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kirai daikirai aishiteru
えーーー…っ…(>ω<)
なんて作品なんですか?!
もぉ…感情センサーぶっ壊れちゃう位に揺さぶられました
すごい…すっっごい…良かった…
1クール分のドラマや長編映画の3部作を一気見したような読後感…!
正直何度も読み進めるのが辛い…って思う時がたくさんありました
世の中の「不憫」を全て背負ったかのような秦くん…見てられないって何度思った事か…
古くは「おしん」やはたまた昼ドラ、韓国ドラマみたいなとにかく不憫な主人公な秦くん
「シンデレラ」のような明らかな救いがありそうな逆転優勝が見えるような不憫さではなくて、どちらかというと「人魚姫」のような仄暗さが漂う不憫さがアクセル全開で襲って来ます
そんな秦くんに不幸の追い打ちをかける凍月
クズと自覚しているクズのクズさがクズい…!
クズ VS 不憫
勝負の見えているかのようなこの出会い…
この出会い、そんな簡単なものではなかった( ゚Д゚)
何度も読み進められないと思いながらも止められないのはどこかに希望を見出して読みたい!という縋るような思いが大きかった
だけど、そんな縋るような思いでは見れない景色が広がる世界にどんどん手を引っ張られて行きます
「捨て身の強さ」とでも言うのでしょうか
秦くんが凍月への対峙を決めていく辺りからの引力は凄かった
正に毒を以て毒を制す!
クズという毒に復讐という負の毒
マイナスとマイナスを掛け合わせるとプラスになるような、この2人だからこそ毒にも解毒薬にもなるような化学反応
毒と言う名の「恋」が掛け合わされ生成された2人の「愛のカタチ」に心が震えました
最後の犬の成長に私は希望を感じずには居られなかったですし、素直に私はハピエンだったと受け取りたい‼
こんな風に自分なりのエンドを楽しめるのもこの作品を読んでみる価値のひとつだなって強く思います⸜⸜٩( 'ω' )و //
最後にちょっと濡れ場に関して…
エロ度、標準になってますがだいぶエロかったな…って思いました
何と言うか、行為としてのエロさも情交含んだ意味を持ったエロさも…///様々な意味合いを持った濡れ場が繰り返されます
そして最も「濡れ場」だな、と思ったのは喪服での求め合い
そのモノローグがめちゃくちゃ響きました
(本編描写引用します)
『だから その日の君は 可哀想で 最凶に 可愛くて』
人の死を目の前にした時に生存意識(生殖意識)が高まる男性は多いようで…何か喪服シチュってすごく「濡れ場」から遠いようで実は最も欲を掻き立てられるのかも知れませんね
いやぁ…すごい1冊でした
読んで良かった!!!!!!
これに尽きる!
地雷要素は多そうですが細かく書くと内容にも結構関わりそうなので主要?な地雷描写を…
女性軽視な描写あります、女生との絡みあります、メインキャラとは関係のない男女の絡み描写もあります、流血ありますナドナド…
修正|白抜き、たまに発光過ぎて無、anlは白短冊(シーモア)
メルヘンチックな絵柄に反してエグい話でした。あのキラキラお目目なのに本当に口が悪いw加えてクソ野郎の多いこと…田中さんと診療所の先生だけが救い。昭和50年代設定みたいだけども、戦争を知ってるって、先生いくつ?若く見えるけど50くらいなのかな?
濡れ場が多いですが奏が骨が浮き出ている痛々しいほどの痩身で不憫にしか感じられませんでした。あんなに痩せてて現場仕事なんてできるのか心配です。
凍月は本当クソ。改心したかのように見せ掛けてなんでそこで犯そうとするのかという場面が2回も…。始まりがアレだからセックスが相手を繋ぎ止める手段だと思っちゃったのかなぁ。
奏甘やかされたの初めてだったんですかね…泣けちゃう…
ラスト皆さんそれぞれ解釈が違うみたいですね。
私は『そして二人は』の言葉からハッピーエンドだと信じてます。デロデロに甘やかされて過ごしててほしい。
凍月の寝言の「ふにゃ」が可愛いかったw
泣けるとか刺さる系の作品としてすすめられていたので
評価も高かったしと試し読みなどなしで購入しました。
結果、絵柄のブレというか、顔の向きと視線と身体の向きがあってないのが
シリアスな作品なだけにどうしても気になって集中できませんでした。
メリバや鬱エンドは好きですが、このお話の場合はそこまでいくまでの過程で、
中途半端に時代設定が近代な分、それはさすがに無理くない?と思う点がおおくてモヤッとしてしまいました。
話の内容もさることながら沢山の考察の中に、最後は夢で本当は二人は死んでいる。と誰かがレビューしていたのを見ました。私は二人がやはり助かって仲良く暮らしているというハッピーエンドを信じたいです。
昭和のドロドロ濃厚なメロドラマテイストで、ドクズの鬼畜の所業、不幸な境遇など醜悪なものをさんざん見せられての復讐、純愛、贖罪の流れに圧倒されました。
それまでの全てがフリになっていますね。
奏が不幸のスパイラルから復讐へ転化するところが爽快でしたし、それが愛へ変わるのは予想できたものの(ストックホルム症候群的な)まあフィクションだしと、おもしろく描かれているなと思いました。
何より最終章の「逃亡者」がよかった。
ドクズの凍月が献身的に奏を看護する。
それこそ人が変わったように。
長い間、孤独と戦い苦しみながら奏の帰りを待つ。
凍月なりに罪を償っている姿に胸を打たれます。
ま、全部こいつが悪いんですけどw
背景の海が2人の心を表しているようでとてもいい。メロドラマのエンディングという感じもするし。
奏が微笑んでいるのは、凍月を許しているのか、ざまあみろと思っているのか、一緒にいるのがうれしいのか…いろいろ想像できるのもいいなと思いました。
奏が目を覚ましたタイミングは私も、ウソやろ?!と思わず声に出て笑ってしまいました。
地獄を見た2人が真の愛を見つけたハピエンだと思います。
昔、菊池寛が、通俗小説・大衆小説、「真珠夫人」を書いて大成功した事を思い出しました。作家さんは文学をよく読んでいる方だと思います。明らかに、絵でお話を進めるタイプではなく、文字でお話を表現するタイプの方です。「残酷って、綺麗ですね。」など、文学的なテキストが並びます。内容は大メロドラマなので、メロドラマがお好きな方にはお薦めです。メロドラマには涙がつきもの。泣くことを覚悟して読んでください!つらいエピソード、てんこ盛りです!作家さんは、漫画の原作なども手がけていらっしゃるようですが、作家になっても成功されるのではないかと思いました。
とにかくストーリーが壮大で,読み終わったとき映画をみたかのような感覚でした。
本当に素敵な作品だったのですが、
過激な描写も結構あったり、心配になるような痩せ細った身体など、どうしても読み返そうとは思えませんでした。
面白かったんだけどBLとは読みたくない作品だった。内容の3/4位が実録系不幸話の漫画みたいな内容。あの、コンビニに売ってる誰が買うのかな?って感じの。
[実録!難病母を抱える美しき青年。困窮した生活に毒牙が‼︎30万と引き換えに夜な夜なカラダを貪る鬼畜上司!]みたいな感じ。
不幸な不幸な受けです。周りの人間が酷すぎる。付き合いたいと近寄ってきた女はヤリマンで地元の男全部食うのがステイタスみたいなとんでもない女だし。お母さんは、長年の病で気持ちも暗いから話してたら落ち込んできてしまうし。30万あげる代わりにカラダを差し出せと言ってきた男は、行為後の全裸写真で脅迫して何度も性行為を強要。
こんな相手が、いくら自分の過去を顧みて改心したとて私は許さんよ?
メリバがくる?と最後までどうなるかわかんないお話でしたが、やっぱりBLの定説、都合よく奇跡起こりましたよ。
まぁ、あの受けちゃんあのまま死んじゃったら可哀想すぎる、攻めの成長に利用されただけみたいになるから、このエンドでよかったけども。しかし、29歳で田舎の青年にしても純粋過ぎますね。
スマホや携帯電話が一切出て来ず、固定電話が黒電話だし、みんなの私服も田舎と言えども古臭いので、設定が昭和だったのかな?
とにかく、痛々しい受けが陵辱されるかーらーのーっていうのをよんでみたいかたどーぞ。
肋骨が痛々しさを増してました。
なんだこれ?!とはいえ
面白くは読みました。
噂に聞いていた作品とARUKU先生にようやく手を出しました。
なるほど、絵とお話の好き嫌いが分かれるだろうなぁという印象です。
私はあらすじなし、レビューなしで読みました。
この衝撃を味わうなら、予備知識をつけないまま読まれることをオススメします。
(以下、ネタバレ含みます)
攻めがまずクズでゲス。
モブかと思うくらい酷い扱いを受けにしてきます。
さらに追い打ちをかけるように、受けの境遇もかなり辛辣です。
攻めの性悪さが不憫受けが際立つ設定は秀逸でした。
内容としては登場人物にいい人がいない…。
これも衝撃を受けました。
みんな幸せになれず、もがいていて辛いシーンが多く感じました。
メンタルが弱っている時には控えた方が…。
気軽に人にオススメするのも躊躇われます。
初心者さんにはとてもじゃないけど重たいと思うので、BL熟練者向けだと思います。
ディープなものが好きな人にはとても良いと思います。
また、コマ割りや構成などが少し分かりずらいところもありました。
キャラの顔や表情のバリエーションが少なめで硬い印象があります。
諸々を総合した時に、本当に評価が難しい作品でした。
読了後は「物語としてはすごいものを読んだな…」という感想しか出てこないくらいです。
それから余韻に浸って別エンドを考えたり、ページを読み返して振り返ったり…。
でも、こういうお話は本当にこの先生でしか描けないだろうなと改めて思わせられました。
押せるものなら「中立」と「神」の二つを押したいです。
それも難しいので二つを足して割った「萌×2」となりました。
ドクズすら浄化させる天使が悪魔になるときー
表紙の美しくて綺麗でキラキラした感じからは真逆の展開に、途中までは、この男、
『KING of ドクズ!!!!!!』
って叫んでしまった!!
人の痛みや感情の共感なんて皆無で顔の良さが取り柄で、一族も財をなす為にの結婚が当たり前、だから妻はだだの一族の財を受け継ぐ為のオプションぐらいの考えな、颯は一族の地方の事業整理の首切り執行人として出向させられる。
颯はそこまで、田舎では見かけないひとりの美しい青年奏に目を奪われるが、
まー、やり方がドクズ過ぎる!!!!
どうにか、奏を手に入れたいが、心が無いやり方で奏を堕とそうとするのだが、
奏には今まで見えていなかった、人の裏の顔や悪意が、颯に心を抉られた事により見え始める、、、、。
奏のある事がきっかけで颯が変わり始めるが、
因果応報が今来るのか!!!!!!
な展開。
読み手を選ぶ作品ではあるが、腹の奥底が抉られて、毟り取られて、痛々しくボロボロの先に、見えるものがあるのかもしれない。
Cモアさん、修正、ライトセーバー。
基本的にはハッピーエンドが好きなのですが、読んだことがないタイプのBLが読みたくて、新たな刺激を求めメリバ・バドエン系BLを開拓してみることにしました。
そこで、ちるちるの「ランキングを信用できない!BL界のマイノリティ「闇のBL戦士」のつぶやき」という記事の中の「メリバ・バドエン作品の分布表」にあったのが本書。比較的やさしい寄りからのチャレンジです。
覚悟しつつおそるおそる読んでみましたが、これって最後はハッピーエンドですよね?
途中は胸が痛む展開が続きましたが、覚悟していたぶん読後感が良く、思いがけずカタルシスを味わえました。
絵は荒削りな部分もありますが(最近の作家さん、相対的にうまい人が多すぎて)、このストーリー展開や心理描写は、たしかにARUKU先生唯一無二だと思います。素敵な作家さんに出会えて、目的達成できました。
ARUKU先生にしか書けない綱渡りの心理描写と構成力に脱帽です。
無理矢理から始まってかなり重たい展開が続き、心臓をぎゅっとつかまれますが段々と温かくなっていきます。登場人物全員がどこか不幸な生い立ちだったりゲスかったりして読んでいて涙が止まらなくなりました。
エッチシーンは受けの奏くんが可愛くて、凍月が一目ぼれしてどんどん魅かれていく気持ちが良く分かります。
表紙の絵柄が可愛らしくてストーリーの鬼畜さと合わないなあと思ったのですが、よくみると奏くんが笑顔でカッター持ってるのに気づいて背筋が凍りました。
初見は辛い展開が続き、絵柄にも慣れておらず入れ込めなかったのですが、再読したら印象が変わりました。
初見でなんか違うなと思った方でも2回目3回目では感じ方が変わるかもしれません。(実際に1回目は泣かなかったのに2回目でほろ泣き)
奏の心境なり状況なりを考えると、自分のことだけを愛してくれる人を愛してしまうんだろうな、、。
また初見はメリバかと思っていたのですが、再読してこれはハピエンだ!と頑なに信じています。
攻めが主人公にしては、かなり異質な…
敵キャラ?ってくらいのドクズ。
前半は特に、見た目以外にどこを愛せば良いのか見当もつかないほど。暴虐の権化(°▽°)
しかし、私は自分の中でこの作品を純愛にカテゴライズし、結末はハピエンと捉える。
中盤から後半にかけてのストーリーに至っては、甘みすら感じる。
狂おしいほどの愛。
人により、感想も結末の捉え方も変わるであろうこの物語りが、心に残す爪痕は大きいのでは無いだろうか。良くも悪くもありきたりや退屈という感想は出てこない。
ひと言でいうならば、私は好き。
読み終わるとどっと疲れを感じる作品でした。とても長い物語を読んだ後みたいで、コミックス一冊分なんて信じられません。特に断章後、ページ数にしたら1/5にも満たないはずなのに、心に刺さる要素が詰まりすぎてました。
ゲス上司と不憫受け。田舎で病気の母親を養わなきゃいけない奏の閉塞感と孤独が辛いです。あばらの浮き出た体を見るのもしんどい。奏との日々は過去回想の形で見せられるんですが、ただでさえキツイ内容なのに、一つの悲惨な結果を知った上で読むには絶望的すぎます。重心が不安定でマリオネットのように見える絵柄のせいもあり、余計に怖さが増してました。
断章後からは現在軸で物語が進みます。最初は奏の復讐大成功でクズ男が一人で苦しむだけで良かったんじゃないかと思ったんですが、読み進めるうちにこの展開が必須だったと分かっていきます。徹底的な悔恨の日々の描写は、作者からキャラへの容赦が微塵もないです。
ラストは私はクズ男の幻と解釈しました。ここまで悔いてやっと死ぬ間際の一瞬だけ妄想映像を見せてあげたんじゃないかなあと。
真正面から受け止めるには覚悟が必要な、心が理解を拒否したくなるような、ともあれ鮮烈な印象を残す作品でした。
メリバかなーと思う終わり方。
たぶん、最後の幸せシーンは攻めの描いた未来なんだろなーって…
受けは目が覚めたのはあの一瞬でまた深い眠りにつく。
攻めはあのまま助からず眠りにつく。
現実はこんな感じかと。刺されてるのをわかっていながら連絡先は110番。あれは、こんな事終わりにして楽にしてげたいって思った受けの愛情だったのかなーと考えながら読むと涙腺が…。ずっと深い眠りについてたけど攻めが声をかけてくれたり触れてくれたりは伝わってて愛されてるのが伝わったからこその通報だったのだと。ロミオとジュリエットですね。
これは…なんかすごい物を読んでしまった感。
レビューを書きながら評価を何にすれば良いか、かなり悩んでいます。
作者さんの作品初読みでして、答姐などでよく「絵柄が大丈夫ならオススメ」というように書いてあるし、評価も高いので読んでみました。
読み始めは胸糞な展開すぎて「あー、自分には合わなかった」と思っていたのですが、母親の看病に疲れ、良くしてくれた璃子にも裏切られ、こんな時に助けてもらえるのが憎い凍月だけだった…という辺りから一気に引き込まれていきました。
自分の事を愛し抜かせて、その上で自殺するという歪な復讐計画が徐々に復讐を忘れて甘えたいという願望に変わっていく描写が素晴らしい。
凍月が愛していると奏に告げ、復讐が完成したときにハピエンの予感がして一瞬浮かれた自分、バカでした。
そこから更に憎悪、悲しさ渦巻く流れになろうとは…。
BLというか、大人の女性向けのドロドロストーリー(嫁姑問題とか不倫モノ?)を読んでいるような気分にもなりました。
絵柄は大丈夫なのですが、受けの最中の表情をもっと最初と最後で描き分けていただきたかったかもです。本当に嫌がってるのか分かりづらかったので。
攻めの性悪な表情は最高だったので、とても惜しい。
誰にでもオススメできる作品ではないかもですね。
ダークなお話で、胸糞な展開もOKで、ドロドロなメロドラマ要素もお好きという方には是非とも読んでいただきたい作品でした。
あと、心の健康な時に読むのが良いかもです(^_^;)
悩みますが、神からちょっと嫌な部分を差し引いて萌2とさせていただきます。
ARUKU先生の作品を読むときはあらすじやレビューをしっかり確認したほうがいいな、と思いました。
最近は新刊ばかり読んでいたのでDMMの例の
太っ腹クーポンで見逃してる名作を読みまくるぞと
ついに読んだ特濃のARUKU作品。
いや、すごかった、、こりゃ劇薬BLだわ。
絵柄が好みじゃなかったので読んでなかったんですが
痛々しいDeep作が好みの私には刺さりまくりでした。
いや「絶望に啼け」もびっくりの愛憎物語
ドロドロの昼メロストーリーで
最後には2人とも死エンドか1人死エンドしかないと思って読んでたのでラスト強盗に入られたとこでは
ひーっあかんっ!ってなり本当にこわかったです。
前半はクズ野郎が鬼畜すぎで
無垢男が可哀想で憎んで憎んで
愛して最後は純愛、、、献身、、、
自殺じゃなかった事実がわかったとこから
最後までずっと泣いてましたよ私は、、
純愛大作、メリバを思わせるラストでしたが
わんこがおっきくなってたから現実ですよね。
読んだらしばらくは放心してしまうお話で
気軽に楽しめるようなBLではないけど
がつんとしたの読みたい人には大推薦。
ずっと心に残る作品だと思います。
貧しいけれど美しい青年が、どん底からさらに落ちて行く。
しあわせというものは大小の違いはあっても、誰しも手にできるものであってほしいと願う読者に、容赦なく「現実」を突き付けるARUKUさん節の最骨頂が、この作品ではないでしょうか。
病気の母を抱えて、必死で生きてきた奏。
そんな彼美しさに目をつけたのが、東京からやって来た所長の凍月。
奏を追い込み、自分に縋るしかない状況に嵌めていく凍月への憎しみだけが、奏の生きる糧になって…。
何も悪いことをしていない善良な人間が苦しむ。
そこには希望も救いもなくて、苦しみながらさらに深淵に落ちていくだけ。
読み進めるのがつらいほどに、これでもかと奏を襲う試練がつらいです。
家のために醜女を嫁にもらい、金と整った容姿で奔放に過ごしてきた凍月も、金で奏の体を自由にはできるけれど、こころまでは買えません。
初めて、何もかも捨てても欲しいと望んだものだけは手に入れることができない。
これがそれまでひとの心を顧みなかった凍月に与えられた業で。
もうひとりの需要人物、凍月の妻もしんどい。
容姿のせいで馬鹿にされ続けて、凍月との結婚で一発逆転かと思いきや、自分を愛してくれないだけではなく、存在すらも無視するような夫との生活。
彼女のコンプレックスをさらに抉るように、凍月が惚れ込んだ奏は美貌の持ち主です。
彼女もまたどれだけ努力をしても手にすることのできない愛のために、人生を狂わせてしまったのが、何とも言えません。
途中で奏が復讐を誓いながらも、だんだんと凍月に絆されていくのにもやもや。
あんなに酷い目にに遭っても、ひとのこころというのは理性で言うことを聞かせられるものではないんだなあと思い知らされます。
それだけにラストでこころのない、からっぽの奏を連れて逃げ回る凍月が悲しい。
どう評価していいのか悩みます。
つらい、苦しい、と思いながら読み進めて、最後に得られるのは虚しさだけ。
萌では測れない作品でした。
ここまで非情なストーリーを描き切ったARUKUさんに敬意を評して、「萌2」をつけさせていただきます。
発行当時、神評価のうなぎ登りに圧倒されて読んだんだけど。
やっぱり何というか。再読して確信めいたものを感じてしまう。
ARUKU先生は何か、女性性というものに非常な嫌悪を感じてらっしゃるのか。
いつも大体女性というものを「完全なる悪」の様に描かれていて。
それがもういたたまれない。
アンデルセンが失恋の痛みとか、もしくは母を敬うあまり他の女性を嫌悪したとかで、
とにかく不幸な結末の女性を主人公にしたという様に。
何か女性へ対する嫌悪や恨みを感じて。どうにも痛々しさの方が上回ってしまう。
そのくせ、「受け」の女性らしさったら無い。
凍月の妻の醜さはその最たるものだが。奏にすり寄る清楚系ビッチの瑠子も。
身体を悪くして不憫なのだが、ことさら卑屈を装って奏を縛り付ける母親も。
極端に醜い女性を描いていて。それは女性が持つ幾つかの悪。利己的。侮蔑。虚栄心。
もちろんそれらは普通に男にもある気持ちなのだが、それを全て女性に背負わせる。
一体ここまでの憎悪を育てたものは何か。恐ろしくて知りたくは無い。
凍月の暴力から始まった2人の関係は、この世の果てで純愛へと昇華する。
初恋を知った凍月の長い贖罪の物語と読めなくも無い。
けれど、この後味の悪さは無くされはしない。
久々にARUKUさんの作品に手を出したら猛烈なものを浴びました。
読み終わるのに1時間以上読かかり、最後は思わず感嘆の息が。
寝る前に読んだら興奮して眠れなくて夜更かししてしまった。
昭和50年代、閉鎖空間の少し寂しいようなさびれたような田舎が舞台。
凍月のおぞましい行為に耐えるため、心をなくすように性悪に復讐に生きようと決めた奏。
それでもやっぱり彼は無垢できれいだった。
憎いのに縋ってしまうという心の機微をひたすら問答し、奏なりに納得のいく答えに辿りつけたのね。
眠り続けている奏の顔が本当にずっと安らかで、泣いてしまう。
結末は読み手によって分かれるだろうけれど、私は成長している犬に希望を持ちたい。
評価は神。けれどこの作品は中々読み返せない。色々と持っていかれてしまう。
初読みの作家さんで 衝撃的すぎてなにをどう感じればよかったのか?
裕福に育ち良心の欠片もなく生きてきた男
劣悪な環境のなか健気に生きてきた男
それに絡む
容姿の醜さから蔑まされ歪んだ女と
容姿と躰を武器に他人を貶め弄ぶ女
まさに 愛憎
狂った愛情と憎しみの果ての復讐とか ヤバめの昼メロもかすむくらいハード
相対するものへの嫌悪が愛情や執着や憎悪にかわり複雑に絡みあった 見たこともない非道で畜生なラブストーリー
昭和の寂れた田舎町の風景が物悲しく
残忍なのに何処か儚い 気を許すと涙が一気に溢れてくる
ねぇこれ ちゃんと生きてるよね?
生きてるんだよね 二人とも?
何層にも積み重ねられた歪な愛や 自虐思考や破滅願望にも似た幸福に ちょっと脳みそがバグを起こしました
評価はごめんなさい 中立(好き嫌いわかれるであろう)なんですが このメリーバッドエンドとも純愛エンドとも言えない狂おしいほどに歪んだ愛を見ていただきたくて萌2にしました
人からおすすめされて(ハッピーエンド以外読みたくないのでハッピーエンド保証をしてもらいつつ)読みました。
絵は、どこ見てるの?相手の方見てないけど……上半身と下半身の向きがちょっと……急にアクロバットな体勢出てきたけど大丈夫!?と思って三度見してしまったりして途中で読むのを中断してしまう場面がある程度には正直とても苦手です。
ですが、そんなことは些細な問題だと思うほど話がしっかりしていました。
前半の攻めのクズさや受けを取り囲む環境の辛さ、交わした会話の内容が後半にすごく活きていて構成がいいなと。
自分の専門分野に近い話があるとしんどさが増して読みたくないという部分があるので、この作品を繰り返し読むのは難しいなと感じてしまったのですがそういったところの描写含めてとてもすごい作品だと思いました。
※繊細な取扱が必要かもしれない単語を使っています。古典の作品名でもあるので、ご容赦ください。
圧倒的でした。
こういう物語を描きたいと思って描ききるARUKU先生がすごい。
◾︎凍月颯(奏の勤め先の新しい所長)×奏純平(持病のある母と2人暮らし)
とにかく下げて下げて下げて下げっぱなしのことが多かった先生ですが、最近の作品をいくつか読むと、微妙な上向きで終わるものも多いです。今作に関しては後段で。
キャラクターは先生お得意の、清貧を絵に描いたような受けと、傲慢な攻め。序盤のひたすらヤってるあたりにちょっと疲れたのですが、先生の描きたい"下げて下げて"には必要不可欠な描写なんだろう。
女の人のいい香りに浄化を見出させておいて間髪入れずに落としてくる。怖い。
母親が、そう言われても否定しかできないような言葉を奏に投げるところなんて、人間のいや〜なところと、しかし深く読み取れば奏に愛されたい歪んだ母とが描かれていて、えづいちゃう。
またね、母親(の介護)と奏の関係性を、奏の介護と凍月で踏襲してくる辺りも…はぁ…好きなんですけどため息が。
喪服シーンでの「可哀想で 最凶に可愛くて」も好きな表現でした。"最凶"なんだよ。
色々書きたいな〜と思って2周目読みつつ書いてますが、この作品の「白痴」との関係性に焦点を当てたら大変長くなる恐れが出てきました。
先達のレビューを拝見しても、そこに言及している方がいないっぽい?
ただ作品名が出てきただけでも十分考察の一助となるわけですが、これに至っては何度も奏がこの本を読んでる描写が出てくる、2人と白痴の人物名を明確に重ねる、読み終わった感想を述べる…と完全に役満。
奏=ムイシュキンは最後白痴になっている、または、奏はこの話を嫌いだと明確に言っているからそのラストは回避されている…さぁどっち!という。
後者について、奏は「現実から逃亡」するムイシュキンに対し「嫌いだ」と言っているわけで、奏は現実から逃亡しないぞという意思表示に読めるんですよ。自分から突き放すことで愛を失ったともいえる奏。ただ、奏はラスト凍月に「アイシテル」ことを伝え、確実に愛を取り戻してはいる。
でもね、目を覚ました後彼が言葉を発することはない幕切れは、どうにも前者を匂わせているようでならないわけで、明るい終わり方かと思いきや…という。
うーん、自分としては白痴エンドなのかな〜と思えてしまう。かつての先生なら奏は目覚めなかったのではないかと思うと、あえて目覚めさせたキモは…
遺骨を引き取りに行った=死体と暮らすと考えれば、ナスターシャポジションは母親なのか?
まぁ自由解釈でいいんでしょうね。思い思いの幕引きで。
シリーズでない1冊完結の作品で、ここまで読み応えたっぷりで、感情に訴えかけてくるものってなかなかお目にかかれないと思います。ARUKU先生の画力と脚本力の両立っぷりには恐れ入りました。最初は鬼畜攻めと不憫受けの話なんです。凍月にお金で体を買われた奏の被虐美を存分に味わえる。濡れ場もかなり数が多いのに、どれも手抜き感をまったく感じさせず飽きさせることもなく、それぞれの場面で2人の絡みに萌えられるのも先生の台詞回しと心情描写の質が高いからでしょうね。でも中盤以降、ただ搾取する攻めと搾取される受けだった関係から、2人はもっと複雑な関係になっていきます。
最初の数々の残虐な行為を憎く思い、復讐を固く心に誓う奏。彼の凍月への態度はただ健気だった頃とは異なり、時折対等か凍月よりも上からなくらいに素に近いものになっていく。と同時に、甘えてみせたり孤独を晒け出したり、かつてのように庇護欲や加虐心を煽る場面もあったり。これらすべてのシーンで奏に計画性があったとは思えません。時には計画的に、時には本心から、彼は凍月を虜にしていく。ただ無慈悲だった凍月も、呆気ないほどどんどん落ちて奏にハマり、抜け出せなくなっていく。単純に2人の変化が面白くて、でもどこか破滅の予感がする物語にページを捲る手が止まらなくなるんです。
閉塞的な田舎を出ようと言った凍月と、復讐も何もかも忘れて彼に身を任せようかと思った奏。この時期2人は間違いなく心から愛し合っていただろうと思います。でも、今まで積み上げてきたものを思い、奏は復讐を決行する。手酷く凍月を打ち捨てて。ただ、彼の復讐は完璧には遂行されませんでした。彼は自殺には至らなかった。やはり自分をそこまで駆り立てる憎しみは、もうとっくに消え去っていたんだと思います。その後不幸な事故で植物状態になってしまった奏に、凍月は勘違いをしたまま尽くす。相手が微笑み返してくれさえしない、起きてもまた自分を捨てるかもしれない、何の見返りもないどころか自分に損しかない環境で、それでもずっと尽くし続けた凍月に、彼は真実の愛を見つけたんだと嬉しくなりました。愛が返ってこなくても、自分が愛せることを幸せに感じられるってすごく尊いことだと思う。いろんな痛みを伴って、ようやく生きる歓びに辿り着いた2人がとても眩しく、ずっと見ていたいなぁと感じました。
とうとう読んでしまった。
怖くて勇気と気力がなくてずっと手元にあって。
でも酒場スレで疲れた時に読んでみるようオススメしてもらって、覚悟を持って読みました。
覚悟をした通り衝撃を受けました。
残酷な現実の主人公はARUKUさんらしいですね。
せっかく描きこまれてるのに先が気になってどんどんページをめくってしまいました。
登場人物も多く良い人もいれば悪意を向ける人もいて。
お願い湊や二人をそっとしておいてあげて!と何度願ったか。
ドクズ男凍月が湊を好きになってしまったばかりに。初めて美しい湊に出会ってしまったばかりに。
地獄が始まって…。
湊の復讐は実行途中だったのか?もう自殺するつもりはなかったのに?凍月の妻を庇って崖から落ちて自殺したことにされてしまって。それを知った凍月も復讐されたと思い込んで。
心も顔も体も美しい湊。大嫌いだったのに凍月の温もりや自分を愛して必死な様子に湊も愛してしまったのか。
後半の湊を病院から連れ出して逃避行の様子はもう凍月が別人で。旅をしながら寝る間もなく湊を看病して目覚めるかわからない湊に二人で死のうとまで思い詰めて。
最後は湊は意識を完全に取り戻したんですよね?目を開けて微笑んだのは現実ですよね?
二人の心の動きが読む側も揺り動かされます。
登場人物も多くて色んな思惑があって。
お願い二人がもう何もかも乗り越えて愛し合って生きていって!
カバー下の笑顔で抱き合う二人がいるから信じていいんですよね?
大ファンになりました。ARUKU先生の純愛ストーリーはやっぱり神ですね。
blでこんなに深くて心に残る作品は初めてかも。
舞台が1975年なのでそれもよかった。携帯もないアナログ的な愛がもっと哀れで切なく感じさせます。
攻めはクズだったが、受けに出会って初めて恋をします。
攻めが痛いくらい受けを愛してるところが切なすぎて泣きました。エロもたくさんありますが、二人の感情が切なくてエロくは感じなかったです。それといつも思うんですが、受けが男の経験がないので攻めがなんかやる時、初々しい反応が萌えます。ビッチ受けより、純粋な受けが好みなんでドキドキしながら読みました。
本当に買ってよかったと思える作品は久々っていうか正直、初めてです。こんなのを買わなきゃ!!と思っちゃいました。
ARUKU先生の本はこれが初読みでした。
あまりの素晴らしい心理描写の丁寧さ、リアルさに言葉を失います。
濡れ場は多いけれど、どれも受・攻のコミュニケーションのひとつという感じで…エロスよりも互いの苦悩・憎悪・困惑…さまざまな感情を感じさせるのが印象的でした。それがとても生々しくて…涙が止まらないんですよね…。
苦しい、つらい、でも最後に幸せになれる。生々しくも、人生って、愛って捨てたもんじゃないと希望を感じさせる素晴らしい名作です。1人でも多くの人に読んでほしい。
読み終わってから12時間たったけど、未だ心に残ってる。それ程ストーリーに持ってかれました。
初読みの作家さんでした。絵が少々苦手で避けてました。
ごめんなさい、全部読みます。
とことん不憫な受がゲス野郎に嵌められ、ゲスがどんどん受にのめり込み陥落し受無しでは生きていけなくなるという事に萌える、新しい癖に目覚めました。
昭和の昼ドラでしたね。昼ドラってハマると毎日見ちゃうよね。
途中から涙が勝手に…。
時代背景が昭和なのもいい。
セリフも説明もいちいち多くて今風のBLとは逆に新鮮で良かった。
解釈いろいろ出来るけど、私は最後ハッピーエンドととらえました。
ARUKU先生の作品は本当に人を選ぶ気がするので、
「受がとことん不憫。鬱展開。登場人物の死。微グロ。文字数多い」
このあたりが大丈夫な方じゃないとキツい気がします。
いい意味でも悪い意味でも、衝撃的なので。
絵も古風?ですしね。
表紙を見てください。一見普通のBL漫画の表紙に見えるでしょう。
横たわり、微笑む二人。
でも受の手ににぎられているのは、カッターナイフ…。
このあたりの違和感にビビっと来た人にはオススメです。
一冊の中で、
手に汗握るジェットコースターばりのストーリーを展開し、様々な人間の愛憎を描き、
昭和のノスタルジックな世界を旅することができる漫画ってすごいですよ。
間違いなく神作品、なんです、が、
実はARUKU先生が好きすぎて大体の作品を網羅してしまっているため、
「あれ…?こんな話前にも、あったよね?」という錯覚に陥りました。
新鮮味に欠けたことは否めませんでした。(特にラスト)
ラストはどうにか工夫して欲しかった、というのも本音です。
うーん、でもやっぱり単品で見れば神作品なんですよね…。
気になっている方には是非オススメします。
難しかった。
タイトルと紹介文とは、だいぶイメージが違う作品。こういうのが好きな方は凄く好きなんだと思うけど、ハピエン厨としてはなかなか厳しく…読み直しては救いがないか探してしまいました。
切ないのとかが好きな方は是非!
試しに1話を読んでみましたが、絵のバランスが若干悪く、セリフ回しやコマ割りなどもしっくり来なくてまるで初心者の方が描いた漫画を読んでいるみたいでした。
受け攻めどちらにも突出した魅力がないことも含めて全くストーリーに入り込めませんでした (>人<;)
心がぐちゃぐちゃに抉られて、胸が引き裂かれるような痛みに襲われた。
なんて苦しい作品なんだろう…
容赦なく、クズで、サイコパスで、人の痛みなど考えない攻めの凍月と、そんな彼に愛されてしまった美しい青年 “奏” 。
病気の母を抱えお金もない奏は、凍月の策略に嵌り30万で体を売るものの、今度はその行為に対する脅迫で陵辱され続ける。
それだけでも辛い日々なのに、さらに周囲の人間たちの汚さにも触れ、追い詰められ心が壊れていく。
その過程が本当に救いがなく、ここまで描くか!?というほどに、受けの心を蝕んでいきます。
この非道の限りを描写し尽くしたARUKU先生には脱帽です。
空中で食い千切られた小鳥(受け)は、今度は逆に猛禽類(攻め)を狩ってやる!と復讐を心に秘め、甘い蜜月を過ごす演技をするのですが…
昭和50年代の田舎での物語なのですね。
少し古めかしく、ホラーにも似た不思議な怖さを感じたのには、この年代設定が理由にあったのかも知れません。
食うか食われるか、愛は実在するのか、2人の恋の、いや人生の行方は…?
サブタイトルにもありましたが、まさに『恋獄』という造語にふさわしい、恋の地獄に陥った人間の苦しい物語でした。
終盤は涙なしには読めなかった。
ラスト。本当にラストのラストは少し駆け足だったかな、と思います。
あの結末を望んでいたけれど、そこまでが重苦しくじっくり描かれた作品だっただけに、もうひとつふたつ描写が欲しかった。
本当の救いを、奏に感じて欲しかった。
文句なしの神作品。
ただし、表紙の甘く可愛い雰囲気から想像して、
「嫌い♡大嫌い♡愛してる♡」とタイトルを読んで購入するのはお勧めできない。
受けが手に持つカッターこそがこの作品の本質。
私は本作以外のARUKU先生作品は未読です。
これを幸いと言わずして何と言えよう。
前半は胸糞悪い話ですが、後半は見たことない展開で引き込まれました。
絵はキャラクターの表情がわかりやすくなったらいいな、と思う程度です。
慣れちゃえば気になりませんでした。
この二人の結末はハッピーエンドですけど、二人は運が良かったんだと思います。
奏が最後の最後に目覚めたり、奥さんが夫の愛情なくてもかまわなかったり、患者の奏を監禁されているのに医師が通報しなかったり、叔父さんが甥っ子に大金だけ渡して応援したり、いろいろと都合が良かったんだと思います。
ラストの二人のラブラブっぷりは、作中の嫌なムードをぶっ飛ばす勢いでした。よかったね。
高評価だったので、試し読みもせず電子で購入。
結果として、失敗だった。
神率80%近いので、私の感覚がおかしいのかもしれないけど、途中流し読みしちゃいました。
まず絵が好みじゃない。バランスおかしくないですか?これは私には致命的で、ストーリーがよくても、頭に入ってこない。表紙の絵だけで決めたのがダメだった。
ストーリーは、下で書かれてる通り昼ドラみたいに、ドロドロあり、純愛あり。周りのモブはクズ率高め。
昭和50年代なんですね。
その時代設定もイマイチわかんないけど、携帯ないぐらい?
攻めも最初は鬼畜だけど、本当の愛を知った辺りからは、ほろっとくるところもありました。
ラスト、これはハッピーエンドなのか?
まあ、少なくとも攻めにとっては、そうなんだろうと、しんみりと思ってたら、電子のおまけがあり、んん??
あれ、本当のハッピーエンド?
絵が大丈夫なら、読んでみる価値ありだと思います。
ARUKU先生好きを自認してるので、贔屓目も多分にあると思うのですが、いい作品でした!
正直、しんどいです。攻めの容赦ないクズっぷりや、それによって初めて黒い感情が芽生えていく受け。
キリキリしたストーリーの中でも、やっぱり根底に「愛」を感じるのです。
ある出来事がきっかけで、攻めが全てを投げ打って受けに尽くします。それに対する答えはありません。でも尽くします。
最後…。ハッピーエンドといっていいかな。
読み終えた後は、疲れちゃって(汗)すぐ読み返せないほどです。
どなたかが書かれてましたがドラマ1クールを一気に見たみたいな。。。ずっしりした映画を見終えた後のような。。。
最近はちょっとコミカルだったり、ファンタジーだったりする作品が多かったので、久しぶりにARUKU先生ってこうだった!と認識した作品でした。
余談ですが、原作もやられてますが先生の作品は先生の絵柄のほうが、やっぱりストレートに胸を打つ気がします。クセのある絵ですが私は好きです。
ARUKU先生の作品は「ほんとは好きだ」しか読んだことがなく、たしかに面白かったし読み応えもものすごくあったんですが、どうもはまらなくって他の作品を読もうとまでは思いませんでした。絵もクセが強いし、お世辞にも好きなタッチではなかったので。
しかし、「嫌い、大嫌い、愛してる。」のレビューを読んでもう一回チャレンジしようと思い、手にとってみましたが、もうほんとやられました。がっつり心持ってかれました。
久しぶりに泣きましたよ。
素晴らしいという言葉では言い表せないです。
どうにか平常心取り戻そうとテレビつけましたよ。
それほど耽溺しましたし、読み終わった後の喪失感が半端無いです。
二人の心情の移り変わりが秀逸です。
もし崖から落ちなかったらどうなったんだろうとか、色々考えますが、奏を支える凍月はほんと前半のドクズと同一人物とは思えない変わりようで、顔をしかめずには読めませんでした。
といつか凍月さん刺されすぎですよ。
神という表現はあんまり好きじゃ無いんですが、これは個人的に神以上の評価に値すると思っています。
これからは作家買いですね。とりあえず他の作品を今から読み漁ろうと思います。
もうね…打ちのめされています。
「ARUKU信者」を自認し、商業は全て読んでて、かなりの内容でもいける!と思ってた。
最近のARUKU先生作品は、他の絵師さんと組んでの原作漫画や、非BLの短編集など甘めな空気感があった。
それに慣れてたから…
この衝撃に吹き飛ばされちゃった。
下衆な男が不憫な男にこれでもか、と非道な行い。痛々しい。ひたすら痛い。
読んでてもうつらくて。
それでも、ついに復讐の罵詈雑言を放った時ちっともすっきりしなかった。いつの間にか変わっていた2人の関係性に取り込まれてた。
ただ、この結末は意外でした。でも目を覚ましても、死んだとしても賛否両論ありそうですね。描き下ろしの「そして二人は」も不思議だ。奏はどこまで治ってるのかな…話できるのかな…
バルテュスのような絵柄も健在で、やはりARUKU先生のストーリーにはARUKU先生の絵だ!と認識しました。
絵:10/10
最近読んだARUKU先生の本が「スクールナイト」だったんですが、たった1年の間ですごく絵上手くなったなーと思いました。絵柄は昔から変わってないけど、構図のレパートリーとかデッサンとかがめきめき上達している気がしました。人を選びそうな絵柄ではありますがわたしは好きです。
キャラクター:10/10
今回のメインキャラを一言で表現するならクズ×清楚系クズってところで、攻めの凍月さんがひたすらにクズなのに明らかに奏くんに惚れてる描写があるのが個人的に萌えポイントでした。奏くんも、こんな男いたら男でも惚れるよなぁって感じの子でした。でもこの本は攻めに萌えると思います。
ストーリー:10/10
(まぁこの方の本で満点つけない方が間違ってるとは思うのですが)文句なしの10点です。ARUKU先生の作品って、先程挙げたスクールナイトのような若干ファンタジー要素のある作品が多かった気がするのですが、今回は違います。ファンタジーなどありません!!!
凍月さんの形式上の奥さんも、最初見ただけじゃただのウザい女なんですが、回想シーンを読むとそりゃああの人(ネタバレなるので伏せます)を殺したくもなるよなって思えるようになっていて、よく設定が練られているな、と思いました。
笑えるところもあれば泣けるところもあって、キャラクターの心情表現も秀逸でした。タイトルの伏線も見事に回収していて、改めてARUKU先生の強みを感じました。
総合:30/30
いやー、やっぱりこの方はすごいですね。ファンタジーものを描かせても最強なのに現代ものを描かせても最強で、しかも絵まで上手くなってるとは…。人の成長って素晴らしいですね。
若干グロ描写、流血表現があったりするので
苦手な方にはあんまりおすすめできませんが、とにかくストーリーが秀逸な作品です。買って損はないと思います!
ARUKU作品を知ったきっかけは『猿喰山疑獄事件』です。当時はあまりの衝撃に涙が止まらず、もう二度とARUKU作品は読めないと思いました。
それでも独特の絵とひょうひょうとした作風にハマり、その後のARUKU作品を読み続けたわけですが、最近は原作が多くARUKUさんの絵が大好きなので、寂しい思いを感じていました。この作品はタイトルだけ見て、可愛いらしい恋の物語を想像してましたが、本が届く前にこちらのレビューを読んでたので全然違うと知り『猿喰山疑獄事件』のような結末かと心配しながら読み始めました。
途中の悲劇に向かって行くような展開にハラハラし、2人の心のすれ違いに涙し、漸く落ち着き先を見つけた時の事件に、最悪の結末を予感しました。
でも、その後の2人が描かれてて良かったと私は思います。ARUKU作品の中でも大好きな作品になりました。
1ページの密度が濃くてとても読み応えがありました。
甘いキュンキュン系のBLをサプリに例えるとしたら、この作品は多分、取扱注意の劇薬の部類に入ると思います。
淡いパステル系の色彩で描かれた幸福感溢れる表紙。まさかこの一冊の中にあんなに濃い内容が詰め込まれているとは全く予想出来なかった。
人間のドス黒い部分、残酷さ、えげつなさ、汚らしさ、出来れば見たくない嫌な部分がこれでもかというほど生々しく描かれているのに、何故か苦しいほど美しい純愛物語を読んだと感じている自分がいて、正直まだ放心状態です。
BLを読んで泣くことはあるけれど、手が震えたのは初めてで、それぐらい衝撃的な作品でした。
クズの凍月に脅され身体も心もボロボロにされ、ほんの少しの希望さえ次々と失っていく奏。絶望の中、凍月が自分を好きになっていることに気づき、それなら自分なしでは生きられない程惚れさせて、自分が自殺することで凍月に死ぬより辛い思いをさせてやろうという復讐を思いつきます。
凍月をもっともっと惚れされるため、凍月が喜ぶよう演じる奏。最後まで自覚出来なかったけれど、彼は一体いつから凍月を愛していたんだろう…。
脅迫されながらの激しい性描写は奏のあばら骨が浮き出るほどやせた体が痛々しく、見ていて辛いのになぜか目が離せない。心が痛いのに官能的で切なくてやはりどこか美しい。
正統派のお話ではないのだと思います。毒々しくて、読んでいる側はかなりメンタルがやられてしまう。なのに私はこの作品が好きで堪らない。惹きつけられて頭から離れない。
かなりキツイ作品ですが、出来ればたくさんの人に読んで欲しい。
別に肯定してもらわなくても構わない。
嫌いだと感じても構わないから、多くの人の心の中に残って欲しい。
そう感じてしまう作品でした。
余談ですが、この作品を読んだのは、こちらのレビューがきっかけです。同日に2つ上がったレビュー、すごい勢いで増えていく役ボ。あの時、実際読んだ生の声を届けて貰わなければ私はきっとこの作品を一生読むことはなかった。
この作品に出会わせて頂き本当にありがとうございました。
最後に、この本を読み終わったら、表紙をもう一度眺めて下さい。
奏が右手に持っているカッターナイフ。左下に転がるいちご。その意味がわかります。
そして、カバー下の2人も是非見て頂きたい。
映画とはまた違う、90年代のドラマ(私は「この世の果て」を思い出しました)をワンクール一気に見てしまったようななんとも言えない読後感と疲労感。
一生忘れられない作品になりそうです。
久しぶりにヒリヒリするARUKU作品を読んだ!って感じ。
ストーリーの容赦なさと、硬質な絵柄の組み合わせ、この、簡単に読み飛ばさせてくれない感じ。
1冊全部を使ったストーリーは、一言でまとめちゃうと、定番の、変に意地を張ったせいで盛大にすれ違うお涙頂戴物めいているけれど、登場するキャラの表情の一つ一つに、愛憎がすれ違っていく様がありありとしていて、読んでいてぞくぞくしてくる。
女性キャラの登場や扱いも、良くも悪くもちゃんとお話に必要な分きっちり出てくるので、女性キャラ嫌いには辛いかもしれないが、そもそも本編ストーリーが既に十分痛くて辛い、そんな芸風を承知の上で読んでいるので許容範囲でしょう。
応募のために買った雑誌で最終回掲載だった作品です。折角だからと軽い気持ちで読んだだけなのですが、とても印象深い作品でした。1話から読んでみたくなった作品です。
表紙を見た時には色は可愛らしいのに小物などでこの作品の闇が見えるので凄いなと思いました。
ネタバレ無しで感想を書こうと思うとかなり難しく、ネタバレ込みでもどう伝えればいいのかと難しいです。重く暗い作品だけれども心に残るとだけ伝えようと思います。
後は、攻めがクズという言葉で片付けて良いのかというくらい酷い奴というのも事でしょうか。
内容が重く暗いので寝る前とかに読むと謎の疲れがあるかもしれないので、元気な時に読む方が良いです。個人的には雑誌の終わり方も嫌いではなかったですが、描き下ろしがあると読後の印象も違います。
人間の欲とか色んな嫌で重い面が多く描かれていますが、心をガシっと掴まれる作品です。
これぞARUKU作品!
もうホントに読み応えあっておもしろかった。
前半はARUKUさんにしては随分エロエロで、ん?方針変えた?エロ路線に方向転換して頑張っちゃった?
という感じでARUKU作品ファンとしてはちょっと戸惑いました。
このままの展開で最後までいくならARUKU色が出ないまま、はっきり言ってよくあるエロエロBL漫画だよな、と正直思っていました。
でも後半はガラッと変わって驚きの展開。
そう!これぞARUKU節です。
読後はしばらく放心状態。
は~、年に数回しかない、久々に味わったこの読後感。
良作です。
ARUKUさんの作品の中でも代表作と言われる作品になりえるんじゃないかと思うくらいです。
ところでストーリーとは関係ない話なのですが、ARUKUさんの独特な絵柄は最初は苦手だったけど、今ではとっても好きなんですが、時々キャラクターがすっごく可愛らしい時があるのが特に好きです。
八頭身のキャラが二頭身になるとかの極端にデフォルメされた可愛さではなくて、ちょっと抜けた感のある絵で表現されてるのがいいですね。
今年になって読んだARUKU作品、『スクールナイト』は運命の二人のリスタートが喜ばしく、『こんな悲しい恋をするはずじゃなかった』は切なくも人の愛を謳いあげ、ヒトの綺麗な部分を見せてくれるんじゃないかなって、どこか期待して本作に臨んでしまいましたが、、、
とんでもない!
ヒトの欲望やエゴをこれでもかってくらいデフォルメして、不憫さと不幸を見せつける…
心を壊されてしまうんじゃないかと思うような話でした。
これから読む方は覚悟して読んだほうが良いと思います。
クリスマスイブの夜、自殺未遂で心肺停止した男の元に上司が駆けつけるはじまり。
上司の凍月は、裕福な家庭に生まれ、”他人を搾取することを許された人間”だと思っている傲慢な男。
孫会社のリストラ清算も、その後の出世のために嬉々として出向く。
そこで出会ったのが、作業員の奏。
光のベールをまとったような美しさに目が釘付けで、心を奪われてしまう。
奏は難病の母を一人で支え、生活を切り詰め、ただ必死に生きていたのに…
傲慢な男が恋をしたら?愛の告白なんてしません。
相手の弱点を探し、窮地に陥れ、無理矢理に自分のモノにして、搾取しつづけます。
いままで恋人もいなかった奏は、凍月に金で縛られ脅され、愛撫されれば反応してしまうカラダを淫乱だと罵られ、心もカラダも蝕まれていく…
母の病状は悪化し、自分に近づいてきた女は自分を賭けの対象にしてバカにしていただけ、自分の手の中にあるのは自分を搾取する男しかいない。
自殺したくなっても仕方ないと思ってしまう、ひどい展開の連続に、読んでいて私の心も悲鳴をあげていました。
そんな時、奏は凍月が自分を好きだということに気付く。
そして惚れさせるだけ惚れさせた後に、自殺という最悪なカタチで、凍月から自分を奪う復讐劇を思いつく。
凍月を溺れさせるために、痴態を晒して凍月を求める…
あんなに純真だった男が、こんな復讐劇をするほど変わってしまったことも辛くて悲しい。
それでも愛されていると感じれば、どこか心は絆されてしまうもの。
奏は復讐心と、凍月の腕の中で安堵する自分、その矛盾に心を揺さぶられる。
後半は、植物状態になった奏を、愛に囚われた凍月が連れ出す。
あんなに鬼畜で傲慢だった男が、ただひたすら愛を語り、目を覚まさない奏に献身的に尽くしていく。
凍月は愛によって変わり、愛された奏はどんどん衰弱していく、後半は純愛ストーリーのようですが、その刹那的な展開にも胸を締めつけられます。
描き下ろし「そして二人は」で二人の未来が描かれ、この辛くて重くて、刹那さがどこか美しくもある物語の緩和剤になっています。
でも本編の終り方、未来が続くのかどうかもわからない、曖昧なまま終わるほうが、この物語には相応しかったような気がします。
うっかり真夜中に読んでしまって、ズーンと心が重くなり、もっと活力がある時に読めば良かったと後悔しました。
BL的な萌えはあるかと聞かれると、正直微妙ですが、いつまでも心を支配されるような印象深い作品であることは間違いありません。
本作を読んで、ARUKU先生の作風を私が勝手に勘違いしてただけなんだなって改めて気付きました。
そういえば『猿喰山疑獄事件』や「cleaning」を描いた作家さんでしたね…
(「cleaning」はただ不幸で悲しく、私には読み返すことができない作品です)
ヒトの心の闇を見せつける、辛くて重い話ではありますが、それだけじゃない何かも見つけられる作品です。
それは読んだ人それぞれによって違うかもしれません。
最後に、ARUKU作品はやっぱりARUKU先生の絵が一番合ってます!
どこか儚さも感じられるようになったARUKU先生自身の絵柄で、ARUKU先生が作った話をこれからも読んでいきたいです。
恵まれているけど心が欠けている攻めと、貧しいけれど心が豊かな受け、持てる者と持たざる者を描いたらARUKUさんに敵う人はいないと思うのですが、この作品は今まで描いてきたそういうお話の集大成のように感じました。
不幸受けを描いたらやっぱりピカイチといいますか、ジワジワと心を蝕まれていくかのような不幸な境遇、不憫な描写が本当に容赦ないです。これぞARUKUさん!!って感じ。
いやー、それにしても攻めが酷い男です。
滅多にお目にかかることの出来ないレベルの酷い男でした。
属性の「鬼畜」「下衆」「俺様」「傲慢」「強気」「腹黒」全部当てはまります。
そして一目で気に入った受けを何としても手に入れようと凄まじい「執着」をするのです。
受けは難病持ちの母親を一人で支えている貧乏で健気な青年で、自分のことそっちのけで、母親の面倒を見て必死に働いています。
貧しい母子が暮らす土地に目をつけた攻めは、裏で手を回し、50万円用意しないと住む家を失うという状況にまで追い詰めます。
なんとか20万工面をするも30万円がどうしても足りない。
そこで上司である攻めに給料の前借りを願うのですが、これこそが攻めの狙いで「君の処女を30万で買ってあげるよ」と提案。
受けは途方に暮れるのですが、他に術もなく悩んだ末に抱かれることを承諾します。
たった一回耐えれば…と思っていた受けでしたが、攻めは事後の写真を撮り、ばらまかれたくなければとそれをネタに、勝手気ままに受けの身体を貪る日々が始まります…。
もう読んでて本当につらいです。
ARUKUさん本当に容赦ないです。
人を人とも思っておらず、良心が決定的に欠けている鬼畜な攻めが、徹底的に受けを追い詰めていきます。
鬼畜男が恋を知り、次第にピュアになっていく反面(それでも受けに対してやってることは性奴隷と変わらないのだけど)、受けはその美しい魂をゴリゴリと削られ、どんどん磨耗し続け、ついには攻めを殺すしかないとまで考えるようになるんです。
さらに追い打ちをかけるかのように、受けの母親に関する出来事や、自分に好意を寄せているそぶりを見せていた女性の裏の顔など人間の汚い面をこれでもかと見せつけられて、絶望する姿は本当に痛々しく哀れ。
そして自暴自棄になった受けは、自分を傷つけるために初めて自分から攻めを誘うのですが、あることにようやく気づきます。
攻めが自分のことを好きであることに。
今、死んでやったらこいつは一生悔いるかなと思うのですが、どうせなら徹底的に惚れさせて、自分がいないと生きていけない状態にまでなってから死んでやろうと決意する受け。
そうして受けの復讐劇が始まるのですが、自分にようやく好意を持ってくれるようになったと勘違いする攻めをもっとメロメロにさせるために甘えん坊でエロいおねだりをし、あれこれしちゃうのでARUKU作品の中でもとりわけ肌色率が高めです。(でもエロを楽しめる作品では全然ないです。その心境を思うと辛いので)
恋する男そのものなのにプライドが邪魔をして「好きだ」とは絶対に言いたくない攻めと、大嫌いな攻めへの復讐心でいっぱいだけど恋する男を演じる受け。
この二人がお互いに心の奥底を隠しながらも過ごす様子、そして心が揺れ動く様子の描き方がさすがです。
そしてついにあの傲慢男が「俺を愛してくれないか」と土下座しながら言うシーンときたら!
攻めにされて嫌だったことの数々をボロボロ泣きながらあげつらう受。
本当に本当に嫌だったことがわかる。
だけどようやく憎っくき敵が自分に跪いたというのに、ちっとも嬉しそうではない。
そして一気にクライマックスへ!!と思いきや……。
お話は、冒頭で受けが崖から海へ落ち心肺停止中となり病院へ担ぎ込まれたところへ、攻めが息急き切って駆けつけ…というところからスタートします。
だから現在、受けは意識が戻らぬ状態なのです。
ところどころ、そして後半、目覚めぬ受けの事を献身的に面倒を見る攻めの姿が描かれているのですが、過去の鬼畜男とは完全に別人です。
もうそこには「鬼畜」「下衆」「俺様」「傲慢」「強気」「腹黒」の全項目を要する男は存在しません。
改悛と愛に満ちた男の姿が描かれているので、ヤツのしでかしてきた悪行の数々を許す気になれます。
攻めと受けの愛憎劇にとどまらず、攻めの妻(紙切れ一枚の形式上の妻ですが、同居はしています)も絡み、一体この先はどうなるのだろう?最後どうなっちゃうの?まさか?!とドキドキしながら一気に読んでしまいました。
思っていたよりも終わりがあっさりしている気がしましたが、途中の密度の濃さはハンパないです。
できれば心が元気なときに読んだほうがいいかと思います。
とりあえず作品を読んでみてーーー!!と言いたいです。
私の語彙力じゃうまくレビューできないので…。
そして、やっぱりARUKUさんの作品はARUKUさんの絵で描かれるのが一番だなぁと改めて思いました。