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yokogao to kousai
こちらの作品を読んでから5日が経過したのですが、未だに余韻が抜けず、脳が支配されてます。常に考えてしまって、何も手につかなくなってしまいました。
イエスノーシリーズは一通り読ませていただいたのですが、3カプの中で1番好きなカプがこちらの竜起×深でした。
もちろんイエスかノーか半分か、ふさいで もとても良く、評価のみではありますが、神評価を押させていただいてます。
しかし、評価だけでは足りない、この良さを伝えたい!と思い、こちらの“横顔と虹彩”にレビューを綴らせて貰っています。
この作品の良いところは『相手の1番は自分じゃない』という状態から恋愛に入るところです。
お互いに恋に落ちていくにあたり、竜起は栄の存在、深は竜起が2年前に好きだった人(国江田)の存在がチラつき、良い味を出しています。
好きになるまでの描写もとてもしっくりくるもので、流石の文章能力、表現力だなと唸りました。
スピン元で当て馬だった時の竜起は、真っ直ぐシンプルにアプローチをしていたのに対して、
今作ではじわじわと、ゆっくり相手の様子を伺いながらアプローチしているのに感動しました。
奥手になってしまうのを見て、それだけ本気なんだと感じ取れたからです。
告白方法、見事です。ド肝抜かれました。
良い作品に出会った時、基本的に「読んでよかった!」という気持ちになるのですが、こちらは良すぎて、脳を支配しすぎて、刺さりすぎて、常に考えすぎてしまうため、良かったを通り越して「助けてくれ」という感想が真っ先に出てきてしまいます。
表紙の素晴らしいイラストを見るだけで、幸せすぎて苦しくなってしまいます。
こちらの作品について考えながら食事をしていたら号泣してしまいました。
過剰な幸福を与えられ、狂ってしまった読者が私なのです。
この2人好きだな〜。竜起はお調子者ぽいキャラクターだけど自分の中で譲れない部分はあるからこそあの時悔しかっただろうなー。計はさすがだなぁ。憧れの人を追いかけて自分の色を出せない深に指摘する設楽さんとかこのシリーズの食えない感じのデキる上司大好きスケッチブックのとこ好きでした。深が「お前が怒ってるん、いやや」て言うところ可愛すぎて栄みたいな人は天才肌タイプだから色々なもの背負い込んでキツイが、本当にパワハラ上司なので自分の上には絶対嫌
番外編ということで、本編の国江田計の後輩、皆川竜起のお話でした。
テレビ業界のことは疎いので分からないのですが、テレビ局に勤めている人ではなく外注という形でテレビ制作って行われるようで、竜起の御相手はそんなテレビ制作に携わる外注のスタッフ、名和田深くん。
深はある過去から人の目を見て話すことを避けるようになってしまっていた。そして、学生時代からの憧れのテレビ制作に携わっているが、将来どんな仕事をしたいというビジョンは持っていなかった。
そこを出会って間もない竜起に指摘され、反発しながらも深は自分の仕事と向き合っていく。
竜起は本編の時から太陽のような明るいオーラを放つ人でしたが、主役になっても健在で、むしろパワーアップしてるようでした。深は竜起に出会って自分の仕事に向き合い直し、目標を持つようになれたけど、竜起も深と出会って変わるんですよね。お互いに影響を与えあってお互い成長していくところがとても良かったです。
竜起は本編で計に振られているから(という訳でもないのかもしれないけど)かなり積極的に深にグイグイ迫るけど、引くところは引いて、その塩梅もとても良くて天性のコミュ力を感じました。
毎度思うことなんですけども…
作者さんの、業界見聞というか取材力の賜物というか、緻密な情報量に驚かされるばかりで…ちょっと言葉になりません。
アナウンサー・AD、プロデューサー、芸人…今回ざっとこれだけの肩書きを持つ登場人物がいたのにも関わらず、一つ一つの仕事の内容や組織的なありよう、話す原稿の内容から、お笑いのネタまでも、全部に見入って聞き入ってしまいました。一穂先生の頭の中はどうなっているのでしょう、すごいのひと言です。
皆川は登場し始めたときから、好きなキャラクターだったので、このターンは嬉しかったです。想い人である名和田はADで、皆川と性格は違うけど、キャラも仕事も違うからこそお互いの仕事に対するスタンスに影響を受け合って、それがやがて恋愛的な意識へと向かう過程が、ゆっくりとこじつけも無理矢理もなく、読んでいてとても自然だと感じました。
テレビ局の仕事も専門職の1つ。彼らの仕事描写は BL小説だということを忘れて、「情熱大陸」さながらのドキュメンタリー番組の気持ちで見てしまいました。 BLの要素はほんのりと…エッセンス的な濃度なんですよね、最初は。それが仕事を通して、関わっていく人たちを通して、トラブルや問題を通し、今までやってきた努力や研鑽が実を結ぶ結末を通して、グングン右肩上がりに調味料のレベルまで BL濃度が濃くなっていきます。
もーーーほんとに圧巻ですよね、ストーリー構成が。
独特のセリフ回しもそう。
おしゃべり陽キャの皆川と、関西弁の名和田だったから会話の掛け合いが非常にリズミカル。テンポの良い、クスッと笑えるネタを入れるところもさすがでした。
陽キャの塊の皆川の陰の部分も見えたことで、彼という人物像に深みが出ていました。私は皆川がお気に入りなので、彼の凹んだところも、それを挽回すべく努力しているところ、涙し感動してしまいました。
名和田とのガッツリ「恋愛」は、本当に最後の方になるんですけど、わたし個人的にはそれくらいの量で良かったと思います。ページ的にあまりなくとも、2人は幸せに満ちていました♪
次は番外編2を読むのが楽しみです^ ^
「イエスかノーか半分か」の番外編、本編で気になっていたアナウンサー後輩竜起くんと新キャラAD深くんの新しい恋の話。
明るくて天真爛漫な竜起くんと、関西出身の深くんのツッコミ。会話のテンポが良くて読んでいて楽しかったです。
本編のメインカップルの2人も魅力的でしたが、この番外編の2人もすごく魅力的ですね。
本編に続きテレビ番組の進行やアナウンサーの仕事についての描写がリアルで、読みやすい文章なのですが、キャラクターが魅力的で共感しやすくて、ストーリーもすごく面白い作品でした。
小説もコミックも“幼い・カワイイ”が非常に苦手な者です。
大人のお仕事BLとして読みたいのですが、(こちらのカプついては特に)カワイイ挿絵にイメージが引っ張られてしまってどうにも読み進められません。。
きっとお話は面白いだろうから読みたいのに何度目かの途中挫折です。
作者さまの文章は好きで、シリーズの他のカプのものはなんとか大丈夫という感じです。
内容についてではありませんし良いレビューばかりなので心苦しいのですが、こういう読者もいるということでー。
主役カプをかき乱すような当て馬はスピンでは
ぐちゃぐちゃの受けにされるのが鉄板でしょ!(とんだ偏見すみません)
と読み始めたら、竜起カッコ良かった…カッコよい攻めでした…
イエスかノーかでは、空気読めない明るいだけのやつと印象は良くなかったけど、
底抜けに明るい努力家でした!!!すごい!!
これだけ明るくポジティブなのも才能!
ただの能天気ではなく、なっちゃんをきちんと叱ったり誉めたりできるとこも良い!
それぞれの仕事への取り組み方が良く楽しく読めました。
TV局を舞台にしたイエスノーシリーズのスピンオフである虹彩シリーズの第1作。
本作は、本編では当て馬ポジションだった後輩アナウンサー皆川と、新たな登場人物AD深が主役です。
要領良く明るく楽しく順風満帆で生きてきた皆川は、本作で(おそらく)初めて挫折し、その悔しさをバネにアナウンサーとして一歩進みます。
またAD深は、心底惚れ込んで担当し、コマネズミのように一生懸命働いて尽くしてきたバラエティ番組が打ち切りになってしまい、憧れなのか恋なのか分からないほどに心酔して雛のようにくっついていた、その番組のプロデューサー相馬との別離も経験することになります。
それぞれにそういうビターな経験を積む中で、互いが互いにしか見せない素顔に恋して結ばれるまでがこのスピンオフ一作目の粗筋です。
この作品、何はともあれ皆川というキャラが素晴らしい!
元々本編シリーズでも、明るくて頭が回って面白くて要領が良くて、と絶妙な狂言回しとして大活躍していた、絵に描いたような「コミュ充のリア充」なキャラなのですが、こういうキャラって、一歩間違えるといかにも書き割りの嘘くさくて鼻持ちならない感じになりがち。
でも、本作品ではテンポの良い会話や行動の描写に支えられ、属性が空々しくならず、とても生き生きしていて魅力的なのです。
眩しいくらいキラキラしていて陽性なのだけど、だからといって、優等生な王子様でもなく、普通に働いて普通に文句も言って、ラーメン屋さんにいって、面倒くさい取引先に絡まれて…と言った地に足がついた二十代男性でもあって、この辺の書き方の塩梅が絶妙。
話の内容は、仕事の失敗だったり、番組の打ち切りだったりと、結構シビアな展開を含むのですが、彼が主役の一翼を担う事で、読後感がとてもポジティブになっている気がします。
過去の苦い経験から、人と目を合わせられず、いつもビクビクと怯えるように、追い立てられるようにして働き、相馬の子分的存在から踏み出さずにいた深が、彼の前向きさに感化され、一人前の自立したスタッフとしての働き方に目覚める過程も納得です。
こういうキャラをこんなに魅力的に描けるのってすごいなあとときめきながら読んでました。
主な舞台は本編と同じく皆川がスポーツキャスターをしているニュース番組。
本作ではそれにプラスして深が惚れ込んで仕事しているバラエティ番組も重要な舞台となっています。
本編シリーズはカップルの片割れがTV局外部の人だったのに対して、この虹彩シリーズのカップルは、両方がTV番組制作の現場の人ということもあって、綺麗事だけでは成り立たない番組制作のあれやこれやがリアリティを持って描かれており、TV局の内幕もの、TV局で働く若手の成長を追う、お仕事小説としても興味深く読みました。
ちなみに皆川の挫折というか、悔しい経験には、本編の主人公・計が大きく関わってくるのですが、出番が少ない割に、とても鮮やかで格好良い仕事ぶりを決めていて、計ファンとしても読んでて楽しかったです。
この作品、主役のカップルも良いのですが、主役と同じくらい印象的なキャラが登場します。
才能が突出するが故に、そして番組制作において周りの人間に対して一切の妥協を許さないが故に孤立して倒れてしまった、深の憧れの人、相馬です。
彼とニュース番組の統括プロデューサーとして前からちょこちょこ顔を出していた読めない男設楽とは、何やら因縁がありそうで、この二人の行方が気になる…と思っていたところ、これまたスピンオフで「ふさいで」「つないで」が出ていて、これがまた良いのです。
そういう意味で、本作ではこのふさいでシリーズのプロローグ的にも面白いです。
軽くて、何事も卒なくこなす竜起と、お笑い番組ADの深の話。
本編では、チャラく見えた竜起だが、この物語で嫉妬も落胆も緊張も経験し、よりいい男に成長してました。
深目線で、竜起の良い点ばかり言うからなのか、竜起の生き方っていいなぁと思いました。『死ぬわけじゃないし』って、ホントその通りです。
それに感化され、栄の腰巾着だった深が、誰かの為でなくて自分のために動き出せるようになっていく姿。温かく見守れます。ホント可愛い!
深と竜起との仲は、色々とキュンとする場面があり良かった。いきなりくっつくのではなく、居心地のいい相手としか認識してない状態で、時には軽い嫉妬心があり、徐々に自分の気持ちに気づいていく。あま〜いお話でした。
国江田さんの仕事っぷりがカッコ良かったぁ。
『字が汚ねんだよ愚民!もっと読みやすく書きやがれ』
前作でメインだった国江田さんですが今作では完全にギャグ要因です、「スポーツのアナウンス」を完璧にこなして竜起を凹ましメイン二人の進展をアシストする役?もサラッとこなします。
客観的に見て美しいと思える人って何故か大きさに関わらず目に入る光の量が多い、なんでキラキラして反射して見える。
その上仕事出来てコミュ力があるとくれば周囲は放っておきませんが、好きになるのは「鬼太郎」こと名和田。
でも名和田は普通に良い子だし仕事にも真摯で一緒に居る時間も長いので、そういう事もあるかなと読んでるうちに思えてきます。
作品として良く出来てるのは「イエスかノーか半分か」の一作目ですが、今作も面白いです。