0パーセントの花束

0percent no hanataba

0パーセントの花束
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神46
  • 萌×219
  • 萌8
  • 中立4
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
11
得点
334
評価数
79
平均
4.3 / 5
神率
58.2%
著者
三上志乃 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ジーオーティー
レーベル
picn comics
発売日
電子発売日
価格
¥760(税抜)  
ISBN
9784823601064

あらすじ

大企業の社長である父と優秀な兄・航(わたる)に
劣等感を感じている巴(ともえ)は世話役の南雲(なぐも)と共に自宅の離れで生活をしていた。
南雲への気持ちを押し殺し、一人で平気なふりをして日々を送っていたが南雲の方から好きだと告げられてしまう。
「愛しているから一緒にいたい」「愛しているから離れたい」お互いの気持ちは交ることはなくーー。

表題作0パーセントの花束

南雲佳人,25歳,巴の世話係
水敷 巴,20歳,大企業の社長令息

その他の収録作品

  • 描き下ろし(6ページ)
  • あとがき(描き下ろし)

レビュー投稿数11

優しいお話

帯に書いてある言葉「孤独な2人の、交わらない両片思い」。
まさにこの言葉がしっくりくるような2人のお話でした。

受けの巴は大きな会社水敷家の息子の1人。出来る兄の航と比べられ本家とは離れた場所で暮らしている。そのお世話係が南雲。
出会ったのは11年前で、その時からずっと一緒。出会った当初は距離感がつかめなかった間柄だったけれど、共に過ごすうちにお互いを知っていき……というお話です。

南雲も巴も、2人とも健気なんです。お互いのことを大事にしたくて、だからこそ手放したくて、でも離れたくない。
南雲のことを思って巴は1人身をひそめるシーンがあるのですが、その間4年。
どれだけの思いで、どれだけの気持ちで、相手のことを思って身を引いて、11年もの間一緒にいた時間を何度も思い出しては泣いてしまった夜もあったんだろうな。とうるっときました。
南雲は南雲で、いなくなった巴のためにきっと探そうとしたし手を尽くしただろうけれど、たとえ見つけても自分のためを思って身を引いた巴のことを躊躇してしまう自分もいて。でもそれすら自分のエゴのように感じて気持ちががんじがらめになっていたのかも…と思うと、お互いを思い合う気持ちが強すぎるゆえなのかなと重ねてきた時間の重みを感じました。

やわらかい絵柄に優しいお話が重なってとても素敵な作品です。
出会えてよかったと心から思った作品でした。

8

心が震える繊細で素敵なラブストーリー♡

初めて読んだ三上志乃先生の作品です。
三上志乃先生のデビューコミックスになります。

巴の世話係 南雲 佳人と花屋のアルバイト 水敷 巴のお話。

大企業 水敷不動産の次男 巴は、優秀な長男と比べられ劣等感を持って生きていました。
ある日、父親は施設育ちの14歳になる南雲を巴の世話係として雇います。
それから11年間 南雲は20歳になった巴の世話係を続けていましたが…。

少女漫画のような可愛らしい絵柄の中にどこか力強さも感じられるタッチが、作品全体を優しさとせつなさで包み込んでいます。
三上志乃先生の丁寧な心理描写に加え、巴と南雲の距離感を上手に描かれており、ゆっくりと静かに沁みていく物語だと思いました。
また、過去の回想シーンを絡めながら2人の生い立ちをきちんと説明しているのも良かったです。

小さい頃から優秀な長男とは異なるタイプだった次男 巴。
優しい母親は、花図鑑の「クリスマスローズ」を指差し、「咲き方はひとつじゃなくたっていいのよ」と伝えます。
同じ花は咲かない「クリスマスローズ」…それは、巴の誕生花でもありました。
ところが、その母親は小学生の巴のお迎えに行く途中で亡くなってしまいます。
大企業の跡取りになる兄の教育で手一杯の父親は巴を「出来損ない」として扱い、住み込みで働ける世話係を探しました。
それが、施設で育った南雲だったのです。
南雲は赤ん坊の時に「南雲ひだまり園」の前に段ボールで置き去りにされていました。
「俺、いらなかったんだな」
誰にも必要とされないまま中学生になった南雲が出会ったのが、9歳の巴だったのです。

お互いを大切に想い、必要としているからこそ、すれ違ってしまう2人の心。
愛する人の未来を考えたときに巴の出した決断とは?
この先はネタバレなしで本編をご覧ください。
何度も読み返したい心が震えるラブストーリーに仕上がっています。
個人的には、巴の髪の長さは最初の頃の方が好きだった(汗)

このお話には、当て馬は登場しません。
脇キャラでは、巴の父親と兄 航が登場します。
父親と航は最初と最後では印象が異なり、誰もが複雑な思いを胸に生きていると感じました。
いつか、また「家族」になれる日が来るといいな。

描き下ろしは、本編のその後のお話です。
最後から3コマ目は必見ですよ!
神さま、本当にありがとう(泣)

ストーリー構成がしっかりしていて、伏線も回収されており、最後まで綺麗にまとまっていました。
巴と南雲の視線や感情の起伏など、それぞれの性格を十分に活かした表現力は素晴らしいです。
まだ粗削りな部分はありますが、デビューコミックスでこのクオリティはすごいと思いました。
これからも楽しみにしています。

本編の最後に描かれているスズランの花言葉は「幸福の再来」です。
叶わない想いの0パーセントの花束から、愛が溢れて抱えきれない程の花束に…。

――二人に永遠の幸せを。

14

静かな雰囲気

全体的に静かな雰囲気って感じです。
母が亡くなってから家族とうまくいかない受け(小学生)と、その受けを世話する攻め
物語の始まりは大人になった2人が、お互い意識しながら何か一歩踏み出せるきっかけがない。
家族や攻めの将来を邪魔したくないから逃げる受け、数年後で再会してハピエンを迎える。家族とのわだかまりも解消出来そうな終わり方です
とても綺麗な表紙だが初めての作家さんで、どうしようかって迷ってましたが、
タイトルのつけ方も好きなのでとりあえず購入してみました。
エロ描写はほんの少し、割とあっさりです。
物語も、よくある設定ではあるが描写がきれいで、静かに胸にしみてくる感じがします。
読みやすくて、BL初心者も手を取りやすい作品です。

5

抱きしめたくなるような二人

これはもう母性本能がくすぐられるいじらしく健気な2人がもうたまりません!

虐げられた運命に贖い幼い2人が支え合って生きる姿を見るにつけおばさんにはうるうるときてしまう‥
この二人を思い切り抱きしめてあげたい‥とか。

私的には表紙絵にはあまり惹かれませんが‥作中の絵柄はごちゃごちゃしていなくて綺麗で読みやすいです。
少女漫画っぽい絵で上手い!という程ではないのかもしれませんが、私は好みでした。
何しろ‥黒髪寡黙に目がないので‥南雲くんには♡(๑♡∀♡๑)やられました!カッコイイよ!
主従もの好き!スーツも好き!には萌要素有りです!

巴くんは小さい時はとってもかわいいんだけど大人になってからは少し地味になってしまって‥美人受け好きの私にとってはちょっと物足りなかったです。

ストーリーはとても良く出来ていていいお話です!雰囲気もよくどんどん引き込まれていくのだけど、なんせ後半の流れが早い早い‥
二人は両思いになってパピエンで良いのですが、お父さん、お兄ちゃんとても味のあるキャラなのですが展開が早すぎて気持ちの変化がイマイチ掴みきれず、結局あっさりしたお話で終わってしまったかも。
2人が離れていた年月は読み手の想像にお任せ的な‥。
後半がもう少し詳細に登場人物を描けていたら終始涙を誘うお話になったんじゃないかと思うと残念でなりません。(>_<)

でも、初コミックとは思えぬ作品!
今後も魅力的なお話を描かれるんじゃないかと楽しみです。

ライトなものから読んでみたいと思われている初心者さまにオススメ!です。



4

花に託す想い

母の死後、父と兄とは一緒に暮らすことなく
世話係として雇われた南雲と共に
離れで暮らすことになった巴。
そんな南雲と巴の両片思いのお話です。

まだ幼い巴が自分の立場を理解していたり
それに気付かざるを得ない状況が
出来上がってしまう家というのは
想像するだけで居心地が悪いですね…
物語の中のこととはいえ、
仕事や家柄のことしか考えられない
お父さんは本当にダメ人間です。
ちなみにお兄ちゃんも
人間的にはわりとダメな奴です。
なので南雲が巴を大切に想って接してくれて、本当によかった~!と思いました。

南雲と巴は
お互いのことを尊重しあうが故に
すれ違ってしまったんですよね。
堪えきれず溢れた南雲の気持ちに応えてしまえば
彼を正しくない道へ進ませてしまうんだ、
将来の邪魔になってはいけない、と
巴はそう考えてしまったんですね…
その考えに至ったのはトラウマのせいなんだろうな~
そうだったらやっぱりお父さんが憎いな(笑)

南雲に贈った花束は
全部描かれてはいなかったけど
ちらりと見えたクリスマスローズと
その花言葉から巴の気持ちが伝わって切なくなりました。
ほぼ全体的に明るいお話ではなかったけれど
何年経ってもぶれない南雲の気持ちや
花にこめた思いを知ってか知らずか
巴のことを忘れないでいたことなど
最後のほうで話が繋がったのは読んでいてスッキリしました。

三上先生は人物の気持ちを目で表現するのが
上手な作家さんだな、と思いました。
デビュー作とのことでしたので
また次の作品も読んでみたいと思える作家さんでした。

2

ずっと胸が苦しい〜…。゚(゚´ω`゚)゚。

三上先生の作品は、「湯気のむこうに朝をみる」「ピットスポルム」と読んできましたが、本当に胸をギュッと掴まされる素敵なお話を描かれますね。こちらも素晴らしかったです。
切ない恋心と心理描写が上手くて、こんな風に展開していくのかと驚きと期待でいっぱいでした。
私が読んだことある作品のどれも家族との関わりがあって、BL展開と家族愛を絡ませたストーリーにはグイグイ引き込まれてしまいます。

0パーセントの花束は、家族に距離を置かれた孤独な主人公のお話で、感動よりそっちのシーンの方で涙がダバダバでした。父と兄…なんて仕打ちをするんだよっ!ってギリギリしましたが、父も兄も悪意の感情で距離を置いたワケではなく、最後にはちょっとした歩みよりもありました。
……だけど!!子どものときの家族からの拒絶にも似た扱いって、とても残酷なものだと思う。今さら感もあって、(私は許せないけど)少しずつ歩み寄れたら良いのかなと思います。やっぱ家族だしね。


話をBLの方に戻しましょう。
家族から離された主人公・巴のお世話役になった南雲が、巴を守っていく使命感のなか巴に好きの気持ちを抱いているのですが、南雲が兄の秘書になったことで巴は南雲から距離を置こうとします。

とことん父と兄!どこまで巴に残酷なことを…と怒りですわ。巴への接し方が分からないにしても、悪い方向へいってしまってることに気づいてよー


南雲が本当にいい男で惚れ惚れしました。巴が南雲のことを考えて離れようとしても、追いかけて追いかけて。巴への本気の愛に感動しました。日常の2人の生活もキュンですが、激しく巴を求めて追いかける南雲にはドキキュンです。

再会してそのあとすぐベッドシーンに突入は早急すぎないかな?と思ったけど、そんくらいの気持ちの昂りだったんでしょうね。多くないコマ割りのなかに、激しく求め合う2人の熱い気持ちがプンプン伝わってきました(//∇//)


最後は最高の結末。一緒に暮らせたってことは、父と兄から2人の仲を認めてもらえたってことなんですかね。良き良き╰(*´︶`*)╯♡
その後のお話もっと見たかったです。
切ないシーンが多かったので、あまあまのラブラブシーンもたくさん欲しいです。

1

泣いて泣いて泣きました

最初から最後まで素敵な作品でした。切ない系だとこちらの作品がダントツで好きです!クライマックスで感動で泣く、とかのレベルじゃないほど泣きました。作品の中盤からずっと涙を垂れ流していました。感動したのはもちろんなのですが、キャラクターの心情の表し方が上手すぎる!と思いました。キャラクターの気持ちがひしひしと分かりやすく伝わってくるためこっちまで心が痛くなり、泣いてしまいました。ただ、再会からセックスまでの流れが早すぎたので1段階下げた評価にしました。それ以外はとっっても素敵でした!最高の作品をありがとうございます!

1

不遇なふたり

初コミックスなのかな?
絵はかわいらしい感じ、特に主人公の巴はあどけなくかわいいキャラ。
けれど、大会社の息子として生まれながら、できが悪く邪魔者扱いされて育ったようです。
その世話係になった南雲も、施設で育ち、無気力な様子でしたが、なぜか住み込みで働ける仕事を探していた。その辺の動機が読み取れなかったけど、巴の世話係として希望通り働くことに。

二人だけで暮らし、最初は何も出来なかった南雲も完璧な執事状態に。
巴は自立を意識してか、花やでバイトをしている。

しかし、南雲を跡取り息子(巴の兄)の執事にするべく、別居をよぎなくされた二人。
お互いに好きだけど、言ってはいけないといったんは分かれてしまう。。

運命や、雇用主である父兄らの意向から逃れられない二人。
お互いに成人して仕事を持つ中で再会し。。というストーリーでした。
ずっと不遇だった巴が、自己肯定してもらえるシーンがクライマックスで感動を誘います。

しかし、邪魔をしてくる父や兄が少し無理矢理だったかなあ。
ひどいことを言ったり、同じ家にも住まわせないなど、序盤はなかなかつらいです。なぜかラストでいい人に変わっているのが受け入れられませんでした。同じ人間として理解できないというか。。
その辺りがもう少しリアルに描かれていたらよかったなーと思いました。


2

クリスマスローズ

初めての連載作品だそうです。
お話の雰囲気とあとがきの書き文字がピッタリだったので、なんとも納得の作品でした。先生ご自身がこういう雰囲気の方なんだろう。

従×主好きで、特にかしずき続けていた"従"が、豹変して"主"を食うシーンがツボなので、そのあたり嬉しかった。豹変と言っても無理矢理ってほどでもないので、皆さん受け入れやすいかと。話全体は…正直普通というか、生い立ち含めてよくあるネタ詰め合わせ感があったかなぁ。

シーモア限定おまけ 巴の料理

1

寄る辺ない子供たち。

とにかく子供達が不憫で。不憫で。
寄る辺ない子供たちが、寄り添いあって生きて行く、ささやかで温かい物語の様に、粉砂糖をまぶしているいるかの様だけど。
結構不穏な、ネグレクトのお話なのだ。
巴は、ほんの幼ない頃に「出来損ない」の烙印を押されている。後継者には優秀な兄が居るので、そもそもお呼びではない。しかも巴を迎えに来る途中で、優しい母が亡くなった。父の悲しみは幼ない巴に向けられる。
巴は広い敷地内の離れで独り、暮らす事になる。世話をするのは施設から連れられて来た、14歳の子供・南雲だった。
衣食住は与えられたから、これはネグレクトではない。とする向きもあるだろう。母の死を悼む巴は、そっとしておいて欲しかったかもしれない。それでも。これは子供に対してすることか。鬼か。
施設で普通に育った南雲は当初、ろくに料理も出来ないただの子供だった。クールで冷めた子供だったけれど、いじらしい巴を、自身の寂しさと投影したのか。憐憫の情が湧いたのか。お世話係をきちんと全うして行こうとする。南雲が優秀な青年に育った事に目を付けた父は、巴が成人して、養育の義務を免れたと思い、今度は自分の事業を継ぐ長男の秘書にと南雲に言いつける。
引き離される2人。されど。もう心は慕いあっている2人。互いの幸せを願い合う2人の健気さやいじらしい気持ち。
そこからはもぅ、怒涛の、いえ、優しさの展開なんですけども。
いやはや。仕打ちがね。もちろんハッピーエンドをきちんと予想させてくれるだろうとしているんです。分かるんです。
でもなぁ。辛いよ。幼なき者に、これはいかん。その間の、人非人的父や、当たり前の様に傲慢な兄も。普通の弱い人であったかと思うので。色々もやりました。
いっそ巴が、実の子じゃ無いから、憎いとか。あるある昼メロドロドロ展開ならば。スラッと読めていたかもしれません。いやそれも酷いけどねぇ。

巴の誕生花がクリスマスローズというのも、如何にも不穏。この花には毒がある。作中に書かれている一見いじらし気な花言葉の他に、「中傷」なんて言葉もあって。なかなか不幸なのだ。

細っそりしていて、顔は小さいのに、頭の大きな南雲が転ばないかどうか、途中とっても気になってしまったのも、ポイント。

6

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