兎の森 (1)

usagi no mori

兎の森 (1)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神251
  • 萌×281
  • 萌27
  • 中立5
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
35
得点
1665
評価数
372
平均
4.5 / 5
神率
67.5%
著者
苑生 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
シリーズ
兎の森
発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784813032427

あらすじ

弓永環は、人懐こくてよく笑う。そんな環の笑う顔が好きだった志井洵太。二人は1歳差の幼なじみ。環が先に入学しても卒業していっても一緒に遊んだ。小学校、中学校、高校──いつからか、それが少し変わっていった。家の前で泣く環を見た時から、志井の何かが違っていった。この気持ちは、清くない。正しくない。美しくない。禁則事項がふえていく中、高校生になった二人の関係は急速に変化していき…?

表題作兎の森 (1)

高校1年生,幼馴染
高校2年生,幼馴染

その他の収録作品

  • おかずは一品だけ(描き下ろし)

レビュー投稿数35

素晴らしく絵がきれいです

幼なじみで1歳違いの環と志井。
小さい頃からずっと一緒で、兄弟のように仲が良かった2人ですが志井が5年生の頃から環に友達以上の感情を持ちはじめます。
でも、自分の気持ちを伝えていいとは思わずにいます。それは、環の家庭環境を理解した上で、志井が「環が嫌がる事はしたくない」と考えているから。

作中それぞれの視点でお話が進みますが、志井は何も考えていないおバカな子のように見えて(実際無表情でやる事も破天荒)、環の事になると敏感に感じ取り行動したり、ダメな事から離してあげたりする事ができる聡い子だと思いました。
反対に環は、「性」に関してトラウマを抱えた子で、常識があって賢いのに子どもの頃はそれが「普通じゃない」事に気づいて居なかったり、大きくなってからも「女性」が苦手になっていたりと、自分でも理解できていない問題を背負った子だと思います。

1巻はそんな2人の様子が時にシュールな笑いを挟みながらお話が進みます。
作画がとても綺麗です。環のトラウマが無事解消されるのか、気になりました。
環と志井のBL要素はキスのみですが、お話全体に流れる爽やかでもどかしい恋心の空気感が素敵です。

1

アオハルには深すぎる…2巻まで読んで!


というのも、私は1巻を読んだまま
ずっと放置してたんです。

当時は、BLを読み始めたばかりで
最初の印象は、なんていうか
分かりやすい明るいモダモダを
楽しんでたので、
この絆される気配もない
2人のやりとりが全然刺さらなくて
志井くんなんなの。なんじゃこりゃ。
って思ってたんですよ。

それから随分と間があいて
改めて続きの2巻を読んだんですけど、
謎がね…っていうかリアル感って
マジで辛い現実味帯びてるんだけど…
あまりにあまりので言葉を失ってます

アオハルから救済…!
2巻の先生のコメントに、
志井くんなりの愛情表現ってあったんですけど
ほんと、志井くんも彼なりに
高校生の年頃なりにちゃんと悩んで
まわり道して、それから環の前に
立った彼は全然浮ついてなくて…!
泣いちゃうなーこれ。

なんか、きっと上手くいく。って
祈ってたい
次はきっとリリースしたら直ぐ読みます笑
悩めるアオハルが思う存分のってます、オススメです

1

私の人生BLです

コマ割り上手くて絵が綺麗で受けが可愛いのはもちろんなのですが、ストーリーがとにかく最高。最高以外の言葉が思いつかない自分の語彙力を恨めしく思いますが本当に最高です。フィクションなのにすごく生々しい話。シリアスだけど重すぎず、繊細な感情の機微は伝わるけど自己憐憫はなく、純愛だけど性飲には忠実で、2人の絡みが少しずつ増えていく感じがすごく丁寧に描かれてるから、エッチ描写が増えるごとに大興奮します…。そしてこの塩梅が最高。受けは完全にストレートで、実際ストレートの人が迫られたらこうだろうなあってすごくリアルに感じます。ストレートの割にはあっさり受け入れてるBLよくあるけど、そうだよな!この位段階を踏むよな!となりました。ギャグ要素も割と頻繁にあって普通に面白くて吹きます。

1

それぞれのやるせ無い想い

真っ直ぐなシイと、人知れずトラウマを抱えて生きるタマキ。

タマキと母親の関係が、リアリティがあって、痛い。どんなことがあっても、お母さんはやっぱりお母さんで、母親だって、シイのことが憎いわけではない。きっと、大切にしたい一方で、寄りかかってしまうんだろう。幼い息子は、働いたり、守ったりは出来ないから、自己肯定感を高めるための道具にしてしまったりする。特殊なことじゃ無い。

片や、“普通の”家庭で育ったタマキは、シイへの想いに悩みつつも、自分を“普通じゃない”と蔑んだりしないくらいには、幸せな環境にある。

良くある背景を持った、すれ違う二人が、下巻でどんなふうに交差するのか、楽しみ。

1

幼馴染同士の恋

1歳差幼馴染の小学校から成長していく過程でどんどん育っていく恋心を描いた作品です。
苑生先生の綿密な心理描写と、幼馴染同士の微妙な関係にすごく引き込まれました。
「大好きで大事にしたいでも距離を縮めてよいか迷う。」行き場の無い思いを抱えつつ成長するにつれて、ゆっくりと近づいたり遠ざかったりする綱渡りの2人の関係が読んでいてとてもリアルだなと思いました。
会話の間の取り方や、相手への気持ち、セリフの1つ1つが淡々としているのですが、すごく重くて深い作品です。

1

丁寧かつさくさくがおもしろい

「2人の心情をできるだけ丁寧に〜」の先生のお言葉通りの作品ですね。
丁寧な心理描写…下手したら冗長に感じる場合があるんですけど本作はそうじゃなかった。とてもよかったです。

志井がイケメンになりうれしい。背も伸びたし。
環は家庭環境があれなのに素直に育って…いい子〜。
子どもの頃から丁寧に順を追って描かれていたので、2人を見守る近所のおばちゃんの気持ちで読みました。

表情があまり変わらない志井が環大好きで一途なのがかわいい。
気負わずさくっと告白したのもいい。
断られても前向きに挑むのもいい。

それをむげにせず戸惑いながらも受け入れる球もいい。
なんせ2人の淡々としながらもかわいいやりとりに萌え〜。
2人の落ち着いたキャラとやりとりが本作の魅力ですね。

環の母親の描写は苦手ですけども。
子どもが辛い目にあう、しかも実の親によって、というのがあまり見たくない。
でも環は暗くならず素直に育っているし、女子が苦手な原因としての母親の描かれ方なのでまだなんとか…。

丁寧な描写ながら展開はさくさく進むのでおもしろい。
リレーの勝負に志井が勝ったし、ちゅーしちゃうし。こういう萌え見せ場が重要だなと改めて思いました。

描き下ろしの、ストレッチする環にひったりくっつく志井に「俺も」と友だちがくっついてくるのが笑いました。しかも2人ww
こういうとこも苑生先生いいですね。

2巻、環が志井を意識してくるのか…楽しみに読みます。

1

ゆっくり進む感情豊かな無表情攻めと小鹿のような黒髪美人受け

天然茶髪の志井 × 黒髪の環

小学生の時からの幼馴染の二人。
茶髪で無表情(細目)だけど中身は熱い「志井」と1つ年上の黒髪でぱっちり目のイケメン「環」。志井は一軒家に住むごく普通の一般家庭で育つが、環は団地でシングルマザーに育てられている。
ある日環が自分の家の玄関先で人知れず涙を流しているところを見た志井は子供心にもなんとなく帰したくなくなり、自分の家に泊めてしまう…。

繊細な線で描かれる絵がとても好きです。
ストーリーも小学1年生から始まり、高学年、中学生、高校生になるまでの成長っぷりも「あんなに可愛かった子がシュッとかっこよくなっちゃって」と親のような気持ちで読み進んじゃいました。

子供から思春期に入る頃の性の目覚めとそれに対する後ろめたい感情、自分の中に湧き上がる欲望と罪悪感との葛藤がなんとも甘酸っぱく、そしてある意味リアルに描かれているのにも関わらず、少年達の美しさを損なうことない苑生先生の愛を感じるキャラクター2人。素晴らしい作品に出会えて嬉しいです。電子で読み紙本も買いました。現2巻まで、心と身体のゆっくりとした成長が見られる。エロは少なめ、ですがドキドキさせられてしまう。これからの2人を見守りたいです。
続巻が待ち遠しいです!

1

本当に居そうな少年たちのお話

ドラマCDを予約したので原作も読もうと購入。
とても丁寧に絵もお話も作り込まれた素敵な作品でした。
一個違いの幼馴染。小1、小2の時期から話が始まります。だんだん一つ年上の環に対しての気持ちが友達としての好きではない事に気付き出す志井。
恋心は、隠しながらも割とぐいぐいボディタッチしたりして、他の男友達が肩組んでたりするとムカッとしちゃったりして。

割とドロっと黒い描写の部分も見え隠れする。
環くんは、母子家庭なんだけど18歳で子ども産んだ若くて綺麗なお母さんはオトコに依存するタイプで彼氏が出来ては、息子がいてもお構いなしにSEXしてしまうタイプのネグレクト母。
自分がどう見られるかが大事でSNSにも息子を利用したり、服や小物で家中溢れてて荒れ放題。
そんな環境で育っていながら環くんは、わかりやすく不良になったりせず、清潔感のあるおぼっちゃま風の美少年なのが、より健気さを誘う。

お母さんとの約束
[これからちゃんとするから環もあたしを助けてね]

自分で決めた約束をノートに綴る
[ぜったいにやらないこと!!!!!]
お母さんの歴代の彼氏から学んだダメな部分をノートに書いていって、全員に共通するものが
[セックス]だった事から性に対しての嫌悪感を持ってしまっている。

性に対しての嫌悪感って男女問わず持ってる人沢山いそう。こことても大事な部分だと思う。
今後、環の嫌悪感をどう変えていくのか。

地雷な人もいてそうなお話ですがこの先の2人がとても気になります。

苑生先生の作品初読みだったのですが、細かい描写がとても良かったです。ふくらはぎとかスマホで環の股間のパンチラをにゅーんして見てる志井とか。
あと、志井くんは後ろから環くんを見てることが多いから首筋が良く描かれているんですが、それもいいっ!
エロチシズム感じます。

表紙の2人は、子供の頃に冒険したフェンス越しなのかしら?とか妄想してしまうエモさがあります。
扉絵のカラーのちびっ子の雨上がりにはしゃいでる姿は、イキイキしていて見入ってしまいます。

全体的にプラトニックに進んでいましたが、ラストの描き下ろしで志井くんの妄想爆発スマホの写メ顔射オナニーからの後ろめたさも最高でした。

1

読んでるこっちがドキドキ

両片想いものなのかな〜と思っていたら、そんな単純な話でもなく…。ちょうどいいシリアス具合でした。ほのぼのシーンも多めでした。

いい子になろうと頑張る受けと、受けが自分に課したルールを破ってくれる攻め。

ていうか思いの外感情に素直な攻めがツボでした。表情が一個下、という感じがして最高でした。

久しぶりな心からいい!って思える漫画を見つけてしまった…。

2人のこれからが気になりすぎて夜も眠れません!!3巻早くよみたい。

1

志井のボンノーが笑

表紙がすごく綺麗でずっと気になってた作品ではありました。金網越しに唇を寄せ合う二人なんか秘密の恋の匂い萌えます!表紙からして
センシティブで切ない系シリアスな話かと思っていたのですが、蓋をあけてみればけっこう笑えるシーンあったり志井がアホ可愛かったりでもまぁこれはこれでアリかなと…
特に好きなシーンが、チャリ2ケツで後ろにのっている志井が環の代わりに自転車漕ぐって行って後ろからペダル踏むとこです!あの密着感イイ志井が後ろから環に抱きついて背中に頭乗せるところとても良かったです( 〃▽〃)
環は美しかった仕草もエロいのですが、深刻な悩みを抱えていて、母親のせいで女子がダメになったのですね
親が幼い子供にヤってるシーン見せるのは虐待です!
そのせいで心に傷を抱えている環が哀れです2巻で二人がどうなっていくのか気になるところです

2

伏せた瞳は何を思うのか

幼なじみの志井と環。
1つ違いの環の背中を追いかける、志井の長い片想いが描かれた1巻。

幼なじみなので友達よりももっと親しく、ふたりの距離もとても近いのにどこか噛み合っていないように見えて…
環がやけにあっさりしているからなんでしょうか。
志井もあまり表情には出ないけど環のことが好きで
でも葛藤もあって…というのはわかりにくいながらも伝わってくるのに
想いを告げられてびっくりはしていても
あまり現実的に捉えていない環に違和感を覚えました。
母親のことで自覚のないままにトラウマになっている部分が多いのかな…
というか、母親の言葉に縛られているんですよね、ずっと。
とっても良い子で優しいけど、お人形さんみたいで切なかった。

勝負に勝って、同じ気持ちではないながらも
"恋人"になったふたり。
この先の展開はどうなるのか?楽しみです。

1

せつない片思い

1歳差のおさななじみの志井と環。
小5あたりから環に思いを寄せる志井ですが、環は友達としか全く思っていません。環に彼女ができたとともに、"反抗期"と称して志井は環と距離を置きます。しかし、結局環を追いかけて同じ大学に進学します・・・

環に片思いをする志井目線で描かれており、男友達としか見てもらえず、志井はかなりの押せ押せですが全く距離が詰められない・・・とてもせつない作品です。振り向いて貰える日は果たしてくるのか・・・・・・

1

背筋が伸びるような作品

2人の気持ちと関係性の変化が丹精に綴られ、読むほうも背筋が伸びるような作品。こうゆうお話好きだー。幼なじみのお話で、洵太が環を好きになる過程が幼少期から丁寧に描かれ、環のハードだけど愛はあったがゆえに複雑な育成環境もあり、簡単には進まない二人の仲が、とても自然に心の中に入ってきた。 あと表紙が二人の距離感を表してて、ほんとに素敵だと思いました。

3

不器用な恋をする

そんなに変わった設定でもないのに、読んでいるとキュンキュン、笑えたり悲しくなったりする。
等身大の男の子の不器用がダイレクトに伝わってきて、こっちまで慌ててしまう。
なんでもない日常風景の、ふとした瞬間のときめきを切り取ったような漫画です。

好きな相手を振り向かせようと一生懸命頑張って空回りする環がアホらしくてかわいい。応援しています。

1

等身大の男の子たち

幼なじみで一歳差な二人の関係が幼少期から順序よくきちんと描かれています。
攻め視点なので無表情で感情が読みにくい志井の思考がよく分かって面白かったです。
普段ポーカーフェイスだけど環に触れてる時だけはめちゃくちゃ分かりやすい恋する男子の顔になるのも可愛いです。

二人とも、等身大のリアルな男子感が出てて会話や展開がスムーズで違和感がないのが良い。
小学生から大人の顔つきや体つきになっていく過程も楽しめました。
何より絵が綺麗で読みやすい!

最初から最後まで志井の独壇場で、環はまだ恋愛感情はない感じなので今後どう環の心情が変化していくのか気になります。
志井には無理強いはせずゆっくりじっくりと環の心を開いていってあげてほしい。

ほどよくシュールな笑いもあって、環の育った環境的にもっとシリアスな雰囲気の作品になっても良いところですが、重くなりすぎずに結構あっさりと読めるのが逆に読みやすくて良かったです。

2

好きって事は変なことじゃない。ちっとも。

ちょっと。環の家庭環境が酷過ぎて。悲しくなってしまう。
2巻は、特に。嫌な予感が的中してしまって。私も気持ち悪くなってしまう。

それ以外は。ホッとする様な可愛いさなのだ。
好きだからとチュウするのは「変なこと。」だと思っていた志井は、変なのは俺の方だった、と次第に気付く。男が好きなわけでは無い。5年生(ということは、10歳か。)頃から、志井は、環しか好きにならない、好きになれない、事に気付く。環は1つ上なので、学年が違う。小学校を卒業してしまうとその1年間は一緒に居られない。「家が近所だからな、大丈夫。」中学も、高校も。志井は必ず。環を追って行く。環は何も気付かない。

志井の想いは可愛いものと。高校生らしい劣情を伴って、どんどん膨れ上がって行く。
『同じ(気持ち)になってくんないかな…。』と願う志井の可愛らしさ。
ずっと背が低かったのに、高校生になって。環の背を抜いて。
何も意識してくれない環に焦れて。告白したのに、アッサリとフラれてしまうのだ。
でも。それでもめげないのが志井の良いところ。
多分きっと。心も体も。生き方さえも。環を救えるのは志井しかいない。
2人が早く大人になって、解放される日を待ってる。

志井が素直で、ちょっぴりクソガキなのがとてつもなく可愛い。
環は幼ない頃から母親似の美少年で、既に美しいのもいい。
志井の1人エッチがエロい。環、短過ぎるランニングパンツでそんな座り方しちゃダメ。
エロ過ぎる‼︎ スマホのヤバい使い方にビックリ‼︎

4

言葉に出来ない思春期の全てが詰まっている

『被写界深度』に続いて読んだ苑生先生の作品です。

高校1年生 志井 洵太と高校2年生 弓永 環のお話。

一歳違いの幼なじみの志井と環。
2人は小学校から中学校までは学年が違っても一緒に遊ぶほど仲良しでした。
しかし、その関係も環が中学を卒業すると疎遠になります。
なぜなら、志井はずっと昔から環が好きだったから…。

異彩を放った苑生先生のデビューコミックスと変わらず、今作も丁寧で綺麗な絵柄と繊細な心理描写を感じられます。
日々、揺れ動く思春期の男子高校生を見事に表現されていました。

ちるちるの作家インタビューに「1巻は成長期や思春期に伴う変化とその後を志井目線でメインに描きつつ、環のこじらせ感も少し描いています」と記載されている通り、物語は志井の視点で進みます。
2人がまだ小学生の頃から物語が始まり、中学生、高校生と時間が経過するストーリー構成が新鮮で、現代に時間軸が追いついた時には志井に感情移入が出来ていました。
どのように考え、悩み、変化していったのか?
志井の内面だけではなく、外見の成長も含めて見守れます。
また、環の抱える複雑な家庭環境も回想シーンを絡めて読み解くことが出来ます。
シングルマザーの母親から児童虐待を受けていた環。
おそらく、母親も虐待の認識はないのでしょう。
誰もが感じる不安や孤独…そして、寂しさの裏には愛されたいと願う気持ちが隠れている。
現代のシングルマザーが抱える闇と問題にも言及しているようにも思えました。

「俺 女の子苦手みたい」
思いもしなかった環の告白に、少しの可能性でも欲しくなった志井。
とうとう環に自分の気持ちを伝えますが…あっさり断られます。
それでも諦められない志井は、ある提案をするのですが…。

描き下ろし『おかずは一品だけ』
志井が中学2年生のお話。
ある夏、陸上部の練習をしている環。
それを見ていた志井は…。

志井の初恋を拗らせた執着と変態要素が強い愛情が作品全体から感じられ、この2人は何処に行き着くのだろうかとドキドキします。
あきらかに志井の片想いのままで付き合い始めるのですが、押し切られた環の気持ちは置いてけぼり…。
破れたフェンスの先に環が足を踏み入れたら、2人は同じ「好き」になれるのか?

続編も期待して読ませていただきます。

3

変化してゆく気持ちと変われない心

登場人物たちの変化してゆく心情、変われない心、
その一つ一つがどれも繊細で、リアリティを感じる作風でした。

志井は一つ年上の幼馴染・環を物心ついた頃から意識するようになり、
気がつけばそれは恋愛の〝好き〟になっていました。

高校生になった志井は環に幼い頃から秘めてきた気持ちを告げてしまいます。
けれど、あっさりフラれてしまい…

そりゃそうだ、それが真っ当な反応だ。
環は志井の気持ちにちっとも気付いていなかったわけで、
小中高とずっと一緒に過ごしてきて、環にとって志井は
もはや親友兼家族みたいな存在になってしまっています。
何より、環は同性愛者ではない。

ただ一つ、志井にとっての望みは環が女の子が苦手ということ。
女の性の部分を前にすると拒絶反応を示してしまう環。

それは幼い頃に母親から植え付けられた〝セックス〟への
強烈な罪悪感によるもので今も環を縛り付けていました。
表面上は息子を愛する母でも、結局は自分が一番大事な毒親。
家に男を連れ込み、息子の前で平気で男との行為に及ぶ。
これだけでも相当酷いけれど、一番の罪はその性欲を封じてしまったこと。
これって立派な虐待ですよね。
そんな母親でも環は幼心に必死に守ろうとし、今もまだ囚われたまま。

そんなにも重いものを一人背負ってきた環に迫るのは
トラウマにつけこむようで後ろめたさもあるけれど…
それでも志井を好きになった方が環は救われるんだと思います。
早く志井の想いが通じて、環が母親の洗脳から抜け出せますように。

今作が苑生先生の初読みだったのですが、
年代ごとの志井と環の描き分けが素晴らしかったです。
骨格や顔つきがきちんと成長と共に変化してゆくのが
はっきり感じ取られるって中々ないのではないでしょうか。

小さい頃から変わらず綺麗なまま育ってゆく環に対して、
ぼんやりと冴えないかんじだった志井が高校生になると
急激な進化を遂げていてめちゃくちゃ格好良かったです。
感情が顔に出ないところだけは変わらないままですが(笑)

だけど、実は心の内では環への情熱を
有り余らせているというのがすごくいい。

小5からの片思いって実際とてつもなく純愛ですよね。
それだけ大切にしてきた恋心だと臆病になってしまいそうなものですが、
ちょっと強引で、フラれてもめげない志井のポジティブさ、結構好きです。

夜の公園で志井が真顔で環にラブアピールする場面なんか、
すごく可愛いんですよね。
普段は考えの読めない無表情キャラなのに、環と手を恋人繋ぎしただけで
顔真っ赤にしっちゃって、プランプランと振る手から志井の弾む心情が
漏れ出てて、もう萌えしかありませんでした///
鉄壁環も流石にこのときだけは絆されかけてたと思いたい(笑)
志井の好きに対してキモいでもなく、寒いでもなく、
環の「かゆい」にほんのりと希望を見出しちゃいました。

1

表紙買いしてよかった

表情がとても美しかったので電子書籍で購入しました。絵柄も好みすぎるし、内容も期待を遥かに上回りました。志井(攻め)が環(受け)を思う気持ちがなんとも切なくかわいらしい。今後の展開が気になります!あと、作家買い決定です!

1

絆されないのがリアル

2巻発売に先駆けて読みました。
表紙の感じからしてシリアスな、男子高校生の青い恋愛模様を描いた作品かなと想像していたのですが、大分予想を裏切ってくれました。

志井が小学生時代からの環に対するヨコシマな気持ちを募りに募らせ、ある出来事をきっかけについに気持ちを伝えるというお話でした。
志井が飄々としていながらも、環に対して情熱の全てを傾けているような執着がややコミカルに描かれています。

今のところ脈無しに見えるんだけど、半ば強引な手を使って環と付き合う事になった志井。
ガツガツいっちゃうとダメな気がするけど、どうなるのかな?
環の母親のアレコレによるトラウマ?がどう影響してくるのか、それも非常に気になる所。

2巻楽しみです。

4

早く2巻読みたい!

2巻が出ると知って読みました。
ハァ良かった。

連載追って無いので2巻で終わるのか、まだまだ続くのかとても楽しみです。

普段は無表情なのに環に好きだと言った後のニヤけまくっている志井が物凄く可愛いです。

環の母親は虐待はしてないものの、毒親である事には変わりないと思いました。
シングルマザー故に距離が近過ぎて気持ちが悪いです。
早く環が母親の呪縛から逃れられる事を願うばかりでした。

初めは志井の気持ちを否定する環は愚かで頑なに思えましたが、母親の男達を見て来た結果なんだと分かりました。

志井の環を思う気持ちは切なかったし、でも何度も何度も断られても挫けない志井の強さに好感が持てました。

2巻がとても待ち遠しいです。

3

現時点ではまだ不安要素たっぷりなふたり…

〖DMM電子書籍〗
修正 : 濃霧
カバー折り返し : 著者コメント
カバー下 : なし
帯 : なし
裏表紙 : なし
カバーデザイン : YASUHISA KAWATANIさん
電子限定特典 : なし
備考 :
ふた言 : 最後トイレから出てきた環くんがなんとも言えない表情をしていて唸ってしまった。続きが気になりすぎてモヤモヤする!

〖紙媒体〗
未読

0

2人の心情

先生が「2人の心情をできるだけ丁寧に描いていきたいと思います」と描いてくださっていることで、信頼感が否応にも増しますね。

実際、小学生から高校生をここまで丁寧に描く作品も珍しいと思います。ひょっとしたらこのまま社会人ぐらいまで続けてくれるのだろうか。

また、その割には周囲(友達や家族)の深い描写は少なく、あくまでも"2人の心情"ばかり描いていることも特徴的。長く続く作品には得てしてメインCP以外の視点が入ってきますが、徹底して2人の心情を描こうという先生の意志を感じます。

続きにも期待大。

2

頑張れ志井くん!

幼馴染で一つ年上の環を好きな志井くん、この子がいい。
この作品が良かったのは安易にエロい展開にならなかった事。
ひとつずつちゃんとリアル。
一話ごとに小中高と成長過程を描いているので、そりゃあ好きな人(環)で色々想像したりどうしようもなくモンモンとする時期はくるんだけど(ばっかりだけど笑)、ちゃんと自制してます。

環に彼女が出来た時も、気持ちをぶつけて無理矢理しちゃうのかも、、とか正直想像しました。でも志井がしたのは2人を見たくないから距離を置き自衛する事。うん、やはり行動がちゃんとリアル。

お話が動くのは高校生になって、環が彼女と別れた理由を聞いてから。
好きな相手が「女の子苦手で…」なんて言ってきたらそりゃ動くか、動くよな。
でも気心の知れた幼馴染との恋愛は中々難しいものがありそう。しかも環には幼い頃の家庭環境から性的な事を嫌悪する傾向があるようで。(でもこれ最初もっと酷いこと想像してたからホッとした)

最後キスした後の環の表情はどう読み取ればいいんだろう。まだなんの感情も湧いてない感じかな。トラウマけっこう重たそうで少し不安…。
2巻以降も急ぐ必要は無いです。ゆっくり少しずつ進んでいってほしいな。

描き下ろしの志井くんかわいかったです笑笑。
環のユニフォーム姿の股の部分をスマホで拡大して…
きちんとズボン脱いでする計画的オナ◯ー好きです笑

4

圧倒的リアリティ

デビューコミックからのファンなので待ちに待った新作でした!

まずは表紙の美しさ!!!
カラーや光のセンスが抜群です。
裏の子供時代の様子も微笑ましいです。

内容は何と言っても圧倒的リアリティです。

物語は洵太と環の小学生時代から始まります。幼馴染の二人は1つ違いだけどお互いの家を行き来する仲良し(厳密には環の家庭は色々問題があり、環が洵太の家に行くことが多い)。
家族でテレビを見ていたらラブシーンで居心地悪くなるようなほのぼのとした洵太の家と母親が彼氏と性行為をするところを日常的に見ている環の家が対比できちんと描写されています。
この「母親の性行為」描写を受け付けない読者もいると思いますが、母のSNS投稿も併せるとシングルマザー家庭の孤独・閉塞感が増して、環の恋愛観を形成する上で重要な描写だと思います。

絵もスッキリとした線で描かれているのに、何だか生々しいんですよね。特に環の体は熱や汗が読んでいる者にも伝わるぐらい生々しく、でもとても美しく描かれています。洵太がムラムラくるのもわかります。
終盤のトイレの個室で洵太が環を抱きしめて匂いを嗅ぐところが個人的には圧巻の描写です。

この作品は「1」となっているのでゆっくり長く続くのかな?と思います。
次巻が早く読みたいけど、二人の成長や恋の過程をずっと見ていたいなと思ったりもします。

6

【最初からネタバレ】腐女子に勧めたい漫画暫定1位

洵太の目線での環が美しすぎて見ているこちらもとても引き込まれました。環だけがエロ魔神の生まれ変わりじゃないよ(笑)
作品に対して残念なのではなく、洵太が環の今を見られていないことに少し残念です。洵太…お前環の気持ちはどうでもええんか…?それじゃ花岡先輩と同じになってしまうぞ…
環が美しいのは元からでも、洵太の中学生の冴えない感じの後の、成長した高校生姿の洵太がかっこよすぎて惚れました。
練乳かかった環をなぜ襲わなかったんだ、とは思ったけどな〜洵太〜
洵太くん大学生姿も期待ができそうです。

それと、環くんのお母さんの男に共通する「セックス」だが、早々洵太がルールを破りそうで不穏です。洵太は待てるのかな?待てないのかな?
それとも別のハプニングを洵太が救うのかな…
ともかく環を傷つけないでほしい…洵太の今後の行動に期待

11匹の兎の絵本の詳細がまだ描かれていないけど、環が囚われているもの(洗脳?)とのフラッシュバックとともに出てきそうでなんだか心配です。
環が洵太に負けたとき洵太の顔をすぐには見られなかったのも何かありそうだし…

2巻に期待です。何より笑えるところがたくさんで、幼馴染ものはたくさんあるのに、1歳差のズレをこんなに距離を読者に感じさせて読めるのが感動です。笑えるところがあるぶんシリアスの間が輝いてるよなぁ、、最高です。

9

洵太が大人びた男になっていくのが楽しみ

 苑生先生のすっきりとした綺麗なタッチが大好きなので、2作目を読むことができてとても嬉しいです。サラサラの黒髪を真ん中分けして黒目がちな環が儚げで美しいのはもちろん、洵太の方も幼い頃はちょっと愛想のなさそうな顔立ちだったのが、成長した途端色っぽい目付きになっていて、その変化にやられました。キャラデザ、描き分けが冴えてるなぁと思いました。

 ストーリーの方もありそうであんまりないような展開でしたね。まず環の家庭環境も珍しい。母親にネグレクトや虐待を受けているのかと思いきやそうではなく、彼女は環の前でセックスするけれど、会話は常に穏やかで、環も母親のことを大切にしている。洵太からすれば厄介な家庭かもしれないですが、BL作品でこういう母子関係を見ると、少し安心を覚えます。そして、洵太のことはあくまで幼馴染としてしか見ておらず、母親のせいで女性を苦手に思いたくない、と主張する環。一見洵太より気弱そうに見えるけれど、案外はっきりした物言いで、どこまでも健全な男子というところが良かったです。2巻で彼らがどこまで距離を縮められるのか、環が一瞬でも洵太をそういう目で見れるようになるのか楽しみですね。

2

じれったい恋模様

紙本
修正…白短冊
カバー下…タイトル
あとがき…なし

1

丁寧な絵とストーリーに引き込まれる

前作がデビューとは思えないくらい凄く良かったので、読むことは決めてたんですが、続き物というところで、しばらく躊躇してましたが、我慢できずに購入。

やっぱり素晴らしかった。
日常にBL が溶けこんでいるというか、女子が思い描くファンタジーな男の子像ではなく、ナチュラルな男の子の感じがたまらなくいい。受けが綺麗めな作品は個人的な好みからは外れるんですが、それを凌駕するほど面白かった。

攻めの受けへの感情が育っていく過程が生々しく丁寧に描かれており、ストーリーに引き込まれました。

最後の予告がちょっと不穏な感じでしたが、今後も楽しみです。

9

ストーリーも絵柄も最高。

電子版が出たので早速購入しました。絵柄がほんとにキレイでひとこまひとこまがひとつの作品のようでした。それも素晴らしいのですが、ストーリーがまた面白かったです。

洵太の長年の片想いがメインの流れですが、そのお相手、環は家庭環境があまり良くなかったり…環のお母さん毒親っぽいし(夜の仕事やめてからは変化してるのかもしれないけれど)。この辺りもこれからどう絡んでいくのか楽しみです。

体育祭のリレーで勝って、念願の環とのお付き合いをゲットした洵太。ほんと、どうなるんだろ。2巻も絶対買います。

巻末、環の写真で抜いてる洵太。エロくてかわいかったです。

4

ストーリー性めちゃくちゃよき

年下長年一途×鈍感美人ワケあり

小学生の時1つ学年が上の受けに、子供の頃「好き」ならキスもハグもするもの。と言われ、キスをされたが攻めは「変」と言っちゃう。数年経ち、自分の受けに対する想いはそういう好きだとわかってしまう。変なのは、自分だと自覚する。

小学校、中学校ずっといっしょで、中学で受けが女の子と付き合うのをみて受けをきっぱり諦めてしまおうと、反抗期だったが結局離れられず、高校も追いかけてしまうが、中学のときより一層自分の気持ちを受けにぶつけて甘えるようになる。(これがまた幼なじみの域超えてるのに、気づかない受けがっっっ)って感じでじれったかったが、意識してもらおうと告白をする。でも、受けの家庭環境が...ワケありで

ほかの方も仰っているように、受けの母親がちょっと地雷な人もいるかもしれないです(受けのまえで母親が母の彼氏と性行為をしたりして) 私も、うっ...てなりましたが、それ以上にストーリー性がよくて、ちょっとしたところで攻めの必死さと甘苦さを感じてニコッとしたり、クスッとしたり。

小学生〜中学生のショタも見れます。

1巻目での濡れ場はなかったです。2巻目にめちゃくちゃ期待です...どうか受けが幸せになりますように。

7

頑張れ!洵太!

幼馴染の洵太と環は学年が1つ違い。
中学、高校と環を追いかけるように洵太は同じ学校に入ります。
洵太は子ども時代から環を恋愛対象として好きでしたが、環には中学時代に彼女がいて、そのまま高校進学してしまったのでそんな環を見たくない気持ちで素っ気なく接していました。

高校に進学した洵太は環が彼女と別れたことを知り、理由を問い詰めます。
環は自分を若くして産んだ母親と二人暮らしで母親は男を家によく連れ込んでいて、母親の女の部分をみた環は女性は好きだけど肉体関係にはなれず、克服しようとしていると告げます。
そんな環に洵太は想いを伝えますが玉砕。
諦めきれない洵太は環と体育祭で賭けをして勝ち、期間限定で付き合うことになり次巻へ続きます。

1巻では環が男性が好きなわけではなく、普通に女の子が好きで洵太を友人としかみていないので、今後洵太がどんな風に環を落としていくのか気になります。
環を落とすのはなかなか難しそうですが、ポジティブで前向きな洵太を応援したいです!!

4

No Title

作品としてはかなり好きです、絵も話も良く出来ていると思います。

ただ個人的なかなり地雷(親の●●●)が何度も出てくるので冷静に評価できません、なので中立としました。
匂わせる程度ならまだ良いのですが結構露骨なシーンが何度も出て来るので正直気持ち悪くなりました。

評価下げましたが表紙含め全体の雰囲気はストーリーの作り方など本当良いと思うので、気にならない方にはおすすめです。
表紙の印象を裏切らない作品になっています。

7

絵が綺麗

書店で見かけて表紙が綺麗だなって思って帯見て購入をを決めました。

ひたすら環一筋の志井の視点がメインで話が進むからか環がエロいな(笑)と共感してしまいました。絵が綺麗なのもあってとにかく美人さんで、わかる〜って志井に感情移入してました。中学の陸上部の練習で2人でストレッチしてるシーンで、環の足を志井が押さえてるときの構図が、あまりにも天才すぎて神!!!!と思いました。

1巻はひたすら志井が環に押せ押せしてる感じだったのですが、2巻でどんな感じになるか楽しみです。

11

待望の新作

デビュー作「被写界深度」が素晴らしかったので、新作を楽しみにしてました。

まず表紙!美しい!
あと中表紙の紙質がステキです。
1歳差幼なじみ志井×環の物語。
子どもの頃からの志井の環への想いが、丁寧に描かれています。
1巻なので、物語はまだこれから盛り上がっていくって感じですが、志井がほんとに一途で、可愛いです。
エロはないです。でも十分萌えます!
エロなしで萌えられるって、神ですね。
2巻が待ち遠しい。

14

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