愛というなまえ 新装版

ai toiu namae

愛というなまえ 新装版
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
32
評価数
8
平均
4.1 / 5
神率
50%
著者
田中森よこた 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ジーウォーク
レーベル
Caneléコミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784867177334

あらすじ

『この弱くてかわいそうなおとなを、俺が守ってやらなきゃと思った。』

父を亡くし、東京を離れ、何もない田舎に引っ越してきた郁郎。
祖母と従兄弟の恋文と暮らすことになるが、年上の恋文は意地悪でいけすかない奴だ。
恋文を苦手に思う郁郎だったが、ある日彼が自分を嫌う本当の理由を知ってしまう。

それは、郁郎が「殺したいくらい憎いけど、世界で1番愛していた男の息子」だからだった――。

切なくてもどかしい、愛しい“愛の物語”。

在庫切れ続出につき入手困難だったあの名作が「新装版」として登場!
新規描き下ろし漫画+本編では語られなかった、
郁郎の父・草太と幼少期の恋文の日常を描いた
同人誌版エピソードも収録。

本作の世界観を余すことなく網羅した、永久保存版の一冊。

表題作愛というなまえ 新装版

田無郁郎、小4~小学校教諭
田無恋文、高校3年生~30歳

その他の収録作品

  • こいちゃんと叔父/描き下ろし1・2/あとがき

レビュー投稿数2

父の呪いを解く息子? え ちがう⁈

なんとなくタイトルで買ったんですが 可愛らしい絵面ってそこにある哀しみや哀れさが増すのね

まったく中和されないの


小学4年で父を亡くし祖母の家に引き取られた日
葬儀の時に悲しまなくたっていいと声をかけた従兄との同居を迫られることに

郁郎の父を口汚く罵る従兄・恋文に隠されていたものはアッサリわかるので胸が傷む間もなかったんだけど ネグレクトに少年買春 胸くそ悪いものだけはしっかり残るし 淡々とすすむお話の中で蓄積され そこに被せるように哀しみが降ってはくるのだけれど

んんん 恋文をとことん可愛そうなものにしたい感じなんだよな

確かに捨てられる痛みや 失う苦しみにひとり耐えているのはわかるんだけど 時おり優しくされることにいたたまれないのか 傍にいようとする郁郎に食って掛かって情緒不安定にもほどかあるというか
ほんとならここに 庇護欲や守ってやりたいキモチを強く感じなきゃいけないんだろうけど あえて恋文を可愛そうなものにしたいのが透けてみえてしまって なんでかこう 読んでいてどんどん冷めていくあたしがおりました ハイ

郁郎にもそう 父を恨みながらも忘れることができず 死んでなお思い続ける恋文を守ってやりたい ひとりぼっちにはさせないってのはぼんやりあるのに意地を張り続ける関係に二の足をふんで
ここに 彼はまだ子どもで何が出来るわけではなくて ってのを見ながら互いの自律や仰け反りあったままなのに意識だけが暴走していく空しさ
とっくに移ってしまった情や それに気づいた瞬間の寂しさを読まなきゃいけないんだろうけど

なんかがはしょられすぎたのかな?
ぶつ切りなお話しに 恋文の意地だけは読めたんだけど
あれかな 出だしの歪さと一緒にいる時間にほだされていく部分が少なかったからなのか


新装版らしくつけられた恋ちゃんと叔父の話はよかった
恋文の愛らしい天然ぷりが微笑ましかったし 草太の優しいとこもダメンズぷりも ばあちゃんの勇ましさも

これだけなつかれていたのに 自分に守るものができた途端に恋文を売った草太
恋文のどんなに恨んでも憎んでも嫌いになれなかった悔しさ
描き下ろしのおかげでここだけど鮮明になったんだけどね 

主役ふたりの話になるとどうにも中途半端さが なんでだろうね
まぁ 恋文が手にした幸せを草太への仕返しと思えるほどには許しているのが救いだったけどね

0

絶望と憎しみからの…救済

いやーー…もうなんというか、辛くて悲しくて胸がいっぱいになり、
でも最後の二人の笑顔にようやく救われる…
そんな、絶望と救済のお話でした。途中から泣きながら読みました。

受けの第一印象が、こんなにも変わる作品はそうそうない気も。
なんてったって恋文(受け)、めっちゃくちゃ意地悪!

幼いうち(8歳の頃)に父・草太が交通事故で亡くなり、お葬式会場で
父の遺影を見ながら涙を流す郁郎(攻め)。
そんな郁郎に「お前のお父さんは ゴミみたいな人間なんだよ」と従兄弟の恋文が話しかけてきてー

と物語が始まります。

親を亡くしたばかりの子供に、なんともキツい言葉をかける恋文。
その後、祖母の元へと引き取られ、三人での同居生活が始まった後もかける言葉は
冷たく意地悪で…

でも!でもね!!!!!!

恋文自身の口から語られる真実を知ってからは、あまりにも可哀想で可哀想で、
愛おしくてたまらなくなり、泣いてしまった……

彼の叔父であり攻めの父親である草太が、本当に本当に胸◯ソものの人物なんです。
読後すぐの今も許せない気持ちでいっぱい。。思い出すだけで辛い( ; ; )

巻末の方に草太とまだ幼い恋文の日常の一コマが何編か入っているんですが、
その時は本当にほのぼのとして幸せそうに見えるのに(実際幸せだったはず)、
一体どうして可愛がっている甥っ子にあんな仕打ちができるのか、、

この草太の思考・行動が全く理解できず、物語を読み終えた今も悶々としてしまう。

愛してやまなかった存在に裏切られ(しかも本人には”悪いことをした”という
自覚なし)憎むようになる、愛し求める気持ちと同時に、激しい憎悪を抱くー

いっそ憎みきってしまえればいいのに、できない恋文の辛さが痛いほど伝わってきて、
読んでいるこちらも絶望感でいっぱいになります。

そんな憎むべき男の遺した子供である8歳年下の郁郎に、優しくできるはずもなく。
でも、一緒に生活を送るうちに、少しずつ情が湧いてきてしまう。
郁郎自身には罪はないことは痛いほど分かっており、真実を知って父の罪を
謝罪してもくれ、その心は十分に伝わっているからだよね…
この恋文の心情変化の描写が秀逸でした。

で、そんな苦しむ恋文の姿を見て、「放っておけない」「俺が守らなければ」と
思う郁郎の姿にまた、心打たれる。

最後の最後、「おかえり」と「ただいま」の声がけのシーンになんとも言えない
気持ちが込み上げてきて、また少し泣いてしまいました。

二人が初めて体を重ねる際の、恋文のセリフがまた。。

「郁郎がほしいよ」「ちゃんと…全部ほしいよ」という言葉の奥に、
恋文の抱える寂しさと愛を欲する心、暗く濁った記憶を上書きしたいという気持ち
が感じられ、なんだかもうたまらない気持ちに。

シリアスで辛い展開からの救済の物語でしたが、
新装版描き下ろしのエピソードがクスっと笑えたり、ほのぼのできるもので
救われた…!✨
いい雰囲気のところに突然乱されて、小学校の先生は大変(笑)

この先もこのまま、二人笑顔いっぱいに過ごしていって欲しいなと
願わずにはいられない、夜明けの物語でした。

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