Rebirth ~聖騎士は二度目の愛を誓わない

Rebirth

Rebirth ~聖騎士は二度目の愛を誓わない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神114
  • 萌×231
  • 萌6
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

67

レビュー数
20
得点
716
評価数
156
平均
4.6 / 5
神率
73.1%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784576221915

あらすじ

生まれ変わっても、お前を愛しはしない
腹黒わんこ後輩騎士×クールすぎるビューティ騎士。裏切った恋人と幸せだった過去にタイムリープし!?

聖騎士・ガブリエーレは処刑される。生真面目で融通のきかない性格が禍いして教会から濡れ衣を着せられた上、恋人・アレッシオの偽証により罪が確定したのだ。己の不器用な生き方を悔い、裏切ったアレッシオを恨みながら、断頭台で命を失ったーーはずだった。生きて目覚めたガブリエーレは三年前に戻っていた。アレッシオが好きでたまらず、恋人になったばかりの幸せな日々に。ガブリエーレは自分を陥れたすべての人間に復讐を誓うがーー!?

表題作Rebirth ~聖騎士は二度目の愛を誓わない

ガブリエールを裏切った恋人,16歳?
奸計により処刑された聖騎士,19歳?

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数20

今世と前世、二人のガブリエーレで二度美味しい

本当に本当に面白い物語でした…。
面白過ぎました。面白過ぎてまた1ページ目から読み返しています。

物語中に組み込まれた対比がとにかく素晴らしいです。
ガブリエーレとアレッシオの対比。ガブリエーレの前世と今世の対比。

一度最後まで読み終えてからまた最初から読むことで、それらの対比や伏線などがより色鮮やかに浮き上がってきます。
例えば前世、足の手当をするアレッシオにガブリエーレが「痛みには慣れてる」と言ったことへのアレッシオの反応など。その言葉に、アレッシオは地方での鞭打ちの件を思い出してしまったのかな、などと想像してしまいます。
再読することで二度三度楽しめる、素晴らしい力を持った作品です。

今世ではガブリエーレの変化のみならずアレッシオの心情が(ガブリエーレが彼を理解しようとしたことによって)より見えてくるため、アレッシオの変化も大きいように思えます。
今世でのガブリエーレの、達観したがゆえの思い切りの良さ、周りを見ることができるようになったからこその余裕と包容力、先を切り開き運命を変える力にとても惹き込まれました。
意志も強く能力も高い、計算でも動けて物事に対して決して受け身にならない凛々しさと図太さを備えたさまがキャラクターとして大好きです。

とは言え個人的には、前世の真面目で愚直で余裕がなくて心と視野の狭いガブリエーレも結構、いやかなり好きです。
不器用なところも、物事を自分の思いたいようにしか受け取れず見たいようにしか見ないところも、ただの一人の人間、といった感じで良いよなあ…と。

アレッシオもガブリエーレのそんな部分に魅力を感じたのかもしれないですね。
そしてガブリエーレが転生してからは、彼の持つ二面性に振り回されつつより一層惹かれてしまうという。

ガブリエーレ、罪な男です。
男前な受け、最高です。

1

読み物としては面白かった

 ストーリーは他の方が詳しく書かれているので割愛します。

 散りばめられた伏線が積み重なって真相へと導かれていくストーリー展開は、ミステリーを読んでいるようで面白かったです。

 ただ、恋愛の部分はスパイス的な感じで、切なさや萌えはあまり感じられませんでした。
 裏切った相手である攻めに対する疑問が完全に払拭されないまま、二度目の人生では徐々に受けが攻めに惹かれていくのですが、拷問で爪を剥がされたり歯を抜かれたあげく首を落とされるという一度目の人生が悲惨すぎて、攻めに惹かれる心情に寄り添えませんでした。
 物語の最後で、一度目の人生では意図的に裏切ったのではなく、不可抗力でそうなってしまったのだと明かされますが、それまではずっとモヤモヤが残っているので、告白シーンでも、喜びや感動は薄かったです。

 最後に攻め側の事情がわかったときも、受けに対して気持ちがあったのなら、手紙を送って事情を説明するくらいはできたんじゃないかと思ってしまいました。有力な貴族の跡取りなのだから、処刑される受けを見殺しにするのではなく、何か助ける手立てはあったのではないでしょうか。

 あと、悪魔がより多くの魂を欲していたのなら、一度目の人生で悪魔と契約したときには、なぜ悪魔は攻めにそれを教えなかったのか疑問です。他人の命でも契約できるのなら、最初から、受けを陥れた人間の魂を犠牲にして、受けを生き返らせることもできたのでは。
 それに、きっと下っ端の騎士たちは隊長の命令で荷物を運ばされていただけなのに、不正に加担した人が全員命を奪われてしまったのは、犯した罪に対して罰が重すぎるのではないかと思いました。

 以上のように、色々と細かいことは気になりましたが、読み物としては面白かったです。


0

ミステリー要素が強い作品

恋愛要素を期待して読むと肩透かしを喰らいます。
話は面白かったのですが、受けのガブリエーレのかっこよさばかりが目立つ作品という印象でした。攻めのアレッシオは正直影が薄かった。

二度目の人生が割と予想通りに進んでいくし、最初にアレッシオと致してからガブリエーレがそういうことにすぐ慣れてしまうのもウーンって感じでした。
逢瀬してとりあえずヤッて日々の疲れをお互い癒し合って…みたいな描かれ方。まぁある意味ではリアリティがあるのでしょうが、一度目では生娘のようにピュアだったのに違和感を覚えました。

最後はスカッとする終わり方ではありましたが、あっさりと終わってしまったとも思いました。トントン拍子とも言うんでしょうか。何もかも上手くいっていて、一冊で綺麗にまとまっているとも言えます。
小中先生得意の攻めザマァ展開も期待しましたが、今回はそれもありませんでした。代わりに悪者を退治したスカッと感を味わった感じでしょうか。

評価が良かったのと、いつもの展開を期待しておりましたが、途中で読むのを止めてしまいそうでした。終わりよければ全てよしで、読後感はよかったです。

3

死に戻り系読み応え大なファンタジー

「これで、ようやく死ねる」
物語の始まりは強烈なモノローグ。
赤黒く染まった石畳。喚き立てる観衆。無慈悲な断頭台。
愛していたはずの恋人・アレッシオにも裏切られ、愛憎入り混じるどろどろとした感情と絶望感に襲われながら、今まさに命を絶たれようとしているガブリエーレの姿に釘付けになってしまう。
もうこの時点でこれは面白いに違いないぞと確信した方はきっと少なくないはず。
読み進め始めたらページをめくる手が止まらない。
読み手を没頭させる魅力がある作品でした。
奈良先生の挿絵も素晴らしい。
以下、大きなネタバレはないレビューとなります。

帯にもあるタイムリープの文字を見てしまうと、うん。最近流行っているよね。なんてちょっと斜に構えてしまった自分がいなかったと言えば大変失礼ながら嘘になるのが正直なところですが、小中先生が仰っているドシリアス"死に戻り"ファンタジーというワードに思わず心が躍ってしまいました。
死に戻り。ものすごいパワーワードじゃないですか?

いやあ…すごい作品です。本当に面白かった。
物語全体に流れる雰囲気はかなりシリアスめなもの。
というのも、あらすじにもあるようにこちらの作品は、一度死んだはずの主人公・ガブリエーレが死に際ギリギリまでの記憶を持ったまま、なんの因果か数年前の過去へと巻き戻ってしまった先で、今まで自分を陥れた者すべてへ復讐を果たそうとするお話なのです。
これだけを見ると、なーんか難しそう。しかもファンタジーなんでしょ?と思う方もいるかもしれない。
ただですね、なぜ・なにがあっての今なのかについての説明が簡潔でわかりやすく、小中先生が書かれる文章も読みやすいため、物語の世界観にするりと入り込めます。
復讐という題材のシリアスさと恋愛面のバランスが絶妙なので、最後まで飽きずにぐいぐいと読めてしまう。お見事です。

時が巻き戻った世界で復讐を誓ったガブリエーレ。
いっそ愚鈍とすら感じられるほどに清廉潔白で真面目な人です。
これは周りから疎まれることにもやや納得が出来てしまうかもしれないな…と思える、なかなかに色んな方面でお堅い人物像でしたので、そんな彼がこれからどんな愛憎劇を繰り広げるのか?と思っていると、これがまた良い意味で予想を裏切られていくのが気持ち良い。
1度目の人生を軽く振り返った時点での彼への印象は、個人的にはあまり好ましいと思えるものではなかったのです。
むしろ、ガブリエーレよりも攻めのアレッシオに対しての方が好感度が高かったのかもしれません。
…だったのですが、どん底もどん底からの"死に戻り"を果たした彼といったら、魅力がどんどんと増していくではありませんか。
強く賢く、人間くささもある魅力的な青年へと変化していく様は(繰り返しになりますが)非常に気持ちが良く、読み終える頃にはとても好ましくてたまらない存在になっていました。
相乗効果でなのか、謎めいたアレッシオに対しての印象も良い方向に変化していくんです。
快活そうに見えて弱い部分もある攻めがお好きな方はきっとお好きな攻めだと思う。
欲を言えば攻めのアレッシオ視点ももう少し読んでみたかったですね。
2人の間に流れる甘い雰囲気も、1度目の人生では見られなかった関係性の強まりも、2人を取り巻く周囲の人々も非常に魅力的でした。3バカ騎士トリオが私は好きです。

誰が味方で誰が悪なのか?
誰も信じられない状態から誰を信じ、複雑に絡み合った巨大な思惑の謎をどう解いていくのか。
作中に散りばめられた少しのヒントをガブリエーレ達と共に集めながら、大きな真実に辿り着いた時の面白さたるや。
ぜひ1度読んでいただきたい作品です。

ファンタジー作ではありますが、小難しくはなく、かといって決して軽くはない読み応えのある360P超。
これはうれしい分厚さですよね!
あっという間に読み終えてしまうほど面白かったです!
コミコミスタジオさんの特典ペーパーにアレッシオ視点のSSが掲載されているので、入手が出来そうでしたらこちらもぜひ。

2

裏切った恋人に復讐を…から始まる愛

死に戻り&復讐ものという好きな要素たっぷりの作品ということで手に取りました。

愛する人に裏切られるなんて…
なんで…という気持ちで読み始めたのですがとても面白かったです。

処刑場面から1度目の人生を振り返る描写で物語に引き込まれました。
家柄が良く清廉潔白で信仰心に厚いガブリオーレ(受け)が教会で順調に出世していったところで不正を見つけてしまい濡れ衣からの処刑されてしまいます。
恋人アレッシオ(攻め)にも見捨てられ強い憎しみと復讐心を持ったまま3年前へと死に戻ってきたところから物語が動き始めます。

犯人探しをする中でガブリオーレがアレッシオとの接し方も変わっていき、自分自身の行動を省みる部分が良かったです。
視野が狭く信仰のためだけに生きてきて、周りが見えてなかったガブリオーレが二度目の人生で成長し変わっていくところに共感しました。
そしてアレッシオと深く関わることで以前は知らなかった彼の秘密や弱さを理解していく展開で真相が明らかになっていき最後はアレッシオが精神的に強くなっていくことでやり直した意味が見出された気がします。

2

時間を逆行 真犯人探し

斬首されて、死んだ瞬間に、
ガブリエーレは、人生がばら色だった時期にタイムワープ。

でも、自分が死刑になった切っ掛けを証言した恋人、
二度と振り回されまいと恋人を避けまくる。
でも、あることに気付いて、自分を貶めた真犯人を突き止める。

タイムワープ+真犯人探しの推理もの。
結末は、ハピエン。

0

二度目の愛とは

ガブリエーレの処刑でアレッシオが見せた表情。
まあ、そんな風になってしまっても当然なんじゃないかしらって序盤で思ってしまった。
告白しておきながら、釣った魚に餌をやらないガブリエーレ。そのくせアレッシオへの独占欲が強く、猜疑心の塊みたいなガブリエーレ。
復讐心がやり直し人生の支えとなって、一度目の人生でなせなかったことをあっさりなして、そこはグッジョブ、ガブリエーレ。
そして、良かったね。アレッシオ。
ふたりの関係がガブリエーレのやり直し人生によって深まっていくのは見ていて楽しかった。
ガブリエーレが一度目の人生で見えていなかった、まわりの人たちの良さが二度目でも気づけて良かった。
個人的には愛すべき三バカ、シモーネ、マリオ、ダンテが好き。
人生に時を遡ったやり直しは効かないけれども、今からだったら何かできるんじゃないかって、ちょっとだけ勇気と希望をいただけた。

3

最高

やはり小中先生の作品は最高だなと改めて思いました。

ガブリエーレ、なんて可愛くて格好いいのか。
普段がクールで真面目だからか、アレッシオに対する感情とかの描写が余計に健気で初心で愛おしい。

ストーリーも最高でした。
一度目だって彼はただひたむきに頑張ってただけなんですよ。なのにあんな末路を辿ることになって……。
本当なら憎しみと恨みに囚われて余計に周りが見えなくなってしまいそうなのに、彼はちゃんと冷静になれる人だった。
そして自分の前世の行動や態度を反省出来る人だった。

二度目の人生では誰が敵なのか味方なのかは漠然と分かっていただけに、腹の探り合いの描写などはスリルがあってひやひやします。

そして最後に一番おいしい思いをしたのは誰なのかと考えるとちょっと怖くもなる。

ストーリー全体的にシリアスな分、恋愛描写の甘さが引き立ってにやにやして、奈良先生のイラストも綺麗で、読了後の満足感が半端ないお話でした。

5

死に戻りファンタジー

とても面白かった。
家柄が良く清廉潔白で信仰心に厚い受けが教会で順調に出世していたら、不正を見つけてしまいあれよあれよと濡れ衣からの処刑コースへ。義兄弟の契りを交わしていた攻めにも見捨てられ強い憎しみと復讐心を抱えて3年前へと死に戻る。

犯人探しだけじゃなく受け自身の行動を自省する内容も良かった。頭でっかちで自分の信仰のためだけに生きてきて、周りが見えてなかった受けが二度目の人生で成長し変わっていく様子が面白い。そして攻めと深く関わることで以前は知らなかった彼の秘密や弱さが明らかになっていく展開も良い。

攻めの立場や人となりを知ると、記憶を持って死に戻ったのが受けの方だったのにも納得がいく。最後まで読んでみると受けがめちゃくちゃ逞しい。メンタルも身分も受けの方がつよつよ。受けは二人で幸せになるぞ系だけど、攻めは受けが幸福ならと自分を諦めてしまうところがある。誰が敵かもわからない教会内の陰謀や駆け引きも面白かった。

5

裏切らないダークファンタジー

小中先生と奈良先生のタッグは買うしかねぇ!と購入。小中先生は色んなテイストの作品を何作品も産み出される引き出しの多い先生だと思いますが、今回はダークファンタジーです。先生の作品はダーク系が特に好きなのでとても楽しみにしていました。

そして裏切らない完成度!
タイムリープものは物語に齟齬が生まれたり説明が長くなったりと難しいと思うのですが、スルスルと読めちゃう。複雑な展開もストレスなく、説明に過不足なく、お色気も挟みつつ(奈良先生は神)といった満足の一冊でした。

主人公のガブリエーレは融通が利かず頑固、人間関係の構築が苦手で、良くいえば清廉潔白、悪く言えば石頭のコミュ障。性格が災いして陰謀に巻き込まれ処刑されますがなぜかタイムリープして、というお話。

新しい人生をやり直す拠り所は自分を裏切り死に追いやった恋人と、正体不明の黒幕に対する復讐心です。
でもガブリエーレ、根が素直なんでしょうね。これまでの自分を反省し、前回の人生で取り零してきた真実・周囲の思い、過去などに気づいてどんどん変わって魅力的になっていきます。
そして抑圧していた心を解放し、あえて深い関係になった攻めアレッシオを知るほど、復讐と愛しさで心が揺れていきます。アレッシオの気持ちは演技だったのだろうか?と。
ガブリエーレの心の動きや、周囲の人の変化が魅力的に書かれていました。

受けでも攻めでも、過去(今回はタイムリープなので未来ですが)を反省しながら足掻く人物が大好きなので、たまらんかったです。

攻めのアレッシオは、子犬の皮を被った大型犬です。可愛い。えっちのときちょっと意地悪なのもよし!瑕疵のなさそうなアレッシオの真実に迫るシーンはドキドキです。

どうしてタイムリープしたのか、黒幕は誰なのか、アレッシオの心は、と途中でやめられない展開なので時間をたっぷりとってのめり込んでほしいです。

最後、巨悪と対峙したガブリエーレの決断が、正義ではなく自分の欲望に依るものだったのが、とても人間らしくダークファンタジーを貫いていてよかったです。

7

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