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「全部あげるから生きて帰って」恋も知らない戦神に注ぐ愛。
ikigami to donor
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
上巻の引き込みそのままに下巻も突っ走ってくれました。
盛大にネタバレレビューですので、知りたくない方は読まないでください。
欲情と愛情の区別も知らない鬼道だったけど、吉野に好きだと言われ、抱きしめられて自分の気持ちが愛情だと知っていく。
だけど、二人の未来を書こうと吉野に渡された原稿用紙に何も書けない、イキガミとして育った鬼道には一年先の未来でさえも描けないでいた。
そこへイキガミとはウイルスの感染症であり、治療が出来るという展開が!
早よ注射して、今すぐイキガミやめて!と吉野に共感したし、イキガミで生きることしか知らなかった鬼道が吉野との未来のために不安ながらも、イキガミをやめたいと言うところで胸がギューっと押し潰されそうでした。
そこからの「この任務が終わってから…」
これアカンやつや、バドエンフラグやんって取り乱しましたね。
奇襲攻撃に遭い、吉野も命の危機に見舞われて…。
最後までヤキモキさせていただきました。
九死にに一生を得た二人…良かった(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
映画のようなドラマがあり、切なさあり、希望のある素晴らしいお話でした!
凄い不穏なんです。苦しくて。胸が張り裂けそう。
ハラハラのし通しで。だいぶ持ってかれました。
人を人とも思わないこの国でイキガミと選ばれ、ただ死闘を繰り返すだけの鬼道たち。
そんな鬼道と少しずつ心を通わせて行く吉野。
吉野が中学校の教師という仕事をしていて。未来ある子供たちと常に触れている、という事が。
鬼道の心を救う一助になっていたのは大きかったと思うのです。
子供達には未来がある。吉野も、照れ臭いけど、鬼道との未来を語って見せる。
けれど、イキガミとして生きるしか術の無い鬼道にとって。それは描けない未来。
これまでも。イキガミに身体を提供する為だけに生きる事に精神を病んで、死んで行ったドナーたち。
ドナーが亡くなると、戦闘で傷付いても死ぬしか無いイキガミ。
ドナーが死ねばそれで終わる運命。
え⁈ やっぱり死ネタなの⁈ ねぇ死して別れてしまう運命なの⁈ いやああああ‼︎‼︎
と、ドキハラが止まりません‼︎
以前イキガミのドナーをしていたという柴田さんは、自らも大きな傷を負っている。負っているからこそ、彼等の未来を無理矢理にも切り開いて行こうとするキーマンとなって行く。
この不穏な世界は。イキガミとは。感染症から始まる物語だったのだ。
私たちはここで「あっ‼︎」と驚かされる。コロナ禍で不安に苛まされる私たちの社会を描いているかの様ではないかと。
この恐ろしい感染症は、免疫機能に害を及ぼしている事や。都市伝説的には、化学兵器ではないかと囁かれていることや。某国は交渉の為に既にセットでワクチンを保持しているのではないかという事。
もちろん。コロナに感染してもモンスターにはならないけども。
現実社会では白兵戦こそ身近では無いが、遠い国ではまだまだ戦争は起こっていて。
それは我々の未来に暗い影を落とす。世界には覇権争いは常に起こり、実は終わらない闘いの真っ只中にある。
吉野が死んでしまった、と思ってしまってからの。鬼神にも似た鬼道の無茶な闘いぶりが痛々しくて涙。もぅ。ずっとずっと涙。
感染症は病気なので。ワクチンで治す事も出来る。イキガミ製造をしている病んだ社会を公にして、彼等の人権を守ろうとする社会へと。世の中は少しずつ変わって行く。
鬼道は、イキガミを辞める事が出来たのに。実際には辞めてはいない。というのが、個人的にはとても切ない。組織を抜け、自衛隊の様な組織に入隊したというが。
闘うことしか教育されなかったから。他に生き方を知らないというが。
彼はまだ若いので、普通の人となって生活して欲しかったなぁ、と思うのだ。
物語の世界観の中で、異常なリアルさに寂しさがある。
けれど。流星群を間近で見たいという吉野を抱き抱えて夜空を飛ぶ美しいシーンは。
普通の人では出来ないことなので。このロマンティックなワンシーンの為だけに、イキガミである必要があったのかもしれない。なんて、思うのだ。
私たちはいつも。人智を超える能力に憧れと畏れを抱いている。
読み終えた今。彼等が生きている、という事に嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて、涙。
bonus track では、辛い記憶から心を閉ざして来た柴田さんの、心をこじ開ける滝くんの。恋の成就にジワリ。後ろからハグされている柴田さんの、子供っぽい表情にほっこり。
鬼道達を見守って来て、ずっと大人でクールだった柴田さんにこんな表情をさせるなんて‼︎
ワンコ滝くんあっぱれです。
ものすごく楽しみにしていた作品。
上下そして電子同時発売うれしいです。
ただ、切ないお話の名手でもある作者さまなので、
テーマしかり、二人の行く末を考えると心配で心配で、
結局ヘタれて買ってから一晩寝かせました。
…が、よ、読んでよかった!!
設定が独特です。
イキガミは戦闘種で、えっ?飛べる??スー○ーマン…?
テイスト大丈夫かと懸念してしまいましたが、
山中ヒコさんの作品だった。
精神的な部分だけではなく、
物理的にも戦闘シーンあり流血ありで、痛く切ないお話です。
印象的なシーンは数多。
枚挙にいとまがなく、とても書ききれません。
是非読んでいただきたいとしか…
その都度、切なさに胸を引き絞られながら
イキガミである鬼道が徐々に心を解いてゆく
(そしてどんどんワンコ化していく)様にものすごく萌えました。
王道展開ではありますが、ドナーであり高校教諭でもある
吉野の描かれ方によって説得力が増したと思います。
彼は精神的に大人で、強く優しく一途です。
鬼道のために吉野が吉野であって本当によかった。
イキガミの中にあってもトップクラスの強さを誇る鬼道ですが、
常に張り詰めており、いつか破綻してしまうのではないかと
ずっとヒヤヒヤしながら読み進めていて、吉野の安定感が拠り所でした。
読み始めて少し絵が変わったかな、と思いましたが、いやいや。
横顔の美しさ。モノローグやセリフの行間を埋めるようなキャラの表情。
文字情報を一切なくして絵だけを追っていても、絶対泣けると思う。
そして、コミックスの見開きサイズに納まっているとは
とても信じられないような、情感にあふれ奥行きのある風景。
作者さまの作品は全て持っていますが、相変わらずです。圧巻の一言。
ああ、読んで良かったと、噛み締めています。
ハッピーエンドでよかった!!!!!!!!!!
セックスは最初に2回。あとは無し。
キスはあり。えっちではない。
最後まで本当に心配しながら読んだ…まさかとは思いつつももしかしたらが拭えずにページをめくる手が震えた本は久しぶりでした。
上巻で構築した関係が、かえって鬼道を臆病にしてしまった。
幼い頃から恋焦がれていた自分のドナーにやっと会えて、その人が自分を受け入れて自分を思ってくれて…失うのが怖くなって当たり前…
というよくある感情の波が力技じゃなく丁寧に描写されている。
「ほら!わかるだろ?!こういう展開好きだろ?!」て煽ってくるような作品がたまにある気がするけどそこはさすがヒコ先生だった天才。
レビューに神評価が多すぎて「ほんとか?」「どの辺の層に神刺さりなんだ?」とソワソワしながら読み始めたけど、心理描写と距離感の描き方に大部分を振りつつもプラトニックではない(エッチシーンがある!)いい本でした。
ヒコ先生の作品が好きだった古の腐女子は好きと思います(個人の解釈です)
書き下ろしで滝くんと柴田さんのCPが描かれてたのとってもよかったですね~~!
ここもっと掘り下げて欲しい!柴田さんの過去が気になる!スピンオフ待ってます!
"人間1年目"な攻め、または受けが、パートナーによって新しい世界・感覚・感情を知っていくお話が好きです。
今作で言うのなら、それは攻めの鬼道にあたりますね。
幼い頃からイキガミとしての能力を持ち、国を守るための訓練をひたすらに受け続けて来た。
戦うことしか知らず、守るものもなく、愛も知らない。
どうしようもなく孤独な彼に、少しずつ新しい世界を教えてくれた、吉野というかけがえのない鬼道のドナー。
吉野に対して、他の者とは違う特別な感情を持っているけれど、情を知らない鬼道にその感情につける名前なんてものは分かるはずもなく。
そのことまできちんと理解していて、少しずつ少しずつ、鬼道が混乱しないよう絶妙な加減でおしみない愛を与え続ける吉野。
部屋で待っている人がいて、おかえりと言ってくれる。
2人で並んで一緒に食事をする。
これだって今までの鬼道の日常にはなかったこと。
鬼道の表情がどんどん柔らかいものになっていく様子も、吉野が鬼道に贈る、日常の中にあふれる愛情の言葉もとても優しいんです。
「おかえり」と「ただいま」
この言葉がすごく優しくてあたたかくて、どうしようもなく好き。
おかえりのシーンと、なるべく怪我をしないで帰ってきてほしいという吉野の言葉を聞いて、鬼道が無傷で帰ってきたシーンの2人の表情、すごくないですか?
山中先生のキャラクターの感情が伝わる表情の描き方の上手さと、読み手が惹き込まれるような余白のあるコマ使いが素晴らしいです。
作中で何度か繰り返される言葉やモノローグでの表現も印象的で、ここぞという時にそれが効いてくるんですよね。
吉野によって鬼道の人間的な感情が育っていく様子が本当に愛おしくて。
吉野からの愛が込められた言葉を浴びていたからこそ、"好き"の感情を鬼道は素直に理解出来たのではないでしょうか。
その感情は、吉野との日々の中でさらに育ち、やがて愛情へと変化していく。
愛を知らなかった人が愛を知る瞬間とは、なんて尊いものがあるのだろう。
"未来"について考えるシーンの回想に登場する、仁王というイキガミと、自殺をしてしまった仁王のドナー。
彼らのようになってしまう未来だってもしかしたらあり得たのかもしれません。
けれど、そうはならなかった。
これが別の人であったのなら、きっと違った結果になっていたと思うんです。
鬼道が吉野という唯一無二の存在と出逢えたからこそなのでしょう。
何のために戦うのか、何を守りたいのか。なぜ失いたくないのか。
大切な人を得て、愛を知ったからこそ気付けた大切なこと。
あの時、胸に灯った何かが鬼道を突き動かしたシーン。
戦場だというのにとても静かに見えて、なんだかすごく印象的でした。
もしかしたらラストは…なんてハラハラしていたのですが、明るいもので良かった。
イキガミはドナーの血液や体液でしか病や傷を治すことが出来ない。涙も体液ですよね?
吉野がこぼした涙で…なのかな、なんて。
吉野はなぜあんなにも優しい人なのだろう。
「また明日」という言葉が好きになる、素敵なお話でした。
2冊でひとつな装丁も、彼らの関係性のようで素敵。
個人的に、上巻がヒリヒリとした世界観で神評価だったのですが、下巻でのイキガミが生まれた理由や治療薬の件が突然な気がして。
とは言え、ここがなかったらお話が変わって来ちゃいますし、もう少し伏線があったらもっともっと良かったのになあなんて思ったり。
萌萌評価と迷いつつ、上下巻通して読んで素晴らしかったので、こちらの評価に。
山中先生ならではの世界観に浸れ、非常に読み応えのある作品でした。
好きです。
『イキガミとドナー 上』の続編です。
イキガミ 鬼道と高校教師 吉野 優希のお話。
前作では、普通の高校教師として過ごしていた吉野が最強戦闘種のイキガミ 鬼道のドナーであることが判明しました。
初対面から傍若無人な鬼道に呆れる吉野ですが、鬼道が10歳から孤独だったことを知ります。
そして、「守りたいものがなにもない」と言う鬼道を「俺が守りたい」と思うようになりました。
今作は、その続きになります。
部屋に帰ると待っている人がいて、一緒にメシを食う。
出かける時は「いってらっしゃい」
帰って来たら「おかえりなさい」
無事に戻って来てくれたら「ありがとう」
そして、鬼道はずっと待っていた言葉をもらいました…。
「大好きだよ 俺のイキガミ」
吉野のことを大切に想うほど、自分がイキガミであることに苦悩します。
イキガミでいる以上は吉野が望むような未来は描けない。
そして、イキガミをやめることも出来ない。
国を守る重要な任務に就いているイキガミ…でも、彼らに人権はない。
ある日、国立医療センターを訪れた防衛省の柴田さんから鬼道と吉野は呼び出されました。
そして、柴田さんは2人に全世界を揺るがすような衝撃の事実を打ち明けます。
イキガミとして生きてきた鬼道の苦しみと葛藤が痛いほど感じられました。
誰もが好んでイキガミになった訳ではない。
莫大な報酬と保障を得ていても、そこに「未来」はないのです。
唯一無二のドナーである吉野と出会い、鬼道の考えは変化していました。
「守りたいものがなにもない」から「守りたい人がいる」に…。
それは、まさしく「愛」ですよね。
このままイキガミとして生きていくのか?
それともイキガミをやめるのか?
柴田さんの衝撃の告白からはネタバレなしでご覧いただきたい。
とくに、ラストは感動で涙が溢れます。
これぞ山中ヒコ先生の作品だなと思わせてくれますよ。
Hシーンは、相変わらず薄いです。
でも、いいんです(笑)
心も身体も繋がっていることがちゃんとわかりますから!
ちなみに、イキガミとドナーは身体の相性もバッチリです♡
描き下ろし『bonus track』
防衛省の柴田さんとイキガミの滝くんのお話。
本編のその後になります。
うぉぉぉ!もしかして、滝くんと柴田さんのスピンオフがあるのか?!
きっと、誰もが柴田さんの幸せを願っています。
いつかドナーに出会えたら愛してくれるかも知れない。
その儚く淡い期待はやがて現実になり、そして自分もドナーを愛するようになった鬼道。
イキガミでもイキガミでなくても自分を愛してくれる唯一無二の関係。
あの時、鬼道が描けなかった未来…今を2人で生きている。
それはこの先も続いていく。
うぅ、なんて素晴らしいのでしょう(泣)
無償の愛に勝るものなんてないのですね。
未来世界を舞台にした壮大なスケールの中、静かに深く心に浸透するラブストーリー。
ぜひ多くの方に読んでいただきたい作品です。
追記(2020/10/20)
スピンオフが決定したそうです!
山中ヒコ先生 おめでとうございます♡
親の愛も知らないままイキガミとなり 守るものもないまま闘い続けた彼に与えられたドナー ドナーに求められたのはイキガミに「血・肉のすべてを捧げる事」
あらためて知る鬼道の孤独に体を重ねた上巻から一転ラブラブモード全開で始まった下巻
鬼道の為だけに自分が存在するかのように欲しがるものを与え見返りは求めないドナーと 与えられたものから人としての感情を学ぶ鬼道
ドナーを想い書けなかった未来に突きつけられた真実
自分の未来に見えた光に戸惑いながら 無償の愛 闘う理由 生きることの意味をドナーを通し知っていく
対の関係だからこそのこの展開 すごいッ!
あたしの気になってた「人間兵器ができた理由」もきちんと書かれ それ以上に報われないだけの存在だったイキガミに選べる未来を与えてくれた結末つったら もぉッ!
【エンドゲーム】にドはまりして 【500年の営み】がどうにもハマれず迷いながらの購入でしたが 上巻での厳しめ評価から一転 神つけるしかなかったです
イキガミとドナーだから一緒にいられる時もある。
鬼道に抱かれた吉野。
求め、求められるようになった上巻からの続きです。
怪我をしては、吉野を抱く鬼道。
恋を知らない鬼道に、「鬼道は俺が『好き』なんだよ」と、優しく伝える吉野。
気持ちが通じ合い、関係を深めていく二人ですが、鬼道はイキガミである事を悩むように。
そんな時、イキガミの元ドナーである柴田から、イキガミでなくなる方法を示唆されてーー…!?
「ただいま」「おかえり」を言い合える関係になったことが嬉しい!
疲れて帰ってきた鬼道が、吉野の笑顔一つで癒される幸せそうな表情に胸がいっぱいになります。
番犬のような鬼道が可愛くてキュンキュンしました♡
そんな中、吉野が鬼道に出した宿題は、〝未来の自分への手紙〟
鬼道との幸せな未来を思い描く吉野に対し、イキガミである以上、その未来は叶わないと知っている鬼道。
なぜなら、イキガミが生きている限り、ドナーは搾取され続ける存在だから。
二十歳にして明日が、一年後が、未来が見えない鬼道が切なくて切なくて……
そんな二人に一石を投じる柴田。
イキガミは、治療によって『普通の人間』に戻れるというのです。
イキガミじゃなくなれば吉野も離れていくと考える鬼道に、「愛してるから離れない」という吉野のストレートな言葉が染み入ります。
イキガミを辞めて、吉野と生きる決心をした鬼道。
その時、イキガミに出動命令が……と、いう展開。
今すぐ治療してほしい吉野に、鬼道は、これを最後の任務にすると言い出動していきます。
この戦いで命を落とすかもしれない。それでも仲間のために出動する鬼道の気持ちを思うと、ギュっと胸が痛みます。
「お前だけでいいから帰ってきて欲しい」という吉野に対し、『守りたい人』ができて、イキガミが戦う意味を初めて実感した鬼道。
吉野の思いとは逆に、命をかけて仲間の救出に向かいます。
この物語の何が好きかっていうと、イキガミが戦う意味が「正義のため」ではなく、「愛する人」のためである所。
正義と悪は逆転し得る曖昧なものだと思うし、「人を守り・救う行為」こそが覆ることのない絶対的な愛だと思うから。
ラストミッションは、ハラハラドキドキの連続です。
どうなっちゃうの〜!?と、不安で息苦しささえ感じ、鬼道からの手紙には感涙でした。
気持ちをぶつけ合いながら少しずつ前に進む、二人の言動や表情ひとつひとつに心揺さぶられた。
そして、思い描いた未来を生きる二人に、また涙……
多くの方に読んで欲しいと思える壮大で素晴らしい作品でした。
感動のため息が部屋中に溢れてしまいそう。
下巻は描き下ろしもあります。
気になっていた、イキガミの滝と防衛省の柴田。
この二人も始まりそう♡
クールビューティーな柴田の照れ顔の破壊力がヤバイ!
スピンオフ読みたいです!!
冒頭、最強殺戮兵器人間であるイキガミが、ワンコ化しててかわいい。
独占欲丸出しで、吉野にひっついててかわいい。
特に鬼道に問われて「ただいまって言うよ」というところが泣ける。
おかえり、ただいまと言い合えること。
それは彼らにとって、奇跡のような瞬間なんだなと思える。
イキガミだと判明して以来、親にほぼ見放され、イキガミ訓練生として孤独に生きるほかなかった鬼道が、吉野に出会って、少しずつ人間らしくなっていくんですね。
まるでロボットが感情を覚えて「す、好き?」みたいなシーン、めっちゃいい。
だけど、明日、戦闘で命を失うかもしれないイキガミ。
吉野が描いた10年後の未来予想図に鬼道は存在したけれど、鬼道は未来を思い描くことができない。
それが、いつ死ぬかもわからないイキガミの残酷な宿命なんですね。
そういえばonBLUE連載で、8話まで読んでたのを思い出しました。
濃厚な死の気配に、この二人に未来はあるのか?最悪バッドエンドなんではなかろうか……とビビってたけど、死ネタエンドではないので安心してお読みください。
守りたいものはなかった鬼道が、吉野と出会って、愛によって変わっていく姿が本当に良かった。
近未来的な舞台とか「イキガミ」「ドナー」という設定が一瞬ややこしいと思うかもしれないけど、「人が人と出会って、愛を知り、変わる」「出会った意味がある二人」という絶対に外してはいけない部分をしっかり描いている、素晴らしい作品だと思います。
BL云々んなもん関係ねーー!!!!
その一言に尽きる。
BLとしての萌えやら尊さやらそんなレベルの話じゃなかった。
自分じゃない誰かを大切に思う気持ち、誰かの為に自分を犠牲に出来る深い愛。そんなものに胸を打たれまくりました。いや、ほんとに、最後二人が幸せになってくれて良かっ、、、た、、!!
山中先生はさすが「ここ!」ってところでギュンギュン胸を締め付けてくださる。
大事な場面での台詞選びが秀逸で、ガチで何回も泣かされました。えーん。
設定はすごく斬新で、でも説得力もちゃんとある。一歩間違えたらトンデモ設定なんですけど、なんだろ、そこを気にさせないというか、、、山中先生がそこをメインに置いていないからかすんなり世界観に浸ることができました。
でももうちょい深く掘り下げて、全5巻くらいのボリュームで読みたい気もします。
はぁ、、、
すごく温かい気持ちになりました、、、ありがとうございます、、、