けものあそび

kemono asobi

けものあそび
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神108
  • 萌×234
  • 萌16
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
18
得点
728
評価数
163
平均
4.5 / 5
神率
66.3%
著者
もちの米 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784758079440

あらすじ

お坊ちゃん育ちの飛鳥井翼は、痛みに興奮するという悩みを抱えていた。
自分の性癖を受け入れられず悶々と過ごす中で出会った白尾将輝は、相手が誰であろうとためらわず無感情のままに暴力をふるう男だった。
将輝なら欲望を満たしてくれるかもしれないと思いストーキングを始めた翼は、ある夜待ち伏せていた先で将輝に無理矢理にホテルに連れ込まれ――。

表題作けものあそび

白尾将輝,塗装会社勤務
飛鳥井翼,特殊性癖を持つ音大生

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下(翼ができるまで―ラフ公開―/あとがき)

レビュー投稿数18

「俺のおにくちゃん」ありきで神!

「俺のおにくちゃん」ヒール将輝のスピンオフ作品。
将輝と翼の救済に焦点を当てながら、暴力、愛、そして様々な家族の在り方について描かれています。

先生のあとがきにあるように、それぞれ単体でも読めるようにしたつもりが甘いかも…の文字通り、
刺激的なエロを楽しむだけなら充分ですが、
本家での千明と将輝の確執を知ってこそ、この作品で将輝に対する理解が深まり、
最終的に翼が特別な存在となる経緯が心に刺さるので、この作品の為にもおにくちゃんは必読でしょう。


前作で千明の元カレ、暴力的なゲス男として印象的だった将輝。
将輝が登場すると、煌と千明のコミカル色が薄まるヒリヒリ感でしたが、
今作はシリアスダーク色がメイン…たまに登場する煌と千明のコミカル色が、ヒリヒリ感を中和します。

音楽家一家の裕福な音大生である翼は、殴られて興奮するドMの変態である自分を知り、
無表情のまま暴力を振るう将輝と中学生の頃に出会う。
将輝に殴られたい、内面を知りたいという欲求にかられ、いつしかストーカーになり追い続け6年。
将輝のトラブルに乗じて翼から近づいたことで、暴力的に犯され快楽に堕ちる翼。

相手にいう事を聞かせるために暴力を常套手段にしている将輝、
痛みが快感になる翼には暴力は意味を持たないことを知り、出ていけと言われても居座る翼を持て余す。

暴力的なけだもの将輝の背景描写が、かなりせつない。
愛人の子という罪悪感から養育できず施設に預けた母、幼少期には暴力で解決するスキルを身に付ける。
母は再婚しており、高校入学時に3歳の妹がいることを告げられ、
いつか4人一緒に会えたらと言いながら、妹に会いに行った将輝に怯える母。
母に捨てられ、差し出された手を掴もうとして、再度傷つけられる…これも暴力です。
でも、あの将輝ですよ…しかも、罪悪感があるからこそ怯える母ですね…せつない。

将輝は誰かに求められたことも、愛されたこともないので、愛し方を知らないだけ。
安易に感じるかもしれませんが、この描写はかなりリアル。
恐怖でしか人との関わりが上手くいかなかった人の典型…翼が同居してからの生活をみる限り
翼がいなければ当たり前に孤独な生活。でも仕事には真面目に行く…。

実は施設に毎月送金していた将輝。
少しですが高校生での施設生活が描かれていて、小さい子が寄って来る、先生とも会話のある子…
将輝が本当のけだものではない、無表情の下には愛情に飢え感情の欠けた心だけではない事が解ります。

翼に聞かれて、千明のことは好きだった、失敗したけど、もう昔の事と簡単に答えていましたが、
愛し方を知らない、執着と独占欲が暴走する、衝撃的な逸話が前作で描かれていました。
脅した関係である千明には、求められること等なにもなく、終わってから間違いに気付けたのか?
将輝を怖がらない、何かと要求の多い翼に応えることで、少しは返し方を学べたのかな。

暴力で興奮する翼に対して、暴力ではない普通の愛し方を見せる将輝がエロい…。
それでも将輝に執着し求めてやまない翼を知り、ほだされた将輝のほんの少し柔らかい表情がイイです。

翼は音楽家の父との確執が原因で歪んでいるのは明らかで、
自己欲の為に権力を使う、手を出さない暴力で人を動かせる翼の父。
父に引きもどされた翼は、将輝を守るために嘘をついて離れますが、
将輝は翼のために母の新しい家族、義父に力を借りること…スゴイ成長ですよ。

母とは家族になれなかった将輝が、母が再婚した新しい家庭でやっと家族になれる、
そのキッカケになったのが翼という存在でした。
望む息子でなければいらない…翼は父に捨てられたとも言えますが、自己選択した翼は前向きです。
将輝に正直に向き合い、将輝も受け入れる…腕をゆっくり翼の背中に回す場面は涙が…TT
翼は将輝の妹と仲良くなり、将輝にとって慣れない家族との仲介役で、新しい家族のようです。

裕福でありながら全く違う、愛にあふれる煌の家族と、愛情のない翼の家族。
父子家庭から父を亡くし一人になった千明の家族愛、その千明を可愛がる煌の家族。
愛人の子であることで捨てられた将輝が、母が再婚した幸せで一緒になれた家族。
人物背景描写に、それぞれの家庭の事情が前作から色濃く盛り込まれ、ネックになっています。

世はけものだらけ…様々な暴力があるなぁと実感…人を傷つける方法の多さに心が痛みます。

そして、3段階のエロ描写が本当にすばらしい!
痛みが快感なドMを容赦なく攻める、暴力的なエロから始まった1話では、今後の展開を心配しましたが
中盤には、敢えて痛みを与えない、優しい愛撫のあるエロで一安心。
お互いが満足できる最後の溺愛エロ…希望のまま乱暴に、軽く首絞め、たくさんのキスで噛んで…
どうして欲しい?と聞かれポツポツ答える、控えめなドMにサービスのSが最高でした!

翼がなにかと甘え上手で可愛くて、将輝の反応も少しだけ表情にでている感じが大好きです。
描き下ろしでは、将輝の嫉妬深さが溺愛方向へ転化している?!

個人的にもちの米先生の画が大好きなんですが、将輝の顎を少し上げた前からの表情が堪りません><
無表情のままで魅せる描き分け…のみ込まれてずっと眺めてしまいます。

もちの米先生作品で一番好きな作品で、このやるせない仄暗い世界観とせつなさは極上です!

纏まりなく長々とレビューしてしまいすみません…読んで下さり本当にありがとうございました!

※シーモア:修正白抜き。 Renta:修正白い斜線。

18

将輝のお話を読めること、心待ちにしていました。

「俺のおにくちゃん」に千明の元カレとして登場したちょっと危ない感じのイケメン〔将輝〕。
千明に自分と同じ場所にピアスホールを開けさせていた、ってところがピアス好きとしては素通りできなくてですね、そんなのもう絶対何か拗らせてるやつがやることじゃん?
このキャラが無感情・無表情の仮面の下に押し込めている素顔が気になって仕方なかったので、彼のお話が読めてようやくエンドマークを付けられた気分です。
単体で読んで大丈夫な感じにされてはいますが、読んだ感想としては「俺のおにくちゃん」+「けものあそび」の2冊で将輝の物語かなと思います。
併読を強くおすすめします。

まず最初に。
表紙とあらすじを見て、ボコり愛かな?苦手かも…と思われた方、多分大丈夫じゃないかなと思います。私もちょっとそんな感じで手に取ったけど読めたので。
翼のアブノーマルな性癖はどちらかと言うとエッセンス的で、将輝の暴力の意味にフォーカスしたストーリーでした。

殴られて勃つ性癖を持つ〔翼〕が、路地裏で無感情に人を殴っていた〔将輝〕を止めに入って始まるお話。
前作からは少し時間が経っていて、将輝大学卒業後のお話です。
翼が繊細そうに見えて意外と図太い神経の持ち主で、無遠慮にズカズカ踏み込んでいく壁ぶち壊し系変化球タイプ、とでも言いましょうか。
翼(マゾヒスト)のための将輝(バイオレンス)かと思いきや、将輝(に暴力を振るわせない)のための(暴力が暴力として効かない)翼なのですよ。
例えるならば、翼は弾丸打ち込んでもノーダメージで向かってくる無敵ヒーローみたいなもんです。
どうしたもんかと思いあぐねている間にどんどんバリケードはぶち壊されていく。
中にいたのはどんな凶悪かと思いきや、膝を抱えて必死に自分の心を守っている子。
そんなイメージを頭にちらつかせながら読みました。

将輝が無表情でなおかつ内面がねじれているので、読む人によってはちょっと読み取りにくいキャラなのかもしれませんが、そんなこともないのですよ?
千明には無理やり開けさせたピアスホールを翼には「お前は似合わねーよ」って開けさせないとかね、将輝の心の変化はそれなりに分かりやすく表れていると思います( ´艸`)
やっぱり伊達にピアスキャラじゃなかった!
無表情キャラだからこそのほんの些細な表情や言動の変化に心掴まれます。
千明のこともやっぱりちゃんと好きだったんだなぁ・・・この告白はちょっと切なかった。

翼のおかげでねじれが取れていくとちょっとずつ露わになってくる本来の将輝がいいヤツでねぇ。
表情筋はまだぎこちないけど、前作のあの危ない感じはすっかりなくなってホッとしました。
気掛かりだったキャラの救済ストーリー、読めてよかった!の一言に尽きます。
お話的には翼も将輝によって救われてるんだけど、翼はちゃんと強いタイプだからどうしても将輝にばっかり肩入れしてしまったかな。

1話目の初っ端でジャンキーから金巻き上げて詐欺まがいなことをしてるのは、あのお金を施設に入れていたってことだろうか?
褒められたことではないけど、そういうことなのかなぁ?と思いながら読みました。


それはそうと、あとがき………(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
もちの米さんを追いかけ始めた矢先に、悲しい。。。
少しお休みされたら戻ってきてくださること願ってます。

【電子】シーモア版:修正白抜きに見えるトーン、カバー下○、裏表紙○、電子限定描き下ろし(6p)付き

15

愛しき獣たち

え、これ続きますよ…ね?むしろ続きが欲しいです!!
前作を読んだ後からずっと楽しみにしてました。わたしは、すごく好きですね。
確かに1話目の雰囲気と最終話のそれが割と大きく変わってしまったので、拍子抜けのようなものはありました。
もっと受けの翼の性癖がストーリーに絡んでくるのかなぁ、と思っていたので…

だけど、結局『暴力』だけでは2人の関係を結びつけていくことはできない。異常性癖を持ちながらも、暴力以外の部分で将輝を愛した翼の存在によって、彼は真に暴力から脱却し救われたんだなぁ…と思います。
まだ翼への感情を自覚し切れていない将輝が、真実の愛に気付く続編を……!読みたいです!!
信じて待ってます!

6

ゆーちん24

かっさ様
はじめまして。突然のコメント失礼いたします。
レビューを拝見して、私が将輝の無表情から読み取れなかった「熱」が伝わってきたように感じました。
2人の関係性を言葉にしてくださってありがとうございます!
またじっくりと再読してみたいと思います。

前作を読まなきゃだめ!!!!

【俺のおにくちゃん】スピンオフ。煌と千明も出てきます。
前作で出てきた千明の元カレ”将輝”と、煌と親同士が知り合いで本人たちも顔見知りの”翼”のお話。

痛みに興奮する性癖の翼は、お坊ちゃんで厳しい父親の影響で大好きだったピアノも苦痛になっていたある日、将輝が暴力を振っている現場に鉢合わせる。
止めに入ったことで将輝に顔面を蹴られてしまうが後日自分からまた将輝に会いに行く。


学生時代から将輝のストーカーをしていたので千明と付き合っていたことも知っている翼。
父親から逃げるのと、暴力をふるわれることで性癖を補えて都合も良く
将輝の家に無理やり転がり込む。
しかし、次第に将輝の事をもっと知りたいと思うようになる。

翼の影響で、すぐに暴力をふるってしまうのを辞めたいと思うようになる将輝には嬉しかったです!!
しかし、翼が父親に連れ戻され父親の影響が将輝に及ぶのを恐れた翼が
将輝に”嘘”をつくと将輝は「お前は嘘つきだ」と翼を殴る。
この時が!!!!1冊通して終始表情を変えなかった将輝が唯一表情を歪ませた瞬間でした!!
たまらない!!!本当にたまらなかった!!!!

暴力をふるいたくなかった将輝に殴らせてしまったのを泣く翼がもぉ・・・切なすぎました!!
しかも・・・翼を殴ったその足で疎遠にしていた母親の再婚先の家に行くのが
とにかくたまりませんでした。
義父に会いに行った時点で、将輝の変化に泣けるし
その後、翼が働く事になったジャズバーのオーナーの顔が出た瞬間・・・泣きました。

切ないけどとてもとても暖かいお話でした!!

~追伸~
描き下ろしの将輝の「プイッ」が尊い!滾る!シコイ!ぎゃんかわ!

5

(私の)心臓にブッ刺さって抜けねえ……

まずこの作品はわたしが読んできた全ての商業BLの中でぶっちぎりのドタイプ性癖漫画である。
私一度読んだものを二度読み返すことはまじでそうないんですよね。
にも関わらず「けものあそび」は多分20回以上は通しで読んでる。最早怖い。
神経伝達物質の何かが作用して脳がレビューを書けと命令してくるので、少ない語彙をフル活用して書いてみます。

まず攻ですが、もちの米先生の別作品「俺のおにくちゃん」(これもまた素敵作品)に出てくるとんでもなく酷え男・将輝。
この人は不器用なんですね。とにかく不器用。
幼い頃から暴力で人を支配できると思っていた子です。
生い立ちが生い立ちなだけに、心苦しい。
まぁね、確かに暴力で人は支配できます、しちゃダメですけど。
問題は、人の体は支配できても、支配したい相手の感情まではどうにもできないということですね。
でも将輝くんなにせ不器用な男なんで、暴力以外の表現ができねぇんだ………。
だから将輝くん、好きな男にも酷い態度しか取れず呆気なく振られます。そりゃしょうがねえ。
本当は暴力で得られる支配感なんかじゃなく、ただ愛情を感じたいだけなんだよこの子は……!と謎の立場で擁護せざるを得ない。

さぁそんな世界一不器用な男の前に突如現れたのが、謎の美青年・翼くん。
翼くんは綺麗です。心も綺麗です。そしてとてもかわいいです。
将輝との出会いは全然綺麗ではないですけども。
というのも、将輝が見知らぬ男に暴力をふるっているときにサッと現れ、正義の味方ごっこをします。
で、将輝がそんな翼くんにイラついて蹴っちゃうんですけど、翼くんはそれに欲情しちゃうっていうね。
翼くん実は良いとこのお坊ちゃんで、ピアノが上手です。コンクールとかも出てる。
見た目も家柄も綺麗な翼くんは、昔から痛くされると興奮するっていう性癖に悩んでます。
だから自分の性癖に相性の良さそうな将輝に頼んで、自分が「人間」なのか「獣」なのか確かめたいと。なるほど素晴らしい入り方。

本当は暴力に頼りたくないけど不器用だからどうにもできない男
vs
暴力が性癖なんて僕は獣なのかと悩むも欲望には抗えない綺麗な男
ファイッッ

両方けものだよ!!!最高だよ!!!泣いちゃうよ!!!
いやだって良すぎて辛ない……?
これは翼が将輝に救われる物語でもあり、将輝が翼に救われる物語でもある。
素晴らしすぎてスタオベ。拍手喝采。
脳内細胞が喜んで夜通しサンバ踊ってる。
一生2人で幸せに暮らしてほしい。
幸せになってくれてありがとう。

2

暴力も非暴力も愛なんて

「自分は人間なのか 獣なのか」
自分の性癖について戸惑い絶望が滲む翼
感情を表に出さない威圧的な将輝
人に暴力を振るう将輝
父の言いなりになってきた翼
二人は二人でいたからこそ救われ、人(彼ら其々が人と認める人)になれたのだと思いました。

もちの米さんの作品全て読みました。
孤独の描き方や瞳の複雑な表情、可愛い手書き文字が大好きです。
泣き顔や台詞の訴える力が凄くて、苦しくなるほどです。リアルさがありつつ、美しいのです。
暴力で感じるドMというのは作品でも多々ありますが、これ程その性癖について感情の揺れや戸惑いを伝える作品はなかなか無いと思います。
興味のない人こそ触れる価値のある作品だと思います。

それは翼の性癖に限らず、将輝の暴力癖にも言えます。
将輝のような人が街で近くにいたら、私は距離を置きます。彼の人生や苦悩を考えることなく。
将輝が妹に花を渡そうとした手で木に持ち替え、直後に暴力を振るうというのが、とても象徴的で切ないシーンでした。
そして別れる時の翼への一発。彼らにしか理解し得ない会話と孤独が詰まっていて、胸が詰まりました。

電子101ページの、翼が将輝の怪我を見るシーンがとても美しかったです。見上げる将輝と下を向く翼の会話で、交互に顔のコマ。

1

獣から人へ

「俺のおにくちゃん」を読んで、こちらも。
千明の元カレのヤバい奴、将輝が主人公となるスピンオフです。
千明と煌も出てきて、千明が将輝にも受けの翼とも話す場面がありますし、やっぱり前作を読んでからの方が楽しめるかなと思います。

とは言え、将輝が何故暴力的なヤツになってしまったかや、翼との出会いから関係を深めて行くまではこちらにしっかりと描写されていますので、単体でも大丈夫です。

坊ちゃんで、ピアノの腕も良いが父親に支配されている翼が、暴力を振るわれる事に興奮する性癖だという事に苦悩します。
自分の事を知るために、将輝の事を知るために将輝の家にいきなり押しかけるんですね。
気が弱そうなのに、時々めちゃくちゃだったり大胆な行動に出る翼がある意味ホントのお坊ちゃんぽいなと。

将輝のところどころに垣間見られる優しさ、寂しさに胸にチクッとした痛みが起こりました。
深い愛情を知らずに育ったから、愛情表現が不器用過ぎるんですよね…。

翼が将輝に、ピアノを弾いている時にニセモノになった気がすると打ち明けるシーンが好きでした。
そんな姿を将輝には見られたくないと思うのに、また偽ってしまう。またそれも相手を思いやっての事だったのですが。

お互いのためになんでもしたいと思ってる2人が尊い…。幸せになって欲しいです。

描き下ろしの、ピアノバーまでバイクで迎えに来てる将輝がかっこよかった♡
暴力的だったり、人を平気で傷つけるような男が1人の相手を愛する事で人らしい気持ちを取り戻すお話だったと思います。

「おにくちゃん」の2人も好きですが、こちらを読むと将輝と翼のカップルの方がより好きかなと感じられました。

1

受けがべらぼうに可愛い

 攻めのことを大好きで一途な元(?)ストーカー受け!!!!
 やっぱり素直で攻めにぞっこんな受けは可愛いです。
 マゾなのもかわいい。
 攻めも良いキャラ。神以上の評価がほしいくらいの作品でした。

1

上手すぎて頭を抱えた良作

もちの米先生、すごい。まだ読んでいる途中だというのに、少しページを遡ってもう1度読みたいとなる作品でした。
なんだろうかこれは…一言で言うのならものすごく良かったんですよ。一気にドンと来る萌えや良さではなくて、読中・読後にじわじわと来る良さを噛み締める感じ。好きです。

こちらの作品だけでも美味しくいただけるのですが「俺のおにくちゃん」を読んでからですと、より濃厚かつ後を引く味わいが広がります。やはり2冊続けて読まれることをおすすめしたいです。
人にすぐ暴力を振るってしまう無表情な青年と、裕福な家庭で育った痛みに快感を覚えてしまう大学生の組み合わせ。
読む人を選ぶ属性ですし、愛だとか恋だとか、そういうものを明るく分かりやすく描いたお話でもありません。けれど、刺さる人には間違いなくドスドス刺さる作品だと思います。
ディープなお話がお好きな方はぜひ。

暴力。漢字にすればたった2文字の言葉です。
しかしながら、体への暴力であったり、心への暴力であったり、言葉の暴力であったり…種類が非常に多い言葉でもありますね。
この1冊に沢山の暴力が描かれています。
ですが、それと同時に救いも描かれています。

いわゆる普通の愛し方も普通の愛され方も知らない将輝のバックボーンが非常にやるせなくて。
なにしろ人から愛されたことがないものですから。愛したくても愛し方を知らずに生きて来たとても孤独な人です。
そんな将輝の元に現れた翼という青年。
ここで翼の特殊性癖がよく効いてくるのが上手いです。身体的な痛みに快楽を覚える翼だからこそ、将輝が相手を恐怖や怯えで支配しようと暴力を振るうする意味がなくなってしまうんですよ。
なんだかもう、2人の関係性の描き方がすごく良くて。
翼との生活の中で少しずつ見えてくる、分厚い殻の中に隠れていた将輝の内面の柔らかな部分に読めば読むほどぐいぐいと惹き込まれていきます。
将輝を恐れず甘える翼と、翼に甘えられ不器用に甘やかす将輝の図に心地良いため息が出る。
もちの米先生、上手すぎる…すっかり魅了されてしまいました。

それぞれ抱えているものは異なるけれど、生まれ育った環境によって偽りの自分を作らざるを得ず、自分が何者なのかが分からないでいた2人が、無意識に救済し合いながら嘘偽りのない自分と場所を手に入れられるまで。そんな印象を持ちました。
好きな作品がまたひとつ増えてうれしいです。

1

お肉ちゃんの

ヒール役だった将輝のその後。
途中まで不穏な空気が流れるのですが、そこからぐっと落ちずに物語は纏まります。
私は前作「お肉ちゃん」が好きなのですが、このお話はまた違うイメージで好みでした。お肉ちゃんの二人もちらっと出てきます。
後半で将輝が少しずつ成長していく過程が良いし、翼の想いが徐々に明かされていくところも好きです。翼が手を怪我したりしなくて良かった。
最終的にはそんなに悪い人はいないです。(翼の父親とは絶縁のままかも?)
良い作品でした!

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