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double suicide
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
めちゃめちゃお久しぶりな気がするトジツキさんの新刊。トジツキ作品であること、そしてあらすじを拝見して、めちゃめちゃ面白そうやん…!と発売を心待ちにしていました。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
大学生の桂は偏食で食べられるものが限定的。食事を作らず食べず、菓子パンなどで空腹を満たしている。ベジタリアン、というわけではないが5歳ころから肉の類が食べられないのだ。一人暮らしをしているが、そんな彼の食生活を心配する母親から時々連絡があり、実家に帰って食事をしている。
母子家庭で育った桂だが、年の離れた兄・栖がいる。年が離れているからなのか?栖は弟を可愛がり、そして桂もまた、栖を慕っている。
ある日、大学で桂は一人の女子学生と知り合いになる。高校生の時に恋人を亡くし、そのショックからリスカをし続けているという品川さん。彼女の傷、もっと言うと血を流す姿を思い浮かべた桂は、経験したことのない衝撃に襲われ―。
というお話。
これはBLなんだろうか。
もっというと、恋愛ものなのだろうか。
そんな思いに、読後囚われました。
初めに書いてしまうと、濡れ場、はもちろんキスシーンすらありません。そして何より、今作品は「血」そして「人を食う」というものがずっと付き纏う作品です。好みが分かれる、というよりは苦手な方はとことん苦手な作品かと思います。
桂が偏食な理由、それはー。
その謎を追う形でストーリーは展開していきます。
個人的にはめっちゃドツボに突き刺さる作品でした。桂が、求めているのはたった一人。兄の栖だけなんです。でもそれは、いわゆる肉欲を含む恋愛感情というのとは一線を画しています。
帯にも書いてあるのでここでも書いてしまいますが、栖を、食べてしまいたい。それは比喩的な意味ではなく、物理的な意味で。
トジツキさんらしい、ちょっと青年誌ぽい絵柄、っていうのかな。そういうものも相俟って、よりBLらしさは鳴りを潜めている感じ。オカルトな、あるいはホラーな側面も持ち合わせていると言ってもいいかも。
栖は、母を、そして弟を深く愛しています。それはもちろん家族愛として。そこに桂は付け込む。兄が自分を見捨てることができないことを知って、あえて。
共依存、なのかな。
私は、栖は、桂のすべてを受け入れようとしているのだと思いました。
そして桂は、栖のすべてが欲しい。
愛と言えば愛。でも不健全と言えば不健全。
甘々で、心が温かくなるような、そんなお話が読みたいときにはお勧めしません。流血、人の死といったダークな部分もがっつり描かれています。そういったものに耐性のない方には回れ右をお勧めしたい。
まるで1本の映画を見終わったような、そんな感じ。
お好きな方にはガッツリ嵌まるであろう、そんな退廃的な魅力を秘めた作品。
萌えとか恋とか、そんな半端なものではない。
相手を食らい尽くそうとする、壮絶な凶暴な愛が、今作品には描かれています。
分かりやすいキュンはないけどめちゃくちゃ面白い!っていう漫画でした。サイコスリラーみたいに心理的恐怖をあおってきます。飲血がダメな方にはおすすめできません。
BL的カプはガチ兄弟の栖と桂。主人公は桂で、静かな狂気を秘めながら栖に執着してます。栖は恐ろしいほど健全。彼女がいて常識を持ち合わせていて、家族思いで何も知らない。オカシイのは明らかに桂の方なんですが、栖の方が見ていて不安が募りました。
転機は品川の事件で、動揺した桂の元に駆け付けた栖が、スプーンを移動させるシーンが妙に心に引っ掛かります。この時点でははっきり分かってなかったのに、栖は意識的に不利な証拠を隠して弟を守ったような?そういう人間が桂を理解しようと踏み出したらどうなる?と考えると怖くてたまりません。
ラストに向かってその思いは加速していき、二人(と正体不明の影)の世界に閉じこもってしまったような彼らに、読者の私も切り離された感覚になりました。背の高い木々に囲まれた家の描写がまた雰囲気出してきてすごいです。
曖昧な終わり方で、これは一体何だったんだろう…と思いながらタイトルを見ると、最高にゾワっ!とします。総毛立つってこんな感じ?ってなりました。栖への気持ちはまだ子供の執着や依存に近い桂ですが、その精神から未熟さが消えたときにどうなるのか、二人の行く末がとても気になります。
こ、これは…
えらい問題作ですね。。
帯の「兄貴を食べたい」も衝撃的ですが
衝撃の展開でした。
BL?BLといえば兄弟の執着モノですが
OPERAとかでやりそうな雰囲気でもありますが
神とか萌えとかどう評価をつけたらいいのか難しいですね。
ですが確かに面白い作品です。とても。
人は選ぶと思いますが極上だと思います。
ざわざわしてぞっとする
オカルト?なんだろとにかく他にない感じです。。
余韻もすごいし私は好きでした。
お兄さんを一時は手に入れたけど
バッドエンドしかないような結末。
メリバなのかな
殺人衝動ではないんだけど食べたいって
兄も付き合ってあげてるけど
こんな事は続けられるのか
そのうち殺しちゃうのかなとか色々…
トジツキ先生を読むのはお初だったのですが
1話だけ単話で読んで引き込まれ
絶対紙で欲しいと思いました。
祖父の戦争時肉を食べた記憶、嗜好が遺伝していく…
そゆこと??
そして品川さん…
3話でえー?!死んだんかいってだいぶショックでした。
血のスープ、だめな人にはだめでしょうね?
異常ですもん。
なるべくネタバレなしで読んだ方がいいと思いながら
兄が彼女と別れる結末はレビューで薄目で見てしまったんですが
いや、そうするしかないよねっていう
恋人にも言えないし
そんなまさかっていう。
にやりする桂。サイコですな。
double suicideって調べたら心中って意味みたいで
タイトルの意味を知ってまた
わーお…って思ってしまいました。
桂が大人になって我慢して生きるのか
破綻が来て心中するのか、、
お兄さんにかかっている?
また読み返してきます。。
読み終わって私は今何を読んだんだと思わせる力を持つ作家様だと思ってはおりましたが
今作は特に人を選ぶ作品です
BLとは何か
男が希求せずにはいられない相手が男ならBLと呼ぶならこの本はまさにそうだろう
弟は兄しか欲していない
それも細胞のレベルで求めてるのだ
多分アジアの南国戦場で曽祖父が経験した余りに強い記憶がDNAも書き換えたんだろう
この家族のもしかして男にしか現れない強い欲求
人間の3大欲求の筆頭である食欲
しかも強い飢餓感を伴い長い間放置されたままのその欲望を前にすれば性別や家族は関係ないだろう
祖父は別だが
父の事を考えるともしかして家族がトリガーかもしれないという考えが脳裏がよぎった
君を食べてしまいたい
愛を表現する慣用句にもなっている言葉の裏に濃厚な独占欲と所有欲が見え隠れするが
人は遠い過去濃厚な体験でDNAを書き換えた末裔なのかもしれないなんてことさえ考えさせられた
そして一見穏やかに物語が終わる
兄はあれからどうなるのか
変わるのか
それとも?
読んでてブルリと背中が震え
正直ここで終わってほっとしてしまった
この家の扉を閉めることができてよかったと思ったのだ
そして又震えた
そう考えさせる事こそ作者の狙いなのではないかと思ったのだ
ここで終わらせる事に
兄弟という閉じられた関係を選んだ事に
作者の恐ろしさに体の芯が震えた
このお話はサイコスリラーか濃厚なBLか
きっと多分両方だと思う
文句なく神作品と思うが読むかどうかきちんと考えて読むべき本だと思う
夏の熱い夜に読むと冷えます
食人欲に苛まれている大学生の弟・桂(けい)と、母親と年の離れた弟が大切な、外交的で爽やかイケメンのサラリーマンの兄・栖(さい)の、血に翻弄されたガチ兄弟の共依存ストーリーです。
参考までに書くと、自傷他傷、手首を切っての流血、皿にある血をスープのように飲んだり、キーキャラクターの女性が死んでしまったり(自殺)します。
「人を食べたくなる」感覚から逃れるために、菜食&菓子パンを食べている桂。実は桂だけではなく、父も祖父も同じ症状に苦しめられていたが、栖には兆候はみられなかった。そしてとある事件を切欠に桂からのカミングアウトを聞いた栖は、弟のために自分が何がどこまでできるかを模索するようになって…という感じなのですが。
最初、表紙とジャンルを見てファンタジーじゃないカニバリズム…?食欲と性欲的なお話なのか?とか色々考えました。そして実際読んでみた結果ですが。私的には最高でした。方向性としては、メリバなのかもしれません。ですが、ラストだけでその後の妄想と考察がはかどることはかどること。あれってもしかしてそうだったの?これってもしかして…? これからもしかして…!が止まらなくなっちゃって、また始めから読み返してしまいました。
数々の謎が描写されていますが、作品上では明確な答えは載ってはいません。が、投げっぱなしでもなく、もしかしたらこうかもね的な判断材料はあるように感じました。
この二人の関係には、恋人、好き、愛してるというようなベクトルではない、嫉妬と羨望、執着心と庇護欲、依存心と諦念感、享受心や順応力、孤独感と飢餓感、などなど、掛け合わせたら物凄く薄暗くなるような感情がひしひしと感じられて、本当にゾクゾクしましたね。ジワジワきます。 そして、ラストですよ。 あぁ、やっちまったんだな、と。
エロいシーンは桂の自慰描写が2か所さらっとあっただけですが、このどうしようもなく、いかんともしがたい感情のやり取りを読めて良かったと思います。
余談ですが、ダブルスーサイドという単語は聞いたことがあったけれど意味を知らなかったので、この期に調べてみたんです。
…タイトルって、やっぱりすごいなと思いましたね。
結構軽い気持ちで読み始めたのですが、読後の衝撃が凄まじく、これはよく考えてから読むべき作品だと思いました。
恋愛をしていないので、厳密にいえばBLではないと思います。
でも完全には否定できず...
弟から兄への執着は、血が目的だとしても度が過ぎて、別の感情が含まれているようにも思えました。
過程がきつくて、ここから幸せに向かうのかと思えばそうではない。
どこにも救いがなくて、でも悲しいバッドエンドには感じません。
薄暗い展開に慣れてきたところで、どうなるのだろうと読めば、まさかの展開に。
その後がいくらでも想像できる、余韻を残す作品でした。
BL以外でも通用する内容です。
大まかにはタイトルから予想できる内容ですが、読んでいる最中も読後感もゾワゾワする感覚。
「もうどうでもいいや」というモノローグと予感のはかどる絵で終わるところがなんとも言えない読後感。
単話の感想にも書いたけどCoCに似ている気がします。
ああいうのがお好きならぜひどうぞ。
個人的には「どうでもよくないぞ!!!」とお兄ちゃんが頑張るルート希望でしたw
細かい内容としては
品川さんと桂の言ってること(治ってしまうから腹が立つ)は割りとリアルなんじゃないかな。
品川さんは重要なキーパーソンで彼女の気持ちを考えると気の毒なような、良かったねというべきかわからない気持ちになります。
(品川さんは桂を好きになりかけていたように感じる私は少数派なのでしょうが)
栖の恋路をものすごく遠回しに妨害する桂は気持ち悪いですw
こんな弟嫌だw
こんな感じにすっごく解りにくい心の機微が描かれていて、それを筆が走ることもなく淡々と描くところとか本当に好きです。
評価は神ですけど、内容も作風も人を選びますのでお気をつけください。
カニバリズム系読んでみたかったので手をつけましたが想像以上によかった。
血を飲む、人を食べたいという描写を必要以上に騒ぎ立てることなく、みんなが静かに向き合って淡々と自分の欲求を満たしていく感じが好きです。
全体的に絵が綺麗で黒の使用率が少ないからこそ血が際立つし、キャラの表情が無に近いものが多いので次の展開が読めず、ずっと背筋がゾワゾワしてました。
最終的には兄弟の共依存とも違う、桂くんの依存をサイくんが許して受け入れるという関係性に落ち着きましたが、今後サイくんも血の味を知り完全なる共依存となってしまうのか、それとも弟を見捨てられずズブズブになり続けるのか、いつかは弟を見捨てて逃げるのか、それも読めないラストなのがまた最高でした。
これでも兄弟だからこそここまで逃げることも見捨てることもできないで2人で堕ちていってるんだろうなと思うととても良いですね!
個人的には兄が弟見捨て、弟が死もしくは堕ちて、兄絶望みたいな展開も見てみたかったです(超個人的性癖)
小説読んでるような感覚になりました。
ホラーのような、喪失感もあって、飢餓、も。
BLっていう感じしないです。
主人公は大学生。これといった覚えはないけれど、肉が食べられなくて菓子パンなどの甘いものを食べています。大量に。
大学にリスカ癖のある同級生がいて、血に反応したことをきっかけに交流がはじまります。
目の前でリスカしてもらい、衝動的に血をなめます。
この時点でおわかりになるかたで、苦手な方がいたら読むのをやめたほうがいいです。
主人公は自分のルーツを考えます。父親は自殺しているが肉を食べなかった食生活。祖父に噺をききにいったところ祖父も同じでした。
祖父の父親、主人公からしたひいおじいさんにキッカケがあることがわかります。
戦争。南国。飢餓があったでしょう…
そこで何をしたか、なぜ人を食べたいと思うのかがはっきりとではないですが、わかります。
もう、映画です。
父親が自殺した原因も絶望感を想像すると、どうしようもなかったものかと考えさせられます。
呪いなのか、呪いは遺伝するのか、
明かされないままです。全てをはっきりさせたい、BLらしく、というのが好みの方はおすすめしません。
絵柄は青年漫画のような線がはっきりしていて、固いです。好みわかれると思います。女性があまりうまくないです。性別どっち?ってなります。
それを気にしなくなるほどの内容です。
依存、とか欲望とかよりももう1段階深くて、じっとりと巻きつくような感じです。
真夏にいいですね。
これ、続かないですよね…。終わりどころにホッとしています。
トジツキハジメ先生の新作だ…
もうBL描いてくださらない?と思ってたので嬉しい。
…と思って読んでみたら。
どうも普通のBLじゃない。
非常にミステリアスで、奇妙で、恐ろしくて、かなり?ホラーっぽい。
心がザワつくストーリーだった。
主人公は大学生の桂(けい)。
ベジタリアン。と言いつつ菓子パンばっかり食べてる。
なぜ肉を食べないのか。
それは。
血の味を妄想で思い出すから…
兄・栖(さい)が缶切りで指を切った記憶。栖ちゃんの血が忘れられない…
桂が血に何かを感じていることに気付く女子学生・品川。彼女はリストカット常習者で、桂と品川は奇妙な関係に陥っていく。
品川が腕を切り、血を皿に溜め、桂がそれをスプーンで飲む…
なんともおぞましく、病的。
しかし描写は淡々として、桂も品川もそんな事何とも思ってないみたい。
だがある日。
そのいつもの「儀式」で、桂の部屋で品川が死んでしまう!
一体これは何の物語なんだろう?
桂は兄の栖に強く執着しているし、栖は桂の異常な要求をどうやら受け入れて。
そして、桂の衝動はどうやら遺伝らしい。やら。
桂が見る誰かの幻。やら。
結末は、これで終わりなのかどうかも曖昧。
続く描き下ろしもなんとも不思議な内容です。
「ダブル・スーサイド」ってこの物語の中で何を意味してるんだろう?
深読みを誘うが、どこまで読んでも謎だし、何よりこの兄弟はこの欲求と供給を日常にしていくことに決めたようだ。
でもそれは暗くも怖くもない淡々とした日常。もしかして2人して人間やめました、的な?
やっぱこわいかも。