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daraku kazokuron
受け、攻め以外に子供、キーマン(りりこ)の背景や心情や過去話、という風に通常より多いであろう情報量を、それらいつどこにもってくるかなど、構成大変だったと思うけど、見事上下巻にきれいにまとまっていて、素晴らしかった。
こういう話大好きです、ちゃんとエチシーンもあって完全燃焼できたし、星7つしたい!
でも欲を言えば、少なくとも3巻くらいかけると良かったような。
だって、特にセンタローの音楽の着地点は入れるべき要素と思うのに。
・各話での扉絵で目線がドキッとするほど色っぽいのがあって惚れた
・めぐるちゃんが最高にクールでかわいい(でも自分の娘ならしんどい)
・アニメイトの小冊子が当たりだった
・せんちゃんの子育てが愛おしくて泣ける
・トーマはクールキャラ一徹かと思いきや、けっこう狼狽えたりして案外かわいい
鶴亀まよさんの絵柄が大好きなのですが、今回のお話は設定が結構重めなうえに6歳の女の子にそんな二択をせまるのか……と購入を迷っていました。
でもやっぱりキャラクターが魅力的なのと絵柄が大好きすぎて思い切って購入。
受けに振り回される攻めが大好きなので、酔っ払って絡んだうえに記憶がない仙太郎と意識させられる藤馬にめちゃくちゃ萌えました。
表紙やカラー絵の色合いもとっても素敵でした。
雰囲気も暗すぎず、話のテンポがよくて読みやすかったし、表情や目線の描写が細かくて好きです。
そしてめぐるちゃんがたくましくてかわいい。
三人のほのぼのした日常をもっと見ていたいです。
上巻のレビューで揃いも揃って本音を隠したがるって書きまして、結局、本音というか真実をあらわにしきらないまま(読者にはわかるけど)終わる作品て珍しくて、面白いなと。めぐるとおばばは父親が誰か分かってんのか明確ではなく、藤馬と仙太郎が互いにしっかり好意を表明することもなく、生業としていたものを暴かれるでもなく、それぞれ隠し事ばかり。藤馬と仙太郎の関係は、これからが面白いところではあるから残念なんだけど。
あと共生を否定して共存と言って終わるところも家族モノの作品では見ない終わり方で面白かった。共生の方が近いし湿度があると少なくとも自分は思いますけど、彼らは詰まるところ家族ではなく、よき隣人であると。実際、仙太郎と藤馬はめぐるに対して本来なんも責任ある立場ではないですからね。おばばから金もらってるなら面倒はちゃんと見た方が良いとは思うけど、家族である必要はないと。
一方で凛々子やらおばばやら東海林(若頭)は完全に人を巻き込むタイプで、世渡りがうまいといっちゃうまい。しかし無責任なのでやや腹が立つ。仙太郎と藤馬は人が良好きでこういう輩共に搾取されるんだろな〜
描き下ろし、ガキができたと分かったときは確かに仙太郎を頼ろうとしたかも知れないけど、死ぬと分かった時に頼られたのはあなたも同じですよ。
それにしてもあんなに職質されそうな風体で、ポケットに粉をいれたままにするなよ。
下巻は一冊がすごくボリューミー!読み応えありな感じでとても楽しみです。
上巻では主人公3人の過去がイマイチはっきりせず謎多きまま終わった感がありましたが、下巻で全て謎もモヤモヤも回収してくれました。
とにかく、めぐるちゃんが可愛すぎる。鶴亀マヨネーズ先生の描かれる子供ってほんとにやばい。今思えば受けの男の子たちってみんな可愛らしかったので子供描かれてもめちゃくちゃかわいいんだろうなーと納得です。
とても面白いシリーズでした!
上巻ラストで酔った勢いから藤馬にキス&告白をした仙太郎。
以来、仙太郎のことが気になってしまう藤馬ですが…。
上巻では見事なまでのクズぶりを発揮していた藤馬ですが、
下巻ではその心中や過去が明かされてゆきます。
家族にめぐまれなかった過去。
そして、過去から現在に至る仙太郎への想い。
ヤリチンのくせに意外にもキスと告白一つで仙太郎を
意識しまくってしまったり、過去には仙太郎と凛々子の交際に
ショックを受けていたり…クソ野郎には違いないけれど、
それでもなんだか可愛く思えてしまいました。
最終的には家族とは言い難いけれど、
それでも家族のようなものに行き着いた3人の形が微笑ましかったです。
ただ、出来るならもう少し藤馬と仙太郎のイチャ甘も見たかった…!
こういうのが読みたかった!!
ハートフルで、でも闇はどこまでも暗くて。
作風としてはコメディタッチで進んでいきます。上巻に関しては、「これBL要素あるの??」と思うほどドタバタファミリーのコメディという感じ。
上巻最後からぐっとBL要素も入ってきて、家族愛、そしてBLのバランスが丁度良かったです。(えち要素は少なめです。)
自分の夢、誰かを愛し共に生きること、正しさ。そして、それら全てを内包した生き方について。全部が全部美しい訳ではないからこそ輝いて見えます。
仄暗い泥の中で真っ直ぐに生きていく3人の笑顔がたまらなくかっこいい。
2024年、3本の指に入る最高の不正解な終わり方です。
大好きな作品がまた一つ、増えました。
視点が変わることによって見えてくる「実はあの時こうだった」の答え合わせが出来た瞬間のなんとも言えない気持ち良さが好きです。
上巻時点では、3人の奇妙な共同生活がどう転んでいくのかが分からない展開だったので、どうまとめてどこを落としどころにするのかなと非常に楽しみだったのです。
結果、なぜかは分からないけど、この独特の雰囲気と適度なドライさが自分は好き。そんな結論になりました。
父親不明の子供と毛色の異なる大人の男2人。
どちらが父親になるのか?めぐるはどちらを父親に選ぶのか?
そんなきっかけから始まった寄せ集めの共同生活から、こんなにも色を変えておもしろい角度で登場人物の過去と内面を描くのかとすっかり魅了されてしまいました。
こちらの作品、物語のキーとなる「めぐる」の名前の通り、彼女を中心にさまざまなものが巡っていますよね。
だからこそ、読み手側がBL作品に登場する子供の扱いと、その子供に接する大人たちに何を求めるかによって評価が分かれる作品だろうなと感じます。
他人すぎず家族すぎない。
かといってドライすぎるわけでもなく、心配はするけれど父親気分というわけでもなく、子供を過度に子供扱いをしない完璧ではない大人たちと、大人たちを冷静な目で観察する子供。
いわゆる普通の擬似家族や、綺麗事を言う普通の大人と普通の子供の話ではなかったのがすごく好きでした。
「普通の大人」が言わなさそうな、飾り気もなければオブラートにも包まれていないストレートな言葉をくれる大人って、結構貴重な存在なんじゃないかな。
彼らの今後がどうなるのかまでは描かれていなかったのだけれど、個人的にはこのまま近すぎず遠すぎない距離感で、めぐるが大人になるまで成長を見守ってほしいです。
凛々子の自由さは…私には最後まであまり魅力的には感じられませんでしたが、凛々子なしでは3人の関係性は生まれなかったんだよなあと少々悩むところ。
でも、そこも含めて堕落家族論なのかなと最終的にこちらの評価になりました。
そして、毎話の扉絵がどれも空間の切り取り方がおしゃれで、次はどんな構図なのかなとページをめくるのが楽しかったです。
BL面に関しては、目線や手の動きと映像作品的なカメラワークにじわじわ萌えられました。
鶴亀先生のセンスの良さが光りますね。
BLというよりも3人の人間のお話、という名作です。
まず何よりカラー絵の構図、質感、色のセンスがありすぎて惚れ惚れします。
ヤクザの準構成員である藤馬とゴーストライターをやっている売れない作曲家の仙太郎と母親を亡くし父親決めをすることになっためぐる。
ヤクザをやっていようが、ゴーストライターをやっていようが、まったくいわゆる父親らしくなかろうが、ほんのり自己嫌悪に陥ることはあっても他人に糾弾されることなく普通や正解を押し付けられることがなかったのが個人的に最高に良かったです。
むしろ友達作ろうとしないめぐるが一番ああだこうだ言われていて、子供って大変だ、、と思ってしまったり。
そんなめぐるに対しても下手に寄り添ったり慰めてあげたり、そばにいるよ、みたいな同情をみせないというか、みせられない不器用さもとても良い。
最後に色々明かされた凛々子のことだけがちょっと切なかったですが、そこも美化しすぎることがなかったのがこの作品らしいなと思いました。
新しいタイプの子育てBL。
家族というよりも一緒に生きていたいから一緒にいる共同体という関係性が最高でした!
なるほど…
思っていたよりもずっと深いお話だったんだ…と、読み終わってから気付かされるような下巻でした。
3人が家族になるまでのハッピーな道のりが描かれているわけでもなく、藤馬と仙太郎の甘い恋模様が見られるわけでもなく…
どちらかというとそれぞれにツラい日々だった気がします。
「家族」というモノに疎ましい感情を持つ3人が
何の巡り合わせか一緒に居ることになったけれど、
その関係は上辺を取り繕おうという気にならないほどに希薄で。
特にめぐるの"無"の反応をみるのが一番苦しくて、こんなことをして何になるのだろう…と思ってしまったほどでした。
でも。そんな「家族」から一番遠いところにいる彼らが一緒に居ることを選んだのだから、きっと嘘も我慢もない選択なのだろうな、と。
全部が丸く収まることはなくても、すぐそばに共に歩む人が居る幸せをこれから感じていってくれたらいいなと思いました。
藤馬と仙太郎の気持ちもはっきりとはわからなかったけれど、そういうところも彼ららしくて良かったです。
コミカルな中にもしっかりと深いストーリーがあって、それがじわじわと追いかけてくるような。
とても読み応えのある作品でした。