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yuge no muko ni asa wo miru
恋愛に本気になれない大学生と、3年付き合った同僚に結婚を機にフラれて実家である銭湯に戻ってきたサラリーマン(28)の話。
親にも自分のパートナーが同姓であることをカミングアウトしていて、「会ってみたい」と言われていた中でのこの展開。結果的に恋人だけでなく仕事も失って、明るく振る舞っているけど内心はボロボロで、気を抜いたら涙を流してしまう。そんな精神状態。
そんなタクミを支えるサツキが、変に手慣れているでもなく、かと言って初すぎないというのが、ちょうど良い。都会ではないけれどものすごく田舎ではないのだろうという街の雰囲気ともあっている。
もう二度と恋をすることはないと思った。こんなことで絆されるなんて、どうなのかと思った。それでも、過去に自分を捨てた男と目の前の男はまったくの別人なわけで、一度ミスしたらコンティニューできないなんてルールはなくて、差し伸べられたあたたかい手を、先はわからずとも今掴みたいという思いで掴む。そんな恋の話。
優しくて素敵なんですが、個人的には何かもう一つ欲しかったなという印象です。
三年交際していた恋人♂が、黙って結婚を決めたことでフラれてしまい、退職して実家に戻ってきた受様と、そんな受様の実家に下宿している攻様のお話。
三年ってかなり長いのですよね。その間、受様ときちんと恋人してたのなら、元カレもちゃんと受様を想っていただろうことが伝わり、それでも結婚を選んで、別れ話もなしに受様を捨てたという事実が、しんどさを増して伝えてきます。退職してでも離れたかったほどなんですよね。
傷心がこれでもかと伝わってくるのに、それを表には出さずに振る舞う受様にまた切なさが。
一方、好きとはなんぞや、な若い攻様。
即落ち2コマかな?な勢いで受様の涙に一目惚れし、転がるように恋に落ちます。
この、好きとはなんだと理屈で考える前に、一瞬の内に全力で恋に落とされたが故に、受様一直線な攻様の実直さがとても良かったです。
経験を重ねたが故に自身の性嗜好と向き合わざるを得なかった受様と、経験を重ねる前が故に走っていける攻様。
すごく優しいお話でした……!
3年付き合った彼氏と別れ、仕事を辞めて地元に戻った匠。そこで実家に下宿する早月と出会うところから始まるお話でした。
冒頭の元カレとの別れのエピソードはすごく苦しいもので、何でもないようにして見せる匠の笑顔が本当に切なくて…
いくら頑張っても越えられない壁に気付いてしまったら、すべてを一旦おしまいにしてしまいたくもなるよな、と。
そんな空っぽな時に早月に出会って告白されるけれど、すぐには気持ちを受け入れることができない匠。迷わず想いをぶつけてくる真っ直ぐさが怖かった部分もあったかもしれません。
でも早月がブレずに伝えてくれたからこそ、匠の心は救われてまた前を向くことができて。出会ってくれて良かったなと思いました。
そして匠の母ちゃんは本当にすごい人だなと感じました。昔からたくさん悩んできた匠にいつも寄り添ってきたのでしょうね。何があっても揺るがない親子関係ってすごく素敵だなと、しみじみ。
切なくて苦しい過去を乗り越えて、ふたりが心を通わせていくまで。甘さも感動する場面もあるとても素敵な作品でした。
想像していた以上に良かったです。
受けが序盤から不憫で仕方なくて切なかったので、攻めが現れてくれて本当に良かったと思います。
元恋人に裏切られたこの過程が本当につらくて。あらすじには振られたなんて書かれてますが、そんな優しいものではありません。
同性間で結婚できない現代では、この別れ方は残酷で苦しいものでした。
直前まで好きだった相手ですから、受けが元恋人を引きずるのも理解できます。
そんな弱った彼に一目ぼれしたのが、攻めでした。
強引ではないけれど、ぐいぐいと頑張る彼だからこそ受けの枯れかけだった心を潤していきます。
どこまでも臆病な受けと、そんな彼に寄り添っていく攻め。
2人が恋人になれたときは、ほんとうに良かったと安堵しました。
↓ネタバレ含みます!
あらすじで気になり購入してみました。三上志乃先生の作品は初めて読みましたが、絵柄も好みでストーリーもとても良かったです。
三年付き合った元彼が黙って女性との結婚を決め、退職し実家に戻ってきた匠。そんな彼に一目惚れしたのは初めて恋を知った早月。そんな傷ついて恋に臆病になっている匠と恋愛初心者ながら頑張る早月のお話です。
匠が切ない…。タバコ吸いながら一人で涙流してるところとか切なすぎて私も「泣かないで…」と思いました。元彼が開き直ったクズとかならもっと吹っ切れたのかもしれませんが、土下座して泣いて謝ってるところを見ると吹っ切るにもなかなか吹っ切れなそう…。確実に最低なことはしているんですが彼にも色々と苦悩があったのかなぁ…と少しだけ思いました。
恋を覚えたての早月が可愛かったです。グイグイと行動力がありストレートに言葉をぶつける真っ直ぐさが良かった!年下攻めの良さもとても感じられました。真っ直ぐに気持ちをくれる早月のおかげで徐々に恋の傷が癒えていく匠、自分の気持ちを言葉にできて、それを受け止めてくれる早月がいて良かった…!
付き合った後に1話あります!匠が幸せそうで本当によかった。甘える匠が可愛くて幸せそうで良かったです。描きおろしでは元彼に傷付けられた匠だけでなく過去一人で傷ついていた匠まで救われたように感じられて良かったです。
匠のお母さんや早月の友達もとても良い人達でした。読後は心が暖かくなる素敵なお話で良かったです。大切に読み返します。
連載一話目から追っていました。
ずっと三上先生のファンだったので、途中から電子レーベルから本誌連載に切り替わりとても嬉しかったです。
元カレが女性と結婚し、自分がゲイということと改めて向き合わなくなってはいけなくなった匠と、ドノンケで「好き」がよく分からない早月くんのカップルです。
連載当時、回を追うごとにカッコよく可愛く、どんどん積極的になっていく早月くんに毎話「頑張れ…!!」という気持ちで堪らなかったです。
匠の、「早月くんなら信じてみたい」という感情と、「もう傷つきたくない」「早月くんならもっと良い人が」という感情の揺れ動きの描写は、前作に引続き三上先生の繊細な心理描写ならではだったと思います。
個人的に、夏祭りからの早月くんが匠の母、修子さんに匠の幼少期の映像を見せてもらうシーンがお気に入りです。元カレ、大和と会いたがってたのに「ごめん」と謝る匠に対して、「なんで匠が謝んのよ」とそのセクシュアリティを肯定して慰めてくれる素敵なお母様、修子さん。
夏祭りを通して、ノンケの早月くんの告白に対し冗談として受け止めず「気持ちを冗談にされんのは嫌じゃん」と昔の自分と重ねる匠。「もったいないよ」と直接告げられてから、修子さんに幼少期の匠のビデオを見せてもらいます。
その当時から自分が他の人と違うことに不安や、周りに合わせなくてはいけないという感情が垣間見えて、改めて匠がどんなに辛い思いをしてきたのか目の当たりにする早月くんの辛さや、それでもまっすぐに向き合いたいというひたむきさがひしひしと伝わる回でした。
その後の匠の心がどうやって溶けていくのか、どれだけ幸せな未来が待っているのか、少しでも多くの人に読んでもらえたらと思います。
本当に本当に本当に大好きな作品です!
ノンケの年下攻め。
そんな攻めの一目惚れで初恋っていう事実さえ心に落とし込んで読んでいければ、もうあとは胸キュンのオンパレードでした。
あらすじだけだと、よくあるほだされまくりのBLかな?と思ってましたがそんなことはなく、心の動き具合は丁寧に描かれていたのでしっかり物語に入り込めました。
元カレの引きずり具合とか、受けに振り向いてもらうための言動とか、妙にリアルなテンポ感が楽しめてよかったです。
実家が銭湯というBLには美味しいシチュも堪能できたし、常に隣の部屋に相手が居てお互いのことを考えられるシチュも、とにかくドキドキがとまらない要素満載でした。
ライトBLで後味サッパリ系が好きな人には絶対刺さるお話だったなと思います。
三上志乃先生の作品は初読みでした。
初読み作家さまだということで、そんなに期待しないで読んだんです。スイマセン…。
でも読んでて匠がふと見せる寂しげな表情に引き込まれてました。普段は明るく見せるべく振る舞ってるのが何だか痛々しくて、目が離せなくなっていました。
そんな匠に惹かれて行く五月が、若さ故に真っ直ぐで眩しいんです。イケメンでモテモテなのに恋をした事が無くて、不器用ながらも必死で距離を縮めていく様子にキュンと来ました。
匠に恋する事によって、今まで自分がどれだけ不誠実だったかに気が付くんです。
特筆すべきは匠の母親の存在で、小さな頃から匠がゲイだと気が付いていて、傷付くたびにそっと見守って来たんですよね。その自然体な様子に凄く感動しました。
過去の恋から新たな恋に臆病になっていた匠でしたが、誠実な五月に段々と気持ちが傾いて行く様子が凄くいいんです♡
2人がそういう意味で意識して行くところに凄く萌えましたね。泣き虫の匠が凄く可愛いと思ってたんですが、やはり歳上ってことでリードする姿が凄く色っぽいんです。描き下ろしのエチにはちょっと驚きましたが…。
五月の親友2人も凄く良い子たちでした。
映画を観てるような気持ちになりました。
下町の情緒もあって賑やか、ほっこり。
派手さはなく地味めな感じです。
とても良いストーリーです!沁みるし胸がギュッってなります。
匠の切ない子ども時代や恋愛、苦しい心理描写もあります。母親がゲイの理解者であることが救いで、子どもの頃から匠の苦しんでいるところを側で見ていたと思ったら、胸が張り裂けそうでした。匠のお母さんが、本当に素敵なお母さん!
お母さんの気持ちがあったか過ぎる…。
恋愛に諦めの気持ちを抱いた匠が、実家の下宿人の大学生の早月に一目惚れされて告られますが、早月の気持ちに積極的に向き合えずにいます。匠の過去を考えれば消極的になるのは納得…今までどんなに報われない恋愛や悲しい経験をしてきたんだろう…>_<
早月は今まで誰かを好きになったことがないモテ男くんだったのが、匠に一目惚れをして初めて恋をしました。早月が結構攻めてくるので匠はタジタジなんですが、初恋を知った早月が不器用だけど頑張ってる姿が微笑ましいです^ ^
匠も早月に惹かれているので、あとは時間の問題。過去を吹っ切ること、心の整理とひとつの後押しだけ。
ようやく早月の気持ちを受け入れ、2人は両想いになります。すぐにエッチ……早いような(笑)早月は周囲の目を気にせず、匠との付き合いを堂々としています。カッコいいね〜
切ないシーンから始まったけど、最後は幸せなハッピーエンドでした!
商店街風情や、近所の人たちとのワチャワチャ人情味溢れるやりとりがとても素敵だなぁと思いました。実家が銭湯って良いなぁ〜^ ^