条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
saezurutori wa habatakanai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
6巻を読み終わった時、これは7巻発売まで待てないなと思って雑誌で追いかけることにしたんですけれども。
なんていうかもう内容が全然甘くないので、1話読んでは2ヶ月(もしくは4ヶ月)待つ日々は寧ろ精神修行の反復訓練のようでした。
強くなれた気がします。笑
さて、6巻のラストで離れ離れになってしまった矢代と百目鬼。
あれから4年の年月が流れ。
36歳だった矢代は40歳なのかな?闇カジノの経営者になっています。
以前の矢代とは少し違った表情に中年の色気を漂わせながら三角さんと並んでお酒を飲んでいる姿に、あぁ時間は過ぎてしまったんだなぁという何とも言えない物哀しさを覚えました。
一方、矢代に捨てられ行き場をなくした百目鬼は、天羽のはからいで綱川に預けられていました。
25歳だった百目鬼は29歳ということですね。(まだ20代なのか百目鬼…!)
百目鬼もまた以前とはすっかり顔つきが変わって、昔以上にヤクザとして生きていることを思わせます。
黒シャツの百目鬼、手には黒のレザーグローブ。すごくすごくカッコいいけど、虎のトレーナーを大事に着ちゃうような百目鬼はもう見れないのだろうな……と思うとこちらも何とも言えない気持ちが募ります。
でもね、
そこでタイトルのテーマに戻るんですけれども。
ちょっとここからはうまく伝わるように書けるかなという感じなんですが、読んで感じたままに書いてみます。
後半で綱川が矢代にこう聞くシーンがあります。
“人は変わるもの”
“変われるもの”
どっちだと思う?
矢代は“変わるもの”と答えます。
私はその答えが「あれ?なんだか、らしくないな」と思いました。
矢代って外的要因の影響を肯定するようなタイプだっけ?と。
案の定、綱川もこう続けます。
俺は“人はどうせ変わらない”派だ
てっきりアンタもそうだと思った
7巻自体がこの“変わる”“変わらない”について描いていたように思います。
人は変わる。
人は変わらない。
きっとどちらも正しいと思います。
多分答えは、その時比重の大きい方が口を突いて出てくるだけに過ぎないと思っています。
人にはおそらく一生変わることのない軸のようなものがあって、それをアイデンティティと言いますが、そっちを見て答えるなら“変わらない”と答えるだろうし、そうではなくもっと表層のメンタルやフィジカル的な変化の方に意識がいっているなら“変わる”と答えるんじゃないかなと思うのです。
で、綱川は、前者の“人の本質”のような視点で話していて、矢代も当然そっち視点で答えてくるタイプだと予想したと思うんですよね。
けれど意外にも矢代は後者の視点で答えてきた。
矢代の頭の中には“人は変わる”を実感する出来事の方が先に頭に浮かんでしまったってことですよね。
それが自分の内面に起きた変化なのか、4年ぶりに再会した百目鬼を見て「変わったな」と感じた思いなのかは分からないけれど。
事実、百目鬼の言動は矢代が知っていた頃とは少し変わっています。
「俺がどう生きようと何になろうと俺のものです」と矢代に向かって言っちゃうようになっているんですから。
百目鬼のこの言葉を聞いた時の矢代の意外そうな表情。何を思っただろうか。
・・・という、そんなやりとりを経ての、その後の第43話で繰り広げられる2人の「変わった」だの「変わっていない」だのの会話は、矢代の心の中を思いながら読むとなんともむず痒くて仕方がなかったです。
矢代のことを「矢代さん」と呼ぶ百目鬼。
「もうあなたの部下じゃない」と言う百目鬼。
停滞した関係を変えてくれるのはやはり百目鬼なのだろうか。
ここから2人がどう変化していくのか既に気になりすぎて仕方ないです。
歯痒いなぁ。。。。
でもその歯痒さが堪らないのですけれどね。
「囀る鳥は羽ばたかない」の連載が始まったのは2011年。
それから10年が経ち、BLジャンルの流行り路線も随分と変わったと感じます。
ここまでじっくりと丁寧にキャラクターを掘り下げてもらえる作品というのは、段々と他に類を見なくなってきました。
寂しいなと、ストーリー自体の切なさにプラスして、何だかそんな切なさも込み上げた7巻でした。
囀るが終わってしまったらどう感じるだろうなぁ。
好きだから大切だから離れようとしたのに、いつまでも後ろをくっついてくる雛鳥が可愛くない訳ないじゃない、、夢に見るほど想っているのに、その愛を受け入れてしまったら自分の中の矛盾に首を絞められる矢代という人間が可哀想で可哀想で愛おしい。裏社会で泥水啜ってまでも追いかけたくなるほど美しくて儚くてかわいい人。毎巻読むごとになんでこんなにもこの人に惹かれてしまうんだろう、って百目鬼の気持ちがよくわかる。
百目鬼が裏社会に残らずかたぎとして生きていたらいつかまたグレーな世界を行き来する矢代と穏やかに出会えたのかって言われるとそれは無理な気がするから、やっぱりこれしかなかったのかなあ。でも百目鬼の家族を想うと少しだけ切ない。
鳴いて飛べない雛鳥は百目鬼のことだと思っていたけれど、心の中に残るその雛鳥を捨てられず今どこにも飛べずにいるのは、矢代なんだと思わされた7巻でした。私はやっぱりこの2人に報われてほしい。どちらかが欠けるなんてことはなく。願う最後は、似合わない幸せに包まれて。
ヨネダ作品なので、絵柄がカッコいいのは当たり前として。
この表紙のカッコよさよ…!
紙質、色遣い、そしてこの百目鬼のイラストのカッコよさに、手に取った瞬間から痺れました。背景、百目鬼のスーツから靴から手袋まですべて黒、というところに意味があるのかなあ…。
袂を分かって4年。
それぞれの道を歩んできた二人。そんな二人が、とある出来事を介して再会し―。
んー。
皆さんのレビューを拝見すると、甘さ控えめ、という感想を持たれた方が多かったみたいですが、個人的には『囀る~』シリーズで一番甘い1冊だったと、そう感じました。
誰とでも寝る男・矢代さんですが、今巻ではその雰囲気を感じる描写はあっても彼が誰かと寝るシーンは描かれていない。そして、矢代が身体を張る、その理由は、金のためでも自分のためでもなく、百目鬼を守るためなんじゃないかと思ったから。
そして百目鬼も。
彼にとって、矢代は常に「頭」だった。
自分が尽くし、守る、それは尊敬し畏怖の念さえ感じる存在だったと言っても良い。
ところが、組を離れ、百目鬼にとっての「頭」ではなくなってなお「頭」と呼んでいた百目鬼が、最後に矢代に呼び掛けたセリフ。百目鬼にとって、「頭」から「矢代さん」になったのだと。常に矢代ファーストの百目鬼にとって、矢代さんは同じ土俵に立つ一人の男になったのでは?と感じました。
しがらみがなくなり二人の間にあるものは、ただ一つ。
相手を想う、深い愛情だけになったんだなって。
だからこそ、最後の井波とのつながりを知った百目鬼が、今後どうでるのか目が離せない。
ヨネダ作品の大きな魅力の一つに、サブキャラでありながら魅力的な登場人物たち、の存在があると常々思っていますが、今巻のキーパーソンの一人に網川さんという男性が登場します。百目鬼が預けられることになった組の人。彼のセリフに痺れました。
人は変わるのか。
変われるのか。
あるいは、どこまで行っても変われないのか。
深いなあ…。
『囀る~』って、もうすぐ完結だと思ってたんですけども。
7巻に入り第2章が始まった感が否めない。
矢代が、身を切る思いで手放し、堅気の世界に戻してあげたはずの百目鬼が未だこちらの世界にいる、その理由。
矢代さんの、目。
矢代さんを取り巻く、男たちとの今後。
まだまだ続いてほしいような、そろそろ矢代さんと百目鬼を幸せにしてあげて欲しいような、不思議な感覚を持ちつつ。
次巻が今から待ち遠しいです。
ものすごーく切なく感じました。
6巻が終ってどこかの記事でヨネダ先生はあと少し続きますと言ってたと記憶してますが
矢代の過去のトラウマから、百目鬼に愛されていると
自分が自分でなくなってしまうから
アィデンテティの崩壊と言うことで。
百目鬼を捨ててしまった矢代
そういうことって現実にはあることだけれど
辛い。
BLって愛こそすべてでそのほかの障害は乗り越えてる
という作品が多く
それだけBL脳になっているのでしょうね
百目鬼が幸せになる日がくるのでしょうかね??
次はあと二年近く待たなくてはならないのかと思うと
もどかしいです
それだけ神作品ということでした。
6巻後、4年経過してある事件を通じて矢代と百目鬼が再会する。
再会のシーンはドキドキしました。
流石の表現です。
「たった4年」か「もう4年」か。
「変わった」のか「変えられた」のかもしくは「変わらない」のか。
そんなことを考えながら最後までページをめくりました。
あの日から4年。
矢代は闇カジノのオーナーになり、三角さんから「組を持て」の誘いをのらりくらりかわしながら生きています。
側に七原と杉本は居るのでそれは一読者としてひと安心。
そして、百目鬼は天羽の口利きで三和会系桜一家の組長・綱川に預けられています。
矢代から捨てられ、それでも同じ世界にいたいと裏世界に留まり居場所を作ったけれど、矢代と直接会うことは一切なく日々は過ぎています。
互いに相手の居ない世界での日常が描写されているのですが、色のない世界というか、物悲しさすら感じられる画面の連なりにこちらの気分も切なくなり・・・。
別れたあとの日々を所々に挟み込んで物語は進行していくので、4年間の空白の時間もわかりやすく埋められて現在に繋がっていきます。
ちなみに4年後の矢代は色気倍増!百目鬼の男振りも倍増!です。
ある事件が起こり、矢代サイドも百目鬼サイドも同じ人物を追うこととなり、ついに運命に引き合わされた二人。
矢代はどう感じたのか。
百目鬼をまっとうな世界に戻したくて手を離したのに、まさかの「ヤクザ」として目の前に居るなんて。
個人的に、綱川に向かって百目鬼との間柄を話す矢代の言葉に静かな怒りや落胆が混ざっていたように感じました。
手を離したのに、自由にしたのに、カタギの世界がそこにあったのになぜ陽のある場所に戻らなかったのか、と。
一方、百目鬼の方は胆が座ったというか、矢代に相対する姿に成長を感じました。
ずっと感情面(恋情面)では百目鬼が押して矢代が躱す、逃げるといった構図でしたが、7巻においてもその構図は変わらず。
百目鬼の心が成長したのはもちろんのこと、4年間の想いも積み重なってより一層強い気持ちで矢代を掴まえにいくのではないかな。いや、いってほしい!!
矢代と百目鬼が紡ぐ関係は捩れたり切れそうだったりするけれど、最後の最後は二人で並んでいて欲しいと強く願います。
7巻も印象に残るページが多すぎて、全てに感想を書いたらとんでもない文字数になってしまうので、2つだけ。
百目鬼が矢代に発した「俺のこと覚えてたんですね 頭」。
この言葉を言う前の百目鬼の表情が少し緩んで嬉しそうにも見えて。
矢代が記憶喪失の振りをして百目鬼の存在をないものとしたこと、嘘だとわかっていても百目鬼には非常に辛い出来事だったのだと改めて胸が痛みました。
もう1つはお風呂場のシーン。
『囀る鳥は羽ばたかない』といえばお風呂はいつも名シーン!!
今回も、最後の最後にきました。井波に嫉妬(おそらくこの感情が一番近そう)した百目鬼が発した言葉、行動に読み手の私まで心臓がギュッとされました。
誰にも触られたくなかった体。その体に触った奴がいる。百目鬼の男としての独占欲みたいなものが発露した瞬間。からの8巻へ続く・・・。
番外編
1、拘置所で竜崎と矢代(と七原)が面会したシーン。竜崎!生きてた!!嬉しい!!!と私のテンションが上がりました(笑)。
髪を下ろした矢代は十代の面影を残していて、竜崎また惚れちゃうなー。そして相変わらず報われないなー。
2、三角さんと矢代の戯れ(もはや茶番?)の濡れ場もどき。三角さん、矢代に対して超Sのご主人様。
シリアスな事実として、矢代の目が片方失明していたこと。右眼を手で覆うシーンがずっと気になっていたのだけど、まさかの失明。
今後、片眼であることが物語に何かしらの意味を付与する展開になるのでしょうか。
着地点はどこなのか。
どうかどうか二人にとって最良の場所に行き着きますように、と祈る気持ちで神評価。
星いくつあっても足りない位、今まで読んた漫画の中でジャンルを超えて囀るがNo.1です!
ストーリーが気になってどんどん読みがちですが、言葉のセレクト、作画の構図、みなさん仰ってますが無意味なコマが一つも無い!
奥深くて何度も何度も読み返してはぎゅーっと心を持っていかれてます。
電子で読み、紙も結局全て揃えました
矢代と百目鬼の行く末を見届けるまでは死ねません(本気)
装丁が好きすぎる。黒マット仕様に黒百目鬼ですよ。
素敵過ぎてナデナデしてます(笑)
さて、平田との抗争に終止符を打った6巻からの続きです。
囀る鳥の「鳥」って、鷲かな?鷹かな?と思っていたのですが、たぶん鷹ですよね。(違うかもだけど)
鷲と違って鷹は滅多に羽ばたかず、気流に乗って飛ぶんですよ。
33話で手負の鳥を引き摺る八代の描写の扉絵。そして、35話で羽ばたく鳥を見上げる2人。
きっと、「鳥」は八代であり百目鬼であったのだと思う。
滅多に羽ばたかない鷹が羽ばたいて飛んでゆく姿……ここに八代の元を離れる百目鬼が、そして、百目鬼から離れて行く八代の姿が重なりました。
あの時、八代が右目を隠した理由も明らかになります。
そして物語は新章へ──
あれから4年後、闇カジノ経営の傍ら金主とてしても金策にあたる八代。一方、三和会系桜一家に身を置く百目鬼。
袂を分かった2人は、金を借りたまま逃走した城戸の捜索中に再会するのです。
黒を白にし、記憶喪失だと嘘までついて堅気に戻そうとした八代の気持ちに反し、まだヤクザの世界に留まっていた百目鬼。
八代との繋がりを求めたんだと思うけど、そうまでしておいて4年も会わなかったという百目鬼の精神力に驚きです。「待て」が出来る(出来すぎる)犬ですね。
対して、八代にしてみれば青天の霹靂ですよ。
百目鬼のためだと思って手放したのに、まだこんな世界にいたんだから。
それにしても、八代は年を重ねてより色っぽくなってますね。
なんて罪な人だ;
再会のシーンは、静かですが見開きで圧巻です。
あのクレバーで飄々とした八代の心を、一瞬で揺さぶるのは百目鬼しかいないでしょう。
言葉はないけど、八代に会えて嬉しそうな顔の百目鬼の表情が印象的でした。
百目鬼が身を置く桜一家の組長・綱川も魅力的。
本人も天羽も語らない百目鬼の過去を探る男ですが、頭は切れるし回転もいい。
百目鬼をこき下ろす八代の言葉の裏も分かっているのは、天羽に言った「部下思い」の一言から読み取れます。
ヨネダ先生の作品は、キャラがストーリーを進めるためだけに言わされているセリフがひとつもないのが凄いと思う。
セリフや表情全てに意味がある。とにかく凄い。
甘さは一切ありませんが、6巻までのように殺伐とした雰囲気もない。
だけど、その淡々とした雰囲気に焦らされるんです。
2人の絡みも表面的なもので、いちからの出発というより、マイナスからの再出発です。
男とセックスするのは、八代にとってはタバコを吸うのと同じだと言ったのは七原でしたね。
セックスは八代のアイデンティティであり武器だ。
今まで散々淫乱な姿を曝け出していた八代ですが、今回そういった場面はなし。八代は変わったのか?
一方、井波からの着信を目にした百目鬼は、「──変わらないんですね」「変わらないなら 俺ともできますか」と、迫り……と、ここで本作は終了です。
多分、八代は百目鬼とはできないんだろうな。
だって、百目鬼だけが八代の特別だから。
〝ひとは変わるもの〟〝変われるもの〟〝どうせ変わらないもの〟……八代と百目鬼はどれなんでしょうね。
裏社会という環境、複雑な人間関係、過去と今そして未来……切ないこの状況の先に最大級の萌えが待っているのでしょうか?
物語の行く末が気になりすぎます……。
ずっと。紙面から饐えた匂いが漂っている様に感じていたのに。
本編は4年後。闇カジノを経営する矢代からはその匂いはしない。パリッとしたスーツを着こなして、歳は重ねたかも知れないが、やはり美しい。美しいのだ、この男は。
三角さんに組に戻る様に言われてもいるが、矢代にその気は無い。
百目鬼は天羽さんの計らいで、小さな組に所属している。三角さんの傘下では無い。
顔に遺った傷が、凄みを足していて。百目鬼はやはり寡黙で。忠実に働く。
言葉少なく、自分の事を話さない。綱川は、百目鬼を気に入ってはいたが、やはり素性を知りたいと思っていた。
別の件を追う事で、百目鬼は矢代と再会してしまう。
綱川に、「人は変わるもの、変われるものか?」と問われた矢代は、「変わるもの」と応えたが、綱川は「どうせ変わらない」と言う。
これは。百目鬼のことか。矢代のことか。
この世界から、足を洗って欲しくて。捨てたのに。百目鬼は紛れも無く極道になり「変わって」しまったかの様に見える。
一方で、矢代のその美しさは「変わらない。」
矢代が情報を得る為に、暴力的な刑事との情交を交わしていることも「変わらない。」
それを知って、カッとした百目鬼は。「俺とも出来ますか。」と矢代に詰め寄る。というところで、次巻へと続く。此処は綱川の家なので、まさかおっ始めるとは思えないし。矢代はぬるりとかわすだろう。
それよりも。無防備な色気を漂わす矢代の身体は綺麗で。細くて。大きな体躯の百目鬼に、簡単に押さえ付けられてしまいそうなのが、脆くて。哀しい。
前巻までの、鬼気迫る抗争は、平田の死で終息したかと思われたので。4年後のこれは、新章のスタートを切ったと思って読んでいる。夜の様な表紙は、白々と明けて。
昼日中の明さを漂わせると信じていたのに。また闇夜に戻ってしまったかの様に。
黒々とした表紙。闇の中、独り。百目鬼だけが描かれた表紙に暗澹たる気持ちになる。
闇の中で、百目鬼は何を想うのか。一途に想いを寄せる彼の胸中に浮かぶものは、ただ矢代の面影だけか。
ところで、平田との死闘により、矢代が片目の視力を失っている事に驚いた。(そして、また私は6巻を読み直す事になり。そこに行き着くまでの、前巻までをまた、読み直す事になる。)冒頭で、矢代がよろけたり、ドアにぶつかったりするのはその為だ。平衡感覚が危ういのだろう。
それはおそらく、身体の他の機能にも影響を及ぼしている筈で。私はそれがとても悲しい。
そんな矢代に、七原と杉本が変わらず就いている事が嬉しい。七原は矢代の変化を知って、側で支えている。
ヤクザに見えない様にと前髪を下ろして、ラフなスタイルで。刑務所にいる竜崎を面会に行くエピソードも楽しい。竜崎が赤面しているのを面白く思っている七原。
七原が居てくれるとホッとさせてくれる。
三角さんが、天羽さんの目を盗んで、若い女と「夢の国」で遊んでるのは何か、可愛いけどショック〜。まぁ、天羽さんが「姐さん方」と言うくらい何人も愛人を持っているのはさすがだけど。三角さんが真実に愛した女性は、天羽さんの母親だけなんだろう、というのをおそらく天羽さん自身が知っている。というのもニクい。三角さん、カッコいいんだから。
4年という歳月を経て。変わるものと変わらないもの。彼等の行き着く先には何があるのか。この闇は明けるのか。どうか。死にゆく諚にない事を願う。
期待を裏切らない作者様の内容に感動です。
大作になりつつある作品が回を追うごとに次が気になり続けるのは本当に久しぶりです。
さすがの作者様です。
すべての作品が大好きです。
何気ないセリフや作画のカット割、シーンに、実は深く重い意味が込められている事にいつも感嘆しています。
いつも思うのですがメインのカップルがどうのこうのというような事ではなく、人間としての思慮思考葛藤を大事に描かれいる事、を、もっと多くの方々に知られて欲しいと願っております。
ただ、あなたのそばにいたいだけ。
そんな百目鬼の切ない想いに胸がぎゅっとなる7巻でした。
前巻の抗争終結から四年の歳月が流れ、第2シーズンの幕開けです。
矢代は組の解散後、ヤクザを辞めて闇カジノの金主に、
百目鬼は三和会系桜一家の組長・綱川の下でヤクザとなり、
それぞれの状況も変化しています。
矢代が片目を失明して、百目鬼の面構え&服装がすっかり極道になって、
でも、組を辞めても矢代が相変わらず三角さんのお気に入りだったり、
変わったこともあれば変わらないこともある。
ただ、四年前と大きく違うのは矢代の傍らにはもう百目鬼がいないこと。
真誠会の解体後、矢代に捨てられ、それでも同じ世界で
生きていきたいと百目鬼が頼ったのは三角でした。
けれど、何度頼み込んでもその願いが聞き入れられることはありませんでした。
そんな愚直で諦めの悪い百目鬼を見かね、動いたのは意外にも天羽でした。
旧知の仲である綱川に百目鬼を預かるよう口利きをしてくれたのです。
その条件として綱川からある要求をされるのですが、天羽と百目鬼の
天然なのか、本気なのかわからないやり取りに噴き出しました(笑)
この二人、案外似た者同士なのかも?
そして、その後桜一家での四年間で立派な極道に成長を遂げた百目鬼。
寡黙さは変わらずですが、顔の傷の迫力もあって、凄みが増しています。
綱川からも働きぶりを認められる一方、小学生の娘も百目鬼に
特別に懐いていて、この二人の関係はちょっとした癒しでした♪
元警察官なのだから己の信義に反することもあったろうに、
自分を捻じ曲げて極道の道を歩んできたんだろうな…
少しでも矢代と繋がっていたいがために四年も耐えてきたのか
と思うと、その重すぎる愛に胸が締め付けられます。
けれど、ある事件で同一の男を追うことになり、
図らずも一度は違った矢代と百目鬼の道は再び交わり始めます。
そして、捜索の過程で遂に二人は四年越しの再会を果たします。
この時の二人の表情ったらもう…無表情なのに不思議とその内にある
驚きや喜び、失望と、複雑に混ざり合った感情が目に見えるようです。
ずっと矢代の消息を追い続けていた百目鬼に対して、矢代の方は
百目鬼の現況は全く知らなかったようで、愛していたからこそ
突き放した男がヤクザになってまた姿を現したことへの動揺と
静かな怒りを感じました。
嬉しくて堪らないはずなのに、二人の表情が痛々しくて辛い…。
わざとらしく距離を置く二人に、もう昔とは違うんだと思い知らされます。
百目鬼を前にするとツンデレを発動して「忘れてた」と言い出す矢代。
そういうところは昔のまま(笑)
冷静ぶっているけれど、内心の動揺がありありと伝わってきます。
そっけなく振舞ってはいても夢にも出てきたり、
矢代が百目鬼を忘れられる筈がないんですよね。
百目鬼が矢代のことを敢えて「頭」と呼ぶのも、知らないふりをされて、
二人の過去をなかったことにされるのが嫌だったのかなって。
一緒に過ごした時間や二人の間に一時でも通った想いを
思い出して欲しかったのかなと思えて切なかったです…。
再会後、百目鬼が一瞬昔の百目鬼の表情に戻っているのも泣けてしまった。
作中では矢代と井波の関係が続いていると思える描写もありますが、
個人的には百目鬼と結ばれて以降、誰とも身体の関係はないのでは
と淡い希望を抱いていました。
けれど、百目鬼に「今も変わらず誰とでもするんですね」と
言われたときの矢代の反応でそれは確信(願望込み)へと変わりました。
だって、このときの矢代、傷ついたような顔をしていませんか?
けれど、その言葉を否定もせず
「たかが四年でどうして変わってると思ったんだ?」と返す矢代。
対する百目鬼の「そうですね、そう簡単に変われるわけがない」というのは
何があろうと変わらない自分の矢代への想いのこと、だと思うんですよね。
でも、そんな一途な想いも矢代にはうまく伝わらず。
言葉が足りないのか、すれ違ってしまう二人。
伝えたい想いは溢れる程あるのだろうに、相手から
顔を背けるように意地を張り合う二人が焦れったい…
最後は百目鬼の衝撃発言で続きへ。
今から続きが気になりすぎます…!