姿。
言葉に現せない、不思議な感覚を持ちました!
人物描写の上手さ(特に片岡やお水のおねえちゃん)とお話の雰囲気を味わうだけでも読む価値がありますよ!
甘味ものに浸りすぎて辛口の男臭いものを読みたくてヤクザものなら と手を出しました
跡目をめぐり若頭の始末を任された小田島
難癖つけられ小田島と逃亡旅行に出された片岡
逃亡中 片岡を知るにつれ 過去を断ち切れずいる自分と絆されていく自分に戸惑う小田島
いい男なんですよ 片岡も小田島も
2人が旅をする中でお互いを知っていくみたいなのもほんといい
最後の
車中でのセックスの最中 小田島が片岡に向けた銃口
小田島の想いを受け止めるように片岡が的を定める
そこまで暗いストーリーでもないし 重すぎるような事もない
ないのになんで
なんで アロハシャツなのかなぁ
なんで そんなかわいらしいお話にしちゃったかなぁ
最後の最後で詰んだ
あ~~~~~良い!
ヤクザしてる…!!
受けくんがあまり好みじゃないかもと思っていたのですが、ラストで好きになりました。
エロ描写もわりとあるのですが、あんまりエロくない!こざっぱりしてると言うか。でもヤクザモチーフなのでこれくらいが好みです。
受けくんの親父(受けくんに攻めを殺せと命令する人)はほんと悪役なのですが、顔がすごく好みでした。イケメンですよね。
タイトル通り、受けは攻めを殺すための刺客ですが、攻めとともに旅をすることに。
何度も殺すチャンスはあるのに、寸でのところでできない……。
受けの過去がつらいです。親友との別れ、泣いてしまう。
そして攻めを庇って微笑むシーンもすごく良かった。しかし攻めが庇い返して(!?)死にかけるのですが、そんな暇あるか?と思ってしまったが素直な感想ですが…。
受けが殺そうとしなくても攻めは勝手に死にそうな感じがします…。
でもラストが最高だったので……。幸せに暮らしてくれ。
なんでしょうこの作品は。
ページをめくったら最後、あっという間に惹き込まれて作品から抜け出せない。
読後の余韻がすごい。
非常に読ませる作品です。
海沿いの町を一台の車で巡る2人のヤクザ。
「あなたを殺す旅」のタイトル通り、殺す使命を請け負った小田島と、殺される側の片岡のあてもない逃避行。
2人がヤクザな事は分かるものの、詳細が分からないまま読者も2人と共に旅に出る事になるのですが、この説明の少なさが味わい深さを増幅させている。
映画的と言いますか、登場人物達の表情や、ちょっとした言葉の数々から背景を想像しては、これはきっとこういう事なのかなと理解をしていく形になります。
すごく良い。説明なんて無くても惹かれてしまう。
例えるのならば、静と動のような小田島と片岡。
あてもない旅を続ける、ヤクザ2人の雰囲気が妙に穏やかで静かなものなのですよね。
それは、片岡のキャラクターと、旅の道中で出逢う人々とのやり取りがあまりに自然なものだからなのかもしれない。
ただ、所々にピリッとしたスパイスのような部分が入る事によって、2人の日常の中にごく当たり前に暴力や死というものが存在しているのが伝わって来るのです。
ヤクザものな事を忘れかけた時に、ギュッと引き戻されるというか…
名前も無い一般人・釣り竿を返して欲しがっている子供の反応、亡くなった小田島の親友の墓の場所。
人々のちょっとした反応から、ヤクザが畏怖される対象・異質な存在だという事が非常に良く分かる。
ここが本当に上手いなと。
主に受けの小田島視点で語られる物語。
彼の視点で読み進めていく内に、殺さなければならない片岡という人の魅力に取り憑かれてしまう。
普段は飄々としている彼が何気なく放つ一言一言が重みのあるものだったり、なんだか胸をぐっと持っていかれてしまうものなのです。
「男前」という言葉が本当に似合う人かもしれない。
ヤクザだけれど情が深い。女も男も惚れてしまう男ですね。
口紅を塗って、組長にキスをするシーンが好き。
それと同時に、目付け役の小田島の過去や、小田島の片岡へ対する感情の変化がごく自然に描かれている。
なぜ親友だった彼は片岡を守って死んだのか?
その理由をずっと探していた小田島が、片岡と過ごし彼の人となりを知り「ああ、そうか、こういうことか」と、穏やかな笑みを浮かべてからの一連の流れが、コマ割りや間も含めてお見事です。
殺すはずだった男。憎んでいたはずの男。
彼を失って以来、ある意味、片岡を殺す事は小田島の生きる意味そのものだったのでしょうか。
彼らが逃避行の末に辿り着いた行き先は?
それはぜひ、あなたの目で見届けてみて下さい。
小田島の殺しや家族について、ミスリードがかけてあるのも読み応えがありました。
自分が殺したのは「父親と母親と姉の2人」と語り、入院中の片岡に「あなたが俺の家族を殺した」と語る小田島。
直前のコマの、小田島の家族らしき人々が血塗れなので、どういう原因で?片岡が原因?と思わせておいて「家族」というのは、片岡を守って死んだ彼だったと。
これが先ほどの理由に繋がって来るのが上手い。
「殺したのは2人」に関しては、小田島は近親相姦の末、姉から産まれた子供だったのかなと解釈しました。
そう考えると、かなり重たい過去の持ち主ですね。
どことなく世捨て人のような雰囲気を感じたのにも納得かも。
引きの画がとても美しい作品でした。
良質な、読ませる作品をお求めの方はぜひ。
作者買いです。
あらすじ、ストーリーの方は私より素敵に紹介されている方がたくさんいるので割愛して…
というか、ストーリーについての説明が少ないのです。読んでいると分かりますが、モノローグ?のようなものがほとんどありません。
登場人物の会話で構成されているような。でもだからといって説明不足だったりとかはなく、さらさらと2人の時間が流れていくのが心地いい。上質なロードムービーを観ているかのよう。
基本、ヤクザものは個人的にあまり好みではないのですが、こちらは主役2人の人間味がとにかく魅力的で惹き付けられ、素直にかっこよかったです。
あとエロのほうもすごく良かった。甘い雰囲気のあるエロではないのですが、男らしい小田島が片岡に雌にされてる感がぞくぞくしました。というか、浅井先生のエロの描き方が好きです。
シリアスな雰囲気が続きましたが、最後は海の家みたいなところでアロハ着て働く2人にほっこりさせられました。まさかこんな展開に落ちるとは!笑
ちょっと物騒な雰囲気の話でしたが、最後に明るく終わってくれて良かったです。( ◜◡◝ )
〖DMM電子書籍〗
修正 : 白抜き(輪郭あったりなかったり)、霧、トーン、汁あり
カバー折り返し : あり
カバー下 : なし
帯 : なし
裏表紙 : あり
カバーデザイン : Megumi Tsuchikuraさん
電子限定特典 : 漫画1P
備考 :
ひと言 : ❝恋女房❞ってのが超好き…♡
〖紙媒体〗
未読
絵は好みじゃない気がしたけどサンプルが気になって。
でも「猫の片想い」はもう少し可愛い感じの絵だしヤクザものだから?かな。
しかし大変良かった。
あれは姉だけど母親ってことかな?家族を殺されたってのが竜の相方のことね。
片岡が人に好かれるのが存分にわかって小田島が幸せそうで(全く顔に出てないけど)良かった。
命を狙われるチャラく見えて男前な若頭:片岡×悲壮な過去を持つ命を狙う舎弟:小田島
今まで読んだヤクザBL漫画の中でも最高で、読後はしばらく浸ってボーっとした。
それだけ片岡×小田島のラブだけではないヒリヒリした人情ドラマに、たっぷり浸った。
攻めの片岡が女好きでチャラく見せて、実は一途で懐がとてつもなく大きくて男前なところが素敵。
特に小田島が自らの命を狙っていると知りながら、巧く泳がせる態度が世渡り慣れた大人で!
また死にかけの雛鳥を温める、嫌がる女は抱かない、小田島の処女を貰ったと知ったら責任取って結婚する。
そういう優しさを持っている片岡を読み進めるうちに知っていき、どんどん惚れてしまった。
受けの小田島はあまりに辛い出生に自分の両親(姉)殺し、大切な家族のような仲間を喪った過去に衝撃を受けた。
だから愛に飢えた小田島が、実は好きな人である片岡に抱かれるときはあんなにエッチなのかと!
未完成の筋彫り龍の入れ墨が彫られた肌の醸し出す色気、生と死が隣り合わせのセックス描写が至高!!
撃たれた片岡と小田島の血まみれ初キスシーンはもちろん、旅の最後までドキドキさせられた。
組抜けして親の枷が無くなり、片岡しか執着する相手が居なくなった小田島はホロ苦くも幸せそうで…
それまで抱かれながらも常に緊張していた小田島とは違い、旅した車中で思い切り嬌声を出して抱かれて…
でも幸せを受け入れられない小田島が呪いのように出した銃に、対する片岡の度量深い対応に涙が出た。
場面変わって、沖縄でほっこり夫婦が南国でのんびりスイーツ販売ハネムーン…もっと読みたかったw
読んで結論は解かっているのに、何度も読み返しては萌えて感動することが出来る素晴らしいヤクザBL!!!
先のレビュアー様方の「ロードムービー」というキーワードで買いました。
わーこれは好きなやつド真ん中だ!
ノーチェックの作品だったのでレビューに感謝です!
殺される側のヤクザ(片岡)と殺す側のヤクザ(小田島)の有限の逃避行。
淡々とした空気感の中に潜ませてあるのは、情と任侠の世界に生きる男達の熱。
彼らの心情もバックグラウンドも言葉ではほとんど説明されず、ほとんど会話劇のページから断片を拾って繋げて読みとっていく感じなんですが、それが逆に読み応えがありました。
静かに、誰も彼もが熱いんです。そして情が深い。
ここに出てくる誰も彼もが純粋な情を生きる原動力にしている。なんならそれはカタギよりもよっぽど純粋かもしれないような。
そこが切なく、その切なさがいい。
彼らにはそれしかないから、純粋さが際立つ。切ない。
ふらりと出会えた良作でした!
電子特典の1ページ、特典じゃなくて誰もが読める描き下ろしだったら良かったのになぁ。
【電子】シーモア版:修正△(控えめの白抜き)、カバー下○、裏表紙○、電子限定特典(1p)、シーモア限定特典(見開き2p)付き
カチCOMIさんから、理想のヤクザBLが……!!
大好きなレーベルではありますが、「他のレーベルでは出来ないアウトローな作品」を望む者には、若干物足りなさの残る作品が多い印象でした……
この『あなたを殺す旅』はその意味でも、このレーベルに対する"私個人の理想"が詰め込まれているように感じられました。
ヤクザもの特有の背徳感溢れる雰囲気と、映画のように進む物語が、大変良かったです。
小田島さんの言う殺した人数と、実際に小田島さんが殺した人数が合わない点。
さらっと読んだだけでは分かり辛いですね……
(実際、ここのレビューを読んで納得しました)
彫り物はガッツリ和彫りだと分かると、より嬉しかったです……!!
皮肉屋でよく喋る片岡と、表情筋死んでる小田島のバランスが最高。ロードムービー好きはかなりヤられる展開でした。説明を減らして、読み取らせるストーリー運びが秀逸。2周目も面白い。
先生背景描くのお好きなんですね。背景がしっかりしてる作品はやっぱり説得力が増す!
暴力団モノが苦手で、ヤクザを実は善人的描き方をする作品が好きではないのですが、この作品は結構しっかり畜生です。片岡を適当にあしらう蕎麦屋とか、旦那が拘置所にいる女、それを見る刑務官、田舎の小さな島、綺麗事ではないどうしようも無い世界が眈々と描かれている。
(追記:先生がTwitterで「刑務官の彼は密かに彼女に惚れてます。将来はどうなるのかな」と書かれてました。うーん微妙に知りたくなかった情報かもしれない。ならここに書くなよとすみません。失礼な話ではあるが哀れみの感情を持っていて欲しかったような気持ち。小田島が"社長"に向けた目線のような)
▼ネタバレ注意
"殺す"旅の理由が一つではなかったところ、うまいな〜と思いました。2回出てくる片岡の「寿司でも食いなよ」のセリフも好き。
ちるちるのインタビューで小田島は片岡に一目惚れって書いてありましたね。あのページの解釈がその通りだったので安心しました。小田島はずっと言わないのか。でもそんな感じ。
レビュー拝見すると疑問に思った方結構多いのかしら?実の父親と姉の近親相姦で生まれた小田島が、現場を目にして父親を殺し、姉の懇願で姉も殺した…ですかね。人を殺すには若すぎる年齢も、姉との年齢差の矛盾を減らすには納得できる。
電子限定漫画、かなりじんわり来るいい1枚だったのでオススメです。
全部の分量がちょうどいいんです、黄金比というか、読者に余韻を持たせる作品としてとても秀逸です。読後にァァァこの2人をもっとみていたい…と思わせる、気持ちいい読書体験ができます。かなりオススメです。
あと、最後のキスシーンには震えました。コマを四つに割って、まだ状況を受け入れられていない小田島のスローに流れる時間の表現…素晴らしい。片岡の人としての魅力も半端ないです。片岡を慕っている舎弟たちの、人として惹かれる気持ちがわかる気がします。
いやはや…すごく好きだと思う作品に出会いました。
いや~読み終わっても余韻が残って、ぼーっとするくらいには世界観に入り込む。
かなり、ディープな極道の跡目を巡る話なんですが、いいんです。暴力的な、凄惨な場面もあります。だけど、読むのを止めようと思えなかった。
組の若頭の片岡と、目付け役で逃避行に同行する小田島。
小田島が受けなんですが、片岡が当たり前のように犯しちゃうんですね。小田島元々ゲイらしいですが、片岡以外にも、組長の息子のフェラさせられたりといった場面もあります。
とにかく、片岡のちょっとチャラくもある中の凄み、芯のある優しさとか。これは惚れるよね…
とはいえ、小田島の気持ちはラストまではっきりしません。ラストまで読んでこそ片岡と小田島の気持ちと、逃避行が終わるのだと気付きます。
逃避行で、出会った人たちも良かった。人って、一皮剥かないと本当のところはわからない。
暴力と嘘、欲にまみれても結局、中身のその人らしさが全てなんだなぁ…
片岡がかなりいい。小田島が、無表情を崩すところも、ずくんと響きますね。
小田島の過去は凄惨な記憶ばかり。
読み込んだら、小田島の殺した人数の意味がわかりました。
かなり、エグい…
小田島自身は、片岡と旅した事で結果的に救済されたんじゃ無いでしょうか?
本当に、どこでもある日本の小さな海辺の港。田舎の雰囲気が2人の旅を盛り上げています。
いや~ほんとにお薦めします!
ズシンと重い浅井西先生の世界観にはまって欲しい。
電子の立ち読みが80ページ!もあったけど読んで10数ページで
「あっこれ好きだわ、じっくり読も」
と購入してしまいました。
惹かれた理由はセリフやキャラの良さ。
冒頭「せっかくの朝勃ちもったいないだろ」的な事を言いながら攻めが寝てる受けを犯すシーンから始まるんです。
個人的にヤクザものには下衆さとユーモアが欲しいタイプなので、この攻め、片岡には光るモノを感じました。
物語前半は、攻め受け(小田島)2人の行く当てのない旅の様子が描かれています。
先々で出会う人たちとの束の間の交流がエピソードとしていくつかあるんですけど、これが短いけど印象に残りかなり良い!
とくに片岡の屈託のない人柄が魅力的で、最初からネタバレしている「片岡を殺す旅」がどうかどうか阻まれますように!と祈らずにはいられない上手なはなし運び。
後半は組長が亡くなり跡目問題がメインになるけど、個人的には秀逸なロードムービーさながらの前半がハイライトでした。
というのも終わってみるといくつか謎や違和感が残ったので。
・片岡が「親に捨てられちゃおしまいだ」と言ったの回収されてない?
片岡は父親が先代をかばって亡くなったという境遇でその後先代に可愛がられていたらしいので上手く繋がりませんでした。
※追記2
こちらも何となく繋がりました。
親=桐井。小田島は自分(片岡)を殺らないと桐井に捨てられる。それを分かった上での諦観の境地の様なセリフだったのかな。
・小田島が殺した2人とは?
小田島は2人殺したらしいが「父、母、姉」を殺したと片岡に言っている。
多分姉に性的暴行を繰り返していた父親を殺したのが1人、「殺して」と嘆願してきた姉で2人?(でもこのお姉さん負傷してるようにも見える)そして母親の描写が無いので色んなケースを想像するしかありません。
※追記
しろたん9610さまのレビューを読んで謎が解けました!ありがとうございます
・7年前小田島と兄弟の契りを交わした名もなき男。片岡に憧れて片岡をかばって亡くなったらしい。
今作品でこの人の描写が個人的に一番泣けたのですが、片岡が彼を全く覚えていない感じな事に違和感。
旅の途中少年から死にかけの鳥を託されて両手に包んで温めていた様な人が、旦那に悪いと泣く女性を無理に抱くなんて出来ない人が、受けの処女を奪った責任とって「結婚しよう」と言う人が、自分をかばって亡くなった組員を全く気にかけていなかったのかな?
それとも墓参りの時には気付いてる?
そもそも私どこか見落としてる?(可能性大)
もう少しじっくり描いて欲しかった所も色々ありますが、はっきり答えが出ない感じも良いのかな。
絵もストーリーもキャラもすっごく好きな感じでとても面白かったです。
作者さんのヤクザものもまた読んでみたいし寂れた田舎町もの、なんかも良さそうだなぁと思います。
任侠モノがお好きな方にはオススメの一冊
まるっと一冊表題作で、ストーリーはなかなか重厚でした
もっと読みたいような、これくらいのテンポでまとまらないと収集つかなくなるような微妙な設定
受けが妖艶で、そのギャップがすごく良かった
攻めは、飄々としていてどこか掴めない反面かっこよくてタイプとしてはスパダリかなと思うのですがどうなのかしら
女好きは隠すことなく、受けにも手を出してなんとも不器用な二人でした
その中で任侠モノのやりとりは見ごたえがあって、これまでの作品と絵柄の雰囲気もガラッと変わって次の作品が楽しみな作家さんが増えました
インタビュー記事を見て気になっていた作品。
殺伐とした設定なのでダークなお話かと思いきや、最後まで読むと案外、甘い話? 流れるようなきれいな線で描かれた絵がとても好き。
片岡が命を狙われている理由は、簡単に言えば、危篤状態に陥っている組長の跡目争い。片岡は実は、組長が愛人に生ませた子らしい(ここは最後の最後に、実は…と一捻りがありますが)。
で、正統な後継者である桐井は、組長が亡くなる前に、どうしても片岡を消したかった。
一方、小田島は七年前に、兄弟分と言っても過言ではないほど大切な親友を亡くしている。片岡は、その親友の憧れの対象でもあり、その死は彼をかばったことによるもの。
なので、小田島は個人的に片岡に対して、恨みも憎しみも抱いていて、殺すに至る動機も十分。うわー、どうなっちゃうのー?とかなりドキドキしながら読み進め……。
まあBLなので、この憎しみが愛に変わる訳だが、こういう愛憎入り交じった、一筋縄じゃいかない関係っていうのがとにかく萌える。
片岡もチャラいように見えてバカじゃないので、小田島が自分の命を狙っていることは気づいている。だけど表面上はヘラヘラしながら、24時間小田島と一緒にいて、体を繋げたりもしちゃう。このヒリヒリした緊張感がいい…!
一見、色恋に対していい加減そうな片岡が、小田島は自分が初めてだったと知った時、責任を取って(?)プロポーズするシーンが好き。人たらしというか、独特の飄々とした魅力がある片岡、どんどんいい男に見えてくるから困る。
小田島もそれまでずっと無表情だったのが、この頃にはかなり喜怒哀楽が出てきて、なんか可愛くなってる。
小田島は中学の時に自分の父親と母親と姉を殺していて(二人殺した、と言っているのは母親=姉だったのかな? 姉と父親の近親相姦?)、その家族の代わりになると言ってくれた親友も失い、ずっと孤独で、誰も信じられずにいたのだろう。
そんな彼だからこそ、クライマックスで、愛に突き動かされて自らとった行動は感動を呼ぶ。そして、その想いに応えた片岡のセリフがまた胸熱…。
二人の旅の結末を、ぜひたくさんの方に見届けてほしい。
Takk様はじめまして、コメントありがとうございます!
あの部分ははっきり描かれていないので、分かりにくいですよね。
私も確証がある訳ではないのですが、他に考えられるパターンが浮かびませんでした。
拙いレビューを細かい部分まで読んでくださり、ありがとうございました(*^^*)
ものすごく良かった!!
海沿いの町をあてもなく車を走らせる二人。
立ち寄る場所でその土地の人々とほんの少しだけ交流を持つものの、留まらず次の土地へと。
海から吹く風や磯の香り。太陽が照らす波頭。長閑で寂れた空気感。
そうしたものが紙面から感じられ、五感を刺激されながら読み進めました。
地元で少々問題を起こし暫く身を隠す必要のある若頭・片岡(攻め)と、片岡殺害の密命を受けて同行している小田島(受け)。
この二人の関係性がたまりません。
片岡は人好きする男前。チャラチャラしつつも肝の座ったイイ男。
小田島は喜怒哀楽がまったく表に出ないけれど、内に様々な想いを抱え込んでいます。
小田島はかつて相棒を亡くしていますがその原因が片岡であるため、そもそも今回の命令がなくても憎い相手ではありました。
ただ、片岡に対して同時に密やかな憧れや恋情も抱いていて・・・。
二人して腹のなかを見せないので、表面上は問題なく淡々と時間は過ぎゆき、時にはコミカルな場面が挟み込まれたりもします。
だからこそ、殺害を実行しようとする場面には(未遂だけれど)胸が締め付けられます。
こうした場面の緩急がとても上手で惹き付けられ、ページをめくる手が止まりません。
印象的な場面も多くありますが、私がグッと心掴まれたのは、片桐がセックスをしたことがなく、小田島に「あなたが初めての男です」と伝えると暫し考えた後に「うーん よし 結婚すっか」と言ってのけた小田島。
その理由は今までの相手は商売女ばかりで処女はいなかった。だから処女だった片桐に対して「責任はとらねぇとな」と。
なんて男前発言!
そもそも、片桐は小田島が自分の命を狙っていることに気付いています。
そんな相手に対して鷹揚というか考えなしというか。
でもこうした言動が魅力的で人を惹き付けてやまないのだろうな。
もちろんこの言葉に嘘やからかいの意はなく、なんの衒いもなしに出た言葉。
惚れちゃうよね。こんなの言われたら惚れちゃうよね!と読んでる私が興奮(笑)
一筋縄ではいかない関係。
環境も状況も厳しく、どうにもならないような場所から光あるエンディングに持っていった話運びが本当に素晴らしかったと思います。
胸のうちの葛藤を乗り越え、二人が選んだ道が平和であることを願います。
どうか血生臭い場所からいつまでも遠く離れていられますように。
カチCOMI連載時から大好きだった作品です。
海沿いを辿る極道二人のロードムービーともいえる本作ですが、
キャラと海沿いの風景・人々・様々なエピソード……
どれをとっても情緒的で胸にきますーー
ヘマをした若頭の片岡は、
組員・小田島と熱りが覚めるまで二人で逃亡することに。
しかし、この旅には裏があり、
小田島は片岡を殺すことを命じられていてーー…⁉︎
はじめに申しておきたいのは、
片岡がとても魅力的だということ!
チャラくて適当なのに、情があり色気もある。
強引なようで不器用だし時々優しくて、
人を惹きつける魅力満載のお方です。
対する小田島は、無愛想な強面で、
心に色々な思いを複雑に抱えています。
だけど、セックスの時は妖艶で色気がすごい!
そして、仲間思いで本当は情に厚い男なのだと思います。
海沿いの街で出会った人々やそのエピソードが各話で描かれており、それがとても胸に響くものばかり。
子どもに託されたヒナを一晩中手で温めて守る片岡。
過去に何人も人を殺してきた男たちは、
命を奪うとこはできても、小さな命ひとつも守れない……
そこに矛盾と葛藤を感じました。
実は、片岡は小田島の親友の仇でもあります。
ここの状況説明が言葉で語られるわけではないのですが、
片岡に憧れていた親友が片岡の代わりに撃たれて亡くなったということだと思います。
小田島にとって唯一家族のような存在だった親友を失い、
その怒りの矛先を片岡に向けたのではないでしょうか。
しかし、片岡を憎みきれず惹かれていく小田島は、
片岡を殺すことができません。
片岡は小田島が自分を殺そうとしていることは分かっています。
このあたりの掴み所がないところも片岡の魅力なんでしょうね。
そして、片岡に抱かれる小田島はゲイでありながらも、
片岡が初めての相手いうというところには萌えました♡
小田島の処女を奪ったと知った片岡は、
小田島にプロポーズするのですが、
この時の片岡もかっこいい^^
片岡は遊び人なのに、小田島には誠実で一途だったと思います。
組長が亡くなり、危険覚悟で組に戻る二人ーー
組長の息子・桐井が仕組んだ刺客が片岡を狙いますが、
小田島が庇おうとし、その小田島を守る片岡。
片岡の前に出て振り返る小田島の顔……
とても優しくて片岡への愛しさが溢れていました。
庇って撃たれたあと、理由を問う小田島への片岡の応えは、
「守んねえとな おまえ俺の 恋女房なんだから」
最高にグッときました!
血だらけの唇でファーストキスをする二人に涙(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
とはいえ片岡は死を免れ、二人は組を抜けます。
逃避行はハネムーンだったのかな……と思える、
納得のハッピーエンドに胸アツです♡
小田島は片岡に一目惚れしており、
片岡はそんな一途な小田島に絆されていったのだと思います。
とにかく面白くてカッコいい作品です!
今までの浅井先生のテイストとは違いますが、
ファンの方も初読みの方も、
それぞれが楽しんでいただける作品だと思います。
刺青もカッコよくて見惚れてしまう^^
四代目を就任した桐井にもスーパー攻め様が現れるとインタビューで浅井先生が仰っていたので、ぜひそこもスピンオフで詳しくお願いします!
Renta!修正は白抜き
他の方のレビーで小田島が殺した人数の差異に気付きました!
父親と姉の子が小田島で、姉=母だったということですね‼︎
コレはキツい(´;Д;`)
教えてくださった方々、本当にありがとうございます。
スッキリしましたー