感情を押し殺してきた この人が逃げないように

囀る鳥は羽ばたかない 9

saezurutori wa habatakanai

囀る鳥は羽ばたかない 9
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神306
  • 萌×227
  • 萌11
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

17

レビュー数
41
得点
1671
評価数
347
平均
4.8 / 5
神率
88.2%
著者
ヨネダコウ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
シリーズ
囀る鳥は羽ばたかない
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784813033981

あらすじ

ある目的のため矢代は、桜一家の構成員になった
百目鬼と行動を共にしていた。
部下ではなくなった百目鬼に内心戸惑う矢代だが、
百目鬼は変わらず男に抱かれている矢代に怒りを隠さず、
強引に身体の関係を迫る。
――本当にセックスが好きですね
離れていた四年の間に、百目鬼が変わったことを
矢代は身を以て知ることになり……

表題作囀る鳥は羽ばたかない 9

三和会系桜一家組員
裏カジノオーナー兼金主,40歳

レビュー投稿数41

No Title



やっとやっと読めたああああ!!

2024年最後に読んだBLが囀るなんて最高の締め括りなんだがあああああ!!


ああああもどかしいッッ!!矢代に幸せになってほしくてたまらんッッ!!

もおおおおめんどくさ可愛いしせつねぇんだよおおお。


言葉なく絵で魅せてくるから色々想像して心臓痛いし矢代の表情を見てるだけで泣きそうだしいい。


矢代の幸せを願いつつ年を越して2025年の姫はじめ(?)は囀る1巻から読み返したいと思います。


0

ネタバレ注意

ずーっとヤキモキしながら読んでいたけど、ようやく身体を繋げました〜☆うれし過ぎる〜!
でも、矢代はやっぱり鈍くて百目鬼の好意に気付かない。
百目鬼は百目鬼で矢代に本心を悟られまいとするから、益々矢代は気付かない。なんて、自己評価が低すぎるんだ!
百目鬼の入れ墨はほんとショックだった。泣。でもそこまで思い詰める一途さと覚悟が垣間見えた気がして歓喜もしていた。

0

ゼロ距離の攻防が切ない

相変わらず冷たい態度で矢代さんに体の関係を迫る百目鬼。体を重ねる度に自分の抱える矛盾に苦しむ矢代さんが切ない。あることがきっかけで矢代さんの体の変化を知る百目鬼に矢代さんとの微かな関わりすら絶たれる命令が桜一家の綱川よりくだされる。ここで彼の心の内が語られる。「感情を押し殺してきたあの人が逃げないように」キスすれば舌で、首筋に回された腕の力で、手を握れば手の力で、そして言葉で問い続けて矢代さんの様子を五感を総動員して確認する百目鬼。体を重ねる描写がすべて美しい。BL作家ヨネダコウ先生の実力が余す所なく発揮されていて、本来であれば萌えるはずなのだか、読むうちに矢代さんの心のキズの深さを思い知らされて胸が締め付けられる。関係を終わらせないための2人の決断にかすかな希望とそう装わなければならない2人の想いが迫ってきて切なさで押しつぶさそうな複雑な感情が湧いてくる。
桜一家の抱える問題に2人の関係に暗雲が立ち込める。矢代さんが抱える矛盾をどう百目鬼が取り去るのか10巻へ期待が高まる。
読後あらためて表紙、カバーの下のイラスト、帯のモノローグを見てみる…紙のコミックを手にする喜びを感じた1冊でした。

1

百目鬼ぃ…矢代ぉ…

百目鬼が墨入れてたの矢代と同じくらい驚いたけど、驚いたあと百目鬼なら入れるだろうなと腑に落ちてしまいました。
変わったように見えてやっぱり変わらない百目鬼。
百目鬼とならイける矢代。
逃げないように感情を押し殺してきたけど、矢代の百目鬼への気持ちがバレてしまった。
それでもまだ、ただヤりたいだけだと言う百目鬼に、もうそろそろ押してもいいんじゃない?矢代も優しくされたいんじゃない?と思いつつ、鈍感なわけではなく繰り広げられるこの駆け引きが今の百目鬼らしさなのかなと思ったりしました。
かと思えば優しく抱いてあの日のように足にキスしてくる百目鬼の言葉より素直な行動に、そうそれ!いいぞ百目鬼!となり。
このままいい雰囲気になるのを期待してしまうけど、そう簡単ではないのが囀るでした。
矢代は人は変わる生き物だと言うけど、変われもするけど変われもしないのが人間で、やすやす変われないものだと私は思う。
変わらないのは矢代だけじゃない。
濡れ場が多くて見ごたえのあった9巻でした。
ドラマCDで聴ける日がくるのを楽しみにしてます。

2

待ってました!!!

8巻が終わり?続く??続く!!!!?
といった終わりかただったのでずっと待っていました!
他紙で描かれているスピンオフの「Op」で二人が出てこないか目を皿のようにしていました。

2人の関係性が大きく変わった感じで始まる9巻。
お前本当に百目鬼か?いや…記憶戻っていないのか?百目鬼…百目鬼だった!!
となるような読後感…

893モノが大好きなので、淡々とした命のやり取りや、裏社会の小ネタなど
本当に面白かったです!
早く続きが読みたい!また待ちます!

3

No Title

Feelings that arise. Fury, sensuality, romance, lies and fears. Volume 09 is simply perfect.

0

矢代さんは姫

どっぷりハマって1か月余りの新参者です。その分、通しで何度も(10回くらい)読みました。

矢代さん大好き、絶対に幸せになってほしい。
9巻で、体はもう答えを出しています。百目鬼が5巻で望んだ「俺しかいらなくなるように、俺しか欲しくなくなるように」という願いは、もう体では叶っています。本当は心でも。そして百目鬼は「この体をもう誰にも触らせたくない」とも願っているから、井波や城戸なんかに体を許した矢代に、強く怒ったわけで。
ハッピーエンドとなる「終わりの始まり」の9巻後半だと思います。

でも最悪失明して、その代わり極道からの足抜けが三角さんからも許されて、目の見えない矢代さんを百目鬼が支えるというメリーバッドエンドの可能性もあり、そこは心配です。生きて視力を失うことはとてもつらいから、もし見えなくなっても片目だけで留めてほしい…。

クラブのママと百目鬼は体の関係はなく、2人が会えなかった4年間も百目鬼は矢代さん一筋だと思います。綱川組長から女関係を聞かれたときに、女もいないし風俗も利用しない、性欲は自己処理と百目鬼は答えていたので。

これは独自の推測ですが、ママは三角さんの半身だった黒羽根さんの姪の「ともこ」ではないかと思っています。店の窃盗を手引きした黒服から「泉さん」呼ばれていたけれど、夜の仕事なのでそれは源氏名。ともこは生みの母(黒羽根さんの姉)には捨てられているので、黒羽根さんが殺されたあと三角さんが面倒をみていました。
ともこは矢代さんと同い年で、保育士を目指していたけれど、諸事情で天羽の世話で桜一家がケツ持ちしているクラブのママに収まったのかなと…。
ただ矢代さんは若い頃のともこの顔は知っているから気づかないのかな、20年も経っているからどうかな?とは思います。

囀るでは、女性の存在はそれほど重視しないので、百目鬼の妹の葵とか綱川の娘の仁姫くらいしか名前は特定されていません。そこを、端役に過ぎない女の子に「とも」「ともこ」と複数回名前を明記していることが、引っかかっていました。

7

矢代さんの幸せを願って早幾年

読めば読むほどわからない。
ふたりの気持ちの行く先が…
まあ、そんなのどうだっていいから何かのせいにして取り敢えず体だけでも…
幸せってなんだろう?

6

幸せを願う日々

囀る鳥は羽ばたかないの沼落ちして1年になりました。日々矢代の幸せを願う私になり9巻発売が落ちてから初の大大イベント!
もう読んで涙!矢代ーー!百目鬼ー!と寝る前に想うくらいハマってしまってます。
この作品に出会えてありがとうございますと言いたいです。

6

既に変化は始まっている

『囀る鳥は羽ばたかない』待ちに待った9巻の発売です。

7巻から読み返して9巻まで読み、9巻だけもう一度読み、1巻から9巻までをとおしてあらためて読み返し、そしてまた頭から9巻を読んで。
その上で、この矢代と百目鬼という二人の以前と現在のあり方について考えていたら、感想を書くまでにかなりの時間が経ってしまいました。


1巻で矢代に「ウソが下手な奴だなぁ」と言われていたのがそれこそ嘘のように、現在の百目鬼は自分自身の思いや感情を覆い隠すことに注力しているように伺えます。
もう二度と悟られるわけにはいかないから。
二度と四年前のようなことは起きてはならないから。感情を制御し決して本音を口にはしない。そんな、この四年間を経てきた百目鬼の覚悟が見えるように感じます。

でも、それだけの覚悟を決めていてもなお、矢代に「仕方なく俺の性欲処理してただけだろ」と言われて微かに顔を歪める百目鬼がまだ、こうして生きているわけです。
このシーンからは、矢代からそのように言われたことに対する、百目鬼の複雑な感情が垣間見えるように思います。
これは不快感からのこの表情ではないはずです。

この直前に百目鬼は「俺としたいんですよね」「俺じゃなきゃ気持ち良くないんですよね」と言っていて、その言葉を矢代は否定していないわけで。

そしてそこからの「仕方なく俺の〜」、「なんのメリットがある」の台詞。
これらの矢代の言葉は、裏を返せば “お前がやりたくないならやりたくない” ですよねと。
こんなふうに駄々をこねられたら、うっかり本音を口にしたくなってしまいそうです。そうじゃない、そんなはずがない、と。
むしろ矢代がこんな言い方をするのは、“そうじゃない” のひと言を欲しているからのようにさえ思えてしまいます。
でも、幾らそう思えても矢代は矢代で、もしここで百目鬼が否定などしようものならばまた取り返しのつかないことになりかねません。
百目鬼にとって、このシーンは試されているかのような心持ちだったのではないでしょうか。

そんな百目鬼の一瞬の逡巡が、あの表情に現れているように感じました。

この後に続く「酷いの好きでしたよね」「…好きだよ」のシーン。この矢代ですが、なんだか安堵が伺えるなと。
このやり取りを見てすぐさま思い出すのは、少年時代の矢代の「痛いの好きだよな」「うん」のシーンです。
百目鬼は「酷いの好きでしたよね」の台詞によって、結果として矢代の中にある変わらない安全地帯を導き出したのかなと思いました。
この言葉によって、矢代の心が矢代自身に良くも悪くも戻ってきたように感じます。
変わらなくて良い、心を揺さぶられることのない、痛いのが好きで酷いのが好きなこれまで通りの矢代の居場所。

矢代には幼いころに、これは自分が好きでそうしているのだと、痛めつけられるのも酷くされるのも自分がそうされるのが気持ち良いからだと、そうやって自分にも周りにも言い聞かせ過ごしてきた過去があると思います。
これは辛いんじゃない、痛いんじゃない、これが好きなんだ、と。
その過去が今の矢代をつくりあげて来たわけです。
それを、痛い、酷いことをされるのは辛い、と認めてしまった瞬間、必死で生きてきた少年時代の矢代から現在の矢代までの、生き様すべてが瓦解することになってしまいます。

そしてその、矢代がつくりあげてきた居場所をおびやかす存在、それこそが百目鬼だったのだと思うのです。
彼を受け入れることは、矢代にとっては自分のすべてを一度手放すということです。
それだけではなく、幼い自分自身が受けて来た虐待を、あれは辛かったのだと、痛かったのだと、虐待だったのだと認めなければいけないことでもあります。

四年前の矢代はそれを認めず、百目鬼を受け入れることはありませんでした。変わらないことを選んだわけです。

でも、今なら。今の矢代なら。

9巻では、矢代は変わらない自分自身を家畜のようだと自嘲しています。
四年前に、こんな矢代がいたでしょうか。
1巻で「俺は俺のことが結構好きだ 俺という人間をそれなりに受け入れている」とモノローグで言っていた矢代です。
自分自身を受け入れているため、変わる必要も無ければ、積み上げてきた自分をわざわざ辛い思いをしてバラバラに解体しなければならないような必要もなかったわけです。

でも、現在の矢代は違います。
前述の9巻の独白からは、変わらない自分自身への微かな苛立ちが伺えるように感じます。
矢代がこのように考えること自体が、もう既に変化の兆しなのではないでしょうか。

既に変化は始まっているのでしょう。
矢代の心の内から、徐々に。


熱量が増してきた物語と比例して自分の熱もいや増し、原稿用紙5枚分ほぼマックスという過去最高の長さのレビューとなりました。
あらためて、このような素晴らしい物語を読むことができる幸せを感じています。
次巻の刊行を心から楽しみにしています。

17

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