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始まりは、偶然と好奇心――部下×上司、カラダから始まるリアルラブ。希代のストーリーテラー・麻生ミツ晃の待望作!
only you, only
両思いの2人なのに、親の意向によりお互いあきらめて、辛くなるくだりが、わかるし切ないけど、正直ちょっと長いかなと思ってしまいました。すみません。
でもでも、くっつく場面がすばらしかった。
しかも、伏線回収の上、視点を変えてタイトル回収されたのが鮮やかでした。
さすが麻生先生。
本作が1cpのお話をまるまる1冊描かれるのが初めてとは思えないです。
あと、キスや絡みの時の絵がやっぱりいいですね。
美しいし、色気があるし。
表情も構図もコマ割りもいい。
なので、短くても満足感があります。
にしても、ゴシップか社内メールで飛び交う会社って嫌ですね。
須藤父もやだわ〜と思ったけど、子どもはいいぞ、と息子に言ったのが親心で、まあそっか、となりましたw
ちょっとしんどい面はありましたが、納得のハピエンでした。
2013.12.01発刊、古さを感じないBL不変のテーマ。
ちょっとだけ、絵が。全体のデッサンのバランスが今と違う。
部下の部下の須藤を密かに思う真木。
路上で行きずりの男に身を任せる姿を、須藤に見られる。
好奇心で須藤から体の関係を持ちかけられ、抱かれるようになる。
須藤は、最初は好奇心から。
でも段々と真木の人柄を知るにつれ、真剣に想うようになる。
でも、親がすすめる見合いを断れない。
須藤の父親は、割り切れと言う。兄にも説得されて見合いをする
婚約まで進んだが、相手の女性から断られて壊れる。
須藤は、子供が欲しいと思っていた。
破談になり、崖から飛び降りる寸前の須藤を、真木が止める。
麻生ミツ晃先生の描写自体が哀調なので、全体が凄く重苦しい。
一応二人は交際を続けることになって、終わる。
この後二人がどうなるのか、凄く気になった。
読了した後、肩が凝っていた。
・・・どうやら、初版特典の小冊子にその後が描かれていたみたい。
6年前の作品ですが、さらに前の作品の印象を受けます。同族経営の会社で、社内メールで噂話が回ってる…出版されたのは平成ですが令和の今読むと昭和すら感じる作りをしています。それは恋愛の描き方についても同じで、メロメロのメロドラマです。
どうしても不愉快なのは彼らが恋愛を優先させて仕事に穴を開けるところですね。人間ですから致し方ないとはいえ、軽率に人に迷惑をかけるんじゃないよと。特に須藤(年下 常務の息子)は仕事が好きなら舐めたことをしているなよと思う。常務の息子だからできる振る舞いで、結局守られている。
ただ、一度別れて明確にそれぞれの道を歩み始めたけれど、再び惹かれ合うっていう展開が好きで好きで。感情の爆発シーンも最高に盛り上がるので、とても楽しめました。電車のシーンで気付きましたが、相手を思って一人で泣くってシチュエーションがツボなようです。
メロメロが読みたい時もある!
今更ながら、やっと読みました^^;
やっぱり麻生先生の作品は切ない……
胸がキュっとなりました。
サラリーマンの上司と部下のお話。
興味から始まった関係が、いつしか本気に……
といっても、真木はずっと須藤のことが好きでした。
じゃあ、両思い♡とならないのは、
須藤が経営者一族であり、
父親が須藤の政略結婚を画策しているから……
お父さんね、分かるよ息子に苦労させたくないんだよね。
でもさ、須藤の人生は須藤のものだよ。
今どき政略結婚なんてナンセンスだよ!
というわけで擦った揉んだあるものの、
最後は収まるところにおさまりました^^
ほっとしちゃったよ。
これからも支え合って生きていく二人だと思うから、
父親には仕事で認められて欲しいですね。
美しい作品でした。もちろん麻生先生の美麗なタッチによる所も大きいんですが、ストーリーの運びがすっきりしていて美しいというか。常務の息子として父親の期待通りの振る舞いを常に求められている攻めの須藤と、彼に好意を持っているにも関わらずそのお目付役を任されてしまった受けの真木。須藤が父親のお眼鏡に叶う女性と結婚できるようサポートしなければならない一方で、須藤に好意を持ち、須藤からも好意を持たれてしまう真木は、須藤の手を取っても良いのか、須藤の父親に従うか悩みます。けれど、やはり一度はその手を離してしまいます。
真木だけが臆病なわけではなく、須藤にも迷いはあって、父親の希望を断固拒否しない自分や、真木にばかり決断させようとする狡い自分を自覚してもいます。攻めは心を決めていても受けが逡巡してしまって先に進めない作品って結構多いと思うんですが、この作品では攻めも人並みに迷うキャラとして描かれているところが人間味があっていいなぁと感じました。
最終的には真木の方から須藤に想いを吐露し、最後の最後、すべて言おうとする真木を遮って須藤が言葉を引き取ります。本音を言わなかった同士の2人が、お互いに自ら言うべき言葉を発したこのシーンが、とても印象に残りました。子供を残すことだけが未来じゃない、同性同士でも未来はある。結局、自分達の気の持ちようなんですよね。須藤が辿り着いたこの答えを、いつまでも忘れずにいて欲しいなと思いました。本編は切ないトーンですが、後日談や特典は甘くて癒されます。
麻生さんのトラウマ持ちのこじらせ美人受けが美しすぎる
不出来な悪魔の自己研鑽型こじらせビッチ系美人も大好きですが、この主任も思わず押し倒したくなりますよね わかりますと攻めの肩を叩いてやりたほどです
人生を分かち合う勇気を持った二人に幸あれ
作者買い。
麻生ミツ晃さんの作品って麻生さんの絵だからこそ出るせつなさがあって、またストーリーがしっかりしてて、「うわっ!」と思う瞬間があったりして、本当見せ方が上手いなーといつも思います。
どの作品も外れがないです。
以下、思いっきりネタバレのレビューです。
まだ作品を読んでいない方はネタバレなしで読んで欲しいです。
今回のも良かった。
中盤の所の2人の電話での会話。
せつなくてせつなくて、最後「そっかー」という言葉を言ってる須藤、それを聞いてる真木の気持ちが痛い程伝わってくる。
その「そっかー」にたくさんのものが込められてるんですよね。
んで、その後の真木と管理人さんとのやり取り…
泣けます。
こういう「泣ける!」っという所を、ちょっとずらしてもってくる感じ、好きです。
また、こういうのって誰でも経験してるんじゃないかなー。
「あー、なんも世界は変わらず、時間も進んでくんだなー」と思い知らされる時の辛さ。
身近に感じる分、ぐっと真木と須藤に対する親しみが増します。
後、須藤の次の相手の指に光る指輪。
なんとか真木は前に進みたくて、前の自分を取り戻したくて行動したのに
「上書きされる!」って爆発した後にあの指輪。
「上書きされる」って気持ち解る。
前に進まなきゃと思うけど、上書きしたくない、前に進みたくないって思っちゃう気持ち。
そこであの指輪。
まして真木は男ですから、女の私にとっては想像を超えるものがあるんだろうと思うと、
もうその後の電車の所はなんとも言えませんでした。
他にもたくさんそういうのがあって、
こういうホップステップジャンプのようなもっていき方がすごく好きで、
最後の最後まで面白かったです。
後違う話になりますが、
おまけペーパーではちょっと微笑ましく、笑わせられるエピソード。
でもそれが絵が急にコミカルになって「可愛い!笑っちゃう!」というのではなくて、
お話でそうさせるんですよね。
そこもいいなーと思いました。
とてもドラマチックで、とても大人の愛の物語。
こんなに人を愛せる事って、こんな奇跡が起こるって凄いな。と、圧巻。
その分凄い客観的に見てしまい、自分が世界に入るってことが出来ませんでした。
二人の世界が強すぎて、他人の介入を良しとしないというか。
自分がその時の状況、気持ちを考える余地を与えないというか。
それくらい完璧にまとまった物語でした。
何も考えず、とにかく恋愛に没頭したい‼という方にはもってこいじゃないでしょうか。
とてもドラマチックで陶酔できると思います。
ゲイで臆病な上司・真木と、ノンケだけど上司に興味を持って関係を迫った部下・須藤。
二人はカラダの関係を続けるが、須藤は創業一族出身で政略結婚が持ち上がり、真木は部下の将来を思って別れを選ぶが…
真木は恋人を作ったことがない。二丁目に行く時は変装し、どの男とも一度しか寝ない、会社でゲイと噂されても否定も肯定もせず周囲の人間が距離を取るのをあえて狙っている、人間関係が築けない臆病で孤独な男。
真木が今までどんなセックスをしてきたか、真木の生き方がリアルに映し出され心臓が掴まれるように痛い。
電車の中で二人の会話を思い出し実際とは違う返事をする、仕事を放りだして須藤を探しに行く、それまでの真木からは考えらない行動!
何かを変えるためには動かなきゃいけないんだ。
あらすじだとありきたりな話のように思えてしまうかもしれません。
でもエピソードや会話の一つ一つに伏線が張られていて、それが最後に向かって丁寧に回収されていく展開が見事なんです!
(ゲイだ、二丁目にいただって噂話が社員一斉メールで流されるのはありえないと思いましたが)
BLはファンタジーだと思っているので、リアル性には全然こだわってないけれど、こんな人、こんな風に臆病に生きている人きっといると思える、ある人間の人生を覗き見ているような一冊でした。
読んで良かった、読めて良かった。
繊細な線で、背景まで手が抜かれてない絵です。
キスシーンが官能的で印象に残りました。
1冊丸ごと表題作の二人の話です。
リーマンものが大好きな自分にとってはツボにハマった作品です。
読み応えがあります。
読後は、映画やドラマを見終わったような印象を受けました。
描き方が好きです。
セリフだけでなく表情で語る場面が多々ありました。セリフの間にある
間合い」も好みでした。唯行(受け)と須藤(攻め)、二人ともの視点で語られるので、感情移入もしやすかったです。
主役二人に好感が持てます。
この作者様の作品というわけではないのですが、受けのことを何でも分かっているような攻めや、どんなことでも寛容に受け入れる相手が出てくる作品がある中、この作品の唯行と須藤のような臆病であったり弱ったりする登場人物にリアリティを感じました。
ストーリー展開が良かったです。
臆病で冷静であった唯行が、感情のままに行動してしまうようになる過程が自然で、唐突感がなく受け入れられました。感情の起伏はあるものの、やけにハイテンションということもなく、会社で数年働いている社会人同士らしい大人の雰囲気が漂う作品でした。
ハッピーエンドで良かったです。
須藤の父親に納得をしてもらい、丸くおさまったエンドで嬉しかったです。
コミックのコミコミスタジオ購入特典の描き下ろしペーパー「道の先」では、須藤が三十路の話が描かれており、『たくさんの「無理」と「大丈夫」を繰り返しながら今日まで来た』という唯行の心情があります。本編と同様に、様々なことに揺れて、迷って、悩んで過ごしたんだろう。その上でなお今も二人でいるということに何だか泣きそうになったものです。
一気に読んだ後で、じっくり読み直して欲しい。
そんな作品です。
ただ、唯行は不特定多数の男と一晩限りの関係を持ちますし、須藤も惟行が初めての相手というわけではありません。世間の目が厳しいなどリアリティな部分もありますが、須藤の家族が意外と物分りが良いとかちょっとご都合的な部分もあります。そういうのが苦手な方や、身体から始まる関係がお好きじゃない方はご注意ください。
電子で一度レンタルした後、再購入してしまった。それくらいじんわりくる作品。
どうしても忘れられないワンシーンがあって、過去にレンタルした作品を探しまくった。
ちなみに、そのシーンは、追い詰められて弱った受け(真木主任)が、電車の中で、独り言をしゃべったり泣き出したりして、ちょい狂ってしまったシーン。いや、人がおかしくなってしまうところまで描けるなんて、凄いよ。
このシーン、皆さん絶賛の「触るな 上書きされる!」の後、攻め(ボンボン須藤)が婚約者と手を取り合って「車持ってたら送れたんですけど…(車は二人のキーポイント)」なんて話をしてるのを見て、絶望した後。
傍から見たら、ただの狂った人でも、当人には当然の帰結があってこうなっているんだっていうのを、すごい納得した。
この二人はこうでなきゃ生きていけないんだろうなあ(真木は狂ってしまうし、須藤は死んでしまいそう)、でも、結ばれている限り、二人はしっかり生きていきそうって、妙にリアルに感情移入してしまった。
一夜限りの関係でさみしさを埋めていた真木が、中学生の時のトラウマ(?)も乗り越え、須藤とじゃなきゃダメになっていく。「only you」ってありふれた言葉だけど、これほど納得させられたのは初めて。あなただけ。一対になった安心っていいなあ。
この二人の続きが気になる・・・
とりあえず、世の中にこんな素晴らしいBL作品があったのかと衝撃を受けました。
そして、リアルな感じもしますね。
いちばん、衝撃を受けたシーンは唯行が須藤と別れた後、行きずりの男とホテルに行ったシーンです。
寂しさを誤魔化すためにホテルに行き、男が唯行の体を触るんですが……触られる度に須藤との行為がフラッシュバック。
嫌になった唯行は「触るな 上書きされる 誰の手かわからなくなる」と行って逃げます。
いやもう、こんな展開は初めてでした。
無意識に須藤のマンションまで行ってしまい……婚約者といるところを目撃。
帰りの電車の中で須藤を思い出して泣き出す唯行。
切ないし、衝撃的だし、読んでいて胸が痛い。
至極良い作品です。
雨が降っても、二人の気持ちが重なり合うと雲間から光が射すんです。
傘に隠れてキスとか素敵です。
余韻に浸ってから読み返してしまいました。ほろ苦くて甘いです。良い作品だと思います。
辛口です。
表紙と題名からして、もっと切ないラブストーリーかと思ったのですが。
いや、実際切ないラブストーリーなのかも知れませんが、私には響かなかったです。
元々、切ない系があまり好きじゃないというのも、もちろんあるのですが。
なんか中途半端にリアルすぎて、逆にあり得ない部分が際立ってしまった感じです。
たとえば。
創業者一族が牛耳っている企業、実際によくあります。攻の父親が言っていることも一理ある。リアルあるあるです。
でも、あれだけの大企業風で、社内にあんな中傷メールが飛び交うとかあり得ない。しかも常務クラスのネタを流すなんて、そもそもネタ入手だって出来ないですよ。
それに、中学生で女子の告白断るのに、ゲイだからって。
中学生で言っちゃう!?だし、実際言ったとしても、バスケ部で女子に告白までされちゃうような社交性のありそうな男子なら、ネタにはされても、いじめの対象にまではならないような。最低男として、女子には嫌われるでしょうけど。
また、ドラマ仕立てといえば聞こえは良いですが、話数が変わるたび、別の作品を読んでいる感じでした。
主人公や相手の気持ちの変化がコロコロしすぎて。
トータル的にみても、受の心情はどことなく納得できる流れなんですが、攻の、子供作ることできないことがわかったから、一度は諦めた受を選ぶって…なんかモヤっとしてしまいます。
こういう優柔不断な攻はいただけないです。
親族経営の会社に勤めているため不自由な社会人生活を送っている攻め・須藤と、その上司でミステリアスな雰囲気のゲイの上司・真木との切ない恋愛を描いた物語です。会社や家系といった社会の圧力の中で出会った二人が、惹かれあったりすれ違ったり引き離されたりを繰り返していき、お互いにかけがえのない相手になっていくまでを描いています。
この作品の特徴は、テレビドラマのようなスピード感で小説ぐらいの情報量が詰め込まれていること、そして描写力に満ちた細密なコマにあります。2人が関係を持つところや別れるところなど、2人に関わるあらゆる出来事が次々と訪れてはその内容が語られ、それらがコマいっぱいに余すことなく表現されます。そういった描かれ方(顔などがアップになった時の画の細密さや、アップと俯瞰の移り方といったコマ内のアングル、コマ運びのやり方などといった技術的なことも含めて)によって、漫画を読んでいるよりはテレビの連ドラをワンクール見ているような感じがしました。そうして生み出されたスピード感と迫力が、このストーリーを圧巻なものに仕上げていて、ストーリーが情報量や展開が盛り沢山であったにも関わらず、読後感をスッキリさせるものにしていたと思います。この麻生さんの描き方はとても斬新だと思いますし、画期的な表現方法だと思いました。
ただその一方で、ストーリーが出来事に留まってしまって深まっていかなかったのも、このスピード感と情報量により生み出されてしまったことなのかと思ってしまいました。一例を挙げるとすると、物語序盤にいきなり須藤に関する噂話のメールがいきなり登場してきますが、このメールの存在がいまいちピンときません。そのせいか、読み進めていっても親族経営の会社の強大さというものが、話の上で情報として出てくる部分は分かりますが、実感を持って見えてこないので、須藤がなぜそんなに不自由しているのかよくわからず須藤にあまり共感できない。
また、起こる出来事が次々と目まぐるしいためか心情を語る部分がわからず、2人がなぜお互いをそんなに好きになっていったのかがよくわからない。真木の方は先に須藤が好きだったとしても、心情に見合ったコマが見られず、例え真木が須藤に急速に惹かれていったとしても、それは出来事の展開のスピードに負けてしまっていて、好きだという事実しか見えてこないため真木の切なさを共有できない。
さらには須藤と真木、どちらもどんな人物なのかはっきりわからないのも、2人がお互いのどこを好きなのかがわからないのですから、そう思うのは当然かもしれません。
さらには、そうしてストーリーの設定や構造が深いところまで根付かぬまま出来事は進んでいき、須藤と父親との対峙という最大のクライマックスシーンもあっけなくさらりと終わってしまったので、結局当事者同士の気持ちの問題でどうにかなる程度の事だったのか?と会社や家系など大きなものを相手にしていた今までのストーリーの進み方に対して肩透かしを食らった感がありました。
とにかく大変な話だったということは分かりましたが、描かれるはずの切なさがあまり見えてこないという感想です。まさに、人間同士の物語ではなく、ある人間同士を描いたドラマをテレビを隔てて見ていたという感じなのです。
とても画力があり、非常に創造性のある描き方をされていらっしゃる作家さんだと思いますので、ストーリーを立てることが出来なかったというところがとても残念だというのが本音です。小説のような情報量も魅力ですが、漫画は描くことでその情報をを表現できるものだと思いますので、もっと沈黙や間のテンポによる表現(今作は1コマ内・1コマ間のテンポがすごく速いので、コマを流し見るようになってしまっている)や、描かれるものによる暗喩(例えば会社のポスターの家族像がどんどん接近されて描かれていくところはどきりとさせられました)などが効果的に増やされていったらよりストーリーを引き立てられるのかもしれないとも思いました。
ストーリーの部分においては物足りなさを感じましたが、表現の創造性はとにかく独創的でおもしろいと思いましたので評価は中立です。
少し読み応えのある漫画を読みたい方にお勧めします。特殊プレイ等はありませんが濡れ場はやや多めですので、BL初心者でもそこまでエロに抵抗のない方ならば読みやすいお話になっているのでよいかもしれません。
通奏低音としてあるのは典型的な「普通の人」の悪意。
それを一切ひよらず研ぎ澄ませた上で、悪意の中に
潜んだ弱さを表に引きずり出して逆転劇を構成する。
その合間を縫ってきちんと向かうべき所に向かったから
こそ実った想い。
フィクションとして読める様に演出された要素は、
実はさり気なく日常に転がっているものかも知れない。
劇的ではないけれど、相応な悪意をはらませながら。
そしてそれに現実的に対処できるのは、一人で構成する
虚勢では無くて自分の弱さを認めた上で誰かと構成する
何かだったりする。
ロマンスと言うには隠し味の香辛料が少し効き過ぎて
いるかも知れませんが終盤には馴染んでまろやかに
なるでしょうからその過程を味わうのも良いかと。
面白かったです!
しかしこれを、例えば15年前に読めたとしたら、もっと感動したのではと思ってしまう自分がいます。
どうも設定とか描き方に古めかしかを感じてしまって、集中しそこねてしまったんですよね。
他の方もおっしゃってますが、
まず企業であんな中傷メールが一斉配信されるのは異常です。
今時そのような私用メールが上に発覚したら、配信元に対し即行何らかの沙汰があるはずなんですけど、そんな素振りもなく登場人物は中傷メールに振り回されて続けるのが、いまいち納得いかなかったです。
また、ここぞという時の描写や台詞が、心を映し出しているのは非常に理解できるのですが、少々ドラマチックさに傾きすぎてリアル感に乏しいような。
お話しそのものが"周囲に許されない恋"を描いた、まるで昼ドラのようものなので、やり過ぎ感はあってよいのかもしれません。
読んでる最中に変なところでつまづいてしまった私は、惜しいことをしているんだと思います…。
しかし!それはそれとして、人物の気持ちの揺れや変化がつぶさに解り、胸に迫ってくるのです。
自分が傷付くことを恐れ、本気の恋に向き合えない真木と、恋と仕事と家族に揺れる須藤。
そして須藤の父の想いも。
きっとどの結末を選んでも、苦しいと思う。
気持ちのままに生きたからといって、万事ハッピーなんてことないですもの。
"失って得られたもの"という描き方がされてるからこそ、この結末がすとんと胸に落ちてきて響いた気がします。
真木が非常に健気で、そして須藤が可愛くも男前で、とっても萌えさせていただきました!
いやもう須藤は、年下攻め大好きな私としては、大満足なキャラです。
これはドラマCD化をしていただきたいですね!!
音声化に向いている話だと思うので、是非とも検討いただきたいです♪
◆あらすじ◆
オーナー企業である箕輪物産に勤める真木唯行(まき ただゆき 32歳)は、オーナー一族で常務の息子・須藤章成(すどう あきなり 28歳)の目付役を任されますが、真木がゲイであることを知った須藤は、興味本位で彼を脅して関係を強要してきます。
須藤の父親が息子を有力者の娘と結婚をさせたがっていることを知っている真木ですが、もともと須藤に惹かれていた彼は須藤に抗えず、体の関係に。やがて須藤も本気で真木に惹かれ始めます。
しかし、過去のトラウマから恋愛に消極的な真木は、須藤の将来のために別れを決意し、須藤は父親の勧める相手と婚約することに。
須藤を失って初めて、彼が既にかけがえのない存在になっていたことに気づく真木ですが――
一方は会社を背負うべき人間としてのしがらみ、一方は過去のトラウマに縛られ、愛だけに突っ走ることができない2人の、紆余曲折の恋愛の軌跡を描いた作品です。
◆レビゅー◆
シチュエーションとしては、「身分違いの恋」に近い感じでしょうか。
これってただでさえ萌えるシチュですが・・・しかもヤンデレ受けをしっかり守る年下彼氏の図、満載。
やー、萌えました。
個人的に麻生さんの絵も好きなので、なおさら。
特に攻めの須藤の男の色気が! アウトローも似合いそうなこなれた雰囲気がたまりません。
受けの真木も、男らしい体格と繊細な顔立ちを兼ね備えた美人で。
劇画っぽい雰囲気もある絵ですが線は細くて、はじらいの表情が魅力的な絵だなと思います。
ただ、真木の性格が、個人的には好きになれなくて。
真木は、恋愛に極端に臆病な人間。同じ性的嗜好の人間しかいないはずの二丁目にも変装して出かけ、ステディは作らず、セックスしても決して心は許さない。
須藤との付き合いも、最初からネガティブ一辺倒。しかも、よく泣く。
そんな真木が一歩踏み出して、須藤を「欲しい」と言えるようになるまでの彼の心の変化が、この作品の一つの軸になっているので、彼がイラッと来るキャラなのは織り込み済みの作品だと思うのですが・・・う~ん。受けは強気なほうが好き。
でも、かなりネガティブな性格の真木を、「(真木が自分自身を大切に扱えないのが嫌だから)俺があなたを大切にします」なんて抱きしめてくれる須藤・・・
そう言えばこの作品って、年下彼氏にこういうことされたら蕩けるな~っていうモチーフがこれでもかと詰め込まれてまして、そこも見どころ。
正直、真木にはジェラシー感じちゃいました(笑)
話がうまく運びすぎたり、展開がぎこちなかったりする部分はあるのですが、そういう部分が、愛情を義理や打算と秤にかけ迷いに迷った末に結ばれるというストーリーの中にうまく溶け込んでいて、全体として不自然さはあまり感じませんでした。
絵に説得力があるせいでしょうか。
ただ、2人が務める会社内で飛び交う「中傷メール」は、かなり気になってしまいました。
個人のプライバシーが日常的にメールという形で会社を駆け巡る(それもオーナー一族の噂まで)というのは、相当な異常事態に思えます。
この会社のモラル崩壊状態もストーリーに絡めて最後に落着させてほしかったくらい。
もしくは、メールの代わりに噂話でも十分ストーリーとしては成立したのかも…
いろいろ書いてしまいましたが、とにかくおいしく萌えをいただけた作品です。
萌えるリーマンものを読みたい!という時にもって来いの1冊だと思います。
絵がちょっと苦手かな、と思ったんですが設定が好みだったので手に取ってみて大正解!
最初はよくあるリーマンBLだと思ったのですが、キャラの動きやストーリーの運びがとてもリアルですごく引き込まれました。
始終「一体どうなるんだろう?」とドキドキしながら一気読み。
BL漫画でこんな感覚はちょっと久しぶりかもです。
他の方も仰ってるけどまるで小説読んだみたいにどっぷりと浸れました。
須藤が子供が作れなかったことがきっかけで二人の関係が急転するのもすごくリアルでよかったです。
実際の生活でも、これでいいんだろうかとか迷ってそれでもいろいろ妥協して決めて、でも揺らいでる状況の時、こういう突きつけられた新たな事実に背中押されて再び決心がつく或は覆すことってありますよね。(私はありました…)
こういった生々しいエピソードたちが繊細な絵柄と相まって最後までとても作品に引き込まれ、堪能できました。
真木のセリフ「彼女が要らないなら僕が欲しい」と、
須藤のセリフ「家も家具も生活費も折半してもっと重たい関係になりましょう 人生を分け合いましょう それこそ結婚でもするみたいに」がすごく心に残ります。
須藤はあのセリフを運転しながらさらっと言ってるのがとてもイイ!(・∀・*)
最終的には現実的な道を選んだ2人。決別するはずだった2人。
幸か不幸かという事態のおかげでハッピーエンドっぽい形になりましたが、2人が何もかもを捨てて想いを貫いた結果ではなかったあたり、好みは分かれるだろうなあと思い「中立」です。
2人が別々の道を歩む事になっていたとしても、お互いを想い合っていた気持ちに変わりはなく、人を愛して苦しい決断をした。そこに感動がありました。
「俺達がなにも生まないなんて思わない」
だからこその、この台詞の説得力。
ラストがどうなるかは別にして、容赦ない現実の中で男が男を愛する苦しみ、切なさ、健気さに泣きました。婚約破棄の理由が前向きな意志によるものだったら、そういった切なさを乗り越えてすっきりとハッピーエンドを喜べたと思います。
夢と甘さを求める人向きではないかもしれませんが、現実と向き合って修行したい人、泣きたい、苦しみたい、切なくなりたい、って方にはお勧めです。
切なくて胸が痛くて、
何度も読みたいと思える作品ではないかも知れませんが、
“神”以外の評価は浮かびませんでした。
部下×上司の社内恋愛です。
部下の須藤(攻め)は、実は常務の息子。
心が通じ合い、幸せな蜜月を過ごしていた二人ですが、
真木(受け)は、彼の将来を考えて身を引くことを決心します。
心から深く愛する、唯一無二の相手の存在。
その恋を諦める決断は、勇気です。
潔い別れは美しかったですが、
会えなくても、触れられなくても、
どうしようもなく好きで、その気持ちを止められない!
その人間的な感情の方が美しいと、自分は感じました。
朝起きて一番にすることは、須藤を思い出すこと。
チャイムが鳴れば須藤ではないかと期待し、
日常の様々な出来事から須藤を連想し、涙をこぼす真木。
一日一日をこんなにも苦しく過ごしているのに、
社内で顔を合わせれば、何でもないような笑顔を向ける。
そんな真木の危うさと健気さに、心が締め付けられました。
「どうしよう、須藤…、寂しい」
「こんな時、前はどうしていたっけ」などの、
痛々しいモノローグは不憫で見ていられず、
この受けは、絶対に幸せにならなくてはいけないと思いました。
衝撃を受けたのは、
自暴自棄になってしまった真木が、
誘われるがままに、行きずりの男とホテルに入ってしまう場面です。
いざ事に及ぶ段階で真木は抵抗し、部屋を出ようとします。
真木の手首を思わず掴んで引き止める男を振り払い、
「上書きされる!」と泣きながら叫ぶシーン。
そして、その手を繋いでいた日々のフラッシュバック。
二度と触れることが出来なくても、
そのぬくもりの記憶を支えとして生きて来た真木の慟哭が、
心臓にズシンと響きました。衝撃でした。
真木側の感想ばかり書いていますが、
須藤側の気持ちもシッカリ描かれているので、
お互いの心情がよく分かり、とても読みやすかったです。
そして、激しく心が呼び合うように、魂が惹かれ合うように
再会を果たす二人の場面は涙が止まりませんでした。
この台詞はあの時の…?など、
見落としてしまいそうな小さな出来事も伏線として使われ、
お話全体に上質感を感じました。
もともと好奇心から始まった恋で、綺麗ごとばかりではなく、
リアルな男同士の恋愛として描かれている点も好みでした。
ハッピーエンドのおとぎ話ではなく、苦みたっぷりの辛口なお話ですが、
だからこそ、エンディングは読者にとっても大きなご褒美で、
映画を観終わった後のような、深い感動がありました。
麻生ミツ晃さんの絵は個性的で、得意ではなかったのですが
そんなことは全く問題になりませんでした。
むしろこの絵だからこその空気感や、独特の味がお話にマッチし、
本当に素晴らしかったです。まだ読んでいない人がうらやましい!
迷いなく“神”評価とします!
読み始めた時は設定も内容もよくあるお話だなぁと思いました。
と言っても、内容自体は苦手ではない、むしろ好きなタイプで。
例え何かととデジャブしても読むのがダメになったということではなく、
単に普通のテンションで読み進めた感じです。
ただH描写はところどころ自分の好きなアングルが入っていたので、
よっしゃー!と思いましたw
そして主任が白ブリーフ(ボクサー?)で、すっごい凝視してしまいました;
なぜか白だと思っていなかったから、
二度見どころか三度見ぐらいしました。
とか言いつつお話の流れ自体は普通に読み進める感じだったのですが…
が…!
徐々にキました。
受けさんが攻めさんのことを思って別れを伝えた時、
そして攻めさんがそれを受け入れた時。
相手のことを思って離れたのに、どうしようもなく好きで、
涙を流す受けさんの健気さに…
泣いた!
ふ~。やっぱり健気受けさんはいいですね~!
もうね、主任が健気で愛おし過ぎて抱きしめてあげたい!!>いやお断りですからw
そしてその後、迷いがふっ切れて受けさんのことを「諦めたくない」と伝える攻めさん。
ちょっとヘタレが入っているのかと思っていましたが、なんだ男らしいところあるじゃないの!
二人の気持ちが通じてからは、今度は独占欲丸出しになる攻めさんがこれまた…
良かったです^^
私の場合はキャラ萌えが後半からどーんと来ました!!
キャラ萌えって大事なんだな…と今更実感。
受けさんの健気さと、攻めさんの独占欲。
王道カップリングだけどイイなぁ…と改めて思いました♪
最初本屋さんで表紙だけ見て「薄い感じの絵は苦手だな~」と思いながらも 、
ちるちるさんで高評価だったので思い切って購入、読んでみました。
読み始めると気にしていた絵が気にならない!
(単に私が濃いめの絵に慣れていただけでした、反省)
大人っぽくて、人間味があって、素敵な絵でした*´u`*。
それどころか、2人の続きが気になって、最後までガッと一気に読めてしまいました。
ストーリー構成もしっかりしていて、最後まで読んで満足できました。
おすすめです!
同じ会社に勤める ノンケ部下(須藤)×上司(真木)という設定。
須藤は常務の息子。もともとノンケの彼は歌舞伎町で男と路上キスする上司真木を見かけて以来、彼に興味を持つようになる。
同族経営の会社のため親からは閨閥結婚するよう強く言われるが、一方で真木を好きだといいう気持ちが強くなっていく。立場が有るが故に真木との自由な恋愛もままならない…。
真木は真木で須藤を想いながらも、将来有望な須藤の人生を台無し(日陰)にしてしまわないよう、葛藤の末、身を引こうと決心する。
好きになっても幸せな結果を得られない辛い恋愛しかしてこなかった真木は、過去の経験上深みにハマらないうちに予防線をはり、早めに須藤を遠ざけてしまう。
相手のことを好きだけど本当にこの関係でいいのだろうか…と苦悩しながらも、お互いを求める欲情にはあらがえず…そのままベッドへ…(〃´ x ` 〃)ポッ。
もつれあうように求めあう2人、しかし心のどこかで「こんなことはダメだ」と思う自分との葛藤、そしてラスト…!
とても引き込まれるストーリーでした。
もし私のように表紙の絵が苦手かな~と思っている方にも是非読んでみてほしい
おすすめの1冊です。
ちるちるさんで評価が良かったので買ってみました。
率直に言ってつまらなくはなかったですが、取り立てて面白くも感じられませんでした。
私が思うに水城せとな先生の『窮鼠はチーズの夢を見る』とかが好みだという方は、とても楽しめると思います。
逆に言うとキャラクターが個性的な中村春菊先生の作品のようなものがすきな方はとりたてて読む必要はないかな。
まあ、読んで損はありません<(`^´)>
私はどちらかというと、2人が幸せになるまでの心の揺れ動き、葛藤、などが詳しく書かれている作品が好きなので、そういう意味では何度も読み返そうとはなりませんでした。
切ない…というべきか否か、胸が締め付けられるような感じもしませんでしたし…。
あくまで個人の意見ですが、今時よくありそうなBL作品。
好みは人それぞれですがね(^_^;)
チルチルのコミックランキング上位ということで購入しにいきました。
2013年最後の日に心にクる素敵な作品に出会わせてもらったぁ、、と感謝の思いでいっぱいになりました。
いわゆるオフィスラブで、設定が込み入ってるわけでもなく、登場人物も2人が中心のシンプルなもの。
それでもこの作品が特別なのは、人を好きになることが一筋縄にいかない、そのもどかしさとせつなさと、一生懸命さとが描かれているからだと思います。
心の動きが目線、指先、言葉、姿勢、、そこにある全てのもので表現されていて麻生先生の表現には感嘆と感動と、どっぷりはまってしまいました。
すでに何回か繰り返し読んでますが、その度に心の動きや表情に発見があって胸が苦しくなります。私的には、真木の電車のシーンは苦しくて涙が出てしまいますが大好きです。
ぜひ多くの方に読んでいただきたい作品です。
絵が好みではないし、前のアンソロで読んだ話はいまいちだったのでどうしようかと思いましたが、あらすじだけだとかなり好みなので思い切ってみました。
当たりでした!
重くて苦しい、大人のリアルな恋愛。
最初はいい加減な好奇心から始まって、ラストで纏まるまで丁寧に描かれています。
社会人ならそうですよね。気軽に付き合える訳もなく、まして相手は社長の子息。
色々乗り越えたあのラストは、素晴らしかったです。
「彼女がいらないなら 僕が欲しい」の叫びが、泣けます。
幸せになれてよかったね。
障壁や葛藤のないBLに疑問を覚える方にはお勧めの一作です。
しかし、一点だけ。
大企業であんなメール回りませんて(笑)
2014年「初泣きBL」となったこちら。
ランキング上位だけれど初読み作家さん(だと思う)という事もあり、コミックスを買って万が一失敗したーと思うのも嫌なので、電子書籍サイトでサンプルをまず拝見しました。
サンプルで読んだ時は、『あまり好みの絵柄じゃないなぁ…』と思ったのですが、数日間そのサンプルを忘れる事が出来ず、結局そのまま電子書籍サイトにて購入に至りました。
今、読んだ直後なのですが…。
こんなに心にキて、切なくて辛くて、泣いてしまうとは思いもしませんでした。
上司という立場にある、ゲイで自分を出さない真木。
部下で、真木とは対照的な性格のノンケの須藤。
1冊丸々二人のお話でしたが、須藤が真木を好きになり、真木じゃなくちゃダメになる過程がスムーズで違和感を感じませんでした。
又、スムーズであるが故に、切ないポイントがジワリジワリと織り込まれていて、いい意味でずっと低空飛行をしているかのような気分。
淡々と、だからと言って波がナイ訳じゃなく。
須藤の立場も真木の感情も、思惑も歯がゆさも恋心も愛情も。
全てがゆっくりと、けれどしっかりと心に入り込んできて、がっちり握られ、全て持って行かれました。
読み進めても進めても、「終わりがない」感覚に陥るのです。
電車で、須藤の言葉を反芻して、うわごとで返事をするあのシーン。
アレがまさか、まさか再び通じ合った時に繰り返されるとは…。
考えても考えても、涙しか出て来ない自分がいます。
それほど、感情移入しました。
須藤目線から見ると、真木の物事の考えって一風変わっていて、きっと世間で見てもそう感じる部分がある。
けれど、真木の捉え方って、決して間違っている訳でも理解できない訳でもない。
『少しズレてる』という言葉がこんなに当てはまるなんて。
会社のトイレで致したり、須藤の自宅で致したりして、セックスシーンは大胆に描かれているんですが、絶対的に必要なセックスだなと思えてならない。
線が細く、特に真木なんかは華奢にすら見える。
だからこそ、あれだけ乱れる真木には相当淫猥な印象を受けたし、かなり性欲が強そうに見える須藤も裏切らない。
付き合ってはいない、まるで取引のように始まった体の関係が、綺麗で仕方ありませんでした。
「俺が欲しい」も、「ありがとう、頑張る」も。
「カーキー入刀」も、「重たい関係になりましょう」も。
きっと暫く忘れられない言葉たちになりそうです。
どの言葉を聞いてもズシンと来て、ただひたすらその余韻に浸りたくなる。
そんな作品に出会えたことに感謝します。
今年出たBL漫画で、私の中ではベスト3に入るかもしれない。
それくらい好きです!!
麻生先生、とても素敵な作品をありがとう~♪
※このお話の好きなところを書くと、かなりネタバレになります。
なので、未読の方は読まないでね~☆
あらすじは
同じ企業に勤める真木主任と常務の次男坊、須藤。
ゲイ疑惑のある真木を偶然二丁目で目撃した須藤。
後日、須藤は二人きりの時に「俺と寝ません?」と真木にもちかける。
はじめは冷静に断っていた真木だが、真木を探していた須藤が二丁目で写真を撮られた事を切欠に、気持ちが漏れだす。
付き合いだした二人だが、須藤には見合いの話があって…?
内容は、BL漫画でよくあるお話なんてすが。
ひとつひとつがとても丁寧に描かれています。
その中でも何が好きって、真木のズルさ、須藤のズルさを正直に真正面から扱っているところ。
真木の、恋愛の深みにハマると後で痛い目にあうからと、ドライな生き方を選ぶ性分。
須藤の、決定的な部分は真木に丸投げで、計算高くて打算的で、そんな自分を自覚している事。
世間体とか、出世とか、家庭とか、そういった誰もが持つ当たり前の欲。
互いの気持ちは、そんなものたちに簡単に押し潰されてしまう。
そうして選んだ新しい互いの生き方。
でも、真木は須藤と出会う前の自分に戻ることが出来ない。
愛し愛される熱を知った心と身体をリセット出来ない。
須藤は弱いところを見せたはじめての相手である真木の存在を、完全には消しきれない。
必死に新しい未来へ走りはじめたのに、大きな落とし穴に落ちてしまう。
それは、須藤のからだの事。
それが須藤の心を大きく打ち砕いた事。
これは…辛すぎて…読んでいて物凄くショックでした。
人として、とても辛い事柄ですから…。
このお話、甘々ハッピーエンドではありますが。
決して100%ではないハッピーエンドやと思います。
須藤にとって、何が幸せなのか?を、すごく考えさせられました。
祖父を見習って、好きな人と結婚する夢には近いけれど。
やはり、失ったものやあきらめたものは心の隅を支配していて。
でも、彼の素晴らしいところは、そういう自分を隠さない事。
そして真木も、須藤の悲しみを理解したふりをするのではなく、正直に自分の気持ちを吐き出す姿。
相手の気持ちを理解しきるなんて、誰にもできませんもの。
理解するんではなく、自分に正直になって、寄り添うから心にしみる。
こういう、家族とか社会とか世間体とか、夢物語にも現実の事がきちんと丁寧に描かれていると、すごく心に残りますね。
二人の生き方描かれ方が、とても大好きな作品です。
ひたすら、「あなただけ」、「あなただけが」を追求するお話でしたね。
本のページ数そのものが多いのもありますが、なかなかみっしりと、厚みのある内容で、
コミックを読んだっていうより、小説、それもかなり字の詰まったノベルスでも読み切ったような読後感というか、
むしろ、その位の分量の小説の、すごくよくできたコミカライズを読んだみたいな、
これって、帯に謳ってある「希代のストーリーテラー」は、間違いじゃないって事なんでしょうね。
絵も、とても繊細。
でも、お話の展開を追う方に気をとられちゃうのか、凄く細かくいっぱい描かれているのに、キャラの顔が覚えられないとういう、
絵が細密でリアル寄り過ぎて、真木の変装に騙されちゃうってことにしとこう。
タイトルから様々なことを考えました。
「only you=あなただけ/君だけ」は須藤・真木のふたりともが感じているものでしょう。でも次の only は、ふたりそれぞれ違う意味を持つのかも…と唸りました。
もうこの先あなただけ、という一本筋の意味合いかもしれないし、はたまた (替えようのない)たった一人の人 のニュアンスかもしれない。ただひたすらに、かも。もちろん、どれも違っていて、答えはないやもしれません。
そうして読後、じっとり考え込んでしまうくらい素敵でした。
もともと連載ではなく読み切りスタートだったそうですが、ちぐはぐさなどはちっとも感じません。強引で情熱的な年下攻めがお好きで、なおかつ眼鏡受け好きな方にぜひともお勧めしたいです。
真木主任は、恋愛にまつわるすべてのことを閉じているのに、寂しいときは誰かに抱かれに行く。ものすごく消極的で諦めがちなのに、妙なところだけ積極的で、けれども本質を見せるわけでもなく。
本気になってはいけないと考えてもいるし、本気になろうと考えてもひとつの山はどうしても越えられない。自らが引いた一線を消し去ることはしないし、自分の欲なんて二の次だから求める場所がどこかを、おそらく自身で心を隠してしまっている。
奥底にあるのは熱情くすぶる想いであろうに、決して自我は通さずわがままにもならず、考え込んで押し込んで、やっぱり繕って消し去ってしまう。
……感情を大切にして傷つき壊れてしまうよりも、その場限りの関係とそこでだけ繰り広げられる疑似的な愛の方が有意義だということに説得力を感じました。
真木も本質的には『本当の愛を感じたかった』んでしょうね。
だからこそ須藤が真木の肩を抱いて噂話を蹴散らした、そのカラッとした心意気に惚れてしまったわけで。今までは遠ざけられるか厭われるかもしくは当たり障りない距離感を保たれるかであったのに、すっと懐に入り込んできた存在は、稀有で心地よかったのだと思います。
けれど、真木が繕ってきた『真木唯行』は心に蓋をしているから。上手に鍵を開けることができないし、なによりその鍵の場所さえ分からなくなってしまっているから。
須藤は、どんどん距離をつめ、どんどん真木の心に溶け込み、どんどん愛を知らせてくれてしまう。それに怖くて戸惑って、そうしてまた真木はフッと自身を『現実』の舞台から降ろして客観視しようと遠ざかったように思えました。
冷静になりすぎてしまう、そのとき、自分の感情はすべて蓋をする。なにがしたい、どうしたい、恋愛に在りうるはずの欲望をすべて、フラットにしてしまう。真木なりの守り方ですし、読者側としても須藤の立場を考えると致し方ないとも思うわけで…。
でもやっぱり、真木の思うように、ほんとうはしてほしいんです。
我慢なんてしてほしくない、須藤を欲しがってほしい。須藤はあんなにも愛情を表現してくれている、真木が今まで乗り越えられなかったところを「しんどさに耐えてください」と懇願する。甘っちょろいことかもしれないけれど、その勢いがまぶしいくらいでした。
そう、真木にとってあまりにも真っ直ぐな須藤は、眩しかったのでしょうね。
だから遠巻きに見るだけで、追いかけることもしないで、触れ合わない距離感をかろうじて保てる程度。関係などなくっても、好きでいる、ただそれだけ。 only ですね。
物語後半、目頭が熱くなりました。特に、「上書きされてしまう!」、あのシーンは鮮烈です。
参りすぎてやや精神的脆さを見せる真木でしたが、今まで 特定の相手は作らない としていた彼が完全にひっくりかえる、あの瞬間! 必死な姿に鳥肌が立ちました。
走馬灯のように駆け巡る、須藤を好きになったきっかけの記憶。真木というフィルターを通して読者が見る須藤の無邪気な笑顔がこのうえなく素敵なんです。
衝撃的な場面を目にしてやはり気が動転し、オカシクなっている真木にはうすら寒い怖さもありましたが、行き過ぎた悲しさは人を翻弄しますもの。ここで練習していたからこその返事が、雨の中でできたことにまた涙しました。
好きって言われたら、うれしいじゃない。幸せなことだよ、なにも諦めることじゃないんだよ、ちゃんと幸せになっていいんだよ。ふたりで歩いていけばいいんだよ。
セックスだって、寂しさを埋めるために誰彼かまわずするものでなくて、ちゃんと心許せる相手とすればいいんだよ。好き、という言葉を、好き、と言っていいんだよ。
須藤が心を許せるのは真木だけであって、なにより彼は初めから真木をきちんと見ていましたよね。そして情熱的で、温かい人。輝かしいほどのまっすぐな人柄に、心打たれます。
親兄弟のことに関してもしがらみはありますし、社内メールで噂全開の会社ですからこれから心苦しむこともあるでしょうが、真木もずいぶん変わりましたし大丈夫なのでしょう。(だって! あの真木が! 傘はあれども往来でキスを自らするだなんて!)
胸が苦しくなる場面も多い作品ですが、ねっとりとしたベッドシーンはドキドキしますし、ラストには光がありホッとできる素敵な一冊でした。
ストーリー自体はシリアスなですが、初回封入されておりますペーパーはクスッとできる可愛さがあるのでぜひ! ぜひ!
男同士のラブストーリーってこんな作品のことを言うのではないかと思います。
リアルな男同士の恋愛が切なくて苦しくて、ただ好きな気持ちだけではどうにもならない
会社での立場、将来の夢や希望、心無い噂にストレスの数々、心の弱さ。
様々な感情も作品から溢れ出しているように思えるのです。
コミカルで軽く笑えてのハッピーものが大好きだけれど、たまにはこんなに苦しい
恋の話をじっくり読んでみるのもいいと思える作品でした。
派手さがないのに胸に染み込んでくる様々な感情の波がマイノリティーの
現実の厳しさも描いていて、かなり深い作品なのです。
下手な作品の内容はあえて書かずに、是非手にとって苦しくて切なくて辛い恋を
でも、その辛さがあっても諦めることが出来なかった恋する話を読んで欲しい。
久々に大人のリアルな恋愛をテーマにした作品に心打たれました。
まるで小説を読んでいるかのように登場人物の心が胸にせまってくるお話でした。
とてもリアルでゲイとノンケのそれぞれの立場と想いが切実に伝わってきます。
クライマックスは圧巻で胸が痛くなって涙腺が刺激されました。
とてもシリアスで、絵も少し暗めなので好みの別れる作家さんかもしれないのですが、また色々考えさせられるとても好みの話しでした。
神評価を迷い中です!
子会社の新企画のプロジェクトリーダーで常務の息子でもある須藤の補佐として本社から出向してきた真木。
二丁目で男と絡んでいるところを須藤に見られ、興味本位で俺と寝ないかと誘われるが断る真木。
実は真木は須藤の父親から目付役として影で色々な報告をする立場にあったのです。
しかし、社内掲示板に二丁目で遊ぶ須藤の姿が掲載され、素行の注意をすると真木を探して二丁目に行っていたと言う。
そしてどうしてこんなに執着するのか、理由を知りたいか?と聞かれ、それから二人は関係を持つようになる。
始まりはこんな展開ですが、働く者として、ゲイとして、ノンケとして、そして父子関係として、そこから来る様々なしがらみがが左右して物語を動かして登場人物に葛藤が生まれるのです。
初めて須藤に会った時から惹かれていた真木ですから、彼と付き合う事は恋愛の始まりを意味するのですが、もちろん秘密にしなければならない。
本人達の関係や気持ちもとても重要なのですが、根本を左右する要素は彼等の働く会社とそれにまつわる須藤父の事情と気持ちにあります。
創業者一族が上層部を占める同族経営のしがらみ。
祖父は傾いた一族の企業を立て直し、上へ昇り詰めることができるはずだったのに幼馴染と結婚してしまった為に不遇の扱いを受けたと、そうした結婚と権力に関するこだわりが、息子への期待となっている。
息子はそんな父親の気持ちを知っているが、純粋に大きい仕事を成したいと夢を持っている。
それが真木の心を苦しめるのです。
須藤は真木を口説いたのは興味本位です。
付き合い始めても全く甘くありません。
「主任って本当に俺の事すきですよね」とか、多少はほだされているのだろうか?という表情や仕草を見せる時もあるが、何となく父親への反抗と傲慢な心も見てとれるのです。
そしてせめてどうしようもなくなる時が来るまでは一緒にいましょうね。
次には、もう好奇心じゃありませんからオレとの事考えといてくださいね。
決して打算が働いたわけではないですが、選択は真木に任せているような気がする。
そこが年下男という特徴だろうか?
「何が正しくて、間違っているか」
最初須藤が父親に言われた、もうお前はわかっているはずだというこの言葉。
これがキーワードで二人の選択だったと思います。
きっとそれはその時の状況で変わってくるのだと思います。
だから一度二人は別れた。
その時は、それが正しいと思ったから。
しかし、そこに訪れた須藤の挫折があった時、真っ先に心配して駈けつけてきた真木に語る彼の本心。
ああー彼はノンケだったなと、
今まで傍観して逃げていた真木が初めて飛び込んだ恋愛だったのに、須藤は葛藤して悩んで決め切れなくて真木に任せたという部分。
この再会でやっと本当の気持ちをぶつけあって通じるシーンはちょっとした感動ものです。
やっと自分をさらけ出して本気の本音をぶつけることができた二人。
綺麗事じゃなくて、ドロっとした部分も全部見せて吐き出して結ばれようとする二人の姿は、本物だと思えます。
何を書いていいやら、ちょっと支離滅裂になっていてすみません。
ゲイの気持ちも、ノンケの気持ちも、実にご都合じゃなくてさらけ出してぶつけてきている様が感動を呼びます。
1冊ぎっしりと実に読み応えと手ごたえを感じています。
余談ですが、こんな噂話が社内掲示板で飛び交う会社というのは、先が見えてる腐った会社じゃないか?と思うのですが酷いですね~