はるがきた

haru ga kita

はるがきた
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神38
  • 萌×234
  • 萌19
  • 中立8
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
14
得点
391
評価数
100
平均
4 / 5
神率
38%
著者
もちの米 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
笠倉出版社
レーベル
カルトコミックスequal collection
発売日
価格
¥756(税抜)  
ISBN
9784773071757

あらすじ

友達なし、恋人なし、もちろん経験なし。
そんな人生を変えるため、楓は脱童貞を決意し目の前の風俗店に飛び込んだ。
が、そこはまさかのゲイ専門。
まともに童貞も捨てられない自分に落ち込む楓だったけれど、美人で優しいヘルスボーイ・さくらに心とファーストキスを奪われてしまい……!?

冴えない童貞メガネ×人気No.1ヘルスボーイ
愛すること、愛されることに不慣れな二人の行方は──。
もちの米待望のファーストコミックス

表題作はるがきた

香月 楓
桜田 春

レビュー投稿数14

可愛い表紙にド重で良き良き

可愛い表紙とは裏腹に読み応えガッツリ重系ストーリー……
ガッツリストーリー好きなので嬉しい誤算でした。

お話は偏差値偏重環境で育ったため学歴ばかりで柔軟な「社会」に適応できない攻め様が、人間らしくなりたいと風俗に行くところから始まります。ふらりと入ったのでゲイ向け風俗で、なんだかんだ受け様の接客を受けます。一目惚れ(多分)して通うも、人との関わり方がガッタガタなせいですれ違ったりすれ違わなかったり。
そんな感じで、風俗勤務だけど聖母な受け様に救われる話かな〜と思いながら読んでたら、おやおや、なんだか受け様、訳あり…………?攻め様の無償の想いをすごく嬉しがるな……?
と風向きが怪しくなってきて、実は受け様はもっと精神構築する年齢の頃からえらいことになってた!
ハピエンだったからよかったけど!!けど!!!

攻め様、昨今話題によく上がる高学歴だけど仕事はできないの典型みたいな感じですかね。この前もツイッターでそういう人見かけた気がするな……なんて。
そんな攻め様ですが、風俗店で受け様に惚れてそこから受け様の気持ちを考えるようになるの、人間的成長が見えてよかったです。あと割と思い切って行動するタイプなのですかね、後半の方はグイグイ行く感じでよかった!受け様のこと、救ってそのまま二人生きて行ってくれ……

で問題の受け様、この方の生い立ち云々のおかげで読み応えが倍増してると思う。
子供の頃に教師に性的虐待受けてたけど、父親にもひどくされてたおかげで、教師の方は甘言があるぶんそれに縋るしかなかったように思います。おかげで本人の中では"他人に認められるためには痛みが伴う"みたいな認識になってしまってるんでしょうね。
その教師を拒否したら愛されたこともなくなってしまう。認められるには奉仕と耐えがなければならない、みたいな。
結局風俗業につくも、すべてのやり取りは金銭の上に成り立っていてただ闇雲に認めたり、愛されたりと言うのはないから、それ以外がわからない。
そこに現れたのが無償の想いを授けてくれた攻め様で、あとから中盤の駆け引きを見るとなんとしても離したくなかったんだろうな……となんとも胸が痛くなります。

攻め様、受け様のことちゃんと叱るし、大事にするし。独占欲と履き違えてても受け様は自分を思ってくれるだけでまず嬉しいんだよ……!

攻め様も受け様も、人との関わり方の精神的な部分は未開拓すぎて、これからも壁が立ちはだかるんだろうなと思いますが、根底は純粋に思いあってるから大丈夫と信じて、二人の幸せを願いたいです……。
これ二巻でガッツリ描かれてたら私の心中もっと抉られてたな……

描写的に地雷ある人もいるかと思いますので人を選びますが(蝋燭責めって言うんでしたっけ?非SMで見るのは初めてかも……)、単巻でシリアスなお話読みたい方にはオススメです。
絵柄は終始ほんわかにもありそうなタッチで良いです!笑

レビュー読んでこの作家先生の第一作と知り、驚きが隠し得ない……もちの米先生、今後も追いたいと思います……!

0

はるがきた!

この1冊で、内容がビッシリ詰まってた。
とても、良かった。タイトル通り!

登場は少ないけど、要さんの存在が大きかった。春が危機的状況の時に必ず現れて救う。決して甘い言葉をかけず、それでも隣で見守る姿が印象的でした。

FTM設定のコミックを始めて読みました。
現社会においても、セクシャリティについては浸透してきて居るので、これからも作品に反映されたら嬉しいですね。

さて、全くタイプの違う楓と春の出会い。
楓が、風俗すらマトモに入れないのか!は、ここだけは泣き顔込で、笑ったwww

けど、高学歴はあったとしても何の役にも立たない事に気付いた時のセリフは、楓のこれまでの人生を全て否定して切なかった。
でも、楓は自分自身の問題だからこれからどんどんストーリー状で変化して行く事に期待しました。

問題は、春・・・これは、辛い・・・
思春期〜真っ只中、クズ父からのDV、売春させられ、挙句に刺されるとか・・・
心の拠り所だった、初恋であろう〜先生に買われ、弄ばれいた事。
この、二重の裏切りは暗い影を落としましたね。

楓からの告白の時に、その影は現れた〜幼く辛かった時のもう1人の春が、大人になった春に問いかける、同じ事を繰り返すの?と。

その後、春は自分の本名を楓に教えて〜受け入れ〜踏み出した所が、この作品の中で1番好きなシーンでした。

楓と春のその後の、日常をもっと読みたかったな!

もちの米先生のストーリーは、読ませてくれるなぁ〜これからも、期待しています。


3

笑いに包んだ哀愁

以前ちるちるで紹介されていたもちの米さんの作品。
読んでみようと買ってしばらく置いていました。読んでみて、これはひと味違って面白いなあと納得。こちらがデビュー作品なんですね。

風俗で働くさくらと、モテない仕事できないのダサ男、楓。楓は、恋がうまくいかず、こうなったらと飛び込んだ先がさくらのお店。男性がサービスするとは知らず、風俗もろくに選べないかと失意に沈むのですが。。

お店の受付にいるゴリラみたいな乙姫さんや、オーナーの男装?女性など、脇がひとくせあって良いキャラ揃い。
楓の勤め先にいるだるそうな女性社員もいましたね。

絵や、無言も多い間の雰囲気などが上野ポテトさんに少し似ています。
独特の作品で、なぜか印象に残りました。
ややコミカルな中にもほんのりとした哀愁、そしてハッピーが詰まった良い作品。

0

あたたかい

表向きあまり影は感じないけれど、読み進めるうちに何やら重ためな予感…
訳ありでヘルスボーイをしているのはわかったけど、さくらがあまりにもほんわかしていて危機感を感じさせない性格だったからこそ、過去やストーカーの存在にちょっとびっくりしてしまいました。
父親や教師のせいで歪んでしまったさくらの心を考えると本当に切なくて…
楓との出会いが変わるきっかけになったことは良かったなと思います。
でもまだまだ回収しきれていないところがあったので(ボスのこと同僚のことなど)もっと続きが読みたくなりました。

0

心が温まった

あまり幸せとは言えない二人が出会うお話でした。
信じて必死でやってきたことが、意味が無かったと気づくことは言葉では表せない辛さだと思うんです。
気付いたら自分には何も無かったと絶望感を味わっている攻めと、壮絶な過去を乗り越えてきた受けのお話なので途中少し辛い描写もあります。
そういう辛い過去を乗り越えて幸せになる話が好きなので、とても良かったです。

受けの仕事がらお決まりのすれ違いはありますが、割と二人とも素直な性格なので拗れすぎなくてホッとしました。
家のドアの前で寝てる春を見て楓が泣く場面、胸がキュッとなりました。
楓が終盤にみせた成長には感動しました。子供の頃にできなかった自分で踏み出す一歩に勇気を出せて良かった。
恋のチカラは人を成長させますね。
素敵なお話でした!

1

いくつかの孤独の話。特にお薦めです

「自分が必死にやってきた唯一のものは
生きていく上で何の役にも立たないと」

Kindle Unlimitedにてあまり期待せず読んでみたものの、心を持っていかれて読みながら泣き、思い出しては枕を濡らしました。BLだと思って読む作品ではない気がします。
青年漫画の雰囲気もあり、夜読むと滲みるように静かだけど笑えます。
地雷のある方は必ずいくつかレビューを読んで確認してから。

表紙やタイトルから想像出来ない、それぞれの人生の絶望や闇、後悔と小さい希望が描かれています。はじめの香月の、“頑張ってきたものは意味がないものだと知る”あらましは少し残酷でもあり誰もが何かしら感じることではないかと思います。ふとした時に思い出すような過去の挿入がすごくいい。(というかそういうのを挙げていくとキリがなく全て許せて全て良いんです…)

会話の緊張感、的確で切ない言葉の選び方、それぞれの目が雄弁で、良い作品に出会えてしばらく胸いっぱいでした。
さくらは危険が及んでも動じない、感覚が麻痺している、自分の価値を求めても進んで卑下はしていない。
香月は人を見ないメガネ君だったところからさくらと出会い、自分の目で映し出す。
要の鋭い目付き(好き…笑)
彼らの毛色の違う孤独は重いのだけど、その描き方がとても好きでした。お話が終わった後も続いているような存在感に、何故だか安心させられます。
そして最後にタイトルが分かる演出が優しくて素敵過ぎて…

はぁ、どんな風に書けば誰か読んで下さるだろう。こんなに自分のレビューの拙さが歯痒く思ったことはない。

6

1巻じゃ全然足りない

 200ページの中で大渋滞を起こしている、というのが読後真っ先に感じた印象でした。このタイトルと表紙からは想像がつかないほど、シリアスな要素が絡み合っているんですよね。これがデビュー作品なのには驚きました。もっと話題になってもおかしくなかったと思います。最初は冴えない楓(ただし、眼鏡を取ったら美青年)が、風俗店で出会った春と親しくなり、彼と初めての恋を楽しむ甘酸っぱい話になりそうな予感がしたのですが、徐々に春がメインになっていき、物語は暗転し始めます。

 春が恐らく初めて男を知ることになった、かつての体育教師の存在。BLではけっして珍しい過去ではありませんが、ありがちだから軽く見ていいということにはなりませんね。実際、一定数は存在するのでしょうし。彼とのセックスは一方的で痛々しさしかなく、しかもそれがまさかの父親からの依頼だったという地獄っぷり。初恋を二重に踏み躙られた春が、要に拾われ、風俗でたとえ刹那的でも満たされる瞬間を味わえていたことは、ある意味とても幸運だったのかもしれません。本人のいい意味での鈍感さが彼を守っていたんじゃないかなとも思います。不思議と諦念はあまり感じないキャラでした。

 そしてまた運良く、自分を本気で心配し、エゴにも敏感で、見返りを求めない楓と出会えた。この店で働いてなかったらきっと出会わなかった人。風俗で働くキャラというのは悲劇的に描かれがちですが、間違いなくそこが今まで春の居場所であったし、本気で愛せる人、愛してくれる人に出会う場所にもなったわけですから、この作品においてはむしろポジティブな要素にもなっているんじゃかなと思いました。初々しい2人の今後はとても気になりますね。春を拾った要も、もっと知りたいと思える魅力的なキャラで、BLにはならないかもしれないですが彼のスピンオフも読みたくなりました。

3

後半の展開に鬱…

冴えない眼鏡の童貞くんが、ある日思い余って風俗店に入ったら、なんとそこはゲイ専用で…というお話。そこで男でもいいや、と体の関係になるんじゃなく、手をつないで話をしたりして、だんだん相手が気になっていく過程はよかった。

けど後半、受けの過去が語られると、どんどん暗い話になっていって、読むのがしんどくなってしまった…。
受けは中学生の時(?)に、学校の先生に暴力的な肉体関係を強いられていた。それが実は、自分の父親が先生に自分を売っていたからだということをある日知ってしまい、逆上した父親に刃物で傷を負わされてしまう。

その時助けてくれたのが、今の受けのお店のオーナーである叔父。そのへん、なんかいい話みたいになってるんだけど、自分から保護してあげておいて、受けが自分の店で体を売るのを黙認してた状況がよくわからない…。
受けがビッチ化した理由づけとして、親からの虐待とかレイプとかが出てくるこのテの話に飽き飽きしてしまっていることもあり、ただただうんざりしてしまう。自己肯定感の低さ=売春の図式があるあるすぎて、安直に思えてくるというか。
表紙とタイトルがほのぼのほんわかしてるので、後半の話の重さとの落差にどうも疲れてしまい…。

攻めが普通にいい子で、ハピエンなのは素直によかったと思う。

1

もっと続きが読みたかった。

ストーリー的にはとても好きなんです。
でも短すぎるよ。もっと二人のこれからとかそれからとか読みたかった。

今まで前向きに生きられなかった二人が知り合い、お互いに想いを寄せるようになって前に進んでいく。
とても優しいお話でした。

受けが不憫すぎて辛かったけど、どこまでも優しい人でした。
攻めは自分を好きになれないみたいだけど、優しい人です。

二人の間に流れる空気はとても優しくて癒されました。
だからこそ、もっとこの二人のその後の優しいお話が読みたかった。

1

全然ページが足りてない‼︎ もっと深く読ませてほしい‼︎

買う前の試読で「こんな感じのお話かな?」と勝手に想像したストーリーとは全然違うものが読めました。
いやもう全然もっとライトなものを想像していましたよ…!
地味メンの童貞くんが間違えて入っちゃったゲイヘルスでいい子と出逢えて「はるがきた\(^o^)/」そんな感じのサクッと可愛い萌えが補給できる作品かと思って買いましたら、もう全然そんなんじゃなくってですね、1冊分のページ数で終わらせるなんてそもそも無理がある厚さのストーリーでびっくり。
2話目から先の見えない展開にずんずんと突入していくので、読んでて息切れしそうでした。

主人公は攻めの〔楓〕ですが、お話の実質的な主役は受けの〔さくら〕のほう。
会って3度目の日、上半身裸になったさくらの背中に大きな刃物キズがあることに楓が気付きます。
そこから明かされていくさくらのバックグラウンドが反吐が出るくらいにとにかくヘビーなんです。
妻に死なれて酒浸りになってしまったさくらの父親はさくらを担任に金で売り、そうとは知らずにさくらは担任に片想いし、担任だけが自分の味方だと信じて姦淫に応じていた学生時代。
父親からの暴力と担任からの凌辱で身体が限界に近づいた頃、ようやく自分は売られていたことを知り、逆上した父親に刃物で切りつけられたのをキッカケに父親の弟に救い出されます。
この弟というのが、先のレビュアー様全員が触れてらっしゃる印象的な脇役〔要〕。
要は“母ちゃんの腹の中で身体を間違えちまった”ちんこがなくてハタチまでは胸があった男性なんだけど、あえてそれ以上のことは触れられないところがいいと思います。
でも少しだけ明かされることによって、この要というキャラがどんなふうにものを感じ生きている人物かをなんとなく窺い知ることができて、ヘビーのどん底にいたさくらに「お前 自分ばかりが不幸だと思うなよ」と言う要の同情で誤魔化さない優しさが余計胸に刺さります。
ただ、やっぱりそうは言っても要にかなり意識を引っ張られてしまうんですよね。
要の視点に立ったさくらのお話や、要自身のお話を読ませてほしくなりました。

・・・と、こんな感じでこれだけでも1冊に詰め込むには多すぎる内容だと思うんですが、ここに更にさくらのストーカー被害のお話が同時進行で乗っかってて、でも主軸はラブストーリーな訳ですから、なんていうかもう【混み混み】なんです。
200ページ弱の中で渋滞しまくってる感じになってるので、出来ることなら上下巻くらいのページ数で読みたかった‼︎
そこがすっごく勿体無く感じます。

良い意味で期待を裏切られる濃厚な作品でした。

【電子】ひかりTVブック版:修正白抜き、カバー下なし、裏表紙なし、電子限定特典(1p)付き

3

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