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aka no theater
非常に雰囲気あって良かったです、出てくる物すべてが美しい。強がってる美人がグズグズになってくのは良いものです。綺麗なラストだけどそこで終わりなんだという気も、続編どころか後日談も無いのは少しさびしい。
素晴らしい作品!なんですが、手放しで好きかと問われると難しい…依存関係がお好きな方には抜群に刺さる本だと思います。
210ページという短さでここまで深いストーリーを描き上げるなんて…!緒川先生ってやっぱり天才。
母から息子へ受け継がれた、ブランドとデザイナー。その関係性だけでもゾクゾクするのに、副社長に就任した母の弟にも、ライバルブランド(と呼ぶには規模が違いすぎるが)の社長とか確執(?)があり…!
本編は全体的にとても痛々しいです。汚いモブが結構出張っているので、地雷な方もいるかもしれません。二人の想いが通じ合った場面も、幸せというより、、うーん、、表現が難しい。
番外編?後日談?では幸せな二人が見られますが、色んなものを捨てて得たものなんですよね。100%手に入れて幸福に!というスーパーハピエンとは違う。ストーリーはあまりネタバレせずに読むことをおすすめします。
好みによって、評価が分かれる作品だと思います。
暗さの先に光りが見える作品が好きな方には、話の作り込み方やキャラ設定など、しっかりした作りなのでオススメです。
私は、自分の身体を使って会社を大きくし、アダムに靴を作らせようとするユーリを見ているのが辛くて。。。
例え、2人の幸福な姿が最後読めても、モヤモヤ感が残ってしまいました。
ミハイルくらい、気高くて強く居られたら違ったのかもしれません。
評価を下げてしまっていますが、好みの問題だと思うので、沢山の方に読んで頂きたいです。
なんとなく痛い話かな?と思って、後回しにしていた(し過ぎていた)一冊。
読んでみたらそんなことはなく、愛に生きる男たちの素敵な純愛ストーリーでした。
とにかく、ラストが素敵なんです。
途中、ブランド維持のためにユーリが身体を売る場面はあるものの、本当に求めているものはただ一つ……靴職人・アダムからの愛。
ユーリは、全然ビッチなんかじゃない。
むしろ健気で一途。
少しも嫌悪感なんか感じませんでした。
全てを捨ててユーリを選んだアダムと、自分らしく生きられるようになったユーリ。
スニーカーを履いていたって、ユーリはちゃんと輝いてたよ。
「ハイヒール」を履くことでアダムの愛を得ようとしたユーリ。
そのユーリを踊らせているつもりが、踊らされていたのは自分だったというアダム。
ハイヒール=欲 だったのかもしれない。
人はいつでもやり直せるんですね。
最初の志を思い出し、ささやかながらも幸せに暮らす2人の後ろ姿に感動。
ユーリのおじ・ミハイルの番外編もなかなか。
こちらの作品の方が先生らしいかなぁ……なんて、思ったり。
靴のブランドを引き継ぐユーリと彼を支えるアダムの話。
自ら広告塔になりハイヒールを履く美しいユーリ。その裏では汚いことも辞さない。
ハイヒールを履き続け足はボロボロになるのと同時に精神も荒んでいく。
辛い場面を乗り越え、ほのぼのハピエンになりよかった☺️
アダムとユーリの倒錯的な関係もお互いが破滅する前に、ごたごたがあって落ち着く所に落ち着いてひと安心。
髪切った二人がまたかわいい。
番外編がまさかのおじさんCPミハイル叔父があんな人だったとは!?
テアトルはシアターの仏語なんですね。赤の劇場…まさに「劇場」でした✨
受けがモブに酷いことされるのはすっっごい地雷なんですけど……歪んでるし、痛々しくて見てるのが辛いんですけど、ユーリが可哀想で、健気で危うくて美しくて……彼がとても好きです。本当にハイヒールが似合っていてユーリの為の靴だなと……彼は多くの人を魅了してやまないんだろうなとおもいます。
彼がこの先愛する人と幸せに過ごせたらいいな……
趣味じゃないにする所でしたがユーリがめちゃくちゃ好きなので高めの評価にしました。
キモイモブが出てくる作品なんか絶対買いませんが、緒川先生の作品はなんだかんだ言っても結局全部揃えてしまいます。
神評価はやはりカルロス×ミハイルの番外編が大きい。
"下を脱いで足を開く"ミハイルの倒錯的な様よ。
アバルキンという舞台を用意したミハイルが最終的に踊り続けるという展開は、最高でした。ミハイルは演目が終わってもなお踊り続けている気もしないではないですが。
この役割をユーリが担わなかったのは納得できる。ユーリが求めたのはアバルキンという舞台ではなく役者であるアダムでしたし。
正直アダムが一番腰が引けてたというか、信念貫けてなく思えてしまった。結局ユーリにビビってただけじゃないか。最終的にはアダムも決意して、または自分の望むものに気づいて、このラストは納得。アダムの告白と、その靴が血で赤く染まるシーン、演出に痺れる。
エピローグで明らかに太っているユーリを見て、緒川先生への好きが増した。でもやっぱりアバルキンの舞台の上で足を血まみれにして闊歩する男のユーリは美しかったな。
美しい描写と裏腹なストーリー
一途で健気な2人をこんなにも歪めてしまう赤い靴がとても恐ろしくて美しい
読後は、なんとも言えないモヤモヤした感じと、このラストで良かったんだろうなぁと思わざるをえない内容でした
アダムの気持ちが掴めずに読んでいたので、途中とても切なくなりましたが、それでもいいと背筋を伸ばすユーリがただただたくましくて美しいなぁと思いました
後半のミハイルがあったことで、それぞれのアバルキンへの想いを感じることができて良かったです
さらっと読みたい、という作品ではなく読むのに少しエネルギーを必要とする作品かと思います
重たい内容なのに、緒川先生の描写が秀逸で、重たさだけでない作品だと思いました
緒川先生の、ダークな部分を前面に出された作品でした。
学生ものが多いイメージだったので、今回のラグジュアリーで外国的な設定は新鮮でした。
1話から読み応え抜群で、短編としても構成が非常によく出来ていて面白いと感じました。ユーリ目線で描かれる荒廃したアパレル業界と、そんな場所で生きていけるユーリとアダム。
歪んでいるから、執着しているからを抜きにして、普通に2人の生命力がすごい…!
また画としてユーリのスーツ&ハイヒールというスタイルが大変見応えがありますし、素敵な設定でした。その分、表紙が中途半端なニュアンスカラーで、帯なしではあまり際立っていないのが残念でした。カバー下は作中ブランド『アバルキン』の靴箱になっており、こういうイメージで表紙も作ったら良かったのに〜!!と歯噛みするほど素敵です。皆さんめくって見て下さいね。
この物語の中心核は童話の『赤いくつ』でしたね。
実は子どもの頃、一番好きな絵本が赤いくつでした。物語について、良し悪しが理解できていない頃、出てくる赤い靴がひたすら好きで母に何度も読んでとせがみました。
母は最初は快く読んでくれていたのですが、次第にこの本はもう嫌だと言われるようになり、私は仕方なく1人でずっと赤いくつを読んでいました。
絵本のことなんてすっかり忘れて、私はこの赤のテアトルを手にしました。赤のテアトルと併せて内容を確認し、…うん、大人は子どもに延々と聞かせるの嫌かもこの話、と…。
それはさておき、赤いくつがそんな話なので(?)展開がえげつないえげつない。さすが緒川先生、キャラクターをどん底まで突き落としてくれます。はじめはアダムの行動の意味がわからず、どうしてと思いながら読んでいたのですが、途中から精神的な関係性が実は逆転していたりして、アダムの心情が腑に落ちました。ユーリがアダムを覆してしまう場面では、アダムの顔がほとんどアダムには見えなくて、すごいものを見てしまったなと思いました。
緒川先生の『反転』という表現は他作品でも多く見られますし、本当にその表現が上手いなぁと感動します。
また番外編のミハエルとカルロス、これ番外編じゃないな…という感じです。この話が補填としてなければ、物語として大きく欠落するほど大事な話だと、私には思えました。
全体的に腐りかけの、地に落ちた柘榴のようなイメージですが、ユーリと舞台の美しさが上手く織り交ぜられていて、楽しみながら読むことができました。
緒川先生の痛みある描写が受けつけるなら、ぜひおすすめしたいです。
これは…。クリスチャン・ルブタンだよなぁ。と、思う。2話の冒頭はパリのナイトクラブ『クレイジーホース・パリ』で、80日間だけ上映された『FIRE』を彷彿とさせる。(その頃、私はパリを訪れていた。)緒川先生はあの靴を履いたことがあるのだろうか。普通に履いていると、リフト(ヒールの先のゴムの部分)がすぐにすり減ってしまう。「(修理に)お金がかかって仕方ないんだけど‼︎」と、愚痴る私に先輩は言ったものだ。「だってそれは、レッドカーペットを歩く為のものだから。」と。えええー⁈ これを履け!と言ったのは先輩なのだけど⁈ そして、もちろん私はレッドカーペットを踏む様な仕事では無い。
その先輩に憧れて、私たちは「プラダを着た悪魔」よろしく、こぞってルブタンを履いたものだが、
そのたった一言で私は急速に醒めて、離脱した。今でも美しい靴を愛してはいるけれども、それを履くことは無い。
冒頭のアンデルセンの「赤いくつ」の物語も子供の頃から好きだ。ハイヒールは女たちを魅了し、そして拘束する。ルブタンの靴はそのアウトソールが真紅なこともあって。見る度にこの物語を思い出す。そして、足の痛みに耐えて、一日中ルブタンのハイヒールを履いていた事を。
これを愛と言っていいものか。歪な執着と欲情の。支えて貰えなければ一人で歩く事もままならないハイヒールという拘束具。ユーリのその痛みと狂っていくさまが痛ましくて、読み進むのがとても辛かった。その様子をただ見つめている、多分その征服欲に悦に入っていると思われるアダム。
それでも、その狂った最中でさえ、アダムとユーリは幸せだったのだと思う。
激しい自己犠牲と歪んだ欲望と。
ゆっくりと腐っていく果実の様に、甘い香りを放ち、朽ちていくように。
それだけに、急転直下にも見えるそのラストは、ホッとするけれど、モヤっともしました。
必ずハッピーエンドにしなければ、という何か使命感のようなものに囚われたのかもしれません。
ハタでどんな風に見えていても、必死で生きていた彼等は幸せだったと思うから。
なので、第2章とも言えるのに、唐突に始まって終わった、ミハエルの物語には萌えました。
この愛憎の物語はユーリの与り知らぬところでも始まっていて。緒川先生には珍しい、おじさん攻め受けというジャンル⁈ 常に冷静にビジネスを運んでいた叔父のミハエルもまた、この美しい靴に魅せられていた一人だったのです。本編でも妙に色っぽい紳士だと思ってたけど。
まさか、彼等の物語で、本編が霞む程のインパクトでした‼︎
はじめて読んだ緒川先生の作品でした。
友人から勧められ読みましたが、定期的に読みたくなる作品です。
はじめとてもディープな印象がありました。読み終えると歪み、の印象が強くなりました。
ユーリもアダムもやんでいる部分があると思います。特にユーリ。
ですが、最後に2人が並んで歩いている後ろ姿を見て、とてもあたたかい気持ちになりました。
ハッピーエンドで終わってよかったです(´˘`*)
そして、同時収録されているカルロスとミハイルのお話ももっと深くまで読みたくなりました。
表紙がお洒落でかっこいい。
金の長髪に黒いスーツ、そして画面の真ん中にくるこの話のテーマ(?)でもある「赤のハイヒール」が映えます。
このカバーのそでを捲ると、ユーリの手をとって跪いているアダムがいます。素敵!
ユーリの母親がアダムを利用したように、アダムもまたユーリを利用しているのでしょうか。
登場人物全員歪んでいます。でもそこが良い…!
アダムと会社の為に、好きでもない男に抱かれ資金を調達するユーリがどんどんと悪い方向に向かって行くのでハラハラして見てました。
枕営業にスキャンダル、世間の中傷、マスコミからの責め苦など。芸能人のユーリにはつらい描写が多い…。スキャンダル写真を撮られてしまったときの「なんでもするからデータ消して」と泣いてるシーンや、アダムにしかられて「怒った?」とびくびくしながら泣くシーンなど、ユーリが病的で痛々しい。
けど、内心ボロボロなのにマスコミの前に立って気丈にふるまうユーリがすごく好きです。プロだなあと思います。
ユーリが母親の「赤い靴」に執着しているのはわかったけれど、アダムにあそこまで惚れこんでいるのは何故?その靴のデザイナーだからでしょうか。もうちょっと好きになる過程が欲しかったです。
いろいろな事件があったりして波乱万丈でした。アダムも殺されかけたりしましたが最後はハッピーエンドでほっとしました。真実の愛に気づき、あれだけ執着していた「靴」という概念をふたりとも捨てることができたのです。まるでおとぎ話みたいですね。
靴と会社に執着しいろいろ醜い世界を見てきたユーリですが、子供のころの建築家になりたいっていう夢がかなって良かったなぁ…。
番外編はユーリの叔父で、ユーリが退任したあと社長になったミハイルの話。
親父受けはあまり好きではなかったのですが、カルロス×ミハイルのカプはすごく色っぽくて大好きです。ラストがかっこいい…。ミハイルはこのままずっと誰のモノにもならないんだろうなと思うし、カルロスはそのミハイルのことがこれからもずっと好きでいつづけるだろうなと思える最後でした。
大人同士の駆け引きって感じで甘すぎず、苦いけれど耽美なところが最高でした。
やっと読みました。緒川先生の他の作品は読んだことがなかったですし、結構ディープそうだなぁ、表紙がBLっぽくないなぁとかいろいろ考えていて気になりながらも読む機会がなかったんですが、読んだら世界観に引き込まれました。意外と嫌いじゃなかったというか、むしろこの倒錯してる感じ好きかもと…ww
むかーし読んでいまだに好きな「風と木の詩」を彷彿としてしまったというか、耽美系の少年愛といえばフランス!という時代を思いだす作品というか、全体的に(設定もエロも)浮世離れているので、汚いことすら美しくみえました。
個人的にはやはりユーリとアダムの後日譚が好きなんで、続きが読みたいです。
歪んでんな〜って、痛々しいところが割と心地良くてどうなるんだろ?って思ってたら、まさかのハッピーエンド…。
皆が幸せになれたんだから良しとするべきなんだろうけど、雑な結末感が否めない。
歪んだままで皆ボロボロになって欲しかったかなぁ。
カルロスとミハイルは良かった!
ミハイルの、飄々としてるのに自分の中にある絶対だけは手放さない。
その強さが好きだー!って思いました。
ミハイルがメインのスピンオフが読みたい‼︎
美しい表紙に魅かれてはいたものの、コピーの文言に地雷警戒センサーが作動して倦厭していました。
でもやはり表紙のユーリの魅力に抗えず、緒川さんの作品なら地雷でもいいと意を決して読んでみました。
「赤い靴」がモチーフになった作品。
靴業界。ハイヒールブランドの女王が死んで、葬儀に現れたのは赤いハイヒールを履いた女王の息子。
性別を超越した美しさを持った彼が進んでいく道は…。
女王の息子・ユーリとデザイナーでベトナム移民のアダムの物語でした。
1話はユーリ目線、2話はアダム目線、3話と最終話は第3者目線で語られます。
ブランドの広告塔として、資金集めのための道具として存在するユーリ。
自分の名前で発表されない靴をデザインし続けるアダム。
どちらも自分の意志や思いを表に出せないまま、目的のためだけに生きています。
ユーリはアダムの靴を有名にするために。
アダムはユーリの会社を大きくするために。
でもその目的の裏に隠れた本当の思いが隠しきれなくなったときに、ふたりの関係の均衡もふたりが守りたかったブランドも崩れていくのです。
深い話でした。
どんなに求めても、どんなに尽くしても、本当に手に入れたいものは手に入らない。
それなのに手を伸ばせば触れられる距離にいる。バランスを崩せば支えてくれる。そのひとの視線は自分に注がれているのに、彼が見ているのは自分なのか、彼が作った靴を履く足だけなのか。というユーリの葛藤。
「靴を作りたい」という思いから女王に飼い殺される日々を耐え、真のミューズを手に入れたアダムもまた、「美しく魅せるハイヒール」を「ひとりで歩けない靴」にしていってしまう。
新作を履くユーリの横にはいつも自分がいる。ユーリがひとりで歩けなければ支えるのは自分。もっとこっちに倒れてこい、もっと寄りかかって、ひとりでは生きていけないように。
アダムの思いもまた歪んでいくのが怖ろしいくらいでした。
ラストは本当におとぎ話のような終わり方でした。良かったと思う反面、ここまで盛り上げてきたにしてはあっさりした終わり方だなとも感じてしまいました。
女王の弟のミハイルの番外編は、本編の中に出てきたある人物との因縁が描かれていました。
素直に気持ちを伝えられないだけで人間はこんなにも歪んでしまうし、関係も歪になってしまうのだなあ。人生をゲームと思わなければ生きていけない業の深さにしみじみ感じ入った作品でした。
アダムとユーリの関係性がどうにも不完全燃焼のように感じてしまいました。ユーリの枕営業を許容し、自分の靴を美しい脚で履いてもらいたいというアダムの欲求が、ユーリ自身への好意に変化していった流れが掴みにくかった気がします。最後までユーリからの執着の方が強かったような。アダムの想いが複雑で、一筋縄ではいかない感情をユーリに抱いていたのは分かりますが、それならそれでアダムが自分の気持ちにけりをつけてからの話の比重がもう少し大きかったらなぁと思ってしまいました。ユーリの性格も、強かで高飛車なところに一貫性を持たせてたまに一途さ、健気さが垣間見れるくらいなら良かったのですが、結構弱々しいというか女々しいところも目立つ受けだったので、ハマりきることができませんでした。世界観はとても好みだったので、ちょっと残念です。
メインカプではありませんが、お互い歳のいってる男同士のカルロス×ミハイルの方は、もっと読みたいと思わせるような大人の雰囲気があって良かったです。ミハイルの方がユーリより余程強かで、簡単に突き崩せない手強さを感じさせる男で、興味をそそられました。
表紙イラストの美しさに負けて電子書籍で購入。
今まで一度だけ、赤いピンヒールを買ったことがあります。二十歳頃だったと思うのですけれど、購入理由は「大人の女に見られたかった」から。
ユーリの背伸びをする感じや「枕営業なんて平気」と強がる感じは、私の赤い靴イメージと合致しておりました。
欲を言えば、ブランドと、そのブランドを作り出すデザイナーを守るために自分が汚れる決意をする部分を、もうちょっと詳しく描いて欲しかったです。
また、ユーリは時々『アダム>アダムの作る靴』と思っているんじゃないかと感じちゃったんですね。個人的な趣味としては『アダム=アダムの作る靴』、下手をすれば『アダム<アダムの作る靴』というお話の方が趣味なものですから、萌え評価で。
『赤いくつ』といえば薄気味悪さと後味の悪さがなんとも言えず、それだからこそ印象的な童話ですが、緒川先生にかかるとどんな風に読ませてくれるのかな?とドキドキしながら手にしました。
出だしの葬儀のシーンから、最後の修道院に関わるあたりまで原作にわりと即しているにも関わらず、「う~ん、さすが…」という程の病みぶりに笑ってしまいました。
登場人物各々、赤い靴に踊らされているのですが、中でも群を抜いて病んでいるのが靴職人件デザイナーのアダムで、母親、息子と二代に渡って踊らせてきた強者。
恋人かどうかは別としても嫌がる相手に脅しともいえるやり方で、酷いSMプレイをするような人間に奉仕させ、それを傍らで見てるとか、普通の感覚ではありえないなぁ~「この人の闇、どんだけ深いんだろう…」とため息つきました。病んでる人大好きな私でもさすがにちょっとムリかなぁ…。
そんな病んだ男に惚れてしまったユーリの一途な健気さと美しさはこの作品の救いながらもやっぱり病んでいて、アダムに一服盛るシーンではなかなかの迫力。でもその迫力以上に、アダムの箍が外れた姿は恐ろしかった…。緒川先生の病んでる攻めの絡みはゾッとする程で本当にゾクゾクして大好きです…。
そんな激しい絡みのあとだからこそ、アダムがユーリに対して独占欲剥き出しのキスからの絡みはハードながらもきゅんときました。
赤い靴をはいて踊り続けた少女が足を切り落としたように、人生を狂わされた二人が大切な一部を失ない華やかな舞台からは転げ落ちながらも、穏やかな人生を歩んでいる姿にはとても優しい気持ちにさせられました。
そしてもう一人、赤い靴に踊らされているミハイルおじさま…まぁ~素敵‼
赤い靴もオジサマにはコロコロと手のひらで転がされ手懐けられちゃうんじゃなかろうかとばかりの大人の余裕と魅力。う~ん、たまらない!オジサマお二人の話だけで十分、神評価‼でした。
このお二人で続編出ないかなぁ〰。
緒川さんは好きな作家さんの一人なのですが、振り幅激しい!
この作品も、読む人を選ぶなと。
人によっては地雷の山。
私もあまり気持ちよく読めなかったのに、萌が付いたのは、そこに愛があるから。
物語の中で、ずっとキリキリと張りつめられていた糸が、
弾けるように切れて至ったラストのような気がします。
突き詰めて読み込めば、そこに収まって良かったのか?とは思うのですが、これもありかなと。
この先の二人の幸せを祈るのみ。
何よりも、最後にミハイルオジサマが全部持ってった!
ヤラレタ!
ミハイルがラストに放つあのセリフをユーリが言ってくれていたら迷わず「神」を付けたのに…!
なんて惜しいの…!
嗚呼もったいない…それしか言葉が出てこない…
でも久々に好きな感じのonBLUEっぽい作品が読めた気がする!
ねこ田米蔵さんの「魅惑仕掛け 甘い罠」に続いて、今年2冊目のピンヒール男子\(^o^)/
愛好家としてはもっと流行って!って感じ。
ユーリのヒール姿も大変魅力的ですが、隠し玉はやはりミハイル叔父さまでしょう!
ヒールを履く男性を、中性的ではなく、両性的に描かれているところがいい。
中年紳士がピンヒールを履いて、中年紳士を誘う。
緒川さんがまたこれ欲しい画を描いてくださるもんだから鼻血出そうになりました。
ピンヒールにエロティシズムを感じるなら読んで損ない作品かと。
だからこそ、主役たちのこの結末は惜しい。
惜しすぎる。
ユーリに番外編のミハイルのセリフは到底言えなかっただろう、というのは分かる。
だから緒川さんはユーリからヒールを脱がせてスニーカーを履かせてあげたのでしょう。
ただ、そんなユーリ達の結末が、私にはなんだか戦い続けられなかった者への皮肉のように思えてしまうのです。
2人にとって人生そのものだったはずの靴が、普段は仕舞われていて、たまに引っ張り出してくるだけのものになっている。
それはなんだか諦めた大人達のその後を見ているよう。
どんな生き方を選ぶも自由で、「…幸せならまあいいか」と独り言ちるミハイルの言葉は正しい。
けれど私は、ミハイルのように死ぬまで踊り続けることを選ぶ人達の方をやっぱりカッコいいと思ってしまうのです。
赤のテアトル(劇場)と冠されているからには、主役達にずっと舞台の上にいてほしかったです。
【電子】シーモア版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし
大好きな緒川先生の新作ということ、靴が好きなのでどんな靴の世界が描かれているか楽しみにしていました。
………が、しかし。
幾ら何でもこんなに「男」に身体を売らないといけない世界なのか?
枕営業がある事も理解したうえで読みはじめたつもりでした。しかし、あくまでブランドの駆け出し時期に行われている程度かと思っていた。
でもセレブが履きたがるラグジュアリーブランドにまで成長したのに、枕営業は頻繁に行われている。
ゲスい男達との枕営業で成り立っているかのように描かれているので、女性が履くための靴を汚い男どもの精液まみれにされたような気分になる。
1回目読んだ時に、何にモヤモヤしたのか判らなかったのですが、2回目で判明しました。
メインカプにモヤモヤしたのではなく、靴を侮辱されたように感じるからモヤモヤするのだと。
ユーリが言うんです。ゲス顔の狸じじい(アメリカの不動産王)に向かって。
「奥様にちゃんと言って下さる?アバルキンの素晴らしさについて」
これが決定的に嫌でした。
靴好きなら、魔法のように魅力的で美しい靴があれば血がたぎってどうやっても手に入れたくなってしまうんですよ、男がなんと言おうと。(自分の懐と相談のうえだけど。)
狸じじいの口添えがないと女に履いてもらない靴なんて所詮その程度なんです。そんな靴、やめちまえ!と思いました。(すみません、雑誌から好きな靴を切り抜いてスクラップブック作っていたような靴好きなので靴に対する思い入れが強いのです)
さてメインカプ。
ユーリは「君が僕の靴を履いてくれる限り僕が支える」というアダムの言葉を聞いて以来、どんなことがあっても靴を脱がずに自己犠牲の塊であり続けた。
これこそがアダムがユーリにかけた呪いというやつで、アダムが刺されたときに「君は自由になれ 愛して いる」と言ったのはこの呪いからの解放で「靴を履いていなくても愛しているよ。」という意味であり、最後の穏やかな田舎暮らしに繋がる訳です。
だから田舎でユーリはもうピンヒールではなくスニーカーを履いている。
そしてアダムはユーリのことを「アバルキンのミューズとして愛している」と言って非情な枕営業を強いていた。
「靴を作ることこそ僕の天命なのだと思っていた そうまでして僕を駆り立てるものの正体は‥‥」ユーリだったという訳ですけど、早く気づけ、馬鹿ヤロウ!と言いたい。どんだけユーリが辛い目にあったと思うんだ。
だからユーリを手に入れちゃった今は、デザインしたいという気も起きない。
なんだかそれが燃え尽きた二人にしか見えず、二人で幸せになれて良かったねぇと素直に祝福できない。
君たちにとって靴って何だったんだい?愛を拗らして燃え上がらさせるための道具に過ぎなかったのかい?(未だにクローゼットに赤いピンヒールを隠しておいて、セックスの時だけそれを履くということからも、ただの道具に過ぎなくなってることが判る。なんだか虚しい。)
あぁそれにしてもミハイル叔父さんがいいっ!そうそう、こういうしたたかさが欲しいよね。ピンヒールは強い人間がきりっと履くからこそ美しいのだ、と言いたいです。
オンブルーは買っていないので、何かでコミックス発売予告を見て「これは!!!絶対買うよ!」と大期待で購入。
期待した物とは少し違いましたが、流石絵は完璧ですね!
絵は安定してるので不安要素なく買えるんですが、駱駝使いでえらい痛い目みたので緒川さんにはちょっと構えてしまうのも正直なところ。
今回は、いい部分と苦手な部分が半々という感じでした。
そもそもハイヒール男子に萌え属性がないので、作中にある「体を壊してまで、無理して履く必要ない!」という批判に「もっともだ!」としか思えなくて。
彼専用で作るなら、そういうの考えないんでしょうか。+商品もそうなら靴好きとしてそういうのどうなんだろう。SM用の歩かない前提の可笑しいピンヒールじゃないんだし。
赤い靴は効果的に使われていて、作画や舞台背景などその他は素晴らしかったです。
攻めに関しても思うところしかないですが、ラストがあれならいいか。
お幸せに。
緒川さんがとても好きなだけに、期待が大きすぎたのかもしれません。
絵も設定も華やかで好きなのですが肝心の攻めキャラが個人的にいただけなかったです。
あんなに健気にアダムを愛しているユーリによくもそこまで非情でいられるなぁと。もうちょっと、ちょいちょいほだされてほしかったですね。好きでもない接待相手と寝たあとも体を拭いたり、睡眠薬をくれたりはするけど、決して抱いてあげないアダムが憎たらしい!
薬を盛ってようやく抱いてくれたアダムに「どうして神様は今ここで僕を死なせてくれないんだろう」と考えるユーリが可哀想で、切なかったです。
番外編のミハイルおじさんの話は、どうしても“おじさん”と言う年齢がちらついて萌えられませんでした。これは、個人差があるでしょうね。
緒川先生の描く男性はかっこ良くて好きなのですが、その中でもユーリは美しさもあって素敵です。
ハイヒールを履いて自社製品をPRするユーリ。
美しいので広告塔の役割を担っているけども、裏では枕営業もしていて、それもこれも愛するアダムの為でとっても健気で色っぽい。
アダムはユーリをただ利用しているだけのように思っていたけどちゃんと愛していたことがわかって良かった。途中裏切るのかとおもったけど、ユーリのところに来てくれて身を挺してユーリを守ったアダムにユーリへの愛を感じることができました。
2人田舎で幸せそうに暮らしている二人が見れて本当に良かった。さらにさらに数年後も二人で養女を迎え3人で暮らしているところまで読めて、相変わらずラブラブな2人が前半アダムの為に頑張っていたユーリへのご褒美みたいで。ここまで描いてくれて感謝です。
枕営業ねぇ、、、
二次創作だと結構好きな設定なんだけど、このお話に関しては、もう一つ、納得がいかないというか、
まず、創作物に自信があるなら、ちゃんと「物」で勝負しようよとか、
変態おやじに好き放題されているのを見るのが好きとか、見られるのが好きっていう性癖なら、それならそれで、そこに創作物を言い訳にしないでほしいとか、
なんか、こういう、中途半端な自己犠牲に酔う、みたいなのあんまり好みじゃない。
更に、最終的に田舎でほのぼのって、、、、、、。
たぶん、ここで終わっていたら中立か萌一つ。
評価がプラスされたのは、番外編のミハイルに尽きる。
この老獪さが堪らない。
このマンガ家さんの作品を読むのは、これが初めてだと思います。
表紙がきれいだったので手に取りました。
ただ、モノクロのマンガだと、表紙のカラーイラストとはちょっと印象が違いました。読んでいるうちに慣れてきましたが、描きなれている達者な作風だけに、描き癖のような歪みがあって、ちょっと気になりました。でも、好みの問題なのかもしれません。
おもしろかったような気もするんですが、いろいろ肝心なところがはしょられているような、読者のほうで脳内補完するしかないような流れもあって、微妙に残念。
そもそも、あれだけ精神的に追いつめられていた受けも、歪んだ愛情に囚われていた攻めも、なんのトラウマもなく、ごく普通の平凡な生活を送れるものなんでしょうか?
そのあたりが気になって、中盤ハラハラさせてくれただけに、オチがすんなり納得できないあたりが、もったいなかったです。BL的ご都合主義の悪い例でした。
巻末の後日談は、オヤジ受けの趣味がないので、イマイチ。叔父さんのビジュアルに萌えませんでした。
でも、とてもお上手なマンガ家さんだったので、設定や好みのツボにあえば、また読みたいと思いました。
そんな気がしてならない作品でした。一番センセーショナルな部分は、漏れなく描かれているんですけど。
端的に言えば、結末に納得が行かない。より正確に言えば、物語中のカタストロフから結末に至る過程が大幅に端折られているような気がするため、あの展開からどうして牧歌的なハッピーエンドに至れるのか、全くもって納得が行かないのです。
BLが、男同士の2人の愛の物語だというなら、描かれなければいけないのは、カタストロフの後、それを2人が2人の問題として受け止め、前を向くまでの過程ではないのか?しかしこの物語では、それが一切描かれていない。
攻めのために全てを失った受け、ユーリ。そのユーリの自暴自棄な行動のため、今度は攻めのアダムが、ユーリを犠牲にし続けても守り通して来た靴作りそのものを手放す結果になる。いやいやいや、普通ここからモノローグ挟んで後日談でハッピーエンドって、ないでしょ。
100歩譲って、ユーリをかばうアダムの行動が愛だとしよう。しかし、自分を犠牲にしてでもアダムの才能を世に出し、アダムの靴に縛られ続けることを選んで来たユーリにとって、その結果は受け入れ難いものなのではないのか?それとも、ユーリは靴作りを口実に、アダムを自分に縛り付けたかっただけ?
一方のアダムにとっても、ユーリをかばうことで利き手が使えなくなることは、必ずしも想定されていなかったはず。それが、あれだけ固執し続けてきた靴作りをいきなり失うことになって、そこに葛藤はなかったのだろうか?ないなら、その程度のものなら、じゃあ、前半はなんだったんだ……?その程度のもの、では到底ないとしても、ユーリのためなら、彼を自由にするためならそれを捨てることすらできる。それがアダムの愛の証なのだと言いたかったのかもしれないけれど、残念ながらそういう風には、私には受け取れなかったです。そもそも、利き手が動かなくなっても、職人はともかく、デザインのほうは続けられるのでは?と思ってしまい、そうなるとますます、アダムの中の靴作りとユーリの関係が混線して感じられ。
ユーリにとって、アダムにとって、愛とは何なのか?自己犠牲とは何なのか?彼らにとって、靴とは?アバルキンとは?考えれば考えるほどどこかが歪んでつながらなくなり、理解し難くなってくる感じでした。
ここまで言っておいて「しゅみじゃない」でも「中立」でもないのは、世界観自体はよく作りこまれているな、と思ったのに加え、カバー絵がいい。ぜひ、帯を外して広げて見て欲しいです。そして何より、ミハイル叔父さん編がめっちゃ萌えたからです。アラフィフ(推定)のピンヒールと腹筋、ものすごい破壊力でした(ミハイルのキャラからすれば、もう少し枯れた身体が良かったけど)。こちらは30年物の、たいへん良い執着でした。巻末おまけからは、その後、ミハイルさんのプチストーカー化していそうなカルロスさんの様子が伺え、とても楽しかったです。
世界観の描き方、美しい絵柄はさすが緒川先生の一言です。
あそこまで美しい執着狂愛を描ききれる才能は本当に素晴らしいと思います。
ただ、もう少し甘さや攻めの直接的な愛情を感じられる場面が欲しかったです。
こう言ってしまっては本人達には不本意だと思うのですが、受けが不憫で耐えられなかったです。
攻めが鬼畜というか利己的すぎる。。
いくらその本心に愛があったとしても、心身崩壊しそうになるほど仕事のために周りの男に体売らせられるとかアウトですね。
デザインの才能はあっても男性としての魅力をあまり感じられませんでした。
しかも飛ぶ鳥を落とす勢いだったのが転落まで呆気なすぎる。
華やかな世界の裏側が枕営業だらけというのも少し残念で、もう少し仕事の醍醐味も感じたかったなー。
本当に大切なものに気付くのが遅くなって、すごく回り道をした男の話、でしょうか。
あとこれは個人的なのですが、私も毎日ピンヒール履いていますが、あそこまで足を血豆だらけにして履かないといけない靴ってどうなのと、少し現実的になってしまったのもハマりきれなかった要因かもしれません。。
作家買いです。緒川さんの新刊はちょい痛い系のお話。ネタバレ含んでいます。ご注意を。
童話『赤いくつ』を下地に、それぞれの欲望を満たすため奮闘する男たちのお話。
女性靴ブランド「アバルキン」の若き経営者・ユーリ。デザイナー兼広告塔を務める美しい青年。
そして、ユーリに忠実に尽くすマネージャーのアダム。マネージャーとは仮の姿で、彼の実態は「アバルキン」のゴーストデザイナー。
貧しい過程で生まれ育ったアダムは、清掃夫として働き始めた劇場で見かけた踊り子の靴に魅せられ、そこからユーリの母親であり「アバルキン」の経営者だったユリアにデザインを認められ雇用されたという経歴を持つ。
「靴」のために全精力を注ぎ、そして、靴を「魅せる」ためのミューズとして、はじめはユリアを、そしてユリア亡きあとはユーリを利用している。
「靴」のためにユーリに枕営業させてもへっちゃら。
そんなシーンから始まっていて、ユーリが気の毒で…。
けれどユーリはというと。
アダムのつくった靴を世間に認めさせることだけが彼の希望。
そのためならキモいオッサンに抱かれるのも気にしない。
高いヒールをはき続け、自分の足がボロボロになっても厭わない。
という健気さん。見方を変えれば豪胆な人、ともいえる。
そしてもう一人。
ユーリの叔父・ミハエル。
この人は「アバルキン」存続のためならユーリに枕営業させることも、必要ならそんなユーリをあっさり切り捨てることもできる。
登場人物たち全員が、それぞれ大切なものを抱え、そしてそれを守るためなら何を切り捨てても構わないと思っている人たちばかり。
なので、読み始めたときはなんとも痛く、もの哀しいストーリーだなと思いつつ読み進めたのですが。
話が進んでいくうちに彼らが「大切にしているもの」への愛情が透けて見えてくるようになると、なんとも切ない純愛のお話なんだと分かってくるんです。
ユーリとアダムの出会い。
そしてお互いへの愛情。
そういうものをあけすけではなく少しずつ見せながら、アダムが本当にとらわれていたのは「靴」ではなく…。
というストーリー展開が素晴らしかった。
本当は好きでもないオッサンたちに抱かれるのが嫌なユーリ。
アダムの靴を売り込みたいという気持ちだけで踏ん張っている彼が、少しずつ心を病んでいく描写がなんともお上手。
ちょっとしたことで泣いてみたり、怒ってみたり。
そんなユーリを解放してやりたいと思いつつ手放せなかったアダム。
緒川さんの、繊細で少し病んだ感じの絵柄が良い感じに絡み合って、綺麗、でもちょっと病んでる。という雰囲気がなんとも淫靡で、哀しく、そして美しかった。
終盤に叔父・ミハエルと、ミハエルに執着し、それゆえに「アバルキン」を追い詰めていくガルシアのお話が。
ガチムチです!
緒川さんのガチムチはちょっとレアかな?
ミハエルのしたたかさ(「アバルキン」を守りたいが故の気持ちゆえですが)と、ガルシアのミハエルへの純愛がねえ、これまたとっても良かった。
ユーリを守ったときに負ったけがのせいで靴は作れなくなってしまったけれど、彼だけの「ミューズ」を守り、得ることのできたアダムが幸せそうでよかった。
欲を言えば、この二人のバカップルぶりがもう少し読みたかったな、と思うのだけれど、シリアスと、ダークさと、純愛が良い感じでミックスされている神作品でした。
緒川千世さんの作品のちょっと痛い部分を一冊に詰め込んだような作品ですが、読み終えるとすっごく愛を感じる作品なのが不思議です。攻めと受けの歪んだ関係が最後には純粋な愛に落ち着くんだから、本当に緒川千世さんの作品は凄いなぁと思いました。出来れば後のラブラブラブな2人の姿をもっと読んでみたいので続きを出版してもらいたいです。あと個人的に番外のおじ様たちのお話にめっちゃ食いついてしまいました。あーおじ様大好きなには堪らなくポイントをついてくる作品!
Pixivコミックで1話試し読み出来ました!
華やかなスポットライトと、闇をはらむ裏側。
攻めと受けの歪な関係にハラハラする序盤となってます。
今回は黒い方の緒川さんかな?とドキドキしたのですが
気持ちが暖かくなれるラストで安心しました(﹡´◡`﹡ )
また、番外編は気品のあるおじさま×おじさま!!!
もちろん(?)足元はピンヒールで、とても素敵で眼福です。
緒川さんの描く男の色気が詰まった1冊でした。
受けは、経営者兼靴のデザイナー。
アンドロジナスな容姿に、オートクチュールのスーツを身につけ、自社のパンプスを履いて歩く。
スーツにパンプスが一見アンバランスかと思いきや違和感がなく、むしろ色っぽいです。
自ら広告塔となり宣伝し、夜は靴を売るのに有益な人物の相手をする娼婦となり…。
デザイナーというのは表向きの肩書きであり、実際は側近である攻めが靴のデザイナー。
受けがどんな苦痛な思いをしようと娼婦になるのは、全て攻めの作る靴のため。
表の顔と裏の顔を使いこなす根底には純愛があり、遣る瀬無い切なさが込み上げてくる…。
攻めは靴の魅力に取り憑かれた印象。
受けは自分の作品のミューズであり、受けを見てるとインスピレーションが湧く。
本人が望まない枕営業の最中も、ずっと側で受けを見てて、苦しがる受けを見て微笑む。
受けの好意を知った上で
自分が思うような靴を作り続けるために受けを操り人形だと揶揄するような人です。
最初こそそんな思考を持っていたけれど、次第に露呈していく自覚のない本心にグッときました。
「靴を作るためのミューズ」ではなく「ミューズのために作る靴」だったんだ、と。
次第に歪な関係が剥がれ、最後に残ったのは互いを思い合う純愛(∩;///;∩)
着飾った偽りは消えても本物は残るというのにキュンときます。
後日談はただただ心があったかく感じました!ああ、良かった…。
番外編はおじさま×おじさま+゚。*(*´∀`*)*。゚+ 受けたちの会社に横槍を入れて潰しにかかったガルシア×受けのオジであり副社長だったミハイルです♪
2人の因縁は30年前から続くもので、長年恨み続けたガルシアの執着も中々萌えるものがありますが、淡々と対応しながらもガルシアから貰った万年筆を今でも持ってるミハイルにもニヤニヤが止まらない!!!
気品のあるおじさま方の色気や拗らせ具合にメッチャ萌えました(∩´///`∩)
最後まで踊り続ける宣言したミハイルがカッコよかった!
ガルシアの手助けなく生き残りそうだなぁ。
で、ガルシアの未練がますます強くなってると美味♡
初めて書くのでレビューの書き方を知りません。
ごめんなさい
最高によくできている作品だと思います
赤い靴をしっかりオマージュしていて
丁寧に話が組まれて描かれている
耽美的で狂気に縁取られた美しい
プロの作品だと感銘しました
結局、アダム ユーリ カルロスもミハイルも
誰もが自分にとって大切な1人の人を
愛し続けている。そんな素敵な作品です。
読み始めは、痛々しくもあり
私は引きましたが
読みきってみると泣けました。
カルロスとミハイルの話もぜひ見たいです