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完全にバドエンではない
最終的にハピエンではないけど完全にバドエンでもない、けどまとまってない訳ではない感じで終わった。
良くないことをしている主人公の磐吉だけど、許せる余地を与えるような要素も程よく用意されてて、最低限話寄り添って読めるお話になってる。主人公クズすぎてどういう感情で読めばいいか分からない問題はたぶん起こらない。
女目線で読むと辛いだろうし、どっちつかずな状態の磐吉を責めるような人物も出てこないから少しもやる部分も出てくるかも。
個人的には磐吉の過去がサラッと説明されただけで終わったように感じたので、父親や京極との(昔からの)関係性も深堀されてたら嬉しかったな。1巻完結なら難しいところだろうけど…。あと終盤で磐吉の父親が急に良い奴感出してくるけど、あれは要らん。最後まで最悪な父親のままくたばってほしかった。
最後のモノローグ表現がすごい
Xのフォロワー様方の感想ポストで気になって、お迎えはすぐにしていたのですが今頃になって読みました。
舞台は室町時代。
少し言葉遣いが現代っぽい印象を受ける部分はありましたが、時代背景を色濃く反映させたストーリーでした。
そして、ありがち展開かと思いきや予想を裏切られました。
とりあえず攻めの性格が最悪だなという印象のまま読んでいたのですが、途中で色々と判明し...
最後の場面のモノローグとコマ割りが、そのどうしようもない胸の内を読者に畳み掛けるように展開され、お陰様で読後は放心状態でした。
この結末は何とも言えませんね...
不覚にも泣きました!
最初は表紙の構図の美しさと一文字のタイトルに惹かれ、又主人公の磐吉と浜路と時代背景が好みだったから手に取った作品でしたが、読み進めていくたびに浜路の健気さに胸が熱くなり‥何とか添い遂げるようなラストを期待していたのに‥ラスト漆話での展開に胸がズキンと読み進められなくなりそうでした。仕方ないこととはいえ娶った妻との間に子を成した磐吉‥浜路が可哀相すぎる‥この先の未来にも浜路の幸せがないのなら、せめて、本当に愛してくれる別の人に巡り合って欲しい、長船先生のその後のストーリーを読み、そう願わずにいられませんでした。鞠と京極との関係性も気になりつつ、心に深く響いた作品となりました。続編でたら絶対読みます!
瞞とは、だます、あざむく、くらますという意味。
時は室町。
酒屋の若旦那は気乗りしない宴席で、舞を披露した見習いの可愛らしい男に目を奪われてしまいます。
この出逢いが、後に2人の運命を大きく狂わせ、タイトル通り「瞞」な結末へとたどり着いてしまうのです。
はっきり言って読む人を選ぶ作品だと思います。
攻めはクズですし。
けれど、お話を読み進めていくと、攻めのクズっぷりはただのクズではなく、時代背景や彼を取り巻く環境。そして生い立ちがそうさせてしまったのかもしれないと分かってしまうから、ただのクズだとは思えなくなってしまいます。
だからこそ受けちゃんも、攻めのことを大切に想うからこそのこの関係性を受け入れたのかなと。
愛の多様性、難しさを考えさせられるお話でした。
攻めに妻子あり。
受け以外の女性とのキスシーンがNGな方は、ご注意を。
絵がとても綺麗で、とくに受けちゃんのまだ成長期前のあどけなさから成長した青年期、脂の乗った大人びた妖艶な姿等は眼福でした。
胸が苦しくなる
表紙のイラストが綺麗で購入しました。
この作品はハッピーエンドかバットエンドか人によって解釈が違う作品だと思うのですが、私は世界観に圧倒されてまだ解釈しきれていません。読了後も何度も読み返して自分なりに色々考えてみるのも楽しいと思います
重めの作品が好きな方には是非オススメしたい1冊です。
序盤と終盤の浜路の雰囲気の違いや2人の変化に注目して見てください！
エッチなシーンは少なめですがストーリー性が高く、読み応えがあります。
買ってよかったです！今後注目していきたい作者さんです。
とても深い
美しさの中にキリッとした冷たい雰囲気を感じる表紙と印象的な一文字タイトルに惹かれて購入。
最初こそよくあるBL的な展開となっていますが、途中からは現代モノではないお話だというのをひしひしと感じるような流れになっていくので、するりと読み進めるとその苦しさに飲み込まれそうになりますのでご注意。
でもそれが良さでもあるので苦しい部分にも味わい深さがありました。
磐吉と浜路がお互い求め合っていてもその気持ちだけでは一緒にいることが叶わない現実は、どうやっても曲げることはできなくて。
彼らの生きた時代にも己を貫き通した者もいたのでしょうが、磐吉にその選択肢はなく。
浜路もまたそれを理解せざるを得ないというのがなんともやるせなくて、ふたりがずっと同じ気持ちでいることに何の意味があるのかと問いたくなってしまうほど。
でも幸せのそばにはいつも負の感情はきっと存在していて、それを選んだのも彼ら自身だということに気付くとまた違う捉え方ができるお話のように思いました。
彼らの行く先には明るい未来も幸せな結末も待っていないこと。
それでも相手を想っている時間こそがふたりにとっての生きがいだったのかもしれません。
かなり細かく練り込まれていることが伝わってくるお話なので、そのぶんずっしりと重くのしかかる辛さがあるのも当然のことかなと納得。
受け入れるのが難しい場面もたくさんありましたが、そういうところも含めて深く引き込まれた作品でした。
その時代に存在したであろう歪な愛のかたちそのままを
時代モノ好きなひとにとって
単話の時から、絵から漂ってくる
ただならぬ雰囲気は
堪らないものがありましたよ。
電子リリースされて、早速読んだんですけど
なんていうかガチ過ぎて笑
最初に読んだ時は、不完全燃焼で
モヤモヤしちゃったんです。
それで、二度見するかの如く
読み直したんですけど
そうですよね、ほんとガチの
当時を描写したようなお話で
迂闊にも、普段のBL脳で
萌えやら、ハピエンだの考えては
いけないものなんだと。
室町って書かれてますけど、
ほんとそこ意識しないと浮かばれませんね。
今と社会の慣習や倫理観が全く違うので
正室の他に側室がいる世界。
商家でも、お妾さんがいる、
当時の社会では、武士の世界で聞かれた
小姓や役者との交わり、男色も普通にあったような世界観でこの話は語られてます。
私は、この理不尽とか、薄暗くて
いやらしい世界観が嫌いじゃなくて
新田祐克先生の『プリンス オブ サハラ』に入ってる「男弁天艶聞録」
座裏屋蘭丸先生の『眠り男と恋男』に収録されてる「待つ花」
などなど、只々グッときてしまうんですけど
このお話も、最後まで許されない恋のまま
時代ゆえの、どうにもならない社会のなかで生きる
悲しさ、周りの人達の苦悩を描いてるように
思いました。
エロスだけじゃなくて、ちゃんと
この先の人々が苦しみながらも生きていく
切なさが伝わってきて、
すぐにはっきり答えを欲しがる傾向にあった
最近の私の読書体験に歯止めがかかった感じでした。
基本、ハピエンが大好きなんですけど
苦しさも辛さも悲しさもガッツリ描いてあるのは
読み応えがあって、時代モノならではの
価値観壊される感じも凄く楽しかったです。
ただ、攻めが受けに惹かれていく
気持ちの揺れ、機微がちょっと飛ばされたかな…
でも当時の人とかって、主人公たちは
普段から気持ちを抑え気味なので
これはこれでありなのかな。
なかなか、良かったです！
初コミックスだということですが、
次回作も期待してます！
全体的にはアッサリですが
Amazonで予約したときのお届け日は確か 2月4日から6日にお届け と
1日発売の本を何冊か本屋さんで頼んでるからちょうどいいな なんて思ってたら1月28日に届いちゃったんです
なので またまたフライングみたいに飛び出してきちゃったけど 気になってた作品だったのでお許しいただきたい
さっそくですが お話の内容より先にお伝えしたいことがございます
※ ここより先 皆さまの地雷に関わるネタバレが続きますので【地雷は皆無】どんなお話も楽しく読める 間口ガバガバ な方(← それはお前なｯ！)はココまでで
閉じて 閉じてｯ
この作品『男の狡さ』に長けた作品だと思います
個人的には 辛い恋路や不実な愛を無性に読みたくなる時があるので はじめましての作家さまで読めたことは超ラッキー だったんですけど
なんだかもったいつけてるみたいなのでサクサクいきますね
次にあげる項目に自覚症状がある方はくれぐれもご注意ください
※ 主人公だけではなく みんな幸せハッピーエンドしか許さん
※ 主人公がモブレや強姦 屈辱的な目にあうなんてもってのほか
※ ふたりの間に女がでしゃばるなんて それが例え良い子だろうが 絶対 イ ヤ
※ どんな理由があろうと政略結婚や不倫はダメ
上記の項目 ほんの少しでも当てはまったら「意思･厄介私」に相談のうえ
それでも どぉぉやっても気になる方は これを期に専門家に なってみる？
店の繁盛のため父の命で奪われてきたもの 出逢ってっしまった最愛の人
事情を知らぬわが子に妻に 逢瀬の度に募る自責
ただただ愛する人と添い遂げるために選ぶ 己が生き方
んんん
どんなに傷ついても一目惚れの日にもらった「特別」に期待し諦めることもままならない浜路を健気と読むか
血を恐れ父に歯向かうように結婚を拒み 入知恵に乗るかたちで自分を守ろうとした磐吉を不憫に思うか
この父親がいなければ この酒屋に生まれていなければ こんな出逢いじゃなかったら
読んでてだんだん たら・れば三昧になりつつも 確固たる想いがそこにあるのでね
しかもこれ 嫁の器量の上に成り立ってるようだけど 三者三様いい根性してるし
思いの外 恨み辛み 裏切りの部分の描き方が薄いし 切り返しのテンポのよさがあるのでせつなさや苦しみを存分に味わう ってのはなかったかな
逆にふたりの情の部分を一番に押してくるので ここまで愛しあえたなら死なば諸共 地獄の底 行きつくところまで共にいくんだろうね となんだかホッコリ？
その声で 肌で 感触で 温もりで魅せる【瞞】の欲深で淫靡なくせに美しいこと
あまりの順風満帆な終わりに多少のバチは望んだし 中途半端さというか 不発感は残ったかな
でも一味違うなにかはあったのでね うん 敢て好みが分かれるとしたここかなとは思いますが
あ あたしは気になる作家さまがまた増えて 相当ご満悦なんですどね ｳﾌﾌ
